JP6509680B2 - シート状ヒートパイプ - Google Patents

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Description

本発明は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末に搭載可能であり、小型でありながら十分な熱輸送量が得られるシート状ヒートパイプに関する。
従来、タブレット端末などの携帯機器に搭載されるCPUの発熱を拡散させるために、例えば特許文献1,2に示すような、シート状ヒートパイプを組み込んだ放熱構造が提案されている。こうしたシート状ヒートパイプは、2枚のシート体を重ね合わせた本体の内部に、水などの作動流体を収容するための密閉した容器を形成し、容器の内壁面上に形成したウィックによる毛細管力を利用して、本体の受熱部と放熱部との間で作動流体を還流させ、受熱部に熱接続したCPUからの熱を放熱部に輸送して外部に放散させる、というものである。
特開2007−150013号公報 特開2007−183021号公報
しかし、CPUなどの発熱源を搭載した携帯情報機器は、使用状況に応じて様々な姿勢を取り得る。そのため、例えば低温下でシート状ヒートパイプを直立したいわゆるトップヒート姿勢のままにすると、重力で特定の箇所に偏った作動流体が膨張(水の場合は、4℃以下で膨張)して、本体が局部的に変形してしまい、十分な熱輸送能力が発揮されない懸念を生じていた。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、どのような姿勢に置かれた場合でも、低温下で本体が膨張変形せず、十分な熱輸送能力を発揮することが可能なシート状ヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明は、第1シート体と第2シート体とを重ね合わせた本体の内部に、作動流体を収容する密閉した容器を形成してなるシート状ヒートパイプであって、前記容器には毛細管構造が配設され、前記第1シート体の内面には、複数の蒸気通路および毛細管通路が形成され、前記第2シート体の内面には、前記毛細管構造を収容する凹部が形成され、前記第2シート体の外面には、熱源と熱接続する受熱部が配設され、前記凹部には、前記毛細管構造を保持する支持柱が、前記受熱部を除く部位に突設され、前記毛細管通路は、帯状に形成される第1グルーブと、前記第1グルーブの右側と左側に互い違いに連通して形成される第3グルーブと、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、作動流体を充填した容器の片側は、第1シート体の内面に蒸気通路や毛細管通路が形成される一方で、容器の別な片側は、第2シート体の内面に形成した凹部を利用して、本体とは別体の毛細管構造が配設される。したがって、仮に本体をどのような姿勢で置いたとしても、毛細管構造が作動流体を特定の箇所に集中させずに容器の別な片側で万遍なく分散させて、低温下で作動流体の膨張に伴う本体の局部的な変形を防止できる。
また、容器の内部に拡がる毛細管構造を、支持柱により決められた位置に保持するので、本体をどのような姿勢で置いたとしても、毛細管構造が特定の箇所に偏るのを防止できる。しかも、受熱部には支持柱を設けない構造としているので、支持柱に邪魔されることなく、毛細管構造により液相の作動流体を受熱部全体に運ぶことができ、シート状ヒートパイプとして十分な熱輸送能力を発揮できる。
請求項2の構成によれば、第3グルーブと繋がる第1グルーブの他に、第3グルーブとは繋がらずに連続して延びる第2グルーブを配置することで、第1グルーブは第3グルーブから液相の作動流体を途中で取り込みながら、その一端から他端に液相の作動流体を運ぶ一方で、第2グルーブは一端から取り込んだ液相の作動流体を、そのまま速やかに他端に運ぶことができる。そのため、シート状ヒートパイプとしてさらに十分な熱輸送能力を発揮できる。
請求項の構成によれば、第3グルーブとは繋がらない第2グルーブを、容器の外周部に設けることで、容器の周辺に達した液相の作動流体を容器全体に速やかに運ぶことが可能になる。
請求項の構成によれば、第1グルーブの一側に連通する第3グルーブから入り込んだ液相の作動流体と、第1グルーブの他側に連通する別な第3グルーブから入り込んだ液相の作動流体は、お互いに干渉することなく第1グルーブに取り込まれ、第1グルーブの一端から他端に液相の作動流体を円滑に運ぶことができる。そのため、シート状ヒートパイプとしてさらに十分な熱輸送能力を発揮できる。
請求項の構成によれば、毛細管構造が被らない第1シート体の内面領域に毛細管通路を設けなければ、その領域に液相の作動流体が入り込むことがなく、低温下で本体が局部的に変形する要因を効果的に排除できる。
請求項の構成によれば、凹部と前記毛細管構造との間に形成される液溜りの幅を、毛細管通路の幅の2倍以下にすることで、容器内における液溜りの解消と脱気の真空度向上を図って、シート状ヒートパイプの熱輸送能力をさらに高めることが可能になる。
請求項の構成によれば、第2通路部に突起を設けることで、容器内部を真空引きする際に、本体が凹んで蒸気通路が潰れる恐れを回避すると共に、第1通路部よりも幅広に第2通路部を形成することで、第2通路部に突起を設けていても、第1通路部との間で円滑に気相の作動流体を輸送できる。
