JP6506037B2 - 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置 - Google Patents

蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6506037B2
JP6506037B2 JP2015018858A JP2015018858A JP6506037B2 JP 6506037 B2 JP6506037 B2 JP 6506037B2 JP 2015018858 A JP2015018858 A JP 2015018858A JP 2015018858 A JP2015018858 A JP 2015018858A JP 6506037 B2 JP6506037 B2 JP 6506037B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength conversion
phosphor
film
light
dispersion composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015018858A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016141741A (ja
Inventor
誠 加茂
誠 加茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2015018858A priority Critical patent/JP6506037B2/ja
Priority to PCT/JP2016/000504 priority patent/WO2016125482A1/ja
Publication of JP2016141741A publication Critical patent/JP2016141741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6506037B2 publication Critical patent/JP6506037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/08Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters for producing coloured light, e.g. monochromatic; for reducing intensity of light
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/02Use of particular materials as binders, particle coatings or suspension media therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21SNON-PORTABLE LIGHTING DEVICES; SYSTEMS THEREOF; VEHICLE LIGHTING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLE EXTERIORS
    • F21S2/00Systems of lighting devices, not provided for in main groups F21S4/00 - F21S10/00 or F21S19/00, e.g. of modular construction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V13/00Producing particular characteristics or distribution of the light emitted by means of a combination of elements specified in two or more of main groups F21V1/00 - F21V11/00
    • F21V13/02Combinations of only two kinds of elements
    • F21V13/08Combinations of only two kinds of elements the elements being filters or photoluminescent elements and reflectors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/30Elements containing photoluminescent material distinct from or spaced from the light source
    • F21V9/32Elements containing photoluminescent material distinct from or spaced from the light source characterised by the arrangement of the photoluminescent material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F21LIGHTING
    • F21VFUNCTIONAL FEATURES OR DETAILS OF LIGHTING DEVICES OR SYSTEMS THEREOF; STRUCTURAL COMBINATIONS OF LIGHTING DEVICES WITH OTHER ARTICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F21V9/00Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters
    • F21V9/40Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters with provision for controlling spectral properties, e.g. colour, or intensity
    • F21V9/45Elements for modifying spectral properties, polarisation or intensity of the light emitted, e.g. filters with provision for controlling spectral properties, e.g. colour, or intensity by adjustment of photoluminescent elements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

本発明は、励起光照射により蛍光を発する波長変換膜等の蛍光成形体の形成に用いられる蛍光体分散組成物、及び、それを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜に関する。本発明はまた、波長変換膜を有する波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニット、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、LCDとも言う)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライトと液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板、視認側偏光板などの部材が含まれる。
近年、LCDの色再現性の向上を目的として、バックライトユニットの波長変換部材に、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)を発光材料として含んだ波長変換膜(波長変換層)を備えた構成が注目されている(特許文献1、特許文献2等)。波長変換部材は、面状光源から入射された光の波長を変換して白色光として出射させる部材であり、上記量子ドットを発光材料として含んだ波長変換膜では、発光特性の異なる2種または3種の量子ドットが面状光源から入射された光により励起されて発光する蛍光を利用して白色光を具現化することができる。
量子ドットによる蛍光は高輝度であり、しかも半値幅が小さいため、量子ドットを用いたLCDは色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、色再現域は、現行のTV規格(FHD、NTSC(National Television System Committee)比72%から100%へと拡大している。
特許文献1〜3に記載されているように、量子ドットを発光材料として含む波長変換膜(波長変換膜)は、有機マトリクス(ポリマーマトリクス)中に量子ドットが略一様に分散されてなる態様が一般的である。波長変換膜のポリマーマトリクスの形成は、ポリマーマトリクスを溶剤に溶解させた塗布液を基材上に塗布した後、塗膜から溶剤を除去するキャスト法、溶融させたポリマーマトリクスを基材上に流し込んで製膜した後降温させることにより製膜する溶融製膜法、モノマー等のバインダー前駆体を基材上に塗布した後、塗膜を加熱、あるいは、光照射により、溶剤等の揮発を経ずに硬化させる熱硬化製膜法、及び、光硬化製膜法のいずれかの方法により行うことが一般的である。
熱硬化製膜法は、数十μm〜数百μmの厚膜でも硬化を均一に進めることができ、特に、架橋して3次元網目構造が形成されてなる熱硬化型ポリマーマトリクスは、強靭でありながら反りや硬化むらが小さく良質なシートや膜を得ることができるという利点を有している。特許文献2には、エポキシドを含むバインダー前駆体中に、多官能アミン化合物が表面に配位してなる量子ドットを分散した波長変換層形成用組成物を熱硬化製膜法により製膜することにより波長変換層を形成することが記載されている。
また、特許文献2には、波長変換層形成用組成物中に、量子ドットの配位子である多官能アミン化合物を過剰に添加しておき、多官能アミン化合物とエポキシドとの熱硬化反応により3次元網目構造を有するポリマーマトリクスを形成することが記載されている。
特許文献3には、熱硬化製膜法により形成されるポリマーマトリクスとして、架橋ポリマーや熱硬化エポキシ材料が用いられる旨の記載がある
米国特許出願公開第二012/0113672号明細書 特表2013−544018号公報 特表2014−531762号公報
特許文献2に記載の多官能アミン化合物とエポキシドとの熱硬化反応により得られるポリマーマトリクスは、多官能アミン化合物によりポリマーマトリクスの3次元網目構造が形成されてなる。多官能アミン化合物は、求核性が高くエポキシ化合物やイソシアネート等との反応活性に優れ、低温でも硬化が進みやすいという利点を有する一方で、一般に長期間の光照射によって反応を起こして黄変することが知られており、アミン化合物によりポリマーマトリクスの3次元網目構造が形成されてなるポリマーマトリクスも経時による黄変の可能性が高い。波長変換膜は、ポリマーマトリクス中に蛍光体が分散されてなり、層内に入射した励起光により蛍光体が励起されて発せられる蛍光を利用して白色光を出射するものであるため、波長変換膜のポリマーマトリクスの黄変は、出射光の強度や色味の変化を招く虞がある。
特許文献3には、上記したように、架橋ポリマーや熱硬化エポキシ材料がポリマーマトリクスとして例示されているが、適切なポリマーマトリクス材料としては、架橋ポリマーや熱硬化エポキシ材料ではなく、線状ポリマーマトリクスが挙げられており、架橋ポリマーや熱硬化エポキシ材料を用いたポリマーマトリクスの具体的な組成や実施例の記載はない。
また、上記経時による黄変は、波長変換膜としてのポリマーマトリクスのみならず、蛍光体の蛍光を利用するポリマー成形体に共通して、その性能劣化を引き起こす原因となりうるものである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、熱硬化製膜が可能であり、且つ、反りや硬化むらが小さく、耐光性及び長期信頼性に優れる蛍光成形体を製造可能な蛍光体分散組成物を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、反りや硬化むらが小さく、且つ、耐光性に優れ、出射光の強度及び色味の長期信頼性に優れる蛍光成形体、波長変換膜、及びそれを備えた波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、溶剤等の揮発を経ずに熱硬化するバインダー前駆体中に蛍光体を分散してなる蛍光体分散組成物において、熱硬化反応によりバインダーの三次元網目構造となる熱硬化性化合物としての多官能1級アミン、多官能2級アミンの含有量を低く抑制するか、熱硬化性化合物としてこれらのアミンを使用しないことで、上記の目的を達成しうることを見出した。
すなわち、本発明の蛍光体分散組成物は、
三次元網目構造を有するバインダー中に少なくとも1種の蛍光体が分散されて含まれてなる蛍光成形体を形成する蛍光体分散組成物であって、
少なくとも1種の蛍光体と、熱硬化反応によりバインダ−を形成するバインダー前駆体とを含んでなり、
バインダー前駆体が、熱硬化反応により三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、
熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物の全質量に対し0.1質量%以下としている。
ここで、「熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物の全質量に対し0.1質量%以下である」とは、熱硬化性化合物として多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物の全質量に対し、0質量%であることを含むものとする。
また、本明細書において、「三次元網目構造を有する」とは、共有結合のみによって構成された三次元網目構造を少なくとも有することを意味するが、共有結合のみによって構成された三次元網目構造に加えてさらに水素結合やイオン結合のような非共有結合を伴ってより複雑な三次元網目構造を形成していてもよいものとする。共有結合のみによって構成された三次元網目構造を有するかどうかは、バインダーがいかなる溶媒にも溶解しないこと(但し、化学構造の分解を伴わない場合に限る)、且つ、融解を起こさないことによって検知することができる。
本発明の蛍光体分散組成物の好ましい態様としては、熱硬化性化合物が、多価イソシアネートとポリオールを含む態様が挙げられる。かかる構成において、多価イソシアネートは、環状脂肪族(脂環族)イソシアネート及び/または鎖状脂肪族イソシアネートであることが好ましい。また、かかる構成において、バインダー前駆体に、多価イソシアネートとポリオールとの熱硬化反応を促進する反応促進剤を含むことがより好ましい。
また、本発明の蛍光体分散組成物の、その他の好ましい態様としては、熱硬化性化合物が、エポキシドとカルボン酸無水物を含み、バインダー前駆体に、エポキシドとカルボン酸無水物との熱硬化反応を促進する反応促進剤を含む態様が挙げられる。
