JP6513043B2 - インサート成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インサート部材の少なくとも一部の外周が樹脂製の被覆部材で被覆されたインサート成形品及びその製造方法に関する。
インサート部材を配置したキャビティに液状の樹脂を充填することにより、インサート部材と被覆部材とを一体に成形してインサート成形品を得る方法が知られている。この方法において、剛性が小さく変形し易いインサート部材を用いる場合、キャビティに射出された液状の樹脂が流動する際の圧力等によってインサート部材が変形する懸念がある。このようにインサート部材が変形した状態で樹脂が固化すると、被覆部材の厚さにばらつきが生じたり、インサート部材が被覆部材から露呈したりして品質が低下してしまう。
そこで、特許文献1には、上記のようなインサート部材の変形を防止するべく、キャビティに向かって進退可能である可動式の支持ピンが壁内に設けられた金型を用いてインサート成形品を得る方法が提案されている。この金型では、キャビティに向かって支持ピンを前進させることで、該支持ピンの先端部をキャビティ形成面から突出させることができる。また、キャビティから支持ピンを後退させて金型の壁内に収容することで、該支持ピンの先端面をキャビティ形成面と面一とすることができる。
このため、キャビティ形成面から突出させたピンの先端面をインサート部材に当接させた状態で液状の樹脂を射出することにより、該インサート部材が変形することを抑制できる。そして、樹脂の充填が完了する前に、キャビティから支持ピンを後退させて金型内に収容することで、支持ピンが樹脂の充填を妨げていた空間を残りの樹脂によって埋めることができる。その結果、インサート部材が被覆部材から露呈することや、被覆部材に厚さのばらつきが生じることが抑制されたインサート成形品が得られるとのことである。
特開2013−107286号公報
しかしながら、上記の金型を用いる方法では、支持ピンが樹脂の充填を妨げていた空間が、すでに固化が進み始めて流動性が低下した残りの樹脂によって埋められる。また、インサート部材に支持ピンを当接させた後に離間させることに伴い、上記の空間にインサート部材の微細な剥片等が混入する懸念がある。つまり、この方法により得られたインサート成形品では、被覆部材の支持ピンが樹脂の充填を妨げていた部位の品質が低下することが避けられない。
特に、導電性のインサート部材を電気的に絶縁するべく、絶縁性の被覆部材で被覆する場合、上記の方法を採用することは困難である。被覆部材に、インサート部材の剥片等が混入した部位が生じると、該部位の絶縁性が低下してしまい、結局、十分な絶縁機能を有するインサート成形品を得ることが困難になるためである。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、品質低下部位が生じることが回避された被覆部材によりインサート部材を良好に被覆して、容易に品質の向上を図ることが可能なインサート成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、インサート部材の少なくとも一部の外周を樹脂製の被覆部材で被覆してインサート成形品を得るインサート成形品の製造方法であって、金型のキャビティを形成するキャビティ形成面と前記インサート部材との間に、樹脂製の突起状部材を介在させることで、前記キャビティ形成面と前記インサート部材との離間距離を維持した状態で、前記キャビティに前記インサート部材を配置する際、前記キャビティ形成面に形成された凹部に前記突起状部材を挿入することで、前記キャビティに対する前記突起状部材の相対位置を固定する配置工程と、前記キャビティに液状の充填樹脂を射出する射出工程と、前記充填樹脂を固化させることで、該充填樹脂と前記突起状部材が一体化して前記インサート部材を被覆する前記被覆部材を形成する固化工程と、前記凹部に挿入されていた前記突起状部材の端部が前記充填樹脂よりも突出して形成された突出部位を加熱及び加圧処理によって潰し平坦化することで、前記突出部位よりも幅広の平坦化部を形成する平坦化工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係るインサート成形品の製造方法によれば、配置工程において、キャビティにインサート部材を配置する際に、キャビティ形成面とインサート部材との間に突起状部材を介在させる。これによって、キャビティ形成面とインサート部材との離間距離を維持した状態で射出工程行うことができる。このため、液状の充填樹脂をキャビティに射出する際に、該充填樹脂が流動することに伴う圧力等がインサート部材に加えられても、該インサート部材が変形することを抑制できる。すなわち、インサート部材がキャビティ形成面に接近することで被覆部材に他部位よりも厚さが小さい部位が生じること、換言すると、被覆部材に厚さのばらつきが生じることや、該被覆部材からインサート部材が露呈することを回避できる。