請求項の構成によれば、第2通路部に設けた突起を毛細管通路のために形成することで、毛細管通路による毛細管力をさらに高めることができる。
本発明のシート状ヒートパイプについて、第1実施形態〜第3実施形態に共通する第2シート体の平面図である。 同上、第1実施形態〜第3実施形態に共通する毛細管構造の平面図である。 本発明の第1実施形態における第1シート体の平面図である。 同上、完成状態のシート状ヒートパイプの内部平面図である。 同上、図4の要部拡大平面図である。 本発明の第2実施形態における第1シート体の平面図である。 同上、完成状態のシート状ヒートパイプの内部平面図である。 同上、図7の要部拡大平面図である。 本発明の第3実施形態における第1シート体の平面図である。 同上、図9の要部拡大平面図である。 従来のシート状ヒートパイプの要部断面図である。 本発明の第1実施形態〜第3実施形態に共通するシート状ヒートパイプの要部断面図である。 従来のシート状ヒートパイプにおけるウィックのパターン形状を示す要部平面図である。 本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるウィックのパターン形状を示す要部平面図である。 従来のシート状ヒートパイプと、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるシート状ヒートパイプとの間で、作動液の液量と熱源の温度との関係を示すグラフである。 従来のシート状ヒートパイプと、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるシート状ヒートパイプとの間で、作動液の液量と熱源の温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい幾つかの実施形態について、タブレット端末などの携帯機器に搭載されるシート状ヒートパイプ(以下、SHPという)を例にして説明する。各実施形態の説明で、共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
図1〜図5は、好ましい第1実施形態のSHP1を示している。完成状態のSHP1は、図4や図5に示すように、少なくとも2枚の銅箔シートである第1シート体11と第2シート体12を拡散接合した本体2を有し、その内部に中空状の密閉した容器15が構成される。これらのシート体11,12は、例えばアルミニウムのように、熱伝導性が良好でエッチング加工またはプレス加工が可能な他の金属シートを利用してもよい。完成したSHP1は平板状で、スマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末の筐体内部形状に合せた外形を有している。また、容器15の内部に真空状態で純水などの作動流体(図示せず)を封入するために、容器15には溶接可能な筒状の注液ノズル17が形成される。
次に、SHP1の各部の構成について詳しく説明する。図1は、第2シート体12単体を内面側から見た平面図であり、図2は、後述する不織布40単体の平面図であり、図3は、第1シート体11単体を内面側から見た平面図である。前述の図4や図5は、図1に示す第2シート体12と図2に示す不織布40を裏返しにして、図3に示す第1シート体11に重ね合わせた完成状態のSHP1の内部平面図である。
先ず、図3に示す第1シート体11の構成から説明すると、第1シート体11は、容器15の内面となる片側面にのみ、ハーフエッチング加工によりその厚みの途中までエッチングが施されて、受熱部で作動流体が蒸発した蒸気を放熱部に輸送する蒸気通路20と、放熱部で凝縮した作動流体を受熱部に戻すウィック22と、をそれぞれ形成している。また、第1シート体11の内面には、蒸気通路20やウィック22の他に、第1シート体11の外周に沿って、容器15との境界をなす凸状の接合部30が形成される。このように、第1シート体11の内面には、接合部30で囲まれた容器15の内部領域に、複数の蒸気通路20と複数のウィック22が互い違いに形成される。
蒸気通路20は、密閉された容器15の内部において、平面視でI字形の細帯形状に複数並んで配置された第1通路部21Aと、第1通路部21Aよりも幅広で、I字形の細帯形状に複数並んで配置された第2通路部21Bと、これらの第1通路部21Aや第2通路部21Bの一端に全て連通して形成された一続きの第3通路部21Cと、により構成される。
特に本実施形態では、容器15の長手方向に沿って第1通路部21Aが並んで形成され、この第1通路部21Aに対して斜めの方向に第2通路部21Bが並んで形成される。また、全ての第2通路部21Bは、少なくとも何れか一つの第1通路部21Aと連通し、第1通路部21Aと第2通路部21Bとの間で、気相の作動流体となる蒸気の流通を直接的に可能にしている。第3通路部21Cは容器15の外周部に沿って周回形成され、第3通路部21Cの内側で、第1通路部21Aや第2通路部21Bが第3通路部21Cと連通して配置される。なお、こうした蒸気通路20の各通路部21A〜21Cをどのような形状で、どの位置に連通させても構わない。
第2通路部21Bには、容器15内部を真空引きする際に、本体2の変形を防止するための突起32が形成される。各々の第2通路部21Bにおいて、突起32は第2通路部21Bにおける蒸気の流れを極力妨げないように、その流れの方向に沿って、所定の間隔を置いて一列に並んで形成される。こうした突起32は、前述のエッチング加工でエッチングされていない部位の一部として、第1シート体11の内面に細片凸状に形成される。なお、突起32の形状や配置などは、本実施形態で示したものに限定されない。
