JP6503689B2 - 静電チャック装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電チャック装置およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、IC、LSI、VLSI等の半導体を製造する半導体製造装置にて半導体ウエハ等の板状試料を静電気力により吸着固定し、この板状試料に成膜処理、エッチング処理、露光処理等の各種処理を施す際に好適に用いられる静電チャック装置およびその製造方法に関する。
静電チャック装置は、基台となる誘電体の内部に静電吸着用内部電極が設けられたものである。静電チャック装置では、基台の載置面に半導体ウエハ等の板状試料を載置し、板状試料と静電吸着用内部電極との間に静電気力を発生させて、板状試料を吸着固定する。
静電チャック装置は、誘電体の厚みを一定とし、静電吸着用内部電極を板状試料とほぼ同等の大きさとすることにより、板状試料の全面に亘ってほぼ均一に静電気力を発生させることができる。これにより、静電チャック装置は、板状試料の加工表面が平坦になるように、板状試料を精度良く固定することができる。また、静電チャック装置は、静電気力を用いるために周囲の雰囲気の影響を受け難く、真空下にても使用可能であることから、半導体ウエハ等の板状試料に成膜処理、エッチング処理、露光処理等を施す半導体の製造工程にて広く利用されている。
半導体の製造工程においても、近年、生産性の向上、すなわち各種処理工程における処理時間の短縮が強く要求されている。成膜処理、エッチング処理、露光処理等では、一枚の板状試料を処理するのに要する時間、すなわちスループットを短縮することが強く求められている。特に、静電チャック装置に固定した板状試料を離脱させるのに要する時間を短縮することが急務となっている。
従来の静電チャック装置では、板状試料を載置する基台が誘電体の絶縁性セラミックスから構成されているため、板状試料を吸着する際、板状試料および基台の載置面それぞれに極性の異なる電荷が帯電して、静電気力が発現する。そのため、板状試料を離脱させる際に印加電圧を停止しても、板状試料および基台の載置面に帯電した電荷を直ちに放電することができず、吸着力が持続された状態、いわゆる、残留吸着力が発生した状態となり、板状試料を直ちに離脱させることができず、スループットを向上させることができないという問題があった。
そこで、このような問題を解決するべく、例えば、絶縁性セラミックスからなる誘電体層の上面に機械的加工により凹部を形成し、この凹部に導電性セラミックスからなる導電部材(嵌合部材) を挿入し、この凹部の側面および底面と、導電部材とを、接着、ガラス付け、ロウ付け等の接着・接合剤により接合して、凹部と導電部材とを一体化し、誘電体層の上面と導電部材の上面とで形成される平面を、板状試料を載せる載置面とし、導電部材をアース接続するとともに、誘電体層の下面に静電吸着用内部電極を形成した静電チャック装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような静電チャック装置では、板状試料を離脱させる際、板状試料や基台の載置面に帯電した電荷を、導電部材により直ちにアースへ逃がして、吸着力(静電気力)を消失させることにより、短時間で載置面より板状試料を離脱させ、スループットの向上を図っている。
また、静電チャック装置の基台に、基台を貫通し、かつ基台と嵌合一体化する残留電荷放電用端子を設け、この残留電荷放電用端子の一端部を被吸着物の載置面と同一平面に配し、かつ、この残留電荷放電用端子を接地する静電チャック装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この静電チャック装置にあっては、残留電荷放電用端子により、板状試料に帯電した電荷を効率よくかつ確実に逃がすことができるので、短時間で載置面より板状試料を離脱させることができ、スループットの向上を図っている。
特開2002−170871号公報 特開2007−311399号公報
しかしながら、特許文献1の静電チャック装置は、誘電体層の上面に、機械的加工により凹部を形成し、この凹部に導電性セラミックスからなる導電部材を挿入し、この凹部の側面および底面と、導電部材とを、接着・接合剤により接合したものであるから、凹部と導電部材との間に隙間が生じている。そのため、この隙間が原因となって、凹部の周縁部が板状試料との接触により磨耗してパーティクルが発生したり、凹部と導電部材とを接合する接着・接合剤が板状試料への汚染源となったりするおそれがあった。
また、特許文献2の静電チャック装置では、残留電荷放電用端子が基台の積載面となる材料と異なる組成であるため、残留電荷放電用端子と基台の境界部でクラックが発生しやすいという問題、製造工程が煩雑になりコストが増加するという問題、残留電荷放電用端子を多数設置することができないため、残留電荷放出の効果に限界があるという問題があった。
さらに、いずれの静電チャック装置においても、板状試料に接する基台の載置面には、導電部材や残留電荷放電用端子等の誘電体材料とは熱伝導率の異なる異種材料が用いられているため、半導体の製造プロセスで重要となる半導体ウエハ等の均熱性を阻害するおそれがある。特に、プラズマを用いた成膜装置やエッチング装置では、プラズマによる熱の伝導が不均一になるため、その傾向がより顕著になる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、板状試料および静電チャック装置に帯電した電荷を直ちに放電し、板状試料を直ちに離脱させることができ、かつスループットを向上させることができる静電チャック装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、基体の一主面は、第1領域と、第1領域の間に分散する複数の第2領域と、を有し、第2領域は、第1領域よりも導電性が高く、前記第2領域の面積の平均値から換算された円の直径が5μm以上200μm以下であり、かつ基体の一主面に1mm当たり0.1個以上1000個以下存在し、前記第1領域および前記第2領域は、それぞれセラミックスの多結晶体で構成され、前記第2領域を構成する多結晶体の平均粒子径は、前記第1領域を構成する多結晶体の平均粒子径よりも小さく、前記第1領域は、第1絶縁性粒子と第1導電性粒子の多結晶体で構成され、前記第2領域は、前記第1絶縁性粒子よりも平均粒子径が小さい第2絶縁性粒子と、前記第1導電性粒子よりも平均粒子径が小さい第2導電性粒子と、の多結晶体で構成され、前記第1絶縁性粒子と前記第2絶縁性粒子とは、同じ組成の形成材料であり、前記第1導電性粒子と前記第2導電性粒子とは、同じ組成の形成材料である構造とすることで、前記課題が解決出来ることを見出した。
