JP6520877B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents

Description

本発明は、自車両の走行する道路の制限速度を取得し、この制限速度に基づいて自車両の走行を制御する車両走行制御装置に関する。

従来から、自車両の走行する道路の制限速度を取得し、この制限速度を自車両の目標速度に設定することにより、自車両を制限速度にて定速走行させる車両走行制御装置が知られている。こうした車両走行制御装置においては、自車両の前方に設置された道路標識をカメラで撮影することによって、あるいは、ナビゲーション装置の地図データに含まれる制限速度情報に基づいて、自車両の走行する道路の制限速度を取得する。

自車両を定速走行させる場合、必ずしも、制限速度にて走行させることが好まれるわけではない。そこで、例えば、特許文献１に提案されている装置（従来装置１と呼ぶ）においては、ドライバーのスイッチ操作によって、制限速度を自車両の目標速度に設定するか否かを選択できるように構成されている。この従来装置１では、操作スイッチの長押し操作（一定時間以上押し続ける操作）が検出された場合、制限速度を自車両の目標速度に設定する。従って、ドライバーは、定速走行制御が実施されているときに、操作スイッチを長押しすることによって、自車両を制限速度にて定速走行させることができる。

特開２０１２−２２４２４７号公報

長押し操作が行われたか否かの判定は、操作スイッチの押し操作が一定時間（長押し確定時間と呼ぶ）継続されて確定する。ところが、ドライバーが長押し操作をしている最中に、制限速度が変化することがある。つまり、押し操作の継続時間が長押し確定時間に満たないうちに、車両走行制御装置が認識している制限速度が第１制限速度から第２制限速度に変化するという状況が発生することがある。この場合、第１制限速度が目標速度に設定されてしまうと、ドライバーに違和感を与えてしまうおそれがある。

例えば、制限速度が切り替わる地点を自車両が通過しようとしているとき、ドライバーは、前方に設置された次の制限速度（第２制限速度）を表している道路標識を車両走行制御装置よりも先に(早く）認識していることがある。この場合、ドライバーは、第２制限速度が目標速度に設定されると予想して、操作スイッチを長押し操作する。しかし、長押し操作が開始されたときに車両走行制御装置が認識していた第１制限速度が目標速度に設定された場合には、ドライバーに違和感を与えてしまう。

尚、従来装置１は、ドライバーの長押し操作の有無をモニタすることによって、制限速度が切り替わる地図上のポイントを更新して、制限速度の切替わるポイントの位置精度を向上させるというシステムである。つまり、ドライバーの長押し操作が行われたときの自車両の位置を検出し、その検出した位置を、制限速度が切り替わる地図上のポイント（推定ポイント）として更新するものである。このため、従来装置１では、装置が認識している制限速度が長押し操作中に変化するということ自体発生しなく、また、そうした問題を認識してもいない。

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、操作スイッチの長押し操作中に制限速度の変更が検出された際にドライバーに与える違和感を低減することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
ドライバーのアクセルペダル操作を必要とすることなく、自車両が目標速度にて定速走行するように前記自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段（３０，４０）と、
自車両の走行する道路の制限速度を取得する制限速度取得手段（２０，２１，２２）と、
ドライバーによって操作される操作器（７０）と、
前記制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の目標速度とが相違する状況において、前記操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、前記制限速度を前記目標速度に設定する目標速度設定手段（１０）と
を備えた車両走行制御装置において、
前記目標速度設定手段は、
前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記第２制限速度を選択して前記目標速度に設定する制限速度選択手段（Ｓ３８，Ｓ５８）を備えたことにある。

本発明の車両走行制御装置は、ドライバーのアクセルペダル操作を必要とすることなく、自車両が目標速度にて定速走行するように自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段を備え、ドライバーの操作によって、制限速度を目標速度に設定できるように構成されている。そのようにするために、車両走行制御装置は、制限速度取得手段と、操作器と、目標速度設定手段とを備えている。

制限速度取得手段は、自車両の走行する道路の制限速度を取得する。目標速度設定手段は、制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の目標速度とが相違する状況において、操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、制限速度を目標速度（新たな目標速度）に設定する。従って、ドライバーは、操作器の長押し操作を行うことにより、現時点の制限速度取得手段が取得している制限速度を使って、自車両を制限速度にて定速走行させることができる。

この場合、例えば、制限速度取得手段によって取得された制限速度と目標速度（現時点の目標速度）とが相違する状況であることをドライバーに通知する通知手段を備えているとよい。

ドライバーが長押し操作をしている最中に、制限速度が変化することがある。つまり、操作器の長押し操作の最中に、制限速度取得手段が取得する制限速度が変化することがある。その場合、例えば、ドライバーが、制限速度取得手段が取得するよりも早く、次の（先の）制限速度を認識した状況で操作器の長押し操作を開始した場合には、それまでの制限速度が目標速度に設定されてしまうと、ドライバーに違和感を与えてしまう。そこで、目標速度設定手段は、こうした課題に対処するために、制限速度選択手段を備えている。

制限速度選択手段は、操作器の押し操作が検出されている最中であって、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達していない期間に、制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達した場合、第２制限速度を選択して目標速度（新たな目標速度）に設定する。

従って、本発明によれば、操作スイッチの長押し操作中に制限速度の変更が検出された場合、ドライバーに与える違和感を低減することができる。

本発明の一側面の特徴は、
前記制駆動力制御手段は、ドライバーが任意に設定した目標速度にて自車両を定速走行させるクルーズコントロール機能を有し、
前記操作器は、押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を増減調整するための目標速度設定操作器と、前記長押し操作によって前記制限速度が前記目標速度に設定されることを許諾するための許諾操作器とを兼用したものであり、
前記目標速度設定手段は、
前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止する（Ｓ３７：Ｎｏ，Ｓ３９）ように構成されたことにある。

本発明の一側面においては、制駆動力制御手段が、ドライバーが任意に設定した目標速度にて自車両を定速走行させるクルーズコントロール機能を有している。そして、操作器は、押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を増減調整するための目標速度設定操作器と、長押し操作によって制限速度が目標速度（新たな目標速度）に設定されることを許諾するための許諾操作器として兼用される。例えば、操作器は、第１方向への押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を増加させ、第２方向への押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を減少させるように機能する。

操作器が、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側へ長押し操作された場合には、その操作に対して、目標速度を制限速度にまで増加させれば、ドライバーの意図に沿った、あるいは、ドライバーの意図に近い目標速度の設定を行うことができる。一方、ドライバーが目標速度を増加させる側（例えば、上記第１方向）へ長押し操作をしている最中に、制限速度が現時点の目標速度よりも低い速度に変化した場合、目標速度よりも低い速度を新たな目標速度に設定してしまうと、ドライバーの意図とは乖離した目標速度が設定されてしまうおそれがある。

そこで、目標速度設定手段は、第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への操作器の長押し操作が検出された場合には、制限速度選択手段によって第２制限速度が目標速度（新たな目標速度）に設定されることを禁止する。従って、本発明の一側面によれば、ドライバーに与える違和感を更に低減することができる。尚、「禁止する」とは、上記の状況が検出された場合（第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への操作器の長押し操作が検出された場合）において、第２制限速度が目標速度に設定されないようにすることを意味するのであって、その後においても、第２制限速度が目標速度に設定されないように維持させることを意味しているわけではない。

尚、目標速度設定手段は、
前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止する（Ｓ５７：ＮＯ，Ｓ５９）ように構成されていてもよい。
この構成においても、ドライバーに与える違和感を更に低減することができる。

本発明の一側面の特徴は、
前記目標速度設定手段は、
前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも高く、かつ、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第１制限速度を前記目標速度に設定し、その後、更に前記操作器の押し操作が予め設定された延長時間以上継続した場合に、前記第２制限速度を前記目標速度に設定する（図１１（ｃ））ように構成されたことにある。

本発明の一側面においては、目標速度設定手段は、第１制限速度が現時点の目標速度よりも高く、かつ、第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への操作器の長押し操作が検出された場合には、制限速度選択手段によって第２制限速度が目標速度に設定されることを禁止して、第１制限速度を目標速度（新たな目標速度）に設定する。その後も、操作器の長押し操作が継続されている場合には、最新の制限速度（第２制限速度）を目標速度に設定しようとする意図によってドライバーが操作器を操作しているものと推定できる。そこで、目標速度設定手段は、長押し操作が検出された後、更に操作器の押し操作が予め設定された延長時間以上継続した場合に、第２制限速度を目標速度（新たな目標速度）に設定する。従って、本発明の一側面によれば、ドライバーが最新の制限速度を目標速度に設定しようとしている意図を良好に反映させることができる。

尚、目標速度設定手段は、
前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも低く、かつ、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第１制限速度を前記目標速度に設定し、その後、更に前記操作器の押し操作が予め設定された延長時間以上継続した場合に、前記第２制限速度を前記目標速度に設定する（図１６（ｃ））ように構成されていてもよい。
この構成においても、ドライバーが最新の制限速度を目標速度に設定しようとしている意図を良好に反映させることができる。

本発明の一側面の特徴は、
前記操作器は、クルーズコントロール用の目標速度設定操作器として使用される場合、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に増加させ、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に減少させる機能を有し、
前記目標速度設定手段は、
前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも低く、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であっても、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止して、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を現時点の目標速度から徐々に増加させる（Ｓ４２，図８、図１３）ように構成されたことにある。

本発明の一側面においては、操作器は、クルーズコントロール用の目標速度設定操作器として使用される場合、長押し操作によって、目標速度を徐々に増加あるいは減少させる機能を有している。この場合、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側（例えば、第１方向）への長押し操作に対しては、長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ目標速度が徐々に増加され、クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側（例えば、第２方向）への長押し操作に対しては、長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ目標速度が徐々に減少される。

制限速度が現時点の目標速度よりも低い状況において、目標速度を増加させる側への操作器の長押し操作が開始された場合、その操作は、目標速度を徐々に増加させようとするドライバーの意図によるものと推定することができる。このため、長押し操作の最中に制限速度が現時点の目標速度よりも高い制限速度に変化した場合に、その新しい制限速度を目標速度に設定してしまうと、ドライバーの意図と異なった動作にて目標速度が設定されてしまうおそれがある。

そこで、本発明の一側面においては、目標速度設定手段は、第１制限速度が現時点の目標速度よりも低く、クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側（例えば、第１方向）への操作器の長押し操作が検出された場合には、第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であっても、制限速度選択手段によって第２制限速度が目標速度に設定されることを禁止して、長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ目標速度を現時点の目標速度から徐々に増加させる。

従って、本発明の一側面によれば、ドライバーに与える違和感を更に低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

尚、目標速度設定手段は、
前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも高く、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であっても、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止して、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を現時点の目標速度から徐々に減少させる（Ｓ６２,図９、図１８）ように構成されていてもよい。
この構成においても、ドライバーに与える違和感を更に低減することができる。また、利便性が向上する。

本発明の一側面の特徴は、
前記制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っているか否かを判定する制限速度信頼度判定手段（２０）を備え、
前記目標速度設定手段は、
前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っていると判定され、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記操作器の長押し操作を無効とする（Ｓ３９，Ｓ５９，図８，図９，図１２（ａ），図１７（ａ））ように構成されたことにある。

本発明の一側面においては、制限速度信頼度判定手段が、制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っているか否かを判定する。例えば、自車両が交差点を右左折（右折あるいは左折）した場合には、制限速度が変更されている可能性がある。また、直前回に制限速度を取得した後に自車両が走行した距離が予め設定された距離（信頼度判定距離）を超えた場合には、制限速度が変更されている可能性がある。従って、こうした状況が検出された場合等においては、制限速度の信頼度が基準レベルを下回っていると判定することができる。

そこで、目標速度設定手段は、操作器の押し操作が検出されている最中であって、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達していない期間に、制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っていると判定され、その後、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達した場合、操作器の長押し操作を無効とする。従って、目標速度設定手段は、制限速度を目標速度に設定しない。これにより、信頼度の低い制限速度が目標速度に設定されることが防止される。従って、誤った制限速度が目標速度に設定されてドライバーに違和感を与えてしまうという不具合を低減することができる。

本発明の一側面の特徴は、
前記目標速度設定手段は、
現時点の目標速度に対する前記第１制限速度の大小関係と、現時点の目標速度に対する前記第２制限速度の大小関係とが相違する場合（（Ｓ３２：Ｙｅｓ，Ｓ３７：Ｎｏ），（Ｓ５２：Ｙｅｓ，Ｓ５７：Ｎｏ））には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止する（Ｓ３９，Ｓ５９，図８，図９）ように構成されたことにある。

