JP6507673B2 - 長短複合紡績糸 - Google Patents
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Description
・凸部比(E/B)・・・(1)
本発明の長短複合紡績糸の好ましい態様によれば、前記の鞘側に配する扁平多葉断面ポリエステル系短繊維の単繊維繊度が1.5〜4.0dtexの範囲にあり、横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有する扁平形状で、次式(2)で示される扁平度(A/B)が2.0〜3.0、次式(3)で示される異形度(C/D)が1.0〜5.0であり、かつ、芯側に配するポリエステルマルチフィラメント繊維の単繊維繊度が1.5〜4.0dtexの範囲にあり、鞘単繊維繊度より1.03倍以上3.0倍未満の太繊度を有することである。
・扁平度(A/B)・・・(2)
・異形度(C/D)・・・(3)
(ただし、Aは扁平多葉断面ポリエステル短繊維の断面の最大長さ、Bは扁平多葉断面ポリエステル短繊維の断面の最大幅、Cは最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さ、そしてDは最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線から凹部の底辺に下ろした垂線の長さを、それぞれ表す。)
本発明においては、前記の長短複合紡績糸を用いて、後述する布帛を製造することができる。
・凸部比(E/B)=0.6〜0.9・・・(1)。
・扁平度(A/B)=2.0〜3.0・・・(2)
・異形度(C/D)=1.0〜5.0・・・(3)。
芯側にポリエステル系マルチフィラメント繊維を配し、鞘側に扁平多葉断面ポリエステル短繊維を配置してなる本発明の長短複合紡績糸を形成する方法としては、まず鞘側に配する扁平多葉断面ポリエステル短繊維を常法によりカード機でスライバー化し、練条と粗紡工程にて細くムラを無くしスライバーを形成する。また、芯側に配置されるポリエステル系マルチフィラメント繊維を扁平多用断面ポリエステル短繊維と混ぜ合わせる(混繊させる)工程は、精紡機において行うことが望ましい。精紡機より前の工程で、ポリエステル系マルチフィラメント繊維と扁平多用断面ポリエステル短繊維とを混繊させると、延伸部で単繊維群配置が崩れ、吸水性や拡散性が発揮できないことがある。精紡機で芯側を配するポリエステル系マルチフィラメントは、フロントローラー上部から供給し、フロントローラーのニップ線上でドラフトされた扁平多葉断面ポリエステル短繊維束に重ね合わせ、実撚りを加えて長短複合紡績糸を製造する。
単繊維繊度と繊維長の測定方法は、JIS L1015(2010年版)に順じて行った。
番手の測定方法は、JIS L1095(2010年版)に順じて行った。
布帛の吸水性評価は、JIS L1907(2010年版、バイレック法)の測定方法に順じて行った。評価内容は、次のとおりであり、本発明では「○」と「◎」を合格とした。
○:70〜79mm
△:50〜69mm
×:49mm以下。
布帛速乾性評価は、温室25℃、湿度40%RH雰囲気下において、24時間放置した試験片を10cm角に切り出して質量(A)を測定する。その試験片を、イオン交換水の中に30秒間浸し、その後、試験片の一角をピンセットでつまんで液から取り出す。取り出した試験片を同様に室温25℃、湿度40%RHの雰囲気下に1時間放置して自然乾燥させ、質量(B)を測定する。残存水分率(C)は、次式で算出する。
・C(%)=(B−A)/A×100
評価は次のとおりであり、本発明では「○」と「◎」を合格とした。
◎:30%以下
○:31〜40%
△:41〜50%
×:51%以上。
風合い評価は、試験片を10cmに切り出して、5名の被験者に切り出した試験片を握ってもらい、次の基準に従って点数評価を行った後に平均点を算出した。本発明では「○」と「◎」を合格とした。
3点:風合い柔らか
2点:風合いやや硬い
1点:風合いが硬い
◎:2.8点以上
○:2.4〜2.7点
△:1.9〜2.3点
×:1.8点以下。
抗ピリング性の評価は、JIS L1076(2012年版A法)に順じて行った。抗ピリング性を次の基準で判定した。本発明では、「○」と「◎」を合格とした。
◎:4.5級以上
○:3.5〜4級
△:2〜3級
×:1.5級以下。
(扁平多葉断面ポリエステル短繊維の製造方法)
ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点252℃)を用いて、溶融紡糸装置によって最長軸スリットに対し、垂直に5本の短軸スリットを有する扁平多葉断面形状口金(486孔)から290℃の紡糸温度で550g/分で吐出し、15℃の温度の空気を40m/分の流れで吹き付けて冷却させた後、1200m/分の速度で引き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を収束後、延伸倍率6.74倍、延伸温度90℃で延伸し、捲縮し85℃の温度で分乾燥した後、切断して、扁平多葉断面ポリエステル短繊維を製造した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点252℃)を用いて、溶融紡糸装置によって丸型断面形状口金(336孔)から290℃の紡糸温度で415g/分にて吐出し、15℃の温度の空気を70m/分の流れで吹き付けて冷却させた後、1300m/分の速度で引き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を収束後、延伸倍率6.36倍、延伸温度90℃で延伸し、ポリエステル系マルチフィラメントを製造した。
