以下、図面と共に本発明に係るネットワークシステム及び制御装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係るネットワークシステム1を示す。ネットワークシステム1は、基地局装置10と、中継ゲートウェイ装置20と、外部網ゲートウェイ装置30と、制御装置40と、移動体伝送網50とを備えて構成される。ネットワークシステム1は、移動体端末60に移動体通信の機能を提供するシステムである。即ち、ネットワークシステム1は、移動体通信網を構成する。
ネットワークシステム1は、自身とは別のネットワークシステムである外部網70に接続されている。図1に示すようにネットワークシステム1は、複数の外部網70に接続されていてもよい。また、外部網70は、必ずしもネットワークシステム1のように移動体通信網でなくてもよく、通信網であればよい。移動体端末60は、ネットワークシステム1を介して、外部網70にデータ通信パケット(データ)を送信することができる。
図1に示すように、ネットワークシステム1を介して移動体通信を行う移動体端末60は、複数存在する。本実施形態における移動体端末60は、予めデータ通信パケットの送信先(通信先)が設定されている。この送信先は、特定の装置であってもよいし、外部網70(に接続される任意の装置)であってもよい。複数の移動体端末60には、送信先が共通する移動体端末60が存在する。
例えば、移動体端末60は、特定のサービスを受けるための装置である。特定のサービスは、移動体端末60のユーザの状態に応じて情報をユーザに提供するものである。移動体端末60は、ユーザの状態を示す物理量を検出するセンサを備えている。移動体端末60は、センサによって検出された物理量を示す情報をデータ通信パケットに含めて、ネットワークシステム1を介して外部網70の装置に送信する。当該送信に応じた情報が外部網70の装置からユーザに提供される。なお、本実施形態に係る移動体端末60は、上記の例のものに限られず、予めデータ通信パケットの送信先が設定されているものであればよい。本実施形態では、移動体端末60のデータ通信パケットの送信先は、外部網70の何れか(例えば、図1に示す「外部網1」又は「外部網2」)である。
移動体端末60には、予め、個々の移動体端末60を識別するための情報である端末識別子が設定されている。端末識別子によって、ネットワークシステム1において個々の移動体端末60が識別される。
基地局装置10は、移動体端末60との間で移動体通信のための電波を送受信する装置である。また、基地局装置10は、ネットワークシステム1において、移動体端末60から送信されるデータ通信パケットを中継する中継装置(第1の中継装置)である。基地局装置10は、移動体端末60から受信したデータ通信パケットを中継ゲートウェイ装置20に出力する。図1に示すように基地局装置10は、通常、ネットワークシステム1に複数設けられている。基地局装置10は、ネットワークシステム1の通信エリアに応じて位置決めされて固定的に設置されている。移動体端末60は、何れかの基地局装置10に無線接続して、移動体通信を行う。即ち、移動体端末60は、何れかの基地局装置10に属して、移動体通信を行う。
中継ゲートウェイ装置20は、ネットワークシステム1において、移動体端末60から送信されるデータ通信パケットを、基地局装置10と外部網ゲートウェイ装置30との間で中継する中継装置(第2の中継装置)である。中継ゲートウェイ装置20は、移動体端末60から送信先までの通信経路上において、基地局装置10と外部網ゲートウェイ装置30との間、即ち、別の中継装置間に設けられている。このように中継ゲートウェイ装置20は、通信経路上において基地局装置10よりも送信先側に設けられている。中継ゲートウェイ装置20は、移動体端末60からのデータ通信パケットを、基地局装置10から入力して、外部網ゲートウェイ装置30に出力する。図1に示すように中継ゲートウェイ装置20は、ネットワークシステム1に複数設けられていてもよい。中継ゲートウェイ装置20は、基地局装置10に対応付けて設けられている。複数の基地局装置10が、1つの中継ゲートウェイ装置20に対応付けられていてもよい。互いに対応付けられた基地局装置10と、中継ゲートウェイ装置20とは、移動体伝送網50を介して接続されており、データ通信パケットを送受信できるようになっている。
外部網ゲートウェイ装置30は、ネットワークシステム1において、移動体端末60から送信されるデータ通信パケットを外部網70との間で中継する中継装置(第2の中継装置)である。外部網ゲートウェイ装置30は、外部網70に接続されており、移動体端末60から送信先までの通信経路上において、中継ゲートウェイ装置20、即ち、別の中継装置と外部網70との間に設けられている。このように外部網ゲートウェイ装置30は、通信経路上において基地局装置10よりも送信先側に設けられている。外部網ゲートウェイ装置30は、移動体端末60からのデータ通信パケットを、中継ゲートウェイ装置20から入力して、外部網70に出力する。中継ゲートウェイ装置20と、外部網ゲートウェイ装置30とは、移動体伝送網50を介して接続されており、データ通信パケットを送受信できるようになっている。
移動体伝送網50は、各中継装置10,20,30間で互いにデータ通信パケットを送受信できるようにするための伝送網である。移動体伝送網50は、従来の移動体通信網に含まれるものと同様の構成である。
移動体端末60が、外部網70に対してデータ通信パケットを送信する場合には、移動体端末60と外部網70との間の通信経路上に設けられる中継装置10,20,30がデータ通信パケットを中継する。例えば、図1に示す「移動体端末1」が「外部網2」にデータ通信パケットを送信する場合には、「基地局装置1」、「中継ゲートウェイ装置1」及び「外部網ゲートウェイ装置1」がデータ通信パケットを中継する。
