JP6503568B2 - 二重像検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば合わせガラスなどの被検体ガラスで発生する二重像を検査する二重像検査システムに関する。
近年、乗用車のフロントガラスには、従来の強化ガラスに替わり、合わせガラスが使用されている。このフロントガラスをスクリーンとする虚像視ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)が普及し始めている。虚像視HUDでは、プロジェクタからの投射画像が、合わせガラスの2つの界面で反射するので、一般的には、二重像が発生する。そこで、貼り合わされた2枚のガラスの間にある中間層に対して適当な楔角を与えることにより二重像を補正することが、例えば特許文献1で提案されている。
特許第5315358号
特許文献1の記載によれば、曲面ガラスによって発生する二重像の視角と、楔角を有する平板ガラスによって発生する二重像の視角とが、互いに等しいと設定することにより、二重像を解消することの可能な条件を導出することができる、ようである。しかしながら、二重像の視角が0°になるように楔角を設定したり、合わせガラスを平板ガラスに置き換えたりした場合であっても、二重像が発生することがあることを本出願人は発見した。これは、特許文献1に記載の理論では説明ができない。この問題を検証するためには、発生した二重像を精密に検査することが必要であるが、従来の検査システムでは、二重像を精密に検査することが困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、二重像を精密に検査することの可能な二重像検査システムを提供することにある。
本発明の一実施の形態としての二重像検査システムは、光源ユニット、カメラユニットおよび処理部を備える。光源ユニットは、光源と、光源に照明されるスリットと、スリットを介して光源から発せられた線状光を投影光として被検体ガラスに投影する投影光学系とを含んで構成される。カメラユニットは、光源ユニットから発せられ、被検体ガラスの界面で繰り返し反射された光を集光する対物レンズと、対物レンズにより集光された光を受光するイメージセンサとを含んで構成される。処理部は、カメラユニットにより得られた画像データを処理するようになっている。具体的には、処理部は、画像データに対して所定のデータ変換処理を行うことにより、イメージセンサの受光面に生ずる干渉縞パターンに対応した二重像の線像強度分布を求めるようになっている。処理部は、さらに、得られた線像強度分布に基づき、被検体ガラスにおける投影光の反射の際に生じた二重像の視角を求めるようになっている。
本発明の一実施の形態としての二重像検査システムによれば、二重像を精密に検査することができる。
本発明の一実施の形態に係る二重像検査システムの機能ブロックの一例を表す模式図である。 Youngの干渉実験装置の概略構成の一例を表す模式図である。 図1の二重像検査システムにおける二重像の干渉縞モデルの一例を表す模式図である。 図1の二重像検査システムにおける空間周波数応答を用いて算出した二重像強度分布を表す等高線図である。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計測値および計算値の一例を表すグラフである。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計算値の一例を表すグラフである。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計算値の一例を表すグラフである。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計算値の一例を表すグラフである。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計算値の一例を表すグラフである。 二重像の線像強度分布の垂直断面の計算値の一例を表すグラフである。 焦点距離135mmで、繰り返し反射による干渉縞を重畳させないときの二重像強度分布の垂直断面の計算値を表すグラフである。 焦点距離50mmで、繰り返し反射による干渉縞を重畳させないときの二重像強度分布の垂直断面の計算値を表すグラフである。 図1の二重像検査システムにおける空間周波数応答を用いて得られた二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値と、二重像の視角θとの関係を表すグラフである。 図1の二重像検査システムにおける処理手順の一例を表す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る二重像検査システム1の全体構成例を模式的に表したものである。二重像検査システム1は、被検体ガラス100の二重像の視角θを検査するものであり、光源ユニット10、カメラユニット20および画像処理部30を備える。光源ユニット10は、本発明の「光源ユニット」の一具体例に対応する。カメラユニット20は、本発明の「カメラユニット」の一具体例に対応する。画像処理部30は、本発明の「処理部」の一具体例に対応する。被検体ガラス100は、例えば、合わせガラスであり、光源ユニット10から発せられる投影光Lを波面分割により分割可能な向きで配置されている。被検体ガラス100は、例えば、投影光Lが60°で入射するように配置された合わせガラスである。被検体ガラス100は、本発明の「被検体ガラス」の一具体例に対応する。
