JP6508694B2 - チョークコイル - Google Patents

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Description

本願に開示の技術はチョークコイルに関し、特に、大電流が流れる経路に磁性体コアを挿入することにより形成されるチョークコイルに関するものである。
従来より、スイッチング電源やその他の電子機器から出力される出力電圧や出力信号には、電子機器等の動作周波数やその高調波周波数のノイズが混入する場合がある。このノイズが出力電圧などに重畳され外部の電子機器に伝搬されて悪影響を及ぼすおそれがある。こうしたノイズを低減するために、出力電圧などの出力経路にチョークコイルなどが備えられることが一般的である。
さて、スイッチング電源などによっては、出力電圧や出力信号として大電流が流れる場合がある。この場合、出力経路はバスバーで構成されることがある。特許文献1では、バスバーを備える場合のチョークコイルについてバスバーアセンブリが例示されている。コアの中空部をバスバーが貫いてチョークコイルが形成され、導電性のケースに覆われている。
ここで、コアは、構成材料の物性に起因する損失として固有の鉄損を有している。鉄損のうちヒステリシス損は、交番する磁界の変化に伴って発生する損失である。交番磁界の変化は、バスバーに混入するノイズに係る電流の大きさ、およびノイズの周波数帯域に応じて発生する。バスバーに流れる大電流にノイズが重畳することにより、コアの磁界が大きく変化してヒステリシス損が大きなものとなる恐れがある。このヒステリシス損が熱エネルギーに変換されてコアは発熱する。特許文献1では、ケースの内面の一部がコアに接触することにより、コアの熱がケースを介して放熱されることが記載されている。
特開2014−030331号公報
特許文献1では、ケースを介してコアで発生した熱を外部に放熱するものではある。しかしながら、ケースと接触しているのはコアの外側面であるため、コアの内方で発せられた熱を効率よく放熱することができないことも考えられる。また、コアがケースに覆われていることから、ケース内部に熱が籠ってしまう恐れも考えられる。
コアの放熱が不十分となり、コアでの蓄熱によるコアの温度上昇が生じてしまう結果、コアの透磁率が変動し、チョークコイルのインダクタンス特性の低下や変動を招来して、EMCノイズ対策が不安定・不十分になってしまう恐れがある。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、磁性体コアでのヒステリシス損によって発生した熱を効率良く放熱することが可能なチョークコイルを提供することを目的とする。
本願に開示される技術に係るチョークコイルは、バスバーと、磁性体コアと、放熱部と、台座部とを備えている。磁性体コアは、バスバーを取り囲んでチョークコイルを形成し、コアの磁路にはギャップを有している。放熱部は、熱伝導が良好で磁性体コアに比して透磁率が小さな材料で成型されている。一端がギャップにおいて磁性体コアと接触し、他端がギャップから外方に延伸している。台座部は、熱伝導が良好で貫通孔を有し、該貫通孔が前記放熱部の他端に開孔された貫通孔に位置合わせされて前記放熱部に固着される。ここで、放熱部は、バスバーを挟んで互いに鏡面対称の関係を有する1対の部材を備え、1対の部材の各々は、平板状の平板面が屈曲部を境界として略直交するようにL字または逆L字型に屈曲されて形成されている。バスバー、磁性体コア、放熱部および台座部は、相対的な位置関係が維持された状態であって台座部の両端面がモールドの表面と略面一に露出されて、樹脂材料によりモールドされてなる。
バスバーに混入するノイズに係る電流の大きさ、およびノイズの周波数帯域に応じて、磁性体コアを貫く交番磁界が変化して磁性体コアにはヒステリシス損による損失が熱として発生する。このヒステリシス損に応じて発生するコアの発熱は、磁性体コアのギャップにおいて接触している放熱部により放熱され、磁性体コアの熱が放熱される。この場合、放熱部が磁性体コアのギャップに接触しているので、磁性体コアの外方側のみではなく外方側から内方側に至るまで効率よく放熱することができる。
