JP6510823B2 - オーバーレイ計測装置およびオーバーレイ計測方法 - Google Patents

オーバーレイ計測装置およびオーバーレイ計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、バーニアパターンを示す画像から基板上の2層間のずれ量を取得するオーバーレイ計測技術に関する。
半導体装置の製造では、基板上に回路パターンを含む複数の層が積層される。このとき、従来より、層間の理想的な位置からの相対的な距離(以下、「ずれ量」という。)の計測が行われている。ずれ量は、正確には、一の層が含むパターンと他の層が含むパターンとの相対位置のずれ量である。ずれ量の計測は、オーバーレイ計測と呼ばれ、計測結果は、品質管理や製造工程の改善等に利用される。オーバーレイ計測の一手法として、一の層に主尺パターンを含め、他の層に副尺パターンを含め、これらのパターンを含む画像からずれ量を取得する手法が知られている。例えば、特許文献1では、ずれ量の読み取り精度を向上することができるバーニアパターンが開示されている。
なお、通常、「バーニア」とは副尺を指すが、以下の説明では、主尺および副尺の双方を含むパターンを「バーニアパターン」と呼び、バーニアパターンを含む画像を「バーニアパターン画像」と呼ぶ。
特開平04−000587号公報
ところで、バーニアパターンを利用する計測では、主尺のパターン要素の位置と副尺のパターン要素の位置とが一致する位置が、目視により取得される。この計測を自動化するには、例えば、まず、主尺の各パターン要素のエッジが求められ、エッジからパターン要素の中心線である主尺中心線の位置が求められる。副尺についても各パターン要素のエッジからパターン要素の中心線である副尺中心線の位置が求められる。そして、最も近い主尺中心線と副尺中心線との組合せが特定される。
しかし、上記処理では演算量が多くなる。また、実際には、パターン形成時の不具合や撮像系の影響により、一部のパターン要素が消失したり、変形したりする場合がある。その結果、計測の自動化により、目視の場合とは大きく異なる計測結果が得られてしまう虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、バーニアパターン画像から、比較的簡単な処理で高い精度にて層間のずれ量を取得することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測装置であって、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する要素対画像取得部と、要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す評価値を取得する評価値取得部と、複数の要素対に関して得られた複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する関数取得部と、評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するずれ量取得部とを備え、前記評価値取得部が、前記要素対画像を前記軸を中心として反転し、反転前の画像と反転後の画像との一致度を前記評価値として取得する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオーバーレイ計測装置であって、前記評価値取得部において、前記軸が、前記要素対の第1パターン要素および第2パターン要素のうち、前記配列方向に関して幅が大きい方を基準に定められている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、前記第1パターン要素および前記第2パターン要素のうち、前記軸を定める基準となるパターン要素が、前記軸を中心として対称である。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載のオーバーレイ計測装置であって、前記関数取得部が、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、前記評価値関数を取得する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のオーバーレイ計測装置であって、前記関数取得部が、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数を取得し、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数を取得する
請求項に記載の発明は、第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測装置であって、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する要素対画像取得部と、要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す評価値を取得する評価値取得部と、複数の要素対に関して得られた複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する関数取得部と、評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するずれ量取得部とを備え、前記関数取得部が、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数を取得し、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数を取得する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、前記関数取得部が、前記複数の暫定関数のうち、最も前記複数の評価値にフィッティングされたものに対応する位置を仮の一致位置として取得し、前記仮の一致位置およびその近傍の位置のうち、最も評価値が高い位置およびその近傍の位置を複数の選択位置として選択し、前記複数の選択位置に対応する複数の選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、前記評価値関数を取得する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、前記関数取得部が、前記評価値関数からの前記複数の選択評価値の偏差を求め、前記偏差に基づいて前記複数の選択評価値の一部を複数の更新選択評価値として選択し、前記複数の更新選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、更新された評価値関数を取得する。