ドライバーが長押し操作をしている最中に、制限速度が現時点の目標速度よりも高い値から低い値に変化した場合、あるいは、制限速度が現時点の目標速度よりも低い値から高い値に変化した場合には、変化した後の制限速度を目標速度に設定してしまうと、ドライバーの意図とは乖離した目標速度が設定されてしまうおそれがある。そこで、目標速度設定手段は、現時点の目標速度に対する第１制限速度の大小関係と、現時点の目標速度に対する第２制限速度の大小関係とが相違する場合（第１制限速度が現時点の目標速度より高く第２制限速度が現時点の目標速度より低い場合、あるいは、第１制限速度が現時点の目標速度より低く第２制限速度が現時点の目標速度より高い場合）、制限速度選択手段によって第２制限速度が目標速度（新たな目標速度）に設定されることを禁止する。従って、本発明の一側面によれば、ドライバーに与える違和感を更に低減することができる。

また、本発明は、制限速度を、自車両の上限速度に設定する車両走行制御装置であってもよい。
この車両走行制御装置は、
自車両の走行速度が上限速度を超えないように、前記自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段（３０，４０）と、
自車両の走行する道路の制限速度を取得する制限速度取得手段（２０，２１，２２）と、
ドライバーによって操作される操作器（７０’）と、
前記制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の上限速度とが相違する状況において、前記操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、前記制限速度を前記上限速度に設定する上限速度設定手段（１０’）と
を備えた車両走行制御装置において、
前記上限速度設定手段は、
前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記第２制限速度を選択して前記上限速度に設定する制限速度選択手段（Ｓ３８，Ｓ５８）を備えたことにある。

本発明の車両走行制御装置は、自車両の走行速度が上限速度を超えないように、自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段を備え、ドライバーの操作によって、制限速度を上限速度に設定できるように構成されている。そのようにするために、車両走行制御装置は、制限速度取得手段と、操作器と、上限速度設定手段とを備えている。制限速度取得手段は、自車両の走行する道路の制限速度を取得する。

上限速度設定手段は、制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の上限速度とが相違する状況において、操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、制限速度を上限速度（新たな上限速度）に設定する。従って、ドライバーは、操作器の長押し操作を行うことにより、現時点の制限速度取得手段が取得している制限速度を使って、自車両を、走行速度が制限速度を超えないように走行させることができる。

この場合、例えば、制限速度取得手段によって取得された制限速度と上限速度（現時点の上限速度）とが相違する状況であることをドライバーに通知する通知手段を備えているとよい。

ドライバーが長押し操作をしている最中に、制限速度が変化することがある。つまり、操作器の長押し操作の最中に、制限速度取得手段が取得する制限速度が変化することがある。その場合、例えば、ドライバーが、制限速度取得手段が取得するよりも早く、次の（先の）制限速度を認識した状況で操作器の長押し操作を開始した場合には、それまでの制限速度が上限速度に設定されてしまうと、ドライバーに違和感を与えてしまう。そこで、上限速度設定手段は、こうした課題に対処するために、制限速度選択手段を備えている。

制限速度選択手段は、操作器の押し操作が検出されている最中であって、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達していない期間に、制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、押し操作の継続時間が長押し確定時間に到達した場合、第２制限速度を選択して上限速度（新たな上限速度）に設定する。

従って、本発明によれば、操作スイッチの長押し操作中に制限速度の変更が検出された場合、ドライバーに与える違和感を低減することができる。

上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。

本実施形態に係る車両走行制限装置の概略システム構成図である。 クルーズ操作器の操作方向を表す説明図である。 制限速度の変更に伴う表示画面の切替わりを説明する説明図である。 表示制御ルーチンを表すフローチャートである。 目標速度設定ルーチンを表すフローチャートである。 上操作対応処理ルーチンを表すフローチャートである。 下操作対応処理ルーチンを表すフローチャートである。 上方向に長押し操作された場合のクルーズ操作器の機能を表す図である。 下方向に長押し操作された場合のクルーズ操作器の機能を表す図である。 上方向第１機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）は変形例を表す。 上方向第２機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）および（ｃ）は変形例を表す。 上方向第２機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）は変形例を表す。 上方向第３機能を表す説明図である。 上方向第３機能を表す説明図である。 下方向第１機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）は変形例を表す。 下方向第２機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）および（ｃ）は変形例を表す。 上方向第２機能を表す説明図であり、（ａ）は実施形態、（ｂ）は変形例を表す。 下方向第３機能を表す説明図である。 下方向第３機能を表す説明図である。 上操作対応処理ルーチンの変形例（上方向第１機能の変形例）を表すフローチャートである。 下操作対応処理ルーチンの変形例（下方向第１機能の変形例）を表すフローチャートである。 上操作対応処理ルーチンの変形例（上方向第２機能の変形例）を表すフローチャートである。 下操作対応処理ルーチンの変形例（下方向第２機能の変形例）を表すフローチャートである。

以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図１は、本実施形態の車両走行制御装置の概略システム構成図である。

本実施形態の車両走行制御装置は、ＲＳＡ−ＡＣＣ（Road Sign Assist −Adaptive Cruise Control）を実施する運転支援システムである。ＲＳＡ−ＡＣＣは、車間制御機能付きクルーズコントロール（ＡＣＣと呼ぶ）に、更に、制限速度を目標速度に設定する機能を付加した運転支援制御である。ＡＣＣは、ドライバーが任意に設定した目標速度（いわゆるセット車速）にて、自車両を定速走行させる定速制御（クルーズコントロール：ＣＣと呼ぶ）に、更に、先行車両と自車両との車間距離を適切な距離に維持しながら先行車両に対して自車両を追従走行させる車間制御機能を付加した運転支援制御である。従って、ＲＳＡ−ＡＣＣの実施時においては、ドライバーのアクセルペダル操作を要することなく、自車両を制限速度にて定速走行させることができる。

ＲＳＡ−ＡＣＣが実施される場合には、自車両が走行している道路の制限速度がリアルタイムで取得される。このＲＳＡ−ＡＣＣの実施中においては、取得された制限速度が、現時点の目標速度と相違している場合には、その旨がドライバーに通知され、その通知に対してドライバーが許諾回答操作をしたときに、制限速度が目標速度に設定される。

以下、車両走行制御装置の構成から説明する。

図１に示すように、車両走行制御装置は、運転支援ＥＣＵ１０、制限速度取得ＥＣＵ２０、エンジンＥＣＵ３０、ブレーキＥＣＵ４０、および、メータＥＣＵ５０を備えている。これらのＥＣＵは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置（Electric Control Unit）であり、適宜、ＣＡＮ（Controller Area Network）を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、不揮発性メモリ及びインターフェースＩ／Ｆ等を含む。ＣＰＵはＲＯＭに格納されたインストラクション（プログラム、ルーチン）を実行することにより各種機能を実現するようになっている。本実施形態においては、運転支援ＥＣＵ１０とエンジンＥＣＵ３０とは別々に設けられているが、エンジンＥＣＵ３０内に運転支援ＥＣＵ１０の機能が備わっていてもよい。

制限速度取得ＥＣＵ２０は、自車両が現在走行している走行路における制限速度を取得するための電子制御装置であって、車載カメラ２１に接続されている。車載カメラ２１は、車両の前方を撮影し、撮影して得られた画像情報を制限速度取得ＥＣＵ２０に送信する。制限速度取得ＥＣＵ２０は、画像解析機能を有し、車載カメラ２１から出力された画像情報を受信し、撮像画像から道路標識（路面標識でもよい）を認識し、道路標識で表される制限速度（法定制限速度）を検出する。従って、制限速度取得ＥＣＵ２０は、自車両の走行中に、車載カメラ２１から送信される画像情報を常時受信して画像解析することによって、自車両の前方に設置された道路標識に表示されている制限速度を取得する（認識する）。

制限速度を取得するにあたっては、車載カメラ２１に代えて（あるいは加えて）ナビゲーション装置２２（図中において破線にて示す）を用いることもできる。このナビゲーション装置２２は、自車両の位置を検出するＧＰＳ受信機と、地図情報および道路情報を記憶する記憶装置と、地図情報および道路情報の最新情報を外部から取得する通信装置とを備えている。道路情報には、制限速度情報が含まれている。ナビゲーション装置２２は、地図上における自車両の位置と道路情報とに基づいて、車両が現在走行している走行路における制限速度を表す制限速度情報を抽出し、抽出した制限速度情報を制限速度取得ＥＣＵ２０に出力する。

尚、ナビゲーション装置２２は、地図情報および道路情報を記憶する記憶装置を備えずに、それらの最新情報を、外部の情報提供装置（インフラ設備）から逐次受信する無線通信端末装置であってもよい。

制限速度取得ＥＣＵ２０は、このようにして制限速度を取得すると、取得した制限速度を運転支援ＥＣＵ１０に出力する。

運転支援ＥＣＵ１０には、先行車両センサ６０、クルーズ操作器７０、および、車速センサ８０が接続されている。

先行車両センサ６０は、自車両の前方に存在する先行車両の情報を取得する機能を有し、例えば、レーダセンサおよびカメラを備えている。先行車両センサ６０は、先行車両の検出、および、自車両と先行車両との距離を検出することができる装置であればよく、必ずしも、レーダセンサとカメラとの両方を備える必要は無く、何れか一方を備える構成であってもよいし、他のセンサを備える構成であってもよい。

レーダセンサは、例えば、ミリ波帯の電波を前方に照射し、先行車両が存在する場合には、その先行車両からの反射波を受信する。そして、レーダセンサは、その電波の照射タイミングと受信タイミングと等に基づいて、先行車両の有無、自車両と先行車両との距離（先行車車間距離と呼ぶ）、および、自車両と先行車両との相対速度（先行車相対速度と呼ぶ）などを演算し、その演算結果を運転支援ＥＣＵ１０に出力する。カメラは、例えば、ステレオカメラであって、車両前方の左および右の風景を撮影する。カメラは、撮影した左右の画像データに基づいて、先行車両の有無、先行車車間距離、および、先行車相対速度などを演算し、演算結果を運転支援ＥＣＵ１０に出力する。以下、先行車両の有無、先行車車間距離、および、先行車相対速度などを表す情報を、先行車両情報と呼ぶ。

クルーズ操作器７０は、基部がステアリングハンドルの裏側に取り付けられ、先端部がステアリングハンドルの径方向外側に向かって延びた操作レバー７１を備えている。操作レバー７１は、図２に示すように、先端がドライバーから見て、上方向、下方向、手前方向（後方）、および、奥方向（前方）に揺動操作可能に設けられている。

クルーズ操作器７０は、操作レバー７１の先端に設けられるメインスイッチ７２と、操作レバー７１の操作によってオンするリジューム／増速スイッチ７３、セット／減速スイッチ７４、キャンセルスイッチ７５、および、モードスイッチ７６を備えている。以下、クルーズ操作器７０の操作方向については、運転席に着座したドライバーから見た方向を表す。

クルーズ操作器７０において、メインスイッチ７２以外は、ドライバーによって操作レバー７１が操作されている間だけ、操作方向に押されたスイッチがオンし、ドライバーが操作レバー７１から手を離すと操作レバー７１が初期位置に戻って、全てのスイッチ７３，７４，７５，７６がオフするように構成されている。本実施形態においては、図２に示すように、操作レバー７１の先端が上方向に押し上げられたときにリジューム／増速スイッチ７３がオンし、操作レバー７１の先端が下方向に押し下げられたときにセット／減速スイッチ７４がオンし、操作レバー７１の先端が手前側（ドライバー側）に引き寄せられたときにキャンセルスイッチ７５がオンし、操作レバー７１の先端が奥側（前方）に押し出されたときにモードスイッチ７６がオンするように構成されている。また、メインスイッチ７２は、押し操作されるたびに、オンオフ状態が交互に切り替わる主電源スイッチである。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０のメインスイッチ７２がオンしている場合に限って、操作レバー７１の押し操作によってオンオフするスイッチ（リジューム／増速スイッチ７３、セット／減速スイッチ７４、キャンセルスイッチ７５、モードスイッチ７６）が機能するようになっている。