更に、放熱部の一端は、ギャップの対向面に面状に接触することが好ましい。これにより、放熱部が磁性体コアに接触する面積を大きくすることができ、磁性体コアからの放熱を更に効率よく行うことができる。また、磁性体コアがバスバーの軸方向に沿って2つに分割される半割体の構造を有する場合、チョークコイルを構成する際に、放熱部の一端はギャップを形成するためのスペーサの役目をする。ギャップの対向面に面状に接触すればギャップを形成することができる。
更に、放熱部の他端は、熱伝導の良好な部材に接続されることが好ましい。これにより、磁性体コアから放熱部に伝搬してきた熱を更に外方に放熱することができる。
更に、放熱部の一端は、ギャップの対向面の一部に接触することが好ましい。磁性体コアがバスバーの軸方向に沿って2つに分割される半割体の構造を有する場合、チョークコイルを構成する際に、放熱部の一端はギャップを形成するためのスペーサの役目をする。ギャップの対向面の一部に接触すればギャップを形成することができる。
更に、放熱部は電気良導体であり、磁性体コアは、内方側面がバスバーに近接あるいは接触し、放熱部の他端に至る経路に容量素子が介在し、放熱部の他端は基準電位に接続されることが好ましい。磁性体コアがバスバーに近接あるいは接触することにより磁性体コアが電気的にバスバーに接続される場合にも、磁性体コアが放熱部を介して電気的に基準電位に接続されることはない。これにより、バスバーが基準電位と短絡することはない。更に、この構成によれば、バスバーを取り囲んだ磁性体コアにより形成されるチョークコイルの一端と基準電圧との間に容量素子が接続されるため、バスバーの端子にLCフィルタが接続される構成となる。バスバーに対するEMCノイズ対策などのノイズのフィルタ効果を高めることができる。
本願に開示される技術に係るチョークコイルによれば、ヒステリシス損に起因する磁性体コアの発熱を効率的に放熱することができる。
第1実施形態のチョークコイル1の適用例として、スイッチング電源5の出力端子に接続した場合の回路図である。 第1実施形態のチョークコイル1の分解斜視図である。 第1実施形態のチョークコイル1を組み立てた状態の斜視図である。 第2実施形態のチョークコイルについて、磁性体コア20と放熱部53、54との組み付けの位置関係を示す図である。 第3実施形態のチョークコイルを示す斜視図である。
図1には本願に係る第1実施形態のチョークコイル1の適用例を示す。チョークコイル1をスイッチング電源5の原出力端子X1と出力端子VOとの間に接続する場合である。チョークコイル1により、原出力端子X1から出力される出力電圧に混入しているノイズが低減される。出力端子VOからはノイズが低減された出力電圧が出力される。
スイッチング電源5は、例えば、車載用の電源である。ハイブリッド車あるいは電気自動車等における駆動系の電源電圧VINを供給するメインバッテリー(不図示)から電圧値を降圧して補機バッテリー(不図示)への電力供給を行う降圧型のスイッチング電源である。補機バッテリーは、オーディオ機器、エアコン機器、照明機器などの車内電装機器に電源電圧を供給する。
電源電圧VINと接地電位GNDとの間に直列に接続されるパワートランジスタTとダイオードDとの接続点Xから電力を取り出す。ダイオードDは接地電位GNDから接続点Xに向かう方向が順方向である。接続点XにはコイルL0が接続されており他端が原出力端子X1とされる。また、原出力端子X1と接地電位GNDとの間には出力コンデンサC0が接続されている。
パワートランジスタTのゲート端子に印加されるスイッチング信号SWにより、所定のスイッチング周波数fでパワートランジスタTのオンオフ制御が繰り返される。パワートランジスタTのオン期間は、電源電圧VINからコイルL0に電流経路が形成され、コイルL0に電磁エネルギーが蓄積される。蓄積された電磁エネルギーは、パワートランジスタTのオフ期間にダイオードDからの電流により出力コンデンサC0を含む出力側に放出される。これにより、原出力端子X1から出力される原出力電圧が所定の電圧に維持される。スイッチング電源5では、原出力電圧を所定の電圧に維持するために、所定のスイッチング周波数fで、負荷電流に応じた電流が電源電圧VINおよび接地電位GNDに交互に流れる。また、接続点Xの電圧値が電源電圧VINと接地電位GNDとの間で交互に変動する。