また、突起状部材は充填樹脂とともに被覆部材を構成する樹脂製であるため、突起状部材をインサート部材から離間させることなく、キャビティに充填樹脂を充填して被覆部材を形成することができる。従って、例えば、可動式の支持ピンを一時的にインサート部材に当接させてその変形を抑制するような場合とは異なり、被覆部材中に品質低下部位が生じることを回避できる。ここで、品質低下部位とは、すでに固化が進み始めて流動性が低下した充填樹脂によって埋められたり、インサート部材の微細な剥片等が混入したりした部位である。さらに、支持ピンを可動させるタイミングを、インサート成形品の形状や材質等に応じて高精度に設定するような煩雑な工程も省略できる。
以上から、本発明のインサート成形品の製造方法によれば、品質低下部位が生じることが回避された被覆部材によりインサート部材を良好に被覆して高品質のインサート成形品を容易に得ることができる。特に、この製造方法によれば、インサート部材が導電性であり、被覆部材が絶縁性である場合、被覆部材によって、インサート部材とその外部とが効果的に絶縁されたインサート成形品を得ることができる。上記の通り、インサート部材が被覆部材から露呈することや、被覆部材中に導電性のインサート部材の剥片が混入した部位が生じることを効果的に抑制できるためである。
上記のインサート成形品の製造方法において、前記配置工程では、前記インサート部材と前記突起状部材とを、射出成形による一体形成、接着剤、溶着の何れかにより固着させた状態で前記キャビティに配置する。この場合、配置工程において、インサート部材及び突起状部材を一層容易且つ高精度にキャビティに配置することができる。また、射出工程において、突起状部材に充填樹脂の流動に伴う圧力が加えられた場合であっても、該突起状部材に位置ずれが生じることを抑制できる。すなわち、突起状部材によってインサート部材とキャビティ形成面との離間距離をより確実に維持して、インサート部材が変形することを効果的に抑制できる。従って、品質に優れたインサート成形品を一層容易に得ることが可能になる。
上記のインサート成形品の製造方法において、前記キャビティ形成面には、前記突起状部材が挿入される凹部が形成され、前記配置工程では、前記凹部に前記突起状部材を挿入することで、前記キャビティに対する前記突起状部材の相対位置を固定する。
この場合も、配置工程において、インサート部材及び突起状部材を容易且つ高精度にキャビティに配置することができる。また、例えば、インサート部材と固着部材とを固着することが困難な場合であっても、突起状部材が凹部内に位置決め固定されるため、射出工程時に突起状部材に位置ずれが生じることを効果的に回避できる。さらに、例えば、インサート部材と固着した突起状部材を凹部に挿入した場合、突起状部材の位置ずれに加えて、該突起状部材に対するインサート部材の位置ずれも抑制できるため、インサート部材の変形を少ない突起状部材によって効果的に抑制することが可能になる。なお、このようにして得られた被覆部材では、金型の凹部に挿入されていた突起状部材の端部が他部位よりも突出する突出部位となるため、該突出部位を加熱及び加圧処理等によって平坦化する平坦化工程をさらに行ってもよい。
上記のインサート成形品の製造方法において、前記突起状部材としては、前記インサート部材から突出する突出方向の厚さに比して、前記突出方向の両端間の該突起状部材の表面に沿う最短距離が大きくなるように沿面距離延長部が設けられたものを用いることが好ましい。この場合、突起状部材と充填樹脂との接触面積を大きくすることができるため、互いを良好に一体化して被覆部材を形成することができる。また、被覆部材によってインサート部材を外部と絶縁する場合、上記のように沿面距離延長部が設けられることで、沿面放電が生じることを効果的に抑制して、絶縁性を向上させることができる。