運転支援ＥＣＵ１０は、メインスイッチ７２がオンされており、目標速度が未設定状態である場合に、セット／減速スイッチ７４がオンするとセット／減速スイッチ７４がオフした時点の実車速（車速センサ８０により検出された車速）を目標速度として設定する（記憶する）。また、運転支援ＥＣＵ１０は、目標速度が設定されている状態でセット／減速スイッチ７４がオンした場合には、１回のレバー操作（押し操作）時間に応じた減少幅で目標速度を減少させる。

例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、操作レバー７１が瞬時的に下方向に押し操作された場合（セット／減速スイッチ７４のオン継続時間が所定時間（例えば、０．６秒）未満の場合）には、１回のレバー操作につき、減少幅の少ない所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ目標速度を減少させる。以下、この操作をタップダウン操作と呼ぶことがある。また、運転支援ＥＣＵ１０は、操作レバー７１が所定時間以上継続して下方向に押し操作された場合（セット／減速スイッチ７４のオン継続時間が所定時間（例えば、０．６秒）以上の場合）には、操作レバー７１が押されている間（セット／減速スイッチ７４がオンしている間）、減少幅の大きい所定速度間隔（例えば、５ｋｍ／ｈ）で、徐々に（所定の周期で）目標速度を減少させる。この操作によって自車両は徐々に減速するため、以下、この操作をコースト操作と呼ぶことがある。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、目標速度が設定されている状態でリジューム／増速スイッチ７３がオンした場合には、１回のレバー操作（押し操作）時間に応じた増加幅で目標速度を増加させる。例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、操作レバー７１が瞬時的に上方向に押し操作された場合（リジューム／増速スイッチ７３のオン継続時間が所定時間（例えば、０．６秒）未満の場合）には、１回のレバー操作につき、増加幅の少ない所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ目標速度を増加させる。この操作をタップアップ操作と呼ぶことがある。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、操作レバー７１が所定時間以上継続して上方向に押し操作された場合（リジューム／増速スイッチ７３のオン継続時間が所定時間（例えば、０．６秒）以上の場合）には、操作レバー７１が押されている間（リジューム／増速スイッチ７３がオンしている間）、増加幅の大きい所定速度間隔（例えば、５ｋｍ／ｈ）で、徐々に（所定の周期で）目標速度を増加させる。この操作によって自車両は徐々に加速するため、以下、この操作をアクセル操作と呼ぶことがある。

以下、操作レバー７１の操作に関して、操作レバー７１が所定時間以上継続して押し操作されることを長押し操作と呼び、操作レバー７１が瞬時的に押し操作されることを短押し操作と呼ぶ。運転支援ＥＣＵ１０は、操作レバー７１の押し操作によってオンするスイッチのオン継続時間を計測し、オン継続時間が所定時間（以下、長押し確定時間と呼ぶ）以上である場合には、その押し操作を長押し操作と判定し、オン継続時間が長押し確定時間未満である場合には、その押し操作を短押し操作と判定する。長押し操作と短押し操作とを区別する必要が無い場合には、それらを、単に、押し操作、あるいは、操作と呼ぶ。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、走行制御（車間制御あるいは定速制御）の実施中に、キャンセルスイッチ７５がオンした場合、あるいは、メインスイッチ７２がオフした場合には、走行制御の実施を解除する。尚、キャンセルスイッチ７５のオンの場合には、その時点における目標速度を記憶保持し、メインスイッチ７２のオフの場合には、その時点における目標速度を記憶消去する。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、キャンセルスイッチ７５のオンによる走行制御の解除後に、リジューム／増速スイッチ７３がオンした場合、キャンセルスイッチ７５のオン時に記憶した目標速度を使って走行制御を再開する。

以上が、ドライバーが、クルーズ操作器７０を使って定速制御用の目標速度(セット車速）を増減調整する方法である。

モードスイッチ７６は、車両の走行制御モードを、車間制御モードと定速制御モードとに切り替えるスイッチであって、更に、車間制御モードおよび定速制御モードのそれぞれにおいて、目標速度を制限速度に設定する機能（ＲＳＡ機能と呼ぶ）を働かせるか否かを選択するスイッチでもある。従って、車両の走行制御モードは、ＲＳＡ機能付き車間制御（ＲＳＡ−ＡＣＣ）を実施するＲＳＡ−ＡＣＣモードと、ＲＳＡ機能を働かせない車間制御（ＡＣＣ）を実施するＡＣＣモードと、ＲＳＡ機能付き定速制御（ＲＳＡーＣＣ）を実施するＲＳＡ−ＣＣモードと、ＲＳＡ機能を働かせない定速制御（ＣＣ）を実施するＣＣモードとに切り替えられる。運転支援ＥＣＵ１０は、メインスイッチ７２がオンされている状態で、例えば、モードスイッチ７６が押し操作された回数、あるいは、モードスイッチ７６の長押し操作時間等に応じて、車両の走行制御モードを切り替える。

運転支援ＥＣＵ１０は、車間制御（ＲＳＡ−ＡＣＣおよびＡＣＣ）の実施時においては、自車両の前方に先行車両が検出されている場合、先行車両と自車両との車間距離を適切な距離に維持しながら先行車両に対して自車両を追従走行させ、先行車両が検出されていないときには、自車両を目標速度で定速走行させる。また、運転支援ＥＣＵ１０は、定速制御（ＲＳＡ−ＣＣおよびＣＣ）の実施時においては、自車両を目標速度で定速走行させる。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、ＲＳＡ−ＡＣＣおよびＲＳＡ−ＣＣの実施時において、自車両を定速走行させる場合、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度を、定速制御の目標速度に設定できる。以下、ＲＳＡ−ＡＣＣおよびＲＳＡ−ＣＣについては、両者を特別に区別する必要が無いため、それらをまとめてＲＳＡ−ＡＣＣと呼ぶ。また、ＡＣＣおよびＣＣについても、両者を特別に区別する必要が無いため、それらをまとめてＡＣＣと呼ぶ。

このクルーズ操作器７０は、目標速度などＡＣＣの設定を行うために使われるだけでなく、ドライバーが制限速度を目標速度に設定することを許諾するための操作器として兼用される。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０によって、制限速度を目標速度に設定することが許諾された場合には、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度を目標速度に設定する。この制限速度を目標速度に設定することを許諾回答する操作については、後述する。

エンジンＥＣＵ３０は、エンジン３１の制御、および、トランスミッション３２の制御に必要となる各種のセンサ３３が接続されている。エンジンＥＣＵ３０は、要求駆動力に基づいて、エンジン３１の燃料噴射制御、点火制御、および、吸入空気量制御を実施する。また、エンジンＥＣＵ３０は、車速とスロットル開度に対して予め定められているシフトアップ線とシフトダウン線とに基づいてトランスミッション３２の変速を制御する。

運転支援ＥＣＵ１０は、定速制御、および、車間制御の実行時においては、自車両の目標加速度を演算する。例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、定速制御の実行時においては、車速センサ８０によって検出された車速と目標速度とに基づいて、自車両の車速が目標速度に追従するように自車両の目標加速度を演算する。また、運転支援ＥＣＵ１０は、車間制御の実行時においては、自車両と先行車両との車間距離が、車速に応じて設定される目標車間距離に追従するように自車両の目標加速度を演算する。そして、運転支援ＥＣＵ１０は、演算した目標加速度にて自車両が加速（目標加速度が負の値となる減速も含む）するために必要となる要求駆動力（負の値、即ち、要求制動力である場合も含む）を演算する。運転支援ＥＣＵ１０は、この要求駆動力をエンジンＥＣＵ３０に送信する。

エンジンＥＣＵ３０は、要求駆動力に従ってエンジン３１およびトランスミッション３２を制御する。エンジンＥＣＵ３０は、要求駆動力が大きな制動力を必要とする値となりエンジン３１およびトランスミッション３２だけでは要求に応えられない場合には、その不足分を油圧ブレーキで発生させるようにブレーキＥＣＵ４０に対して要求制動力を送信する。

ブレーキＥＣＵ４０は、ブレーキアクチュエータ４１に接続されている。ブレーキアクチュエータ４１は、ブレーキペダルによってブレーキ油を加圧するマスタシリンダと、各車輪のブレーキキャリパに内蔵されているホイールシリンダとの間の油圧回路に設けられる（図示略）。ブレーキＥＣＵ４０は、ブレーキアクチュエータ４１の制御に必要となる各種のセンサ４２が接続されている。ブレーキＥＣＵ４０は、要求制動力に基づいて、ブレーキアクチュエータ４１の作動を制御して車輪に摩擦制動力を発生させる。

メータＥＣＵ５０は、運転席から視認可能な位置に設けられた表示器５１に接続されている。運転支援ＥＣＵ１０は、ＲＳＡ−ＡＣＣを実施している場合、メータＥＣＵ５０に対して、現在の目標速度を表す情報、先行車両の有無を表す先行車両情報、および、制限速度を表す情報を送信する。メータＥＣＵ５０は、運転支援ＥＣＵ１０から送信された情報にしたがって、現在の目標速度を表示器５１に表示するとともに、車間制御モードにおいて先行車両が検出されている場合には先行車両の存在を表すマークを表示器５１に表示する。このように表示された画面を通常表示画面と呼ぶ。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度と目標速度とが相違する場合には、メータＥＣＵ５０に対して、問合せ表示を表示器５１に表示させるための問合せ表示指令を送信する。メータＥＣＵ５０は、問合せ表示指令を受信すると、制限速度と、目標速度と、許諾回答操作方向を表すマークとを表示した問合せ表示画面を表示器５１に表示する。

ＲＳＡ−ＡＣＣは、自車両の走行している道路の制限速度をＡＣＣの目標速度として設定する機能を備えているが、制限速度を目標速度に設定することは、ドライバーによっては、あるいは、その時々の状況によっては、好ましいとは限らない。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度と目標速度とが相違する場合に、ドライバーに対して、制限速度を目標速度に設定しても良いか否かについて問い合わせる。この問い合わせのために、問合せ表示画面が表示器５１に表示される。

例えば、図３に示すように、制限速度１００ｋｍ／ｈの道路を目標速度１００ｋｍ／ｈで走行している場合には、表示器５１には通常表示画面Ｄ１が表示される。この通常表示画面Ｄ１によって、ドライバーは、目標速度が１００ｋｍ／ｈであることを認識することができる。時刻ｔ１において、制限速度取得ＥＣＵ２０が道路標識から新たな制限速度（８０ｋｍ／ｈ）を検出する（取得する）と、制限速度取得ＥＣＵ２０は、運転支援ＥＣＵ１０に新たな制限速度を表す情報を送信する。これにより、運転支援ＥＣＵ１０は、新たな制限速度と、現時点の目標速度と、問合せ表示指令とをメータＥＣＵ５０に送信して、表示器５１に問合せ表示画面Ｄ２を表示させる。

問合せ表示画面Ｄ２には、現時点の目標速度および制限速度と、許諾回答操作方向を表すマーク（破線で囲んだ部分：以下、アクセプト方向マークと呼ぶ）とが表示される。メータＥＣＵ５０は、制限速度が目標速度よりも高い場合には、クルーズ操作器７０による許諾回答操作方向が上方向であることを表すアクセプト方向マークを表示し、制限速度が目標速度よりも低い場合には、クルーズ操作器７０による許諾回答操作方向が下方向であることを表すアクセプト方向マークを表示する。図３の例では、制限速度８０ｋｍ／ｈに対して、その時点における目標速度が１００ｋｍ／ｈであるため、アクセプト方向マークは、クルーズ操作器７０の押し操作方向が下方向であることを表している。

次に、通常表示画面Ｄ１と問合せ表示画面Ｄ２との切り替え処理について説明する。図４は、運転支援ＥＣＵ１０の実施する表示制御ルーチンを表す。運転支援ＥＣＵ１０は、ＲＳＡ−ＡＣＣ（上述したようにＲＳＡ−ＣＣを含む）を実施するモードが選択されている場合、所定の演算周期にて表示制御ルーチンを実施する。

表示制御ルーチンが開始されると、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ１１において、制限速度が検出されているか否か、つまり、制限速度取得ＥＣＵ２０が、自車両の走行している道路の制限速度を認識しているか否かについて判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度取得ＥＣＵ２０によって制限速度が検出されている場合（Ｓ１１：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２において、現時点の目標速度と現時点の制限速度とが互いに同じ値であるか否かについて判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、目標速度と制限速度とが互いに同じ値である場合（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１３において、メータＥＣＵ５０に対して、目標速度を表す情報、および、通常表示指令を送信する。これにより、メータＥＣＵ５０は、目標速度を表示した通常表示画面Ｄ１を表示器５１に表示させる。