制御装置40は、中継装置10,20,30が移動体端末60からのデータ通信パケットを中継する際に参照する情報であるパケット転送表のエントリを設定する装置である。制御装置40は、移動体伝送網50に接続されており、各中継装置10,20,30及び移動体端末60との間で信号の送受信を行うことができる。
引き続いて、ネットワークシステム1を構成する各装置10,20,30,40の本実施形態に係る機能を説明する。なお、各中継装置10,20,30は、以下に示す機能以外は、従来の中継装置と同様の機能を有する。図1に示すように基地局装置10は、転送表記憶部11と、中継部12とを備えて構成される。
転送表記憶部11は、データ通信パケットの送信元である移動体端末60と、当該移動体端末60に紐付けられるセッションに対応すると共にデータ通信パケットを出力するトンネルとの対応付けを記憶する第1の記憶手段である。本実施形態におけるデータ通信パケットの転送は、1つのセッションに複数の移動体端末60が紐付けられた上で行われる。1つのセッションに紐付けられる移動体端末60は、データ通信パケットの送信先が共通している(同一である)と共に後述するように予め設定された移動体端末60である。セッションには、予め、個々のセッションを識別するための情報であるセッション識別子が設定されている。
また、本実施形態におけるデータ通信パケットの転送は、セッション毎に中継装置10,20,30の間にトンネルが作成された上で、当該トンネルが用いられて行われる。トンネルには、個々のトンネルを識別するための情報であるトンネル識別子が設定される。各中継装置10,20,30は、トンネル識別子に基づいて、トンネルで接続された相手側の中継装置10,20,30(トンネルの対向装置である中継装置10,20,30)を特定することができる。なお、トンネルは、従来のネットワークシステムの中継装置間で生成されるものと同様のものとすることができる。
転送表記憶部11は、上記の対応付けをパケット転送表で記憶する。図2(a)に、転送表記憶部11が有するパケット転送表を示す。図2(a)に示すように、パケット転送表は、セッション識別子、端末識別子及び出力トンネル識別子を対応付けたエントリを格納する。このセッション識別子は、データ通信パケットの送信元の移動体端末60に紐付けられたセッションのセッション識別子である。この端末識別子は、データ通信パケットの送信元の移動体端末60の端末識別子である。この出力トンネル識別子は、データ通信パケットの出力先となるトンネルのトンネル識別子である。出力先となるトンネルは、自装置10と中継ゲートウェイ装置20との間に設けられたトンネルである。パケット転送表のエントリの設定は、後述するように制御装置40の制御によって行われる。
中継部12は、移動体端末60から送信されたデータ通信パケットを入力して、転送表記憶部11が有するパケット転送表に記憶された対応付けに基づいて、当該データ通信パケットの出力先となるトンネルを特定して当該データ通信パケットを出力する第1の中継手段である。具体的には、中継部12は、以下のようにデータ通信パケットの中継を行う。まず、中継部12は、移動体端末60からネットワークシステム1に対して無線信号により送信されたデータ通信パケットを受信する。図3(a)に、移動体端末60から送信されたデータ通信パケットの構成を示す。当該データ通信パケットは、ヘッダとペイロードとを含んで構成されている。ヘッダには、データ通信パケットの送信元である移動体端末60の端末識別子が含まれる。また、ヘッダには、IP等の従来のデータ通信パケットに含まれる情報も含まれる。
中継部12は、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれる端末識別子を参照する。中継部12は、転送表記憶部11が有するパケット転送表を参照して、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれる端末識別子に対応付けられた出力トンネル識別子を特定する。中継部12は、受信したデータ通信パケットのヘッダの端末識別子を、出力トンネル識別子、即ち、中継ゲートウェイ装置20と基地局装置10間のトンネル識別子に置き換える。図3(b)に、置き換えが行われたデータ通信パケットの構成を示す。中継部12は、ヘッダの置き換えを行ったデータ通信パケットを、上記で特定された出力トンネル識別子で識別されるトンネルに出力する。即ち、中継部12は、出力トンネル識別子で識別されるトンネルで接続される中継ゲートウェイ装置20にデータ通信パケットを送信する。
図1に示すように中継ゲートウェイ装置20は、転送表記憶部21と、中継部22とを備えて構成される。
転送表記憶部21は、セッション毎にデータ通信パケットを入力するトンネルと、データ通信パケットを出力する出力先との対応付けを記憶する第2の記憶手段である。転送表記憶部21は、セッション毎にデータ通信パケットを入力するトンネルと、データ通信パケットを出力するトンネルとの対応付けを記憶する。
転送表記憶部21は、上記の対応付けをパケット転送表で記憶する。図2(b)に、転送表記憶部21が有するパケット転送表を示す。図2(b)に示すように、パケット転送表は、セッション識別子、入力トンネル識別子及び出力トンネル識別子を対応付けたエントリを格納する。このセッション識別子は、データ通信パケットの送信元の移動体端末60に紐付けられたセッションのセッション識別子である。この入力トンネル識別子は、データ通信パケットの入力元となるトンネルのトンネル識別子である。入力元となるトンネルは、自装置20と基地局装置10との間に設けられたトンネルである。この出力トンネル識別子は、データ通信パケットの出力先となるトンネルのトンネル識別子である。出力先となるトンネルは、自装置20と外部網ゲートウェイ装置30との間に設けられたトンネルである。パケット転送表のエントリの設定は、後述するように制御装置40の制御によって行われる。