上記のインサート成形品の製造方法において、前記インサート部材と前記突起状部材とを固着する前に、前記インサート部材の、前記突起状部材を固着する部位に、該突起状部材との間にアンカー効果を生じるアンカー形状を形成する下地処理を施すことが好ましい。この場合、インサート部材と突起状部材とを一層良好に固着することができるため、品質に優れたインサート成形品を一層容易に得ることが可能になる。
また、本発明は、インサート部材と、該インサート部材の少なくとも一部の外周を被覆する樹脂製の被覆部材とを備えるインサート成形品であって、前記被覆部材は、前記インサート部材から延在し、且つ該インサート部材と接着剤又は溶着により固着された樹脂製の突起状部材と、該突起状部材と一体化して前記インサート部材を被覆する充填樹脂とからなり、前記突起状部材は、先端部と、前記先端部よりも基端側で前記先端部に隣接する隣接部とを有し、前記先端部は、前記隣接部よりも幅広となるように潰された形状であり、且つ前記充填樹脂と面一に前記被覆部材の表面を形成する平坦化部を形成することを特徴とする。
本発明に係るインサート成形品は、充填樹脂と一体に被覆部材を形成する突起状部材を備えるため、インサート成形法を適用して容易且つ高品質に得ることが可能である。また、このインサート成形品は、導電性のインサート部材と、絶縁性の被覆部材とを有する場合、該被覆部材によってインサート部材と外部を効果的に絶縁することができる。
上記のインサート成形品において、前記突起状部材は、突出方向の厚さに比して、前記突出方向の両端間の該突起状部材の表面に沿う最短距離が大きくなるように沿面距離延長部が設けられていることが好ましい。この場合、突起状部材及び充填樹脂が良好に一体化されて被覆部材を構成するため、インサート成形品の品質を一層良好に向上させることができる。また、被覆部材によってインサート部材を電気的に絶縁する場合、沿面距離延長部によって沿面放電が生じることを効果的に抑制できるため絶縁性を向上させることができる。
上記のインサート成形品において、前記インサート部材と前記突起状部材との各々の固着部位には、アンカー効果を生じるアンカー形状が形成されていることが好ましい。この場合、インサート部材と突起状部材とを一層良好に固着することができるため、品質に優れたインサート成形品を一層容易に得ることが可能になる。
本発明によれば、充填樹脂と一体に被覆部材を形成する突起状部材を備えることで、インサート部材に変形が生じること、及び被覆部材に品質低下部位が生じることを回避でき、インサート成形品の品質を容易に向上させることができる。
本発明の実施形態に係るインサート成形品の斜視図である。 図1のインサート成形品の縦断面図である。 図1のインサート成形品がキャビティに配置された金型の平面図である。 図3のIV−IV線矢視断面図である。 図4の金型のキャビティに充填樹脂を射出する様子を説明する図である。 図2のインサート成形品に平坦化部を形成する前の状態を示す図である。
以下、本発明に係るインサート成形品及びその製造方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態ではインサート成形品10が、バスバーモジュールである例について説明するが、本発明に係るインサート成形品は特にこれに限定されるものではない。
インサート成形品10は、互いに間隔をおいて並列させた2つのインサート部材12と、該2つのインサート部材12の一部を一体的に被覆する被覆部材14とを有する。インサート部材12は、例えば、銅等の導電体から形成される四角柱形状のバスバーである。被覆部材14は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性の樹脂からなり、突起状部材16と充填樹脂18とから一体に形成される。なお、突起状部材16及び充填樹脂18は、互いに同じ樹脂から形成されてもよいし、異なる樹脂から形成されてもよい。
突起状部材16は、並列するインサート部材12の互いに対向する側面12aを除く、3つの側面12bの長手方向の略中央からそれぞれ延在する複数からなる。このため、見掛け上の突起状部材16は、側面12bから突出している。突起状部材16は、後述する段部を有する円筒形状からなり、その底面がインサート部材12の側面12bに固着されている。