一方、目標速度と制限速度とが互いに相違する場合（Ｓ１２：Ｎｏ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ１４において、メータＥＣＵ５０に対して、目標速度と制限速度とを表す情報、および、問合せ表示指令を送信する。これにより、メータＥＣＵ５０は、目標速度、制限速度、および、アクセプト方向マークを表示した問合せ表示画面Ｄ２を表示器５１に表示させる。こうして、ドライバーに目標速度が制限速度と異なっている旨（制限速度を目標速度に設定することの提案）が通知される。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が検出されていない場合（Ｓ１１：Ｎｏ）、その処理をステップＳ１３に進める。従って、この場合には、通常表示画面Ｄ１が表示器５１に表示される。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ１３あるいはステップＳ１４の処理を実施すると、表示制御ルーチンを一旦終了し、その後、所定の演算周期にて表示制御ルーチンを繰り返し実施する。これにより、制限速度が目標速度と異なっている場合には、ドライバーに対して、制限速度を目標速度に設定しても良いか否かについて問い合わせが行われる。また、表示器５１に表示される目標速度は、後述する目標速度設定ルーチンで設定される目標速度をリアルタイムで表したものとなっている。

運転支援ＥＣＵ１０は、表示器５１に問合せ表示画面Ｄ２が表示されているとき（制限速度が目標速度と異なっているとき）に、アクセプト方向マークが表している方向にクルーズ操作器７０が長押し操作された場合、制限速度を目標速度に設定する。例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が目標速度よりも高い場合には、クルーズ操作器７０が上方向に長押し操作されたことが検出された場合、制限速度を目標速度に設定する（クルーズ操作器７０の長押し操作が下方向の場合には、制限速度を目標速度に設定しない）。一方、制限速度が目標速度よりも低い場合には、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０が下方向に長押し操作されたことが検出された場合、制限速度を目標速度に設定する（クルーズ操作器７０の長押し操作が上方向の場合には、制限速度を目標速度に設定しない）。

制限速度を目標速度に設定しても良いとの許諾回答操作方向は、クルーズ操作器７０で目標速度を増減調整する操作方向と同じ方向に設定されている。例えば、制限速度が目標速度よりも高い場合には、制限速度を目標速度に設定することを許諾回答すると目標速度が増加する。従って、この場合の許諾回答操作方向は、クルーズ操作器７０で目標速度を増加させる操作方向と同じ方向となっている。逆に、制限速度が目標速度よりも低い場合には、制限速度を目標速度に設定することを許諾回答すると目標速度が減少する。従って、この場合の許諾回答操作方向は、クルーズ操作器で目標速度を減少させる操作方向と同じ方向となっている。

また、ドライバーの意思によって回答操作がなされたものであることを判断するために、制限速度を目標速度に設定しても良いとの許諾回答操作は、クルーズ操作器７０の長押し操作が要求される。従って、運転支援ＥＣＵ１０は、問合せ表示画面Ｄ２を表示しているときに、許諾回答操作方向にクルーズ操作器７０が押し操作されても、その押し操作が長押し操作でない限り、その操作を許諾回答操作として受け付けない。

このように、通常表示画面Ｄ１が表示されているときと、問合せ表示画面Ｄ２が表示されているときとでは、クルーズ操作器７０の長押し操作の機能が切り替わる。つまり、クルーズ操作器７０の長押し操作（上方向あるいは下方向）は、通常表示画面Ｄ１が表示されているときには、アクセル操作あるいはコースト操作として働き、問合せ表示画面Ｄ２が表示されているときには、制限速度を目標速度に設定しても良いとの許諾回答操作として働く。

例えば、図３に示すように、時刻ｔ２において、クルーズ操作器７０の許諾回答方向への長押し操作が検出されると、目標速度が制限速度に設定されるとともに、問合せ表示画面Ｄ２が通常表示画面Ｄ１に切り替わる。この例では、目標速度が１００ｋｍ／ｈから８０ｋｍ／ｈに切り替わる。

以下、制限速度を目標速度に設定しても良いと許諾回答することをアクセプトと呼び、その許諾回答操作をアクセプト操作と呼ぶ。

このように、クルーズ操作器７０は、定速制御における目標速度の増減調整操作と、制限速度を目標速度に設定するアクセプト操作との両方に兼用される。そのため、クルーズ操作器７０の操作によって行われた目標速度の設定が、ドライバーの意図と乖離しないようにする必要がある。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、以下に説明する目標速度設定処理を実施する。図５は、運転支援ＥＣＵ１０の実施する目標速度設定ルーチンを表す。運転支援ＥＣＵ１０は、ＲＳＡ−ＡＣＣを実施するモードが選択されている場合、上述した表示制御ルーチンと並行して、目標速度設定ルーチンを所定の演算周期で実施する。

目標速度設定ルーチンが起動すると、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ２１において、クルーズ操作器７０が押し操作されたか否かを判定する。ここでは、目標速度の設定に関する操作である上方向の操作（リジューム／増速スイッチ７３のオン）と下方向の操作（セット／減速スイッチ７４のオン）とに関して、その有無が判定される。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ２１の判定を所定の演算周期で繰り返し、クルーズ操作器７０の押し操作が検出されるまで待機する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器の押し操作を検出すると（Ｓ２１：Ｙｅｓ）、ステップＳ２２において、その押し操作の方向を判定し、上方向の押し操作（リジューム／増速スイッチ７３のオン）である場合には、ステップＳ３０において、上操作対応処理を実施し、下方向の押し操作（セット／減速スイッチ７４のオン）である場合には、ステップＳ５０において、下操作対応処理を実施する。

上操作対応処理（Ｓ３０）は、図６に示す上操作対応処理ルーチンに従って実施される。下操作対応処理（Ｓ５０）は、図７に示す下操作対応処理ルーチンに従って実施される。まず、上操作対応処理ルーチンから説明する。上操作対応処理ルーチンが開始されると、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３１において、制限速度取得ＥＣＵ２０によって検出されている最新の制限速度を読み込み、ステップＳ３２において、その制限速度が現時点の目標速度よりも高いか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が目標速度よりも高い場合（Ｓ３２：Ｙｅｓ）、その処理をステップＳ３３に進める。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３３において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３４において、長押し操作が確定したか否かについて判定する。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０が押し操作されている継続時間（リジューム／増速スイッチ７３のオン継続時間）を計測し、オン継続時間が予め設定した長押し確定時間以上であるか否かについて判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定していない場合（Ｓ３４：Ｎｏ）、その処理をステップＳ３３に戻して、上述した処理を所定の演算周期で繰り返す。長押し操作が確定する前に、クルーズ操作器７０の押し操作が終了した場合（Ｓ３３：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作が短押し操作であった場合には、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３５において、その操作をタップアップ操作として扱って、目標速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ増加させる。

一方、ステップＳ３４において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている継続時間が長押し確定時間以上となった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３６において、制限速度取得ＥＣＵ２０によって検出されている最新の制限速度を読み込み、ステップＳ３７において、その制限速度が現時点の目標速度よりも高いか否かを判定する。制限速度が目標速度よりも高い場合（Ｓ３７：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３８において、今回のクルーズ操作器７０の長押し操作を、増速方向のアクセプト操作として扱って、最新の制限速度（ステップＳ３６で読み込んだ制限速度）を目標速度に設定する。

例えば、クルーズ操作器７０の長押し操作中（クルーズ操作器７０の押し操作が開始された後、長押し確定時間が経過していない期間）に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度が第１制限速度から第２制限速度に変更される場合がある。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、第２制限速度が現時点の目標速度より高い場合には、第１制限速度ではなく、この第２制限速度（最新の制限速度）を選択して、この第２制限速度を目標速度に設定する（目標速度←第２制限速度）。

一方、ステップＳ３６で読み込んだ制限速度が目標速度以下となる場合（Ｓ３７：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの制限速度が目標速度よりも高く、長押し操作が確定したときの最新の制限速度が目標速度以下となる場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３９において、クルーズ操作器７０の操作を無効とする。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、このクルーズ操作器７０の操作に対して、目標速度の変更を行わない。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３２において、制限速度が目標速度以下となると判定した場合（Ｓ３２：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作開始時における制限速度が目標速度以下となる場合、その処理をステップＳ４０に進める。

尚、ステップＳ３１あるいはステップＳ３６において、運転支援ＥＣＵ１０が制限速度を読み込んだときに、制限速度取得ＥＣＵ２０が制限速度を認識していない場合には、ステップＳ３２あるいはステップＳ３７において「Ｎｏ」と判定される。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ４０において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ４１において、長押し操作が確定したか否かについて判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定していない場合（Ｓ４１：Ｎｏ）、その処理をステップＳ４０に戻して、上述した処理を所定の演算周期で繰り返す。長押し操作が確定する前に、クルーズ操作器７０の押し操作が終了した場合（Ｓ４０：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作が短押し操作であった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、その処理をステップＳ３５に進め、その操作をタップアップ操作として扱って、目標速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ増加させる。

一方、ステップＳ４１において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている継続時間が長押し確定時間以上となった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ４２において、今回のクルーズ操作器７０の長押し操作を、アクセプト操作ではなく、アクセル操作として扱って、目標速度を現時点の値から徐々に増加させる。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、長押し操作が確定したときからクルーズ操作器７０が押し操作されている期間（クルーズ操作器７０の押し操作が検出されなくなるまでの期間）、所定の周期で、目標速度を増加させる。例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、目標速度を、一定時間が経過するたびに、８０ｋｍ／ｈ→８５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→・・・というように所定速度間隔で徐々に増加させる。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３５，Ｓ３８，Ｓ３９，Ｓ４２において、それぞれクルーズ操作器７０の操作に応じた目標速度の設定処理（無効処理も含める）を行うと、本ルーチンを一旦終了する。運転支援ＥＣＵ１０は、その後、その処理をステップＳ２１（図５）に戻して、上述した処理を繰り返す。

次に、下操作対応処理ルーチン（図７）について説明する。下操作対応処理ルーチンが開始されると、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５１において、制限速度取得ＥＣＵ２０によって検出されている最新の制限速度を読み込み、ステップＳ５２において、その制限速度が現時点の目標速度よりも低いか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が目標速度よりも低い場合（Ｓ５１：Ｙｅｓ）、その処理をステップＳ５３に進める。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５３において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５４において、長押し操作が確定したか否かについて判定する。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０が押し操作されている継続時間（セット／減速スイッチ７４のオン継続時間）を計測し、オン継続時間が予め設定した長押し確定時間以上であるか否かについて判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定していない場合（Ｓ５４：Ｎｏ）、その処理をステップＳ５３に戻して、上述した処理を所定の演算周期で繰り返す。長押し操作が確定する前に、クルーズ操作器７０の押し操作が終了した場合（Ｓ５３：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作が短押し操作であった場合には、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５５において、その操作をタップダウン操作として扱って、目標速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ減少させる。

一方、ステップＳ５４において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている継続時間が長押し確定時間以上となった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５６において、制限速度取得ＥＣＵ２０によって検出されている最新の制限速度を読み込み、ステップＳ５７において、その制限速度が現時点の目標速度よりも低いか否かを判定する。制限速度が目標速度よりも低い場合（Ｓ５７：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５８において、今回のクルーズ操作器７０の長押し操作を、減速方向のアクセプト操作として扱って、最新の制限速度（ステップＳ５６で読み込んだ制限速度）を目標速度に設定する。

例えば、クルーズ操作器７０の長押し操作中（クルーズ操作器７０の押し操作が開始された後、長押し確定時間が経過していない期間）に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度が第１制限速度から第２制限速度に変更される場合がある。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、第２制限速度が現時点の目標速度より低い場合には、第１制限速度ではなく、この第２制限速度を選択して目標速度に設定する（目標速度←第２制限速度）。

一方、ステップＳ５６で読み込んだ制限速度が目標速度以上となる場合（Ｓ５７：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの制限速度が目標速度よりも低く、長押し操作が確定したときの最新の制限速度が目標速度以上となる場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５９において、クルーズ操作器７０の操作を無効とする。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、このクルーズ操作器７０の操作に対して、目標速度の変更を行わない。