本発明の静電チャック装置は、基体の一主面に板状試料を静電吸着する静電チャック装置であって、前記一主面は、第1領域と、前記第1領域の間に分散する複数の第2領域と、を有し、前記第2領域は、前記第1領域よりも導電性が高く、前記第2領域の面積の平均値から換算された円の直径が5μm以上200μm以下であり、かつ前記一主面に1mm当たり0.1個以上1000個以下存在し、前記第1領域および前記第2領域は、それぞれセラミックスの多結晶体で構成され、前記第2領域を構成する多結晶体の平均粒子径は、前記第1領域を構成する多結晶体の平均粒子径よりも小さく、前記第1領域は、第1絶縁性粒子と第1導電性粒子の多結晶体で構成され、前記第2領域は、前記第1絶縁性粒子よりも平均粒子径が小さい第2絶縁性粒子と、前記第1導電性粒子よりも平均粒子径が小さい第2導電性粒子と、の多結晶体で構成され、前記第1絶縁性粒子と前記第2絶縁性粒子とは、同じ組成の形成材料であり、前記第1導電性粒子と前記第2導電性粒子とは、同じ組成の形成材料であることを特徴とする。
本発明の静電チャック装置の製造方法は、基体の一主面に板状試料を静電吸着する静電チャック装置の製造方法であって、第1導電性粒子および絶縁性粒子を含むスラリーを、水中に分散する分散処理を施して分散液を調製し、該分散液を乾燥して第1顆粒を形成する工程と、第2導電性粒子および絶縁性粒子を含むスラリーを、水中に分散する分散処理を施して分散液を調製し、該分散液を前記第1顆粒よりも小さい顆粒となる条件を用いて乾燥して前記第2顆粒を形成する工程と、前記第1顆粒と、前記第2顆粒と、を混合し、前記第1顆粒と前記第2顆粒の混合物を調製する工程と、前記混合物を、所定形状に成形して成形体を形成する工程と、前記成形体を焼成して複合焼結体を作製する工程と、前記複合焼結体を所定形状に加工し、前記複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の静電チャック装置によれば、基体の一主面は、第1領域と、第1領域の間に分散する複数の第2領域と、を有し、第2領域は、第1領域よりも導電性が高く、大きさが5μm以上200μm以下であり、かつ基体の一主面に1mm当たり0.1個以上1000個以下存在しているため、帯電した電荷の放電性に優れるために、被吸着物である板状試料を直ちに離脱させることができ、スループットの向上を達成できる。
本発明の静電チャック装置の製造方法によれば、第1導電性粒子および絶縁性セラミックスを形成材料とする絶縁性粒子を用いて形成された第1顆粒と、第1導電性粒子とは平均粒子径が異なる第2導電性粒子および絶縁性粒子を用いて形成された第2顆粒と、を混合する工程と、得られる混合物を焼成する工程と、得られるセラミックス焼結体を用いて基体を形成する工程と、を有するため、簡便に、かつ高い歩留りで上記特性の静電チャック装置を得ることができる。
本実施形態の静電チャック装置の一実施形態を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は静電チャック装置を構成する静電チャック部材の全体を示す平面図、(c)は(b)のα部の拡大図である。 実施例1のセラミックス誘電体材料の表面を、光学顕微鏡で観察した結果を示す光学顕微鏡像である。 実施例1のセラミックス誘電体材料の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例1のセラミックス誘電体材料の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例1のセラミックス誘電体材料の表面を、走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例2のセラミックス誘電体材料の表面を、光学顕微鏡で観察した結果を示す光学顕微鏡像である。
本発明の静電チャック装置およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[静電チャック装置]
図1は、本実施形態の静電チャック装置の一実施形態を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は静電チャック装置を構成する静電チャック部材の全体を示す平面図、(c)は(b)のα部の拡大図である。
本実施形態の静電チャック装置10は、上面(一主面)11aをウエハ(板状試料)Wを載置する載置面とした静電チャック部材(本発明における基体)11、および、この静電チャック部材11の下面(他の一主面)11b側に設けられた静電吸着用電極12を備える静電チャック部13と、静電チャック部13を支持するとともに、ウエハWを冷却するベース部(基台)14とから概略構成されている。
静電吸着用電極12には、シート状またはフィルム状の(第1の)有機系接着剤層15を介して、シート状またはフィルム状の絶縁層16が接着されている。絶縁層16および静電チャック部13には、(第2の)有機系接着剤層17を介して、ベース部(基台)14が接着されている。ベース部(基台)14は、加熱装置あるいは冷却装置に相当する。
静電チャック部材11は、円板状をなしている。
静電チャック部材11の厚さは、0.3mm以上かつ1.0mm以下が好ましい。静電チャック部材11の厚さが、この範囲内であることが好ましい理由は、静電チャック部材11の厚さが0.3mm未満では、静電チャック部材11の機械的強度を確保することができず、一方、静電チャック部材11の厚さが1.0mmを超えると、ウエハWを吸着する際に必要な電圧が高くなり過ぎるからである。
また、静電チャック部材11の一主面(載置面)11aには、その一主面11aから、静電チャック部材11の厚さ方向上方に突出する円柱状の突起部18が多数形成されている。多数の突起部18は、ウエハWを支持するための部位である。突起部18は、静電チャック部材11の表面をショット・ブラスト加工等の研削加工をすることで形成される。
静電チャック部材11の一主面(載置面)11aに突起部18が形成されている場合、少なくとも突起部18が、後述する第1領域19と第2領域20を有する。
さらに、ベース部14および有機系接着剤層17を厚さ方向に貫通し、静電吸着用電極12の下面中央部に接続され、静電吸着用電極12に直流電圧を印加する給電用端子21が設けられている。
静電チャック部材11の一主面11aは、第1領域19と、第1領域19の間に分散する複数の第2領域20と、を有する。
第2領域20は、第1領域19よりも導電性が高い。
第2領域20は、大きさが5μm以上かつ200μm以下であり、10μm以かつ上100μm以下であることが好ましい。第2領域20の大きさが5μm未満では、電荷放出の効果を充分に得ることができない問題がある他、製造が難しくなる問題がある。一方、第2領域20の大きさが200μmを超えると、静電チャック部材11の厚さに近くなるため、耐電圧特性等の信頼性が低下する問題が生じる。また、静電チャック部材11の一主面11aに突起部18を形成する場合、突起部18の直径を小さくすると、突起部18の上面における第2領域20の割合が高くなり、吸着力が低下する可能性が生じる問題がある。
第2領域20は、静電チャック部材11の一主面11aに1mm当たり0.1個以上かつ1000個以下存在しており、1個以上かつ200個以下存在していることが好ましい。第2領域20が、静電チャック部材11の一主面11aに1mm当たり0.1個未満、すなわち、ほとんど存在していないと、電荷放出の効果を充分に得ることができない。一方、第2領域20が、静電チャック部材11の一主面11aに1mm当たり1000個を超えると、第2領域20の割合が多くなり過ぎ、静電チャック部材11は、静電チャック装置10に必要とされる耐電圧特性を確保できなくなる問題がある。