の芯部に配するポリエステル系マルチフィラメント繊維30質量%と、精紡機(豊田リング精紡機RX240型)で混繊させ、ヨリ係数が3.5として英式綿番手が40sの長短複合紡績糸を得た。このようにして得られた長短複合紡績糸を経糸と緯糸に使い、エアジェット織機を用いて、経密度が110本/2.54cmで緯密度が76本/2.54cmの平織り物を得た。得られた平織り物は、吸水性、速乾性、風合い、および抗ピリング性に優れた織物であった。結果を、表1と表2に示す。
(扁平多葉断面ポリエステル短繊維とポリエステル系マルチフィラメントの製造方法)
扁平多葉断面ポリエステル短繊維とポリエステル系マルチフィラメントを、実施例1と同様の方法により製造した。
扁平多葉断面ポリエステル短繊維の単繊維繊度が1.7dtexで繊維長が51mmであり、そして扁平度が2.2、異形度が1.8で、凸部比が0.8であり、断面形状が8個の凸部有する繊維100質量%を、ヨリ係数3.5として英式綿番手40sの紡績糸を得た。この紡績糸を経糸と緯糸に使い、エアジェット織機を用いて、経密度が110本/2.54cmで緯密度が76本/2.54cmの平織り物を得た。得られた平織り物は、吸水性、速乾性、風合いおよび抗ピリング性に優れた織物であった。結果を表1と表2に示す。
ポリエステル繊維として、単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が51mmであり、断面形状が丸型丸型ポリエステル系短繊維製造し、得られた丸型ポリエステル系短繊維を用いて、ヨリ係数が3.5で、英式綿番手が40sの紡績糸を得た。この紡績糸を経糸と緯糸に使い、エアジェット織機を用いて、経密度が110本/2.54cmで緯密度が76本/2.54cmの平織り物を得た。得られた平織り物は、抗ピリング性に優れた織物であったが吸水性、速乾性および風合いに劣るものであった。結果を表1と表2に示す。
鞘部を配する扁平多葉断面ポリエステル短繊維の単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が51mmであり、そして扁平度が2.2、異形度が1.8で、凸部比が0.8であり、断面形状が8個の凸部有する繊維を40質量%と、単繊維繊度が1.8dtexで本数が24本の芯部に配するポリエステル系マルチフィラメント繊維60質量%とを精紡機で混ぜ込み(混繊させ)、ヨリ係数3.5として英式綿番手40sの長短紡績糸を得た。このようにして得られた長短紡績糸を経糸と緯糸に使い、エアジェット織機を用いて、経密度が110本/2.54cmで緯密度が76本/2.54cmの平織り物を得た。得られた平織り物は、吸水性、速乾性および抗ピリング性に優れた織物であったが、風合いが劣るものであった。結果を表1と表2に示す。
扁平多葉断面ポリエステル短繊維の単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が51mmであり、そして扁平度が2.2、異形度が1.8で、凸部比が0.8であり、断面形状が8個の凸部有する繊維を70質量%と、単繊維繊度が1.8dtexで繊維長が51mmのポリエステル系短繊維30質量%を混打綿工程で混ぜ、ヨリ係数3.5として英式綿番手40sの混紡糸を得た。このようにして得られた混紡糸を経糸と緯糸に使い、エアジェット織機を用いて、経密度が110本/2.54cmで緯密度が76本/2.54cmの平織り物を得た。得られた平織り物は、吸水性、速乾性および抗ピリング性に優れた織物であったが、風合いが劣るものであった。結果を表1と表2に示す。
B:扁平多葉断面ポリエステル短繊維の断面の最大幅
C:最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さ
D:最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線から凹部の底辺に下ろした垂線の長さ
Claims (3)
- 鞘側に扁平多葉断面ポリエステル系短繊維60〜80質量%を配し、芯側にポリエステル系マルチフィラメント繊維20〜40質量%配してなる長短複合紡績糸であって、鞘側の記扁平多葉断面ポリエステル系短繊維が、その横断面の最大長さAを対称軸とし、対向する両凸部頂点間線分のうち、横断面最大幅Bを除いて最長となる長さをEとするとき、次式(1)で示される凸部(E/B)が0.6〜0.9の範囲を満足することを特徴とする長短複合紡績糸。
・凸部比(E/B)・・・(1) - 鞘側に配する扁平多葉断面ポリエステル系短繊維の単繊維繊度が1.5〜4.0dtexの範囲にあり、横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有する扁平形状で、次式(2)で示される扁平度(A/B)が2.0〜3.0、次式(3)で示される異形度(C/D)が1.0〜5.0であり、かつ、芯側に配するポリエステルマルチフィラメント繊維の単繊維繊度が1.5〜4.0dtexの範囲にあり、鞘単繊維繊度より1.03倍以上3.0倍未満の太繊度を有することを特徴とする請求項1記載の長短複合紡績糸。
・扁平度(A/B)・・・(2)
・異形度(C/D)・・・(3)
(ただし、Aは扁平多葉断面ポリエステル短繊維の断面の最大長さ、Bは扁平多葉断面ポリエステル短繊維の断面の最大幅、Cは最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さ、そしてDは最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線から凹部の底辺に下ろした垂線の長さを、それぞれ表す。) - 請求項1または2記載の複合紡績糸からなる布帛。
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JP2015014279A JP6507673B2 (ja) | 2015-01-28 | 2015-01-28 | 長短複合紡績糸 |
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