また、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５２において、制限速度が目標速度以上となると判定した場合（Ｓ５２：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作開始時における制限速度が目標速度以上となる場合、その処理をステップＳ６０に進める。

尚、ステップＳ５１あるいはステップＳ５６において、運転支援ＥＣＵ１０が制限速度を読み込んだときに、制限速度取得ＥＣＵ２０が制限速度を認識していない場合には、ステップＳ５２あるいはステップＳ５７において「Ｎｏ」と判定される。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ６０において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ６１において、長押し操作が確定したか否かについて判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定していない場合（Ｓ６１：Ｎｏ）、その処理をステップＳ６０に戻して、上述した処理を所定の演算周期で繰り返す。長押し操作が確定する前に、クルーズ操作器７０の押し操作が終了した場合（Ｓ６０：Ｎｏ）、つまり、クルーズ操作器７０の操作が短押し操作であった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、その処理をステップＳ５５に進めて、その操作をタップダウン操作として扱って、目標速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ減少させる。

一方、ステップＳ６１において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている継続時間が長押し確定時間以上となった場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ６２において、今回のクルーズ操作器７０の長押し操作を、アクセプト操作ではなく、コースト操作として扱って、目標速度を現時点の値から徐々に減少させる。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、長押し操作が確定したときからクルーズ操作器７０が押し操作されている期間（クルーズ操作器７０の押し操作が検出されなくなるまでの期間）、所定の周期で、目標速度を減少させる。例えば、運転支援ＥＣＵ１０は、目標速度を、一定時間が経過するたびに、１００ｋｍ／ｈ→９５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→・・・というように所定速度間隔で徐々に減少させる。

運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５５，Ｓ５８，Ｓ５９，Ｓ６２において、それぞれクルーズ操作器７０の操作に応じた目標速度の設定処理（無効処理も含める）を行うと、本ルーチンを一旦終了する。運転支援ＥＣＵ１０は、その後、その処理をステップＳ２１（図５）に戻して、上述した処理を繰り返す。

以上説明した目標速度設定ルーチンによれば、クルーズ操作器７０が短押し操作された場合、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度に関係なく、目標速度が所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ増加調整あるいは減少調整される。つまり、クルーズ操作器７０が上方向へ短押し操作された場合には、タップアップ操作が行われたものとして処理され、クルーズ操作器７０が下方向へ短押し操作された場合には、タップダウン操作が行われたものとして処理される。

一方、クルーズ操作器７０が長押し操作された場合には、現時点の目標速度と長押し操作が開始された時に認識されている制限速度との大小関係、および、現時点の目標速度と長押し操作が確定した時に認識されている制限速度との大小関係に応じて、クルーズ操作器７０の機能が決定される。ここで現時点の目標速度を目標速度Ｖsetと呼び、長押し操作が開始された時に認識されていた制限速度を第１制限速度Ｖlim１と呼び、長押し操作が確定した時に認識されていた制限速度を２制限速度Ｖlim２と呼ぶ。尚、長押し操作が開始された時とは、クルーズ操作器７０の押し操作が開始された時であって、その時点では、長押し操作であるとは判定されていない。

例えば、自車両が制限速度の切替わるポイントを通過する直前にドライバーがクルーズ操作器７０の長押し操作を開始した場合には、長押し操作を行っている間（操作開始から長押し操作が確定するまでの間）に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度が変化することがある。その場合には、ドライバーがクルーズ操作器７０を操作したときの意図と異なった目標速度が設定されてしまうおそれがあり、ドライバーに違和感を与える要因となる。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、上記の大小関係に基づいてクルーズ操作器７０の機能（クルーズ操作器７０の操作に対して目標速度を設定する処理）を切り替える。

図８は、クルーズ操作器７０が上方向に長押し操作された場合における、長押し操作が開始された時の目標速度Ｖsetと第１制限速度Ｖlim１との大小関係と、長押し操作が確定した時の目標速度Ｖsetと第２制限速度Ｖlim２との大小関係とに基づいて設定されるクルーズ操作器７０の機能を表している。また、図９は、クルーズ操作器７０が下方向に長押し操作された場合における、長押し操作が開始された時の目標速度Ｖsetと第１制限速度Ｖlim１との大小関係と、長押し操作が確定した時の目標速度Ｖsetと第２制限速度Ｖlim２との大小関係とに基づいて設定されるクルーズ操作器７０の機能を表している。尚、長押し操作が確定するまでの期間においては、目標速度は切り替わらないため、長押し操作が開始された時の目標速度Ｖsetと長押し操作が確定した時の目標速度Ｖsetとは、互いに同一の値（現時点の目標速度）である。

まず、クルーズ操作器７０が上方向に長押し操作されたケースから説明する。

＜上方向第１機能＞
クルーズ操作器７０が上方向に長押し操作されたケースでは、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖsetよりも高い場合には、ドライバーが、目標速度を制限速度にまで増加させようという意図によりクルーズ操作器７０を操作したものと推定できる。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、基本的には、クルーズ操作器７０の長押し操作を、アクセプト操作として扱って処理する。ただし、長押し操作の最中に（長押し操作が確定する前に）制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化することがある。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、上方向の長押し操作の最中に制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化した場合には、クルーズ操作器７０の操作を、最新の第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理する（Ｓ３８、図８の下段右側セル）。

例えば、制限速度が切り替わるポイントを自車両が通過しようとしているとき、ドライバーは、前方に設置された第２制限速度Ｖlim２を表している道路標識を制限速度取得ＥＣＵ２０よりも先に（早く）認識していることがある。この場合、ドライバーは、アクセプト操作をすれば、目標速度が、自身の認識している制限速度に設定されるものと予想している。換言すれば、ドライバーは、目標速度を自身の認識している制限速度に設定しようという意思のもとに、クルーズ操作器７０の長押し操作を開始する。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作中に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化した場合には、最新の制限速度である第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定する。これにより、ドライバーの意図に沿った、目標速度を設定することができる。従って、ドライバーに与える違和感を低減することができる。

また、ドライバーがクルーズ操作器７０の長押し操作を開始するときに第２制限速度Ｖlim２を認識していない場合もある。その場合であっても、第１制限速度Ｖlim１および第２制限速度Ｖlim２がともに現時点の目標速度Ｖsetよりも高い場合には、目標速度を制限速度（第１制限速度Ｖlim１）にまで増加させようというドライバーの操作意図からすれば、最新の制限速度である第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定することは、ドライバーにとって好都合である。従って、この場合においても、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、高い利便性が得られる。

例えば、図１０（ａ）に示すように、目標速度Ｖsetが８０ｋｍ／ｈに設定され、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が１００ｋｍ／ｈである状況（以下、初期状況１と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１で上方向にクルーズ操作器７０の押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいて、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝１２０ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合、時刻ｔ３にて、第２制限速度Ｖlim２が目標速度に設定される。つまり、最新の第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作が行われたものとして、目標速度が設定される。

以下、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作中に、認識されている制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に切り替わった場合に、その長押し操作を、第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能を上方向第１機能と呼ぶ。

＜上方向第２機能＞
上記の例は、第１制限速度Ｖlim１および第２制限速度Ｖlim２がともに現時点の目標速度Ｖsetよりも高い場合である。しかし、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖset以下となる場合も考えられる。この場合に、クルーズ操作器７０の上方向への長押し操作を、上記のように第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理してしまうと、ドライバーの意図とは乖離した目標速度が設定されてしまい、ドライバーに違和感を与えるおそれがある。

そこで、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖset以下となる場合には、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作が無効とされる（Ｓ３９、図８の下段中央セル）。つまり、第２制限速度Ｖlim２が目標速度として設定されることが禁止される。

例えば、図１１（ａ）に示すように、上記と同様の初期状況１において、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度が、目標速度Ｖset（＝８０ｋｍ／ｈ）よりも低い第２制限速度Ｖlim２（＝６０ｋｍ／ｈ）に替わった場合には、時刻ｔ３にて、クルーズ操作器７０の上方の長押し操作が無効とされる。従って、目標速度は、変更されず、それまでの目標速度Ｖset（＝８０ｋｍ／ｈ）が維持される。これにより、ドライバーに与える違和感を低減することができる。

また、クルーズ操作器７０の押し操作が開始された後、長押し操作が確定する前に、制限速度取得ＥＣＵ２０が制限速度を認識できなくなってしまうことも考えられる。例えば、自車両が交差点を右左折（右折あるいは左折）した場合には、制限速度が変更されている可能性がある。また、直前回に制限速度標識を検出した後に自車両が走行した距離（制限速度標識を検出できずに自車両が走行した距離）が予め設定された信頼度判定距離を超えた場合には、制限速度が変更されている可能性がある。また、車載カメラ２１あるいはナビゲーション装置２２の異常が検出されている場合には、制限速度を適正に検出することができなくなる。このような状況においては、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度の信頼性が低くなる。

そこで、制限速度取得ＥＣＵ２０は、認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった状況であるか否かを所定の演算周期で判定する。そして、制限速度取得ＥＣＵ２０は、認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった状況であると判定した場合、制限速度が未認識状態である旨を表す情報を運転支援ＥＣＵ１０に送信する。

例えば、制限速度取得ＥＣＵ２０は、車載カメラ２１によって撮影された画像に基づいて、あるいは、ナビゲーション装置２２によって検出される自車両の走行軌跡に基づいて、自車両が交差点を右左折したか否かを判定する。制限速度取得ＥＣＵ２０は、自車両が交差点を右左折したと判定した場合に、認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった状況であると判定する。また、制限速度取得ＥＣＵ２０は、車速センサ８０により検出される車速と、制限速度標識が検出できていない継続時間とから、制限速度標識を検出できずに自車両が走行した距離を演算し、この距離が信頼度判定距離を超えた場合に、認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった状況であると判定する。また、制限速度取得ＥＣＵ２０は、制限速度取得ＥＣＵ２０は、車載カメラ２１（あるいはナビゲーション装置２２）の異常が検出されている場合に、認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった状況であると判定する。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の上方向の押し操作が開始された後、長押し操作が確定する前に、制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった場合には、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作を無効にする（Ｓ３９、図８の下段左側セル）。従って、目標速度は変更されない。以下、制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなっている状態を、制限速度の未認識状態と呼ぶ。

例えば、図１２（ａ）に示すように、上記と同様の初期状況１において、上方向の長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度が未認識状態となった場合には、時刻ｔ３にて、クルーズ操作器７０の長押し操作が無効とされる。従って、目標速度は、それまでの目標速度Ｖset（＝８０ｋｍ／ｈ）が維持される。これにより、信頼度の低い制限速度が目標速度に設定されることが防止される。従って、誤った制限速度が目標速度に設定されてドライバーに違和感を与えてしまうという不具合を低減することができる。

以下、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作中に、認識されている制限速度が、目標速度Ｖsetよりも高い第１制限速度Ｖlim１から目標速度Ｖsetよりも低い第２制限速度Ｖlim２に切り替わった場合（図１１（ａ））に、その長押し操作を無効とする運転支援ＥＣＵ１０の機能を上方向第２機能と呼ぶ。また、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作中に、目標速度Ｖsetよりも高い第１制限速度Ｖlim１が認識されている状態から未認識状態に切り替わった場合（図１２（ａ））に、その長押し操作を無効とする運転支援ＥＣＵ１０の機能についても上方向第２機能と呼ぶ。

＜上方向第３機能＞
一方、クルーズ操作器７０が上方向に長押し操作された場合、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset以下であるケースでは、制限速度を目標速度に設定しようという意図ではなく、目標速度を増加させようという意図により、ドライバーがクルーズ操作器７０を操作したものと推定できる。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作が検出された場合、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset以下の場合には、クルーズ操作器７０の操作を、アクセル操作として扱って処理する。

この場合、長押し操作の最中に（長押し操作が確定する前に）制限速度が第１制限速度Ｖlim１から、目標速度Ｖsetよりも高い第２制限速度Ｖlim２に変化することが考えられる。しかし、その場合（Ｖlim２＞Ｖset）であっても、ドライバーがクルーズ操作器７０の操作を開始したときの意図を反映させるべきである。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作の途中で、制限速度が第１制限速度Ｖlim１（≦Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＞Ｖset）に切り替わっても、クルーズ操作器７０の操作を、アクセル操作として扱って処理する（Ｓ４２，図８の中段セル）。従って、第２制限速度Ｖlim２が目標速度として設定されることが禁止される。