ウィック22は、容器15の内部において、蒸気通路20を除く部位に形成される。より詳しくは、容器15の内部において、平面視で例えばI字形の細帯形状に複数並んで配置された第1ウィック22Aと、第1ウィック22Aに対して斜めの方向に形成され、I字形の細帯形状に複数並んで配置された第2ウィック22Bと、蒸気通路20に連通する注液ノズル17の注液通路17Aの部位を除いて、容器15の外周部の略全周に形成された一続きの第3ウィック22Cと、により、ウィック22の全てを構成している。
特に本実施形態では、全ての第2ウィック22Bが、少なくとも何れか一つの第1ウィック22Aと連続して形成され、第1ウィック22Aと第2ウィック22Bとの間で、液相の作動流体の流通を直接的に可能にしている。また、第1通路部21Aや第2通路部21Bの全ては第3通路部21Cと繋がっているが、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bは、どれも第3ウィック22Cとは繋がっていない。
図5に基づいて、ウィック22の構造を詳しく説明すると、ウィック22を構成する第1ウィック22Aと第2ウィック22Bは何れも、エッチング加工でエッチングされた凹状の溝26と、エッチングされていない凸状の壁27とにより構成され、ウィック22の領域内には、液相の作動流体の毛細管通路となる多数の溝26が、壁27により所望の形状に形成されている。こうした微細な溝26と壁27とを組み合わせた構造は、ウィック22のどの位置にあっても共通している。
ウィック22として毛細管力を得るためのグルーブである溝26は、蒸気通路20を構成する第1通路部21Aや第2通路部21Bや第3通路部21Cと同一面上に形成される。そして、どの溝26も蒸気通路20と連通するように、本実施形態では、ウィック22を延設した長手方向に沿って細帯状に配置される複数の第1溝26Aと、第1溝26Aよりも短く、第1溝26Aと直交して一定間隔毎に配置される複数の第3溝26Cとを組み合わせて構成される。これらの第1溝26Aや第3溝26Cは、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bや第3ウィック22Cの全てに存在するが、その長さや配置間隔や数は、壁27の形状に応じてそれぞれ独自に決定される。一方、溝26を形成するための壁27は、平面視で例えば矩形状や、くの字形状などに形成される。図示した溝26や壁27の形状などはあくまでも一例で、所望の毛細管力が得られるように適宜変更しても構わない。
本実施形態では、各々の第1溝26Aが、少なくとも一つ以上の第3溝26Cと連通している。特に第1ウィック22Aや第2ウィック22Bに着目すると、これらは平面視で第1溝26Aの右側に並ぶ複数の第3溝26Cと、第1溝26Aの左側に並ぶ複数の第3溝26Cが、その第1溝26Aに異なる位置で互い違いに連通している。これにより、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bでは、第1溝26Aの右側に連通する第3溝26Cから入り込んだ液相の作動流体と、第1溝26Aの左側に連通する別な第3溝26Cから入り込んだ液相の作動流体が、お互いに干渉することなく第1溝26Aに取り込まれ、帯状をなす第1溝26Aの一端から他端にかけて、液相の作動流体を円滑に運ぶことができる。
それに対して、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bの全てを取り囲む第3ウィック22Cは、平面視で第1溝26Aの右側に並ぶ複数の第3溝26Cと、第1溝26Aの左側に並ぶ複数の第3溝26Cが、その第1溝26Aに同じ位置で連通している。これにより第3ウィック22Cでは、第1溝26Aの右側と左側で略直線状に繋がった第3溝26Cを利用して、液相の作動流体を容器15の外周部である周囲領域全体へ隅々に行き渡らせることが可能になる。
つまり本実施形態では、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bにおける第3溝26Cの配置と、第3ウィック22Cにおける第3溝26Cの配置を、上述のように異なるものとすることで、容器15内の各部で最適な毛細管作用を実現し、SHP1として満足な熱輸送能力を発揮できる。
続いて、図1に示す第2シート体12の構成を説明すると、第2シート体12も容器15の内面となる片側面にのみ、ハーフエッチング加工により第2シート体12の厚みの途中までエッチングが施されるが、第1シート体11のような接合部30が形成されるものの、蒸気通路20は全く形成されない。代わりに、接合部30で囲まれた容器15の内部領域には、この内部領域をほぼ占有するように、図2に示すシート状の不織布40を容器15の内部に収容するための広い凹部50が形成される。また、第2シート体12の凹部50を形成していない外面には、携帯情報端末の熱源XとなるCPUなどを取付けるための受熱部51が設けられる。熱源Xは受熱部51に直接接していなくてもよく、少なくとも熱源Xからの熱が受熱部51に伝達するような、いわゆる熱接続する構成であればよい。例えば、熱源Xと第2シート体12との熱抵抗を少なくするために、双方の間に所望の熱伝導率を有するサーマルグリスを介在させてもよい。
