JP6504589B2 - エレベータ装置 - Google Patents

Description

本発明は、エレベータ装置に関するものである。

従来のエレベータ装置として、例えば特許文献１に開示されているように、かご室と、リニアモータを内蔵した釣り合いおもりとを、返し車を介してつるべ式に連結させた、エレベータ装置がある。

このエレベータ装置では、かご室下部に設けられたかご用信号ケーブルと、釣り合いおもり下部に設置されている動力ケーブルとが、スパイレータを介して、昇降路下部に設置されている駆動制御装置に接続される。これによって、かご室もしくは釣り合いおもりが昇降する際に、かご用信号ケーブルもしくは動力ケーブルが巻き取られ、ケーブルの余剰部分を減少させることができる。

特開平８−２６８６６３号公報

しかしながら、上述した特許文献１に記載のエレベータ装置では、昇降路下部にスパイレータが設置されることから、保守作業時における、作業員の退避スペースを決定する自由度が減少する可能性があった。また、昇降行程が長い（階床が多い）場合には、ケーブルが長くなり、スパイレータで巻取る量も多く、スパイレータ本体が大きくなり、これによっても、退避スペースを決定する自由度が減少する可能性があった。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ケーブルの余剰部分を減少させることが可能でありながら、退避スペースを容易に確保することができる、エレベータ装置を得ることを目的とする。

上述した目的を達成するため、本発明は、昇降路内に昇降可能に設けられた、かごと、前記かごを吊り下げる主索と、制御盤と前記かごとを接続するケーブルとを備えたエレベータ装置であって、前記かごには、前記ケーブルの巻き取りおよび繰り出しを行うケーブル巻き取り装置が設けられており、該ケーブル巻き取り装置は、前記かごと一体的に昇降するように該かごに支持されている。

本発明のエレベータ装置によれば、ケーブルの余剰部分を減少させることが可能でありながら、退避スペースを容易に確保することができる。

本発明の実施の形態１のエレベータ装置を示す図である。 本発明の実施の形態１に関し、かごが退避スペース近傍にある状態を示す図である。 説明例に関する、図２と同態様の図である。 本発明の実施の形態２に関し、かごが退避スペース近傍にある状態を示す図である。

以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。

実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１のエレベータ装置を示す図である。図２は、本発明の実施の形態１に関し、かごが退避スペース近傍にある状態を示す図である。エレベータ装置は、かご４および釣り合いおもり５と、主索１０とを備えている。かご４および釣り合いおもり５は、上下に延びる昇降路１内を昇降可能に設けられている。かご４および釣り合いおもり５は、主索１０によって連結されている。すなわち、主索１０は、かご４と、釣り合いおもり５とを、つるべ式に連結する。

昇降路１内の上部には、機械室３が設けられ、昇降路１内の下部には、ピット２が設けられている。機械室３内には、機械台８、巻上機６、そらせ車７および制御盤９が設けられている。機械台８は、機械室３の下部に配置されており、巻上機６およびそらせ車７は、機械台８に載置されている。

巻上機６およびそらせ車７には、主索１０が巻き掛けられている。そして、巻上機６が駆動されると、主索１０が移動され、かご４および釣り合いおもり５が相互に上下反対方向に昇降される。

エレベータ装置は、さらに、ケーブル１１を備えている。ケーブル１１は、かごに対する各種信号等の送受信や電力供給等を行うものであり、制御盤９とかご４とを接続している。

かご４における乗場側には、公知の態様で構成されているかごドア装置１４が設けられている。また、構造物の各乗場の昇降路側には、乗場ドア装置１３が設けられている。

さらに、かご４には、ケーブル巻き取り装置１２が設けられている。ケーブル巻き取り装置１２は、かご４と一体的に昇降するように、かご４に支持されている。本発明として限定されるものではないが、本実施の形態１では、ケーブル巻き取り装置１２は、かご４の下部外側に支持されている。

以上のように構成されて本実施の形態１によれば、次のような利点が得られる。まず、図３の説明例に示されるように、ケーブル１１に対して、ケーブル巻き取り装置１２が設けられていない場合、ケーブル１１が、かご４の下方の空間を大きく占めることとなり、その分、保守作業者の退避スペースを十分に確保するために、ピット２を拡大する必要がある。つまり、ケーブルが存在しないとした場合に必要なピット以上に、ピットを深くしなければならない。