請求項に記載の発明は、第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測方法であって、a)それぞれが、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す複数の要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する工程と、b)前記複数の要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す複数の評価値を取得する工程と、c)前記複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する工程と、d)前記評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得する工程とを備え、前記b)工程において、前記要素対画像が前記軸を中心として反転され、反転前の画像と反転後の画像との一致度が前記評価値として取得される
請求項10に記載の発明は、第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測方法であって、a)それぞれが、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す複数の要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する工程と、b)前記複数の要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す複数の評価値を取得する工程と、c)前記複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する工程と、d)前記評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得する工程とを備え、前記c)工程において、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数が取得され、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数が取得される
本発明によれば、バーニアパターン画像から、比較的簡単な処理で高い精度にて層間のずれ量を取得することができる。
オーバーレイ計測装置の概略構成を示す図である。 コンピュータの構成を示す図である。 コンピュータの機能構成を示すブロック図である。 準備作業の流れを示す図である。 バーニアパターン画像の例を示す図である。 オーバーレイ計測装置の動作の流れを示す図である。 要素対画像の例を示す図である。 反転画像の例を示す図である。 要素対画像と反転画像とを重ねた様子を示す図である。 要素対画像の例を示す図である。 要素対画像の例を示す図である。 評価値関数の例を示す図である。 バーニアパターン画像の他の例を示す図である。 バーニアパターン画像の解像度が低い場合の要素対の位置と評価値との関係の例を示す図である。 関数取得部の動作の流れを示す図である。 暫定関数を示す図である。 暫定関数の頂点の位置と残差平方和との関係を示す図である。 更新前後の評価値関数を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るオーバーレイ計測装置1の概略構成を示す図である。オーバーレイ計測装置1は、対象物である半導体基板9(以下、「基板」という。)上に形成された複数層間のずれ量を取得する。すなわち、基板9上にはフォトリソグラフィ技術を利用して回路パターンを含む一の層が形成され、当該層上にフォトリソグラフィ技術を利用して回路パターンを含む他の層が形成されている。オーバーレイ計測装置1は、基板9の画像を光学的に取得し、画像から層間のパターンのずれ量を取得する。
オーバーレイ計測装置1は、ステージ21と、ステージ駆動部22と、撮像部3とを備える。ステージ21は、基板9を保持する。ステージ駆動部22は、撮像部3に対してステージ21を相対的に移動する。ステージ駆動部22はボールねじ、ガイドレール、モータ等により構成される。撮像部3は、ステージ21の上方に配置され、基板9を撮像して画像データを取得する。撮像部3は、照明部31と、光学系32と、撮像デバイス33とを備える。照明部31は、照明光を出射する。光学系32は、基板9に照明光を導くとともに基板9からの光が入射する。撮像デバイス33は、光学系32により結像された基板9の像を電気信号に変換する。
オーバーレイ計測装置1には、さらに、各種演算処理を行うコンピュータ5が設けられる。コンピュータ5がステージ駆動部22および撮像部3を制御することにより、基板9上の対象領域が撮像される。
図2は、コンピュータ5の構成を示す図である。コンピュータ5は各種演算処理を行うCPU51と、基本プログラムを記憶するROM52と、各種情報を記憶するRAM53とを含む一般的なコンピュータシステムの構成となっている。コンピュータ5は、情報記憶を行う固定ディスク54と、画像等の各種情報の表示を行うディスプレイ55と、操作者からの入力を受け付けるキーボード56aおよびマウス56b(以下、「入力部56」と総称する。)と、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置57と、オーバーレイ計測装置1の他の構成との間で信号を送受信する通信部58とをさらに含む。
コンピュータ5では、事前に読取装置57を介して記録媒体8からプログラム80が読み出されて固定ディスク54に記憶されている。CPU51は、プログラム80に従ってRAM53や固定ディスク54を利用しつつ演算処理を実行する。