凹部50の内部領域には、所定の間隔で複数の支持柱52が千鳥状に配置される。支持柱52は、シート状の不織布40が容器15の内部で移動しないように保持するためのものであり、前述した受熱部51を除く部位で、凹部50の全面にわたりほぼ均一に突設して配置される。ここでも、第2シート体12の内面にエッチング加工でエッチングをするか否かによって、凹部50と支持柱52がそれぞれ形成される。
図2は、凹部50に収容される不織布40の外観を示している。不織布40は、本体2と同じ材質である例えば無酸素銅の繊維を、各々織らずに無秩序に絡み合わせて、全体で凹部50の外形形状に合わせたシート状に形成される。また不織布40には、前述の支持柱52に対応する位置に、貫通孔42がそれぞれ間隔を置いて配置される。これにより個々の貫通孔42に、対応する支持柱52を貫通させることで、不織布40を凹部50にずれなく収容することが可能になる。
図1に示すように、凹部50の側壁面は平面視で多角形状をなし、少なくとも3つ以上の角部54を有するが、それらの角部54は全てR状に形成される。また不織布40は、容器50の平面視形状に合わせた外形に形成される。このとき、凹部50の角部54を突起状にせずR状に形成していると、その角部54に対向する不織布40の角部分で、繊維の解れが有った場合でも、不織布40と凹部50との間の隙間を極力埋めることができる。
図1に示す第2シート体12と、図2に示す不織布40は、本実施形態に限らず、後述する第2実施形態や第3実施形態に共通するものである。これらの各実施形態において、上述した無酸素銅による不織布40に代わり、別な金属製の織布や不織布などによるメッシュ成形体や、金属製の多孔質体などを用いた毛細管構造としてもよい。また、各々の支持柱52を、前述したウィック22のように溝26と壁27の組み合わせで構成し、支持柱52に毛細管作用を持たせた毛細管部としてもよい。
上述のSHP1を製造するには、第2シート体12の凹部50に不織布40を収容した状態で、同形状の2枚のシート体11,12を、それぞれの内面を内側にして重ね合わせ、作動流体を収容する容器15が構成されるように、少なくとも双方の接合部30どうしを接合する。次に注液ノズル17を利用して作動流体の注入と脱気を行なった後、この注液ノズル17を閉塞してSHP1の内部を密閉することで、容器15としての機能が得られるようになっている。
また、第2シート体12の凹部50に不織布40を収容した状態で、シート体11,12のエッチングが施された片側面を向い合せて双方の接合部30どうしを接合すると、袋状に形成された容器15の内部で、第1通路部21Aの開口面を不織布40が塞ぐことで、中空筒状の第1蒸気通路20Aが形成され、同様に第2通路部21Bの開口面を不織布40が塞ぐことで、中空筒状の第2蒸気通路20Bが形成され、第2通路部21Bの開口面を不織布40が塞ぐことで、中空筒状の第3蒸気通路20Cが形成される。このとき容器15の内部では、第1蒸気通路20Aと第2蒸気通路20Bと第3蒸気通路20Cとによる蒸気通路20が配設され、容器15の外形形状に沿って複数形成された第1蒸気通路20Aや第2蒸気通路20Bが、第3蒸気通路20Cと連通する。接合部30は、シート体11,12の内面どうしを向い合せたときに重なる位置にあり、最終的に拡散接合により本体1の外周部を封止する。
本実施形態では、受熱部51を除く部位で、第1シート体11に形成した第1ウィック22Aや第2ウィック22Bと、第2シート体12に形成した支持柱52が向かい合って配置される。そのため、容器15内部を脱気により真空引きする際には、第1ウィック22Aや第2ウィック22Bを構成する壁27と、第2シート体12の支持柱52が当接して、本体2の変形による凹みを防止できる。さらに本実施形態では、第2通路部21Bにおいて第1シート体11に複数の突起32が配設されているので、この突起32が蒸気通路20の開口面を塞ぐ不織布40に当接することで、本体2が凹んで蒸気通路20Bが潰れる恐れも回避できる。しかも、第2通路部20Bは第1通路部20Aよりも幅広であるため、第2通路部20Bに突起32を設けていても、第1通路部20Aとの間で円滑に気相の作動流体を輸送できる効果もある。
また前述のように、支持柱52に毛細管部を備えた構成とすれば、溝26と壁27との組み合わせで同様に毛細管力を発揮させる第1ウィック22Aや第2ウィック22Bを支持柱52に対向させることで、これらの間で作動流体の円滑な輸送を行なうことが可能になる。また、少なくとも支持柱52と第1ウィック22Aや第2ウィック22Bの壁27が熱的に接続されていれば(この場合、双方が完全に接していなくても、熱伝導が可能な状態であればよい。)、これらの間で熱の移動を円滑に促進でき、第1シート体11と第2シート体12との間で均温化を図ることができる。
本実施形態のSHP1は、第2シート体12の外面のどの部位で熱源Xと熱接続されるのかによって、その受熱部51と放熱部の各位置が変わってくるが、容器15の内部に複数形成された第1蒸気通路20Aや第2蒸気通路20Bが、一続きに形成された第3蒸気通路20Cと連通しているので、受熱部51や放熱部の位置に拘らず、それぞれの蒸気通路20A,20Bが第3蒸気通路20Cを介して互いに連通することで、SHP1の全面を均熱化できる。