静電チャック部材11は、第1領域19と第2領域20から構成されており、第2領域20は、静電チャック部材11の一主面11a以外にも存在する。静電チャック部材11全体における第2領域20の割合は、16体積%以下であることが好ましく、8体積%以下であることがより好ましい。静電チャック部材11における第2領域20の割合が16体積%を超えると、第2領域20同士が繋がり、静電チャック部材11の耐電圧特性が確保できなくなる。また、静電チャック部材11の耐電圧特性に充分な信頼性を得るためには、第2領域20の割合は8体積%以下であることが好ましい。
第2領域20の形状は、球状、線状、放射線状、星形等、任意の形状を選ぶことができる。
第1領域19となる原料に、第2領域20となる原料を混合し、焼結して、静電チャック部材11を製造した場合、焼結や変形により第2領域20は不定形となるが、ウエハWの電荷を均一に放出させるためには、第2領域20のアスペクト比(長辺/短辺)が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
第1領域19および第2領域20は、それぞれ単結晶体、非晶質体、樹脂、多結晶体等で構成することができるが、多結晶体で構成されていることが好ましく、セラミックスの多結晶体で構成されていることがより好ましい。第1領域19および第2領域20の少なくともいずれか一方が、単結晶体や非晶質体であると、セラミックスの多結晶体を構成する結晶粒子の粒界がないため、静電チャック部材11に帯電した電荷を放出する際に、電荷を放出し難くなるためである。
また、第2領域20を構成する多結晶体の平均粒子径は、第1領域19を構成する多結晶体の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。多結晶体の平均粒子径が小さいと、静電チャック部材11に帯電した電荷を放出し易くなる効果があるが、静電チャック部材11の耐電圧特性が低くなるため、静電チャック装置10として機能させるための電圧を印加できなくなり、第1領域19では一定程度粒子径を大きくする必要があり、第2領域20では電荷を効率よく放出するため平均粒子径を小さくすることが好ましいからである。
第1領域19は、第1絶縁性粒子と第1導電性粒子の多結晶体で構成されていることが好ましい。第1絶電性粒子に第1導電性粒子を加えることで、静電チャック部材11の電荷を放出する性能を向上することができる。
また、第2領域20は、第1領域19を構成する第1絶縁性粒子よりも平均粒子径が小さい第2絶縁性粒子と、第1領域19を構成する第1導電性粒子よりも平均粒子径が小さい第2導電性粒子と、の多結晶体で構成されていることが好ましい。
第1絶縁性粒子と第2絶縁性粒子とは、同じ組成の形成材料である。また、第1導電性粒子と第2導電性粒子とは、同じ組成の形成材料であることが好ましい。同じ組成の形成材料を用いることで、第1領域19と第2領域20の境界における物性の不連続性を緩和することができるため、静電チャック部材11において、熱膨張差による破損や強度などの信頼性を高めることができる。
第1絶縁性粒子は、絶縁性セラミックスを形成材料とし、平均粒子径が0.5μm以上かつ10μm以下であることが好ましく、1.0μm以上かつ5.0μm以下であることがより好ましい。
第1絶縁性粒子の平均粒子径が0.5μm未満では、静電チャック部材11の耐電圧や機械的強度が低下することがある。一方、第1絶縁性粒子の平均粒子径が10μmを超えると、ウエハWの表面処理を行う際のプラズマにより、静電チャック部材11の一主面11aの表面粗さが変化し易くなることがある。
第2絶縁性粒子は、絶縁性セラミックスを形成材料とし、平均粒子径は第1絶縁性粒子の平均粒子径よりも小さいことが好ましく、0.1μm以上かつ5.0μm未満であることが好ましく、0.2μm以上かつ3.0μm以下であることがより好ましい。
第2絶縁性粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、焼結が充分に進んでいないため、静電チャック部材11の機械的強度を確保することができないことがある。一方、第2絶縁性粒子の平均粒子径が5.0μm以上では、電荷を放出する効果が小さくなる問題がある。
第1導電性粒子は、導電性セラミックスを形成材料とし、平均粒子径が0.05μm以上かつ5.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上かつ2.0μm以下であることがより好ましい。
第1導電性粒子の平均粒子径が0.05μm未満では、原材料の価格が高くなってしまう問題がある。一方、第1導電性粒子の平均粒子径が5.0μmを超えると、ウエハWの表面処理を行う際のプラズマにより、静電チャック部材11の一主面11aの表面粗さが変化し易くなることがある。
第2導電性粒子は、導電性セラミックスを形成材料とし、平均粒子径が第1導電性粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましく、0.01μm以上かつ1.0μm未満であることが好ましく、0.03μm以上かつ0.3μm以下であることがより好ましい。
第2導電性粒子の平均粒子径が小さいと、同じ体積の場合でも粒子の個数が多くなるため、第1絶縁性粒子の粒界に存在する第2導電性粒子同士の導電パスができ易くなるため、導電性が高くなり、効率的に電荷を放出することができる。第2導電性粒子の平均粒子径が0.01μm未満では、原材料の価格が高くなってしまう問題がある。一方、第2導電性粒子の平均粒子径が1.0μm以上であると、導電性を高める効果が得難くなる他、ウエハWの表面処理を行う際のプラズマにより、静電チャック部材11の一主面11aの表面粗さが変化し易くなることがある。
第1領域19における第1導電性粒子の配合量は、第1領域19の3質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上かつ15質量%以下であることがより好ましい。第1導電性粒子の配合量が少ないと、静電チャック部材11の誘電率が低くなり、静電チャック装置10の吸着力が低くなる問題がある。第1導電性粒子の配合量が多いと、静電チャック装置10として使用する際の印加電圧に対して耐えられなくなる問題がある。
第2領域20における第2導電性粒子の配合量は、第1領域19における第1導電性粒子の配合量との差が5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが最も好ましい。第1領域19と第2領域20における導電性粒子の配合量を近くすることにより、第1領域19と第2領域20の境界における物性の不連続性を緩和することができるため、静電チャック部材11において、熱膨張差による破損や強度などの信頼性を高めることができる。