光源ユニット10は、線状の投影光Lを出射するものである。光源ユニット10は、例えば、LED光源11、スリット12、レンズ13および投影レンズ14を、LED光源11から発せられた光の光路上に、この順に有している。LED光源11は、本発明の「光源」の一具体例に対応する。スリット12は、本発明の「スリット」の一具体例に対応する。投影レンズ14は、本発明の「投影光学系」の一具体例に対応する。
LED光源11は、インコヒーレント光を発する発光ダイオードであり、可視領域の波長の光を出射するようになっている。LED光源11は、例えば、白色発光ダイオードである。LED光源11は、スリット12を均一に照明するようになっている。スリット12は、LED光源11から発せられた点状光を、線状光に成形するようになっている。また、スリット12は、LED光源11から発せられた光を、位相のそろった光に変換するようになっている。つまり、スリット12は、波面のそろった線状光を出射するようになっている。スリット12の開口幅は、例えば、0.01mmとなっている。スリット12は、スリット12の長手方向と平行な線分がLED光源11から発せられた光の光軸と直交するとともに被検体ガラス100の表面に対して平行となるように、配置されている。つまり、スリット12は、図1の紙面に垂直な方向に延在している。レンズ13は、LED光源11から発せられた光を集光するものである。レンズ13は、例えば、凸レンズ13aおよび凹レンズ13bを、LED光源11から発せられた光の光路上に、この順に有する。凸レンズ13aは、例えば、コンデンサレンズである。投影レンズ14は、スリット12を介してLED光源11から発せられた線状光を投影光Lとして被検体ガラス100に投影するようになっている。具体的には、投影レンズ14は、スリット12で生成され、レンズ13で集光された線状光を、投影光Lとして被検体ガラス100に投影するようになっている。
光源ユニット10は、LED光源11から発せられる光を凸レンズ13aの焦平面に沿って移動させる機構(第1の機構)をさらに有していてもよい。光源ユニット10は、第1の機構を用いて、LED光源11から発せられる光を凸レンズ13aの焦平面に沿って走査することにより、被検体ガラス100の広範囲で投影光Lを走査することができる。第1の機構は、例えば、LED光源11と第1の機構とを互いに連結する光ファイバと、光ファイバの光出射部を移動させるステージとを有する。レンズ13は、凹レンズ13bを2つ有していてもよい。この場合に、光源ユニット10は、凸レンズ13aと1つの凹レンズ13bとの間隔を変化させる機構(第2の機構)を有していてもよい。光源ユニット10は、第2の機構を用いて、凸レンズ13aと1つの凹レンズ13bとの間隔を変化させ、LED光源11から発せられた光が被検体ガラス100の界面で繰り返し反射されることにより生成される虚像Ivの位置を変化させることができる。
カメラユニット20は、光源ユニット10から発せられ、被検体ガラス100で反射された投影光Lを受光し、画像データDを生成するようになっている。カメラユニット20は、例えば、対物レンズ21、イメージセンサ22および画像処理部23を有する。対物レンズ21は、光源ユニット10から発せられ、被検体ガラス100で反射された投影光Lを集光するようになっている。対物レンズ21は、対物レンズ21の焦点距離をfとし、対物レンズ21の撮像倍率をmとするときに、(1+1/m)の位置に結像するようになっている。対物レンズ21のレイリーの2点分解能は、対物レンズ21の開口数の逆数に比例し、例えば、0.1’となっている。イメージセンサ22は、対物レンズ21で集光された光を受光面22Aで受光し、画像データDを生成するようになっている。イメージセンサ22は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。対物レンズ21およびイメージセンサ22は、人の目の角度分解能(例えば、1’)よりも高い角度分解能を有することが好ましい。
画像処理部30は、カメラユニット20により得られた画像データDを処理し、検体ガラス100における投影光Lの反射の際に生じた二重像の視角θを求めるようになっている。画像処理部23は、画像データDに対して所定のデータ変換処理を行うことにより、イメージセンサ22の受光面22Aに生ずる、干渉縞パターンに対応した二重像の線像強度分布を求めるようになっている。画像処理部23は、さらに、得られた線像強度分布に基づき、被検体ガラス100における投影光Lの反射の際に生じた二重像の視角θを求めるようになっている。