図4や図5に示す完成状態のSHP1は、CPUなどの熱源Xを備えた薄型の情報携帯端末に実装される。この情報携帯端末の内部で熱源Xが発熱して温度が上昇すると、熱源Xからの熱がSHP1の受熱部51に伝わり、当該受熱部51では作動流体が蒸発して、蒸気通路20を通して受熱部51から温度の低い放熱部に向かって蒸気が流れ、SHP1の内部で熱輸送が行われる。この放熱部に輸送された熱はSHP1の広い平面状の領域に熱拡散され、SHP1の裏表すなわち一側平面と他側平面の両面からそれぞれ放熱される。これにより携帯情報端末は、熱源Xに発生する熱を広い領域に熱拡散して均温化することができるため、携帯情報端末の外郭表面に生ずるヒートスポットが緩和され、熱源Xの温度上昇も抑制することができる。
一方、SHP1の放熱部では、蒸気が凝縮して液相の作動流体が溜まるが、シート状ヒートパイプ1の内部で、蒸気通路20の両側に形成されたウィック22と、さらには開口部を覆う不織布40の強い毛細管力により、作動流体がこれらのウィック22や不織布40による液流路を伝わって放熱部から受熱部51へと戻される。特に不織布40は、多数の繊維が絡み合う構造により、液相の作動流体を1箇所に留めることなく速やかに容器全体に放散させるので、ウィック22との毛細管力と相俟って、受熱部51で作動流体が不足して無くなることはない。こうして、受熱部で再び液相から気相に変換された作動流体が蒸気通路20を伝わり、放熱部に導かれることで熱輸送が継続するので、結果的に本体2の広い領域に良好な熱拡散を行なうことができ、SHP1としての本来の性能である優れた毛細管力が発揮される。
また、容器15内部にウィック22のみならず、不織布40を設けた効果は、低温下においても発揮される。つまり、携帯情報端末の使用者が、本体2をどのような姿勢で置いたとしても、不織布40が作動流体を特定の箇所に集中させずに、凹部50を設けた容器15の片側全体に分散させることができ、低温下で作動流体の膨張に伴う本体2の局部的な変形を防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態におけるSHP1を、図6〜図8に基づき説明する。図6は、本実施形態の第1シート体11単体を内面側から見た平面図であり、また図7および図8は、図1に示す第2シート体12と図2に示す不織布40を裏返しにして、図6に示す第1シート体11に重ね合わせた完成状態のSHP1の内部平面図である。
本実施形態では、ウィック22の溝26として、第1実施形態で示した第3溝26Cに繋がる第1溝26Aに加えて、第3溝26Cとは繋がらずに連続して延びる第2溝26Bを備えた点が注目される。具体的には、第1ウィック22Aの溝26は、平面視でウィック22を延設した長手方向に沿って細帯状に配置された第2溝26Bだけで構成され、第2ウィック22Bの溝26は、その殆どが第2溝26Bの他に、第2溝26Bの左右の両側若しくは何れか片側に第1溝26Aと、その第1溝26Aの左右何れか片側に繋がる第3溝26Cとを備えて構成される。また、第2ウィック22Bの第2溝26Bは、その殆どが第1ウィック22Aの第2溝26Bと連通して延びている。
それに対して第3ウィック22Cの溝26は、第1実施形態と同様に、第1溝26Aの左右両側に第3溝26Cを繋げて、第2溝26Bを設けずに構成される。つまり、溝26の一部をなす第3溝26Cは、第1溝26Aには連通するものの、第2溝26Bには連通せず、第2溝26Bは、その一端と他端だけが蒸気通路20に連通する。したがって、第2溝26Bの左右両側に形成される壁27も、途中で途切れることなく一端から他端にかけて連続して細帯状に形成される。
また、第2ウィック22Bに着目すると、ここでは第1溝26Aと第3溝26Cを形成する細片状の壁27が、前述した本体2の変形を防止するための突起32として、第2通路部21B中に配置される。本実施形態の突起32も、第2通路部21Bにおける蒸気の流れを極力妨げないように、その流れの方向に沿って、所定の間隔を置いて一列に並んで形成される。
その他、SHP1の構成および製造方法や、それに伴う作用効果は、第1実施形態と共通しているので、再度の説明は省略する。
本実施形態では、容器15の内部において第1シート体11に形成される溝26として、第3溝26Cと繋がる第1溝26Aの他に、第3溝26Cとは繋がらずに連続して延びる第2溝26Bを配置している。そのため第1溝26Aは、細長帯状の一端から他端に液相の作動流体を運ぶ際に、その途中で第3溝26Cからも液相の作動流体を取り込むことができるのに対し、第2溝26Bは、一端から取り込んだ液相の作動流体を、そのまま速やかに他端に運ぶことができる。こうした第1溝26Aと第3溝26Cとの組み合わせによる相乗効果で、SHP1として満足な熱輸送能力を発揮できる。
また特に、容器15の周囲に配置される第3ウィック22Cには、第2溝26Bを形成せずに第1溝26Aと第3溝26Cを形成し、その第3ウィック22Cに囲まれた第1ウィック22Aや第2ウィック22Bには、少なくとも第2溝26Bを形成することで、容器15の中央領域では、液相の作動領域を第2溝26Bにより速やかに輸送する一方で、容器15の周囲領域では、第3溝26Cからの液相の作動流体を第1溝26Aに取り込んで隅々まで輸送することができる。さらに、第1実施形態でも説明したように、第3ウィック22Cでは、第1溝26Aの右側と左側で第3溝26Cが略直線状に繋がっているので、液相の作動流体を容器15の周囲領域全体へ隅々に行き渡らせることが可能となり、結果的にSHP1としての熱輸送能力がより高まる。