これに対して、本実施の形態１では、かごが、保守モードで運転されている場合に、かごが、昇降路の所定の高さを超えて下降したとき、ケーブル１１を巻き取ると共に、かごが昇降路の所定の高さを超えて上昇したとき、ケーブル１１を繰り出しする。このように、かご４の下方へと垂れ下がるおそれのあるケーブル１１の部分が、ケーブル巻き取り装置１２によって巻き取られるので、作業員１５の安全な作業スペースおよび退避スペースが十分に確保される。また、ピット深さも通常のエレベータ運行時と同様の寸法で運用することができる。

また、本実施の形態１では、上述した特許文献１に開示の技術のように、昇降路下部にスパイレータのような機器を設置することはなく、ケーブル巻き取り装置１２は、昇降路下部ではなくかご４に取り付けられている。よって、作業員の退避スペースの確保が容易に行える。

なお、上記の説明では、保守モードで運転されている場合に、ケーブル１１の巻き取りおよび繰り出しを行う態様を説明したが、この態様に代えて、または、この態様に加えて、通常の運転時、かご４の昇降動作に合わせて、ケーブル１１の巻き取りおよび繰り出しを行うようにしてもよい。ケーブル巻き取り装置１２は、通常の運転時、かご４の昇降動作に合わせて、ケーブル１１の巻き取りおよび繰り出しを行う。通常、エレベータ装置においては、公知の態様で昇降路内におけるかごの高さ位置は容易に分かり、また、ケーブルの長さも設計値として事前に分かっているため、特に何らの対策をしない場合、かごの高さ位置に対応して、ケーブルがどの程度、かごの下方に垂れ下がることとなるかも分かる。本実施の形態１では、かごの高さ位置またはかごの移動量に応じて、ケーブルの巻き取りおよび繰り出しを行う。

以上のように、本実施の形態１によれば、ケーブルの余剰部分を減少させることが可能でありながら、退避スペースを容易に確保することができる。

実施の形態２．
次に、図４に基づき、本発明の実施の形態２について説明する。なお、本実施の形態２は、以下に説明する内容を除いては、上述した実施の形態１と同様であるものとする。

図４は、本発明の実施の形態２に関し、かごが退避スペース近傍にある状態を示す図である。本実施の形態２では、ケーブル巻き取り装置は、かごのドア駆動用モータ１７である。かごのドア駆動用モータ１７は、かごのドアを開閉するために、かご４の上部に設置されている。

また、制御盤９から下方に垂れ下がるケーブル１１の部分を、かごのドア駆動用モータ１７で巻き取るために、かご４の下部には、滑車１８ａ、１８ｂが設けられている。すなわち、いったん、かご４の下方に延びたケーブル１１は、滑車１８ａ、１８ｂに巻き掛けられ、かご４の上部のドア駆動用モータ１７に巻き取られる。なお、ドア駆動用モータ１７は、ケーブル１１を巻き取るだけでなく、必要に応じて、ケーブル１１を巻き出すことは実施の形態１と同様である。

このように構成された本実施の形態２によっても、ケーブルの余剰部分を減少させることが可能でありながら、退避スペースを容易に確保することができる。また、かごのドアを開閉するために本来的に必要なかごのドア駆動用モータを用いるため、専用の巻き取り・巻き出しのモータを設ける場合に比べ、コストを低減することができる利点もある。

以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。

例えば、本発明は、制御ケーブル以外にも、かご、つり合いおもりのトラクション対策として取り付けられるコンペンケーブルに対して、同様に、巻き取り装置を追加し実施することもでき、その場合にも、ケーブルの余剰部分を減少させることが可能でありながら、退避スペースを容易に確保することができる。

１ 昇降路、４ かご、９ 制御盤、１０ 主索、１１ ケーブル、１２ ケーブル巻き取り装置、１７ かごのドア駆動用モータ。

Claims (1)

1. 昇降路内に昇降可能に設けられた、かごと、
   前記かごを吊り下げる主索と、
   制御盤と前記かごとを接続するケーブルと
   を備えたエレベータ装置であって、
   前記かごには、前記ケーブルの巻き取りおよび繰り出しを行うケーブル巻き取り装置が設けられており、該ケーブル巻き取り装置は、前記かごと一体的に昇降するように該かごに支持されており、
   前記ケーブル巻き取り装置は、前記かごのドア駆動用モータである、
   エレベータ装置。

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