また、本発明の蛍光体分散組成物の、熱硬化反応が熱重合反応である場合の好ましい態様としては、熱硬化性化合物が、エポキシドを含み、バインダー前駆体に熱重合反応の熱重合開始剤を含む態様が挙げられる。
本発明の蛍光成形体は、上記本発明の蛍光体分散組成物を熱硬化させて形成されたものである。
本発明の波長変換膜は、基材上に、上記本発明の蛍光体分散組成物を塗布して蛍光体分散組成物の塗膜を形成し、塗膜を熱硬化させることによって形成されてなる。
本発明の波長変換部材は、上記本発明の波長変換膜を備えてなる。
本発明のバックライトユニットは、
一次光を出射する面状光源と、
面状光源上に備えられてなる上記本発明の波長変換部材と、
波長変換部材を挟んで面状光源と対向配置される再帰反射性部材と、
面状光源を挟んで波長変換部材と対向配置される反射板とを備えたバックライトユニットであって、
波長変換部材は、面状光源から出射された一次光の少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、蛍光からなる二次光を含む光を少なくとも出射するものである。
本発明の液晶表示装置は、上記本発明のバックライトユニットと、
バックライトユニットの再帰反射性部材側に対向配置された液晶ユニットとを備えてなる。
本発明の蛍光体分散組成物は、励起光照射により蛍光を発する蛍光体がバインダー中に分散されてなる蛍光成形体の、熱硬化反応による形成に用いられるものであり、熱硬化反応により形成されるバインダ−の前駆体に、熱硬化反応により三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン、多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物全質量に対し0.1質量%以下としている。かかる構成によれば、長時間の光照射で生じるアミン化合物の反応による黄変を未然に防ぐことができるため、数十μm〜数百μmの厚膜であっても反りや硬化むらが小さい膜を製膜できるという熱硬化製膜の利点を有し、且つ、耐光性に優れ、長期信頼性に優れる蛍光成形体を製造することができる。本発明によれば、反りや硬化むらが小さく、且つ、耐光性に優れ、出射光の強度及び色味の長期信頼性に優れる蛍光成形体、波長変換膜、及びそれを備えた波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置を提供することができる。
本発明にかかる一実施形態のバックライトユニットの概略構成断面図である。 本発明にかかる一実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。 本発明にかかる一実施形態の波長変換部材製造装置の一例を示す概略構成図である。 図3に示す製造装置の部分拡大図である。 本発明にかかる一実施形態のバックライトユニットを備えた液晶表示装置の概略構成断面図である。
「蛍光体分散組成物及び蛍光成形体」
本発明の蛍光体分散組成物は、
三次元網目構造を有するバインダー中に少なくとも1種の蛍光体が分散されて含まれてなる蛍光成形体を形成する蛍光体分散組成物であって、
少なくとも1種の蛍光体と、熱硬化反応によりバインダ−を形成するバインダー前駆体とを含んでなり、
バインダー前駆体が、熱硬化反応により三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、
熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物の全質量に対し0.1質量%以下としている。
[バインダー前駆体]
上記したように、本発明において、バインダー前駆体は、熱硬化反応によりポリマーの三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物の全質量に対し0.1質量%以下である。
熱硬化性化合物としては、多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が上記範囲内であれば、特に制限されないが、多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせを含む態様、エポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせを含む態様、及び、熱硬化反応が熱重合反応であり、熱硬化性化合物が、エポキシドを含み、バインダー前駆体に熱重合反応の熱重合開始剤を含む態様が挙げられる。
<多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせ>
多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体を用いた場合、イソシアネート基とポリオールの水酸基との反応によりウレタン結合が形成され、バインダーとしてウレタンポリマーが生成される。このとき、蛍光体分散組成物の全質量に対して0.1質量%より多い多官能1級アミン、多官能2級アミンが存在すると、イソシアネート基の脱CO反応によるアミン生成反応が促進されてウレタン結合形成反応と競合することになり、波長変換膜中のアミン基濃度が多官能1級アミン、多官能2級アミンの本来の添加量以上に増加する。従って、多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体を用いる場合、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量は、蛍光体分散組成物全質量に対して0.1質量%以下とする。
本発明の蛍光体分散組成物に好適な多価イソシアネート(2官能以上のイソシアネート)としては、フェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシビフェニレン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメチルビフェニレン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,6−ジイソシアネート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ドデカメチレン−1,12−ジイソシアネート、またはこれらの有機ジイソシアネートの化学量論的過剰量と2官能性活性水素含有化合物との反応により得られる両末端イソシアネートプレポリマー等を挙げることができる。
また、場合により上記ジイソシアネートとともに、例えばフェニル−1,3,5−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,4−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−2,4,4”−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4,4”−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,2,4−テトライソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,2,5−テトライソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4,2−トリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4,4−トリイソシアネート等の3官能以上の有機ポリイソシアネートや、これらの3官能以上の有機ポリイソシアネートの化学量論的過剰量と2官能以上の多官能性活性水素含有化合物との反応により得られる末端イソシアネートプレポリマー等を併用してもよい。以上に挙げた多価イソシアネートは1種単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、バインダー前駆体の粘度調整や、得られるウレタンポリマーの物性調整の観点から、適宜単官能性のイソシアネート、例えば、アルキルモノイソシアネートやシクロアルキルモノイソシアネート、芳香族モノイソシアネート及びそれらの誘導体等を加えてもよい。
長期間の光照射下での黄変防止の観点からは、環状脂肪族(脂環族)イソシアネート類及び鎖状脂肪族イソシアネート類が好ましく、イソシアネート基が1級炭素に結合しているものが特に好ましい。また、組成物に塗布適性を付与する観点から、上記多価イソシアネートあるいはそれらの混合物は20℃から60℃程度の範囲において液体であることが好ましい。
本発明の蛍光体分散組成物に好適なポリオール(2官能以上のアルコール性水酸基を有する化合物)としては、長期間の光照射下での黄変防止の観点からは、脂肪族ポリオール類及び脂環族ポリオール類がより好ましい。かかるポリオールとしては、エチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,ポリテトラメチレングリコール,グリセリン,トリメチロールプロパン,及び,ペンタエリスリトールが挙げられる。
また、グリセリン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトールのポリエチレングリコール変性物,ポリプロピレングリコール変性物,ポリテトラメチレングリコール変性物などのジ,トリ,またはテトラアルコール化合物や、
ジカルボン酸とのエステル化反応によって誘導される各種ポリエステルポリオールとして公知なもの、
ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど直鎖アルキレンの末端ジオール類、なども挙げられる。
上記ポリオールは1種単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、組成物に塗布適性を付与する観点から、好ましくは20℃から60℃程度の範囲において液体であることが好ましい。また、バインダー前駆体の粘度調整や、得られるウレタンポリマーの物性調整の観点から、適宜モノアルコール類、例えば、アルキルモノアルコール類やシクロアルキルモノアルコール類、単官能フェノール類及びそれらの誘導体等を加えてもよい。
上述した多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体は、イソシアネート基と水酸基との反応が1対1の量比で起こることからその混合比は各官能基の当量比が1対1である場合に互いに過不足なく反応が完了すると考えられるが、得られるウレタンポリマーの各種物性を適宜調節するために、その当量比を調節してもよい。好ましくは、多価イソシアネートのイソシアネート当量と、ポリオールの水酸基当量との当量比が、1:0.8〜1:1.2の範囲であることが好ましく、1:0.9〜1:1.1の範囲であることがより好ましい。
イソシアネート基を余剰に含む構成とした蛍光体分散組成物とすることにより、形成された成形体に含まれるイソシアネート基が、成形体内に浸入した水分と反応して水分を捕捉する機能(ゲッター機能)を有する蛍光成形体を形成することができる。また、水酸基を余剰に含む構成とした蛍光体分散組成物とすることにより、形成された成形体のポリマーマトリクス(バインダー)の凝集力を高めてバリア性の高い蛍光成形体を形成することができる。
また、多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせとの組み合わせを熱硬化性化合物として含む態様において、バインダー前駆体に多価イソシアネートとポリオールとの熱硬化反応を促進する反応促進剤を含むことがより好ましい。反応促進剤を加えることにより、イソシアネートと水酸基の反応が加速され、低温でも良好なウレタンポリマーを生成することが可能になる。好ましく用いられる反応促進剤として、テトラアルキルアンモニウム塩類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)やジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類及びその塩、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の環状アミン類、ピリジン類、イミダゾール類の窒素原子含有複素芳香族化合物及びその塩類、アルキル錫化合物及びその塩類、アルキル亜鉛化合物及びその塩類、ジルコニウム化合物、チタニウム化合物類、アルキルアルミニウム類、ホウ酸類が好適に用いられる。反応促進剤は触媒的に作用し反応で消費されることがないため、微量でも充分その効果を発揮することができる。具体的な添加量としては、バインダー前駆体全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が更に好ましい。
アンモウニウム塩、環状アミン類を反応促進剤として用いる場合は、不純物として微量の1級、2級アミン類が含まれうる。従って、これらの化合物を反応促進剤として用いる場合は、不純物量が極力少なくなるように精製して用いることが好ましく、反応促進剤に含まれる不純物量を定量の上、組成物全質量に対して0.1質量%以下になるよう調整することが好ましく、0.05質量%以下になるようにすることがより好ましい。この含量以下であれば、バインダー前駆体を反応させる際にイソシアネートと不純物のアミン類が速やかに反応してウレア結合に転化して1級アミン、2級アミンが消失し、長期間の光照射下での黄変を未然に防ぐことができ、且つ、本来起こるべき多価イソシアネートとポリオールとの反応によるウレタンポリマー生成過程及びその物性に顕著な影響を及ぼさないようにすることができる。
<エポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせ>
エポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体を用いる場合は、バインダー前駆体に、エポキシドとカルボン酸無水物との熱硬化反応を促進する反応促進剤を同時に含む態様とする。この組合せにおいては、反応促進のため100℃の加熱が必要な場合があり、このとき、0.1質量%より多い多官能1級アミン、多官能2級アミンが存在すると、熱による活性化によりアミンを起因とした急速な着色が見られる場合があるため、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量は、蛍光体分散組成物全質量に対して0.1質量%以下とする。
エポキシドとカルボン酸無水物と反応促進剤の組み合わせを本発明のバインダー前駆体として用いた場合、エポキシドとカルボン酸無水物とが逐次縮重合反応を行うことによりエステル結合を生じ、ポリエステルポリマーを生成する。エポキシドを過剰に用いた場合はエポキシド同士の連鎖重合が並列で生起することもあり、エポキシド重合物とポリエステルポリマーとの混合物となることもある。