第1絶縁性粒子および第2絶縁性粒子、すなわち絶縁性セラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、ムライト(3Al・2SiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化スカンジウム(Sc)、酸化ネオジム(Nd)、酸化ニオブ(Nb)、酸化サマリウム(Sm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)および酸化セリウム(CeO)の群から選択される1種のみからなる酸化物、または、前記の群から選択される2種以上を混合してなる複合酸化物であることが好ましい。
これらの中でも、酸化アルミニウム(Al)は、安価で耐熱性に優れ、複合焼結体の機械的特性も良好であることから、静電チャック部材11に好適に用いられる。
また、アルミニウム(Al)含有量が少ない絶縁性セラミックスを使用したい場合や耐食性をさらに高めたい場合には、酸化イットリウム(Y)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG:3Y・5Al)等を用いることもできる。
絶縁性セラミックスとして酸化アルミニウム(Al)を用いる場合、酸化アルミニウム(Al)の原料粉体としては、平均粒子径が0.5μm以下の酸化アルミニウム粉体を用いることが好ましい。
平均粒子径が0.5μm以下の酸化アルミニウム粉体を用いることが好ましい理由は、平均粒子径が0.5μmを超える酸化アルミニウム粉体を用いて得られた焼結体(静電チャック部材11)においては、第2領域20の大きさが大きくなり電荷の放電が充分に起こらなくなるためである。
酸化アルミニウム(Al)の原料粉体としては、平均粒子径が0.5μm以下で高純度のものであれば、特段限定されない。
第1導電性粒子および第2導電性粒子としては、焼結工程において、上記の絶縁性セラミックスに固溶体や反応生成物を生成しない材料が好ましく、導電性セラミックス粒子、高融点金属粒子および炭素(C)粒子の群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、絶縁性セラミックスの電気的特性を劣化させない材料が好ましい。これらの材料が好ましい理由は、絶縁性セラミックスに固溶体や反応生成物を生成すると、第1領域19と第2領域20の特性を制御するのが難しくなる場合があるためである。
導電性セラミックス粒子としては、例えば、導電性炭化珪素(SiC)粒子等が挙げられる。
高融点金属粒子としては、例えば、モリブデン(Mo)粒子、タングステン(W)粒子、タンタル(Ta)粒子等が挙げられる。
これらのなかでも、導電性炭化珪素(SiC)粒子は、これを酸化アルミニウム(Al)粒子と複合化した場合、得られる複合焼結体は、電気的特性の温度依存性が小さく、ハロゲンガスに対する耐蝕性に優れ、耐熱性、耐熱衝撃性に富み、かつ高温下の使用においても熱応力による損傷の危険性が小さいので好ましい。
静電吸着用電極12は、電荷を発生させて静電吸着力でウエハWを固定するための静電チャック用電極として用いられるもので、その用途によって、その形状や、大きさが適宜調整される。
静電吸着用電極12の厚さは、特に限定されないが、プラズマ発生用電極として用いる場合、5μm以上かつ200μm以下であることが好ましく、10μm以上かつ100μm以下であることがより好ましい。静電吸着用電極12の厚さが前記の範囲内であることが好ましい理由は、静電吸着用電極12の厚さが5μm未満では、充分な導電性を確保することができないからである。一方、静電吸着用電極12の厚さが200μmを超えると、静電チャック部材11と静電吸着用電極12との間の熱膨張率差に起因して、静電チャック部材11と静電吸着用電極12との接合界面に亀裂が入り易くなるとともに、静電チャック部材11と静電吸着用電極12との間の段差を有機系接着剤層15で覆うことができなくなり、静電チャック部材11および静電吸着用電極12の側面方向の絶縁性が低下するからである。
静電吸着用電極12の材料は、静電チャック部材11を構成する材料との熱膨張差や耐熱性等を考慮して選定されるが、例えば、酸化アルミニウム−炭化タンタル(Al−Ta)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−タングステン(Al−W)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タングステン(AlN−W)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タンタル(AlN−Ta)導電性複合焼結体、酸化イットリウム−モリブデン(Y−Mo)導電性複合焼結体等の導電性セラミックス、あるいは、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属、銀(Ag)、炭素(C)等が用いられる。
このような静電吸着用電極12は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいは、スクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
ベース部14は、厚みのある円板状をなしている。また、ベース部14は、静電チャック部13に載置されるウエハWを、加熱あるいは冷却して温度を調整するためのものである。有機系接着剤層15、絶縁層16および有機系接着剤層17を介して、静電チャック部13を加熱あるいは冷却することにより、静電チャック部13に載置されたウエハWを所望の温度パターンに調整することができる。
ベース部14は、外部の高周波電源(図示略)に接続されており、ベース部14の内部には、必要に応じて、加熱用、冷却用もしくは温度調節用の水、または、絶縁性の熱媒もしくは冷媒を循環させる流路が形成されている。
ベース部14を構成する材料としては、熱伝導性、電気導電性、加工性に優れた金属、金属−セラミックス複合材料のいずれかであれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS) 等が好適に用いられる。ベース部14の側面、すなわち、少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理、または、アルミナ、イットリア等の絶縁性の溶射材料にて被覆されていることが好ましい。
ベース部14では、少なくともプラズマに曝される面に、アルマイト処理または絶縁膜が成膜されていることにより、耐プラズマ性が向上する上に、異常放電が防止され、耐プラズマ安定性が向上する。また、アルマイト処理または絶縁膜が成膜されていることにより、ベース部14の表面に傷が付き難くなるので、傷の発生を防止することができる。
有機系接着剤層15は、アクリル、エポキシ、ポリエチレン等からなるシート状またはフィルム状の接着剤であり、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムであることが好ましい。
