JP6510716B1 - イソブチレンの製造装置、及び、イソブチレンの製造方法 - Google Patents

イソブチレンの製造装置、及び、イソブチレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メタノールをリサイクルする場合であっても、イソブチレンの収率を安定して高く維持する。【解決手段】イソブチレンの製造装置100は、MTBE合成反応器5、MTBE蒸留塔10、MTBE分解反応器20、分解物分離器(分解物蒸留塔)30、メタノール蒸留塔50、メタノール蒸留塔50の塔頂出口50tに接続された凝縮器58、凝縮器58に接続された液体メタノールタンク55、液体メタノールタンク55とメタノール蒸留塔50の還流入口50ttとを接続するラインLA、液体メタノールタンク55またはラインLAから分岐し、MTBE合成反応器5の入口に接続されたラインLB、ラインLAに設けられたポンプPA、ラインLBに設けられたポンプPB、並びに、ラインLAにおいてメタノール蒸留塔50とポンプPAとの間に設けられた流量調節弁V1を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、イソブチレンの製造装置、及び、イソブチレンの製造方法に関する。
従来、スペントBBなどのイソブチレンを含むC4炭化水素混合物から精製イソブチレンを製造する方法として、イソブチレンを含むC4留分(スペントBB)とメタノールを反応させてMTBEを含む混合物を得るMTBE合成工程と、反応混合物からMTBEを蒸留により分離するMTBE分離工程と、MTBEを分解してイソブチレン及びメタノールを含む混合物を得るMTBE分解工程と、得られた混合物を分解物蒸留塔で蒸留してイソブチレンを主成分として含む流Aと、メタノールを主成分として含む流Bに分離する分解物分離工程と、イソブチレンを主成分として含む流Aに水を接触させて、メタノール濃度が低減されたイソブチレン流Cと、水及びメタノールを含む流Dとを得るメタノール抽出工程と、水及びメタノールを含む流Dとメタノールを主成分として含む流Bをメタノール蒸留塔で蒸留し、メタノールと水を分離する精製工程と、分離されたメタノールをMTBE合成工程に戻す工程と、を備える方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2007−269708号公報
上述のようなイソブチレンの製造に当たっては、メタノールをリサイクルする場合であっても、イソブチレンの収率を安定して高く維持する必要がある。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、メタノールをリサイクルする場合にイソブチレンの収率が安定しない場合が生じることが判明した。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、メタノールをリサイクルする場合であっても、イソブチレンの収率を安定して高く維持できる、イソブチレンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に掛かるイソブチレンの製造装置は、
メタノールを含むMTBE原料が供給される入口と、反応生成物を排出する出口と、を有するMTBE合成反応器、
前記MTBE合成反応器の出口に接続された入口と、塔頂出口と、塔底出口とを有する、又は、前記MTBE合成反応器の出口に接続された入口と、塔頂出口と、塔底出口と、側方出口とを有するMTBE蒸留塔、
前記MTBE蒸留塔の前記塔底出口又は前記側方出口と接続された入口と、イソブチレンとメタノールとを含むMTBE分解物を排出する出口と、を有するMTBE分解反応器、
前記MTBE分解反応器の出口に接続された入口と、メタノール濃度がイソブチレン濃度よりも高い流を排出するメタノール出口、イソブチレン濃度がメタノール濃度よりも高い流を排出するイソブチレン出口と、を有する分解物分離器、
前記分解物分離器の前記メタノール出口と接続された入口と、還流入口と、塔頂出口と、塔底出口と、を有するメタノール蒸留塔、
前記メタノール蒸留塔の塔頂出口に接続された凝縮器、
前記凝縮器に接続された液体メタノールタンク、
前記液体メタノールタンクと前記メタノール蒸留塔の還流入口とを接続するラインLA、
前記液体メタノールタンクまたは前記ラインLAから分岐し、前記MTBE合成反応器の入口に接続されたラインLB、
前記ラインLAに設けられたポンプPA、
前記ラインLBに設けられたポンプPB、並びに、
前記ラインLAにおいて前記メタノール蒸留塔と前記ポンプPAとの間に設けられた流量調節弁V1、を備える。
本発明によれば、ラインLAにポンプPAが、ラインLBにポンプPBがそれぞれ設けられている。したがって、還流ラインの吐出圧力と、リサイクルラインの吐出圧力とを、それぞれの供給先であるメタノール蒸留塔の圧力及びMTBE合成反応器の圧力に合わせて個別に設定することができる。そうすると、還流用の流量調節弁の流路の前後の差圧を小さくできて、還流用の流量調節弁による還流量の調節が正確に行え、還流量が所望の値よりも小さくなってしまったりすることが低減される。
ここで、前記ラインLBは、前記ラインLAにおける前記液体メタノールタンクと前記ポンプPAとの間から分岐することができる。
また、前記ラインLBは、前記ラインLAにおける前記ポンプPAと前記流量調節弁V1との間から分岐することができる。
また、前記ラインLBは、前記液体メタノールタンクから分岐することができる。
また、前記装置は、前記ラインLBに設けられた流量調節弁V2をさらに備えることができ、前記流量調節弁V2は前記ポンプPBと前記MTBE合成反応器との間に設けられていることができる。
また、前記装置は、前記ラインLBに合流し、イソブチレンを含む炭化水素混合物を供給するラインLCをさらに備えることができる。
また、前記装置は、前記ラインLBに合流し、イソブチレンを含む炭化水素混合物を供給するラインLCをさらに備えることができ、前記ラインLCは前記流量調節弁V2と前記MTBE合成反応器との間でラインLBと合流することができる。
また、前記装置は、前記ラインLBに設けられた原料タンクをさらに備えることができ、前記原料タンクは前記ラインLCがラインLBと合流する点と前記MTBE合成反応器との間に設けられることができる。
また、前記装置は、前記ラインLBに設けられたラインミキサーをさらに備えることができ、前記ラインミキサーは前記ラインLCがラインLBと合流する点と前記原料タンクとの間に設けられることができる。
前記装置は、前記液体メタノールタンクに合流し、フレッシュメタノールを供給するラインLDを更に備えることができる。
前記装置は、前記MTBE蒸留塔の前記塔底出口又は前記側方出口と、前記MTBE分解反応器の入口とを接続するラインLEと、
前記MTBE分解反応器の出口と前記分解物分離器の入口とを接続するラインLFと、
前記ラインLE内の流と前記ラインLF内の流とを熱交換させる熱交換器と、を更に備えることができる。
前記装置は、前記ラインLF内の流と、前記ラインLF以外のライン内の流とを熱交換させる補助熱交換器を更に備えることができる。