コイルL0および出力コンデンサC0は、接続点Xの電圧を平滑する役割を有している。これにより、コイルL0と出力コンデンサC0との接続点である原出力端子X1には、接続点Xにおいて交互に繰り返される電源電圧VINと接地電位GNDとの電圧変動が平滑されリップル電圧分の電圧変動を有した原出力電圧が出力される。
ここで、原出力電圧には、電源電圧VINと接地電位GNDとに交互に流れる電流変動、電源電圧VINと接地電位GNDとで交互に変化する接続点Xの電圧変動、およびその他の回路動作に起因する電流変動や電圧変動などにより、所定の周波数帯域を有するノイズが混入する場合がある。例えば、電源電圧VINや接地電位GNDの電流変動は、電源電圧VINや接地電位GNDの配線経路に介在する寄生の誘導成分による逆起電力に応じて電源電圧VINや接地電位GNDに不測の電圧変動を招来し高調波ノイズを招来する場合がある。また、接続点Xの電圧変動は、回路要素間や配線間等に介在する寄生の容量成分による容量結合に応じて結合先の回路要素に対して不測の高調波ノイズを招来する場合がある。
スイッチング電源5におけるスイッチング周波数fは、出力される電力定格や各構成素子の仕様や定格などに応じて定められる。例えば、車載用のスイッチング電源では、数100kHzで動作することが考えられる。このため、原出力電圧には、スイッチング周波数fやその高調波周波数のノイズが混入する場合がある。このノイズは車載AMラジオの周波数帯域(500〜1700kHz前後)に重なる場合があり、いわゆるラジオノイズを招来する恐れがある。この他の様々な回路動作に起因するノイズも考慮すれば、低減すべきノイズ帯域は百数十キロHz〜数メガHzである。例えば、150kHz〜5MHzのノイズ帯域を低減する特性を備えるチョークコイル1が備えられる。
次に、第1実施形態のチョークコイル1の形状・構造に関して図2、3に基づき説明する。図2はチョークコイル1の分解斜視図である。図3は組み立てた状態のチョークコイル1の斜視図である。図3では、樹脂等のモールド部材を省略して示している。
磁性体コア20は、例えばフェライト等の磁性材料で形成されている。後述するバスバー30の貫通方向である軸を中心とする軸方向に貫通孔を有する中空円筒状の形状を有している。磁性体コア20は、軸方向に沿って2つに分割された半割状の第1コア20aおよび第2コア20bの分割端面を対向させて構成される。
放熱部51、52は、金属部材やその他の熱伝導率の良好な部材で形成されている。軸を挟んで互いに鏡面対称の関係を有する形状である。各々、L字および逆L字型の平板状の部材がL字および逆L字型の屈曲部を境界として両側の平板面の方向が略直交するように屈曲されて形成されている。L字および逆L字型の始端から屈曲部までの矩形状の平板面部分が第1放熱部51a、52aであり、屈曲部からL字および逆L字型の終端までの矩形状の平板面部分が第2放熱部51b、52bである。第2放熱部51b、52bの先端(L字および逆L字型の終端)にはネジ等の締結部材が挿通される貫通孔が開口されている。また、磁性体コア20よりも小さい比透磁率を有している。材質としては、例えば、銅、アルミニウムなどの金属材料が考えられる。銅やアルミニウムであれば、比透磁率は1.0程度であり一般的なフェライトが5000程度あることと比較して小さな比透磁率とすることができる。また、熱伝導率は、銅では398(W/mK)、アルミニウムでは236(W/mK)である。一般的なフェライトの熱伝導率は5(W/mK)程度であると考えられるので、フェライトより良好な熱伝導率とすることができる。
バスバー30は、円柱棒状の形状を有しており、例えば銅やクロムモリブデン鋼等の金属材料で形成されている。バスバー30は、磁性体コア20の中空の貫通孔を軸方向に貫通する。すなわち、第1および第2コア20a、20bの矩形状の分割端面を対向させることにより第1および第2コア20a、20bに取り巻かれて配置される。バスバー30が磁性体コア20の貫通孔を貫通している状態でチョークコイル1が形成される。
台座部40は、ネジ等の締結部材を挿入する貫通孔が開口された円筒状の金属部材であり、後述する放熱部51、52が固着される。台座部40は、ネジ等の締結部材が台座部40の貫通孔を介してスイッチング電源5が収納されている金属製筐体などに締結される。