中継部22は、トンネルを介してデータ通信パケットを入力して、転送表記憶部21が有するパケット転送表に記憶された対応付けに基づいて当該データ通信パケットの出力先を特定して当該データ通信パケットを出力する第2の中継手段である。中継部22は、パケット転送表に記憶された対応付けに基づいて当該データ通信パケットの出力先となるトンネルを特定して当該データ通信パケットを出力する。具体的には、中継部22は、以下のようにデータ通信パケットの中継を行う。まず、中継部22は、トンネルで接続される基地局装置10からデータ通信パケットを受信する。このデータ通信パケットは、上記の通り、移動体端末60から送信されたもの(に基づくデータ通信パケット)である。図3(b)に、基地局装置10から送信されたデータ通信パケットの構成を示す。
中継部22は、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれるトンネル識別子を参照する。このトンネル識別子は、中継ゲートウェイ装置20と基地局装置10間のトンネル識別子であり、入力トンネル識別子に相当する。中継部22は、転送表記憶部21が有するパケット転送表を参照して、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれる入力トンネル識別子に対応付けられた出力トンネル識別子を特定する。中継部22は、受信したデータ通信パケットのヘッダのトンネル識別子を、出力トンネル識別子、即ち、外部網ゲートウェイ装置30と中継ゲートウェイ装置20間のトンネル識別子に置き換える。図3(c)に、置き換えが行われたデータ通信パケットの構成を示す。中継部22は、ヘッダの置き換えを行ったデータ通信パケットを、上記で特定された出力トンネル識別子で識別されるトンネルに出力する。即ち、中継部22は、出力トンネル識別子で識別されるトンネルで接続される外部網ゲートウェイ装置30にデータ通信パケットを送信する。
図1に示すように外部網ゲートウェイ装置30は、転送表記憶部31と、中継部32とを備えて構成される。
転送表記憶部31は、セッション毎にデータ通信パケットを入力するトンネルと、データ通信パケットを出力する出力先との対応付けを記憶する第2の記憶手段である。転送表記憶部31は、セッション毎にデータ通信パケットを入力するトンネルと、データ通信パケットを出力する外部網70との対応付けを記憶する。
転送表記憶部31は、上記の対応付けをパケット転送表で記憶する。図2(c)に、転送表記憶部31が有するパケット転送表を示す。図2(c)に示すように、パケット転送表は、セッション識別子、入力トンネル識別子及び外部網出力論理IF(インターフェース)識別子を対応付けたエントリを格納する。このセッション識別子は、データ通信パケットの送信元の移動体端末60に紐付けられたセッションのセッション識別子である。この入力トンネル識別子は、データ通信パケットの入力元となるトンネルのトンネル識別子である。入力元となるトンネルは、自装置30と中継ゲートウェイ装置20との間に設けられたトンネルである。この外部網出力論理IF識別子は、外部網70にデータ通信パケットを出力する際の外部網出力論理IFを識別するための情報であり、外部網ゲートウェイ装置30に接続されている外部網70毎に予め設定されている。パケット転送表のエントリの設定は、後述するように制御装置40の制御によって行われる。
中継部32は、トンネルを介してデータ通信パケットを入力して、転送表記憶部31が有するパケット転送表に記憶された対応付けに基づいて当該データ通信パケットの出力先を特定して当該データ通信パケットを出力する第2の中継手段である。中継部32は、パケット転送表に記憶された対応付けに基づいて当該データ通信パケットの出力先となる外部網70を特定して当該データ通信パケットを出力する。具体的には、中継部32は、以下のようにデータ通信パケットの中継を行う。まず、中継部32は、トンネルで接続される中継ゲートウェイ装置20からデータ通信パケットを受信する。このデータ通信パケットは、上記の通り、移動体端末60から送信されたもの(に基づくデータ通信パケット)である。図3(c)に、中継ゲートウェイ装置20から送信されたデータ通信パケットの構成を示す。
中継部32は、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれるトンネル識別子を参照する。このトンネル識別子は、外部網ゲートウェイ装置30と中継ゲートウェイ装置20間のトンネル識別子であり、入力トンネル識別子に相当する。中継部32は、転送表記憶部31が有するパケット転送表を参照して、受信したデータ通信パケットのヘッダに含まれる入力トンネル識別子に対応付けられた外部網出力論理IF識別子を特定する。中継部32は、受信したデータ通信パケットのヘッダのトンネル識別子を削除する(当該トンネル識別子の部分を切り取る)。図3(d)に、トンネル識別子の削除を行ったデータ通信パケットの構成を示す。中継部32は、トンネル識別子の削除を行ったデータ通信パケットを、上記で特定された外部網出力論理IF識別子で識別される外部網出力論理IFに出力する。即ち、中継部32は、外部網出力論理IF識別子で識別される外部網出力論理IFでデータ通信パケットを送信することができる外部網70にデータ通信パケットを送信する。
図1に示すように制御装置40は、設定用情報記憶部41と、要求受信部42と、対応設定部43とを備えて構成される。