その理由は、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムは、静電吸着用電極12上に重ね合わせて、真空引きした後、熱圧着することにより、静電吸着用電極12との間に気泡等が生じ難くいため、剥がれ難く、静電チャック部13の吸着特性や耐電圧特性を良好に保持することができるからである。
有機系接着剤層15の厚さは、特に限定されないが、接着強度および取り扱い易さ等を考慮すると、5μm以上かつ100μm以下であることが好ましく、10μm以上かつ50μm以下であることがより好ましい。
有機系接着剤層15の厚さが上記の範囲内であれば、有機系接着剤層15と静電吸着用電極12の下面との間の接着強度が向上する上に、有機系接着剤層15の厚さがより均一になる。その結果、静電チャック部13とベース部14との間の熱伝達率が均一になり、静電チャック部13に載置されたウエハWの加熱特性または冷却特性が均一化され、ウエハWの面内温度が均一化される。
有機系接着剤層15の厚さが5μm未満では、静電チャック部13とベース部14との間の熱伝達性が良好となるものの、有機系接着剤層15の厚さが薄くなり過ぎることから、有機系接着剤層15と静電吸着用電極12の下面との間の接着強度が弱くなり、有機系接着剤層15と静電吸着用電極12の下面との間に剥離が生じ易くなる。一方、有機系接着剤層15の厚さが100μmを超えると、有機系接着剤層15の厚さが厚くなり過ぎることから、静電チャック部13とベース部14との間の熱伝達性を充分に確保することができなくなり、加熱効率あるいは冷却効率が低下する。
このように、有機系接着剤層15をシート状またはフィルム状の接着剤としたことにより、有機系接着剤層15の厚さが均一化され、静電チャック部13とベース部14との間の熱伝達率が均一になる。よって、静電チャック部13に載置されたウエハWの加熱特性または冷却特性が均一化され、ウエハWの面内温度が均一化される。
絶縁層16は、静電チャック部13における印加電圧に耐え得る絶縁性樹脂からなるシート状またはフィルム状の絶縁材料からなる。このような絶縁材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、芳香族ポリアミド等が挙げられる。
絶縁層16の外周部は、静電チャック部13を平面視した場合、静電チャック部材11の外周部より内側に設けられている。
このように、絶縁層16の外周部を静電チャック部材11の外周より内側に設けることにより、絶縁層16は、酸素系プラズマに対する耐プラズマ性、腐食性ガスに対する耐腐食性が向上し、パーティクル等の発生も抑制される。
絶縁層16の厚さは、40μm以上かつ200μm以下であることが好ましく、50μm以上かつ100μm以下であることがより好ましい。
絶縁層16の厚さが40μm未満では、静電吸着用電極12に対する絶縁性が低下し、静電吸着力も弱くなり、静電チャック部材11の一主面(載置面)11aに、ウエハWを良好に固定することができなくなる。一方、絶縁層16の厚さが200μmを超えると、静電チャック部13とベース部14との間の熱伝達性を充分に確保することができなくなり、静電チャック部13に載置されたウエハWの加熱効率あるいは冷却効率が低下する。
有機系接着剤層17は、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14とを接着・固定するとともに、静電吸着用電極12、有機系接着剤層15および絶縁層16を覆うように設けられたことにより、これらの層を酸素系プラズマや腐食性ガスから保護するものである。有機系接着剤層17は、耐プラズマ性が高く、熱伝導率が高く、ベース部14からの加熱効率あるいは冷却効率が高い材料が好ましく、例えば、耐熱性、弾性に優れた樹脂であるシリコーン系樹脂組成物が好ましい。
シリコーン系樹脂組成物としては、シロキサン結合(Si−O−Si)を有するケイ素化合物であり、例えば、熱硬化温度が70℃〜140℃のシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
ここで、熱硬化温度が70℃未満のシリコーン樹脂は、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14とを接合する際、接合過程の途中で硬化が始まってしまい、接合作業に支障を来すおそれがある。一方、熱硬化温度が140℃を超えるシリコーン樹脂は、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14との熱膨張差を吸収することができず、静電チャック部材11の一主面(載置面)11aにおける平坦度が低下するばかりでなく、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14との間の接合力が低下し、これらの間で剥離が生じるおそれがある。
有機系接着剤層17の熱伝導率は、0.25W/mk以上であることが好ましく、0.5W/mk以上であることがより好ましい。
有機系接着剤層17の熱伝導率が0.25W/mk以上であることが好ましい理由は、熱伝導率が0.25W/mk未満では、ベース部14からの加熱効率あるいは冷却効率が低下し、静電チャック部材11の一主面(載置面)11aに載置されるウエハWを効率的に加熱あるいは冷却することができなくなるからである。
有機系接着剤層17の厚さは、50μm以上かつ500μm以下であることが好ましい。
有機系接着剤層17の厚さが50μm未満では、有機系接着剤層17が薄くなり過ぎてしまい、その結果、接着強度を充分に確保することができず、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14との間で剥離等が生じるおそれがある。一方、有機系接着剤層17の厚さが500μmを超えると、静電チャック部13および絶縁層16と、ベース部14との間の熱伝達性を充分に確保することができなくなり、ベース部14からの加熱効率あるいは冷却効率が低下するおそれがある。
また、有機系接着剤層17の熱伝導率を、上記の有機系接着剤層15の熱伝導率および絶縁層16の熱伝導率と同等またはそれ以上とすることにより、有機系接着剤層17の温度上昇を抑制することができ、有機系接着剤層17の厚さのバラツキに起因する面内温度のバラツキを低減することができ、ひいては、静電チャック部材11の一主面(載置面)11aに載置されるウエハWの面内温度を均一化することができる。
有機系接着剤層17には、平均粒子径が1μm以上かつ10μm以下のフィラー、例えば、窒化アルミニウム(AlN)粒子の表面に酸化ケイ素(SiO)からなる被覆層が形成された表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子が含有されていることが好ましい。
表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子は、シリコーン樹脂の熱伝導性を改善するために混入されるもので、その混入率を調整することにより、有機系接着剤層17の熱伝達率を制御することができる。