なお、インサート部材12と突起状部材16との固着力を高めるべく、互いの固着部位にはアンカー効果を生じるアンカー形状が形成されていることが好ましい。アンカー形状としては、アンカー効果が得られる周知の構成を採用することができる。例えば、固着部位の表面粗度を他部位よりも増大させることや、インサート部材12及び突起状部材16に互いに係合する凹凸部を設けることによって構成することができる。
また、突起状部材16は、インサート部材12から突出する突出方向の厚さに比して、該突出方向の一端から他端に至るまでの表面に沿う最短距離、換言すると、沿面距離が大きくなるように沿面距離延長部20が設けられている。本実施形態では、沿面距離延長部20は、突起状部材16の大径部と小径部との間に設けられた段部によって形成される。
さらに、突起状部材16は、その突出方向の先端部が加熱及び加圧処理等によって潰されることで平坦化部22が形成されている。これによって、突起状部材16と充填樹脂18とが面一に被覆部材14の表面を形成している。充填樹脂18は、インサート部材12の延在方向の略中央部の外周と、突起状部材16の周面とを覆うように、射出成形によって形成される。
本実施形態に係るインサート成形品10は、基本的には上記のように構成されるものである。次に、図3〜図6をさらに参照しつつ、インサート成形品10の製造方法を説明する。この製造方法は、以下のように、配置工程と、射出工程と、固化工程とを主に含み、これらの工程は、金型30を用いて行うことができる。金型30は、下型32と上型34からなり、これらの間にキャビティが形成される。また、金型30のキャビティ形成面36には、前駆体16aが配置される箇所に、該前駆体16aの先端部を挿入可能な形状の凹部38が形成されている。
配置工程に先立って、インサート部材12の側面12bに対して、上記の平坦化部22が形成される前の突起状部材16を固着する固着工程を行う。側面12bと突起状部材16とは、周知の固着方法により固着可能である。その一例としては、射出成形によりインサート部材12と突起状部材16とを一体形成することや、予め形成しておいた突起状部材16を接着剤や溶着等によって側面12bに固着することが挙げられる。なお、インサート部材12と突起状部材16とを固着する前に、インサート部材12の、突起状部材16を固着する部位に、突起状部材16との間にアンカー効果を生じるアンカー形状を形成する下地処理を予め施しておくことが好ましい。
次に、図3及び図4に示す通り、キャビティ形成面36との間に突起状部材16を介在させるようにインサート部材12をキャビティに配置する配置工程を行う。これによって、キャビティ形成面36とインサート部材12との間の離間距離を突起状部材16の厚さに応じた大きさに維持することができる。
また、上記の固着工程によってインサート部材12及び突起状部材16が一体化されているため、これらを同時にキャビティに配置することができる。さらに、キャビティ形成面36には、上記の通り凹部38が形成されている。このため、凹部38に突起状部材16の先端を挿入するようにキャビティにインサート部材12を配置することで、キャビティ形成面36に対するインサート部材12及び突起状部材16の位置決めを行うことができる。これらによって、配置工程を一層容易且つ高精度に行うことが可能になる。
次に、図5に示すように、金型30のゲート40を介して、キャビティに液状の充填樹脂18を射出する射出工程を行う。図3及び図4にも示す通り、ゲート40は、キャビティの略中央部に連通するように上型34に形成される。このため、射出工程では、キャビティに対して、インサート部材12同士の間であって、該インサート部材12の突起状部材16が固着された部位の周辺から、液状の充填樹脂18が充填されていく。この際、インサート部材12は、液状の充填樹脂18が流動することに伴う圧力によって、キャビティ形成面36側に向かって押圧される。
しかしながら、上記の通り、インサート部材12とキャビティ形成面36との間は、突起状部材16が介在することにより、互いの離間距離が維持されている。従って、上記のようにインサート部材12が押圧されても、該インサート部材12が変形することを抑制できる。
また、上記の通り、突起状部材16の先端部が凹部38に挿入されることで、キャビティ形成面36に対する突起状部材16の相対位置が固定されている。このため、例えば、液状の充填樹脂18の流動に伴って、突起状部材16にその周面側から圧力が加えられても、該突起状部材16に位置ずれが生じることを回避できる。また、この際、突起状部材16とインサート部材12とが固着されていることで、突起状部材16に対するインサート部材12の位置ずれも回避できる。その結果、インサート部材12とキャビティ形成面36との離間距離をより確実に維持して、インサート部材12が変形することを効果的に抑制できる。