前記分解物分離器は、塔頂出口及び塔底出口を有する蒸留塔であり、前記分解物分離器のメタノール出口が前記蒸留塔の塔底出口であり、前記分解物分離器のイソブチレン出口が前記蒸留塔の塔頂出口であることができる。
前記装置は、前記蒸留塔の塔頂出口に接続された入口と、水が供給される水入口と、メタノールを含む水相を排出する水相出口と、油相を排出する油相出口と、を有する抽出器をさらに備えることができ、
前記メタノール蒸留塔は、前記抽出器の水相出口と接続された副入口をさらに備えることができる。
前記メタノール蒸留塔の前記副入口は、前記メタノール蒸留塔の前記入口よりも下に配置されていることができる。
また、前記分解物分離器は、水が供給される水入口、メタノールを含む水相を排出する水相出口、及び、油相を排出する油相出口を有する抽出器であり、前記分解物分離器のメタノール出口が前記抽出器の水相出口であり、前記分解物分離器のイソブチレン出口が前記抽出器の油相出口であることもできる。
本発明に掛かるイソブチレンの製造方法は、上記のイソブチレンの製造装置を用いたイソブチレンの製造方法であって、
触媒を収容した前記MTBE合成反応器にイソブチレンを含む炭化水素混合物及びメタノールを供給し、炭化水素混合物中のイソブチレンとメタノールとを反応させて、MTBE及び炭化水素混合物を含む流(F1)を得る工程、
前記流(F1)を前記MTBE蒸留塔で蒸留してMTBEを主として含む流(F2)と、炭化水素混合物を主として含む流(F3)とを生成する工程、
前記流(F2)中のMTBEを前記MTBE分解反応器で分解してメタノール及びイソブチレンを含む流(F4)を生成する工程、
前記流(F4)を、前記分解物分離器で、メタノール濃度がイソブチレン濃度よりも高い流(F6)と、イソブチレン濃度がメタノール濃度よりも高い流(F5)とに分離する工程、
前記流(F6)を前記メタノール蒸留塔で蒸留して、メタノールを主として含む流(F7)、及び、水を主として含む流(F8)を生成する工程、
前記流(F7)の一部を前記ラインLAで前記メタノール蒸留塔に戻す工程、並びに、
前記流(F7)の一部を前記ラインLBで前記MTBE合成反応器に供給する工程、を備える。
ここで、前記MTBE合成反応器の圧力は、前記メタノール蒸留塔の塔頂の圧力よりも高いことができる。
本発明によれば、メタノールをリサイクルする場合であっても、イソブチレンの収率を安定して高く維持できる、イソブチレンの製造方法等が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるイソブチレンの製造フロー図である。 図2は、参考形態に掛かるイソブチレンの製造フローにおけるメタノール蒸留塔50の近傍のフロー図である。 図3は、本発明の第2実施形態にかかるイソブチレンの製造フロー図である。 図4は、本発明の第3実施形態にかかるイソブチレンの製造フロー図である。 図5は、本発明の第4実施形態にかかるイソブチレンの製造フロー図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかるイソブチレンの製造装置及び方法を説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態のイソブチレンの製造装置100について説明する。
この製造装置100は、MTBE合成反応器5、MTBE蒸留塔10、MTBE分解反応器20、分解物蒸留塔(分解物分離器)30、第1抽出器40、メタノール蒸留塔50、及び、第2抽出器60を主として備える。
MTBE合成反応器5は、MTBE原料が供給される入口5i及び反応生成物を排出する出口5oを有する反応器であり、容器内に触媒が充填された反応器であることが好適である。MTBE合成反応器5は、容器内に触媒を充填した固定床反応器であることができる。MTBE合成反応器5内を流れる液の流れの向きに限定はなく、アップフローでも、ダウンフローでも良い。
メタノールとイソブチレンからMTBEを合成する反応に用いられる触媒の例は、酸性イオン交換樹脂である。酸性イオン交換樹脂としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン系スルホン酸樹脂、及びホルムアルデヒドで架橋したフェノールスルホン酸樹脂が挙げられる。上記酸性イオン交換樹脂は、マクロポーラス型の樹脂であることが好ましい。
MTBE合成反応器5の入口5iには、後述するラインLB及びラインLAを介して液体メタノールタンク55が接続されている。ラインLBには、C4炭化水素混合物供給源からC4炭化水素を供給するラインLCが合流している。MTBE合成反応器5の出口5oにはラインL1を介してMTBE蒸留塔10の入口10iが接続されている。
MTBE蒸留塔10の塔頂出口10tにはラインL2が、塔底出口10bにはラインL3が、塔の側方出口10sにはラインLEがそれぞれ接続されている。
ラインL2の下流には、第2抽出器60の入口60iが接続されている。ラインLEの下流にはMTBE分解反応器20の入口20iが接続されている。
MTBE分解反応器20は、入口20i及び、イソブチレン及びメタノールを含むMTBE分解物を排出する20oを有し、かつ、後述する固体触媒を充填した反応器であり、MTBEを分解することができる。
MTBE分解反応器20の出口20oには、分解物蒸留塔30の入口30iがラインLFを介して接続されている。
MTBE蒸留塔10の側方出口10sとMTBE分解反応器20の入口20iとを接続するラインLEには熱交換器72が設けられている。この熱交換器72は、ラインLEを流れる流(F2)と、ラインLFを流れる流(F4)との間で熱交換をさせる。
MTBE分解反応器20の出口20oと分解物蒸留塔30の入口30iとを接続するラインLFには、さらに、熱交換器(補助熱交換器)73が設けられている。この熱交換器73は、ラインLFを流れる流(F4)と、ラインLE以外の他のラインの流とを熱交換させる。熱交換器73が熱交換する相手のラインは、ラインLE以外のプロセス流であれば良く、例えば、ラインL1、ラインL3、ラインL7、ラインL9、ラインL11、ラインL13、及び、いずれかの蒸留塔において最下段から排出される液を加熱して再び蒸留塔に戻すリボイララインである。他のラインの流は、ラインLFの流よりも低温の流であることが好適である。熱交換器73は、ラインLFにおいて、熱交換器72と分解物蒸留塔(分解物分離器)30との間に設けられることが好適である。
熱交換器72,73の形態に特に限定はなく、シェルチューブ型、2重管型、スパイラル型、プレート型等の公知の種々の熱交換器を使用できる。また、熱交換器における2つの流体の流れの方向も、向流、並流、交差流のいずれでもよい。さらに、熱交換器の構成材料も特に限定されず、銅、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、チタン等の各種金属系材料を使用することができる。酸による腐食対策として耐酸性の材料を使用してもよい。
分解物蒸留塔30の塔頂出口(イソブチレン出口)30tにはラインL6が、塔底出口(メタノール出口)30bにはラインL7が接続されている。ラインL6の下流には第1抽出器40の入口40iが接続されている。ラインL7の下流にはメタノール蒸留塔50の入口50dが接続されている。