また、有機系接着剤層17内には、静電チャック部13を加熱するためのヒーターを設けてもよい。ヒーターとしては、有機系接着剤層17の厚さを薄くするために、薄膜状のものを用いることが好ましい。また、高周波による発熱をなくすため、ヒーターには、非磁性体の金属または導電性セラミックス材料を用いることが好ましい。
給電用端子21は、静電吸着用電極12に直流電圧を印加するために設けられた棒状のものである。給電用端子21の材料としては、導電性材料であれば特に制限されない。
本実施形態の静電チャック装置10によれば、静電チャック部材11の一主面11aは、第1領域19と、第1領域19の間に分散する複数の第2領域20と、を有し、第2領域20は、第1領域19よりも導電性が高く、大きさが5μm以上200μm以下であり、かつ静電チャック部材11の一主面11aに1mm当たり0.1個以上1000個以下存在しているため、帯電した電荷の放電性に優れるために、被吸着物であるウエハWを直ちに離脱させることができ、スループットの向上を達成できる。
[静電チャック装置の製造方法]
次に、本実施形態の静電チャック装置の製造方法を説明する。
本実施形態の静電チャック装置の製造方法は、上述の本実施形態の静電チャック装置を製造する方法であって、第1領域19中に、第1領域19よりも導電性の高い第2領域20が分散して存在している静電チャック部材(基体)11を形成する工程を有する。
第1領域19よりも第2領域20の導電性を高くする方法としては、第2領域20を構成する材料として、導電性の高い材料を用いる方法、第1領域19における第1導電性粒子の配合比よりも、第2領域20における第2導電性粒子の配合比を多くする方法等が挙げられる。第1領域19よりも第2領域20の導電性を高くする方法としては、特に、第1領域19と第2領域20に用いる材料や配合比を同じまたは近くし、粒子径や分散状態等の微細構造を変化させて、第1領域19よりも第2領域20の導電性を高くする方法が好ましい。
第1領域19と第2領域20に用いる材料や配合比を同じまたは近くすることにより、第1領域19と第2領域20の境界における物性の不連続性を緩和することができるため、静電チャック部材11において、熱膨張差による破損や強度などの信頼性を高めることができる他、原材料等の種類が少なくなるため、製造コストを下げることもできる。
第1領域19中に第1領域19よりも導電性の高い第2領域20が分散して存在している静電チャック部材(基体)11を形成する工程としては、焼結過程において、第1領域19よりも導電性の高い第2領域20が形成される方法であればよく、焼結条件や顆粒の製造条件等を変えることで焼結体の微細構造を変化させて第2領域20を形成させる方法を用いることができる。製造の容易さや再現性などの観点から、異なる特性の2種類以上の顆粒を混合して焼結する方法が用いられ、第1導電性粒子および絶縁性セラミックスを形成材料とする絶縁性粒子を用いて形成された第1顆粒と、第1導電性粒子とは平均粒子径が異なる第2導電性粒子および絶縁性粒子を用いて形成された第2顆粒と、を混合する工程と、得られる混合物を焼成する工程と、得られるセラミックス焼結体を用いて静電チャック部材(基体)11を形成する工程を用いることが好ましい。
「第1顆粒の形成」
静電チャック部材11の第1領域19となる第1顆粒を形成する。
第1絶縁性粒子の原料粉体と第1導電性粒子の原料粉体と混合して、スラリーを調製する。
第1絶縁性粒子の原料粉体としては、平均粒子径が0.5μm以下の酸化アルミニウム粉体を用いることが好ましい。
第1導電性粒子の原料粉体としては、平均粒子径が0.1μm以上かつ5.0μm以下の炭化珪素(SiC)粉体を用いることが好ましい。
第1絶縁性粒子の原料粉体と第1導電性粒子の原料粉体を、分散媒とともに混合し、ボールミルやジェットミル等を用いた公知の分散方法により、分散媒に第1絶縁性粒子の原料粉体と第1導電性粒子の原料粉体を分散して、スラリーを調製する。このとき、スラリーを安定化させたり、第1導電性粒子の原料粉体の分散状態を調整したりするために、分散剤を用いてもよい。
スラリーに用いられる分散媒としては、水および有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等の一価アルコール類およびその変性体;α−テルピネオール等の単環式モノテルペンに属するアルコール類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの有機溶媒のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して混合溶媒として用いてもよい。
分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の有機高分子等が用いられる。
次いで、スラリーを噴霧乾燥法により噴霧乾燥して、第1顆粒を得る。
噴霧乾燥装置としては、スプレードライヤー等が好適に用いられる。
ここでは、スラリーを加熱された気流中に噴霧し乾燥することにより、スラリー中の第1絶縁性粒子の原料粉体と、第1導電性粒子の原料粉体とが均一に分散された状態で、分散媒のみが飛散し、第1絶縁性粒子の原料粉体中に第1導電性粒子の原料粉体が均一に分散した第1顆粒が得られる。アトマイザーの回転数やディスクの形状、スラリーを送る速度等のスプレードライ条件により、第1顆粒の大きさを制御でき、第1顆粒の大きさは、5μm以上かつ1000μm以下であることが好ましく、10μm以上かつ200μm以下であることがより好ましい。
「第2顆粒の形成」
静電チャック部材11の第2領域20となる第2顆粒を形成する。
第2絶縁性粒子の原料粉体と第2導電性粒子の原料粉体と混合して、スラリーを調製する。
第2絶縁性粒子の原料粉体としては、第1絶縁性粒子の原料粉体よりも平均粒子径が小さい酸化アルミニウム粉体を用いることが好ましい。
第2導電性粒子の原料粉体としては、平均粒子径が0.01μm以上かつ0.1μm以下の炭化珪素(SiC)粉体を用いることが好ましく、0.02μm以上かつ0.06μm以下の炭化珪素を用いることがより好ましい。
第2絶縁性粒子の原料粉体と第2導電性粒子の原料粉体を、分散媒とともに混合し、ボールミルやジェットミル等を用いた公知の分散方法により、分散媒に第2絶縁性粒子の原料粉体と第2導電性粒子の原料粉体を分散して、スラリーを調製する。このとき、スラリーを安定化させたり、第2導電性粒子の原料粉体の分散状態を調整したりするために、分散剤を用いてもよい。
分散媒および分散剤としては、第1顆粒の形成に用いられたものと同様のものが用いられる。
第2顆粒の大きさは、5μm以上かつ1000μm以下であることが好ましい。
第2顆粒の形成におけるスラリーの調製条件および噴霧乾燥の条件は、第2領域20の大きさが5μm以上かつ200μm以下となるように適宜選定する。
また、第2顆粒の形成におけるスラリーの調製条件および噴霧乾燥の条件を変えて、第2顆粒の硬さを、第1顆粒の硬さよりも硬くすることにより、第2領域20の形状を揃えることができる。
さらに、第1顆粒の平均粒子径と第2顆粒の平均粒子径を揃えた場合、それぞれの顆粒の硬さを変えることにより、第1顆粒と第2顆粒の混合物を焼結して、焼結体を作製したとき、第1領域19と第2領域20の大きさを好適に制御することができる。