放熱部51、52は、第1および第2コア20a、20bの矩形状の分割端面を対向させる際、端面間に、第1放熱部51a、52aが挟み込まれる。この際、第1放熱部51a、52aは、第1および第2コア20a、20bの矩形状の分割端面の全面に接触された状態で挟み込まれる。また、放熱部51、52の第2放熱部51b、52bは、貫通孔が各々の台座部40の貫通孔に重なる位置に配置され、溶接等により台座部40に固着される。
磁性体コア20、バスバー30、台座部40、および放熱部51、52は、相対的な位置関係が維持された状態で、樹脂材料によりモールドされ(不図示)、図3に示す相対位置関係に固定される(チョークコイル1)。ここで、樹脂材料は、例えばPBT(Polybutylene terephthalate)などの熱可塑性樹脂およびエポキシ等の熱硬化性樹脂が使用される。
モールドされたチョークコイル1は、コア部とフランジ部との2つの部分で構成される。コア部はバスバー30の軸方向に沿った形状を有しており、放熱部51、52の第1放熱部51a、52aを第1および第2コア20a、20bで挟んで磁性体コア20とし、磁性体コア20の貫通孔にバスバー30が貫通した構成を有している。磁性体コア20の貫通孔にバスバー30が貫通した状態でモールドされて構成される。
フランジ部はバスバー30の軸方向に略直交しスイッチング電源5が収納される金属製筐体の側面にほぼ平行に矩形状の広がりを持った形状を有している。放熱部51、52の第2放熱部51b、52bの貫通孔に台座部40の貫通孔が位置合わせされてお互いに固着され、更に、全体がモールドされて構成される。台座部40の両端面はフランジ部の両端面と略面一にモールドされてフランジ部の端面から露出しており、ネジ等の締結部材により金属製筐体に締結されてフランジ部は金属製筐体の外側面に取り付けられる。これにより、放熱部51、52は、台座部40を介して金属製筐体に接続される。放熱部51、52に加えて、台座部40および金属製筐体も熱伝導性の良好な金属材料であるため、放熱部51、52の熱伝導性を良好に維持することができる。また、台座部40は接地電位GNDである金属製筐体と電気的に接続されるため、放熱部51、52は、台座部40を介して接地電位GNDとされる。
ここで、バスバー30は、図1に示す原出力端子X1と出力端子VOとをつなぐ出力電圧経路である。バスバー30の内方端(図3の紙面右側)が原出力端子X1に接続され、外方端(図3の紙面左側)が出力端子VOである。
磁性体コア20は、第1および第2コア20a、20bとの分割端面を対向させることで構成される。第1および第2コア20a、20bの分割端面の間には放熱部51、52の第1放熱部51a、52aが挿入される。これにより、いわゆるコアギャップ(以下、ギャップと略記する)が形成される。この場合、放熱部51、52を構成する銅やアルミニウム等の金属部材はフェライトより比透磁率が小さく空気の比透磁率と同程度である。したがって、第1放熱部51a、52aを挿入することにより得られるギャップは、一般的なエアギャップと同等となり、一般的なエアギャップの挿入による磁気抵抗の調整、磁気飽和の防止と同等の効果を得ることができる。
また、放熱部51、52の第1放熱部51a、52aを第1および第2コア20a、20bの分割端面の全面に接触させて挟み込むことにより、第1放熱部51a、52aを中空円筒状の磁性体コア20の外径端から内径端に至る厚み方向に均等に接触させることができる。また、放熱部51、52は、台座部40を介して金属製筐体に接続されており、これらの部材はいずれも熱伝導性が良好である。これにより、磁性体コア20において発生したヒステリシス損などによるエネルギー損失に起因する発熱を、磁性体コア20の外径端から内径端の厚み方向の何れの位置からも効率よく放熱することができる。
また、半割した第1および第2コア20a、20bの両分割端面に放熱部51、52の第1放熱部51a、52aを接触させることができる。磁性体コア20の周方向の半周ごとに放熱部51、52の第1放熱部51a、52aが備えられることとなるので、周方向に対しても均等に放熱をすることができる。磁性体コア20の熱伝導率が良好でないとしても、径方向および周方向の何れの方向に対しても均等に第1放熱部51a、52aを配置して磁性体コア20からの放熱を均等に効率よく行うことができる。