図3は、コンピュータ5の演算処理により実現される機能構成を示すブロック図である。図3では、コンピュータ5のCPU51、ROM52、RAM53、固定ディスク54等により実現される機能構成を、符号5を付す矩形にて囲んでいる。コンピュータ5は、パターン画像取得部511と、要素対画像取得部512と、評価値取得部513と、関数取得部514と、ずれ量取得部515と、これらの動作を司る制御部510とを含む。これらの機能の詳細は後述する。各機能は専用の電気回路により構築されてもよく、部分的に専用の電気回路が利用されてもよい。
図4は、オーバーレイ計測装置1における準備作業の流れを示す図である。準備作業では、まず、ステージ21上に参照用の基板9が載置され、作業者の操作により、基板9上に形成された基準マークが撮像部3により撮像される。作業者が取得画像中の基準マークの位置を入力部56を介して指定することにより、コンピュータ5において、ステージ21に対する基板9の相対位置が取得される。
次に、作業者の操作により、基板9上の1つのダイに含まれるバーニアパターンが撮像部3により撮像される。これにより、バーニアパターンを含む画像が取得される。作業者は、ディスプレイ55の表示を見ながら、入力部56を介してバーニアパターンの位置および範囲を指定する。これにより、コンピュータ5において、バーニアパターンの位置および参照用のバーニアパターン画像が登録される(ステップS11)。
図5は、バーニアパターン画像の例を示す図である。図5は、予め定められたx方向のずれ量を取得するためのバーニアパターン画像601と、x方向に垂直なy方向のずれ量を取得するためのバーニアパターン画像602とを示す。バーニアパターン画像601は、基板9上の第1パターン61および第2パターン62を示す部位を含む。図5では、バーニアパターン画像601中の第1パターン61および第2パターン62に対応する部位に、基板9上の第1パターン61および第2パターン62と同様の符号を付している。
バーニアパターン画像601では、第1パターン61は、x方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素611を含む。第2パターン62は、x方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素621を含む。図5では、第1パターン要素611の数は9であり、第2パターン要素621の数も9である。第2パターン要素621のピッチは、第1パターン要素611のピッチよりも僅かに小さい。
第1パターン61は、基板9上に形成された一の層に含まれる。以下、第1パターン61を含む層を「第1層」と呼ぶ。正確には、第1パターン61は、第1層を利用してフォトリソグラフィにより回路パターンと共に形成される。第2パターン62は、基板9上に形成された他の一の層に含まれる。以下、第2パターン62を含む層を「第2層」と呼ぶ。正確には、第2パターン62は、第2層を利用してフォトリソグラフィにより回路パターンと共に形成される。第1層と第2層とは重なるが、直接的に重なっている必要はなく、他の層が介在して間接的に重なってもよい。また、パターンはフォトリソグラフィ以外の技術により形成されてもよい。
第1パターン61は、いわゆる主尺であり、第2パターン62は、いわゆる副尺である。もちろん、第1パターン61および第2パターン62の主尺および副尺の役割は入れ替えられてもよい。また、第1パターン要素611の間隔は第2パターン要素621の間隔よりも小さくてもよい。
第1層と第2層とがx方向にずれていない場合、すなわち、第1層の回路パターンと第2層の回路パターンとがx方向に関してずれていない場合、バーニアパターン画像601において、中央の第1パターン要素611のx方向の中心位置と、中央の第2パターン要素621のx方向の中央位置とが一致する。第1層と第2層とがx方向にずれると、中央以外のいずれかの第1パターン要素611の中央位置と、他のいずれかの第2パターン要素621の中央位置とが最も近づく。ずれ量に応じて、中央位置が最も近づく第1パターン要素611と第2パターン要素621との組合せの位置が変化する。
バーニアパターン画像602も第1パターン61と第2パターン62とを含む。第1パターン61は、y方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素611を含む。第2パターン62は、y方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素621を含む。第1パターン要素611の間隔は、第2パターン要素621の間隔と僅かに異なる。パターン要素がy方向に配列される点を除いて、バーニアパターン画像602は、バーニアパターン画像601と同様である。
バーニアパターン画像601,602の登録の後、作業者は、各バーニアパターン画像601,602が含む第1パターン要素611および第2パターン要素621の対の数および配列方向をコンピュータ5に入力する(ステップS12)。バーニアパターン画像601に関しては、要素対数として「9」が入力され、配列方向として「x」が入力される。バーニアパターン画像602に関しては、要素対数として「9」が入力され、配列方向として「y」が入力される。
なお、上記説明では、バーニアパターン画像601,602およびその位置がステップS11において個別に登録されるものとして説明したが、2つのバーニアパターン画像601を含む画像がパターン群画像が登録されてもよい。この場合、パターン群画像における各バーニアパターン画像の位置および範囲が作業者により入力される。また、要素対の数に代えて、第1パターン要素611または第2パターン要素621のピッチが入力されてもよい。
図6は、オーバーレイ計測装置1の動作の流れを示す図である。ステージ21に計測対象となる基板9が載置されると、撮像部3によりアライメントマークが自動的に撮像され、ステージ21に対する基板9の位置が取得される。そして、パターン画像取得部511により、予め登録されているバーニアパターンの位置および範囲に基づいて、バーニアパターンが存在すると想定される範囲がさらに撮像される。取得された画像から、参照用のバーニアパターン画像とのパターンマッチングにより、バーニアパターンを示すバーニアパターン画像が取得される(ステップS21)。
