JP6497886B2 - 自立基板、及び、自立基板の製造方法 - Google Patents

自立基板、及び、自立基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自立基板、及び、自立基板の製造方法に関する。
下地基板(例:サファイア基板)上にIII族窒化物半導体層を形成し、その後、下地基板からIII族窒化物半導体層を剥離することで自立基板(III族窒化物半導体の層)を製造する技術がある。
当該技術の場合、非特許文献1に記載のように、自立基板の成長面(露出面)に開口を有するピット(貫通穴、窪み等)が形成され得る。また、ピットの内部の斜面から成長してできた、他の領域よりも不純物濃度(例:O濃度)が高いピット埋込領域が形成され得る。ピット内部の斜面からのIII族窒化物半導体結晶の成長速度は、他の領域からの成長速度よりも遅いため、環境中の不純物の取り込み効率が高くなる。結果、ピット内部の斜面からIII族窒化物半導体結晶が成長してできた領域は、他の領域に比べて不純物濃度が高くなる。
自立基板の成長面(露出面)にピット埋込領域が存在すると、自立基板の上に形成するデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性に悪影響を及ぼし得る。
非特許文献1には、従来のHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)装置よりも格段に精密な成長条件制御を可能とする独自構造のHVPE装置を用い、自立基板の成長面(露出面)におけるピット埋込領域を減らすことで、上記課題を解決する手段を開示している。
藤倉序章、他4名、"高品質GaN単結晶基板の開発"、[online]、日立電線 No.31(2012−1)、[平成26年4月11日検索]、インターネット<URL: http://www.hitachi-cable.co.jp/about/publish/kenkyu/__icsFiles/afieldfile/2012/07/17/r06.pdf >
非特許文献1に記載の技術の場合、独自構造のHVPE装置を新たに用意する必要があり、費用負担が大きい。また、独自構造のHVPE装置を利用しなければならない、すなわち、従来の成長装置を利用できないという点で、汎用性に欠ける技術であるといえる。
本発明は、自立基板の上に形成するデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性への悪影響を軽減するための新たな技術を提供することを課題とする。
本発明によれば、
III族窒化物半導体からなる層と、
前記層の中に存在し、前記層の厚さ方向に延伸し、他の領域よりも不純物濃度が高いピット埋込領域と、
を有し、
前記層の露出面における前記ピット埋込領域の密度は、0.9個/cm以下である自立基板が提供される。
また、本発明によれば、
下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成する第1形成工程と、
前記積層膜の上にIII族窒化物半導体層を形成する第2形成工程と、
前記第2形成工程の後、少なくとも前記下地基板を除去して、前記III族窒化物半導体層を含む自立基板を得る加工工程と、
を有し、
前記第1形成工程では、
第1の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで第1のIII族窒化物半導体層を形成した後、前記第1の成長条件と異なる第2の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで、前記第1のIII族窒化物半導体層の上に第2のIII族窒化物半導体層を形成した第1の積層構造を得る処理を複数回繰り返し行うことで、複数の前記第1の積層構造が積層した前記積層膜を形成する自立基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、自立基板の上に形成するデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性への悪影響を軽減することが可能となる。
本実施形態の自立基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本実施形態の自立基板の製造方法の一例を説明するための製造工程図である。 本実施形態の自立基板の製造方法の一例を説明するための製造工程図である。 本実施形態の自立基板の製造方法の一例を説明するための製造工程図である。 本実施形態の自立基板の製造方法の一例を説明するための製造工程図である。 本実施形態の自立基板の製造方法の一例を説明するための製造工程図である。 本実施形態の自立基板の製造に用いる装置の一例を示す模式図である。 本実施形態の自立基板の一例を示す模式図である。 本実施形態の自立基板の一例を示す模式図である。 本実施形態の自立基板の一例を示す模式図である。 本実施形態の効果を説明するための図である。 本実施形態の効果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、本実施形態の概要について説明する。本発明者らは、成長面(露出面)におけるピット埋込領域の数を従来に比べて低減した自立基板により、自立基板の上に形成するデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性への悪影響を軽減することを検討した。
