JP6503831B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ - Google Patents
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Description
下引き層としては、種々の樹脂材料を用いることが知られているが、中でも特に可溶性ポリアミド樹脂が好ましいことが知られている(特許文献1参照)。そして、可溶性ポリアミド樹脂の中でも特定のジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が、低温低湿下において安定した感光体の電気特性を実現できる樹脂として提案されている(特許文献2参照)。そのようなポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば、酸化チタンと酸化スズを8−ナイロンに分散させた下引き層(引用文献3参照)、耐リーク特性を改善するためにアクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子を用いた下引き層が知られている(特許文献4参照)。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
<2>導電性基体上に、下引き層、及び単層型の感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層が、前記構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有し、前記単層型の感光層が、ユニバーサル硬度が125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上の樹脂を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
を特徴とする<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>該バインダー樹脂のユニバーサル硬度が120N/mm2以下であることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<5>該バインダー樹脂のヤング率が40%以上であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<7>前記構造式(I)を有する有機金属化合物が、金属酸化物粒子に対して、5質量%〜30質量%であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<9>前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して100〜400質量部であることを特徴とする、<1>〜<8>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<10>前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、<1>〜<9>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<12><1>〜<10>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカートリッジ。
<電子写真感光体>
導電性支持体の上に下引き層が形成され、下引き層の上には感光層が形成される。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などの
ものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
本発明では導電性支持体上に、構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有する下引き層が形成される。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
構造式(I)中、R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、接着性の観点から、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R2のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等が挙げられ、接着性の観点から、炭素数4以下のアルキレン基であることが好ましく、n−プロピレン基であることがより好ましい。R3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、アルキル基はR1で例示したものが適用できる。接着性の観点から、炭素数3以下のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はメトキシ基であることがより好ましい。構造式(I)を有する有機金属化合物としては、シランカップリング剤であることが好ましい。前記有機金属化合物の中でも、電気特性及び接着性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、塗布液への分散安定性の観点から、通常平均粒径の上限は100nm以下であり、60nm以下が好ましく、40nm以下が特に好ましい。また、凝集抑制の観点から、下限は1nm以上であり、10nm以上が好ましく、20
nm以上が特に好ましい。塗布液に用いる粒子の粒径は、均一であってもまた、異なる粒径の複合系でもよい。例えば平均一次粒子径が100mのものと30nmのものを混合して用いても良い。
表面処理剤で処理された金属酸化物粒子とバインダー樹脂の比率は、電気特性面から、バインダー樹脂100質量部に対して、通常50質量部以上であり、100質量部以上が好ましい。また、液の安定性及び塗布性の観点から、通常800質量部以下であり、400質量部以下が好ましい。下引き層は主として、構造式(I)を有する有機金属化合物で被覆された金属酸化物粒子とバインダー樹脂で構成されるが、必要に応じて、他の表面処理金属酸化合物粒子(フッ素シラン処理の酸化チタン、メチルジメトキシシラン処理の酸化チタン等)、を加えても良く、メチルジメトキシシラン処理酸化チタンを加えることが、転写性の面等で好ましい。又、表面処理無し金属化合物粒子、酸化防止剤、添加剤、導電剤等を加えても良い。
好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。また、通常20μm以下、残留電位、あるいは導電性基体と感光層との間の接着強度の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下で使用される。下引き層の体積抵抗値は、通常1×1011Ω・cm以上、好ましくは1×1012Ω・cm以上である。通常1×1014Ω・cm以下、好ましくは1×1013Ω・cm以下である。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、負帯電方式においては導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層であることが好ましい。正帯電方式においては、単層型が好ましい。積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する。更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解
又は分散して塗布液を作製し、電荷発生層上に、塗布、乾燥して得ることができる。積層型感光体の場合は、電荷輸送層にユニバーサル硬度が125N/mm2以下で弾性変形率が35%の樹脂を含有するが、耐摩耗性の観点から、120N/mm2以下が好ましい。また、通常80N/mm2以上であり、耐キズ性の観点から、100N/mm2以上が好ましい。耐摩耗性及びクリーニング性の観点から、弾性変形率は40%以上が好ましい。また、通常90%以下であり、接着性及び溶解性の観点から80%以下が好ましい。
測定条件
最大荷重 5mN
負荷所要時間 10s
除荷所要時間 10s
ユニバーサル硬度は、最大荷重5mNで押し込んだ時の値であり、その時の変位量から以下の式により定義される値である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、Wtは全仕事量(nJ)を表し、図1中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表される。
ユニバーサル硬度が125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上の樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、電気特性及び耐摩耗性の面で、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が好ましい。その中でも特に、以下に示すユニットを有するポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が好ましい。
荷輸送層の全バインダー樹脂に対して50質量%以上であり、耐摩耗性の面から、80質量%以上が好ましい。必要に応じてユニバーサル硬度が125N/mm2より大きい又は弾性変形率が35%以下の樹脂が含まれていても良い。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子輸送性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の正孔輸送性物質等が挙げられる。これらの中でも、電気特性の観点から、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましく、エナミン誘導体が特に好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。構造の具体例を以下に示す。
[単層型感光層]
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、バインダー樹脂としてユニバーサル硬度が125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上の樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質とユニバーサル硬度が125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上の樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、下引き層上に塗布、乾燥して得ることができる。
[その他の機能層]
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。ユニバーサル硬度が125N/mm2以下で、弾性変形率が35%以上の樹脂の耐摩耗性が良好であり、その特性を生かすため、又、生産工程を少なくすることが出来ることから感光層が表面層であることが好ましい。
本発明の下引き層、及び感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。図2に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、更に必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
[下引き層形成用塗布液P1]
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタン100部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部を、せん断力により、ミキサー内の温度が160℃に達するまでスーパーミ
キサーで攪拌して、表面処理を行った。次にこの表面処理をした酸化チタン250gと、メタノール750gとを混合してなる原料スラリー1000gを、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量6g/秒の循環状態で、28分間分散処理し、酸化チタンの分散液を作製した。この酸化チタン分散液と、予めメタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒に溶解した市販の共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を撹拌混合後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が2/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が15.75%の下引き層形成用塗布液P1を得た。
表面処理剤をメチルジメトキシシランに変更し、表面処理剤量を3部に変更した以外は、分散液P1と同様にして下引き形成用塗布液P2を得た。
CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部と、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名DK31)5部と、ポリビニルアセタ
ール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名KS1)2部を1,2−ジメトキシエタン500部とを混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い、電荷発生層形成用塗布液Q1を得た。