次に、本発明の第3実施形態におけるSHP1を、図9および図10に基づき説明する。図9は、本実施形態の第1シート体11単体を内面側から見た平面図であり、図10は図9の要部拡大平面図である。なお本実施形態は、第2実施形態における第3ウィック22Cの構成だけが異なるので、第1シート体11、第2シート体12および不織布40を重ね合わせた内部平面図は省略する。
本実施形態では、第3溝26Cとは繋がらない第2溝26Bが、容器15の中央部に位置する第1ウィック22Aや第2ウィック22Bだけでなく、容器15の外周部に位置する第3ウィック22Cにも設けられている。ここでの第3ウィック22Cは、平面視で容器15の外周壁面に沿って細帯状に周回して配置された第2溝26Bと、この第2溝26Bと並んで、第2溝26Bの内側で同じく細帯状に周回して配置された第1溝26Aと、第3蒸気通路20Cと連通しつつ、第1溝26Aの内側にも繋がる第3溝26Cとにより、液体の作動流体の通路となる溝26を構成している。また、これらの周回する第1溝26Aと第2溝26Bの一端と他端は、何れも注液通路17Aに連通する部位に向かい合って設けられる。
その他、SHP1の構成および製造方法や、それに伴う作用効果は、第1実施形態や第2実施形態と共通しているので、再度の説明は省略する。
本実施形態では、容器15の周囲領域において、複数の第3溝26Cに繋がる第1溝26Aの他に、第3溝26Cとは繋がらない第2溝26Bを配置しているので、容器15の周辺に達した液相の作動流体を、第3溝26Cから第1溝26Aに取り込んで隅々まで輸送するだけでなく、第2溝26Bに取り込んで速やかに周回させ、容器15全体に運ぶことも可能になる。なお、これらの第1溝26A、第2溝26Bおよび第3溝26Cの数や配置間隔などは、図示したものに限定されない。
次に、上記第1実施形態〜第3実施形態に共通するSHP1の特徴を、図11〜図14の各図に基づき詳しく説明する。図11は、従来のSHP1の要部断面図を示し、図12は上記各実施形態におけるSHP1の要部断面図を示している。また、図13は従来のウィック22(第1ウィック22A)の平面視パターン形状を示し、図14は上記各実施形態におけるウィック22(第1ウィック22A)の平面視パターン形状を示している。これらの各図において、対応する構成には同一の符号を付す。
先ず、図11と図12とを比較すると、図11に示す従来のSHP1は、第1シート体11に形成したウィック22の中で、開口面が不織布40で覆われていない一部の溝26’が存在する。こうした溝26’は、凹部50内の不織布40が存在しない液溜りの隙間45と連通するので、図示した部分が下になるようにSHP1をトップヒート姿勢のまま低温下で放置すると、隙間45から溝26’に入り込んだ液相の作動流体が、不織布40で拡散されずにそのまま滞留して凍結膨張し、本体2が局部的に変形する。また、この溝26’の部分では良好な毛細管力が得られず、SHP1としての冷却性能が低下する。
一方、図12に示す上記各実施形態のSHP1では、第1シート体11に形成された全ての溝26の開口面を、不織布40で確実に被せており、どの溝26も不織布40との間で良好な毛細管力が得られるように工夫されている。また、不織布40の被らない第1シート体11の領域Sでは、溝26を設けないようにする。これにより液相の作動流体は、容器15内で液溜りの隙間45から領域Sに入り込むことがなく、図示した部分が下になるようにSHP1をトップヒート姿勢のまま低温下で放置しても、本体2は変形しない。
さらに、こうしたトップヒート姿勢での冷却性能を向上させるために、凹部50の内側壁と不織布40の外周面との間に形成される液溜りの隙間45の幅d1は、不織布40で覆われた溝26の幅d2の2倍以下に形成する。これにより、容器15内における液溜りの解消と脱気の真空度向上を図ることができ、SHP1としての熱輸送能力を向上させることが可能になる。
さらに前述したように、角部54をR状に形成することで、不織布40と凹部50との間の液溜りとなる隙間を極力埋めることができるので、ここでも液溜りの解消と脱気の真空度向上が図られ、SHP1としての熱輸送能力が向上する。
次に、図13と図14とを比較すると、図13に示す従来のSHP1では、細帯状に延びる第1溝26Aの一側に一定間隔で並ぶ複数の第3溝26Cと、第1溝26Aの他側に一定間隔で並ぶ複数の第3溝26Cが、その第1溝26Aに同じ位置で連通するだけのパターン形状で、ウィック22の溝26を形成している。
一方、上記各実施形態のSHP1では、図14(A)に示すように、第3溝26Cと連通する第1溝26Aの他に、第3溝26Cと連通しない細帯状の第2溝26Bを組み合わせたパターン形状で、ウィック26の溝を形成している。或いは、図14(B)に示すように、第1溝26Aの一側に並ぶ複数の第3溝26Cと、第1溝26Aの他側に並ぶ複数の第3溝26Cが、その第1溝26Aに異なる位置で互い違いに連通するようなパターン形状で、ウィック26の溝を形成している。図14(A)のパターン形状は、第2実施形態や第3実施形態のSHP1に採用されており、図14(B)のパターン形状は、第1実施形態のSHP1に採用されている。これらの改良したパターン形状では、従来のパターン形状に比べて、第1溝26Aや第2溝26Bに沿った方向の毛細管力を高めることができる。
次に、従来のSHP1と、本発明における上記各実施形態のSHP1との間で、冷却性能を比較した結果を説明する。