本実施の形態の場合、x方向に関するバーニアパターン画像とy方向に関するバーニアパターン画像とが取得される。以下の説明では、これらのバーニアパターン画像に図5と同様の符号を付す。また、既述のように、ステップS11にて複数のバーニアパターンを示すパターン群画像並びにバーニアパターンの位置および範囲が登録される場合、撮像画像とパターン群画像とのパターンマッチング、並びに、パターン群画像におけるバーニアパターンの位置および範囲に基づいて、撮像画像から各バーニアパターン画像が取得される。
次に、要素対画像取得部512は、ステップS12にて設定された要素対の数と配列方向とに基づいて、バーニアパターン画像601を分割する(ステップS22)。以下、単に「配列方向」と表現する場合は、要素対やパターン要素の配列方向を指すものとする。また、配列方向における位置を「配列方向位置」と呼ぶ。バーニアパターン画像601は、第1パターン要素611のピッチに基づいて分割されてもよい。各分割画像は、1つの要素対、すなわち、1つの第1パターン要素611と対応する1つの第2パターン要素621との組み合わせを含む。なお、ステップS12において、バーニアパターン画像601中の各要素対の位置および範囲が指定され、これらの情報に基づいて各要素対を含む画像がバーニアパターン画像601から取得されてもよい。以下、1つの要素対を示す画像を「要素対画像」と呼ぶ。
図7Aは、要素対画像603を例示する図である。評価値取得部513は、図7Bに示すように、要素対画像603の左右を反転した画像を生成する。すなわち、評価値取得部513は、要素対画像603を、第1パターン要素611の配列方向に対して垂直な軸を中心として反転した反転画像603aを生成する。また、評価値取得部513は、要素対画像603の一部をパターンマッチング用の部分画像631として取得する。具体的には、部分画像631として要素対画像603の図7Aの下部が取得され、部分画像631には第1パターン要素611の一部のみが含まれる。第1パターン要素611は左右対称であり、第1パターン要素611の下部も対称性を有する。
評価値取得部513は、部分画像631と反転画像603aとのパターンマッチングを行う。これにより、要素対画像603の第1パターン要素611と、反転画像603aの第1パターン要素611とが一致する際の反転画像603aに対する要素対画像603の相対位置が取得される。評価値取得部513は、図7Cに示すように、要素対画像603の第1パターン要素611と反転画像603aの第1パターン要素611とを重ねた際の両画像のマッチングスコアを、評価値として取得する(ステップS23)。
マッチングスコアは、反転前の要素対画像603と反転画像603aとの一致度を示す値であり、配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す評価値の一つである。マッチングスコアの算出方向としては、様々な手法が利用されてよい。本実施の形態では、例えば、数1にて示される正規化相関(「正規化相互相関」とも呼ばれる。)によりマッチングスコアが求められる。
Figure 0006510823
数1において、Iは要素対画像603、Tは反転画像603aを示し、M,Nは、パターンマッチングに利用される領域のx方向およびy方向の画素数である。
評価値としては、要素対の対称性を示すのであれば、様々なものが利用されてよい。例えば、単純に、要素対画像603と反転画像603aとの一致度が評価値として利用されてよい。また、第2パターン要素621を基準にパターンマッチングが行われて評価値が取得されてもよい。
要素対画像603はカラー画像であってもよい。例えば、要素対画像603において、R,G,B,R,G,B・・・と数値が並んでいる場合、要素対画像603を、x方向に元の画像の画素数の3倍の数の画素が並ぶグレー画像とみなして評価値が求められる。ただし、部分画像631と反転画像603aとのパターンマッチングの際には、部分画像631はx方向に3画素ずつ移動しつつ一致度が取得される。カラー画像を利用することにより、コントラストが低い場合あっても良好な評価値を得ることができる場合がある。
また、反転画像603aを生成する前に、要素対画像603に線形または非線形のコントラスト補正が行われてもよい。例えば、要素対画像603をRGBの色成分画像に分け、各色成分画像にコントラスト補正を行った上で合成してカラー画像に戻される。コントラスト補正により、色相は変化する。コントラスト補正としては、例えば、画素階調値と画素数との関係の変化域を線形に変更したり、y=x1/γにて表現される非線形変換が行われてもよい。
図8Aおよび図8Bは要素対画像603の例を示す図である。図8Bの要素対63では図8Aの要素対63よりも第1パターン要素611と第2パターン要素621との左右の位置ずれが大きい。そのため、図8Bの評価値は、図8Aの評価値よりも小さい。
図9は、評価値取得部513にて実際に得られた、要素対63の配列方向位置と評価値との関係の例を示す図である。図9の例では、要素対63の数は7である。「0」の位置が、中央の要素対63に対応する。「1」の位置が中央の隣の要素対63の位置、正確には、第1パターン要素611の位置に対応する。図9にプロットされた菱形の各点641は、各位置の要素対画像603から得られた評価値を示す。
関数取得部514には、予め係数が未知数として設定されているモデル関数が準備される。本実施の形態では、例えば、数2に示すガウス関数がモデル関数として準備される。そして、モデル関数が複数の位置と複数の評価値との対応関係を示す複数の点641に最も近づくように、未知係数a,b,c,dの値が決定される。
Figure 0006510823
これにより、図9に示す関数642が取得される。以下、点641にモデル関数を近づけることを「評価値に関数をフィッティングする」と適宜表現する。関数取得部514は、配列方向の複数の要素対63の位置に対応する複数の評価値に、未知係数を含むモデル関数をフィッティングすることにより未知係数の値を決定し、配列方向における位置と評価値との関係を示す関数642を取得する(ステップS24)。以下、得られた関数642を「評価値関数」と呼ぶ。フィッティングでは、例えば、残差平方和が最小となる係数の値が求められる。
