JP6503228B2 - 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法 - Google Patents

4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6503228B2
JP6503228B2 JP2015107752A JP2015107752A JP6503228B2 JP 6503228 B2 JP6503228 B2 JP 6503228B2 JP 2015107752 A JP2015107752 A JP 2015107752A JP 2015107752 A JP2015107752 A JP 2015107752A JP 6503228 B2 JP6503228 B2 JP 6503228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxybenzoic acid
long chain
alcohol
chain ester
acid long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015107752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016222552A (ja
Inventor
利豪 小松
利豪 小松
裕介 喜田
裕介 喜田
久野 貴矢
貴矢 久野
久美子 渡邊
久美子 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Original Assignee
Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ueno Fine Chemicals Industry Ltd filed Critical Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
Priority to JP2015107752A priority Critical patent/JP6503228B2/ja
Publication of JP2016222552A publication Critical patent/JP2016222552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6503228B2 publication Critical patent/JP6503228B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法に関する。
4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルは、水酸基と疎水基を有する構造を有し、その構造的特徴から、可塑剤、相溶化剤、界面活性剤などの用途が提案されている。
一般的に化合物のエステル化は、原料カルボン酸とアルコールとを、硫酸等のプロトン酸触媒の存在下で反応させ、得られた反応液から触媒と未反応のカルボン酸を除去し、必要により晶析や蒸留などの精製を行うことによって製造する方法が知られている(特許文献1)。
4−ヒドロキシ安息香酸のエステル化についても、同様に、酸触媒の存在下でアルコールと反応させることによって、4−ヒドロキシ安息香酸エステルを合成することが可能である。しかし、4−ヒドロキシ安息香酸を炭素原子数16以上の長鎖脂肪族アルコールと反応させて、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを製造しようとした場合、原料である4−ヒドロキシ安息香酸や触媒などが残存するため、高純度の目的物を得るためには精製操作が必要であった。
精製は通常、目的物を含む粗結晶を溶融した後、あるいは非水溶性溶媒で希釈した後、水またはアルカリ水で抽出するのが一般的である。しかしながら、未反応のカルボン酸および触媒等の不純物を含む4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物について、水やアルカリ水を加えて抽出しようとしても、分液性が極めて悪いため抽出が困難であり、抽出した場合であっても収量や純度が低く、高純度の目的物が得られないという問題があった。
特開2014−108928号公報
本発明の目的は、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物から触媒や反応原料などの残存物を容易に除去することができ、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを高収率で得られる精製方法を提供することにある。
本発明者らは、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法について鋭意検討した結果、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物を溶融した後、水とアルコールとの混合溶液と混合して有機層と水層に分離し、有機層を抽出することによって、未反応のカルボン酸や触媒などを容易に除去し、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物を溶融する工程(以下、溶融工程という)、溶融粗組成物を水およびアルコールの混合溶液と混合し、有機層と水層に分液する工程(以下、分液工程という)、および分液した有機層を抽出する工程(以下、抽出工程という)を含む、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法を提供する。
Figure 0006503228
(式中、nは15〜23の整数を表す)
本発明によれば、原料カルボン酸等の酸成分を含む4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステル粗組成物の溶融物を水とアルコールとの混合溶液で洗浄し、次いで有機層と水層に分離し、有機層を抽出することにより効率よく酸成分を除去し、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを得ることができる。
本発明において、式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物とは、目的物である式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステル以外に、反応原料や触媒および反応副生物などの不純物を含む組成物を意味する。不純物の含有量は反応方法によっても異なるが、粗組成物中1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明において、目的物である式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルは、4−ヒドロキシ安息香酸と炭素原子数16〜24の脂肪族アルコール(以下、長鎖アルコールと称する場合もある)から成るエステルであり、具体的には、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、4−ヒドロキシ安息香酸ヘプタデシル、4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシル、4−ヒドロキシ安息香酸ノナデシル、4−ヒドロキシ安息香酸イコシル、4−ヒドロキシ安息香酸ヘンイコシル、4−ヒドロキシ安息香酸ドコシル、4−ヒドロキシ安息香酸トリコシルおよび4−ヒドロキシ安息香酸テトラコシルから選択される1種以上が挙げられる。これらの中でも、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルが好ましい。
粗組成物中に含まれる具体的な不純物としては、原料である4−ヒドロキシ安息香酸、触媒などの残存物のほか、反応副生物である長鎖アルコールの2量化エーテル体や硫酸エステルなどが挙げられる。