図15は、その冷却性能の比較結果として、容器15内に封入した作動液の液量と、熱源Xの温度との関係を示している。ここでは、前述の図11や図13の構成を採用した従来のSHP1の測定結果を、黒塗り菱形でプロットし、図12や図14の構成を採用した上記各実施形態におけるSHP1の測定結果を、白抜き丸でプロットしている。
図15からも明らかなように、本発明のSHP1において、最適な熱源温度範囲となる液量管理範囲D1は、従来のSHP1において、最適な熱源温度範囲となる液量管理範囲D2よりも少ない。つまり本発明のSHP1は、容器15に封入する作動液の液量を従来のSHP1よりも少なくしても、冷却性能が安定することがわかる。これは、各実施形態において、受熱部51に支持柱52を設けない構成や、図12や図14で示したパターンの見直しに起因すると考えられる。
また図16も、容器15内に封入した作動液の液量と、熱源Xの温度との関係を示している。ここでは、従来のSHP1の測定結果を白抜き正方形でプロットし、上記各実施形態におけるSHP1の測定結果を白抜き菱形でプロットしている。
図16からも明らかなように、発明のSHP1は従来のSHP1と比較して、容器15に封入する作動液の液量変化に対して、熱源Xの温度差が少ないことがわかる。これも各実施形態において、受熱部51に支持柱52を設けない構成や、図12や図14で示したパターンの見直しに起因すると考えられ、作動液の液量に大きく作用されない安定した冷却性能を確保できる。
以上のように、本発明のSHP1は、第1実施形態〜第3実施形態に共通して、第1シート体11と第2シート体12とを重ね合わせた本体2の内部に、作動流体を収容する密閉した容器15を形成して構成される。そして、容器15には別部材の毛細管構造となる不織布40が配設され、第1シート体11の内面には、複数の蒸気通路20と複数の毛細管通路となるウィック22の溝26が形成される一方で、第2シート体12の内面には、不織布40を収容できる形状の凹部50が形成される。また、第2シート体12の外面には、例えば携帯情報端末のCPUなどの熱源Xと熱接続する受熱部51が配設され、凹部50には、不織布40を保持する支持柱52が、受熱部51を除く部位に突設される。
このような構成により、作動流体を充填した容器15の片側は、第1シート体11の内面に蒸気通路20や溝26が形成される一方で、容器15の別な片側は、第2シート体12の内面に形成した凹部50を利用して、本体2とは別体の不織布40が配設される。したがって、仮に本体2をどのような姿勢で置いたとしても、不織布40が作動流体を特定の箇所に集中させずに容器15の別な片側で万遍なく分散させて、低温下で作動流体の膨張に伴う本体2の局部的な変形を防止できる。
また、容器15の内部に拡がる不織布40を、支持柱52により決められた位置に保持するので、本体2をどのような姿勢で置いたとしても、不織布40が特定の箇所に偏るのを防止できる。しかも、受熱部51には支持柱52を設けない構造としているので、支持柱52に邪魔されることなく、不織布40により液相の作動流体を受熱部51の全体に運ぶことができ、SHP1として十分な熱輸送能力を発揮できる。
また、本発明の第2実施形態と第3実施形態におけるSHP1では、毛細管通路となる溝26が、何れも帯状に延びて形成される第1グルーブとしての第1溝26Aおよび第2グルーブとしての第2溝26Bと、第1溝26Aには連通するものの、第2溝26Bには連通せずに形成される第3グルーブとしての第3溝26Cと、により構成される。
この場合、第3グルーブと繋がる第1溝26Aの他に、第3溝26Cとは繋がらずに連続して延びる第2溝26Bを配置することで、第1溝26Aは第3溝26Cから液相の作動流体を途中で取り込みながら、その一端から他端に液相の作動流体を運ぶ一方で、第2溝26Bは一端から取り込んだ液相の作動流体を、そのまま速やかに他端に運ぶことができる。そのため、SHP1としてさらに十分な熱輸送能力を発揮できる。
また、本発明の第3実施形態におけるSHP1では、第2溝26Bを平面視で容器15の周囲領域である外周部に設けている。
この場合、第3溝26Cとは繋がらない第2溝26Bを、容器15の外周部に設けることで、容器15の周辺に達した液相の作動流体を容器15全体に速やかに運ぶことが可能になる。
また、本発明の第1実施形態におけるSHP1では、毛細管通路となる溝26が、帯状に延びて形成される第1溝26Aと、第1溝26Aの一側と他側に互い違いに連通して形成される複数の第3溝26Cと、により構成される。
この場合、第1溝26Aの一側に連通する第3溝26Cから入り込んだ液相の作動流体と、第1溝26Aの他側に連通する別な第3溝26Cから入り込んだ液相の作動流体は、お互いに干渉することなく第1溝26Aに取り込まれ、第1溝26Aの一端から他端に液相の作動流体を円滑に運ぶことができる。そのため、SHP1としてさらに十分な熱輸送能力を発揮できる。
また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるSHP1では、第1シート11に形成した溝26の全てを覆うように不織布40が配置される。
この場合、第1シート11に形成した全ての溝26を不織布40で確実に被せることで、溝26と不織布40とによる良好な毛細管力が発揮され、SHP1としてさらに十分な熱輸送能力を発揮できる。