設定用情報記憶部41は、各中継装置10,20,30におけるパケット転送表のエントリを設定するために用いられる設定用情報を記憶する設定用情報記憶手段である。設定用情報記憶部41は、設定用情報として、セッション毎に送信先が共通する複数の移動体端末60を記憶する。設定用情報記憶部41は、セッション参加端末表及びセッション出力先表で記憶する。図4(a)にセッション参加端末表を示す。図4(a)に示すように、セッション参加端末表は、セッション識別子及び端末識別子を対応付けたエントリを格納する。送信先が共通する移動体端末60は、同一のセッションに紐付けられる。即ち、セッション参加端末表では、送信先が共通する移動体端末60の端末識別子には同一のセッション識別子が対応付けられる。図4(a)に示すセッション参加端末表の例では、端末識別子が「t1」の移動体端末60と、「t2」の移動体端末60とでは、送信先が共通しており、同一のセッション識別子「s0」が対応付けられる。
図4(b)にセッション出力先表を示す。図4(b)に示すように、セッション出力先表は、セッション識別子及び外部網出力論理IF識別子を対応付けたエントリを格納する。この外部網出力論理IF識別子は、セッション識別子で識別されるセッションに紐付けられた移動体端末60の送信先である外部網70に対応する。
また、設定用情報記憶部41は、設定用情報として、基地局装置10、中継ゲートウェイ装置20及び外部網ゲートウェイ装置30の接続関係を記憶する。また、当該接続関係には、外部網ゲートウェイ装置30が有する外部網70との間の外部網出力論理IFも含む。即ち、設定用情報記憶部41に記憶される接続関係には、外部網ゲートウェイ装置30と外部網70との間の接続関係も含まれる。当該接続関係は、通信経路上に位置する装置を特定するために従来のネットワークシステムで記憶されるネットワークシステムの装置間の接続関係と同様のものである。設定用情報記憶部41に記憶される設定用情報は、例えば、ネットワークシステム1を提供する事業者によって予め制御装置40に入力されている。
要求受信部42は、移動体端末60から、当該移動体端末が接続される基地局装置10を特定する情報を含む通信要求を受信する要求受信手段である。移動体端末60は、ネットワークシステム1を介したデータ通信パケットの送信を行う際に、まず、基地局装置10との間で無線接続を確立する。即ち、移動体端末60と基地局装置10との間で無線区間の設定が行われる。無線区間の設定の処理は、後述するように従来技術を用いて行われる。無線区間の設定が行われると、移動体端末60は、制御装置40に対して通信要求である移動体通信網接続要求を送信する。移動体端末60は、送信する移動体通信網接続要求に自端末60の端末識別子と、無線区間を設定した基地局装置10(移動体端末60が所属する基地局装置10)を特定する情報とを含める。要求受信部42は、当該移動体通信網接続要求を受信する。なお、基地局装置10を特定する情報は、移動体端末60ではなく、基地局装置10によって移動体通信網接続要求を中継する際に含められてもよい。要求受信部42は、受信した移動体通信網接続要求を対応設定部43に出力する。
対応設定部43は、要求受信部42からの入力した移動体通信網接続要求、及び設定用情報記憶部41に記憶された設定用情報に基づいて、中継装置10,20,30でのパケット転送表のエントリを設定する対応設定手段である。具体的には、対応設定部43は、以下のようにパケット転送表のエントリを設定する。
対応設定部43は、設定用情報記憶部41が有するセッション参加端末表を参照して、要求受信部42から入力した移動体通信網接続要求に含まれる端末識別子に対応付けられたセッション識別子を取得する。対応設定部43は、設定用情報記憶部41が有するセッション出力先表を参照して、取得したセッション識別子に対応付けられた外部網出力論理IF識別子を取得する。
対応設定部43は、設定用情報記憶部41に記憶されたネットワークシステム1の装置間の接続関係を参照して、移動体通信網接続要求に含まれる情報によって特定される基地局装置10と、取得された外部網出力論理IF識別子によって示される外部網出力論理IFを有する外部網ゲートウェイ装置30との間の通信経路を特定する。即ち、対応設定部43は、移動体端末60から、データ通信パケットの送信先となる外部網70までの通信経路を特定する。対応設定部43は、当該通信経路上に位置する基地局装置10、中継ゲートウェイ装置20及び外部網ゲートウェイ装置30を特定する(通信経路となる中継装置10,20,30を解決する)。特定された各中継装置10,20,30が、パケット転送表のエントリの設定対象となる。
対応設定部43は、特定された各中継装置10,20,30に対して、パケット転送表のエントリの設定を要求するパケット転送表設定要求を送信する。例えば、パケット転送表設定要求の送信は、以下のように行われる。対応設定部43は、まず、パケット転送表のエントリの設定対象として特定された外部網ゲートウェイ装置30に対して、パケット転送表設定要求を送信する。対応設定部43は、送信するパケット転送表設定要求に、上記の処理によって取得されたセッション識別子、特定された中継ゲートウェイ装置20の識別子である中継ゲートウェイ識別子、及び外部網出力論理IF識別子を含める。
各中継装置10,20,30では、例えば、転送表記憶部11,21,31が、制御装置40からのパケット転送表設定要求に基づく、パケット転送表へのエントリの追加を行う。外部網ゲートウェイ装置30では、転送表記憶部31が、制御装置40から送信されたパケット転送表設定要求を受信する。転送表記憶部31は、パケット転送表設定要求に含まれるセッション識別子、中継ゲートウェイ識別子及び外部網出力論理IF識別子を抽出する。転送表記憶部31は、抽出したセッション識別子、抽出した中継ゲートウェイ識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルの識別子である入力トンネル識別子、及び抽出した外部網出力論理IF識別子が対応付けられたエントリが、自身が有するパケット転送表に含まれるか否かを判断する。