非特許文献1に開示のように、従来の成長方法でIII族窒化物半導体の結晶からなる層を形成した場合、III族窒化物半導体の成長過程で成長面(露出面)に開口を有するピットが形成される。ピットは、当該層を貫通する貫通ピットのほか、非貫通であり、かつ、内部が逆六角錐、又は、逆六角錐台となりやすいクボミを含む。そして、その後にこのクボミの内部の斜面からIII族窒化物半導体結晶が成長して、他の領域よりも不純物濃度(例:O濃度)が高いピット埋込領域が形成され得る。
なお、非特許文献1には、従来のHVPE装置よりも格段に精密な成長条件制御を可能とする独自構造のHVPE装置を用いることで、自立基板の成長面(露出面)におけるピット埋込領域の数を低減できることが開示されているが、どの程度低減されたのかは不明である。
本実施形態の自立基板は、従来ない本実施形態の自立基板の製造方法で製造される。本発明者らは、理由は不明であるが、以下の実施例で示すように、下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成した後、当該積層膜の上に自立基板とするためのIII族窒化物半導体層を形成すれば、当該III族窒化物半導体層の成長面(露出面)におけるピット埋込領域の数を低減できることを新たに見出した。また、当該技術によれば、さらに、III族窒化物半導体層の成長面(露出面)におけるピットの数を低減できることも新たに見出した。ピット埋込領域及びピットの詳細な定義については、以下で述べる。
本実施形態の自立基板は、上記技術を用いて形成されたものであり、成長面(露出面)におけるピット埋込領域の密度が従来にないほど低減されている点を特徴とする。また、本実施形態の自立基板は、当該特徴に加えて、成長面(露出面)におけるピットの密度が従来に比べて低減されているという特徴をさらに備えることもできる。このような本実施形態の自立基板によれば、自立基板の成長面(露出面)上における、ピット埋込領域やピットが存在しない領域を広くすることができる。このようなピット埋込領域やピットが存在しない領域の上にデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)を形成することで、デバイスの特性への悪影響を軽減することができる。
まず、本実施形態の自立基板の製造方法について説明する。図1は、本実施形態の自立基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図示するように、本実施形態の自立基板の製造方法は、第1形成工程S11と、第2形成工程S12と、加工工程S13とを有する。
第1形成工程S11では、下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成する。なお、第1形成工程S11では、以下の(1)及び(2)の処理の少なくとも一方を所定回数実行することで、III族窒化物半導体からなる積層膜を形成する。
(1) 第1の成長条件でIII族窒化物半導体結晶を成長させることで第1のIII族窒化物半導体層を形成した後、第1の成長条件と異なる第2の成長条件でIII族窒化物半導体結晶を成長させることで、第1のIII族窒化物半導体層の上に第2のIII族窒化物半導体層を形成した積層構造を得る処理。なお、第1のIII族窒化物半導体層及び第2のIII族窒化物半導体層は、積層膜の一部となる。
(2) III族窒化物半導体結晶を成長させることで第3のIII族窒化物半導体層を形成した後、一度III族窒化物半導体の成長を停止し、その後、再びIII族窒化物半導体結晶を成長させることで、第3のIII族窒化物半導体層の上に第4のIII族窒化物半導体層を形成した積層構造を得る処理。なお、第3のIII族窒化物半導体層及び第4のIII族窒化物半導体層は、積層膜の一部となる。
このような手段で積層膜を形成した場合、連続する層間における層の組成(以下、「層組成」)が完全には一致しない状態となる。例えば、不純物濃度が異なったりし得る。結果、SEM(走査電子顕微鏡)で積層膜の断面を観察した際、連続する層間に界面ができる。本発明者らは、このような界面を有する積層膜を下地基板の上に形成した後、当該積層膜の上に、自立基板となるIII族窒化物半導体層を形成した場合、自立基板となるIII族窒化物半導体層に形成されるピット埋込領域を低減できることを確認している。