例えば、図１３に示すように、目標速度Ｖsetが８０ｋｍ／ｈに設定され、制限速度取得ＥＣＵ２０によって認識されている制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が６０ｋｍ／ｈである状況（以下、初期状況２と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１でクルーズ操作器７０を上方向に押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいては、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝１００ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合であっても、目標速度は、第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、時刻ｔ３から８５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→９５ｋｍ／ｈ→１００ｋｍ／ｈ→・・・というように、所定速度間隔で徐々に増加設定される。これにより、ドライバーの意図を反映させた目標速度を設定することができ、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

また、制限速度が認識されていない状況で、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作の途中（押し操作の開始後、長押し操作が確定される前）に、制限速度が認識される場合も考えられる。長押し操作の開始後に認識された第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも高い場合には、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作を、第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱うことも可能である。しかし、その場合には、ドライバーがクルーズ操作器７０の操作を開始したときの意図と異なった処理がなされてしまう。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が認識されていない状況でクルーズ操作器７０の上方向の長押し操作が検出された場合には、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作の途中で、新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２（＞Ｖset））が認識された場合であっても、クルーズ操作器７０の操作を、アクセル操作として扱って処理する（Ｓ４２，図８の上段セル）。

例えば、図１４に示すように、目標速度Ｖsetが８０ｋｍ／ｈに設定され、制限速度が未認識となっている状況（以下、初期状況３と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１でクルーズ操作器７０を上方向に押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいては、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝１００ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合であっても、目標速度は、第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、時刻ｔ３から、８５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→９５ｋｍ／ｈ→１００ｋｍ／ｈ→・・・というように、所定速度間隔で徐々に増加設定される。これにより、ドライバーの意図を反映させた目標速度を設定することができ、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

以下、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作開始時の制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が目標速度Ｖset以下となっている場合（図１３）には、長押し操作の途中でどのような制限速度（第２制限速度Ｖlim２）が認識されても、その第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、クルーズ操作器７０の操作をアクセル操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能を上方向第３機能と呼ぶ。また、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作開始時に制限速度が認識されていない場合（図１４）には、長押し操作の途中でどのような制限速度（第２制限速度Ｖlim２）が認識されても、その第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、クルーズ操作器７０の操作をアクセル操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能についても上方向第３機能と呼ぶ。

次に、クルーズ操作器７０が下方向に長押し操作されたケースについて説明する。

<下方向第１機能＞
クルーズ操作器７０が下方向に長押し操作されたケースでは、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖsetよりも低い場合には、ドライバーが、目標速度を制限速度にまで減少させようという意図によりクルーズ操作器７０を操作したものと推定できる。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、基本的には、クルーズ操作器７０の長押し操作を、アクセプト操作として扱って処理する。ただし、長押し操作の最中に（長押し操作が確定する前に）制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化することがある。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、下方向の長押し操作の最中に制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化した場合には、クルーズ操作器７０の操作を、最新の第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理する（Ｓ５８、図９の下段右側セル）。

例えば、制限速度が切り替わるポイントを自車両が通過しようとしているとき、ドライバーは、前方に設置された第２制限速度Ｖlim２を表している道路標識を制限速度取得ＥＣＵ２０よりも先に（早く）認識していることがある。この場合、ドライバーは、アクセプト操作をすれば、目標速度が、自身の認識している制限速度に設定されるものと予想している。換言すれば、ドライバーは、目標速度を自身の認識している制限速度に設定しようという意思のもとに、クルーズ操作器７０の長押し操作を行う。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の長押し操作中に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に変化した場合には、最新の制限速度である第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定する。これにより、ドライバーの意図に沿った、目標速度を設定することができる。従って、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。

また、ドライバーがクルーズ操作器７０の長押し操作を開始するときに第２制限速度Ｖlim２を認識していない場合もある。その場合であっても、第１制限速度Ｖlim１および第２制限速度Ｖlim２がともに現時点の目標速度Ｖsetよりも低い場合には、目標速度を制限速度（第１制限速度Ｖlim１）にまで減少させようというドライバーの操作意図からすれば、最新の制限速度である第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定することは、ドライバーにとって好都合である。従って、この場合においても、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。また、高い利便性が得られる。

例えば、図１５（ａ）に示すように、目標速度Ｖsetが１００ｋｍ／ｈに設定され、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が８０ｋｍ／ｈである状況（以下、初期状況１’と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１で下方向にクルーズ操作器７０の押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいて、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝６０ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合、時刻ｔ３にて、第２制限速度Ｖlim２が目標速度に設定される。つまり、最新の第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作が行われたものとして、目標速度が設定される。

以下、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作中に、認識されている制限速度が第１制限速度Ｖlim１から第２制限速度Ｖlim２に切り替わった場合に、その長押し操作を、第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能を下方向第１機能と呼ぶ。

＜下方向第２機能＞
上記の例は、第１制限速度Ｖlim１および第２制限速度Ｖlim２がともに現時点の目標速度Ｖsetよりも低い場合である。しかし、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖset以上となる場合も考えられる。この場合に、クルーズ操作器７０の下方向への長押し操作を、上記のように第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱って処理してしまうと、ドライバーの意図とは乖離した目標速度が設定されてしまい、ドライバーに違和感を与えるおそれがある。

そこで、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖset以上となる場合には、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作が無効とされる（Ｓ５９、図９の下段中央セル）。つまり、第２制限速度Ｖlim２が目標速度として設定されることが禁止される。

例えば、図１６（ａ）に示すように、上記と同様の初期状況１’において、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度が、目標速度Ｖset（＝１００ｋｍ／ｈ）よりも高い第２制限速度Ｖlim２（＝１２０ｋｍ／ｈ）に替わった場合には、時刻ｔ３にて、クルーズ操作器７０の下方の長押し操作が無効とされる。従って、目標速度は、変更されず、それまでの目標速度Ｖset（＝１００ｋｍ／ｈ）が維持される。これにより、ドライバーに与える違和感を低減することができる。

また、クルーズ操作器７０の押し操作が開始された後、長押し操作が確定する前に、制限速度取得ＥＣＵ２０が制限速度を認識できなくなってしまうことも考えられる。つまり、クルーズ操作器７０の長押し操作中に、制限速度取得ＥＣＵ２０の認識している制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなることも考えられる。

運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の下方向の押し操作が開始された後、長押し操作が確定する前に、制限速度の信頼度が基準レベルよりも低くなった場合には、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作を無効にする（Ｓ５９、図９の下段左側セル）。従って、目標速度は変更されない。

例えば、図１７（ａ）に示すように、上記と同様の初期状況１’において、下方向の長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度が未認識状態となった場合には、時刻ｔ３にて、クルーズ操作器７０の長押し操作が無効とされる。従って、目標速度は、それまでの目標速度Ｖset（＝１００ｋｍ／ｈ）が維持される。これにより、信頼度の低い制限速度が目標速度に設定されることが防止される。従って、誤った制限速度が目標速度に設定されてドライバーに違和感を与えてしまうという不具合を低減することができる。

以下、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作中に、認識されている制限速度が、目標速度Ｖsetよりも低い第１制限速度Ｖlim１から目標速度Ｖsetよりも高い第２制限速度Ｖlim２に切り替わった場合(図１６（ａ））に、その長押し操作を無効とする運転支援ＥＣＵ１０の機能を下方向第２機能と呼ぶ。同様に、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作中に、目標速度Ｖsetよりも低い第１制限速度Ｖlim１が認識されている状態から未認識状態に切り替わった場合（図１７（ａ））に、その長押し操作を無効とする運転支援ＥＣＵ１０の機能についても下方向第２機能と呼ぶ。

＜下方向第３機能＞
一方、クルーズ操作器７０が下方向に長押し操作された場合、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset以上であるケースでは、制限速度を目標速度に設定しようという意図ではなく、目標速度を減少させようという意図により、ドライバーがクルーズ操作器７０を操作したものと推定できる。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の下向の長押し操作が検出された場合、その操作開始時の第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset以上の場合には、クルーズ操作器７０の操作を、コースト操作として扱って処理する。

この場合、長押し操作の最中に（長押し操作が確定する前に）制限速度が第１制限速度Ｖlim１から、目標速度Ｖsetよりも低い第２制限速度Ｖlim２に変化することが考えられる。しかし、その場合（Ｖlim２＜Ｖset）であっても、ドライバーがクルーズ操作器７０の操作を開始したときの意図を反映させるべきである。そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作の途中で、制限速度が第１制限速度Ｖlim１（≧Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＜Ｖset）に切り替わっても、クルーズ操作器７０の操作を、コースト操作として扱って処理する（Ｓ６２，図９の中段セル）。従って、第２制限速度Ｖlim２が目標速度として設定されることが禁止される。

例えば、図１８に示すように、目標速度Ｖsetが１００ｋｍ／ｈに設定され、制限速度取得ＥＣＵ２０によって認識されている制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が１２０ｋｍ／ｈである状況（以下、初期状況２’と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１でクルーズ操作器７０を下方向に押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいては、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝８０ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合であっても、目標速度は、第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、時刻ｔ３から、９５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→８５ｋｍ／ｈ→８０ｋｍ／ｈ→・・・というように、所定速度間隔で徐々に減少設定される。これにより、ドライバーの意図を反映させた目標速度を設定することができ、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

また、制限速度が認識されていない状況で、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作の途中（押し操作の開始後、長押し操作が確定される前）に、制限速度が認識される場合も考えられる。長押し操作の開始後に認識された第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも低い場合には、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作を、第２制限速度Ｖlim２を目標速度に設定するアクセプト操作として扱うことも可能である。しかし、その場合には、クルーズ操作器７０の操作を開始したときのドライバーの意図と異なった処理がなされてしまう。

そこで、運転支援ＥＣＵ１０は、制限速度が認識されていない状況でクルーズ操作器７０の下方向の長押し操作が検出された場合には、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作の途中で、新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２（＜Ｖset））が認識された場合であっても、クルーズ操作器７０の操作を、コースト操作として扱って処理する（Ｓ６２，図９の上段セル）。

例えば、図１９に示すように、目標速度Ｖsetが１００ｋｍ／ｈに設定され、制限速度が未認識となっている状況（以下、初期状況３’と呼ぶ）において、ドライバーが時刻ｔ１でクルーズ操作器７０を下方向に押し操作を開始したケースを考える。このケースにおいては、長押し操作が確定する時刻ｔ３よりも前の時刻ｔ２にて、制限速度取得ＥＣＵ２０が新たな制限速度（第２制限速度Ｖlim２＝８０ｋｍ／ｈ）を認識する。この場合であっても、目標速度は、第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、時刻ｔ３から、９５ｋｍ／ｈ→９０ｋｍ／ｈ→８５ｋｍ／ｈ→８０ｋｍ／ｈ→・・・というように、所定速度間隔で徐々に減少設定される。これにより、ドライバーの意図を反映させた目標速度を設定することができ、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

以下、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作開始時の制限速度（第１制限速度Ｖlim１）が目標速度Ｖset以上となっている場合（図１８）には、長押し操作の途中でどのような制限速度（第２制限速度Ｖlim２）が認識されても、その第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、クルーズ操作器７０の操作をコースト操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能を下方向第３機能と呼ぶ。また、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作開始時に制限速度が認識されていない場合（図１９）には、長押し操作の途中でどのような制限速度（第２制限速度Ｖlim２）が認識されても、その第２制限速度Ｖlim２に影響されることなく、クルーズ操作器７０の操作をコースト操作として扱って処理する運転支援ＥＣＵ１０の機能についても下方向第３機能と呼ぶ。

＜上方向第１機能の変形例＞
上述した実施形態においては、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作中に、制限速度が、第１制限速度Ｖlim１（＞Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＞Ｖset）に切り替わった場合に、長押し操作が確定した時点で、第２制限速度Ｖlim２が目標速度に設定された。それに代えて、この変形例では、図１０（ｂ）に示すように、長押し操作が確定した時点(時刻ｔ３）で、一旦、第１制限速度Ｖlim１（＝１００ｋｍ／ｈ＞Ｖset）が目標速度に設定される。その後、更にクルーズ操作器７０の押し操作が予め設定された延長時間ｔex以上継続した場合（時刻ｔ４）に、第２制限速度Ｖlim２（＝１２０ｋｍ／ｈ＞Ｖset）が目標速度に設定される。