画像処理部23は、二重像強度分布のモデル関数として、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに等価な、フーリエ結像論上の空間周波数応答を用いることにより上記線像強度分布を導出し、導出した上記線像強度分布に基づいて二重像の視角θを求めるようになっている。画像処理部23は、上記モデル関数が示す線像強度分布のプロファイルを、画像データDに基づいて導出された線像強度分布のプロファイルにフィッティングさせることにより、二重像の視角θを求めるようになっている。
画像処理部23は、上記モデル関数が示す二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値に基づいて、二重像の視角θを求めるようになっている。具体的には、画像処理部23は、上記モデル関数が示す二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値と、二重像の視角θとの相関を示す既知の関数を用いて、二重像の視角θを求めるようになっている。上記の既知の関数は、所定の視角θの範囲において一価の近似関数であり、例えば、後述するように、3次の多項式となっている。
以下で、二重像強度分布のモデル関数、および近似関数について、詳細に説明する。
[二重像強度分布のモデル関数]
まず、二重像強度分布のモデル関数について説明する。二重像分解能力は、一般には、レイリーの2点分解能で計測される。レイリーの2点分解能は、検出系のレンズの開口直径が光の波長と同程度の大きさになると、光の波動性によって、開口による回折効果によって分解能が制限されることを記述している。例えば、焦点距離f、開口半径wの望遠鏡では、レイリーの2点分解能εは、以下の式(1)で表される。従って、視角θ=1’を解像するときの条件は、ε=fθとすることにより導出される。
Figure 0006503568
これにより、焦点距離fに無関係に、レイリーの2点分解能εに対応する開口半径wが求められる。つまり、開口半径wは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006503568
しかし、実際に合わせガラスで発生する二重像を計測する対物レンズ21の開口半径wを1.153mmよりも大きくしても、有効開口径は、1.15mm程度に制限されている。そのため、レイリーの2点分解能εは、1’以下にはならない。本出願人は、このような複雑な空間周波数応答を説明するために、二重像強度分布のモデル式を、図2のYoungの干渉実験装置200における干渉像の式を元に考案した。
Youngの干渉実験装置200は、図2に示したように、光源210から発せられる光の光路上に、レンズ220、ピンホールスクリーン230、レンズ240およびスクリーン250を、光源210側からこの順に備えている。ピンホールスクリーン230には、2つのピンホール230aが設けられている。干渉実験装置200では、2つのピンホール230aを通過した2つの光線がスクリーン250上で干渉し合い、スクリーン250上に干渉縞を発生させる。しかし、干渉実験装置200において、ピンホールスクリーン230が除去されると、スクリーン250上に干渉縞が発生しない。従って、2つのピンホール230aの機能の1つとして、波面分割があることが理解される。
一方、本出願人が考案したモデル式を用いた二重像検査装置1でも、被検体ガラス100に光が照射されることにより、受光面22Aに二重像が発生する。ところが、二重像検査装置1には、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに相当する構造物は存在しない。二重像検査装置1では、スリット12、被検体ガラス100内の繰り返し反射による波面分割、および対物レンズ21の開口半径が組み合わさることにより、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに等価な、フーリエ結像論上の空間周波数応答が二重像強度分布のモデル関数として実現されている。
二重像検査装置1における空間周波数応答は、以下の式(3)で表される。また、二重像検査装置1における空間周波数応答は、図3に示した二重像の干渉縞モデル300で説明される。干渉像モデル300は、LED光源11から発せられる光の光路上に、スリット12、レンズ13、投影レンズ14、被検体ガラス100、仮想ピンホールスクリーン310、対物レンズ21および受光面22Aを、LED光源11側から順に有する。仮想ピンホールスクリーン310は、2つのピンホール230aに対応する2つの仮想ピンホールH1を有する。
Figure 0006503568