転送表記憶部31は、当該エントリがパケット転送表に含まれていないと判断すると、抽出した中継ゲートウェイ識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間にトンネルを作成する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、抽出した中継ゲートウェイ識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルが設けられていない場合、転送表記憶部31は、当該中継ゲートウェイ装置20との間にトンネルを作成する。転送表記憶部31は、当該トンネルの作成に伴い、当該トンネルにトンネル識別子を付与する。転送表記憶部31は、トンネルを作成すると、抽出したセッション識別子、作成したトンネルの識別子である入力トンネル識別子、及び当該外部網出力論理IF識別子が対応付けられたエントリを、自身が有するパケット転送表に新たに格納する。転送表記憶部31は、パケット転送表へのエントリの格納を行うと、制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。転送表記憶部31は、送信するパケット転送表設定応答に、作成したトンネルのトンネル識別子(入力トンネル識別子)を含める。
一方、転送表記憶部31は、当該エントリがパケット転送表に含まれていると判断すると、新たなトンネルを作成せずに制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、抽出した中継ゲートウェイ識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルが既に設けられている場合、新たなトンネルを作成せずに制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。これは、同一のセッションに対応付けられた別の移動体端末60のために既にトンネルが設けられている場合である。転送表記憶部31は、送信するパケット転送表設定応答に、当該エントリのトンネル識別子(入力トンネル識別子)を含める。
対応設定部43は、外部網ゲートウェイ装置30からパケット転送表設定応答を受信する。対応設定部43は、受信したパケット転送表設定応答に含まれるトンネル識別子(外部網ゲートウェイ装置30と、中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルに係るトンネル識別子)を抽出する。続いて、対応設定部43は、パケット転送表のエントリの設定対象として特定された中継ゲートウェイ装置20に対してパケット転送表設定要求を送信する。対応設定部43は、送信するパケット転送表設定要求に、上記の処理によって取得されたセッション識別子、特定された基地局装置10の識別子である基地局装置識別子、及び抽出したトンネル識別子を含める。また、対応設定部43は、当該トンネル識別子によって識別されるトンネルの一方の端点である外部網ゲートウェイ装置30を識別する外部網ゲートウェイ識別子(当該トンネル識別子に対応付けられる外部網ゲートウェイ識別子)もあわせてパケット転送表設定要求に含める。
中継ゲートウェイ装置20では、転送表記憶部21が、制御装置40から送信されたパケット転送表設定要求を受信する。転送表記憶部21は、パケット転送表設定要求に含まれるセッション識別子、基地局装置識別子及びトンネル識別子を抽出する。転送表記憶部21は、抽出したセッション識別子、抽出した基地局装置識別子によって識別される基地局装置10との間のトンネルの識別子である入力トンネル識別子、及び抽出したトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリが、自身が有するパケット転送表に含まれるか否かを判断する。
転送表記憶部21は、当該エントリがパケット転送表に含まれていないと判断すると、抽出した基地局装置識別子によって識別される基地局装置10との間にトンネルを作成する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、抽出した基地局装置識別子によって識別される基地局装置10との間のトンネルが設けられていない場合、転送表記憶部21は、当該基地局装置10との間にトンネルを作成する。転送表記憶部21は、当該トンネルの作成に伴い、当該トンネルにトンネル識別子を付与する。
転送表記憶部21は、当該エントリがパケット転送表に含まれていないと判断すると、上記に加えて、抽出したセッション識別子、及び抽出したトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリが、自身が有するパケット転送表に含まれるか否かを判断する。即ち、同一のセッションで、トンネル識別子で示されるトンネルが既に設けられているか否かを判断する。この場合、パケット転送表設定要求に係る入力トンネルと、当該エントリの入力トンネル識別子によって示されるトンネルとは異なる。転送表記憶部21は、当該エントリがパケット転送表に含まれていないと判断すると、抽出したトンネル識別子に対応付けられる外部網ゲートウェイ識別子によって識別される外部網ゲートウェイ装置30との間にトンネルを作成する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、外部網ゲートウェイ装置30との間の、抽出したトンネル識別子によって識別されるトンネルが設けられていない場合、転送表記憶部21は、当該外部網ゲートウェイ装置30との間にトンネルを作成する。作成されたトンネルのトンネル識別子(出力トンネル識別子)は、抽出したトンネル識別子とされる。