第1抽出器40の水入口40wには水を供給するラインL14が接続されている。第1抽出器40の塔頂にある油相出口40tにはラインL8が、塔底にある水相出口40bにはラインL9が接続されている。
第2抽出器60の水入口60wには水を供給するラインL19が接続されている。第2抽出器60の塔頂にある油相出口60tにはラインL15が、塔底にある水相出口60bにはラインL13が接続されている。
第1抽出器40の水相出口40bに接続されたラインL9、及び、第2抽出器60の水相出口60bに接続されたラインL13は、それぞれ、メタノール蒸留塔50の副入口50cに接続されている。分解物蒸留塔30の塔底出口30bに接続されたラインL7はメタノール蒸留塔の入口50dに接続されている。メタノール蒸留塔50の塔頂出口50tにはラインL10が、塔底出口50bにはラインL11が接続されている。
メタノール蒸留塔50に対して、ラインL7は、ラインL9及びラインL13よりも高い位置に接続されていることが好適である。すなわち、メタノール蒸留塔50において、ラインL7が接続される入口50dは、ラインL9及びラインL13が接続される副入口50cよりも上に配置されていることが好適である。ラインL7の流(F6)の水の濃度は、ラインL9の流(F9)及びラインL13の流F13の水の濃度よりも低いため、このようにすることにより、メタノール蒸留塔50での水とメタノールとの分離効率が高くなる。
メタノール蒸留塔50は、充填塔でも良く、複数の段(トレイ)50aを有する棚段塔でもよい。棚段塔の場合には、メタノール蒸留塔50に対してラインL7の流(F6)が供給される段50aを、ラインL9の流(F9)及びラインL13の流(F13)が接続される段50aよりも高くすることが好適である。段数の差は1段以上であれば良く、2段以上でも良い。
メタノール蒸留塔50の塔頂出口50tに接続されたラインL10には、メタノール蒸留塔50側から順に、塔頂出口50tから得られるメタノールを凝縮して液体を得る熱交換器(凝縮器)58、及び、得られた液体メタノールを貯留する液体メタノールタンク55が設けられている。液体メタノールタンク55は、還流用のラインLAによりメタノール蒸留塔50の還流入口50ttと接続されている。
ラインLAには、液体メタノールタンク55側からメタノール蒸留塔50に向かって順に、還流用のポンプPA、及び、還流用の流量調節弁V1が設けられている。還流用のポンプPAとしては、遠心ポンプなどの種々のポンプを使用できる。
ラインLAにおける、液体メタノールタンク55とポンプPAとの間から、リサイクル用のラインLBが分岐している。ラインLBは、MTBE合成反応器5の入口5iに接続されている。ラインLBには、ラインLA側からMTBE合成反応器5に向かって順に、リサイクル用のポンプPB、及び、流量調節弁V2が設けられている。リサイクル用のポンプPBとしては、サンダインポンプなどの高速遠心ポンプを使用できる。ラインLBと、上述したC4炭化水素を供給するラインLCとの合流点J1は、流量調節弁V2とMTBE合成反応器5との間に設けられている。
液体メタノールタンク55には、フレッシュメタノールを供給するラインLDが合流している。
ラインLDが液体メタノールタンク55に合流する場合、フレッシュメタノール供給停止等のフレッシュメタノールの供給量が変動するトラブルがあったとしても、液体メタノールタンク55に貯蔵しているメタノール量分は、MTBE合成反応器5へ供給されてメタノール量の変動はなく、最終イソブチレンの収率に影響を与えにくくなる。また、トラブル復旧までの時間を稼ぐことができる。
(イソブチレンの製造方法)
続いて、最初に本実施形態にかかるイソブチレンの製造方法について説明する。
まず、ラインLB及びラインLCを介してメタノール及びC4炭化水素混合物を含むMTBE原料をMTBE合成反応器5に供給し、MTBEを含む流(F1)を得る。
C4炭化水素混合物は、イソブチレン、及び、イソブチレン以外のC4炭化水素を含む。C4炭化水素混合物の例は、ナフサの水蒸気分解から得られた炭素数4の炭化水素留分(C4留分)又はこれから1,3−ブタジエンを抽出若しくは選択水素化によって除去したもの(スペントBB留分);流動接触分解によって得られた炭素数4の炭化水素混合物(FCC−C4);イソブタンを脱水素化して得られたイソブチレンを含む混合物;TBAを脱水して得られたイソブチレンを含む混合物;及び1−ブテン若しくは2−ブテンの骨格異性化で得られたイソブチレンを含む混合物;並びにこれらの混合物である。イソブチレン以外のC4炭化水素の例は、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエンである。
MTBE合成の反応温度は、20〜90℃、反応圧力Psは、原料及び生成物、なかでもイソブチレンなどのC4炭化水素を液体に維持する観点から0.4〜2.5MPa−G(ゲージ圧)とすることができる。
合成により得られる流(F1)は、MTBE(メチルtert−ブチルエーテル)、及び、MTBE以外の化合物を含む。MTBE以外の化合物の例は、炭化水素、アルコール、及び、MTBE以外のエーテルである。
炭化水素の例は、イソブチレン、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエンなどの炭素数4の炭化水素;ジイソブチレンなどの炭素数8の炭化水素;プロパン、プロピレン、プロパジエン、プロピン等の炭素数3の炭化水素;ペンタン、ペンテン、イソペンタンなどの炭素数5の炭化水素である。
アルコールの例は、メタノール、tert−ブチルアルコール(TBA)である。
MTBE以外のエーテルの例は、ジメチルエーテル、メチルsec−ブチルエーテルである。
流(F1)は、水を含むことができる。
流(F1)中のMTBEの濃度は10〜97質量%であることができる。
(流(F1)のMTBE蒸留塔10での蒸留)
次に、流(F1)を、ラインL1を介してMTBE蒸留塔10に供給して蒸留する。MTBE蒸留塔10の入口での流(F1)の温度は、25〜490℃とすることができる。MTBE蒸留塔10内の圧力は、0.1〜1.2MPa−Gとすることができる。
MTBE蒸留塔10で流(F1)を蒸留することにより、塔頂からラインL2を介して1−ブテン等の炭素数4の炭化水素を主として含有するガス流(F3)を排出させ、塔底からジイソブチレン、メチルsec−ブチルエーテル等の高沸点化合物を含有する液流(F11)をラインL3を介して排出させ、塔頂よりも下かつ塔底よりも上の側方出口10sからMTBEを主として含む液流(F2)を、ラインLEを介して排出させる。
MTBE蒸留塔10から中間留分である液流(F2)をラインLEから安定的に排出させるため、MTBE蒸留塔10は、複数のトレイを有する棚段塔であることができる。これにより、トレイから好適に中間留分を排出させることができる。ラインLEを介して排出させる流(F2)のMTBE蒸留塔10の出口での温度、すなわち、液をサイドカットするトレイの温度は、80〜200℃とすることができる。
(第2抽出器60での流(F3)からのメタノールの抽出)