図２０は、この変形例に係る処理を表すフローチャートの一部である。この変形例においては、図６のステップＳ３７とステップＳ３８との間に、図２０に示される処理（Ｓ３７１〜Ｓ３７３）が追加される。以下、追加される処理について説明する。運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７において「Ｙｅｓ」と判定すると、ステップＳ３７１において、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときに認識されていた当初制限速度（ステップＳ３１で読み込んだ制限速度：第１制限速度Ｖlim１）を目標速度に設定する。図１０（ｂ）の例では、目標速度は、１００ｋｍ／ｈに設定される。

続いて、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７２において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、ステップＳ３７３において、クルーズ操作器７０の押し操作が、更に延長設定時間ｔex以上継続したか否かについて判定する。延長設定時間ｔexは、予め設定される任意の時間（例えば、長押し確定時間と同程度の時間）である。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続しなかった場合（Ｓ３７２：Ｎｏ）には、上操作対応処理ルーチンを一旦終了して、その処理をステップＳ２１に戻す。

一方、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続した場合（Ｓ３７３：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３８において、この操作を、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定したときに認識されていた最新制限速度（ステップＳ３６で読み込んだ制限速度：第２制限速度Ｖlim２）に対するアクセプト操作として扱って処理する。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３８において、目標速度を当初制限速度から最新制限速度に切り替える。図１０（ｂ）の例では、目標速度は、１２０ｋｍ／ｈに設定される。

この変形例によれば、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定した場合、その長押し操作が継続されている期間に、制限速度が変化した順番に目標速度が切り替えられる。従って、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

＜下方向第１機能の変形例＞
上述した実施形態においては、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作中に、制限速度が、第１制限速度Ｖlim１（＜Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＜Ｖset）に切り替わった場合に、長押し操作が確定した時点で、第２制限速度Ｖlim２が目標速度に設定された。それに代えて、この変形例では、図１５（ｂ）に示すように、長押し操作が確定した時点(時刻ｔ３）で、一旦、第１制限速度Ｖlim１（＝８０ｋｍ／ｈ＜Ｖset）が目標速度に設定される。その後、更にクルーズ操作器７０の押し操作が予め設定された延長時間ｔex以上継続した場合（時刻ｔ４）に、第２制限速度Ｖlim２（＝６０ｋｍ／ｈ＜Ｖset）が目標速度に設定される。

図２１は、この変形例に係る処理を表すフローチャートの一部である。この変形例においては、図７のステップＳ５７とステップＳ５８との間に、図２１に示される処理（Ｓ３７１〜Ｓ３７３）が追加される。以下、追加される処理について説明する。運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７にて「Ｙｅｓ」と判定すると、ステップＳ５７１において、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときに認識されていた当初制限速度（ステップＳ５１で読み込んだ制限速度：第１制限速度Ｖlim１）を目標速度に設定する。図１５（ｂ）の例では、目標速度は、８０ｋｍ／ｈに設定される。

続いて、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７２において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、ステップＳ５７３において、クルーズ操作器７０の押し操作が、更に延長設定時間ｔex以上継続したか否かについて判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続しなかった場合（Ｓ５７２：Ｎｏ）には、下操作対応処理ルーチンを一旦終了して、その処理をステップＳ２１に戻す。

一方、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex継続した場合（Ｓ５７３：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５８において、この操作を、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定したときに認識されていた最新制限速度（ステップＳ５６で読み込んだ制限速度：第２制限速度Ｖlim２）に対するアクセプト操作として扱って処理する。この場合、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５８において、目標速度を当初制限速度から最新制限速度に切り替える。図１５（ｂ）の例では、目標速度は、６０ｋｍ／ｈに設定される。

この変形例によれば、クルーズ操作器７０の長押し操作が確定した場合、その長押し操作が継続されている期間に、制限速度が変化した順番に目標速度が切り替えられる。従って、ドライバーに与える違和感を低減することができる。また、ドライバーは長押し操作中に所望の目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

＜上方向第２機能の変形例＞
上述した実施形態においては、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作中に、制限速度が第１制限速度Ｖlim１（＞Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＜Ｖset）に切り替わった場合、および、第１制限速度Ｖlim１（＞Ｖset）が認識されている状態から未認識状態に切り替わった場合に、クルーズ操作器７０の操作が無効とされた。それに代えて、この変形例では、図１１（ｂ）および図１２（ｂ）に示すように、長押し操作が確定した時点(時刻ｔ３）で、一旦、第１制限速度Ｖlim１（＝１００ｋｍ／ｈ＞Ｖset）が目標速度に設定される。その後、更にクルーズ操作器７０の押し操作が予め設定された延長設定時間ｔex以上継続した場合（時刻ｔ４）に、目標速度が元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset＝８０ｋｍ／ｈ）に戻される。

図２２は、この変形例に係る処理を表すフローチャートの一部である。この変形例においては、図６のステップＳ３９に代えて、図２２に示される処理（Ｓ３７４〜Ｓ３７７）が実施される。以下、変更される処理について説明する。運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７において「Ｎｏ」と判定した場合、ステップＳ３７４において、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときに認識されていた当初制限速度（ステップＳ３１で読み込んだ制限速度：第１制限速度Ｖlim１）を目標速度に設定する。図１１（ｂ）および図１２（ｂ）の例では、目標速度は、１００ｋｍ／ｈに設定される。

続いて、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７５において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、ステップＳ３７６において、クルーズ操作器７０の押し操作が、更に延長設定時間ｔex以上継続したか否かについて判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続しなかった場合（Ｓ３７５：Ｎｏ）には、上操作対応処理ルーチンを一旦終了して、その処理をステップＳ２１に戻す。

一方、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続した場合（Ｓ３７６：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７７において、目標速度を、元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset）に戻す。

従って、ドライバーは長押し操作時間によって目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

尚、ステップＳ３７７における目標速度の設定処理は、元の目標速度に戻すことに代えて、図１１（ｃ）に示すように、最新の制限速度（第２制限速度Ｖlim２、図１１（ｃ）の例では６０ｋｍ／ｈ）に設定するようにしてもよい。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ３７７において、最新の制限速度を目標速度に設定してもよい。これによれば、ドライバーが最新の制限速度を目標速度に設定しようとしている意図を良好に反映させることができる。尚、長押し操作中に制限速度が認識できなくなったケースでは、そのようにすることは不可能であるため、上述したように、目標速度を、元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset）に戻せばよい。

＜下方向第２機能の変形例＞
上述した実施形態においては、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作中に、制限速度が第１制限速度Ｖlim１（＜Ｖset）から第２制限速度Ｖlim２（＞Ｖset）に切り替わった場合、および、第１制限速度Ｖlim１（＜Ｖset）が認識されている状態から未認識状態に切り替わった場合に、クルーズ操作器７０の操作が無効とされた。それに代えて、この変形例では、図１６（ｂ）および図１７（ｂ）に示すように、長押し操作が確定した時点(時刻ｔ３）で、一旦、第１制限速度Ｖlim１（＝８０ｋｍ／ｈ＜Ｖset）が目標速度に設定され、その後、更にクルーズ操作器７０の押し操作が予め設定された延長設定時間ｔex以上継続した場合（時刻ｔ４）に、目標速度が元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset＝１００ｋｍ／ｈ）に戻される。

図２３は、この変形例に係る処理を表すフローチャートの一部である。この変形例においては、図７のステップＳ５９に代えて、図２３に示される処理（Ｓ５７４〜Ｓ５７７）が実施される。以下、変更される処理について説明する。運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７において「Ｎｏ」と判定した場合、ステップＳ５７４において、クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときに認識されていた当初制限速度（ステップＳ５１で読み込んだ制限速度：第１制限速度Ｖlim１）を目標速度に設定する。図１６（ｂ）および図１７（ｂ）の例では、目標速度は、８０ｋｍ／ｈに設定される。

続いて、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７５において、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されているか否かを判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が継続されている場合、ステップＳ５７６において、クルーズ操作器７０の押し操作が、更に延長設定時間ｔex以上継続したか否かについて判定する。運転支援ＥＣＵ１０は、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続しなかった場合（Ｓ５７５：Ｎｏ）には、下操作対応処理ルーチンを一旦終了して、その処理をステップＳ２１に戻す。

一方、クルーズ操作器７０の押し操作が、延長設定時間ｔex以上継続した場合（Ｓ５７６：Ｙｅｓ）、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７７において、目標速度を、元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset）に戻す。

従って、ドライバーは長押し操作時間によって目標速度を決めることができるため、利便性が向上する。

尚、ステップＳ５７７における目標速度の設定処理は、元の目標速度に代えて、図１６（ｃ）に示すように、最新の制限速度（第２制限速度Ｖlim２、図１６（ｃ）の例では１２０ｋｍ／ｈ）に設定するようにしてもよい。つまり、運転支援ＥＣＵ１０は、ステップＳ５７７において、最新の制限速度を目標速度に設定してもよい。これによれば、ドライバーが制限速度を最新の制限速度を目標速度に設定しようとしている意図を良好に反映させることができる。尚、長押し操作中に制限速度が認識できなくなったケースでは、そのようにすることは不可能であるため、上述したように、目標速度を、元の目標速度（クルーズ操作器７０の押し操作が開始されたときの目標速度Ｖset）に戻せばよい。

以上、本実施形態および変形例に係る車両走行制御装置について説明したが、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

＜ＡＳＬへの適用＞
例えば、本実施形態の車両走行制御装置は、自車両が制限速度にて定速走行するように自車両の制駆動力を制御する車両走行制御装置であるが、それに代えて、制限速度に基づいて車速の上限である上限車速を設定し、車速が上限車速を超えないように自車両の制駆動力を制御する車両走行制御装置であってもよい。この変形例の車両走行制御装置は、可変スピードリミッタ（Adjustable Speed Limiter：ＡＳＬ）と呼ばれる車速制限装置である。この変形例では、図１の車両走行制御装置において、運転支援ＥＣＵ１０に代えて運転支援ＥＣＵ１０’を備え、クルーズ操作器７０に代えてＡＳＬ操作器７０’を備えている。

運転支援ＥＣＵ１０’には、ＡＳＬ操作器７０’が接続されている。ＡＳＬ操作器７０’は、クルーズ操作器７０と同様の構成であるが、リジューム／増速スイッチ７３およびセット／減速スイッチ７４は、目標速度に代えて上限速度の設定に用いられ、その使用方法等については、実施形態における目標速度の設定と同様である。従って、ＡＳＬ操作器７０’の機能は、実施形態の説明における「目標速度」を「上限速度」に置き換えることにより理解できるため、詳しい説明は省略する。尚、この変形例では、モードスイッチ７６は必要ない。

例えば、ＡＳＬ操作器７０’のタップダウン操作（下方向の短押し操作）は、上限速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ減少させ、ＡＳＬ操作器７０’のタップアップ操作（上方向の短押し操作）は、上限速度を所定速度（例えば、１ｋｍ／ｈ）だけ増加させるように機能する。また、ＡＳＬ操作器７０’のコースト操作（下方向の長押し操作）は、上限速度を所定速度間隔（例えば、５ｋｍ／ｈ）で徐々に減少させ、ＡＳＬ操作器７０’のアクセル操作（上方向の長押し操作）は、上限速度を所定速度間隔（例えば、５ｋｍ／ｈ）で徐々に増加させるように機能する。

運転支援ＥＣＵ１０’は、制限速度取得ＥＣＵ２０から出力された制限速度と、ＡＳＬ操作器７０’から出力されたスイッチ信号とに基づいて、車両の走行速度の上限である上限速度を決定する電子制御装置である。運転支援ＥＣＵ１０’は、ＡＳＬ操作器７０’のメインスイッチ７２がオンしている場合に、車速制限制御を実行し、メインスイッチ７２がオフしている場合には、車速制限制御を実行しない。尚、車速制限制御自体は、エンジンＥＣＵ３０によって実施されるものである。従って、運転支援ＥＣＵ１０’は、エンジンＥＣＵ３０に対して、車速制限制御で使用する上限速度を指令することによって、エンジンＥＣＵ３０に車速制限制御を実行させる。