本発明におけるエポキシドとは、エポキシ基の開環重合反応が可能な環状エーテル化合物一般(エポキシ化合物やオキシラン化合物等)を指す。これらはエピクロルヒドリンを出発原料とした合成によって得ることができ、また、不飽和炭化水素の炭素間二重結合を酸化することによっても得ることができる。具体的には、グリシジル基やシクロヘキセンオキシド基を含む化合物類が例示される。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから誘導されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンから誘導されるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂である。長期間の光照射下における黄変をより効率的に抑制するため、エポキシドには芳香環を含まないことが好ましく、例えば、飽和炭化水素のみの骨格で構成されたエポキシドや、芳香族を含むエポキシドの芳香環を水素添加して環状アルキルとしたエポキシドが好ましい。
具体例としては、グリシジルエーテル類として、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、及び、これらの化合物のポリエチレンオキサイド変性物、ポリプロピレンオキサイド変性物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラヒドロフランジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールトリオールトリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールトリオールトリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
グリシジルエステル類として、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル化ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロピロメリット酸などの芳香族ジカルボン酸水素添加物のグリシジルエステル、コハク酸、アルケニルコハク酸、ナジック酸、メチルナジック酸、マレイン化脂肪酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸類のグリシジルエステル化合物、及びこれらのポリエチレンオキサイド変性物、ポリプロピレンオキサイド変性物などが挙げられる。
不飽和炭化水素の酸化により合成されるアルキルオキサイド類として、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3,4−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4,5−エポキシ−2.−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテルや、以下に示す化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル化テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル化ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの脂環族ポリカルボン酸無水物類、マレイン酸無水物、リノレン酸無水物、リノール酸無水物、エレオステアリン酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ドデカンジカルボン酸無水物、エイコサンジカルボン酸無水物などの脂肪族ポリカルボン酸無水物類などが挙げられる。反応性の観点からは、脂環族ポリカルボン酸無水物が好ましい。これは、カルボン酸無水物が形成する環状構造の歪みが大きいほど反応性がよく、より低温及び、あるいは、より短時間で、カルボン酸無水物とエポキシドとの反応が進行するためである。
エポキシドとカルボン酸無水物との反応は、反応の活性化エネルギーが高く反応進行に高温を必要とするため、反応促進剤を加えて活性化エネルギーを下げる必要がある。ゆえに、本発明では反応促進剤を加える。これにより、好適な処理温度及び処理時間の範囲でエポキシドとカルボン酸無水物との反応を完結させることができ、成分の熱劣化による着色や不純物の生成を抑制し、本発明の効果をより好ましく発揮することができる。
好ましい反応促進剤としては、エポキシ化合物の硬化触媒として利用可能な各種の金属の有機錯塩類、金属塩類、エナミン類、アンモニウム塩類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)やジアザビシクロノネン(DBN)の環状アミジン類及びその塩、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などの環状アミン類、ピリジン類、イミダゾール類の窒素原子含有複素芳香族化合物及びその塩類、3級アミノフェノール類、ボレート類、イミダゾリウム塩、リン化合物類などが利用可能である。特に、潜在性触媒として公知であるものが好ましい。詳細は「新エポキシ樹脂」(垣内 弘編著、昭晃堂)に記載がある。反応促進剤は触媒的に作用し反応で消費されることがないため、微量でも充分その効果を発揮することができる。具体的な添加量としては、バインダー前駆体全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
アンモニウム塩、アミジン類、環状アミン類を反応促進剤として用いる場合は、不純物として微量の1級、2級アミン類が含まれうる。従って、これらの化合物を反応促進剤として用いる場合は、不純物量が極力少なくなるように精製して用いることが好ましく、反応促進剤に含まれる不純物量を定量の上、組成物全量に対して0.1質量%以下になるよう調整することが好ましく、0.05質量%以下になるようにすることがより好ましい。この含量以下であれば、バインダー前駆体を反応させる際にエポキシドと不純物のアミン類が速やかに反応してウレア結合に転化して1級アミン、2級アミンが消失し、長期間の光照射下での黄変を未然に防ぐことができ、かつ、本来起こるべきエポキシドとカルボン酸無水物との反応によるバインダー生成過程及びその物性に顕著な影響を及ぼさないようにすることができる。また、反応初期の反応活性化を目的として、0.1質量%以下の添加量の範囲においては意図的に多官能1級アミン、2多官能級アミン化合物を添加して、反応促進剤の補助剤としてもよい。
上述したエポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体は、エポキシドとカルボン酸無水物基との反応が1対1の量比で起こることからその混合比は各官能基の当量比が1対1である場合に互いに過不足なく反応が完了すると考えられるが、得られるバインダーの各種物性を適宜調節するために、その当量比を調節することができる。好ましくは、エポキシドの官能基当量と、酸無水物の官能基当量との当量比が、1:0.8〜1:1.1が好ましく、1:0.9〜1:1がより好ましい。
また、上記では、エポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体を用いる場合について説明したが、エポキシドに代えてオキセタニル基の開環重合反応が可能な環状エーテル化合物(オキセタン化合物)とした組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体も、上記と同様に好適に使用することができる。
<エポキシドと熱重合開始剤との組み合わせ>
本発明の蛍光体分散組成物の、熱硬化反応が熱重合反応である場合の好ましい態様としては、熱硬化性化合物がエポキシドを含み、バインダー前駆体に熱重合反応の熱重合開始剤を含む態様が挙げられる。
使用するエポキシドとしては、既に述べたエポキシド類が好適に用いられる。特に、環状脂肪族エポキシド類が、反応速度に優れ、得られるバインダーの酸素バリア性及び水蒸気バリア性に優れるため、より好ましい。
この組合せにおいては、重合反応がイオン重合となり膜中が酸性または塩基性に偏ることになるが、この場合に、蛍光体分散組成物全質量に対して0.1質量%より多い多官能1級アミン、多官能2級アミンが存在すると、熱重合開始剤がカチオン重合開始剤の場合は重合反応を抑制するため多量の開始剤を必要とする結果、内部のイオン濃度が上昇して着色の原因となる。また、熱重合開始剤がアニオン重合開始剤である場合、多官能1級アミン、多官能2級アミン上の水素原子の引き抜きが起こりやすくなって着色が加速される原因となりうる。ゆえに、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量は、蛍光体分散組成物全質量に対して0.1質量%以下とする。
熱重合開始剤としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩化合物類、三フッ化ホウ素や、
ハロゲン化亜鉛,ハロゲン化錫,ハロゲン化アルミニウム,ハロゲン化鉄などのルイス酸化合物と3級アミン類や窒素原子含有複素芳香族類との錯塩類、
上述したイミダゾール類、環状アミジン類、及びそれらと有機酸との塩などが例示される。
重合形式は、カチオン重合(熱重合開始剤例:オニウム塩化合物類)であってもよいし、アニオン重合(熱重合開始剤例:イミダゾール類)であってもよい。これらの熱重合開始剤は、その成分の少なくとも一部、または、不純物や分解物に求核性の高い物質が含まれると、蛍光体の表面に吸着してしまいエポキシドの反応速度を弱めたり、同時に蛍光体分散組成物に含まれる蛍光体の発光効率に影響を及ぼすことがある。従って、熱重合開始剤には、求核性の高い成分、特に、1級アミン及び2級アミン類の含有量が少なくなるようにすることが好ましい。
また、長期間の光照射下での黄変を防ぐ観点からも、1級アミン及び2級アミン類の含有量が少なくなるよう設計することが好ましい。具体的には、予め不純物の混入を防ぐ、あるいは、除去を行う、もしくは、熱重合開始剤の添加量を少なく抑えることによって、調製済みの組成物全質量に対し、1級アミン及び2級アミン類が2質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下とすることがより好ましい。更に、熱重合開始剤は芳香環の数が少ないことが好ましい。芳香環を持たない熱重合開始剤(例:環状アミジン類及びその塩類)が特に好ましい。
熱重合開始剤は触媒的に作用し反応で消費されることがないため、微量でも充分その効果を発揮することができる。具体的な添加量としては、バインダー前駆体全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
また、上記では、エポキシドと熱重合開始剤との組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体を用いる場合について説明したが、エポキシドに代えてオキセタニル基の開環重合反応が可能な環状エーテル化合物(オキセタン化合物)とした組み合わせを熱硬化性化合物として含むバインダー前駆体も、上記と同様に好適に使用することができる。
[蛍光体]
本発明の蛍光体分散組成物には、公知の各種蛍光体を用いることができる。例えば、希土類ドーピングガーネット、ケイ酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩、セラミックス蛍光体、硫化物蛍光体、窒化物蛍光体等の無機蛍光体、および、有機蛍光染料および有機蛍光顔料を始めとする有機蛍光物質などである。また、半導体微粒子に希土類をドープした蛍光体、及び、半導体のナノ微粒子(量子ドット、量子ロッド)も好適に用いられる。
長期間の光照射に耐えうる良好な耐久性を有する点で、本発明の蛍光体分散組成物に含まれる蛍光体としては、無機蛍光体及び量子ドットが好ましい。特に、表示装置用の光源に用いる波長変換膜等に本発明の組成物を利用する場合、色再現性に優れた光源を提供する観点から、発光スペクトルの強度半値幅は狭いことが好ましいことから、量子ドットは特に好ましい蛍光体である。
蛍光体は、バインダー前駆体に分散して添加され、バインダー前駆体が反応によりバインダーへと転化する際に、分散された状態が保持されることでバインダー中に蛍光体が分散された状態を実現する。
蛍光体をバインダー前駆体へ添加する際は、微粒子として調製したこれら蛍光体をバインダー前駆体もしくはその構成素材のいずれかに加えて適切な方法で分散して本発明の蛍光体分散組成物を得てもよいし、溶剤中に蛍光体微粒子が分散された分散液を調製し、バインダー前駆体にこの分散液を加えた後に分散液の溶剤を適宜減量または除去して本発明の蛍光体分散組成物を得てもよい。
蛍光体は1種単独で用いることもできるが、所望の蛍光スペクトルが得られるように、異なる波長のものを複数混ぜて使用してもよいし、異なる素材構成の蛍光体同士の組み合わせ(例えば、希土類ドーピングガーネットと量子ドットとの組み合わせ)として用いてもよい。
本発明の蛍光体分散組成物における蛍光体の含有量は、蛍光体分散組成物の全質量に対して、所望の蛍光強度が得られるように調整されるが、例えば蛍光体分散組成物の全質量に対して0.01〜30質量%の範囲が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましい。
量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに、組成及びサイズ、により調整することができる。
量子ドットを蛍光体として用いた場合、発明者らは、従来の1級アミンまたは2級アミンを含む蛍光体分散組成物を用いて得られた蛍光成形体では、上記黄変の問題に加え、蛍光の発光効率が初期から低下する場合があることを見出した。この現象について、発明者らは以下のメカニズムを推測している。
量子ドットは、発光特性の調整および分散性の付与(凝集の防止)を目的として、電子供与性の配位子とともに用いられるのが一般的である。これらの電子供与性の配位子として、例えばトリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)等の置換ホスフィンオキサイド類、オクチルホスフィン酸等の置換ホスフィン酸類、オクチルホスホン酸等の置換ホスホン酸類、1級アミン類、2級アミン類などの単座配位子を用いることが知られている。しかし、バインダー前駆体に含まれる熱硬化性化合物として1級アミンまたは2級アミンを使用する場合、これらは3次元架橋を構成するために多官能のアミンである必要があり、こうした化合物は必然的に複座配位子としての作用を有するため、単座配位子よりも配位能が高くなる。本発明者は、上記の作用の結果、多官能1級アミンまたは多官能2級アミンの熱硬化性化合物を含むバインダー前駆体を含む量子ドット分散組成物は、これら多官能1級アミンや多官能2級アミンが、意図せず量子ドットに元々配位している配位子と配位子交換を起こし、量子ドット本来の発光性能を損なったものと考えている。
本発明の蛍光体分散組成物は、既に述べてきたように、バインダー前駆体の熱硬化性化合物として多官能1級アミンまたは多官能2級アミンを全質量に対して0.1質量%以下で含む構成としていることから、電子供与性が低く、量子ドットに元々配位している配位子と配位子交換による影響を小さく抑制できる。従って、蛍光体として量子ドットを用いた場合においても、上記配位子交換による影響を小さく抑制でき、量子ドット本来の発光性能を発現可能なものとなる。以上より、蛍光体として量子ドットを用いた場合は、本発明の蛍光体分散組成物は、上記本発明の課題を解決する効果に加え、量子ドット本来の発光性能を発現可能な蛍光成形体、波長変換層、波長変換体を得られるという効果を奏する。配位能の尺度としては、酸解離定数(pKa)を指標とすることができる。すなわち、量子ドットの配位子より低い酸解離定数を有するバインダー前駆体を用いることが好ましいひとつの様態である。