流(F3)を、熱交換により液相とした上で、ラインL2を介して第2抽出器60の入口60iに供給すると共に、ラインL19を介して第2抽出器60の水入口60wに液体の水を供給する。水との接触により、流(F3)中に存在するメタノールが水に溶けて抽出され、塔底にある水相出口60bからラインL13を介して水とメタノールとの混合物として流(F13)が排出される。なお、流(F3)に対して、第2抽出器60の前にさらにMTBE合成反応器を設けてもよい。
一方、油相であるC4炭化水素を含む流(F12)は、メタノールが十分除去された状態で、塔頂にある油相出口60tからラインL15を介して排出される。
第2抽出器60の温度は15〜80℃とすることができ、圧力は0.2〜1.0MPa−Gとすることができる。第2抽出器60の塔底にある水相出口60bにおける流(F13)の温度は、30〜80℃とすることができる。
(MTBE分解反応器20でのMTBEの分解)
MTBE蒸留塔10で生成した流(F2)を、ラインLEを介してMTBE分解反応器20に供する。
MTBE分解反応器20では、流(F2)中のMTBEを分解してイソブチレン及びメタノールを含む流(F4)を得る。イソブチレン及びメタノールを含む流(F4)は、通常、未分解のMTBEを含む。
流(F2)をガスとしてMTBE分解反応器20に供給することが好適である。MTBE分解反応器20の入口での流(F2)の温度は100〜500℃とすることができる。
熱交換器72により、ラインLFを流れる流(F4)の顕熱及び潜熱を利用して、ラインLEを流れる流(F2)を加熱して、ガス化させることができる。
固定床方式のMTBE分解反応器20を用いた気相反応でMTBEを分解できる。反応温度は通常100〜500℃、好ましくは150〜350℃である。反応圧力は通常大気圧〜2.0MPa−G(ゲージ圧)、好ましくは大気圧〜1.2MPa−Gである。原料の供給速度は反応温度、圧力、MTBEの転化率等により選定されるが、重量空間速度(WHSV)で通常0.1〜50h−1、好ましくは1〜20h−1が採用される。WHSVは、MTBE分解工程に供する全ての流の流速(kg/h)を触媒重量(kg)で除したものである。
MTBE分解工程におけるMTBEの転化率は、好ましくは40%〜99%、より好ましくは70%〜98%、更に好ましくは85%〜96%である。
MTBE分解工程では、通常、固体触媒が使用される。固体触媒としては、例えば、金属酸化物、非金属酸化物及び複合酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、アルミナ、酸化チタン及び酸化クロムが挙げられる。非金属酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素が挙げられる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミナ及びゼオライトが挙げられる。これらは結晶性でもアモルファスでもよく、また、硫黄、リン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム等の元素を含んでいてもよい。MTBE分解工程で用いられる固体触媒としては、好ましくは、酸化アルミニウム換算で4〜30質量%のアルミニウム源と二酸化ケイ素換算で60〜95質量%のケイ素源とを含み、50〜450m/gのBET表面積を有するシリカアルミナが使用される。
MTBE分解工程は、100℃以上500℃以下でシリカアルミナを用いて行われることが好ましい。この反応は、吸熱反応であるため、外部からの熱の供給が必要となる。熱の供給は、MTBE分解反応器20内に設けた伝熱管に外部から熱媒を供給することにより行ってもよいし、流(F2)を加熱して顕熱として供給してもよいし、これらを組み合わせてもよい。
ラインLFを介して排出されるMTBE分解反応器20の出口20oでの流(F4)の温度は、100〜500℃、好ましくは150〜350℃とすることができる。
ラインLEを流れる流(F2)に対して、水を添加してからMTBE分解反応器20に供給してもよい。水の添加量は、MTBE蒸留塔10から排出される量に対して、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.2〜5.0質量%となるように行われる。
(分解物蒸留塔(分解物分離器)30における流(F4)からのメタノールの分離)
次に、ラインLFを介して流(F4)を分解物蒸留塔30に供する。
流(F4)の分解物蒸留塔30における入口温度は、20〜480℃、好ましくは20〜330℃とすることができる。
熱交換器72により、ラインLFを流れる流(F4)の熱を、ラインLEを流れる流(F2)に与えること、及び、必要に応じて熱交換器73によりラインLFを流れる流(F4)の熱を他のラインの流に与えることにより、ラインLFを流れる流(F4)を冷却して液相とすることが好適である。これにより、分解物蒸留塔30に供される流(F4)がメタノール及びイソブチレンを含む液相を有するので、後段でのメタノールとイソブチレンの分離効率が良いという効果がある。熱交換器72だけで流(F4)を液相にできる場合には、熱交換器73を設けなくてもよい。
分解物蒸留塔(分解物分離器)30での蒸留により、流(F4)中のメタノールが一部分離される。分解物蒸留塔30の塔底出口(メタノール出口)30bからラインL7を介して、メタノールを主とする、すなわち、イソブチレン濃度よりもメタノールの濃度(例えばモル濃度)が高い流(F6)が排出される。分解物蒸留塔30の塔頂出口(イソブチレン出口)30tからラインL6を介して一部のメタノールが分離された、イソブチレンを主とする、すなわち、メタノール濃度よりもイソブチレンの濃度が高い流(F5)が排出される。一部のメタノールが分離されたイソブチレンを主とする流(F5)であっても、通常、イソブチレン以外にメタノールを含む。メタノールを主とする流(F6)は、通常、メタノール以外に未分解のMTBEを含む。
分解物蒸留塔30の塔頂の温度は、10〜110℃とすることができる。分解物蒸留塔30の塔底の温度は、80〜200℃とすることができる。分解物蒸留塔30の圧力は、0.1〜2.0MPa−Gとすることができる。分解物蒸留塔30の塔底出口における流(F6)の温度は、80〜200℃とすることができる。
(第1抽出器40での水によるイソブチレンからのメタノールの抽出)
次に、流(F5)を、熱交換により液相とした上で、ラインL6を介して第1抽出器40の入口40iに供給すると共に、ラインL14を介して第1抽出器40の水入口40wに液体の水を供給する。水との接触により、流(F5)中に存在するメタノールが水に溶けて抽出され、塔底にある水相出口40bからラインL9を介して水とメタノールとの混合物として流(F9)が排出される。
一方、油相であるイソブチレンを含む流(F10)は、メタノールが十分除去された状態で、塔頂にある油相出口40tからラインL8を介して排出される。
流(F10)に対しては、必要に応じて、蒸留などによるジメチルエーテルなどの軽沸成分の除去を行ってイソブチレンのさらなる高純度化を行ってもよい。
第1抽出器40の温度は15〜80℃とすることができ、圧力は0.2〜1.0MPa−Gとすることができる。第1抽出器40の塔底出口における流(F9)の温度は、30〜80℃とすることができる。