ここで、(1)の処理について説明する。(1)の処理では、成長条件を異なるせることで、連続する層間における層組成を異ならせる。
例えば、第1の成長条件は「所定の不純物(例:Si)をドーピングする成長条件」とし、第2の成長条件は「当該所定の不純物をアンドープとする成長条件」としてもよい。または、当該所定の不純物のドーピング量が互いに異なるように第1及び第2の成長条件を異ならせてもよい。その他、成長温度、原料ガスの種類、原料ガスの流量、キャリアガスの種類、キャリアガスの流量、成長圧力等を互いに異ならせてもよい。
なお、第1のIII族窒化物半導体層を形成した後、III族窒化物半導体の成長を停止することなく、成長装置を操作して成長条件を切り替えることで、第2のIII族窒化物半導体層を連続的に形成してもよい。
次に、(2)の処理について説明する。(2)の処理では、第3のIII族窒化物半導体層を形成する処理、及び、第4のIII族窒化物半導体層を形成する処理を連続的に行うのでなく、これらの層を形成する処理の間に、一度III族窒化物半導体の成長を停止する工程を入れることで、連続する層間における層組成を異ならせる。
III族窒化物半導体の成長を停止する工程では、例えば、原料ガスやキャリアガスの供給を停止する処理、成長装置内の加熱を停止する処理、第3のIII族窒化物半導体層が形成された下地基板を一度成長装置内から取り出す処理、エッチングガス(HCl、Cl等)を適量導入することで「成長速度=エッチング速度」を実現し、見かけ上成長を停止する処理等が実行される。このようにすれば、第3のIII族窒化物半導体層の中の第4のIII族窒化物半導体層と近接する部分を形成する際の成長装置内の雰囲気と、第4のIII族窒化物半導体層の中の第3のIII族窒化物半導体層と近接する部分を形成する際の成長装置内の雰囲気とが互いに完全には一致しない状態となる。結果、雰囲気中から層内にドープされる不純物(例、O)のドーピング量が互いに異なる等の事象が起こり、これらの層の間に界面が形成される。
なお、(2)の処理において、第3のIII族窒化物半導体層を形成する際の第3の成長条件と、第4のIII族窒化物半導体層を形成する際の第4の成長条件とは、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記(1)及び(2)の処理の少なくとも一方を所定回数実行することで得られる積層膜の積層パターンは特段制限されず、規則正しいパターンであってもよいし、不規則なパターンであってもよい。
例えば、積層膜は、同様の処理を規則正しく所定回数繰り返すことで、同様の積層パターンが所定回数規則正しく繰り返し積層された積層膜であってもよい。一例として、第1の成長条件で形成した第1のIII族窒化物半導体層と、第2の成長条件で第1のIII族窒化物半導体層の上に形成した第2のIII族窒化物半導体層との積層体が、所定回数連続的に繰り返した積層膜(第1のIII族窒化物半導体層/第2のIII族窒化物半導体層/第1のIII族窒化物半導体層/第2のIII族窒化物半導体層/・・・)が考えられる。
不規則な積層パターンの一例としては、第1の成長条件で形成した第1のIII族窒化物半導体層と、第2の成長条件で第1のIII族窒化物半導体層の上に形成した第2のIII族窒化物半導体層との積層体の上に、(2)の処理により第2の成長条件で第2´のIII族窒化物半導体層が形成され、その上に、第1及び第2の成長条件と異なる第1´の成長条件で第1´のIII族窒化物半導体層が形成された積層膜(第1のIII族窒化物半導体層/第2のIII族窒化物半導体層/第2´のIII族窒化物半導体層/第1´のIII族窒化物半導体層/・・・)が考えられる。
なお、ここで例示した積層パターンは、規則正しいパターン及び不規則なパターンを説明するために示したものに過ぎず、これらに限定されない。しかし、上述のような規則正しいパターンとした場合、不規則なパターンとする場合に比べて製造処理がシンプルになるという利点がある。
積層膜の層の数は、5以上100以下、好ましくは10以上30以下である。ピット埋込領域を低減する観点では、積層膜の層の数は多いのが好ましい。しかし、積層膜の層の数が多すぎると、製造時間が長くなったり、また、多くの原料を要する等の問題が発生し得る。
本実施形態では、積層膜の層の数を5以上100以下、好ましくは10以上30以下とすることで、製造時間が長くなったり、また、多くの原料を要する等の問題のレベルを抑制しつつ、十分なピット埋込領域の低減効果を実現することができる。
また、積層膜を構成する各層の厚さは例えば50nm以上100μm以下であり、積層膜の厚さは例えば250nm以上1000μm以下である。本発明者らは、積層膜を構成する各層の厚さを50nm以上100μm以下とし、積層膜の厚さを250nm以上1000μm以下とした場合、ピット埋込領域の問題を十分に低減することを確認している。
