JP6517633B2 - 打撃工具 - Google Patents
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Description
この形態によれば、先端工具保持部の移動に基づいて、伝達機構の回転伝達状態と回転伝達遮断状態が切り替えられる。したがって、加工作業における作業者の動作に応じて伝達機構が合理的に切り替えられる。
この形態によれば、回転伝達軸の一端側にモータを配置し、回転伝達軸の他端側に回転駆動機構を配置し、回転伝達軸の中間領域に対応して運動変換機構の回転体が配置される。したがって、回転伝達軸に沿って、各構成要素が合理的に配置される。この場合には、回転伝達軸は、所定の軸線に平行に配置され、軸線方向に関して、先端工具が装着される先端領域に近接した前端側に回転駆動機構が配置され、先端領域から離間した後端側にモータが配置される。
この形態によれば、駆動モードに基づいて、伝達機構の回転伝達状態および回転伝達遮断状態が合理的に切り替えられる。
図1に示すように、ハンマドリル100は、ハンマドリル100の外郭を形成する本体ハウジング101を主体として構成される。本体ハウジング101の先端領域には、ハンマビット119が筒状のツールホルダ159を介して取り外し可能に取り付けられる。ハンマビット119は、ツールホルダ159のビット挿入孔に挿入され、ツールホルダ159に対して、長軸方向への相対的な往復動が可能であり、長軸方向周りの周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお、ツールホルダ159の長軸線は、ハンマビット119の長軸線に一致する。
図2に示すように、ハンマビット119が打撃作業を行うためにハンマビット119を駆動する打撃機構部は、運動変換機構120、打撃要素140、およびツールホルダ159を主体として構成される。運動変換機構120は、中間軸116と同軸状に配置された回転体123と、回転体123に取り付けられた揺動軸125と、揺動軸125の先端部に接続されたピストン127と、ツールホルダ159の後部領域を構成するとともに、ピストン127を収容するシリンダ129と、回転体123とシリンダ129を保持する保持部材130を主体として構成されている。この打撃機構部および運動変換機構120が、それぞれ本発明における「直線駆動機構」および「運動変換機構」に対応する実施構成例である。
上記の打撃機構アセンブリは、ギアハウジング105に対して、ハンマドリル100の前後方向(ハンマビット119の長軸方向)に移動可能に保持されている。具体的には、図3および図5に示すように、ベアリング支持部107およびガイド支持部108には、4本のガイドシャフト170が取り付けられている。すなわち、ピストン127の中心軸よりも上方および下方にそれぞれ、左右一対のガイドシャフト170が設けられている。図5に示すように、左右のガイドシャフト170は、ピストン127に中心軸を含むハンマドリル100の上下方向に延在する平面に対して対称に配置されている。このガイドシャフト170は、図3に示すように、ハンマビット119の長軸方向に平行に延在するように配置されている。なお、ガイドシャフト170は円形断面を有する長尺状部材として形成されているが、多角形断面を有する長尺状部材であってもよい。
上記の打撃機構部は、クラッチ機構180を介して電動モータ110に駆動される。クラッチ機構180は、動力伝達状態と動力非伝達状態の間を切り替えられるように構成されている。したがって、クラッチ機構180が動力伝達状態の場合に、運動変換機構120が駆動され、打撃要素140がハンマビット119を打撃してハンマ作業が行われる。図2〜図5に示すように、クラッチ機構180は、駆動シリンダ181、ロックスリーブ185、クラッチスリーブ190、およびローラ195を主体として構成されている。このクラッチ機構180が、本発明における「伝達機構」および「クラッチ機構」に対応する実施構成例である。
図2に示すように、回転伝達機構150は、中間軸116と同軸状に配置された第1ギア151と、第1ギア151と係合する第2ギア153等の複数のギアからなるギア減速機構を主体として構成されている。第2ギア153は、シリンダ129に取り付けられており、第1ギア151の回転をシリンダ129に伝達する。シリンダ129が回転されることで、シリンダ129と一体に連結されたツールホルダ159が回転される。これにより、ツールホルダ159に保持されたハンマビット119が回転駆動される。この回転伝達機構150が、本発明における「回転駆動機構」に対応する実施構成例である。
以上のハンマドリル100は、トリガ109aが操作されると、切替スイッチ110aによって選択された回転方向に基づいて、電動モータ110駆動されるとともに、切替機構198によって選択された駆動モードに基づいて、運動変換機構120、打撃要素140および回転伝達機構150が駆動される。これにより、ツールホルダ159に保持されたハンマビット119が駆動されて、所定の加工作業(ハンマ作業、ハンマドリル作業、ドリル作業)が行われる。