(メタノール蒸留塔50での水とメタノールとの分離)
分解物蒸留塔30の塔底出口30bから流(F6)を、ラインL7を介してメタノール蒸留塔50の入口50dに供し、第1抽出器40の水相出口40bから流(F9)を、ラインL9を介してメタノール蒸留塔50の副入口50cに供し、第2抽出器60の塔底にある水相出口60bから流(F13)を、ラインL13を介してメタノール蒸留塔50の副入口50cに供する。上述のように、入口50dを副入口50cよりも上に配置して、メタノール蒸留塔50に対して、流(F6)を、流(F9)及び流(F13)よりも上に供給することが好適である。
メタノール蒸留塔50の入口50dでの流(F6)の温度は、80〜200℃とすることができる。メタノール蒸留塔50の副入口50cでの流(F9)の温度は、30〜80℃とすることができる。メタノール蒸留塔50の副入口50cでの流(F13)の温度は、30〜80℃とすることができる。
メタノール蒸留塔50では、蒸留により、塔頂出口50tからラインL10を介してメタノールおよび未分解のMTBEを主とする流(F7)が排出され、塔底出口50bからラインL11を介して水を主とする流(F8)が排出される。
塔頂の温度は60〜150℃とすることができる。塔底の温度は100〜200℃とすることができる。メタノール蒸留塔50の圧力は大気圧〜1.0MPa−Gとすることができる。メタノール蒸留塔50の圧力Pdは、MTBE合成反応器5内の圧力Psよりも低いことが好適であり、Ps−Pd≧400kPa、Ps−Pd≧1000kPa、及び、Ps−Pd≧1400kPa以上とすることができる。
流(F7)を、熱交換器58で凝縮させて液相とし、液体メタノールタンク55に貯留する。
液体メタノールタンク55から、一部の流(F7)を、ラインLAを介して、メタノール蒸留塔50の還流入口50ttに還流させることにより、流(F7)中の水の濃度を低下させてメタノールの純度を高める。還流比(還流量/留出量)は、0.1〜5.0とすることができる。流(F7)をポンプPAで昇圧して、還流用の流量調節弁V1で還流量を調節する。
流(F7)中の水分量は1.0質量%以下とすることが好適である。
一方、他の一部の流(F7)を、ラインLAの一部及びラインLBを介して、MTBE合成反応器5の入口5iに供給する。ラインLAからラインLBに分岐した流(F7)をポンプPBで昇圧して、流量調節弁V2でリサイクル量を調節する。
なお、100%のメタノールが流(F7)に回収されるわけではないため、運転を続けるとメタノールが系外に流出する。したがって、必要に応じて、ラインLDを介してフレッシュメタノールを液体メタノールタンク55に補充することができる。
メタノール蒸留塔50からの流(F8)は、ラインL14を介して第1抽出器40に供給したり、ラインL19を介して第2抽出器60に供給したりすることができる。
(作用)
上述のように、通常、MTBE合成反応器5における圧力Psは、メタノール蒸留塔50の圧力Pdよりも高く設定される。
したがって、図2に示すように、ラインLAにおけるラインLBの分岐点よりも上流側に一つのポンプ53を配置し、ポンプの吐出流をラインLAを介してメタノール蒸留塔50へ供給すると共に、ラインLAから分岐するラインLBを介してMTBE合成反応器5に供給する場合、以下のようになる。すなわち、ポンプ53の吐出圧力を、MTBE合成反応器5に対してメタノールを供給可能とするためにMTBE合成反応器5の圧力よりも高い圧力とせざるを得ない。そうすると、還流用の流量調節弁V1の前後の圧力差が大きくなるため、メタノール蒸留塔50に還流させるメタノールの供給量の調節が困難となり、還流量不足となる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、還流用のラインLAにポンプPAが、リサイクル用のラインLBにポンプPBがそれぞれ設けられている。したがって、ラインLAの還流用の流量調節弁V1の一次側(上流側)の圧力と、ラインLBの流量調節弁V2の一次側(上流側)の圧力とを、それぞれの供給先であるメタノール蒸留塔50の圧力及びMTBE合成反応器5の圧力に合わせて個別に設定することができる。そうすると、還流用の流量調節弁V1の前後の差圧を小さくすることができ、還流量の調節が正確に行え、所望の値よりも小さくなってしまったりすることが低減される。
(第2実施形態)
図3を参照して、本発明の第2実施形態にかかるイソブチレンの製造装置及び方法を説明する。
本発明が第1実施形態と異なる点について説明する。図3は、本実施形態のイソブチレンの製造装置200のフロー図である。
本実施形態のイソブチレンの製造装置200では、ラインLFに接続された分解物分離器が分解物蒸留塔30でなく第1抽出器40となっている。すなわち、ラインLFが分解物蒸留塔30でなく第1抽出器40の入口40iに接続されている。また、第1抽出器40の油相出口40tからラインL8を介して排出される流(F5)が分解物蒸留塔30の入口30iに供給される。分解物蒸留塔30の塔底出口30bに接続されたラインL7は、メタノール蒸留塔50には接続されない。
本実施形態では、第1抽出器40の油相出口40tが、イソブチレン濃度がメタノール濃度よりも高い流を排出するイソブチレン出口となり、水相出口40bが、メタノール濃度がイソブチレン濃度よりも高い流を排出するメタノール出口となる。
また、本実施形態においては、ラインLBにラインミキサー62及び原料タンク64が設けられている。ラインミキサー62及び原料タンク64は、ラインLBにおいて、ラインLCとの合流点J1とMTBE合成反応器5との間に設けられている。合流点J1と、原料タンク64との間にラインミキサー62が設けられる。ラインLCとラインLBとの合流点J1は、流量調節弁V2とMTBE合成反応器5との間に設けられている。
なお、第1実施形態と同様に、イソブチレンなどのC4炭化水素を液体としてMTBE合成反応器5に供給するため、MTBE合成反応器5の圧力Psはメタノール蒸留塔50の圧力Pdよりも高く、ラインLC、ラインLB、ラインミキサー62、及び、原料タンク64の圧力もPsと同等以上とされる必要があり、ポンプPA及びポンプPBに要求される吐出圧力は第1実施形態と同様である。
原料タンク64が存在することにより、ラインLCによるC4炭化水素の供給停止等のC4炭化水素の供給量が変動するトラブルがあったとしても、原料タンク64内に貯蔵している原料が安定的に供給されて、MTBE合成反応器5へ供給される原料の量や濃度の変動を抑えることができ、最終的に得られるイソブチレンの収率に与える影響を小さくでき、また、トラブル復旧までの時間を稼ぐことができるというメリットがある。
また、ラインミキサー62を設けることにより、メタノールとイソブチレンとの混合が良好となる。
続いて、本実施形態のイソブチレンの製造方法について、第1実施形態と相違する点について述べる。
(第1抽出器(分解物分離器)40での水によるイソブチレンからのメタノールの抽出)
MTBE分解反応器20の出口20oから排出させた流(F4)を、ラインLFを介して第1抽出器40の入口40iに供給すると共に、ラインL14を介して第1抽出器40の水入口40wに液体の水を供給する。水との接触により、流(F4)中のメタノールが水に溶けてイソブチレンから抽出され、塔底にある水相出口40bからラインL9を介して水とメタノールとの混合物として流(F6)が排出される。流(F6)において、メタノール濃度は、イソブチレン濃度よりも高い。