ここで、J1は、1次の第1種ベッセル関数である。λは、LED光源11から発せられた光の平均波長である。zは、像面距離である。δは、仮想ピンホールH1の直径である。{x,y}は、受光面22A上の座標である。x0は、二重像の像高である。h'は、互いに隣接する2つの仮想ピンホールH1の間隔hの複数倍である。一方の仮想ピンホールH1には、LED光源11から発せられ、被検体ガラス100を透過した光L1が入射する。他方の仮想ピンホールH1には、被検体ガラス100の裏面で反射された後、受光面22A側に射出された光L2が入射する。μ12は、干渉縞の可視度であり、0から1の間の値を取る。α12は、光L2の位相であり、−π〜πの範囲の値を取る。
ところで、広く知られているYoungの干渉縞の式では、右辺の点像は1個となっている。これは、2つのピンホール230aで回折される光の干渉縞の観測位置が無限遠となっているからである。一方で、二重像検査装置1における空間周波数応答では、LED光源11の虚像Ivの位置が有限となっている。その結果、受光面22Aにおいて、二重像に干渉縞が重畳されている様子が観測される。また、干渉像型モデル300では、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに対応するものとして、2つの仮想ピンホールH1が設けられている。2つの仮想ピンホールH1の直径δは、以下の式(4)で規定されている。被検体ガラス100の厚さtを4mm、被検体ガラス100に対する光L1の入射角ψを60°としたとき、ピンホールH1の直径δは、2.77mmとなる。このとき、下記の条件を適用することにより、二重像検査装置1における空間周波数応答から得られる二重像の線像強度分布が、Youngの干渉実験装置200により得られた二重像の線像強度分布に良好に近似することを本出願人は見出した。
Figure 0006503568
−条件―
スリット12の幅a:0.01mm
対物レンズ21の開口半径w:12mm
2つの仮想ピンホールH1の間隔h:2.77mm
図4は、二重像検査装置1における空間周波数応答を用いて算出した二重像の線像強度分布を等高線で表したものである。図4では、二重像の線像強度分布が被検体ガラス100の傾き方向に干渉縞が重畳している。図5は、二重像の線像強度分布の垂直断面の計測値および計算値をグラフで表したものである。図5において、計測値は点で表されており、計算値は実線で表されている。計測値は、イメージセンサ22から得られた画像データに基づいて導出された強度分布の垂直断面の値である。計算値は、二重像検査装置1における空間周波数応答を用いて算出した二重像の線像強度分布の値である。なお、二重像の視角θは約0.75’に仮定されている。図5の横軸は、像面(受光面22A)の空間座標であり、その単位は、イメージセンサ22の画素ピッチであり、具体的には、4.65μmである。図5に示したように、二重像検査装置1における空間周波数応答から得られる二重像の線像強度分布のプロファイルが、イメージセンサ22から得られた画像データに基づいて導出された線像強度分布のプロファイルに良好に近似することがわかる。なお、図6、図7、図8、図9、図10に、二重像の視角θが0.866444’、0.649833’、0.433222’、0.216611’、0’に仮定されているときに得られた二重像の線像強度分布を示す。図10において、二重像が分離されていることがわかる。
二重像検査装置1における空間周波数応答は、以下のようにして導出される。小瀬輝次著の「フーリエ結像論」(共立出版 2013年復刊)に記載の複ピンホール光学系のOTF(Optical Transfer Function)の概念を踏襲して、ガラス表面とガラス裏面とによる多重繰り返し反射光のうち、表面反射光が入射する仮想ピンホールH1と、一次の裏面反射光が二重像の視角θ分だけ傾いて入射する仮想ピンホールH1を考える。このとき、仮想ピンホールH1の直径δを、表面反射光の光軸と、一次の裏面反射光の光軸との距離と等しくする。その上で、対物レンズ21の開口半径wが、仮想ピンホールH1の間隔hの複数個分となっていると規定する。最後に、複数の仮想ピンホールH1の自己相関関数から、二重像検査装置1における空間周波数応答を導出する。このようにして求めた空間周波数応答のフーリエ変換は、干渉縞の重畳した二重像の線像強度分布になるはずである。
仮想ピンホールH1の直径δの大きさが、点像サイズを決定する。レイリーの2点分解の意味では、点像サイズの1/2に対応する角度分解能が限界値を与えるはずである。仮想ピンホールH1の直径δが2.77mmであるとき、対物レンズ21の焦点距離fを135mmとすると、点像のエアリー直径dは、1.22λz/δ=65.4μmとなる。ここで、像面距離zを、(1+1/m)fと近似した。図5では、画素ピッチは4.65μmであるから、エアリー直径dは、14画素ピッチに対応し、95番目の画素から109番目の画素までの範囲に相当している。一方、予想される二重像の視角θは0.75’であるから、像高さfθは29.4μmである。ここで、繰り返し反射光により干渉縞を重畳させないときの二重像強度分布を図11に示す。焦点距離を50mmにした場合で、繰り返し反射光により干渉縞を重畳させないときの二重像強度分布を図12に示す。これにより、長焦点距離の方が、角度分解能を上げることができる点で有利あることがわかる。ただし、図5では、多光束干渉効果、コンボリューションおよび収差が考慮されており、一方で、図11、図12では、これらが考慮されていない。