[その他の添加剤]
本発明の蛍光体分散組成物には、必要に応じ各種の機能性添加剤を加えることができる。例えば、基材等への塗布適性を付与するための粘度調整剤(チキソトロピー付与剤)、比重調整剤、反応性希釈剤、溶剤、レベリング剤、消泡剤等、基材との密着を改良するための密着改良剤、表面エネルギー調整剤、長期間の光照射下での劣化を防止するための酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、水分ゲッター剤、酸素ゲッター剤等、所望の蛍光発光スペクトルを得るためのUV吸収剤、可視光吸収剤、IR吸収剤等、蛍光体の分散を補助するための分散助剤、ミセル化剤、粘度調製剤等、フィルム等の成形体を形成する際の力学特性、表面特性を調節するための可塑剤、脆性改良剤、帯電防止剤、防汚剤、フィラー等、成形体の光学特性を調節するための屈折率調整剤、光散乱剤等などである。
<蛍光体分散組成物の調製方法>
本発明の蛍光体分散組成物は、上述の素材を混合することにより得ることができる。ただし、イソシアネート基と水酸基、エポキシドとカルボン酸無水物基、及び、熱重合開始剤とエポキシド、等のように、上記熱硬化性化合物及びその熱硬化反応に寄与する反応促進剤や熱重合開始剤は、混合しただけで微量ずつ反応が始まり、その際に生じる反応熱によって更に反応が加速し意図せずに反応が進行する虞がある。ゆえに、これらの組み合わせを混合してから熱を印加し反応を進行させるまでの時間は短いほうが好ましい。あるいは、冷却により意図しない反応の進行を抑えておくことが好ましい。
蛍光体分散組成物の調製方法の好適な態様としては、上述の組み合わせを個別に調製し、製膜工程(塗布工程)の直前に混合する方法が挙げられる。例えば、多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせにおいては、多価イソシアネート液と、ポリオール液とをそれぞれ調製し、使用の直前に混合する。上述の方法によって添加される蛍光体及びその他の添加剤は、多価イソシアネート液かポリオール液かのいずれか一方、または、両方に予め混合しておけばよい。反応促進剤を用いる場合は、反応促進剤はイソシアネート基に活性なため、ポリオール液側にのみ混合しておくことが好ましい。混合は、ミキシングタンクを用いても攪拌混合してもよいし、スタティックミキサーを用いて送液ライン内で行ってもよい。
また、水分及び酸素は、本発明で好適に用いられるバインダー前駆体の反応を阻害する虞や、硬化後の膜中でバインダー及び蛍光体の劣化を誘起する虞があるため、蛍光体分散組成物中から除去しておくことが好ましい。ゆえに、調製から混合に至るまでの工程は気密タンクを用いて水分及び酸素を充分に除去した環境下で行うことが好ましい。例えばこのような工程は、リキッド・コントロール社(米国)から入手可能な気密型自動調液装置(商品名:ポシラティオ(POSIRATIO))を用いることにより実現が可能である。系中には不活性ガス、例えば乾燥した窒素ガスをフローさせ、適宜、溶存酸素及び溶存水分を除去することで、系中から酸素及び水分を除去することができる。
同様に、エポキシドとカルボン酸無水物とを用いる場合は、エポキシド液とカルボン酸無水物液とをそれぞれ調製する。この際、反応促進剤はエポキシドに対して活性であり、カルボン酸無水物液側にのみ混合しておくことが望ましい。また、エポキシドと熱重合開始剤とを用いる場合は、熱重合開始剤が液状であれば必要に応じ反応性希釈剤等に希釈した液とエポキシド液とを個別に調製してもよいし、熱重合開始剤が固体状の場合は微量のエポキシドに溶解して充分に冷却した副エポキシド液と、主エポキシド液とを個別に調製してもよい。
また、混合した後のバインダー前駆体を、充分に冷却しておくことも好ましい一態様である。この際は冷却により分散した蛍光体や、添加した各種機能性添加剤が凝集または析出しないように充分注意して冷却温度を設定する必要がある。
[蛍光成形体]
本発明の蛍光体分散組成物は、バインダー前駆体を熱硬化させることによりバインダーに転化して蛍光成形体を得ることができる。蛍光成形体の形状をシート状、フィルム状、ロッド状、帯状、ダイス状、レンズ状、その他種々の形状に成形し、更に基材や他の機能層と組み合わせることで、種々の波長変換部材として利用することができる。また、基材上にドット状や格子状のパターンを形成するように成形して用いてもよいし、キャビティ内に充填して成形してもよい。
以上述べたように、本発明の蛍光体分散組成物は、励起光照射により蛍光を発する蛍光体がバインダー中に分散されてなる蛍光成形体の、熱硬化反応による形成に用いられるものであり、熱硬化反応により形成されるバインダ−の前駆体に、熱硬化反応により三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、熱硬化性化合物としての多官能1級アミン、多官能2級アミンの合計含有量が蛍光体分散組成物全質量に対し0.1質量%以下としている。かかる構成によれば、長時間の光照射で生じるアミン化合物の反応による黄変を未然に防ぐことができるため、数十μm〜数百μmの厚膜であっても反りや硬化むらが小さい膜を製膜できるという熱硬化製膜の利点を有し、且つ、耐光性に優れ、長期信頼性に優れる蛍光成形体を製造することができる。
従って、本発明の蛍光体分散組成物を熱硬化させて形成されてなる蛍光成形体は、反りや硬化むらが小さく、且つ、耐光性に優れ、出射光の強度及び色味の長期信頼性に優れている。
「波長変換部材及びバックライトユニット」
上記本発明の蛍光体分散組成物を熱硬化させて形成されたシート状、フィルム状の蛍光成形体は、液晶表示装置のバックライトを構成する波長変換部材に備えられてなる波長変換層として好適である。
図面を参照して、本発明にかかる一実施形態の波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニットについて説明する。図1は、本実施形態の波長変換部材を備えたバックライトユニットの概略構成断面図であり、図2は、本実施形態の波長変換部材の概略構成断面図である。本明細書の図面において、視認しやすくするために各部の縮尺を適宜変更して示してある。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1に示されるように、バックライトユニット2は、一次光(青色光LB)を出射する光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源1Cと、面状光源1C上に備えられてなる波長変換部材1Dと、波長変換部材1Dを挟んで面状光源1Cと対向配置される再帰反射性部材2Bと、
面状光源1Cを挟んで波長変換部材1Dと対向配置される反射板2Aとを備えており、波長変換部材1Dは、面状光源1Cから出射された一次光LBの少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、この蛍光からなる二次光(LG,LR)及び波長変換部材1Dを透過した一次光LBを出射するものである。
図2に示されるように、波長変換部材1Dは、励起光により励起されて蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層30と、波長変換層30の両面に備えられている基板11,21とを有しており、基材11と21の波長変換層30側の面には、有機バリア層12a,22aと無機バリア層12b,22bとを有するバリア層12,22が基材11と21に接して形成されている。また、基材11は、波長変換層30側の面と反対側の面に、凹凸構造を付与する凹凸付与層13を備えている。本実施形態において、凹凸付与層(マット層)13は、光拡散層としての機能も有している。
図1において、波長変換部材1Dから出射されたLB,LG,LRは、再帰反射性部材2Bに入射し、入射した各光は、再帰反射性部材2Bと反射板2Aとの間で反射を繰り返し、何度も波長変換部材1Dを通過する。その結果、波長変換部材1Dでは充分な量の励起光(青色光LB)が波長変換層30内の量子ドット30A、30Bによって吸収され、必要な量の蛍光(LG,LR)が発光し、再帰反射性部材2Bから白色光LWが具現化されて出射される。
以下、波長変換部材1Dの各構成要素について説明する。
[波長変換層(波長変換膜)]
本実施形態において、波長変換層(波長変換膜)30は、基材11の表面にバリア層12を備えてなるバリアフィルム10(または、基材21の表面にバリア層22を備えてなるバリアフィルム20)上に、上記本発明の蛍光体分散組成物を塗布して蛍光体分散組成物の塗膜を形成し、塗膜を熱硬化させることによって形成されてなり、有機マトリックス30P中に青色光LBにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット(蛍光体)30Aと、青色光LBにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット(蛍光体)30Bが分散されてなる。なお、図2において量子ドット30A,30Bは、視認しやすくするために大きく記載してあるが、実際は、例えば、波長変換層30の厚み50〜100μmに対し、量子ドットの直径は2〜7nm程度である。
既に述べたように、表示装置用の光源に用いる波長変換膜では、色再現性に優れた光源を提供する観点から、発光スペクトルの強度半値幅は狭い量子ドットが、含まれる蛍光体として好ましい。
量子ドットとしては発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むことができ、本実施形態において、量子ドットは、青色光LBにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、青色光LBにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bである。また、紫外光LUVにより励起されて蛍光(赤色光)LRを発光する量子ドット30Aと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(緑色光)LGを発光する量子ドット30Bと、紫外光LUVにより励起されて蛍光(青色光)LBを発光する量子ドット30C(図示せず)を含むこともできる。
公知の量子ドットには、600nm以上680nm以下の範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30A、520nm以上560nm以下の範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30B、400nm以上500nm以下の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット30C(青色光を発光)が知られている。
量子ドットについては、上記の記載に加えて、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズにより調整することができる。
量子ドットは、上記蛍光体分散組成物に粒子の状態で添加してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で添加してもよい。分散液の状態で添加することが量子ドットの粒子の凝集を抑制する観点から好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。量子ドットは、蛍光体分散組成物の全量100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部程度添加することができる。
蛍光体分散組成物において、量子ドットの含有量は、重合性組成物に含まれる硬化性化合物の全質量に対し0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
波長変換層30は、上記本発明の蛍光体分散組成物を熱硬化して形成されてなるので、反りや硬化むらが小さく、且つ、耐光性に優れ、出射光の強度及び色味の長期信頼性に優れている。
シート状またはフィルム状の形態において、波長変換層30は強靭であることが好ましい。すなわち、引張りや折り曲げにおいても破断、クラック等の破壊や伸びによる永久変形を起こさないことが好ましい。既に基材等に積層されている波長変換層についてこれらの特性を評価するには、基材等の不必要な構成部材を切削もしくは研磨等で物理的に除去して波長変換層のみとした後、試験すればよい。また、蛍光体分散組成物自体もしくはその原料を入手できる場合は、剥離除去可能な支持体上に膜を形成したのち剥ぎ取って、波長変換層のみを得てこれらを試験して測定することができる。
波長変換層の引張り強度としては、JIS K−7113に準拠した測定法において、20〜7000MPaの範囲が好ましく、30〜2000MPaの範囲がより好ましい。この範囲であると、ずり応力が印加されても波長変換層が歪まず、また、巻き取りや加工に必要な柔軟性とが両立されうる。また、破断伸度は5%〜200%の範囲が好ましく、10%〜100%がより好ましい。破断伸度がこの範囲であると、後述する折り曲げ試験や、搬送時の張力や基材の湿熱膨張によって生じる引張り応力で破壊されることがなく、過度に伸びて永久変形を起こすこともない。
折り曲げ耐性としては、ショッパー耐折試験においてJIS P―8114:2003に基づき試験を行い、破壊まで10回以上耐えることが好ましく、50回以上耐えることがより好ましい。
マルテンス硬度(石英ガラス上に置いて測定した場合)は、70〜300MPaの範囲が好ましく、100〜200MPaの範囲が好ましい。この範囲であると、他部材との接触や製造中の接触による波長変換層の凹みが生じにくく、かつ、波長変換層が適度にクッションになることによって基材が損傷することも抑えられる。
[バリアフィルム]
波長変換層30を挟持するバリアフィルム10,20は、水分及び/又は酸素の透過を抑制する機能を有するフィルムであり、本実施形態では、基材11,21上にバリア層12,22をそれぞれ備えた構成を有している。かかる態様では、基材の存在により、波長変換部材1Dの強度が向上され、且つ、容易に製膜を実施することができる。
なお、本実施形態ではバリア層12,22が基材11,21により支持されてなるバリアフィルム10,20が、波長変換層30の両主面にバリア層12,22が隣接して備えられている波長変換部材について示してあるが、バリア層12,22は基材11,21に支持されていなくてもよく、また、基材11,21がバリア性を充分有している場合は、基材11,21のみでバリア層を形成してもよい。
また、バリアフィルム10,20は、本実施形態のように、波長変換層30の両面に備えられた態様が好ましいが、片面にだけ備えられた態様であってもよい。
バリアフィルムは、可視光領域における全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率の平均値を示す。