モデル関数として数3に示す2次関数等の他の関数が用いられてもよい。モデル関数は上に凸であり、好ましくは左右対称である。モデル関数の未知係数の数は1つでもよい。未知係数の数が1つの場合、例えば、モデル関数の頂点の配列方向位置のみが未知係数に設定される。未知係数の数は少なくとも1つである。
Figure 0006510823
ずれ量取得部515は、評価値関数642において、評価値が最大となる配列方向位置を取得する。ずれ量取得部515では、評価値が最大となる極大位置と、配列方向における第1層と第2層との間のずれ量との関係が予め準備されており、評価値が最大となる位置から、ずれ量を取得する(ステップS25)。
オーバーレイ計測装置1では、評価値として要素対63の対称性を評価するため、簡単に評価値を取得することができる。特に、本実施の形態のように、要素対画像603と反転画像603aとのマッチングスコアを利用することにより、エッジ抽出や中心線の取得などの演算が不要となり、簡単に評価値を取得することができる。また、モデル関数を利用することにより、簡単に評価値が最大となる位置を求めることができる。さらに、モデル関数を利用することにより、いずれかの要素対63の形状が異常であっても、この要素対63の影響を緩和することができる。
バーニアパターン画像601からx方向のずれ量が取得されると、要素対63の配列方向がy方向であるバーニアパターン画像602に対して同様の処理が行われる(ステップS26)。これにより、第1層と第2層とのy方向のずれ量が取得される。バーニアパターン画像602に対する処理では、反転画像603aは、要素対画像603をx方向を向く軸を中心として反転した画像となる。
上記実施の形態では、評価値を求める際に、要素対画像603と反転画像603aとが第1パターン要素611を基準に位置合わせされる。この処理は、図7Aの場合、実質的に、第1パターン要素611のy方向を向く中心軸632を中心に要素対画像603を反転して反転画像603aを取得することと同等である。これより、評価値は、第2パターン要素621が第1パターン要素611の中心軸632からずれるほど小さくなる。
ここで、要素対画像取得部512は、バーニアパターン画像を分割することにより要素対画像603を取得する。このとき、第1パターン要素611のピッチにてバーニアパターン画像を分割すると、いずれかの要素対画像603にて第2パターン要素621がはみ出す虞がある。一方、第2パターン要素621のピッチにてバーニアパターン画像601を分割すると、いずれかの要素対画像603にて第1パターン要素611がはみ出す虞がある。パターン要素が要素対画像603からはみ出す可能性は、分割ピッチの基準とはならないパターン要素の幅が小さいほど低下する。
すなわち、本実施の形態のように、第1パターン要素611の配列方向の幅が、第2パターン要素621の配列方向の幅より小さい場合、第1パターン要素611のピッチを基準にバーニアパターン画像を分割して要素対画像603を取得することにより、第2パターン要素621が要素対画像603からはみ出す可能性を低減することができる。この場合、第1パターン要素611の中心軸632を基準に反転画像603aが取得することになる。
また、既述のように、要素対画像603の反転は、パターンマッチングを行うことなく単純に行われてもよく、要素対63の対称性を評価する軸は、第1パターン要素611の中心軸632に厳密に一致している必要はない。一般的に表現すれば、評価値取得部513において、要素対63の対称性を評価する際に中心となる軸は、第1パターン要素611および第2パターン要素621のうち、配列方向に関して幅が大きい方を基準に定められていることが好ましい。
さらに、本実施の形態の場合、評価値は、第2パターン要素621が第1パターン要素611の中心軸632からずれるほど小さくなる。したがって、第2パターン要素621の画素値と要素対画像603の背景の画素値との差、すなわち、濃度差が大きいほど評価値は大きくなる。このことから、評価値取得部513において、要素対63の対称性を評価する際に中心となる軸は、第1パターン要素611および第2パターン要素621のうち、背景との濃度差が小さい方を基準に定められていることが好ましい。
第1パターン要素611と第2パターン要素621との間の濃度差が小さい場合、単純に要素対画像603と反転画像603aとのパターンマッチングを行って評価値が求められてもよい。
上記実施の形態では、第1パターン要素611も第2パターン要素621も配列方向に垂直な軸を中心として左右対称である。しかし一般的に、パターン要素の形状に関係なく、第1パターン要素611の位置、例えば重心の位置と、第2パターン要素621の位置との間の距離が配列方向に関して大きくなるほど、要素対63の対称性は小さくなり、評価値も小さくなる。したがって、第1パターン要素611および第2パターン要素621は必ずしも左右対称である必要はなく、任意の形状が採用可能である。すなわち、対称性の評価値を利用することにより、第1パターン要素611および第2パターン要素621の形状の自由度が高くなる。
以上のように、対称性の評価値を利用する場合、適切な評価値を容易に得ることができ、その結果、高い精度にてずれ量を取得することができる。特に、対称性を評価値として利用する場合、要素対画像603からエッジを抽出する等の演算量の多い処理を行う必要がなくなり、比較的簡単な処理でずれ量を取得することができる。
もちろん、第1パターン要素611を基準として対称性が評価される場合、第1パターン要素611が左右対称であることにより、第1パターン要素611の形状が評価値に与える影響を最小限に抑えることができる。一般的に表現すれば、第1パターン要素611および第2パターン要素621のうち、要素対63の対称性を評価する際に中心となる軸を定める基準となるパターン要素は、当該軸を中心として対称、正確には、線対称であることが好ましい。
図10に示すように、同じ役割を果たすバーニアパターンが複数存在する場合、各位置に対応して複数の評価値が得られる。図10の例の場合、2つのバーニアパターン画像601と2つのバーニアパターン画像602とが得られるため、x方向に関して同じとみなすことができる配列方向位置から2つの評価値が得られ、y方向に関して同じとみなすことができる配列方向位置から2つの評価値が得られる。この場合、同じ位置から得られる複数の評価値のうち、最も大きな値がその位置の評価値として採用される。これにより、バーニアパターンの形状不良の影響が低減される。