上述したように、式(3)で示した空間周波数応答を、計測値にフィッティングさせることは可能である。しかし、式(3)で示した空間周波数応答では、パラメータの自由度が多いので、計測値にフィッティングさせるには、膨大な計算が必要になる。そこで、本出願人は、上式(3)で示した空間周波数応答を計測値にフィッティングさせる代わりに、以下に示す近似関数を用いて、二重像の視角θを導出する手法を見出した。
[近似関数]
次に、近似関数について説明する。図13は、上式(3)で示した空間周波数応答を用いて得られた二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値と、二重像の視角θとの関係を表したものである。図13には、二重像の視角θを横軸に、上記自己相関関数の積分値を縦軸にしたときのグラフが示されている。図13から、上式(3)で示した空間周波数応答が示す二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値に基づいて、二重像の視角θを求めることができる。図13に示したグラフは、二重像の視角θが大きくなるにつれて、上記自己相関関数の積分値も単調に増加する一価の近似関数で表される。この近似関数は、例えば、図13に示したように、Y=aX3+bX+cという3次の多項式で表される。二重像の視角θが、少なくとも、0°から0.9’までの範囲においては、この近似関数は、一価の近似関数となっている。従って、この既知の関数である近似関数を用いて、1’以下の二重像の視角θを求めることができる。
[処理手順]
次に、二重像検査装置1における処理手順の一例について説明する。図14は、二重像検査装置1における処理手順の一例を表したものである。投影光Lが光源ユニット10から発せられると、被検体ガラス100で反射され、受光面22Aに入射する。受光面22Aに入射した光は受光面22Aで受光され、画像データDが生成される。画像データDは、画像処理部30に取り込まれる(ステップS101)。画像データDは、画像処理部30によって、以下のように処理される。具体的には、まず、窓関数を用いて、画像データDのノイズが除去される(ステップS102)。次に、画像データDが規格化されたのち、複素フーリエ変換される(ステップS103)。これにより、イメージセンサ22の受光面22Aに生ずる、干渉縞パターンに対応した二重像の線像強度分布に対応する複素瞳関数が求められる。次に、得られた複素瞳関数の絶対値の2乗に対して逆フーリエ変換が行われる(ステップS104,105)。これにより、線像強度分布の自己相関関数が得られる。Bracewellの等価幅計算が行われる(ステップS106)。つまり、得られた自己相関関数の積分値が求められる。最後に、自己相関関数の積分値と、二重像の視角θとの相関を示す既知の関数を用いて、二重像の視角θが求められる(ステップS107)。なお、ステップS104〜S107を実施する代わりに、上記モデル関数が示す線像強度分布のプロファイルを、画像データDに基づいて導出された線像強度分布のプロファイルにフィッティングさせることにより、二重像の視角θが求められてもよい。
[効果]
次に、特許文献1の記載の発明と対比しつつ、二重像検査システム1の効果について説明する。
特許文献1の記載によれば、入射角ψを固定し、曲面ガラスによって発生する二重像の視角η1(式(5))と、楔角αを有する平板ガラスによって発生する二重像の視角η2(式(6))とが、互いに等しいと設定することにより、二重像を解消することの可能なガラスの厚さt、ガラスの曲率半径Rcおよび楔角αを、式(7)から導出することができる、ようである。
Figure 0006503568
Figure 0006503568
Figure 0006503568
しかしながら、二重像の視角が0°になるように楔角αを設定したり、合わせガラスを平板ガラスに置き換えたりした場合であっても、二重像が発生することがあることを本出願人は発見した。これは、特許文献1では、式(6)の導出の際に、虚像距離を無限大に仮定しているためで、虚像距離が有限である場合には、平板ガラスの楔角αが無くても二重像は有限になるからである。虚像距離をd、表面反射光の光軸と裏面反射光の光軸との間隔をhとするとき、以下の式(8)が得られる。従って、有限虚像距離における二重像の解消に必要な楔角αは、以下の式(9)で表される。式(9)において、d→∞とすれば、式(7)に帰着する。