4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物を得る方法は特に限定されないが、触媒の存在下、4−ヒドロキシ安息香酸と炭素原子数16〜24の脂肪族アルコールとの反応によって得られたものを用いるのが良い。あるいは市販の低純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物を用いるのも良い。
本発明の精製方法では、まず溶融工程において、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物を溶融する。溶融工程は、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物を、融点以上に加熱することにより行われる。4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物の溶融物(以下、溶融粗組成物とも称する)の温度は、溶融状態を維持する限り特に限定されないが、90〜110℃であるのが好ましい。
溶融粗組成物は次いで分液工程に供される。なお、4−ヒドロキシ安息香酸と長鎖アルコールとの反応では、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物が溶融状態で得られるため、反応終了後、溶融状態を維持する温度範囲に保温したものを、そのまま溶融粗組成物として用いて分液工程に供しても良い。
分液工程は、溶融粗組成物を水およびアルコールの混合溶液と混合することにより行われる。分液工程で使用されるアルコールは炭素原子数1〜6の1価のアルコールであるのが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコールおよび2−メチル−1−プロパノールからなる群から選択される1種以上が挙げられる。
これらの中でも、安全性および経済性の点で、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび1−ブタノールが好ましく、入手容易性および分液後のアルコール除去が容易である点でメタノールがより好ましい。
混合溶液における水とアルコールの比率は、用いるアルコールの種類によって異なるため特に限定されないが、好ましくはアルコール比率で10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%である。
アルコールの比率が10〜70重量%の範囲を外れた場合、分液性が悪くなるため、目的物である4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの収量および純度が低下する傾向がある。
混合溶液の量は、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物に対し、好ましくは1〜10倍重量部、より好ましくは1.2〜7重量部、さらに好ましくは1.5〜4.5倍重量部である。4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物に対する混合溶液の量が1倍重量部を下回る場合、分液性が悪くなり、未反応のカルボン酸や触媒が残存する傾向がある。混合溶液の量が10倍重量部を上回る場合、収率が低下するとともに経済的にも不利になる傾向がある。
混合溶液には、触媒および未反応のカルボン酸を除去し易くするために、塩基を添加することが好ましい。添加する塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酸化カルシウム、アンモニアからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中でも、入手容易性、経済性および工業的生産性の観点から水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
溶融粗組成物と水およびアルコールの混合溶液との混合は、特に限定されないが、水およびアルコールの混合溶液を容器に仕込み、撹拌状態とし、ここに溶融工程で溶融した4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物を添加することにより行うことが好ましい。
分液工程を行う際の温度は、用いるアルコールの種類および水との混合比率によって異なるため特に限定されないが、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。また、分液工程を行う際の温度は、好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは65℃以下の温度である。
分液の温度が45℃を下回る場合、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの結晶が過度に析出し操作性が悪くなる傾向があり、75℃を上回る場合、アルコールの揮発によって混合液のアルコール比率が低下するため分液性が悪化する傾向がある。
分液工程において、溶融粗組成物を水およびアルコールの混合溶液と混合した後、十分な時間静置することにより、未反応のカルボン酸と触媒とを含む水層と、目的物である式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む有機層とに分離される。静置時間は特に限定されないが、好ましくは1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間、より好ましくは30分〜2時間である。
次いで、抽出工程において、分離した有機層を回収する。
回収された有機層は、有機溶媒を添加し、加熱して溶解させた後、冷却することによって目的物を晶析しても良い。析出した結晶を濾過等により固液分離し、洗浄、乾燥することによって、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを得ることができる。
晶析するために使用される有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン等のアミド系化合物、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系化合物、クロロホルム、ジクロロメタン等の有機ハロゲン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。これらの中で、入手容易性および乾燥効率などの工業的生産性に優れる点で、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ヘキサン、ヘプタン、トルエンおよびキシレンが好ましく、収率に優れる点から、メタノールが特に好ましい。
晶析するために使用される有機溶媒の量は、用いる溶媒の種類によって変動するため特に限定されないが、原料の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルに対し1〜20倍重量、好ましくは3〜10倍重量、より好ましくは5〜7倍重量が良い。
有機溶媒の量が1倍重量を下回る場合、晶析の際に撹拌不良が生じる傾向があり、20倍重量を超える場合、収率が低下する傾向があるとともに、経済的にも不利となる。
晶析は、分離した有機層に有機溶媒を添加した後、加熱して有機層中の有機物を完全に溶解させた後、撹拌を継続しながら、ゆっくりと冷却して晶析させることにより行われる。
晶析の際に過飽和現象が生じた場合は、種結晶を適宜添加して結晶化を促進させても良い。
析出した結晶は濾過等の常套手段により固液分離し、目的物である4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを回収する。固液分離に際し、適宜有機溶媒を注いで結晶を洗浄するのが好ましい。固液分離の際に用いる有機溶媒としては、晶析で使用される有機溶媒と同様のものが使用される。