ところで、バーニアパターンが微細である等に理由によりバーニアパターン画像の解像度が低い場合、図11に例示するように、配列方向に対して評価値が蛇行する場合がある。この蛇行は、要素対63のピッチと撮像素子のピッチとが干渉することが原因であると推定される。その結果、フィッティングされた評価値関数642の精度が低下する。
また、第1パターン要素611を基準に反転画像603aを生成する場合において、第2パターン要素621が非常に細いと、第1パターン要素611に対して第2パターン要素621が第2パターン要素621の幅の半分以上ずれると、要素対画像603と反転画像603aとで第2パターン要素621が重ならなくなる。その結果、第2パターン要素621の位置に関わらず、評価値が一定となる。
膜厚による色の違いや撮像部3の色収差等のバーニアパターン画像の状況によっては、全体的に見た場合に配列方向に対して評価値が単調増加または単調減少し、適切な極大位置を有する評価値関数が得られなく場合がある。
以上のように、得られた評価値に、評価値として採用すべきでないものが含まれている場合、全ての評価値を利用してずれ量を求めると、ずれ量の精度が大幅に低下する場合がある。
図12は、上記のような場合であっても、高い精度にてずれ量を求めることができる関数取得部514の動作の流れ、すなわち図6のステップS24の流れを示す図である。なお、以下の動作例においても、オーバーレイ計測装置1の動作により得られる上述の作用効果は、同様である。
まず、上方に凸となるモデル関数が準備される。少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数としては、例えば、2次関数やガウス関数が準備される。そして、フィッティングにより、評価値が取得される1つの配列方向位置に頂点が位置し、かつ、全評価値を示す点641に近づくように未知係数の値が決定される。頂点の縦方向、すなわち、評価値軸の方向の位置は拘束されない。これにより、当該位置における暫定関数が取得される。
図13に示すように、暫定関数643は、評価値が取得される各配列方向位置において求められる(ステップS241)。暫定関数643の数と評価値の数とは、原則として等しいが、暫定関数643の数は評価値の数よりも少なくてもよい。なお、暫定関数643としては、評価値を示す点641と頂点とが一致するものが取得されてもよい。すなわち、頂点の縦軸方向の位置も拘束されてもよい。図13の例では、モデル関数が上に凸となるように係数が制限されており、暫定関数643が上に凸にならない場合は、全て水平な直線となる。
次に、暫定関数643のうち、点641との残差平方和が最小となる暫定関数643が特定される。図14は、暫定関数643の頂点の配列方向位置と残差平方和との関係を示す図である。そして、最も残差平方和が小さくなる暫定関数643の頂点の配列方向位置が、第1パターン要素611と第2パターン要素621との配列方向位置が一致する仮の一致位置として取得される(ステップS242)。すなわち、関数取得部514は、複数の暫定関数643のうち、最も複数の評価値にフィッティングされたものに対応する位置を仮の一致位置として取得する。図14の場合、位置「2」が仮の一致位置として取得される。
関数取得部514は、さらに、仮の一致位置およびその近傍の位置のうち、最も評価値が高い位置およびその近傍の位置を、複数の選択位置として選択する(ステップS243)。例えば、図14の例では、仮の一致位置「2」と、その左右2個の位置「0」、「1」、「3」、「4」の合計5個の位置のうち、評価値が最も高い位置「1」が特定される。評価値が最も高い位置を探索する範囲内の評価値取得位置の数は、5には限定されない。そして、位置「1」とその左右2個、合計5個の位置が選択位置として選択される。選択位置の数も5には限定されず、複数であればよい。
関数取得部514では、2次関数やガウス関数等の上に凸となるモデル関数が準備されており、図15に示すように、選択位置に対応する黒い菱形で示す5個の点641に最も近くなるようにモデル関数の未知係数がフィッティングにより決定され、評価値関数644が取得される。すなわち、複数の選択位置に対応する複数の選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして当該未知係数の値を決定することにより、評価値関数644が取得される(ステップS244)。
上記処理は、仮の一致位置を基準としてフィッティングに使用する範囲の中心位置を探索し、その後、フィッティングにより評価値関数を取得する処理と捉えることができる。
ここで、評価値関数644の頂点の配列方向位置を第1パターン要素611と第2パターン要素621との配列方向位置が一致する位置とみなして第1層と第2層との間のずれ量が取得されてもよいが、本実施の形態では、ずれ量の精度をさらに高めるために、評価値関数644を更新する処理が行われる。
評価値関数644の更新では、評価値関数644と各選択評価値を示す点641との間の偏差が求められる。偏差が予め定められた閾値、例えば、標準偏差の1.5倍を超える場合に、対応する評価値は、選択評価値から除外される。これにより、選択位置および選択評価値の集合が更新される(ステップS245)。偏差に基づく複数の選択評価値の一部の選択としては、他の手法が用いられてもよい。以下、選択された一部の選択評価値を「更新選択評価値」と呼ぶ。関数取得部514は、複数の更新選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして当該未知係数の値を決定することにより、更新された評価値関数を取得する。
図15の例では、位置「0」の選択評価値が除外され、更新された評価値関数645が取得される(ステップS246)。更新前の評価値関数644の極大点の配列方向位置は約2.1である。更新後の評価値関数645の極大点の配列方向位置は約1.5である。その後、図6のステップS25にて、ずれ量取得部515は、評価値関数645の極大点の位置、すなわち、配列方向において評価値が最大となる位置に基づいて、第1層と第2層との間のずれ量を取得する。