バリアフィルム10,20の酸素透過率は1.00cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。バリアフィルム10,20の酸素透過率は、より好ましくは、0.10cm/(m・day・atm)以下、更に好ましくは、0.01cm/(m・day・atm)以下である。なお、本明細書において、酸素透過率は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、本明細書において、酸素透過率の単位は、[cm/(m・day・atm)]を使用している。酸素透過率1.0cm/(m・day・atm)は、SI単位系では酸素透過率1.14×10−1fm/(s・Pa)に相当する。
バリアフィルム10,20は、酸素を遮断するガスバリア機能に加え、水分(水蒸気)を遮断する機能を有している。波長変換部材1Dにおいて、バリアフィルム10,20の透湿度(水蒸気透過率)は0.10g/(m・day・atm)以下である。バリアフィルム10,20の透湿度は、好ましくは、0.01g/(m・day・atm)以下である。本明細書において、バリア層の透湿度は、測定温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で、G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法(カルシウム法)を用いて測定した値である。本明細書において、透湿度の単位は、[g/(m・day・atm)]を使用している。透湿度0.1g/(m・day・atm)は、SI単位系では透湿度1.14×10−11g/(m・s・Pa)に相当する。
<基材>
基材11,21の平均膜厚は、波長変換部材の耐衝撃性等の観点から、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上400μm以下であることがより好ましく、30μm以上300μm以下であることが好ましい。波長変換層30に含まれる量子ドット30A,30Bの濃度を低減した場合や、波長変換層30の厚みを低減した場合のように、光の再帰反射を増加させる態様では、波長450nmの光の吸収率がより低いことが好ましいため、輝度低下を抑制する観点から、基材11,21の平均膜厚は、40μm以下であることが好ましく、25μm以下であることが更に好ましい。
波長変換層30に含まれる量子ドット30A,30Bの濃度をより低減させる、あるいは波長変換層30の厚みをより低減させるには、LCDの表示色を維持するためにバックライトユニットの再帰反射性部材2Bに、プリズムシートを複数枚設ける等、光の再帰反射を増加させる手段を設けて更に励起光が波長変換層を通過する回数を増加させる必要がある。従って、基材は可視光に対して透明である透明基材であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における光線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。基材については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。
また、基材11,21は、波長589nmにおける面内リターデーションRe(589)が1000nm以下であることが好ましい。500nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。
波長変換部材1Dを作製した後、異物や欠陥の有無を検査する際、2枚の偏光板を消光位に配置し、その間に波長変換部材を差し込んで観察することで、異物や欠陥を見つけやすい。基材のRe(589)が上記範囲であると、偏光板を用いた検査の際に、異物や欠陥をより見つけやすくなるため、好ましい。
ここで、Re(589)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルタをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
基材11,21としては、酸素及び水分に対するバリア性を有する基材が好ましい。かかる基材としては、薄手ガラス、ポリエチレンテレフタレートフィルム、環状オレフィン構造を有するポリマーからなるフィルム、及びポリスチレンフィルム等が、好ましい例として挙げられる。
<バリア層>
基材11,21は、波長変換層30側の面に接して形成されてなる少なくとも1層の無機バリア層12b,22bを含むバリア層12,22を備えてなることが好ましい。
バリア層12,22は、図2に示されるように、基材11,21と無機バリア層12b,22bとの間に少なくとも1層の有機バリア層12a,22aを備えていてもよい。有機バリア層12a,22aは、無機バリア層12b,22bと波長変換層30との間に設けられていてもよい。バリア層を複数の層から構成することは、より一層バリア性を高めることができるため、耐光性向上の観点から好ましい。有機バリア層は、無機バリア層12b,22bと波長変換層30との間に設けられていることも好ましい。この場合、有機バリア層は、バリア被覆層(オーバーコート層)と称することもある。
バリア層12,22は、基材11,21を支持体としてその表面に成膜されることにより形成される。従って、基材11,21と、その上に設けられたバリア層12,22とでバリアフィルム10,20を構成している。バリア層12,22を設ける場合は、基材は高い耐熱性を有していることが好ましい。波長変換部材1Dにおいて、波長変換層30に隣接している、バリアフィルム10,20中の層は、無機バリア層でも有機バリア層でもよく、特に限定されない。
バリア層12,22は、複数の層により構成されてなる方がより一層バリア性を高めることができるため、耐光性向上の観点からは好ましいが、層数が増えるほど、波長変換部材の光透過率は低下する傾向があるため、良好な光透過率とバリア性とを考慮して設計されることが好ましい。
(無機バリア層)
「無機層」とは、無機材料を主成分とする層であり、好ましくは無機材料のみから形成される層である。
バリア層12,22に好適な無機バリア層12b,22bとしては、特に限定されず、金属、無機酸化物、窒化物、酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウム及びセリウムが好ましく、これらを一種又は二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタンを挙げることができる。また、無機バリア層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜、銀膜、錫膜、クロム膜、ニッケル膜、チタン膜を設けてもよい。
上記の材料の中でも、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、又はアルミニウム酸化物を含む無機バリア層が特に好ましい。これらの材料からなる無機バリア層は、有機バリア層との密着性が良好であることから、無機バリア層にピンホールがある場合でも、有機バリア層がピンホールを効果的に埋めることができ、バリア性をより一層高くすることができる。
また、バリア層における光の吸収を抑制する観点からは、窒化ケイ素がもっとも好ましい。
無機バリア層の形成方法としては、特に限定されず、例えば成膜材料を蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種成膜方法を用いることができる。
無機バリア層の形成方法の例としては、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical VaporDeposition法、PVD法)、酸化ケイ素の蒸着膜を成膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長(Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。
無機バリア層の厚さは、1nm〜500nmであればよく、5nm〜300nmであることが好ましく、特に10nm〜150nmであることがより好ましい。無機バリア層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機バリア層における光の吸収を抑制することができ、光透過率がより高い波長変換部材を提供することができるからである。
(有機バリア層)
有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、更には80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。有機バリア層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機バリア層は、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機バリア層と隣接する層との密着性、特に、無機バリア層とも密着性が良好になり、より一層優れたバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、上述の特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機バリア層の膜厚は、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機バリア層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機バリア層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法又はドライコーティング法により形成される有機バリア層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
無機バリア層、有機バリア層のその他詳細については、上述の特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
(バリアフィルムの設計変更)
波長変換部材1Dにおいて、波長変換層、無機バリア層、有機バリア層、基材は、この順に積層されていてもよく、無機バリア層と有機バリア層との間、二層の有機バリア層の間、又は二層の無機バリア層の間に、基材を配して積層されていてもよい。
<凹凸付与層(マット層)>
バリアフィルム10,20は、波長変換層30側の面と反対側の面に、凹凸構造を付与する凹凸付与層(マット層)13を備えていることが好ましい。バリアフィルムがマット層を有していると、バリアフィルムのブロッキング性、滑り性を改良することができるため、好ましい。マット層は粒子を含有する層であることが好ましい。粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等が挙げられる。また、マット層は、バリアフィルムの波長変換層とは反対側の表面に設けられることが好ましいが、両面に設けられていてもよい。
<光散乱層>
波長変換部材1Dは、量子ドットの蛍光を効率よく外部に取り出すために光散乱機能を有することができる。光散乱機能は、波長変換層30内部に設けてもよいし、光散乱層として光散乱機能を有する層を別途設けてもよい。
また、基材の波長変換層とは反対側の面に光散乱層を設けてもよいし、上記凹凸付与層に光散乱機能を付与して、光散乱機能を有する凹凸付与層としてもよい。
[波長変換層の製造方法]
以下に、波長変換層30の両面に、基材11,21上にバリア層12,22を備えてなるバリアフィルム10,20を備えた態様の上記波長変換部材1Dを、光硬化により製造する場合を例に、本発明の波長変換部材の製造方法について、図3,図4を参照して説明する。ただし、本発明は、下記態様に限定されるものではない。
本実施形態において、波長変換層30は、調製した上記本発明の蛍光体分散組成物をバリアフィルム10,20の表面に塗布した後に加熱により硬化させ、形成することができる。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
硬化条件は、使用する硬化性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。また、蛍光体分散組成物が溶媒を含む組成物である場合には、硬化を行う前に、溶媒除去のために乾燥処理を施してもよい。
図3は、波長変換部材1Dの製造装置の一例の概略構成図であり、図4は、図3に示す製造装置の部分拡大図である。図3に示される製造装置は、蛍光体分散組成物等の塗布液をバリアフィルム10上に塗布する塗布部120と、塗布部120にて形成された塗膜30M上にバリアフィルム20をラミネートするラミネート部130と、塗膜30Mを硬化させる硬化部160とを有しており、塗布部120では、ダイコーター124によるエクストル-ジョンコーティング法により塗膜30Mが形成される構成としている。
図3、4に示す製造装置を用いる波長変換部材の製造工程は、連続搬送される第一のバリアフィルム10(以下、「第一のフィルム」という。)の表面に蛍光体分散組成物を塗布し塗膜30Mを形成する工程と、塗膜30Mの上に、連続搬送される第二のバリアフィルム20(以下、「第二のフィルム」ともいう。)をラミネートし(重ねあわせ)、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで塗膜30Mを挟持する工程と、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで塗膜30Mを挟持した状態で、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20の何れかをバックアップローラ126に巻きかけて、連続搬送しながら加熱し、塗膜を重合硬化させて波長変換層(硬化層)を形成する工程とを少なくとも含む。本実施形態では、第一のフィルム10、第二のフィルム20の双方に、酸素や水分に対するバリア性を有するバリアフィルムを用いている。かかる態様とすることにより、波長変換層の両面がバリアフィルムにより保護された波長変換部材1Dを得ることができる。
より詳しくは、まず、図示しない送出機から第一のフィルム10が塗布部120へと連続搬送される。送出機から、例えば、第一のフィルム10が1〜50m/分の搬送速度で送出される。但し、この搬送速度に限定されない。送出される際、例えば、第一のフィルム10には、20〜150N/mの張力、好ましくは30〜100N/mの張力が加えられる。
塗布部120では、連続搬送される第一のフィルム10の表面に蛍光体分散組成物(以下、「塗布液」とも記載する。)が塗布され、塗膜30M(図4参照)が形成される。塗布部120では、例えば、ダイコーター124と、ダイコーター124に対向配置されたバックアップローラ126とが設置されている。第一のフィルム10の塗膜30Mの形成される表面と反対の表面をバックアップローラ126に巻きかけて、連続搬送される第一のフィルム10の表面にダイコーター124の吐出口から塗布液が塗布され、塗膜30Mが形成される。ここで塗膜30Mとは、第一のフィルム10上に塗布された硬化前の蛍光体分散組成物をいう。
本実施形態では、塗布装置としてエクストルージョンコーティング法を適用したダイコーター124を示したが、これに限定されない。例えば、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法等、種々の方法を適用した塗布装置を用いることができる。