「第1顆粒と第2顆粒の混合」
第1顆粒と第2顆粒を公知の方法で混合し、第1顆粒と第2顆粒の混合物を調製する。
ここで、第2顆粒の混合割合を、第1顆粒と第2顆粒の混合物を焼結して得られた焼結体において、第2領域20が、その大きさが5μm以上200μm以下であり、かつ静電チャック部材11の一主面11aに1mm当たり0.1個以上1000個以下存在するように調整する。
「第1顆粒と第2顆粒の混合物の焼成」
次いで、第1顆粒と第2顆粒の混合物を公知の成形手段により、所定形状に成形して、成形体を得る。
第1顆粒と第2顆粒の混合物の調整において分散剤を使用した場合、混合物を成形する前または後に、混合物の脱脂を行ってもよい。
次いで、得られた成形体を、表面粗さRaが0.2mm以下の平面度を有するカーボン板で挟んで、所定の焼成雰囲気にて、1MPa以上かつ100MPa以下の加圧下にて焼成し、セラミックス焼結体からなる静電チャック部材を作製する。
焼成雰囲気としては、導電性粒子として、導電性炭化珪素(SiC)粒子、モリブデン(Mo)粒子、タングステン(W)粒子、タンタル(Ta)粒子等を用いた場合、これらの酸化を防止する必要があることから、非酸化性雰囲気、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気、窒素(N)雰囲気等が好ましい。
カーボン板を、表面粗さRaが0.2mm以下の平面度を有するものとした理由は、表面に表面粗さRaが0.2mmより大きな凹凸があると、加圧が不均一になり、成形体の焼結状態のばらつきが、誘電損失のような電気的性質のばらつきとなって現われるからである。
成形体の焼成時の圧力を1MPa以上かつ100MPa以下とした理由は、圧力が1MPa未満では、得られた焼結体の密度が低くなり、耐食性が低下し、また、緻密な焼結体が得られず導電性も高くなり、半導体製造装置用部材(静電チャック部材)として使用する際に用途が限定されてしまい、汎用性が損なわれるからである。一方、圧力が100MPaを超えると、得られた焼結体の密度、導電性とも問題はないが、部材の大型化に伴う大型焼結体の焼結装置を設計する際、加圧面積に制限が生じるからである。
また、焼成温度は、絶縁性粒子の通常の焼結温度を適用することができる。例えば、第1絶縁性粒子および第2絶縁性粒子として酸化アルミニウムを用いる場合、1500℃以上かつ1900℃以下であることが好ましい。
成形体を1500℃以上かつ1900℃以下にて焼成することが好ましい理由は、焼成温度が1500℃未満では、成形体の焼結が不充分となり、緻密なセラミックス焼結体が得られなくなるおそれがあるからである。一方、焼成温度が1900℃を超えると、成形体の焼結が進みすぎて、異常粒成長等が生じる等のおそれがあり、その結果、緻密なセラミックス焼結体が得られなくなるおそれがあるからである。
また、焼成時間は、緻密な焼結体が得られるのに充分な時間であればよく、例えば、1時間〜6時間である。
上記のようにして得られたセラミックス焼結体を、所定の形状(例えば、円板状)に加工して静電チャック部材11とし、その静電チャック部材11を用いて、静電チャック装置を作製する。
本実施形態の静電チャック装置の製造方法によれば、第1導電性粒子および絶縁性セラミックスを形成材料とする絶縁性粒子を用いて形成された第1顆粒と、第1導電性粒子とは平均粒子径が異なる第2導電性粒子および絶縁性粒子を用いて形成された第2顆粒と、を混合する工程と、得られる混合物を焼成する工程と、得られるセラミックス焼結体を用いて静電チャック部材11を形成する工程と、を有するため、簡便に、かつ高い歩留りで上記特性の静電チャック装置10を得ることができる。
「第2領域の測定方法」
第2領域の大きさや個数を測定する方法としては、焼結体を薄く研削した後、微細な測定端子で導電性の分布を測定する方法の他、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を用いる方法、光学顕微鏡を用いる方法を使用することができる。
SEMを用いる方法では、焼結体表面を鏡面加工した後、顕微鏡から照射される電子線の影響でチャージアップすることを防ぐための蒸着処理を行わないで観察する。蒸着処理を行わないで観察すると、第2領域は第1領域に比べて電荷を放出し易いため、暗いコントラストで観察される。また、SEMを電子線の加速電圧や観察倍率を変えて観察することで、第1領域の中に第2領域が暗いコントラストで映った像が観察され、第2領域の大きさや個数を測定できる。暗いコントラストの中や外周領域に明るいコントラストの像が残っている場合には、暗いコントラストの像の外周で囲まれた内側を第2領域とする。
光学顕微鏡を用いる方法では、絶縁性粒子と導電性粒子の粒径や分散状態により、見え方が変わってくるため、予め観察される見え方と導電性の関係を調べた結果を用いる。
第2領域の大きさの測定方法としては、画像解析ソフト等を用いて面積を測定し、同じ面積となる円の直径に換算する方法を用いることが好ましい。第2領域の面積の平均値から換算された円の直径を、第2領域の大きさとする。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「セラミックス誘電体材料の作製」
平均粒子径が0.15μmの酸化アルミニウム(Al)粉体が92質量%、平均粒子径が0.1μmのSiC粉体が8質量%となるように、酸化アルミニウム(Al)粉体とSiC粉体を秤量して、スラリーを調製した。
このスラリーを、湿式ジェットミル装置を用いて、100MPaの圧力で加圧し、スラリー同士を斜向衝突させることで、水中に分散する分散処理を行い、分散液を調整した。
この分散液を、スプレードライヤーを用いて200℃にて乾燥し、第1顆粒を形成した。
次いで、平均粒子径が0.1μmの酸化アルミニウム(Al)粉体が92質量%、平均粒子径が0.03μmのSiC粉体が8質量%となるように、酸化アルミニウム(Al)粉体とSiC粉体を秤量して、スラリーを調製した。
このスラリーを、湿式ジェットミル装置を用いて、100MPaの圧力で加圧し、スラリー同士を斜向衝突させることで、水中に分散する分散処理を行い、分散液を調整した。
この分散液を、スプレードライヤーを、第1顆粒よりも小さい顆粒となる条件を用いて200℃にて乾燥し、第2顆粒を形成した。
次いで、乾式の撹拌混合容器を用いて、第1顆粒と第2顆粒を混合し、第1顆粒と第2顆粒の混合物(Al−SiC複合粉体)を調製した。ここで、第1顆粒と第2顆粒との混合比を、質量比で93:7とした。
次いで、第1顆粒と第2顆粒の混合物を、公知の成形手段により、所定形状に成形した。
次いで、その成形体を、表面粗さRaが0.1mmの平面度を有するカーボン板に挟んで、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1650℃、圧力25MPaにて2時間焼成を行い、Al−SiC複合焼結体を作製した。
次いで、得られたAl−SiC複合焼結体を、直径300mm、厚さ0.5mmの円板状に加工し、実施例1のAl−SiC複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製した。