例えば、極大点の位置が「1」である場合の基板9上でのずれ量が0.20μmに相当する場合、評価値関数644から求められるずれ量は、0.42μmであり、更新後の評価値関数645から求められるずれ量は、0.30μmである。
暫定関数643を利用した仮の一致位置から選択評価値を取得し、さらに、選択評価値を利用して評価値関数644を取得することにより、局所的な領域で評価値を利用することになる。その結果、バーニアパターン画像の色が偏って変化している等による評価値への不適切な影響を低減することができる。
さらに、選択評価値を更新することにより、パターン不良や低解像度等により局所的に高い、あるいは、局所的に低い異常値となっている評価値の影響を低減することができる。これにより、適切な評価値を用いて評価値関数を取得し、層間のずれ量を求めることができ、ずれ量の精度を向上することができる。
上記実施の形態では、暫定関数643は評価値の取得位置毎に取得されるが、暫定関数643の数はさらに多くてもよい。すなわち、配列方向に設定された多数の位置に頂点位置が拘束された多数の暫定関数を求めることにより、最もフィッティングされた暫定関数を、ずれ量を求めるための評価値関数として取得することも可能である。
換言すれば、関数取得部514は、配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、複数の要素対の位置に対応する複数の評価値にフィッティングして当該未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数を取得する。その後、複数の暫定関数に基づいて様々な手法により、ずれ量を取得するための評価値関数が取得可能である。
上述のオーバーレイ計測装置1の構成および動作は、様々な変更が可能である。
評価値の算出方法は様々に変更されてよい。要素対画像603と反転画像603aとのパターンマッチングを利用する場合、既述のように対称性の基準となる軸は、概念上は存在するが、演算上は明確には現れない。しかし、要素対画像603、第1パターン要素611、第2パターン要素621、要素対63等を基準に、対称軸は演算上明瞭に設定されてもよい。
上記実施の形態では、説明の都合上、位置と評価値との組み合わせを点641としてプロットして表現したが、点641や関数という概念と同等の処理が実現されるのであれば、位置と評価値との関係や関数を記憶する情報格納構造や、演算処理として、様々なものが採用可能である。
上記実施の形態にて示したオーバーレイ計測装置1の動作の流れは適宜変更されてよい。例えば、x方向に対応するバーニアパターン画像601に対する演算処理と、y方向に対応するバーニアパターン画像602に対する演算処理とは、並行して行われてもよい。要素対63毎に、要素対画像603の取得と評価値の算出とが逐次行われてもよい。準備作業の一部は自動化されてもよい。逆に、準備作業を省き、要素対画像603を取得するまでの処理の一部が、作業者により行われてもよい。その他の演算処理においても、作業者による補助作業が含まれてもよい。
第1パターン要素611および第2パターン要素621は、全体が等間隔に並ぶ必要はない。例えば、(+x)方向へのずれ量のみを計測するためのパターン要素と、(−x)方向へのずれ量のみを計測するためのパターン要素とが個別のバーニアパターンとして設けられてもよい。y方向に関しても同様である。
基板9は半導体基板には限定されない。ガラス基板等の微細な多層パターンが形成されるものであれば、オーバーレイ計測装置1の技術が適用可能である。また、撮像部3は、多層膜を観察することができるのであれば、光学顕微鏡以外の顕微鏡であってもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 オーバーレイ計測装置
9 基板
61 第1パターン
62 第2パターン
63 要素対
512 要素対画像取得部
513 評価値取得部
514 関数取得部
515 ずれ量取得部
601 バーニアパターン画像
603 要素対画像
603a 反転画像
611 第1パターン要素
621 第2パターン要素
642,644,645 評価値関数
643 暫定関数
S21〜S26 ステップ

Claims (10)

  1. 第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測装置であって、
    一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する要素対画像取得部と、
    要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す評価値を取得する評価値取得部と、
    複数の要素対に関して得られた複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する関数取得部と、
    評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するずれ量取得部と、
    を備え
    前記評価値取得部が、前記要素対画像を前記軸を中心として反転し、反転前の画像と反転後の画像との一致度を前記評価値として取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  2. 請求項1に記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記評価値取得部において、前記軸が、前記要素対の第1パターン要素および第2パターン要素のうち、前記配列方向に関して幅が大きい方を基準に定められていることを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  3. 請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記第1パターン要素および前記第2パターン要素のうち、前記軸を定める基準となるパターン要素が、前記軸を中心として対称であることを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記関数取得部が、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、前記評価値関数を取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記関数取得部が、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数を取得し、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数を取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  6. 第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測装置であって、