塗布部120を通過し、その上に塗膜30Mが形成された第一のフィルム10は、ラミネート部130に連続搬送される。ラミネート部130では、塗膜30Mの上に、連続搬送される第二のフィルム20がラミネートされ、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで塗膜30Mが挟持される。
ラミネート部130には、ラミネートローラ132と、ラミネートローラ132を囲う加熱チャンバー134とが設置されている。加熱チャンバー134には第一のフィルム10を通過させるための開口部136、及び第二のフィルム20を通過させるための開口部138が設けられている。
ラミネートローラ132に対向する位置には、バックアップローラ162が配置されている。塗膜30Mの形成された第一のフィルム10は、塗膜30Mの形成面と反対の表面がバックアップローラ162に巻きかけられ、ラミネート位置Pへと連続搬送される。ラミネート位置Pは第二のフィルム20と塗膜30Mとの接触が開始する位置を意味する。第一のフィルム10はラミネート位置Pに到達する前にバックアップローラ162に巻きかけられることが好ましい。仮に第一のフィルム10にシワが発生した場合でも、バックアップローラ162によりシワがラミネート位置Pに達するまでに矯正され、除去できるからである。従って、第一のフィルム10がバックアップローラ162に巻きかけられた位置(接触位置)と、ラミネート位置Pまでの距離L1は長いことが好ましく、例えば、30mm以上が好ましく、その上限値は、通常、バックアップローラ162の直径とパスラインとにより決定される。
本実施の好ましい一形態では硬化部160で使用されるバックアップローラ162とラミネートローラ132とにより第二のフィルム20のラミネートが行われる。即ち、硬化部160で使用されるバックアップローラ162が、ラミネート部130で使用するローラとして兼用される。ただし、上記形態に限定されるものではなく、ラミネート部130に、バックアップローラ162と別に、ラミネート用のローラを設置し、バックアップローラ162を兼用しないようにすることもできる。
硬化部160で使用されるバックアップローラ162をラミネート部130で使用することで、ローラの数を減らすことができる。また、バックアップローラ162は、第一のフィルム10に対するヒートローラとしても使用できる。
図示しない送出機から送出された第二のフィルム20は、ラミネートローラ132に巻きかけられ、ラミネートローラ132とバックアップローラ162との間に連続搬送される。第二のフィルム20は、ラミネート位置Pで、第一のフィルム10に形成された塗膜30Mの上にラミネートされる。これにより、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより塗膜30Mが挟持される。ラミネートとは、第二のフィルム20を塗膜30Mの上に重ねあわせ、積層することをいう。
ラミネートローラ132とバックアップローラ162との距離L2は、第一のフィルム10と、塗膜30Mを重合硬化させた波長変換層(硬化層)30と、第二のフィルム20と、の合計厚みの値以上であることが好ましい。また、L2は第一のフィルム10と塗膜30Mと第二のフィルム20との合計厚みに5mmを加えた長さ以下であることが好ましい。距離L2を合計厚みに5mmを加えた長さ以下にすることより、第二のフィルム20と塗膜30Mとの間に泡が侵入することを防止することができる。ここでラミネートローラ132とバックアップローラ162との距離L2とは、ラミネートローラ132の外周面とバックアップローラ162の外周面との最短距離をいう。
ラミネートローラ132とバックアップローラ162の回転精度は、ラジアル振れで0.05mm以下、好ましくは0.01mm以下である。ラジアル振れが小さいほど、塗膜30Mの厚み分布を小さくすることができる。
また、第一のフィルム10と第二のフィルム20とで塗膜30Mを挟持した後の熱変形を抑制するため、硬化部160のバックアップローラ162の温度と第一のフィルム10の温度との差、及びバックアップローラ162の温度と第二のフィルム20の温度との差は30℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、最も好ましくは同じである。
バックアップローラ162の温度との差を小さくするため、加熱チャンバー134が設けられている場合には、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を加熱チャンバー134内で加熱することが好ましい。例えば、加熱チャンバー134には、図示しない熱風発生装置により熱風が供給され、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を加熱することができる。
第一のフィルム10が、温度調整されたバックアップローラ162に巻きかけられることにより、バックアップローラ162によって第一のフィルム10を加熱してもよい。
一方、第二のフィルム20については、ラミネートローラ132をヒートローラとすることにより、第二のフィルム20をラミネートローラ132で加熱することができる。ただし、加熱チャンバー134、及びヒートローラは必須ではなく、必要に応じで設けることができる。
次に、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより塗膜30Mが挟持された状態で、硬化部160に連続搬送される。図面に示す態様では、硬化部160における硬化は加熱により行われる。
加熱は、バックアップローラ162を加熱すること、硬化部160に設けた外部加熱装置164により行うことができる。バックアップローラ162は、例えば、40〜150℃の温度範囲に設定することが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。バックアップローラ162の本体に温度調節器を取り付けることにより、バックアップローラ162の温度を調整することができる。ここでローラに関する温度とは、ローラの表面温度をいうものとする。
また、バックアップローラ162の加熱に加えて、バックアップローラ162に対向する位置に設けられた加熱装置164により、熱線照射、あるいは温風吹きつけ等を実施してもよい。このとき、ラミネート位置Pと加熱装置164との距離L3は、例えば30mm以上とすることができる。
硬化部160では、第一のフィルム10と第二のフィルム20とにより塗膜30Mを挟持した状態で、第一のフィルム10をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送しながら加熱を行い、塗膜30Mを硬化させて波長変換層(硬化層)30を形成することができる。
本実施の形態では、第一のフィルム10側をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送したが、第二のフィルム20をバックアップローラ162に巻きかけて、連続搬送させることもできる。
バックアップローラ162に巻きかけるとは、第一のフィルム10及び第二のフィルム20の何れかが、あるラップ角でバックアップローラ162の表面に接触している状態をいう。従って、連続搬送される間、第一のフィルム10及び第二のフィルム20はバックアップローラ162の回転と同期して移動する。
バックアップローラ162は、円柱状の形状の本体と、本体の両端部に配置された回転軸とを備えている。バックアップローラ162の本体は、例えば、φ200〜1000mmの直径を有している。バックアップローラ162の直径φについて制限はない。積層フィルムのカール変形と、設備コストと、回転精度とを考慮すると直径φ300〜500mmであることが好ましい。
熱硬化により塗膜30Mは硬化層30となり、第一のフィルム10と硬化層30と第二のフィルム20とを含む波長変換部材1Dが製造される。波長変換部材1Dは、剥離ローラ180によりバックアップローラ162から剥離される。波長変換部材1Dは、図示しない巻き取り機に連続搬送され、次いで巻き取り機により波長変換部材1Dはロール状に巻き取られる。バックアップローラ162からの剥離の段階で塗膜30Mは必ずしも重合硬化が完結していなくてもよいが、その後の搬送を容易にするため、少なくとも一部が重合硬化していることが好ましい。バックアップローラ162からの剥離の段階で塗膜30Mの重合硬化が完結していない場合、図示しない後加熱手段をさらに設けて加熱を行ない、重合硬化を完結させることができる。重合硬化が10秒未満で完結するほど急速に重合硬化する条件においては、搬送による微弱な振動や搬送テンションによるフィルムの歪み、反応熱による基材の歪み等が反映された形状が歪んだ硬化層となるため、少なくとも1分以上をかけて重合硬化が進むよう条件を調整することが好ましい。硬化工程は、形状の平坦性と製造上の効率とを鑑みて1分以上60分以内が好ましく、2分以上30分以内がより好ましい。
以上、本発明の波長変換部材の製造方法について、バリア層を波長変換層の両面に備えた態様について説明したが、本発明の波長変換層の製造方法は、バリア層を波長変換層30の片面にのみ備えた態様にも適用することができる。かかる態様の波長変換部材は、上記した第二のフィルムとして、バリア層を備えていない基材を用いることにより、製造することができる。
また、上記波長変換部材の製造方法では、第一のフィルム10上に塗膜30Mを形成した後、塗膜30Mを硬化させる前に第二のフィルム20をラミネートし、塗膜30Mを第一のフィルム10と第二のフィルム20とで挟持した状態で塗膜30Mを硬化した。これに対し、バリア層を波長変換層30の片面にのみ備えた態様では、第一のフィルム10上に塗膜30Mを形成した後、塗膜30Mを、必要に応じて行われる乾燥処理の後、硬化を施すことにより波長変換層(硬化層)形成し、必要に応じて波長変換層上に被覆層を形成した後に、バリア層を備えていない基材からなる第二のフィルムを、接着材(及び被覆層)を介して波長変換層上に積層して波長変換部材1Dを形成することもできる。被覆層は、無機層等の一層以上の他の層であり、公知の方法により形成することができる。
波長変換層の厚みは、好ましくは1〜300μmの範囲であり、より好ましくは10〜200μmの範囲であり、さらに好ましくは20〜100μmの範囲である。厚みが1μm以上であると、高い波長変換効果が得られるため、好ましい。また、厚みが300μm以下であると、バックライトユニットに組み込んだ場合に、バックライトユニットを薄くすることができるため、好ましい。
「バックライトユニット」
既に述べたように、図1に示されるバックライトユニット2は、一次光(青色光LB)を出射する光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源1Cと、面状光源1C上に備えられてなる波長変換部材1Dと、波長変換部材1Dを挟んで面状光源1Cと対向配置される再帰反射性部材2Bと、面状光源1Cを挟んで波長変換部材1Dと対向配置される反射板2Aとを備えており、波長変換部材1Dは、面状光源1Cから出射された一次光LBの少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、この蛍光からなる二次光(LG,LR)及び励起光とならなかった一次光LBを出射するものである。
高輝度且つ高い色再現性の実現の観点からは、バックライトユニットとして、多波長光源化されたものを用いることが好ましい。例えば、430nm以上480nm以下の波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、500nm以上600nm未満の波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、600nm以上680nm以下の波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光とを発光することが好ましい。
より一層の輝度及び色再現性の向上の観点から、バックライトユニット2が発光する青色光の波長帯域は、430nm以上480nm以下であることが好ましく、440nm以上460nm以下であることがより好ましい。
同様の観点から、バックライトユニット2が発光する緑色光の波長帯域は、520nm以上560nm以下であることが好ましく、520nm以上545nm以下であることがより好ましい。
また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の波長帯域は、600nm以上680nm以下であることが好ましく、610nm以上640nm以下であることがより好ましい。
また同様の観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光及び赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることが更に好ましく、30nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が25nm以下であることが、特に好ましい。
バックライトユニット2は、少なくとも、上記波長変換部材1Dとともに、面状光源1Cを含む。光源1Aとしては、430nm以上480nm以下の波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、又は、紫外光を発光するものが挙げられる。光源1Aとしては、発光ダイオードやレーザー光源等を使用することができる。
面状光源1Cは、図1に示すように、光源1Aと光源1Aから出射された一次光を導光させて出射させる導光板1Bとからなる面状光源であってもよいし、光源1Aが波長変換部材1Dと平行な平面状に並べて配置され、導光板1Bに替えて拡散板1Eを備えた面状光源であってもよい。前者の面状光源は一般にエッジライト方式、後者の面状光源は一般に直下型方式と呼ばれている。
なお、本実施形態では、光源として面状光源を用いた場合を例に説明したが、光源としては面状光源以外の光源も使用することができる。
(バックライトユニットの構成)
バックライトユニットの構成としては、図1では、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式について説明したが、直下型方式であっても構わない。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
また、反射板2Aとしては、特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
再帰反射性部材2Bは、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、導光器等から構成されていてもよい。再帰反射性部材2Bの構成については、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
「液晶表示装置」
上述のバックライトユニット2は液晶表示装置に応用することができる。図5に示されるように、液晶表示装置4は上記実施形態のバックライトユニット2とバックライトユニットの再帰反射性部材側に対向配置された液晶セルユニット3とを備えてなる。
液晶セルユニット3は、図5に示されるように、液晶セル31を偏光板32と33とで挟持した構成としており、偏光板32,33は、それぞれ、偏光子322、332の両主面を偏光板保護フィルム321と323、331と333で保護された構成としている。