一方、メタノールが除去された油相としてのイソブチレンを含む流(F5)は、塔頂にある油相出口40tからラインL8を介して排出される。イソブチレンを含む流(F5)は、イソブチレン以外に、通常、MTBE、及び、ジイソブチレンなどの重質成分を含む。流(F5)において、イソブチレン濃度は、メタノール濃度よりも高い。
第1抽出器40の入口での流(F4)の温度は、30〜480℃とすることができる。第1抽出器40の温度は15〜80℃とすることができ、圧力は0.2〜1.0MPa−Gとすることができる。
(分解物蒸留塔30でのイソブチレンと重質成分との分離)
次に、ラインL8を介してイソブチレンを含む流(F5)を分解物蒸留塔30の入口30iに供する。分解物蒸留塔30の入口での流(F5)の温度は、15〜80℃とすることができる。
分解物蒸留塔30での蒸留により、分解物蒸留塔30の塔頂出口30tからラインL6を介してイソブチレンを主とする流(F14)が排出され、分解物蒸留塔30の塔底出口30bからラインL7を介して、MTBE、及び、ジイソブチレンなどの重質成分を主とする流(F15)が排出される。
分解物蒸留塔30の塔頂の温度、塔底の温度、分解物蒸留塔30の圧力は、第1実施形態と同様とすることができる。
メタノール蒸留塔50での流(F6)、流(F13)の蒸留及びそれ以降は、第1実施形態と同様である。この方法によると第1の実施形態よりもMTBE含量の少ない高純度のメタノールを得ることができる。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、ラインLAにポンプPAが、ラインLBにポンプPBがそれぞれ設けられているので、メタノールをリサイクルする場合であっても、イソブチレンの収率を安定して高く維持できる。
(第3実施形態)
図4を参照して、本発明の第3実施形態にかかるイソブチレンの製造装置及び方法を説明する。
本発明が第2実施形態(図3)と異なる点について説明する。図4は、本実施形態のイソブチレンの製造装置300のフロー図である。
本実施形態のイソブチレンの製造装置300では、リサイクル用のラインLBが、ラインLAにおける、液体メタノールタンク55とポンプPAとの間からではなく、ラインLAにおける、ポンプPAと流量調節弁V1との間から分岐している。
また、本実施形態では、C4炭化水素を供給するラインLCは、ラインLBにおける、ラインミキサー62と流量調節弁V2との間に合流するのでなく、原料タンク64に直接合流しており、ラインLBにラインミキサー62は設けられていない。
本実施形態においても、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第4実施形態)
図5を参照して、本発明の第4実施形態にかかるイソブチレンの製造装置及び方法を説明する。
本発明が第1実施形態(図1)と異なる点について説明する。図5は、本実施形態のイソブチレンの製造装置400のフロー図である。
本実施形態のイソブチレンの製造装置400では、リサイクル用のラインLBが、ラインLAからではなく、液体メタノールタンク55から分岐している。
また、フレッシュメタノールを供給するラインLDが、液体メタノールタンク55でなく、ラインLBにおける流量調節弁V2とMTBE合成反応器5との間に合流している。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(他の実施態様)
本発明は上記実施形態に限られず、様々な変形態様が可能である。
例えば、第1及び第4実施形態では、MTBE分解反応器20から排出される流(F4)中のメタノールを分解物蒸留塔(分離器に対応)30で一部除去し、得られた流(F5)を第1抽出器40に供給し、第2及び第3実施形態では、MTBE分解反応器20から排出される流(F4)をそのまま第1抽出器(分離器に対応)40に供給し、第1抽出器40の油相を分解物蒸留塔30に供給している。しかしながら、第1及び第4実施形態では第1抽出器40を設けなくても実施は可能であるし、第2及び第3実施形態では、分解物蒸留塔30を設けなくても実施は可能である。蒸留塔及び抽出器以外の分離器として、ガスストリッピング装置なども使用できる。
また、上記実施形態において、MTBE蒸留塔10は、塔頂からラインL2で軽質留分を、塔底からラインL3で重質留分を、塔の中間からラインLEで中間留分を抜き出す構成を有しているが、蒸留塔を二段以上用いて同様の構成としてもよい。すなわち、最初の蒸留塔で、塔頂から軽質成分を抜き出し、塔底から重質成分及び中間留分を抜き出して後段の蒸留塔に供し、後段の蒸留塔で、塔頂から中間留分を抜き出してMTBE分解反応器20に供し、塔底から重質成分を抜き出してもよい。この場合、最初の蒸留塔の塔底出口が、後段の蒸留塔を介してMTBE分解反応器20の入口20iに接続されていることになる。
また、分解物蒸留塔30は、最上段から排出されるガスを再び凝縮させて蒸留塔に還流する還流部を備えることができる。また、メタノール蒸留塔50及び分解物蒸留塔30は、最下段から排出される液を加熱して再び蒸留塔に戻すリボイラを備えることができる。また、各蒸留塔は、複数のトレイを有する棚段式であってもよく、充填塔であってもよい。
上記実施形態では、第1抽出器40及び第2抽出器60として塔型の抽出器を図示しているがこれに限定されるものでは無い。塔型の抽出器としては、例えば、スプレー塔型、回転円盤塔型及び多孔板型などの抽出器を好適に利用できるが、また、塔型以外の抽出器としては、例えば、ミキサーセトラー型などの槽型の抽出器などがある。
また、本明細書において「ラインXが要素Yに接続された」とは、ラインXが他の要素を介さずに要素Yに直接接続されてもよいし、ラインXが他の要素(複数可)を介して要素Yに接続されてもよい。例えば、第2実施形態(図3)では、ポンプPBを有するラインLBは、流量調節弁V2、ラインミキサー62、原料タンク64を介して、MTBE合成反応器5に接続されている。これらの他の要素は無くても実施可能である。
また、第1実施形態(図1)及び第2実施形態(図3)では、ラインLBが、ラインLAにおける液体メタノールタンク55とポンプPAとの間から分岐しているが、ラインLAにおけるポンプPAと流量調節弁V1との間から分岐してもよく、液体メタノールタンク55から分岐してもよい。
第3実施形態(図4)では、ラインLBが、ラインLAにおけるポンプPAと流量調節弁V1との間から分岐しているが、ラインLAにおける液体メタノールタンク55とポンプPAとの間から分岐してもよく、液体メタノールタンク55から分岐してもよい。
第4実施形態(図5)では、ラインLBが、液体メタノールタンク55から分岐しているが、ラインLAにおけるポンプPAと流量調節弁V1との間から分岐してもよく、ラインLAにおける液体メタノールタンク55とポンプPAとの間から分岐してもよい。