さらに、突起状部材16は、充填樹脂18とともに被覆部材14を形成する樹脂製であるため、該突起状部材16をインサート部材12から離間させる必要がない。すなわち、インサート部材12とキャビティ形成面36との間に突起状部材16を介在させたまま、キャビティへの液状の充填樹脂18の充填を完了させることができる。
従って、固化工程によって液状の充填樹脂18を固化させることで、図6に示すように、固化された充填樹脂18と突起状部材16とによってインサート部材12を一体に被覆する被覆部材14が形成される。この際、突起状部材16には、沿面距離延長部20が設けられているため、突起状部材16と充填樹脂18との接触面積を大きくすることができる。これによって、突起状部材16と充填樹脂18とを良好に一体化することができる。
このような被覆部材14では、例えば、可動式の支持ピン(不図示)を一時的にインサート部材12に当接させてその変形を抑制するような場合とは異なり、品質低下部位が生じることを回避できる。つまり、すでに固化が進み始めて流動性が低下した液状の充填樹脂18によって埋められたり、インサート部材12の微細な剥片等が混入したりした部位が被覆部材14に生じることを回避できる。
なお、被覆部材14では、金型30の凹部38に挿入されていた突起状部材16の先端部が他部位よりも突出する突出部位となる。このため、該突出部位を、例えばインパルスウェルダ等の加熱及び加圧処理によって平坦化する平坦化工程をさらに行う。これによって、潰された突出部位が、図2に示す平坦化部22となり、突起状部材16と充填樹脂18とが面一に被覆部材14の表面を形成するインサート成形品10を得ることができる。
以上から、本発明のインサート成形品10の製造方法によれば、品質低下部位が生じることが回避された被覆部材14により、変形することが抑制されたインサート部材12を良好に被覆して高品質のインサート成形品10を容易に得ることができる。
つまり、このインサート成形品10では、インサート部材12の変形が抑制されることで、被覆部材14に他部位よりも厚さが小さい部位が生じることや、該被覆部材14からインサート部材12が露呈することを回避できる。また、被覆部材14にインサート部材12の剥片が混入して絶縁性を低下させるようなことも回避できる。さらに、突起状部材16に設けられた沿面距離延長部20によって、沿面放電が生じることを抑制できる。その結果、インサート部材12と外部とを被覆部材14によって効果的に絶縁することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
例えば、上記の実施形態に係る製造方法では、配置工程に先立って、インサート部材12に突起状部材16を固着する固着工程を行ったが、該固着工程は省略することができる。この場合、配置工程では、突起状部材16とインサート部材12とをそれぞれ個別にキャビティに配置すればよい。従って、例えば、インサート部材12及び突起状部材16が互いに固着することが困難な材料からなる場合であっても、本発明に係る製造方法を適用することができる。
また、上記の実施形態に係る製造方法では、キャビティ形成面36に凹部38が設けられた金型30を用いることとしたが、特にこれに限定されるものではなく、該凹部38が設けられていない金型を用いてもよい。この場合、突起状部材16の先端部が突出部位とはならないため、平坦化工程を行うことなく、突起状部材16と充填樹脂18とから面一に表面が形成された被覆部材14を得ることができる。すなわち、この製造方法によって得られるインサート成形品のように、突起状部材16は、平坦化部22を備えていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、2つのバスバーをインサート部材12としたが、1つのバスバー又は3つ以上のバスバーをインサート部材12としてもよい。さらに、上記の実施形態では、インサート部材12の互いに対向する側面12aを除く3つの側面12bのそれぞれに1つずつ突起状部材16を配設することとしたが、突起状部材16が設けられる場所や個数は特に限定されない。金型30のゲート40の位置や、インサート部材12及び被覆部材14の形状等に応じて、インサート部材12の変形を効果的に抑制できる場所や個数を設定すればよい。