さらに、放熱部51、52は、台座部40を介して金属製筐体に接続されている。台座部40および金属製筐体は、何れも電気伝導性の良好な金属製部材で形成されており、熱伝導性も良好である。したがって、台座部40および金属製筐体は、放熱部51、52の熱抵抗を低下させ放熱性を向上させる放熱フィンと同様の作用効果を奏することができる。良好な放熱特性を得ることができる。
図4は、第2実施形態を示す図である。説明の都合上、バスバー30を省略して図示している。第2実施形態では、第1実施形態の放熱部51、52に代えて、放熱部53、54を備える。第1実施形態においては、第1放熱部51a、52aが第1および第2コア20a、20bの分割端面の全面に接触する矩形状であるのに対し、第2実施形態の第1放熱部53a、54aではU字型状の形状を有している。これにより、第1および第2コア20a、20bの分割端面の軸方向の両端部においてのみ接触する。
放熱部53、54の電気抵抗によっては、ノイズに起因して磁性体コア20を貫く交番磁束が放熱部53、54の第1放熱部53a、54aを貫くと、交番磁束の大きさと向きの変化に応じて第1放熱部53a、54aには渦電流が発生する場合がある。特に、放熱部53、54が電気伝導性の良好な部材である場合にギャップに対向する部分に顕著に渦電流が発生する。渦電流は自身が渦電流損として発熱の原因になると共に、磁束の変化を妨げる結果、チョークコイル1によるノイズの吸収を相殺してしまう恐れもある。そこで、第1放熱部53a、54aをU字型状にすることにより、第1および第2コア20a、20bの分割端面と第1放熱部53a、54aとの対向面積を減らして、放熱部53、54の一端をギャップの対向面の一部に限定することにより、磁束が貫く面積を制限する。これにより、渦電流の発生を抑制して渦電流損に起因する発熱を抑制し、ノイズ除去特性をさらに向上させることが可能となる。
また、第1放熱部53a、54aは、磁性体コア20のギャップを安定して確保するためのスペーサとしての機能も持つ。第1放熱部53a、54aがU字型状の形状であり第1および第2コア20a、20bの分割端面の両端部で対向するので、第1および第2コア20a、20bを2か所で支持することができ、ギャップを安定して形成することができる。
図5に、本願に係る第3実施形態では、チョークコイルに容量素子を加えたLCフィルタを構成する場合を示す。第3実施形態では、磁性体コア21と、放熱部55、56が第1実施形態とは異なる。磁性体コア21は、磁性体コア20の中空部の径を小さくした形状を有している。中空部にバスバー30を挿入した場合に、磁性体コア21の内径側面がバスバー30と近接あるいは接触する構成である。放熱部55、56は、第1実施形態の放熱部51、52の第2放熱部51b、52bを分割してチップコンデンサ60を実装する構成である。第1実施形態の第2放熱部51b、52bを、各々、先端に向かう方向で3分割した構成であり、第1部材55b1、56b1、第2部材55b2、56b2、および第3部材55b3、56b3で構成されている。ここで、第2部材55b2、56b2は、各々、先端に向かう方向に並置されるように2分割されて構成されている。第1部材55b1、56b1と第2部材55b2、56b2との間、第2部材55b2、56b2と第3部材55b3、56b3との間には、各々スリットAが設けられており、樹脂材料等の絶縁材料により相対位置が固定される。第1部材55b1、56b1から第3部材55b3、56b3に至る間には、各々のスリットAをまたいで並列接続された2個のチップコンデンサ60が直列に実装される。
磁性体コア21は、磁性体コア20に比べて内径が小さくなり厚みが増して体積が増加しているので、磁気飽和に至るまでの許容される磁界は大きくなる。これにより、チョークコイルが除去可能なノイズエネルギーも更に大きくすることができ、ノイズ除去特性を改善させることができる。