転送表記憶部21は、当該エントリがパケット転送表に含まれていると判断すると、外部網ゲートウェイ装置30との間には新たなトンネルを作成しない。例えば、図2(b)に示すパケット転送表の2行目のエントリの情報が、受信されたパケット転送表設定要求に係る情報であり、1行目のエントリの情報が、既にパケット転送表に格納されている情報である場合、出力トンネル識別子「o3」のトンネルは既に作成されているため、新たに作成されない。
転送表記憶部21は、少なくとも基地局装置10との間のトンネルを作成すると、抽出したセッション識別子、作成した基地局装置10との間のトンネルの識別子である入力トンネル識別子、及び抽出したトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリを、自身が有するパケット転送表に新たに格納する。転送表記憶部21は、パケット転送表へのエントリの格納を行うと、制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。転送表記憶部21は、送信するパケット転送表設定応答に、作成した基地局装置10との間のトンネルのトンネル識別子(入力トンネル識別子)を含める。
一方、転送表記憶部21は、当該エントリがパケット転送表に含まれていると判断すると、新たなトンネルを作成せずに制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、抽出した基地局装置識別子によって識別される基地局装置10との間のトンネル、及び抽出したトンネル識別子によって識別される外部網ゲートウェイ装置30との間のトンネルが既に設けられている場合、新たなトンネルを作成せずに制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。これは、同一のセッションに対応付けられた別の移動体端末60のために既にトンネルが設けられている場合である。転送表記憶部31は、送信するパケット転送表設定応答に、当該エントリのトンネル識別子(入力トンネル識別子)を含める。
対応設定部43は、中継ゲートウェイ装置20からパケット転送表設定応答を受信する。対応設定部43は、受信したパケット転送表設定応答に含まれるトンネル識別子(中継ゲートウェイ装置20と、基地局装置10との間のトンネルに係るトンネル識別子)を抽出する。続いて、対応設定部43は、パケット転送表のエントリの設定対象として特定された基地局装置10に対してパケット転送表設定要求を送信する。対応設定部43は、送信するパケット転送表設定要求に、上記の処理によって取得されたセッション識別子、移動体通信網接続要求に含まれる端末識別子、及び抽出したトンネル識別子を含める。対応設定部43は、当該トンネル識別子によって識別されるトンネルの一方の端点である中継ゲートウェイ装置20を識別する中継ゲートウェイ識別子(当該トンネル識別子に対応付けられる中継ゲートウェイ識別子)もあわせてパケット転送表設定要求に含める。
基地局装置10では、転送表記憶部11が、制御装置40から送信されたパケット転送表設定要求を受信する。転送表記憶部11は、パケット転送表設定要求に含まれるセッション識別子、端末識別子及びトンネル識別子を抽出する。転送表記憶部11は、抽出したセッション識別子、及び抽出したトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリが、自身が有するパケット転送表に含まれるか否かを判断する。即ち、同一のセッションで、トンネル識別子で示されるトンネルが既に設けられているか否かを判断する。転送表記憶部11は、当該エントリがパケット転送表に含まれていないと判断すると、抽出したトンネル識別子に対応付けられる中継ゲートウェイ識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間にトンネルを作成する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、中継ゲートウェイ装置20との間の、抽出したトンネル識別子によって識別されるトンネルが設けられていない場合、転送表記憶部21は、当該中継ゲートウェイ装置20との間にトンネルを作成する。作成されたトンネルのトンネル識別子(出力トンネル識別子)は、抽出したトンネル識別子とされる。
転送表記憶部11は、トンネルを作成すると、抽出したセッション識別子、端末識別子及びトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリを、自身が有するパケット転送表に新たに格納する。一方で、転送表記憶部11は、当該エントリがパケット転送表に含まれていると判断すると、新たなトンネルを作成せずに、抽出したセッション識別子、端末識別子及びトンネル識別子(出力トンネル識別子)が対応付けられたエントリを、自身が有するパケット転送表に新たに格納する。即ち、抽出したセッション識別子によって識別されるセッションについての、抽出したトンネル識別子によって識別される中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルが既に設けられている場合、新たなトンネルを作成せずに、エントリを、自身が有するパケット転送表に新たに格納する。例えば、図2(a)に示すパケット転送表の2行目のエントリの情報が、受信されたパケット転送表設定要求に係る情報であり、1行目のエントリの情報が、既にパケット転送表に格納されている情報である場合、出力トンネル識別子「o1」のトンネルは既に作成されているため、新たに作成されない。転送表記憶部11は、パケット転送表へのエントリの格納を行うと、制御装置40に対してパケット転送表設定応答を送信する。
対応設定部43は、基地局装置10からパケット転送表設定応答を受信する。対応設定部43は、基地局装置10からパケット転送表設定応答を受信すると、移動体通信網接続要求の送信元である移動体端末60に対して移動体通信網接続応答を送信する。移動体端末60は、移動体通信網接続応答を受信する。これにより、外部網70と移動体端末60との間でセッションが確立され、移動体端末60は、外部網70へのネットワークシステム1を介したデータ通信パケットの送信を行うことができるようになる。以上が、本実施形態に係るネットワークシステム1の機能である。