ラインLCのラインLBへの合流の仕方は、ラインLBに合流している限り限定はなく、ラインLBに流量調節弁V2がある場合には、流量調節弁V2とMTBE合成反応器5との間に設ければよい。例えば、第1実施形態(図1)及び第4実施形態(図5)において、合流点J1とMTBE合成反応器5との間に原料タンク64を備えていてもよいし、原料タンク64と合流点J1との間にラインミキサー62をさらに備えていてもよいし、ラインLCが原料タンク64に合流してもよい。
また、第2実施形態(図3)において、ラインミキサー62及び原料タンク64がなくてもよく、ラインLCが原料タンク64に合流していてもよい。
また、第3実施形態(図4)において、原料タンク64を有さなくてもよいし、ラインLCが原料タンク64と流量調節弁V2との間に合流し、合流点J1と原料タンクとの間にラインミキサー62を有してもよい。
また、第1〜第3実施形態において、フレッシュメタノールを供給するラインLDは、ラインLA又はラインLBに合流していてもよく、第4実施形態において、ラインLDは液体メタノールタンク55に合流していてもよい。
実施例1および比較例1〜2において、蒸留塔の化合物の分配は、プロセスシミュレータASPENを使用して計算した。MTBE合成工程での反応率は、出口隆、Petrotech, 1992, 15 (9),874及びA.Rehfinger,U.Hoffmann,Chem.Eng.Sci.1990,45(6),1605を参考にして計算で求めた。
ここで、イソブチレン収率は、以下の定義に従うものとする。
イソブチレン収率(%)=(MTBEを分解後、精製して製品として得られるイソブチレンの量(単位:t/時間))/(イソブチレンを含有するC4炭化水素混合物流中のイソブチレンの量(単位:t/時間))×100
[実施例1]
実施例1では、第1実施形態の図1の装置を用いたシミュレーションを行った。
(1)MTBE合成
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した断熱型のMTBE合成反応器5に、イソブチレン45.0質量%、1−ブテン25.0質量%、水0.05質量%を含有するC4炭化水素混合物流13.5t/時間と、メタノール蒸留塔50の留出物であるメタノール含有流5.085t/時間とを合わせ、MTBE合成反応器入口温度=42℃で供給し、圧力2.00 MPa−G、LHSV 15h−1で、メタノールとイソブチレンとを反応させる。MTBE合成反応器5を出た流は、R/Fが1.24となるようにMTBE合成反応器5の入口にリサイクルする。
(2)MTBE蒸留
MTBE合成反応器5を出た流(F1)をMTBE蒸留塔10で蒸留して、塔頂から未反応の炭化水素混合物を含有する流(F3)を得、側方からMTBEを含有する流(F2)を得、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流(F11)を得る。
(3)MTBE分解
側方から得たMTBEを含有する流(F2)を、シリカアルミナを充填した多管型のMTBE分解反応器20に、入口温度217℃で供給し、MTBEを分解することにより、イソブチレンとメタノールとを含有する流(F4)を得る。
(4)イソブチレン蒸留
イソブチレンとメタノールとを含有する流(F4)を冷却した後、分解物蒸留塔30で蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流(F5)を、塔底からメタノールを含有する流(F6)を抜き出す。
(5)イソブチレン抽出
分解物蒸留塔30の塔頂流(F5)を、第1抽出器40において水で抽出して、塔頂流に含まれる微量のメタノールを除去し、高純度のイソブチレン流(F10)を得る。イソブチレンは、5.425t/時間で得られ、イソブチレン収率は89.3%である。
(6)メタノール蒸留
この装置では、図1のように、還流用のラインLAに還流用のポンプPAが、リサイクル用のラインLBにリサイクル用のポンプPBが設けられているので、還流用の流量調節弁V1の前後の差圧を小さくすることができ、還流量を高精度に調節することが容易である。ここでは、還流量が5.761t/時間、留出量が5.624t/時間である条件で、分解物蒸留塔30の塔底流(F6)と、第1抽出器40の塔底流(F9)とを合わせて、メタノール蒸留塔50で蒸留する。留出物であるメタノール含有流(F7)のうち、5.085t/時間をMTBE合成反応器5にリサイクルする。蒸留塔の圧力は、25kP−G程度である。
[比較例1]
(6)メタノール蒸留
メタノール蒸留塔50の還流システムの形式を図2のような形態とし、還流用の流量調節弁V1の前後の差圧が大きくなって還流用の流量調節弁V1による還流量の調整が困難となり、還流量が意図する量より少なくなってしまった場合のモデルとして、還流量が2.927t/時間、留出量が5.676t/時間である条件で、分解物蒸留塔30の塔底流(F6)と、第1抽出器40の塔底流(F9)とを合わせて蒸留する。留出物であるメタノール含有流のうち、5.132t/時間をMTBE合成反応器5にリサイクルする。
(1)MTBE合成
MTBE合成反応器5に供給するメタノール含有流の量を5.132t/時間とする以外は、実施例1と同様にして、(1)MTBE合成、(2)MTBE蒸留、(3)MTBE分解、および(4)イソブチレン蒸留を行う。
(5)イソブチレン抽出
分解物蒸留塔30の塔頂流(F5)を水で抽出して、塔頂流に含まれる微量のメタノールを除去し、高純度のイソブチレン流(FΒ)を得る。イソブチレンは、5.171t/時間で得られ、イソブチレン収率は85.1%である。
[比較例2]
(6)メタノール蒸留
メタノール蒸留塔の還流システムの形式を図2のような形態とし、還流用の流量調節弁V1の前後の差圧が大きくなって還流用の流量調節弁V1による還流量の調整が困難となり、還流量が意図する量より少なくなってしまった場合のモデルとして、還流量が0.452t/時間、留出量が5.793t/時間である条件で、分解物蒸留塔30の塔底流(F6)と、第1抽出器40の塔底流(F9)とを合わせて蒸留する。留出物であるメタノール含有流のうち、5.238t/時間をMTBE合成反応器5にリサイクルする。
(1)MTBE合成
MTBE合成反応器5に供給するメタノール含有流の量を5.238t/時間とする以外は、実施例1と同様にして、(1)MTBE合成、(2)MTBE蒸留、(3)MTBE分解、および(4)イソブチレン蒸留を行う。
(5)イソブチレン抽出
分解物蒸留塔30の塔頂流(F5)を水で抽出して、塔頂流に含まれる微量のメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。イソブチレンは、4.640t/時間で得られ、イソブチレン収率は76.4%である。
比較例1及び比較例2では、メタノール蒸留塔の還流システムの形式が図2のような形態であり、還流用の流量調節弁V1の前後の圧力差が大きくなるため、メタノール蒸留塔50に還流させるメタノールの供給量の調節が困難となり、還流量が意図する量より少なくなる。その結果、「(5)イソブチレン抽出」で得られる製品イソブチレンの収率は比較例1が85.1%、比較例2が76.4%であった。
還流用のラインLAにポンプPAが、リサイクル用のラインLBにポンプPBがそれぞれ設けられている実施例1では、還流用の流量調節弁V1の前後の差圧を小さくすることができ、還流量の調節を正確に行うことができ、「(5)イソブチレン抽出」で得られる製品イソブチレンの収率は89.3%であった。