一方、二重像検査システム1では、二重像の線像強度分布のモデル関数として、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに等価な、フーリエ結像論上の空間周波数応答が用いられる。これにより、Youngの干渉実験装置200における2つのピンホール230aに相当する構造物が存在しないにもかかわらず、イメージセンサ22の受光面22Aに生ずる、干渉縞パターンに対応した二重像の線像強度分布を導出することができる。さらに、得られた線像強度分布に基づき、被検体ガラス100における投影光Lの反射の際に生じた二重像の視角θが求められる。このように、二重像検査システム1では、幾何光学的なアプローチから二重像の視角θを導出するのではなく、波動光学的なアプローチから二重像の視角θを導出している。これにより、二重像を精密に検査することができる。
また、二重像検査システム1では、上式(3)で示した空間周波数応答を計測値にフィッティングさせる代わりに、上記モデル関数が示す二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値に基づいて、二重像の視角θが求められる。これにより、式(3)で示した空間周波数応答を、計測値にフィッティングさせる際に要する膨大な計算をすることなく、軽い計算量で、二重像の視角θを導出することができる。
1…二重像検査システム、10…光源ユニット、11…LED光源、12…スリット、13…レンズ、13a…凸レンズ、13b…凹レンズ、14…投影レンズ、20…カメラユニット、21…対物レンズ、22…イメージセンサ、30…画像処理装置、100…被検体ガラス、200…干渉実験装置、210…光源、220…レンズ、230…ピンホールスクリーン、230a…ピンホール、24…レンズ、250…スクリーン、300…干渉縞モデル、310…仮想ピンホールスクリーン、a…スリット幅、D…画像データ、f…焦点距離、H1…仮想ピンホール、h…互いに隣接する2つの仮想ピンホールの間隔、Iv…虚像、J1…1次の第1種ベッセル関数、L…投影光、L1,L2…光、w…対物レンズの開口半径、λ…LED光源から発せられた光の平均波長、{x,y}…受光面上の座標、x0…二重像の像高、z…像面距離、α…楔角、α12…光L2の位相、δ…仮想ピンホールの直径、θ…二重像の視角、μ12…干渉縞の可視度。

Claims (7)

  1. 光源と、前記光源に照明されるスリットと、前記スリットを介して前記光源から発せられた線状光を投影光として被検体ガラスに投影する投影光学系とを含む光源ユニットと、
    前記光源ユニットから発せられ、前記被検体ガラスの界面で繰り返し反射された光を集光する対物レンズと、前記対物レンズにより集光された光を受光するイメージセンサとを含むカメラユニットと、
    前記カメラユニットにより得られた画像データを処理する処理部と
    を備え、
    前記処理部は、
    前記画像データに対して所定のデータ変換処理を行うことにより、前記イメージセンサの受光面に生ずる干渉縞パターンに対応した二重像の線像強度分布を求め、
    得られた前記線像強度分布に基づき、前記被検体ガラスにおける前記投影光の反射の際に生じた二重像の視角を求める
    二重像検査システム。
  2. 前記処理部は、二重像の線像強度分布のモデル関数として、Youngの干渉実験における複ピンホールに等価なフーリエ結像論上の空間周波数応答を用いることにより前記線像強度分布を求める
    請求項1に記載の二重像検査システム。
  3. 前記モデル関数は、下記の式(1)により表される
    請求項2に記載の二重像検査システム。
    Figure 0006503568
    J1:1次の第1種ベッセル関数
    λ:前記光源から発せられた光の平均波長
    z:像面距離
    δ:前記ピンホールに対応する仮想ピンホールの直径
    {x,y}:前記受光面上の座標
    0:前記二重像の像高
    h':互いに隣接する2つの前記仮想ピンホールの間隔hの複数倍
    μ12:干渉縞の可視度
    α12は、前記被検体ガラスの表面および裏面で繰り返し反射された後、前記受光面側に射出された光の位相
  4. 前記処理部は、前記モデル関数が示す線像強度分布のプロファイルを、前記画像データに基づいて導出された線像強度分布のプロファイルにフィッティングさせることにより、前記二重像の視角を求める
    請求項3に記載の二重像検査システム。
  5. 前記処理部は、前記モデル関数が示す前記二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値に基づいて、前記二重像の視角を求める
    請求項3に記載の二重像検査システム。
  6. 前記処理部は、前記モデル関数が示す前記二重像の線像強度分布の自己相関関数の積分値と、前記二重像の視角との相関を示す既知の関数を用いて、前記二重像の視角を求める
    請求項5に記載の二重像検査システム。
  7. 前記既知の関数は、3次の多項式である
    請求項6に記載の二重像検査システム。
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