液晶表示装置4を構成する液晶セル31、偏光板32、33及びその構成要素については特に限定はなく、公知の方法で作製されるものや市販品を、何ら制限なく用いることができる。また、各層の間に、接着層等の公知の中間層を設けることも、もちろん可能である。
液晶セル31の駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。VAモードの液晶表示装置の構成としては、特開2008−262161号公報の図2に示す構成が一例として挙げられる。ただし、液晶表示装置の具体的構成には特に制限はなく、公知の構成を採用することができる。
液晶表示装置4には、更に必要に応じて光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
バックライト側偏光板32は、液晶セル31側の偏光板保護フィルム323として、位相差フィルムを有していてもよい。このような位相差フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
バックライトユニット2及び液晶表示装置4は、上記本発明の光ロスの少ない波長変換部材波長変換部材を備えてなる。従って、上記本発明の波長変換部材と同様の効果を奏し、量子ドットを含む波長変換層界面の剥離が生じにくく、発光強度が低下しにくい、高輝度なバックライトユニット及び液晶表示装置となる。
以下に実施例に基づき本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
1.バリアフィルム
(バリアフィルムG)
バリアフィルムGとして、日本板硝子製の超薄板ガラスOA−10G(厚み50μm)を用意した。
(バリアフィルムPET1)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡社製、商品名:コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ38μm)の片面側に以下の手順でバリア層を形成した。尚、コスモシャインA4300は、両面にマット層を有していた。
トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA、ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、商品名:ESACURE(登録商標) KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールトウロールにて上記PETフィルム上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)し、UV硬化にて硬化させ、巻き取った。基材上に形成された第一有機層の厚さは、1μmであった。
次に、ロールトウロールの化学蒸着装置(CVD装置)を用いて、上記有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして有機層の表面に無機層が積層されたバリアフィルムPET1を用意した。
2.蛍光体分散組成物の調製
(実施例1及び実施例10に使用する蛍光体分散組成物1の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調整し、エバポレーターによりトルエンを留去して除き、蛍光体分散イソシアネート液11を調製した。下記において、発光極大波長535nmの量子ドット分散液1は、NN−ラボズ社製CZ520−100を量子ドット濃度1質量%に調製したものとし、また、発光極大波長630nmの量子ドット分散液2は、NN−ラボズ社製CZ620−100を量子ドット濃度1質量%に調製したものとした。これらの量子ドット(市販品)は、いずれもコアとしてCdSe、シェルとしてZnS、及び配位子としてオクタデシルアミンを用いた量子ドットであり、トルエンに3質量%の濃度で分散されている。次に、乾燥窒素雰囲気下で下記のポリオール液12を調製し、イソシアネート液11とポリオール液12とを規定の量比で混合することにより本発明の蛍光体分散組成物1を得た。この際、混合によりこの2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(実施例2に使用する蛍光体分散組成物2の調製)
イソシアネート液としては上述の蛍光体分散イソシアネート液11を用い、ポリオール液として下記のポリオール液22を調製した以外は、上述した蛍光体分散組成物1の調製と同様にして、本発明の蛍光体分散組成物2を得た。この際、混合によりこの2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(実施例3に使用する蛍光体分散組成物3の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、下記の蛍光体分散カルボン酸無水物液31を調製し、得られた蛍光体分散カルボン酸液の21質量部を、乾燥窒素雰囲気下ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製、エポライト400P(商品名))71質量部と混合攪拌し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物2を調製した。
(実施例4に使用する蛍光体分散組成物4の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、下記の蛍光体分散カルボン酸無水物液41を調製し、得られた蛍光体分散カルボン酸液の21質量部を、乾燥窒素雰囲気下ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製、エポライト400P(商品名))71質量部と混合攪拌し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物4を調製した。
(実施例5及び実施例11に使用する蛍光体分散組成物5の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物5を調製した。この際、混合により、室温でも徐々に重合反応が進行するため、蛍光体分散組成物5は後述する塗布工程の直前まで乾燥窒素雰囲気下タンクに封入し、4℃に冷却して貯蔵した。
(実施例6に使用する蛍光体分散組成物6の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物16を調製した。この際、混合により、室温でも徐々に重合反応が進行するため、蛍光体分散組成物6は後述する塗布工程の直前まで乾燥窒素雰囲気下タンクに封入し、4℃に冷却して貯蔵した。
(実施例7に使用する蛍光体分散組成物7の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調整し、超音波分散機で蛍光体微粒子の凝集物を解砕して、蛍光体分散イソシアネート液71を調製した。次いで、乾燥窒素雰囲気下で下記のポリオール液72を調製し、イソシアネート液71とポリオール液72とを規定の量比で混合することにより本発明の蛍光体分散組成物7を得た。この際、混合により、この2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(実施例8に使用する蛍光体分散組成物8の作製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調製し、超音波分散機で蛍光体微粒子の凝集物を解砕して、下記の蛍光体分散カルボン酸無水物液81を調整した。得られた蛍光体分散カルボン酸液の21質量部を、乾燥窒素雰囲気下ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製、エポライト400P(商品名))71質量部と混合攪拌し、蛍光体分散組成物8を調製した。
(実施例9に使用する蛍光体分散組成物9の作製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、超音波分散機で蛍光体微粒子の凝集物を解砕して、蛍光体分散組成物9を調製した。この際、室温でも徐々に重合反応が進行するため、蛍光体分散組成物9は後述する塗布工程の直前まで乾燥窒素雰囲気下タンクに封入し、4℃に冷却して貯蔵した。
(比較例1に使用する蛍光体分散組成物10の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、蛍光体分散エポキシ硬化剤液101を調製した。蛍光体分散エポキシ硬化剤液71と、2液硬化型エポキシ主剤パート1(エポキシド、ロックタイト社製 E―30CL)とを混合質量比を25:75となるように混合して比較例の蛍光体分散組成物10を得た。この際、混合により、この2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(比較例2に使用する蛍光体分散組成物11の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、超音波分散機で蛍光体微粒子の凝集物を解砕して、蛍光体分散エポキシ硬化剤液111を調製した。蛍光体分散エポキシ硬化剤液81と、2液硬化型エポキシ主剤パート1(エポキシド、ロックタイト社製 E―30CL)とを混合質量比を25:75となるように混合して比較例の蛍光体分散組成物11を得た。この際、混合により、この2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(比較例3に使用する蛍光体分散組成物12の調製)
イソシアネート液としては上述の蛍光体分散イソシアネート液11を用い、ポリオール液として下記のポリオール液122を調製した以外は、上述した蛍光体分散組成物1の調製と同様にして、本発明の蛍光体分散組成物12を得た。この際、混合によりこの2成分は速やかに反応を開始するため、後述する塗布工程の直前までこれら2液を別々のタンクに乾燥窒素雰囲気下貯蔵した。
(比較例4に使用する蛍光体分散組成物13の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、下記の蛍光体分散カルボン酸無水物液131を調製し、得られた蛍光体分散カルボン酸液の21質量部を、乾燥窒素雰囲気下ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製、エポライト400P(商品名))71質量部と混合攪拌し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物13を調製した。
(比較例5に使用する蛍光体分散組成物14の調製)
乾燥窒素雰囲気下、下記の蛍光体分散液を調製し、エバポレーターでトルエンを留去して除き、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、蛍光体分散組成物14を調製した。この際、混合により、室温でも徐々に重合反応が進行するため、蛍光体分散組成物14は後述する塗布工程の直前まで乾燥窒素雰囲気下タンクに封入し、4℃に冷却して貯蔵した。
3.波長変換部材の作製
(実施例1)
蛍光体分散イソシアネート液11を貯蔵したタンクとポリオール液12を貯蔵したタンクとを密閉型自動定量送液装置(リキッド・コントロール社製、ポシラティオ)に接続し、蛍光体分散イソシアネート液11とポリオール液12とが質量比で35:65となるようインラインミキサーで混合しながらダイコーターに供給した。この方法により、ダイコーター吐出口からは均一に混合された蛍光体分散組成物1が供給された。
第一のバリアフィルムGを用意し、1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、ダイコーターで蛍光体分散組成物1を一表面上に塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成された第一のバリアフィルムGをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に第二のバリアフィルムGをラミネートし、第一、および第二のバリアフィルムGで塗膜を挟持した状態で連続搬送しながら、バックアップローラ上で接触式加熱により80℃30秒加温したあと、さらに80℃の加熱ゾーンを5分間通過させた。加熱ゾーン中で蛍光体分散組成物1は硬化し、蛍光体を含有する波長変換層1を形成した。
(実施例2)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層2を形成した。
(実施例3)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物3を用い、加熱ゾーンの温度と通過時間を120℃、10分間とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層3を形成した。
(実施例4)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物4を用い、加熱ゾーンの温度と通過時間を100℃、10分間とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層4を形成した。
(実施例5)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物5を用い、加熱ゾーンの温度を80℃とした以外は実施例3と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層5を形成した。
(実施例6)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物6を用いた以外は実施例5と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層6を形成した。
(実施例7)
蛍光体分散イソシアネート液11とポリオール液12に代えて、蛍光体分散イソシアネート液71とポリオール液72を使用した以外は実施例1と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層7を形成した。
(実施例8)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物8を用いた以外は実施例3と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層8を形成した。
(実施例9)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物9を用いた以外は実施例5と同様にして、蛍光体を含有する波長変換層9を形成した。
(実施例10)
第一および第二のバリアフィルムとして、バリアフィルムGに代えてPET1を用いた以外は実施例1と同様にして蛍光体を含有する波長変換層10を形成した。
(実施例11)
第一および第二のバリアフィルムとして、バリアフィルムGに代えてPET1を用いた以外は実施例1と同様にして蛍光体を含有する波長変換層11を形成した。
(比較例1)
蛍光体分散組成物1として蛍光体分散組成物10を用いた以外は実施例1と同様の工程を行って、蛍光体を含有する波長変換層12を形成した。
(比較例2)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物11を用いた以外は実施例1と同様の工程を行って、蛍光体を含有する波長変換層13を形成した。