エンジンＥＣＵ３０は、運転支援ＥＣＵ１０’から上限速度が所定の周期で送信されている間、自車両の車速が上限速度を超えないようにエンジン３１の駆動力を制御する。つまり、車速制限制御を実施する。エンジンＥＣＵ３０は、車速センサ（センサ３３の１つ）により検出した車速（実車速と呼ぶ）とアクセルセンサ（センサ３３の１つ）により検出されたアクセル操作量に基づいて、ドライバー要求駆動力を演算し、このドライバー要求駆動力を発生させるようにエンジン３１およびトランスミッション３２の作動を制御する。この場合、エンジンＥＣＵ３０は、実車速が上限速度を超えると予測される場合、エンジン３１の吸気量を調整するスロットルバルブの開度を減少させる、あるいは、エンジン３１への燃料噴射量を制限する、あるいは、トランスミッション３２のギヤ比を調整することにより、実車速が上限車速を超えないようにエンジン３１の作動を制御する。また、エンジンＥＣＵ３０は、要求駆動力が大きな制動力を必要とする値となりエンジン３１およびトランスミッション３２だけでは要求に応えられない場合には、その不足分を油圧ブレーキで発生させるようにブレーキＥＣＵ４０に対して要求制動力を送信する。

ＡＳＬ操作器７０’は、上限速度の増減調整を行うためだけに使われるだけでなく、ドライバーが制限速度を上限速度に設定することを許諾するための操作器として兼用される。運転支援ＥＣＵ１０’は、ＡＳＬ操作器７０’によって、制限速度を上限速度に設定することが許諾された場合には、制限速度取得ＥＣＵ２０が認識している制限速度を上限速度に設定する。

運転支援ＥＣＵ１０’は、メータＥＣＵ５０に現在の上限速度を表す情報、および、制限速度を表す情報を送信する。メータＥＣＵ５０は、運転支援ＥＣＵ１０’から送信された情報にしたがって、上限速度と制限速度とが等しい場合には、上限速度を表す通常表示画面(図３の通常表示画面Ｄ１において目標速度に代えて上限速度を表示した画面）を表示器５１に表示する。一方、上限速度と制限速度とが異なっている場合には、上限速度と制限速度とアクセプト方向マークとを表す問合せ表示画面（図３の問合せ表示画面Ｄ２において目標速度に代えて上限速度を表示した画面）を表示器５１に表示する。

運転支援ＥＣＵ１０’は、メインスイッチ７２がオンされている場合、表示制御ルーチン、および、上限速度設定ルーチン（上操作対応処理ルーチンおよび下操作対応処理ルーチンを含む）を実施する。この表示制御ルーチン、および、上限速度設定ルーチンは、上述した表示制御ルーチン（図４）、および、目標速度設定ルーチン（図５，６，７）において、「目標速度」を「上限速度」に置き換え、「クルーズ操作器」を「ＡＳＬ操作器」に置き換えた処理である。従って、ここでは、その説明を省略する。

また、運転支援ＥＣＵ１０’は、上操作対応処理ルーチンおよび下操作対応処理ルーチンの変形例を実施してもよい。この上操作対応処理ルーチンおよび下操作対応処理ルーチンの変形例は、上述した上操作対応処理ルーチンの変形例（図２０、図２２）および下操作対応処理ルーチンの変形例（図２１、図２２）において、「目標速度」を「上限速度」に置き換え、「クルーズ操作器」を「ＡＳＬ操作器」に置き換えた処理である。従って、ここでは、その説明を省略する。

この可変スピードリミッタ（ＡＳＬ）を備えた車両走行制御装置においては、ドライバーがＡＳＬ操作器７０’の長押し操作をしている最中に制限速度が変化しても、上記の目標速度設定ルーチンを実施することにより、ドライバーがＡＳＬ操作器７０’を操作した意図を、上限速度の設定に良好に反映させることができる。これにより、ドライバーに与える違和感を低減することができる。更に、信頼度の低い制限速度が上限速度に設定されることが防止される。従って、誤った制限速度が上限速度に設定されてドライバーに違和感を与えてしまうという不具合を低減することができる。

＜他の変形例＞
本実施形態においては、アクセプト操作方向は、上方向と下方向とに設定されているが、そうした方向に限るものでは無く、例えば、ドライバーから見て左方向と右方向、あるいは、前方向と後方向など、他の方向であってもよい。この場合、アクセプト操作方向は、制限速度が現時点の目標速度（上限速度）より高い場合には、操作器７０（７０’）で目標速度(上限速度）を増加方向に調整する操作方向と同じ方向とし、制限速度が現時点の目標速度(上限速度）より低い場合には、クルーズ操作器７０で目標速度(上限速度）を減少方向に調整する操作方向と同じ方向とすることが好ましい。また、アクセプト操作方向は、必ずしも、２方向に分けて設定される必要はなく、１方向であってもよい。

また、本実施形態の車両走行制御装置は、ＲＳＡ−ＡＣＣを実施する装置であるが、車間制御機能を省略した装置であってもよい。

更に、ドライバーが目標速度を任意に設定できる機能（例えば、ＡＣＣ、あるいはＣＣ）を省略し、単に、制限速度を目標速度に設定して自車両を制限速度にて定速走行させる装置であってもよい。この場合、操作器７０は、単に、制限速度が目標速度に設定されることを許諾するための操作器であればよく、目標速度を増減調整する機能を有しなくてよい。

同様に、ドライバーが上限速度を任意に設定できる機能を省略し、単に、制限速度を上限速度に設定して、自車両の走行速度が制限速度を超えないように制駆動力を制御する装置であってもよい。この場合、操作器７０’は、単に、制限速度が上限速度に設定されることを許諾するための操作器であればよく、上限速度を増減調整する機能を有しなくてよい。

また、本実施形態においては、制限速度と目標速度（上限速度）とが相違している場合、表示器５１に問合せ画面Ｄ２が表示されるが、そうした表示機能を省略した簡易的な車両走行制御装置であってもよい。

また、本実施形態においては、操作器７０（７０’）はレバー式のものが採用されているが、必ずしもレバー式である必要はなく、ボタン式、スライド式など、押し操作が可能なものであれば他の形式であってもよい。また、操作器７０（７０’）は、運転中にドライバーが操作できる位置に設けられていればよく、例えば、ステアリングハンドルのパッド部分に設けられていてもよい。

また、本実施形態においては、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作に関して、図８に示すように、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも高い場合には、第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖsetより高い場合以外については、アクセル操作として扱っているが、必ずしも、そのようにする必要はない。例えば、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも高い場合には、第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset１以下である場合、および、第１制限速度Ｖlim１が未認識である場合についても、クルーズ操作器７０の上方向の長押し操作をアクセプト操作として扱ってもよい。つまり、図８の右側の３つのセルについて、全て、「アクセプト」としてもよい。同様に、本実施形態においては、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作に関して、図９に示すように、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも低い場合には、第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖsetより低い場合以外については、コースト操作として扱っているが、必ずしも、そのようにする必要はない。例えば、第２制限速度Ｖlim２が目標速度Ｖsetよりも低い場合には、第１制限速度Ｖlim１が目標速度Ｖset１以上である場合、および、第１制限速度Ｖlim１が未認識である場合についても、クルーズ操作器７０の下方向の長押し操作をアクセプト操作として扱ってもよい。つまり、図９の右側の３つのセルについて、全て、「アクセプト」としてもよい。これによれば、ドライバーが第２制限速度Ｖlim２を表す道路標識を見てクルーズ操作器７０を長押し操作した場合には、その操作がアクセプト操作として扱われるため、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。

１０…運転支援ＥＣＵ、２０…制限速度取得ＥＣＵ、２１…車載カメラ、２２…ナビゲーション装置、３０…エンジンＥＣＵ、３１…エンジン、４０…ブレーキＥＣＵ、４１…ブレーキアクチュエータ、５０…メータＥＣＵ、５１…表示器、６０…先行車両センサ、７０…クルーズ操作器、７１…操作レバー、７３…リジューム／増速スイッチ、７４…セット／減速スイッチ、Ｖlim１…第１制限速度、Ｖlim２…第２制限速度、Ｖset…目標速度。

Claims (10)

1. ドライバーのアクセルペダル操作を必要とすることなく、自車両が目標速度にて定速走行するように前記自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、
   自車両の走行する道路の制限速度を取得する制限速度取得手段と、
   ドライバーによって操作される操作器と、
   前記制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の目標速度とが相違する状況において、前記操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、前記制限速度を前記目標速度に設定する目標速度設定手段と
   を備えた車両走行制御装置において、
   前記目標速度設定手段は、
   前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記第２制限速度を選択して前記目標速度に設定する制限速度選択手段を備えた、車両走行制御装置。
2. 請求項１記載の車両走行制御装置において、
   前記制駆動力制御手段は、ドライバーが任意に設定した目標速度にて自車両を定速走行させるクルーズコントロール機能を有し、
   前記操作器は、押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を増減調整するための目標速度設定操作器と、前記長押し操作によって前記制限速度が前記目標速度に設定されることを許諾するための許諾操作器とを兼用したものであり、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止するように構成された、車両走行制御装置。
3. 請求項２記載の車両走行制御装置において、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも高く、かつ、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第１制限速度を前記目標速度に設定し、その後、更に前記操作器の押し操作が予め設定された延長時間以上継続した場合に、前記第２制限速度を前記目標速度に設定するように構成された、車両走行制御装置。
4. 請求項２または３記載の車両走行制御装置において、
   前記操作器は、クルーズコントロール用の目標速度設定操作器として使用される場合、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に増加させ、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に減少させる機能を有し、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも低く、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であっても、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止して、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を現時点の目標速度から徐々に増加させるように構成された、車両走行制御装置。
5. 請求項１記載の車両走行制御装置において、
   前記駆動力制御手段は、ドライバーの任意に設定した目標速度にて自車両を定速走行させるクルーズコントロール機能を有し、
   前記操作器は、押し操作によってクルーズコントロール用の目標速度を増減調整するための目標速度設定操作器と、前記長押し操作によって前記制限速度が前記目標速度に設定されることを許諾するための許諾操作器とを兼用したものであり、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止するように構成された、車両走行制御装置。
6. 請求項５記載の車両走行制御装置において、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも低く、かつ、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも高い場合であって、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第１制限速度を前記目標速度に設定し、その後、更に前記操作器の押し操作が予め設定された延長時間以上継続した場合に、前記第２制限速度を前記目標速度に設定するように構成された、車両走行制御装置。
7. 請求項５または６記載の車両走行制御装置において、
   前記操作器は、クルーズコントロール用の目標速度設定操作器として使用される場合、前記クルーズコントロール用の目標速度を増加させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に増加させ、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記長押し操作に対しては、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を徐々に減少させる機能を有し、
   前記目標速度設定手段は、
   前記第１制限速度が現時点の目標速度よりも高く、前記クルーズコントロール用の目標速度を減少させる側への前記操作器の前記長押し操作が検出された場合には、前記第２制限速度が現時点の目標速度よりも低い場合であっても、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止して、前記長押し確定時間以上の押し操作が行われているあいだ前記目標速度を現時点の目標速度から徐々に減少させるように構成された、車両走行制御装置。
8. 請求項１ないし請求項７の何れか一項記載の車両走行制御装置において、
   前記制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っているか否かを判定する制限速度信頼度判定手段を備え、
   前記目標速度設定手段は、
   前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段が取得した制限速度の信頼度が基準レベルを下回っていると判定され、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記操作器の長押し操作を無効とするように構成された、車両走行制御装置。
9. 請求項１ないし請求項８の何れか一項記載の車両走行制御装置において、
   前記目標速度設定手段は、
   現時点の目標速度に対する前記第１制限速度の大小関係と、現時点の目標速度に対する前記第２制限速度の大小関係とが相違する場合には、前記制限速度選択手段によって前記第２制限速度が前記目標速度に設定されることを禁止するように構成された、車両走行制御装置。
10. 自車両の走行速度が上限速度を超えないように、前記自車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、
    自車両の走行する道路の制限速度を取得する制限速度取得手段と、
    ドライバーによって操作される操作器と、
    前記制限速度取得手段によって取得された制限速度と現時点の上限速度とが相違する状況において、前記操作器の長押し確定時間以上の継続した押し操作である長押し操作が検出されたとき、前記制限速度を前記上限速度に設定する上限速度設定手段と
    を備えた車両走行制御装置において、
    前記上限速度設定手段は、
    前記操作器の押し操作が検出されている最中であって、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達していない期間に、前記制限速度取得手段によって取得された制限速度が第１制限速度から第２制限速度に切り替わり、その後、前記押し操作の継続時間が前記長押し確定時間に到達した場合、前記第２制限速度を選択して前記上限速度に設定する制限速度選択手段を備えた、車両走行制御装置。
    
    

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