5…MTBE合成反応器、10…MTBE蒸留塔、20…MTBE分解反応器、30…分解物蒸留塔、40…第1抽出器、50…メタノール蒸留塔、PA…還流用のポンプ、PB…リサイクル用のポンプ、55…液体メタノールタンク、60…第2抽出器、100,200…イソブチレンの製造装置、LA…還流用のライン、LB…リサイクル用のライン、V1…還流用の流量調節弁、V2…リサイクル用の流量調節弁。

Claims (18)

  1. メタノールを含むMTBE原料が供給される入口と、反応生成物を排出する出口と、を有するMTBE合成反応器、
    前記MTBE合成反応器の出口に接続された入口と、塔頂出口と、塔底出口とを有する、又は、前記MTBE合成反応器の出口に接続された入口と、塔頂出口と、塔底出口と、側方出口とを有するMTBE蒸留塔、
    前記MTBE蒸留塔の前記塔底出口又は前記側方出口と接続された入口と、イソブチレンとメタノールとを含むMTBE分解物を排出する出口と、を有するMTBE分解反応器、
    前記MTBE分解反応器の出口に接続された入口と、メタノール濃度がイソブチレン濃度よりも高い流を排出するメタノール出口、イソブチレン濃度がメタノール濃度よりも高い流を排出するイソブチレン出口と、を有する分解物分離器、
    前記分解物分離器の前記メタノール出口と接続された入口と、還流入口と、塔頂出口と、塔底出口と、を有するメタノール蒸留塔、
    前記メタノール蒸留塔の塔頂出口に接続された凝縮器、
    前記凝縮器に接続された液体メタノールタンク、
    前記液体メタノールタンクと前記メタノール蒸留塔の還流入口とを接続するラインLA、
    前記液体メタノールタンクまたは前記ラインLAから分岐し、前記MTBE合成反応器の入口に接続されたラインLB、
    前記ラインLAに設けられたポンプPA、
    前記ラインLBに設けられたポンプPB、並びに、
    前記ラインLAにおいて前記メタノール蒸留塔と前記ポンプPAとの間に設けられた流量調節弁V1、を備える、イソブチレンの製造装置。
  2. 前記ラインLBは、前記ラインLAにおける前記液体メタノールタンクと前記ポンプPAとの間から分岐する、請求項1記載の装置。
  3. 前記ラインLBは、前記ラインLAにおける前記ポンプPAと前記流量調節弁V1との間から分岐する、請求項1記載の装置。
  4. 前記ラインLBは、前記液体メタノールタンクから分岐する、請求項1記載の装置。
  5. 前記ラインLBに設けられた流量調節弁V2をさらに備え、前記流量調節弁V2は前記ポンプPBと前記MTBE合成反応器との間に設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記ラインLBに合流し、イソブチレンを含む炭化水素混合物を供給するラインLCをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記ラインLBに合流し、イソブチレンを含む炭化水素混合物を供給するラインLCをさらに備え、前記ラインLCは前記流量調節弁V2と前記MTBE合成反応器との間でラインLBと合流する、請求項5に記載の装置。
  8. 前記ラインLBに設けられた原料タンクをさらに備え、前記原料タンクは前記ラインLCがラインLBと合流する点と前記MTBE合成反応器との間に設けられた、請求項6又は7に記載の装置。
  9. 前記ラインLBに設けられたラインミキサーをさらに備え、前記ラインミキサーは前記ラインLCがラインLBと合流する点と前記原料タンクとの間に設けられた、請求項8に記載の装置。
  10. 前記液体メタノールタンクに合流し、フレッシュメタノールを供給するラインLDを更に備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記MTBE蒸留塔の前記塔底出口又は前記側方出口と、前記MTBE分解反応器の入口とを接続するラインLEと、
    前記MTBE分解反応器の出口と前記分解物分離器の入口とを接続するラインLFと、
    前記ラインLE内の流と前記ラインLF内の流とを熱交換させる熱交換器と、を更に備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記ラインLF内の流と、前記ラインLF以外のライン内の流とを熱交換させる補助熱交換器を更に備える、請求項11記載の装置。
  13. 前記分解物分離器は、塔頂出口及び塔底出口を有する蒸留塔であり、前記分解物分離器のメタノール出口が前記蒸留塔の塔底出口であり、前記分解物分離器のイソブチレン出口が前記蒸留塔の塔頂出口である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記蒸留塔の塔頂出口に接続された入口と、水が供給される水入口と、メタノールを含む水相を排出する水相出口と、油相を排出する油相出口と、を有する抽出器をさらに備え、
    前記メタノール蒸留塔は、前記抽出器の水相出口と接続された副入口をさらに備える、請求項13記載の装置。
  15. 前記メタノール蒸留塔の前記副入口は、前記メタノール蒸留塔の前記入口よりも下に配置されている、請求項14記載の装置。
  16. 前記分解物分離器は、水が供給される水入口、メタノールを含む水相を排出する水相出口、及び、油相を排出する油相出口を有する抽出器であり、前記分解物分離器のメタノール出口が前記抽出器の水相出口であり、前記分解物分離器のイソブチレン出口が前記抽出器の油相出口である、請求項1〜12のいずれか1項記載の装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造装置を用いたイソブチレンの製造方法であって、
    触媒を収容した前記MTBE合成反応器にイソブチレンを含む炭化水素混合物及びメタノールを供給し、炭化水素混合物中のイソブチレンとメタノールとを反応させて、MTBE及び炭化水素混合物を含む流(F1)を得る工程、
    前記流(F1)を前記MTBE蒸留塔で蒸留してMTBEを主として含む流(F2)と、炭化水素混合物を主として含む流(F3)とを生成する工程、
    前記流(F2)中のMTBEを前記MTBE分解反応器で分解してメタノール及びイソブチレンを含む流(F4)を生成する工程、
    前記流(F4)を、前記分解物分離器で、メタノール濃度がイソブチレン濃度よりも高い流(F6)と、イソブチレン濃度がメタノール濃度よりも高い流(F5)とに分離する工程、
    前記流(F6)を前記メタノール蒸留塔で蒸留して、メタノールを主として含む流(F7)、及び、水を主として含む流(F8)を生成する工程、
    前記流(F7)の一部を前記ラインLAで前記メタノール蒸留塔に戻す工程、並びに、
    前記流(F7)の一部を前記ラインLBで前記MTBE合成反応器に供給する工程、を備える、方法。
  18. 前記MTBE合成反応器の圧力は、前記メタノール蒸留塔の塔頂の圧力よりも高い、請求項17記載の方法。
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