切替機構198が駆動モードをハンマモードまたはハンマドリルモードに切り替えた場合には、打撃機構部の後方への移動が許容される。ハンマ作業またはハンマドリル作業を行う際には、ハンマビット119が被加工材に対して押圧されることで、図6に示すように、ハンマビット119を保持するツールホルダ159およびシリンダ129が後方に移動する。すなわち、保持部材130によって保持された運動変換機構120および打撃要素140が、コイルスプリング124,171の付勢力に抗して後方に移動され、図6に示す後方の位置に配置される。図6に示す位置を後方第1位置とも称する。この後方位置が、本発明における「第2位置」に対応する実施構成例である。
切替機構198によって駆動モードがドリルモードに切り替えられた場合には、打撃機構移動規制部156によって打撃機構部の後方への移動が規制される。そのため、クラッチスリーブ190が後方に移動されず、クラッチ機構180は動力非伝達状態を維持する。このとき、回転伝達機構150によってハンマビット119が回転駆動され、これによりドリル作業が行われる。
ハンマビット119が被加工材に押圧されて加工作業が行われる際には、打撃機構部は、図9および図10に示すように、揺動軸125がハンマドリル100の前後方向に往復移動する。これにより、ハンマビット119を駆動する駆動力と、当該駆動力によってハンマビット119が被加工材を打撃したときに作用する反力によって、ハンマドリル100には、主としてハンマビット119の長軸方向の振動が発生する。このハンマドリル100の振動によって、打撃機構部は、ガイドシャフト170に沿ってハンマドリル100の前後方向に移動して、コイルスプリング171が伸縮される。また、このとき回転体123は、クラッチスリーブ190に沿ってハンマドリル100の前後方向に移動して、コイルスプリング124が伸縮される。すなわち、加工作業時に打撃機構部は、図2に示される打撃機構部の前方位置と、図9に示される打撃機構部の後方第2位置の間を移動する。典型的には、加工作業時に被加工材に対するハンマビット119の押圧を考慮して、打撃機構部が図6に示される後方第1位置と図9に示される後方第2位置の間を移動するように設定される。打撃機構部の移動に伴うコイルスプリング124,171の伸縮(弾性変形)によって、ハンマビット119の長軸方向の振動の運動エネルギが消費される。これにより、ハンマビット119の長軸方向の振動が低減される。その結果、打撃機構部から本体ハウジング101への振動伝達が抑制される。
(態様1)
伝達機構は、
回転駆動機構へのモータの回転の伝達を規制する第1回転伝達規制部材と、
直線駆動機構へのモータの回転の伝達を規制する第2回転伝達規制部材と、を有する
(態様2)
クラッチ機構は、
駆動部材と被動部材と、駆動部材と被動部材の間に配置される伝達部材を有し、
伝達部材が駆動部材および被動部材に挟持された状態で、モータの第1方向の回転によって駆動部材、伝達部材および被動部材が一体に回転することで、駆動部材から被動部材にモータの回転が伝達されるように構成され、
モータの第2方向の回転によって駆動部材および被動部材による伝達部材の挟持が解除され、これにより駆動部材から被動部材にモータの回転の伝達が遮断されるように構成されている。
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下の通りである。なお、本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものであり、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
ハンマドリル100が、本発明の「打撃工具」に対応する構成の一例である。
電動モータ110が、本発明の「モータ」に対応する構成の一例である。
中間軸116が、本発明の「回転伝達軸」に対応する構成の一例である。
ハンマビット119が、本発明の「先端工具」に対応する構成の一例である。
運動変換機構120が、本発明の「直線駆動機構」に対応する構成の一例である。
運動変換機構120が、本発明の「運動変換機構」に対応する構成の一例である。
回転体123が、本発明の「揺動部材」に対応する構成の一例である。
揺動軸125が、本発明の「揺動部材」に対応する構成の一例である。
打撃要素140が、本発明の「直線駆動機構」に対応する構成の一例である。
回転伝達機構150が、本発明の「回転駆動機構」に対応する構成の一例である。
クラッチ機構180が、本発明の「クラッチ機構」に対応する構成の一例である。
101 本体ハウジング
103 モータハウジング
105 ギアハウジング
106 ハウジング部
106a バレル部
107 ベアリング支持部
108 ガイド支持部
109 ハンドグリップ
109a トリガ
109b 電源ケーブル
110 電動モータ
110a 切替スイッチ
111 出力軸
112 モータ冷却ファン
113 ピニオンギア
114 ベアリング
115 ベアリング
116 中間軸
117 被動ギア
118a ベアリング
118b ベアリング
119 ハンマビット
120 運動変換機構
123 回転体
123a ベアリング
124 コイルスプリング
125 揺動軸
127 ピストン
127a 空気室
129 シリンダ
129a ベアリング
129b ベアリング
129c ベアリングケース
130 保持部材
131 回転体保持部材
132 シリンダ保持部
140 打撃要素
143 ストライカ
145 インパクトボルト
150 回転伝達機構
151 第1ギア
152 スプライン係合部
153 第2ギア
155 保持部材
156 打撃機構部移動規制部
159 ツールホルダ
170 ガイドシャフト
171 コイルスプリング