また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるSHP1では、不織布40で覆われていない領域で溝26を設けないように、第1シート体11の内面を構成している。
このように、溝26が被らない第1シート体11の内面領域に溝26を設けなければ、その領域に液相の作動流体が入り込むことがなく、低温下で本体2が局部的に変形する要因を効果的に排除できる。
また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるSHP1では、凹部50と不織布40との間に、空間状の液溜りとなる隙間45が形成され、その液溜りとなる隙間45の幅d1を、溝26の幅d2の2倍以下に形成している。
このように、凹部50と不織布40との間に形成される隙間45の幅を、溝26の幅d2の2倍以下にすることで、容器15内における液溜りの解消と脱気の真空度向上を図って、SHP1の熱輸送能力をさらに高めることが可能になる。
また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるSHP1では、前記毛細管構造が複数の繊維によるメッシュ成形体としての不織布40であり、凹部50に形成される角部54をR状に形成している。
この場合、不織布40の角部分が特に繊維で解れ易い場合でも、それに対向する凹部50の角部54をR状にすることで、その角部54周辺における不織布40と凹部50との間の隙間を極力埋めて、SHP1の熱輸送能力をさらに高めることが可能になる。
また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態におけるSHP1では、前記蒸気通路20が、一方向に沿って帯状に配置される第1通路部21Aと、第1通路部21Aとは異なる方向に配置され、第1通路部21Aよりも幅広な第2通路部21Bとを繋げて構成され、第2通路部21Bに複数の突起32を設けている。
この場合、第2通路部21Bに突起を設けることで、容器15の内部を真空引きする際に、本体2が凹んで蒸気通路20が潰れる恐れを回避すると共に、第1通路部21Aよりも幅広に第2通路部21Bを形成することで、第2通路部21Bに突起32を設けていても、第1通路部21Aとの間で円滑に気相の作動流体を輸送できる。
また、本発明の第1実施形態と第2実施形態におけるSHP1では、突起32が毛細管通路となる溝26を形成している。
この場合、第2通路部21Bに設けた突起32を溝26のために形成することで、溝26による毛細管力をさらに高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、上記実施例ではシート体11,12を拡散接合しているが、例えば超音波接合などの別な接合方式を採用してもよく、シート体11,12を3枚以上重ね合わせて接合してもよい。また、第1溝26Aに対して第3溝26Cを直交して配置させる必要はなく、所定の角度で配置されても構わない。
1 シート状ヒートパイプ
2 本体
11 第1シート体
12 第2シート体
15 容器
20 蒸気通路
21A 第1通路部
21B 第2通路部
26 溝(毛細管通路、メッシュ成形体)
26A 第1溝(第1グルーブ)
26B 第2溝(第2グルーブ)
26C 第3溝(第3グルーブ)
32 突起
40 不織布(毛細管構造)
45 隙間(液溜り)
50 凹部
51 受熱部
52 支持柱
54 角部
X 熱源

Claims (6)

  1. 第1シート体と第2シート体とを重ね合わせた本体の内部に、作動流体を収容する密閉した容器を形成してなるシート状ヒートパイプであって、
    前記容器には毛細管構造が配設され、
    前記第1シート体の内面には、複数の蒸気通路および毛細管通路が形成され、
    前記第2シート体の内面には、前記毛細管構造を収容する凹部が形成され、
    前記第2シート体の外面には、熱源と熱接続する受熱部が配設され、
    前記凹部には、前記毛細管構造を保持する支持柱が、前記受熱部を除く部位に突設され
    前記毛細管通路は、帯状に形成される第1グルーブと、前記第1グルーブの右側と左側に互い違いに連通して形成される第3グルーブと、を備えることを特徴とするシート状ヒートパイプ。
  2. 前記毛細管通路は、帯状に形成される第2グルーブをさらに備え、
    前記第2グルーブを前記容器の外周部に設けることを特徴とする請求項1記載のシート状ヒートパイプ。
  3. 前記第1シート体の内面は、前記毛細管構造で覆われていない領域で前記毛細管通路を設けない構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状ヒートパイプ。
  4. 前記凹部と前記毛細管構造との間には、空間状の液溜りが形成され、
    前記液溜りの幅を前記毛細管通路の幅の2倍以下に形成したことを特徴とする請求項1〜の何れか一つに記載のシート状ヒートパイプ。
  5. 前記蒸気通路は、一方向に沿って帯状に配置される第1通路部と、前記第1通路部とは異なる方向に配置され、前記第1通路部よりも幅広な第2通路部とを繋げて構成され、前記第2通路部に突起を設けたことを特徴とする請求項1〜の何れか一つに記載のシート状ヒートパイプ。
  6. 前記突起は前記毛細管通路を形成するものであることを特徴とする請求項記載のシート状ヒートパイプ。
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