(比較例3)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物12を用いた以外は実施例1と同様の工程を行って、蛍光体を含有する波長変換層14を形成した。
(比較例4)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物13を用いた以外は実施例3と同様の工程を行って、蛍光体を含有する波長変換層15を形成した。
(比較例5)
蛍光体分散組成物として蛍光体分散組成物14を用いた以外は実施例5と同様の工程を行って、蛍光体を含有する波長変換層16を形成した。
4.評価
本発明の蛍光体分散組成物の効果を確認するために、上記のようにして実施例及び比較例の波長変換部材について、耐光性及び長期信頼性の評価を行った。耐光性と長期信頼性の指標として、経時輝度変化、及び経時色味変化を確認した。
(初期輝度の評価)
市販のタブレット端末(Amazon社製、Kindle(登録商標) Fire HDX 7”)を分解し、バックライトユニットからQDEF(3M社製量子ドットフィルム)を取り出し、QDEFに代えて矩形に切り出した上記実施例及び比較例の波長変換部材を組み込んだ。このようにして液晶表示装置を作製した。作製した液晶表示装置を点灯させ、全面が白表示になるようにし、導光板の面に対して垂直方向740mmの位置に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)にて測定した。測定結果を表1に示す。
(耐光性試験後の輝度の評価)
矩形に切り出した実施例、比較例の波長変換部材を、メタルハライドランプ(約290nm以下カット)(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm2、温度25℃、湿度60%の条件で1000時間光照射することにより耐光性試験を行った。かかる耐光性試験後に上述の輝度の評価と同様の評価を行って経時輝度変化を確認した。測定結果を表1に示す。
(目視外観評価)
実施例、比較例の波長変換部材について、耐光性試験前の初期外観と、耐光性試験後の外観とを高演色白色光源下、白色背景上で目視比較することにより、実施例および比較例の波長変換部材の色味の評価を行った。その結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例の波長変換部材は、初期輝度が良好で、且つ、耐光性試験後の輝度低下が抑制されていた。基材を超薄板ガラスとした場合も、PETフィルムにバリア層を設けたバリアフィルムPET1とした場合も、実施例の波長変換部材は初期輝度、および耐光性試験後の輝度低下が良好な結果を示していた。
一方、比較例の波長変換部材は耐光性試験後の輝度低下が顕著であった。目視評価において耐光性試験後の比較例の波長変換部材は薄黄色に着色しており、この着色で蛍光体の励起に用いる青光が一部吸収されて輝度が低下したと考えられる。基材の薄板ガラスは光に対して極めて堅牢であるから、この着色およびそれに伴う輝度の低下は、波長変換層の組成に起因するものである。
また、比較例1では、他の実施例に対して初期輝度が低かった。これは、硬化剤として用いるアミン化合物が、蛍光体である量子ドットを保護する配位子に影響して量子ドットの電子状態が変化し発光効率を低下させているものと推定している。同じく量子ドットを蛍光体として用いた実施例1〜3の波長変換材料は好適な初期輝度を維持しており、通常条件下の発光効率においても本発明の蛍光体分散組成物が好適であることが確認された。
1C 面状光源
1D 波長変換部材
2 バックライトユニット
2A 反射板
2B 再帰反射性部材
3 液晶セルユニット
4 液晶表示装置
10,20 バリアフィルム
11,21 基材
12,22 バリア層
13 凹凸付与層(マット層、光拡散層)
30 波長変換膜
30A,30B 量子ドット
30P 有機マトリックス
LB 励起光(一次光、青色光)
LR 赤色光(二次光、蛍光)
LG 緑色光(二次光、蛍光)

Claims (9)

  1. 三次元網目構造を有するバインダー中に少なくとも1種の蛍光体が分散されて含まれてなる蛍光成形体を形成する蛍光体分散組成物であって、
    前記蛍光体と、熱硬化反応により前記バインダーを形成するバインダー前駆体とを含んでなり、
    前記蛍光体が、電子供与性の配位子が配位した量子ドットまたは電子供与性の配位子が配位した量子ロッドであり、
    前記バインダー前駆体が、前記熱硬化反応により前記三次元網目構造を形成する少なくとも1種の熱硬化性化合物を含み、
    前記バインダー前駆体が、下記(a)、(b)または(c)のいずれかの態様であり、
    前記熱硬化性化合物としての多官能1級アミン及び多官能2級アミンの合計含有量が前記蛍光体分散組成物の全質量に対し0.1質量%以下である蛍光体分散組成物。
    (a)前記少なくとも1種の熱硬化性化合物が、多価イソシアネートとポリオールとの組み合わせを含む。
    (b)前記少なくとも1種の熱硬化性化合物が、エポキシドとカルボン酸無水物との組み合わせを含む。
    (c)前記熱硬化反応が熱重合反応であり、前記少なくとも1種の熱硬化性化合物がエポキシドを含み、前記バインダー前駆体が熱重合反応の熱重合開始剤を含む。
  2. 前記多価イソシアネートが、環状脂肪族イソシアネート及び/または鎖状脂肪族イソシアネートである請求項記載の蛍光体分散組成物。
  3. 前記バインダー前駆体が、前記(a)の態様であり、前記多価イソシアネートと前記ポリオールとの前記熱硬化反応を促進する反応促進剤を含む請求項または請求項2記載の蛍光体分散組成物。
  4. 前記バインダー前駆体が、前記(b)の態様であり、前記バインダー前駆体が、前記エポキシドと前記カルボン酸無水物との前記熱硬化反応を促進する反応促進剤を含む請求項1記載の蛍光体分散組成物。
  5. 請求項1〜請求項4いずれか1項記載の蛍光体分散組成物を熱硬化させ蛍光成形体。
  6. 基材上に、請求項1〜請求項4いずれか1項記載の蛍光体分散組成物を熱硬化させてなる波長変換層を有する波長変換膜。
  7. 請求項記載の波長変換膜を備えてなる波長変換部材。
  8. 一次光を出射する面状光源と、
    前記面状光源上に備えられてなる請求項記載の波長変換部材と、
    前記波長変換部材を挟んで前記面状光源と対向配置される再帰反射性部材と、
    前記面状光源を挟んで前記波長変換部材と対向配置される反射板とを備えたバックライトユニットであって、
    前記波長変換部材は、前記面状光源から出射された前記一次光の少なくとも一部を励起光として、蛍光を発光し、前記蛍光からなる二次光を含む光を少なくとも出射するものであるバックライトユニット。
  9. 請求項記載のバックライトユニットと、
    前記バックライトユニットの前記再帰反射性部材側に対向配置された液晶ユニットとを備えてなる液晶表示装置。
JP2015018858A 2015-02-02 2015-02-02 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置 Active JP6506037B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015018858A JP6506037B2 (ja) 2015-02-02 2015-02-02 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置
PCT/JP2016/000504 WO2016125482A1 (ja) 2015-02-02 2016-02-01 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015018858A JP6506037B2 (ja) 2015-02-02 2015-02-02 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016141741A JP2016141741A (ja) 2016-08-08
JP6506037B2 true JP6506037B2 (ja) 2019-04-24

Family

ID=56563836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015018858A Active JP6506037B2 (ja) 2015-02-02 2015-02-02 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6506037B2 (ja)
WO (1) WO2016125482A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019017423A1 (ja) * 2017-07-21 2019-01-24 Dic株式会社 インク組成物及びその製造方法、光変換層並びにカラーフィルタ
WO2019031102A1 (ja) * 2017-08-07 2019-02-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 波長変換部材、発光装置及び照明装置
KR102038228B1 (ko) 2018-07-31 2019-10-29 도레이첨단소재 주식회사 색변환 시트 및 이를 포함하는 백라이트 유닛

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY131962A (en) * 2001-01-24 2007-09-28 Nichia Corp Light emitting diode, optical semiconductor device, epoxy resin composition suited for optical semiconductor device, and method for manufacturing the same
JP4128564B2 (ja) * 2004-04-27 2008-07-30 松下電器産業株式会社 発光装置
JP2008268837A (ja) * 2006-09-27 2008-11-06 Fujifilm Corp 画像読取装置
JP2009229500A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 感光性ハロゲン化銀乳剤の有機溶媒分散物の製造方法、銀塩熱現像感光材料および銀塩熱現像感光材料の画像形成方法
JP2010014666A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Fujifilm Corp 放射線像変換パネル
JP5313632B2 (ja) * 2008-11-04 2013-10-09 富士フイルム株式会社 放射線画像検出器
JP5405156B2 (ja) * 2009-03-10 2014-02-05 株式会社東芝 赤色発光蛍光体およびそれを用いた発光装置
JP5545601B2 (ja) * 2011-11-07 2014-07-09 信越化学工業株式会社 蛍光体高充填波長変換シート、それを用いた発光半導体装置の製造方法、及び該発光半導体装置
JP6337336B2 (ja) * 2013-03-26 2018-06-06 Jnc株式会社 アルコキシシリル基含有シルセスキオキサンおよびその組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016125482A1 (ja) 2016-08-11
JP2016141741A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9958727B2 (en) Wavelength conversion member, backlight unit including wavelength conversion member, liquid crystal display device, and method of manufacturing wavelength conversion member
KR101935295B1 (ko) 양자 도트 함유 적층체의 제조 방법, 양자 도트 함유 적층체, 백라이트 유닛, 액정 표시 장치 및 양자 도트 함유 조성물
US10619092B2 (en) Wavelength conversion film
US10513655B2 (en) Wavelength conversion member, backlight unit including wavelength conversion member, liquid crystal display device, and method of manufacturing wavelength conversion member
JP6295237B2 (ja) バックライトユニット、液晶表示装置および波長変換部材
JP6334747B2 (ja) 光変換部材、バックライトユニット、および液晶表示装置、ならびに光変換部材の製造方法
JP6230974B2 (ja) 光変換部材、バックライトユニット、および液晶表示装置、ならびに光変換部材の製造方法
CN105467671B (zh) 层叠薄膜、背光单元、液晶显示装置及层叠薄膜的制造方法
JP6308975B2 (ja) バックライトユニットおよび液晶表示装置
KR20150133138A (ko) 양자 도트 함유 중합성 조성물, 파장 변환 부재, 백라이트 유닛, 액정 표시 장치, 및 파장 변환 부재의 제조 방법
JP6506037B2 (ja) 蛍光体分散組成物及びそれを用いて得られた蛍光成形体、波長変換膜、波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置
US9651826B2 (en) Wavelength conversion member, backlight unit, and liquid crystal display device
TWI646372B (zh) Optical member manufacturing method, curable resin composition, and touch panel
CN111819262B (zh) 固化性粘接剂组合物、使用了此组合物的粘接片、含有此粘接片的层叠体及其制造方法
JP6499406B2 (ja) 光学部材の製造方法及びそれに用いる硬化性樹脂組成物
WO2016052626A1 (ja) バックライトユニット、液晶表示装置および波長変換部材
JP2023028400A (ja) 研磨フィルム
JP2009163022A (ja) 蓄光式標識板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170308

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170908

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6506037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250