180 クラッチ機構
181 駆動シリンダ
182 被動ギア
183 ベアリング
185 ロックスリーブ
186 ローラ係合部
187 リテーナ係合部
187a 傾斜部
190 クラッチスリーブ
190a ストッパ
191 リテーナ部
192 第1側壁
193 第2側壁
193a 傾斜部
195 ローラ
198 切替機構
Claims (4)
- 所定の軸線に関して先端工具を駆動させて所定の加工作業を行う打撃工具であって、
モータと、
前記モータに駆動されて、先端工具を前記軸線周りに回転状に駆動させる回転駆動機構と、
前記モータに駆動されて、先端工具を前記軸線方向に直線状に駆動させる直線駆動機構と、
前記モータの回転を前記回転駆動機構および前記直線駆動機構に伝達可能な伝達機構と、を有し、
前記モータが所定の第1方向に回転可能な第1回転モードと、前記モータが前記第1方向とは逆の第2方向に回転可能な第2回転モードを有し、
先端工具の所定の正転方向の回転駆動によって加工作業が遂行可能に構成され、当該所定の正転方向が前記モータの前記第1方向に対応し、前記正転方向とは逆の反転方向が前記モータの前記第2方向に対応し、
前記第1回転モードにおいては、前記伝達機構が、前記モータの前記第1方向の回転を少なくとも前記直線駆動機構に伝達するように構成されており、
前記第2回転モードにおいては、前記伝達機構が、前記モータの前記第2方向の回転の前記直線駆動機構への伝達を遮断するとともに、前記モータの前記第2方向の回転を前記回転駆動機構へ伝達するように構成されており、
前記直線駆動機構は、前記モータの回転を前記軸線方向の直線運動に変換する運動変換機構を有し、
前記伝達機構は、前記モータと前記運動変換機構の間に配置され、前記モータの回転を前記運動変換機構に伝達し、当該回転伝達を遮断するクラッチ機構を有し、
前記モータに駆動され、前記モータの回転を前記回転駆動機構に伝達するための回転伝達軸を有し、
前記クラッチ機構は、前記回転伝達軸と前記運動変換機構の間に介在状に配置されていることを特徴とする打撃工具。 - 所定の軸線に関して先端工具を駆動させて所定の加工作業を行う打撃工具であって、
モータと、
前記モータに駆動されて、先端工具を前記軸線周りに回転状に駆動させる回転駆動機構と、
前記モータに駆動されて、先端工具を前記軸線方向に直線状に駆動させる直線駆動機構と、
前記モータの回転を前記回転駆動機構および前記直線駆動機構に伝達可能な伝達機構と、を有し、
前記モータが所定の第1方向に回転可能な第1回転モードと、前記モータが前記第1方向とは逆の第2方向に回転可能な第2回転モードを有し、
先端工具の所定の正転方向の回転駆動によって加工作業が遂行可能に構成され、当該所定の正転方向が前記モータの前記第1方向に対応し、前記正転方向とは逆の反転方向が前記モータの前記第2方向に対応し、
前記第1回転モードにおいては、前記伝達機構が、前記モータの前記第1方向の回転を少なくとも前記直線駆動機構に伝達するように構成されており、
前記第2回転モードにおいては、前記伝達機構が、前記モータの前記第2方向の回転の前記直線駆動機構への伝達を遮断するとともに、前記モータの前記第2方向の回転を前記回転駆動機構へ伝達するように構成されており、
先端工具を保持する先端工具保持部を有し、
前記先端工具保持部は、前記軸線方向に関して、前記打撃工具の先端領域に近接した第1位置と、前記先端領域から離間した第2位置の間を移動可能であり、
前記第1回転モードにおいては、
前記先端工具保持部が前記第1位置に位置する状態で、前記伝達機構が前記モータの回転の前記直線駆動機構への伝達を遮断するように構成されており、
前記先端工具保持部が前記第2位置に位置する状態で、前記伝達機構が前記モータの回転を前記直線駆動機構に伝達するように構成されていることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1または2に記載の打撃工具であって、
前記運動変換機構は、
前記回転伝達軸と同軸状に配置され、前記回転伝達軸の回転軸線周りを回転する回転体と、
前記回転体に連接され、前記回転体の回転によって前記軸線方向に揺動する揺動部材と、を有し、
前記回転伝達軸は、前記回転体に対して非接触状態で当該回転体を貫通するように配置されていることを特徴とする打撃工具。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の打撃工具であって、
先端工具が駆動される駆動モードとして、
先端工具が前記軸線周りに回転駆動されるとともに、前記軸線方向に直線状に駆動される第1駆動モードと、
先端工具が前記軸線周りに回転駆動されることなく、前記軸線方向に直線状に駆動される第2駆動モードと、
先端工具が前記軸線方向に直線状に駆動されることなく、先端工具が前記軸線周りに回転駆動される第3駆動モードと、を有し、
前記第1、第2および第3駆動モードを切り替える駆動モード切替部を備え、
前記伝達機構は、
前記第2回転モードが選択されるととともに、前記駆動モード切替部によって前記駆動モードが前記第1駆動モードまたは前記第2駆動モードに切り替えられた状態で、前記モータの前記第2方向の回転の前記直線駆動機構への伝達を遮断するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
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