「光学顕微鏡による観察」
実施例1で作製したセラミックス誘電体材料の表面を光学顕微鏡で観察した結果を、図2に示す。なお、微細な測定端子を使用した電気的特性の評価結果から、暗く写っているところが第2領域となっていることが確認されている。同様の写真を10枚撮り、画像解析ソフトを用いて第2領域の大きさを測定したところ、24μmであり、個数は199個/mmであった。
「走査型電子顕微鏡による観察」
実施例1で作製したセラミックス誘電体材の表面を鏡面研磨し、エッチング処理をした面を、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で観察した。結果を、図3、図4および図5に示す。図3では、コントラストが暗い部分が第2領域であり、第2領域の大きさは光学顕微鏡で観察されたものと同等であった。図4は、第2領域を拡大して観察した写真。図5は、第1領域を拡大した写真である。第1領域よりも第2領域の粒径が小さいことが確認できる。なお、エッチング処理した面では、炭化珪素粒子の大部分は消失しているため、観察される粒子は酸化アルミニウムがほとんどであり、孔のあいている部分はエッチングにより消失した炭化珪素粒子もしくは脱落した酸化アルミニウム粒子、または最初から存在している気孔である。
[実施例2]
平均粒子径が0.05μmのSiC粉体を用いて第1顆粒を形成し、平均粒子径が0.03μmのSiC粉体を用いて、第2顆粒の大きさが実施例1と比べて大きくなるように、スプレードライヤーのディスク式アトマイザーの形状および回転数を選択して、第2顆粒を形成し、第1顆粒と第2顆粒の混合比が質量比で97:3となるようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のAl−SiC複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製した。
実施例2で作製したセラミックス誘電体材料の表面を光学顕微鏡で観察した結果を、図6に示す。なお、微細な測定端子を使用した電気的特性の評価結果から、暗く写っているところが第2領域となっていることが確認されている。同様の写真を10枚撮り、画像解析ソフトを用いて第2領域の大きさを測定したところ、78μmであり、個数は5.8個/mmであった。
[比較例1]
実施例1で形成した第1顆粒のみを用い、実施例1と同様にして、比較例1のAl−SiC複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製した。
[比較例2]
実施例1で形成した第2顆粒のみを用い、実施例1と同様にして、比較例2のAl−SiC複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製した。
[静電チャックの評価]
実施例1、2および比較例1、2で得られたセラミックス誘電体材料を用いて、図1に示すような静電チャック装置を作製し、試料載置面の温度25℃にて、印加電圧1.5kV、印加時間60秒、真空中(<0.5Pa)の条件で、2インチのシリコンウエハに対する静電チャックの吸着力を測定した。吸着力の測定は、ロードセルを用いたシリコンウエハの引き剥がしにより行い、そのときに発生した引き剥がし応力を吸着力とした。
また、実施例1、2および比較例1、2で得られたセラミックス誘電体材料を用いて、図1に示すような静電チャック装置を作製し、試料載置面の温度25℃にて、1.5kVの印加電圧を60秒間付与した後、電圧の印加を解除して、その直後に、1インチのシリコンウエハに対する静電チャックの吸着力を測定した。吸着力の測定は、ロードセルを用いたシリコンウエハの引き剥がしにより行い、そのときに発生した引き剥がし応力を残留吸着力とした。
表1の結果から、吸着力に関して、実施例1、2および比較例1は、ほぼ同じ特性を有していた。
一方、残留吸着力に関して、実施例1、2は、比較例1と比べて電圧印加を解除した直後に小さくなっており、スループットが短縮できることが分かった。
なお、比較例2では、静電吸着用電極に直流1.5kVの電圧を印加すると、静電吸着用電極の間が絶縁破壊をしてしまい、静電チャックとして機能しなかった。
10・・・静電チャック装置、11・・・静電チャック部材、12・・・静電吸着用電極、13・・・静電チャック部、14・・・ベース部(基台)、15・・・有機系接着剤層、16・・・絶縁層、17・・・有機系接着剤層、18・・・突起部、19・・・第1領域、20・・・第2領域、21・・・静電吸着用電極。

Claims (3)

  1. 基体の一主面に板状試料を静電吸着する静電チャック装置であって、
    前記一主面は、第1領域と、前記第1領域の間に分散する複数の第2領域と、を有し、
    前記第2領域は、前記第1領域よりも導電性が高く、前記第2領域の面積の平均値から換算された円の直径が5μm以上200μm以下であり、かつ前記一主面に1mm当たり0.1個以上1000個以下存在し、
    前記第1領域および前記第2領域は、それぞれセラミックスの多結晶体で構成され、
    前記第2領域を構成する多結晶体の平均粒子径は、前記第1領域を構成する多結晶体の平均粒子径よりも小さく、
    前記第1領域は、第1絶縁性粒子と第1導電性粒子の多結晶体で構成され、
    前記第2領域は、前記第1絶縁性粒子よりも平均粒子径が小さい第2絶縁性粒子と、前記第1導電性粒子よりも平均粒子径が小さい第2導電性粒子と、の多結晶体で構成され、
    前記第1絶縁性粒子と前記第2絶縁性粒子とは、同じ組成の形成材料であり、
    前記第1導電性粒子と前記第2導電性粒子とは、同じ組成の形成材料であることを特徴とする静電チャック装置。
  2. 前記第1絶縁性粒子と前記第2絶縁性粒子とは、Alを形成材料とし、
    前記第1導電性粒子と前記第2導電性粒子とは、SiCを形成材料とすることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック装置。
  3. 基体の一主面に板状試料を静電吸着する静電チャック装置の製造方法であって、
    第1導電性粒子および絶縁性粒子を含むスラリーを、水中に分散する分散処理を施して分散液を調製し、該分散液を乾燥して第1顆粒を形成する工程と、
    第2導電性粒子および絶縁性粒子を含むスラリーを、水中に分散する分散処理を施して分散液を調製し、該分散液を前記第1顆粒よりも小さい顆粒となる条件を用いて乾燥して第2顆粒を形成する工程と、
    前記第1顆粒と、前記第2顆粒と、を混合し、前記第1顆粒と前記第2顆粒の混合物を調製する工程と、
    前記混合物を、所定形状に成形して成形体を形成する工程と、
    前記成形体を焼成して複合焼結体を作製する工程と、
    前記複合焼結体を所定形状に加工し、前記複合焼結体からなるセラミックス誘電体材料を作製する工程と、を有することを特徴とする静電チャック装置の製造方法。
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