    一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する要素対画像取得部と、
    要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す評価値を取得する評価値取得部と、
    複数の要素対に関して得られた複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する関数取得部と、
    評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するずれ量取得部と、
    を備え
    前記関数取得部が、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数を取得し、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数を取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  7. 請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記関数取得部が、前記複数の暫定関数のうち、最も前記複数の評価値にフィッティングされたものに対応する位置を仮の一致位置として取得し、前記仮の一致位置およびその近傍の位置のうち、最も評価値が高い位置およびその近傍の位置を複数の選択位置として選択し、前記複数の選択位置に対応する複数の選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、前記評価値関数を取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  8. 請求項に記載のオーバーレイ計測装置であって、
    前記関数取得部が、前記評価値関数からの前記複数の選択評価値の偏差を求め、前記偏差に基づいて前記複数の選択評価値の一部を複数の更新選択評価値として選択し、前記複数の更新選択評価値に、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数をフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、更新された評価値関数を取得することを特徴とするオーバーレイ計測装置。
  9. 第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測方法であって、
    a)それぞれが、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す複数の要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する工程と、
    b)前記複数の要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す複数の評価値を取得する工程と、
    c)前記複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する工程と、
    d)前記評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得する工程と、
    を備え
    前記b)工程において、前記要素対画像が前記軸を中心として反転され、反転前の画像と反転後の画像との一致度が前記評価値として取得されることを特徴とするオーバーレイ計測方法。
  10. 第1パターンが、予め定められた配列方向に等間隔にて配列された複数の第1パターン要素を含み、第2パターンが、前記配列方向に等間隔にて配列された複数の第2パターン要素を含み、基板上に形成された第1層に含まれる前記第1パターンと、前記第1層に重なる第2層に含まれる前記第2パターンとを撮像して得られたバーニアパターン画像から、前記配列方向における前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得するオーバーレイ計測方法であって、
    a)それぞれが、一の第1パターン要素と、前記一の第1パターン要素に対応する第2パターン要素との組合せである要素対を示す複数の要素対画像を、前記バーニアパターン画像から取得する工程と、
    b)前記複数の要素対画像から、前記配列方向に対して垂直な軸を中心とする要素対の対称性を示す複数の評価値を取得する工程と、
    c)前記複数の評価値に基づいて、前記配列方向における位置と評価値との関係を示す評価値関数を取得する工程と、
    d)前記評価値関数から、前記配列方向において評価値が最大となる位置を取得し、前記位置から前記第1層と前記第2層との間のずれ量を取得する工程と、
    を備え
    前記c)工程において、前記配列方向において予め設定された複数の位置のそれぞれに頂点が位置し、かつ、少なくとも1つの未知係数を含むモデル関数を、前記複数の要素対の位置に対応する前記複数の評価値にフィッティングして前記少なくとも1つの未知係数の値を決定することにより、複数の暫定関数が取得され、前記複数の暫定関数に基づいて前記評価値関数が取得されることを特徴とするオーバーレイ計測方法。
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