磁性体コア21がバスバー30と近接あるいは接触しているので、バスバー30が磁性体コア21と電気的に接続される場合がある。ここで、放熱部55、56は、第1放熱部55a、56aが磁性体コア21と接触している。このため、放熱部55、56が電気良導体であれば、磁性体コア21を介してバスバー30と放熱部55、56の第1放熱部55a、56aとが電気的に接続されることとなる。また、磁性体コア21がバスバー30と近接あるいは接触しているため、放熱部55、56の第1放熱部55a、56aの端部がバスバー30に直接接触して電気的に接続される場合もある。しかしながら、放熱部55、56において、第1放熱部55a、56aから第2放熱部の第3部材55b3、56b3に至る間にはチップコンデンサ60が介在している。そのため、台座部40に固着される第3部材55b3、56b3が台座部40を介して接地電位GNDに接続されていても、放熱部55、56において、バスバー30の電位と接地電位GNDとの短絡が生ずる恐れはない。
また、放熱部55、56の第1放熱部55a、56aから第3部材55b3、56b3に至る間に接続されているチップコンデンサ60は、バスバー30が貫通する磁性体コア21から接地電位GNDに至る経路に挿入されている。電気的には、チョークコイルと接地電位GNDとの間に接続されることとなる。このため、チョークコイルとチップコンデンサ60とによりLCフィルタが構成されることとなり、ノイズ除去特性のさらなる改善を図ることができる。
また、仮にバスバー30と放熱部55,56が、直接接触していなくとも、高周波による容量結合によってLCフィルタの働きを得ることもできる。
ところで、バスバー30には大電流が流れることにより、いわゆる銅損による熱損失が発生する場合がある。磁性体コア21をバスバー30に近接あるいは接触させることで、バスバー30で発生した熱は、磁性体コア21から放熱部55、56を介して、あるいは直接に放熱部55、56を介して、放熱することができる。
第3実施形態によれば、磁性体コア21の内径が小さくなり磁性体コア21の厚みが増すことにより磁性体コア21に許容される磁界が大きくなって、チョークコイルとしてのノイズ除去能力の向上を図ることができる。また、第1実施形態の場合と同様に、放熱部55、56により磁性体コア21でのヒステリシス損による発熱を効率的に放熱することができる。加えて、放熱部55、56がバスバー30での銅損による発熱を放熱することもできる。さらに、放熱部55、56において、磁性体コア21から接地電位GNDに至る経路にチップコンデンサ60を介在させることにより、LCフィルタを構成することができる。また、チップコンデンサ60の介在により、バスバー30と、磁性体コア21、更には放熱部55、56の第1放熱部55a、56aとの近接あるいは接触による、バスバー30の接地電位GNDへの短絡を防止することができる。
ここで、コアギャップはギャップの一例である。また、接地電位GNDは基準電位の一例である。また、放熱部51、52、53、54、55、56の第1放熱部51a、52a、53a、54a、55a、56aは放熱部の一端の一例である。また、放熱部51、52、53、54の第2放熱部51b、52b、53b、54b、および放熱部55、56の第1部材55b1、56b1〜部材55b3、56b3は放熱部の他端の一例である。また、チップコンデンサ60は容量素子の一例である。
本願は、前記実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態では、バスバー30の軸方向に沿って2つに分割した第1および第2コア20a、20bの分割端面に挟まれた放熱部51、52により磁性体コア20の放熱を行う構成について説明した。しかしながら、本願はこれに限定されるものではない。放熱部は、少なくとも、分割端面が対向する2つの対向面間のうち何れか一方に備えれていれば良い。また、磁性体コアが軸方向に3つ以上に分割して構成されるものとして、それぞれの対向する分割端面の少なくとも1つに挟まれて備えられる構成としても良い。磁性体コアの軸方向の分割数を多くし、分割面間に挟みこまれる放熱部を多く備えることで、磁性体コアでの発熱をより均等に放熱することができる。また、分割端面間の間隔が狭くなるため、放熱効率をさらに向上させることができる。