固液分離によって回収された結晶は、減圧下、50℃未満の温度下で結晶状態のまま乾燥するか、あるいは50℃以上に加熱して結晶を溶融させた後、溶媒を留去することによって、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを得ることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[高速液体クロマトグラフィー(HPLC)]
装置: Waters アライアンス 2487/2996
カラム型番: L−Column
流量: 1.0mL/分
溶媒比: HO(pH2.3)/CHOH=58/42(30分)→5分→10/90(55分)、グラジエント分析
波長: 229nm/254nm
カラム温度: 40℃
[ガスクロマトグラフィー(GC)]
装置: 株式会社島津製作所製GC−2014/GC−14A
カラム型番: G−100
注入量: 1.0μL
オーブン温度: 310℃
キャリアガス: ヘリウム
検出器: FID
参考例1(4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル粗組成物の調製)
攪拌機、温度センサーおよびディーンスターク装置を備えた500mLの4つ口フラスコに、ヘキサデカノール(CeOH)120.4gを投入し、窒素気流下、70℃まで昇温した。次いで、4−ヒドロキシ安息香酸(POB)70.0g、p−トルエンスルホン酸一水和物2.3gおよび30重量%次亜リン酸水溶液1.1gを加えて、1時間かけて130℃まで昇温し、同温度で8時間反応させた。得られた反応液(粗組成物)について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を用いて成分分析を行った。結果を表1に示す。
実施例1
攪拌機、温度センサーおよび冷却管を備えた1Lの4つ口フラスコに、水とアルコールの混合溶液(水210g、メタノール490g)に水酸化ナトリウム1.0gを投入した。そこに、110℃に冷却した参考例1の粗組成物180.7gを加えた後、50℃まで昇温し、同温度で30分撹拌した後、撹拌を停止して30分静置して水層と有機層に分液した。分液状態は良好であった。次いで、下層にある有機層を抽出し、90℃、10mmHgで乾燥させて結晶165.0gを得た。得られた結晶について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を用いて成分分析を行った。結果を表1に示す。
実施例2
水とアルコールの混合溶液を水105gおよびメタノール245gに変更し、静置時間を40分としたこと以外は実施例1と同様にして、結晶170.9gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
実施例3
水とアルコールの混合溶液を水110gおよびメタノール560gに変更し、静置時間を50分としたこと以外は実施例1と同様にして、結晶162.3gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
実施例4
水とアルコールの混合溶液を水350gおよびメタノール350gに変更し、静置時間を70分としたこと以外は実施例1と同様にして、結晶164.6gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
実施例5
水とアルコールの混合溶液を水210gおよびエタノール490gに変更し、静置時間を40分としたこと以外は実施例1と同様にして、結晶160.5gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
実施例6
水とアルコールの混合溶液を水210gおよび2−プロパノール490gに変更し、静置時間を40分としたこと以外は実施例1と同様にして、結晶157.0gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
実施例7
水酸化ナトリウム1.0gを水酸化カリウム1.0gに変更し、静置時間を30分としたこと以外は実施例6と同様にして、結晶157.0gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
比較例1
混合溶液を水900gのみとしたこと以外は実施例1と同様にして、反応液を加えて攪拌した後100分静置したが、2層に分液しなかったため、有機層を抽出することはできなかった。
比較例2
攪拌機、温度センサーおよび冷却管を備えた1Lの4つ口フラスコに、トルエン700gおよび110℃に冷却した参考例1の粗組成物180.7gを加えた後50℃まで昇温した。さらに水175gおよび水酸化ナトリウム1.0gを加えて、再度50℃まで昇温させて同温度で30分撹拌した後、撹拌を停止し100分間静置して水層と有機層に分液した。分液状態は、水層と有機層の界面が判別できない状態であった。次いで、上層にある有機層を抽出し、90℃、10mmHgの条件で乾燥させて結晶125.0gを得た。得られた結晶について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を用いて成分分析を行った。結果を表1に示す。
比較例3
トルエン700gをヘプタン700gに変更し、静置時間を70分とした以外は比較例2と同様にして、結晶150.0gを得た。分液状態は水層と有機層の界面が不明瞭であるものの、2層に分液しているのが確認できる状態であった。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表1に示す。
参考例2(4−ヒドロキシ安息香酸テトラコシル粗組成物の調製)
ヘキサデカノールをテトラコサノール(TcOH)176.1gに変更したこと以外は参考例1と同様にして、反応液(粗組成物)を得た。得られた反応液について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびガスクロマトグラフィー(GC)を用いて成分分析を行った。結果を表2に示す。
実施例8
参考例2の粗組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、結晶164.1gを得た。分液状態および得られた結晶の成分分析結果を表2に示す。
比較例4
参考例2の粗組成物を用いたこと以外は比較例1と同様の操作を行ったが、100分間静置しても2層に分液しなかったため、有機層を抽出することはできなかった。
Figure 0006503228
Figure 0006503228
上記の通り、本発明によれば、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの粗組成物から反応原料などの残存物が除去され、高純度の4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルが高収率で得られることがわかる。
本発明の好ましい態様は以下を包含する。
〔1〕式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物を溶融する工程、
溶融した粗組成物を水およびアルコールの混合溶液と混合し、次いで有機層と水層に分液する工程、および
分液した有機層を抽出する工程
を含む、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法。
Figure 0006503228
(式中、nは15〜23の整数を表す)
〔2〕式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルが、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルである、〔1〕に記載の精製方法。
〔3〕アルコールが炭素原子数1〜6の1価アルコールである、〔1〕または〔2〕に記載の精製方法。
〔4〕アルコールがメタノールである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の精製方法。