図5に本実施形態に係るネットワークシステム1に含まれる各装置10,20,30,40のハードウェア構成を示す。図5に示すように各装置10,20,30,40は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(RandomAccess Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した各装置10,20,30,40の機能が発揮される。なお、基地局装置10は、ハードウェアとして、上記の構成に加えて、無線信号を送受信するための無線通信モジュールを備えている。以上が、本実施形態に係るネットワークシステム1の構成である。
引き続いて、図6及び図7のフローチャートを用いて、本実施形態に係るネットワークシステム1で実行される処理(ネットワークシステム1の動作方法)を説明する。まず、図6のフローチャートを用いて、各中継装置10,20,30でパケット転送表のエントリが設定される際の処理を説明し、その後、図7のフローチャートを用いて、パケット転送表が用いられてデータ通信パケットが送信される際の処理を説明する。
図6に示すように、本処理では、まず、制御装置40において、設定用情報記憶部41によって、設定用情報が予め記憶される(事前登録される)(S01)。予め記憶される設定用情報は、上述したように図4(a)に示すセッション参加端末表、図4(b)に示すセッション出力先表、及び中継装置10,20,30間の接続関係である。設定用情報の記憶は、例えば、ネットワークシステム1を提供する事業者による操作によって行われる。また、設定用情報の記憶は、処理毎に行われる必要はなく、最初に1度行われればよい。
続いて、移動体端末60と外部網70との間でネットワークシステム1を介した通信路が確立される。処理が行われる(S02〜S18)。本処理では、移動体端末60から基地局装置10に対して、無線区間の設定を要求する無線区間設定要求が無線信号によって送信される(S02)。無線区間設定要求には、送信元の移動体端末60の端末識別子が含められる。基地局装置10では、無線区間設定要求が受信されて、無線区間設定要求に基づいて無線区間の設定の処理が行われる(S03)。無線区間の設定が行われると、基地局装置10から移動体端末60に対して、無線区間設定要求に対する応答である無線区間設定応答が送信される(S04)。移動体端末60では、無線区間設定応答が受信される。以上の処理によって、無線区間の設定が完了する。
無線区間の設定が完了すると、続いて、移動体端末60から制御装置40に対して、移動体通信網接続要求が送信される(S05)。移動体通信網接続要求には、自端末60の端末識別子と、無線区間を設定した基地局装置10を特定する情報とが含められる。制御装置40では、要求受信部42によって、移動体通信網接続要求が受信される(S05)。受信された移動体通信網接続要求は、要求受信部42から対応設定部43に出力される。
続いて、対応設定部43によって、設定用情報記憶部41が有するセッション参加端末表が参照されて、要求受信部42から入力した移動体通信網接続要求に含まれる端末識別子に対応付けられたセッション識別子が取得される(S06)。続いて、対応設定部43によって、設定用情報記憶部41が有するセッション出力先表が参照されて、取得したセッション識別子に対応付けられた外部網出力論理IF識別子が取得される(S07)。続いて、対応設定部43によって、設定用情報記憶部41に記憶されたネットワークシステム1の装置間の接続関係が参照されて、移動体通信網接続要求に含まれる情報によって特定される基地局装置10と、外部網出力論理IF識別子によって示される外部網出力論理IFを有する外部網ゲートウェイ装置30との間の通信経路上に位置する基地局装置10、中継ゲートウェイ装置20及び外部網ゲートウェイ装置30が特定される(S08)。
続いて、対応設定部43によって、特定された外部網ゲートウェイ装置30に対して、パケット転送表設定要求が送信される(S09)。送信するパケット転送表設定要求には、セッション識別子、中継ゲートウェイ識別子及び外部網出力論理IF識別子が含められる。外部網ゲートウェイ装置30では、転送表記憶部31によってパケット転送表設定要求が受信される。続いて、転送表記憶部31によって、パケット転送表のエントリが確認され、確認結果に応じて、パケット転送表設定要求に含まれる情報に基づく自装置30と中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルの作成及びエントリの追加が行われる(S10)。続いて、転送表記憶部31から制御装置40に対して、パケット転送表設定応答が送信される(S11)。パケット転送表設定応答には、当該エントリのトンネル識別子(入力トンネル識別子)が含められる。制御装置40では、対応設定部43によって、パケット転送表設定応答が受信される。
続いて、対応設定部43によって、特定された中継ゲートウェイ装置20に対して、パケット転送表設定要求が送信される(S12)。送信するパケット転送表設定要求には、セッション識別子、基地局装置識別子及びトンネル識別子が含められる。中継ゲートウェイ装置20では、転送表記憶部21によってパケット転送表設定要求が受信される。続いて、転送表記憶部21によって、パケット転送表のエントリが確認され、確認結果に応じて、パケット転送表設定要求に含まれる情報に基づく自装置20と基地局装置10との間のトンネルの作成、自装置20と外部網ゲートウェイ装置30との間のトンネルの作成、及びエントリの追加が行われる(S13)。続いて、転送表記憶部21から制御装置40に対して、パケット転送表設定応答が送信される(S14)。パケット転送表設定応答には、当該エントリのトンネル識別子(入力トンネル識別子)が含められる。制御装置40では、対応設定部43によって、パケット転送表設定応答が受信される。