また、上記の実施形態では、突起状部材16を段部を有する円筒形状としたが、特にこれには限定されない。突起状部材16は、射出工程において、キャビティ形成面36とインサート部材12との離間距離を一定に維持することが可能な形状であればよい。さらに、沿面距離延長部20は、突起状部材16の突出方向の先端側と基端側との間に設けられた段部によって形成されるものに限られない。例えば、突起状部材16の突出方向の先端側と基端側との間に設けられた湾曲面、凹凸部、溝等によって形成されてもよい。
10…インサート成形品 12…インサート部材
14…被覆部材 16…突起状部材
18…充填樹脂 20…沿面距離延長部
22…平坦化部 30…金型
32…下型 34…上型
36…キャビティ形成面 38…凹部
40…ゲート

Claims (6)

  1. インサート部材の少なくとも一部の外周を樹脂製の被覆部材で被覆してインサート成形品を得るインサート成形品の製造方法であって、
    金型のキャビティを形成するキャビティ形成面と前記インサート部材との間に、樹脂製の突起状部材を介在させることで、前記キャビティ形成面と前記インサート部材との離間距離を維持した状態で、前記キャビティに前記インサート部材を配置する際、前記キャビティ形成面に形成された凹部に前記突起状部材を挿入することで、前記キャビティに対する前記突起状部材の相対位置を固定する配置工程と、
    前記キャビティに液状の充填樹脂を射出する射出工程と、
    前記充填樹脂を固化させることで、該充填樹脂と前記突起状部材が一体化して前記インサート部材を被覆する前記被覆部材を形成する固化工程と、
    前記凹部に挿入されていた前記突起状部材の端部が前記充填樹脂よりも突出して形成された突出部位を加熱及び加圧処理によって潰し平坦化することで、前記突出部位よりも幅広の平坦化部を形成する平坦化工程と、
    を有し、
    前記配置工程では、前記インサート部材と前記突起状部材とを、射出成形による一体形成、接着剤、溶着の何れかにより固着させた状態で前記キャビティに配置することを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  2. 請求項1記載のインサート成形品の製造方法において、
    前記突起状部材としては、前記インサート部材から突出する突出方向の厚さに比して、前記突出方向の両端間の該突起状部材の表面に沿う最短距離が大きくなるように沿面距離延長部が設けられたものを用いることを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のインサート成形品の製造方法において、
    前記インサート部材と前記突起状部材とを固着する前に、前記インサート部材の、前記突起状部材を固着する部位に、該突起状部材との間にアンカー効果を生じるアンカー形状を形成する下地処理を施すことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  4. インサート部材と、該インサート部材の少なくとも一部の外周を被覆する樹脂製の被覆部材とを備えるインサート成形品であって、
    前記被覆部材は、前記インサート部材から延在し、且つ該インサート部材と接着剤又は溶着により固着された樹脂製の突起状部材と、該突起状部材と一体化して前記インサート部材を被覆する充填樹脂とからなり、
    前記突起状部材は、先端部と、前記先端部よりも基端側で前記先端部に隣接する隣接部とを有し、
    前記先端部は、前記隣接部よりも幅広となるように潰された形状であり、且つ前記充填樹脂と面一に前記被覆部材の表面を形成する平坦化部を形成することを特徴とするインサート成形品。
  5. 請求項4記載のインサート成形品において、
    前記突起状部材は、突出方向の厚さに比して、前記突出方向の両端間の該突起状部材の表面に沿う最短距離が大きくなるように沿面距離延長部が設けられていることを特徴とするインサート成形品。
  6. 請求項4又は5記載のインサート成形品において、
    前記インサート部材と前記突起状部材との各々の固着部位には、アンカー効果を生じるアンカー形状が形成されていることを特徴とするインサート成形品。
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