下記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)1
00部、下記構造式(V)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、下記構造式(VI)で表される化合物1部を、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R1を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R2を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗
布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R3を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R4を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R5を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R6を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレートを構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量20,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R7を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)1
00部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部をテトラヒドロフラン:トルエン=8:2の混合溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が12.0質量%のバインダー樹脂液T1を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液1と同様にしてバインダー樹脂液T2を得た。
[バインダー樹脂液T3]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T3を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T4を得た。
[バインダー樹脂液T5]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T5を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T6を得た。
[バインダー樹脂液T7]
前記構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量 20,000)
100部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部を1,3ジオキソラン溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が15.0質量%のバインダー樹脂液T7を得た。
下引き層形成用塗布液P1を、厚さ1mmのアルミ板にワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布液Q1をワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が0.3g/m2となるようにして電荷発
生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R1をアプリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が18μmとなるように作製した感光体を感光体S1とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S2とする。
<実施例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S3とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S4とする。
<比較例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S4と同様にして作製した感光体を感光体S5とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S4と同様にして作製した感光体を感光体S6とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R4に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S7とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S7と同様にして作製した感光体を感光体S8とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R5に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S9とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S9と同様にして作製した感光体を感光体S10とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R6に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S11とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S11と同様にして作製した感光体を感光体S12とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R7に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S13とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S13と同様にして作製した感光体を感光体S14とする。
バインダー樹脂液T1を、厚さ4mmのガラス板にアブリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が15μmとなるように樹脂層を設けた。このユニバーサル硬度測及び弾性変形率定用サンプルをB1とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB2]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T2に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB2とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T3に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB3とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB4]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T4に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB4とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T5に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB5とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB6]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T6に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB6とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T7に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB7とする。
[接着性評価]
感光体S1〜S14を、カミソリの刃で、2mm角で25個の碁盤目のキズを付け、セロハンテープ(3M)で剥離テストを行った。各感光体の剥離個数を表−1及び表―2に示す。
ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB1〜B7を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、微小硬度計(Fischer社製:FISCHERSCOPE HM
2000)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルのユニバーサル硬度及び弾性変形率を表−3に示す。
圧子:対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子
最大押し込み荷重:5mN
負荷所要時間:10秒
除荷所要時間:10秒
ユニバーサル硬度は、下記式より求められる。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=最大押し込み荷重/最大押し込み荷重時のくぼみ面積
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (11)
- 導電性基体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に積層された電子写真
感光体において、前記下引き層が、下記構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理
された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有し、前記下引き層のバインダー樹脂が
、シクロアルカン環構造を構成成分として有する共重合ポリアミドであり、前記電荷輸送
層が、ユニバーサル硬度が125N/mm2以下、弾性変形率が35%以上の樹脂を含有
することを特徴とする、電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、T
i(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す
。ただし、複数存在するR 3 のうち、少なくとも1つはアルコキシ基を示す。) - 導電性基体上に、下引き層、及び単層型の感光層を有する電子写真感光体において、前記
下引き層が、下記構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子
と、バインダー樹脂とを含有し、前記下引き層のバインダー樹脂が、シクロアルカン環構
造を構成成分として有する共重合ポリアミドであり、前記単層型の感光層が、ユニバーサ
ル硬度が125N/mm2以下、弾性変形率が35%以上の樹脂を含有することを特徴と
する、電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、T
i(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す
。ただし、複数存在するR 3 のうち、少なくとも1つはアルコキシ基を示す。) - 前記ユニバーサル硬度が125N/mm2以下、前記弾性変形率が35%以上の樹脂が、
ポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1又は
2に記載の電子写真感光体。 - 前記ユニバーサル硬度が120N/mm2以下であることを特徴とする、請求項1〜3の
いずれかに1項に記載の電子写真感光体。 - 前記弾性変形率が40%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の電子写真感光体。 - 前記構造式(I)のR1がメチル基であること特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項
に記載の電子写真感光体。 - 前記構造式(I)を有する有機金属化合物が、金属酸化物粒子100質量部に対して、5
〜30質量部であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感
光体。 - 前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれ
か1項に記載の電子写真感光体。 - 前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して50〜400質量部で
あることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカート
リッジ。
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