続いて、対応設定部43によって、特定された基地局装置10に対して、パケット転送表設定要求が送信される(S15)。送信するパケット転送表設定要求には、セッション識別子、端末識別子及びトンネル識別子が含められる。基地局装置10では、転送表記憶部11によってパケット転送表設定要求が受信される。続いて、転送表記憶部21によって、パケット転送表設定要求に含まれる情報に基づく自装置10と中継ゲートウェイ装置20との間のトンネルの作成、及びパケット転送表のエントリの追加が行われる(S16)。続いて、転送表記憶部11から制御装置40に対して、パケット転送表設定応答が送信される(S17)。制御装置40では、対応設定部43によって、パケット転送表設定応答が受信される。
続いて、対応設定部43によって、移動体通信網接続要求の送信元である移動体端末60に対して移動体通信網接続応答が送信される(S18)。移動体端末60では、移動体通信網接続応答が受信される。以上の処理によって、外部網70と移動体端末60との間でセッションが確立され、移動体端末60は、外部網70へのネットワークシステム1を介したデータ通信パケットの送信を行うことができるようになる。
続いて、図7のフローチャートを用いて、パケット転送表が用いられてデータ通信パケットが中継される際の処理を説明する。本処理では、まず、移動体端末60から基地局装置10に対して、外部網70を送信先としたデータ通信パケットが送信される(S21)。ここで送信されるデータ通信パケットは、図3(a)に示すデータパケットAである。基地局装置10では、中継部12によって、データ通信パケットが受信される(S21)。続いて、中継部12によって、転送表記憶部11が有するパケット転送表が参照されて、データ通信パケットの出力先となるトンネルが特定される(S22)。また、この際、データ通信パケットのヘッダの置き換えが行われる。
続いて、中継部12によって、特定されたトンネルで中継ゲートウェイ装置20に対して、データ通信パケットが送信される(S23)。ここで送信されるデータ通信パケットは、図3(b)に示すデータパケットBである。中継ゲートウェイ装置20では、中継部22によって、データ通信パケットが受信される(S23)。続いて、中継部22によって、転送表記憶部21が有するパケット転送表が参照されて、データ通信パケットの出力先となるトンネルが特定される(S24)。また、この際、データ通信パケットのヘッダの置き換えが行われる。
続いて、中継部22によって、特定されたトンネルで外部網ゲートウェイ装置30に対して、データ通信パケットが送信される(S25)。ここで送信されるデータ通信パケットは、図3(c)に示すデータパケットCである。外部網ゲートウェイ装置30では、中継部32によって、データ通信パケットが受信される(S25)。続いて、中継部32によって、転送表記憶部31が有するパケット転送表が参照されて、データ通信パケットの出力先となる外部網出力論理IFが特定される(S26)。また、この際、データ通信パケットのヘッダの削除が行われる。
続いて、中継部32によって、特定された外部網出力論理IFで外部網70に対して、データ通信パケットが送信される(S27)。ここで送信されるデータ通信パケットは、図3(d)に示すデータパケットDである。外部網70に送信されたデータ通信パケットは、所定の装置によって受信される。以上が、パケット転送表が用いられてデータ通信パケットが中継される際の処理である。
上述したように本実施形態では、中継ゲートウェイ装置20及び外部網ゲートウェイ装置30は、データ通信パケットを中継するために、移動体端末60毎の出力先の対応付けではなく、移動体通信網内におけるデータ通信パケットの出力先が同一かつ固定の複数の移動体端末60に紐付けられるセッション毎の対応付けを記憶していればよい。即ち、同じセッションに紐付く移動体端末60から送信されたデータ通信パケットを、パケット転送表における共通のエントリに基づいて中継することができる。これにより、本実施形態では、中継ゲートウェイ装置20及び外部網ゲートウェイ装置30において、データ通信パケットを転送するために用いられるパケット転送表を記憶するために用いられるメモリリソースを低減することができる。特に、例えば、上述した特定のサービスに用いらえるセンサが設けられた移動体端末60といった端末数の種類が多い移動体端末60がネットワークシステム1を介したデータ通信パケットの送信を行う場合であっても、上記のメモリリソースの消費量の増加を抑えることができる。
なお、本実施形態では、移動体端末60とセッションとの対応付けを基地局装置10のパケット転送表で保持することとしていた。しかしながら、必ずしも基地局装置10でその情報を保持する必要はなく、ネットワークシステム1における他の中継装置において保持されていてもよい。但し、メモリリソースの低減の観点からは、移動体端末60に近い中継装置である基地局装置10で保持することとするのがよい。
また、本実施形態では、パケット転送表の設定を移動体端末60から遠い、外部網ゲートウェイ装置30、中継ゲートウェイ装置20、基地局装置10の順番で行っていたが、必ずしも上記の順番で設定する必要はなく、任意の順番で設定することとしてもよい。また、本発明に係るネットワークシステムは、本実施形態に係るネットワークシステム1に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で本実施形態に係るネットワークシステム1を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。