また、第1実施形態では、放熱部51、52の第1放熱部51a、52aは磁性体コア20の分割端面の全面に接触し、第2実施形態では、放熱部53、54の第1放熱部53a、54aは分割端面の両端部に接触するものとして説明したが、本願はこれに限定されるものではない。更に接触面積を増やした構成とすることもできる。例えば、第2放熱部の少なくとも一部を磁性体コアの外側面に接触させる構成とすることもできる。接触面積を増加させることにより放熱効率を更に高めることができる。
また、第1実施形態で、放熱部51、52の部材として、銅、アルミニウムなどの金属材料を使用する場合を説明したが、本願はこれに限定されるものではない。熱伝導率が良好で透磁率が磁性体コアよりも小さい材料であって、電気抵抗の高い材質として、例えばセラミックスが考えられる。電気抵抗の高いセラミックスであれば渦電流の発生を抑えることができる。
また、第1実施形態では、放熱部51、52の形状を平板状の部材として説明したが、本願はこれに限定されるものではない。第2放熱部51b、52bにおいて、放熱フィンのような表面積を大きくする形状を有する部材であっても良い。モールドする際は、放熱フィン等の構造部分は露出させることで放熱効率を向上させることができる。
また、第3実施形態ではLCフィルタが構成されることを説明したが、本願はこれに限定されるものではない。チップコンデンサが実装された放熱部を2組備える構成としても良い。即ち、第1放熱部を、第1および第2コア21a、21bの分割端面の全面ではなく、台座部40側(図5の紙面手前側)の端部に接触する矩形状の平板面とする放熱部を第1の放熱部とする。これに加えて第2の放熱部を備える。第2の放熱部は、第1放熱部の矩形状の平板面が台座部40の反対側(図5の紙面奥側)の端部に接触する矩形状の平板面とする。これにより、放熱特性を維持しながらπ型フィルタを構成することができる。
1 チョークコイル
5 スイッチング電源
20、21 磁性体コア
20a 第1コア
20b 第2コア
30 バスバー
40 台座部
51、52、53、54、55、56 放熱部
51a、52a、53a、54a、55a、56a 第1放熱部
51b、52b 第2放熱部
55b1、56b1 第1部材
55b2、56b2 第2部材
55b3、56b3 第3部材
60 チップコンデンサ

Claims (5)

  1. バスバーと、
    前記バスバーを取り囲み、磁路にギャップを有する磁性体コアと、
    熱伝導が良好で前記磁性体コアに比して透磁率が小さな材料であって、一端が前記ギャップにおいて前記磁性体コアと接触し、他端が該ギャップから外方に延伸する放熱部と
    熱伝導が良好で貫通孔を有し、該貫通孔が前記放熱部の他端に開孔された貫通孔に位置合わせされて前記放熱部に固着される台座部とを備え
    前記放熱部は、
    前記バスバーを挟んで互いに鏡面対称の関係を有する1対の部材を備え、
    前記1対の部材の各々は、平板状の平板面が屈曲部を境界として略直交するようにL字または逆L字型に屈曲されて形成され、
    前記バスバー、前記磁性体コア、前記放熱部および前記台座部は、相対的な位置関係が維持された状態であって前記台座部の両端面がモールドの表面と略面一に露出されて、樹脂材料によりモールドされてなるチョークコイル。
  2. 前記放熱部の一端は、前記ギャップの対向面に面状に接触することを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル。
  3. 前記放熱部の他端は、熱伝導の良好な部材に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のチョークコイル。
  4. 前記放熱部の一端は、前記ギャップの対向面の一部に接触することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のチョークコイル。
  5. 前記放熱部は電気良導体であり、
    前記磁性体コアは、内方側面が前記バスバーに近接あるいは接触し、
    前記放熱部の他端に至る経路に介在する容量素子を備え、
    前記放熱部の他端は基準電位に接続されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のチョークコイル。

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