〔5〕混合溶液中におけるアルコールの比率が10〜70%である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の精製方法。
〔6〕混合溶液の量が、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物に対し1〜5倍重量部である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の精製方法。

Claims (6)

  1. 式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物を溶融する工程、
    溶融した粗組成物を水およびアルコールの混合溶液と混合し、次いで有機層と水層に分液する工程、および
    分液した有機層を抽出する工程
    を含む、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法。
    Figure 0006503228
    (式中、nは15〜23の整数を表す)
  2. 式(1)で表される4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルが、4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルである、請求項1に記載の精製方法。
  3. アルコールが炭素原子数1〜6の1価アルコールである、請求項1または2に記載の精製方法。
  4. アルコールがメタノールである、請求項1〜3のいずれかに記載の精製方法。
  5. 混合溶液中におけるアルコールの比率が10〜70重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の精製方法。
  6. 混合溶液の量が、4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルを含む粗組成物に対し1〜10倍重量部である、請求項1〜5のいずれかに記載の精製方法。
JP2015107752A 2015-05-27 2015-05-27 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法 Active JP6503228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107752A JP6503228B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107752A JP6503228B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016222552A JP2016222552A (ja) 2016-12-28
JP6503228B2 true JP6503228B2 (ja) 2019-04-17

Family

ID=57745387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015107752A Active JP6503228B2 (ja) 2015-05-27 2015-05-27 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6503228B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6272651A (ja) * 1985-09-27 1987-04-03 Yoshitomi Pharmaceut Ind Ltd パラヒドロキシ安息香酸化合物
JPS62114936A (ja) * 1985-11-15 1987-05-26 Toray Ind Inc 3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルの単離法
JP3907787B2 (ja) * 1997-06-02 2007-04-18 昭和化工株式会社 安息香酸誘導体の製造方法
CN101982453B (zh) * 2010-09-10 2013-06-19 山东大学 一种磺酸型离子液体促进下尼泊金酯类化合物的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016222552A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105531245A (zh) 用于纯化包含2-甲酰基-呋喃-5-羧酸和2,5-呋喃二羧酸的酸组合物的方法
JP5312133B2 (ja) 高純度ビニルエーテルの製造法
TWI633109B (zh) 於製備式i之吡啶并吡咯烯(pyripyropene)化合物之方法
JP7141303B2 (ja) 5,5’-メチレンジサリチル酸の製造方法
JP6503227B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
JP6503228B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
JP6518512B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
WO2013153957A1 (ja) 水素化ビフェノールの製造方法
JP6747780B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの製造方法
JP6503220B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
KR102560812B1 (ko) 4-히드록시-벤조산 장쇄 에스테르의 제조 방법 및 정제 방법
JP6812112B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの精製方法
JP6605311B2 (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸長鎖エステルの製造方法
JP5869664B2 (ja) 5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法
JP7439604B2 (ja) ラクトン化合物の精製方法
CN111108085B (zh) 用于制备苯甲酸酯的方法
JP5790430B2 (ja) ヒドロキシアダマンタンカルボン酸類の製造方法及び精製方法
KR20120086012A (ko) 디메틸 테레프탈레이트 제조공정의 부산물로부터 p-클로로메틸벤조산 및 벤조산의 제조방법
JP6433809B2 (ja) 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法
US9994530B2 (en) Method of producing optically active 2-methylpiperazine
CN104031009B (zh) 光学活性四氢呋喃-2-羧酸的制造方法
JP2018002689A (ja) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸アルキルエステルの製造方法
CN110964026A (zh) N,n—二苯甲氧甲酰大观霉素的制备方法
JP5503930B2 (ja) 3−アミノ−1−tert−ブトキシカルボニルピペリジンの精製方法およびそのクエン酸塩
JP2018095581A (ja) 4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170817

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6503228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250