なお、積層膜の形成においては従来のあらゆる方法を採用でき、例えば、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)、MOVPE(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)等のあらゆるエピタキシャル成長法を利用できる。
次に、第2形成工程S12では、第1形成工程S11で形成した積層膜の上に、III族窒化物半導体層を形成する。当該III族窒化物半導体層が、自立基板の少なくとも一部となる。III族窒化物半導体層の形成は、従来のあらゆる方法を採用でき、例えば、HVPE、MOVPE等のあらゆるエピタキシャル成長法を利用できる。当該工程で形成するIII族窒化物半導体層の厚さは、例えば150μm以上30mm以下である。
加工工程S13では、第2形成工程S12の後、少なくとも下地基板を除去して、第2形成工程S12で形成したIII族窒化物半導体層を含む自立基板を得る。なお、当該工程では、さらに、第1形成工程S11で形成した積層膜の少なくとも一部を除去してもよい。下地基板や積層膜の除去方法は特段制限されず、従来のあらゆる技術を採用できる。また、加工工程S13では、第2形成工程S12で形成したIII族窒化物半導体層の成長面(露出面)を研磨(例、CMP:Chemical Mechanical Polishing)等により加工し、成長面(露出面)側から一部を除去して平坦化してもよい。
ここで、図2乃至図7を用いて、第1形成工程S11で、Siをドーピングした第1のIII族窒化物半導体層、アンドープである第2のIII族窒化物半導体層からなる積層膜を形成する場合の自立基板の製造方法の具体例を説明する。
まず、下地基板102を準備する。下地基板102は、例えば、サファイア基板等の異種基板であってもよいし、III族窒化物半導体の自立基板であってもよい。下地基板102はこれに限られず、例えば、III族窒化物半導体が表面に堆積されたサファイア基板またはIII族窒化物半導体が表面に堆積されたSiC基板としてもよい。表面に堆積されるIII族窒化物半導体の例には、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)および窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)が含まれる。なお、下地基板102に用いられるIII族窒化物半導体は単結晶である。下地基板102に用いられるIII族窒化物半導体の導電型は特に限定されず、p型であってもよいし、n型であってもよい。他の例として、下地基板102に用いられるIII族窒化物半導体は、真性半導体であってもよい。
次に、図2に示すように、下地基板102の上に積層膜104を形成する。積層膜104は、第1のIII族窒化物半導体層104aと、第2のIII族窒化物半導体層104bと、が交互に積層されてなる。当該例では、HVPEにより、第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bを形成する。ただし、第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bの形成方法はHVPEに限られず、他の方法(例えば、MOVPE)を用いてもよい。
なお、図2に示す例では、積層膜104の最下層には第1のIII族窒化物半導体層104aが形成され、積層膜104の最上層には第2のIII族窒化物半導体層104bが形成されている。ただし、積層膜104の最下層および最上層は図1の例に限られず、積層膜104の最下層に第2のIII族窒化物半導体層104bが形成されていてもよいし、積層膜104の最上層に第1のIII族窒化物半導体層104aが形成されていてもよい。
図2に示す例では、第1のIII族窒化物半導体層104aは、n型III族窒化物半導体層である。一方、第2のIII族窒化物半導体層104bは、アンドープIII族窒化物半導体層である。第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bに用いられるIII族窒化物半導体の例には、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)および窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)が含まれる。また第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bに用いられるIII族窒化物半導体は単結晶である。
図2に示す例では、第1のIII族窒化物半導体層104aには、シリコン(Si)がn型不純物としてドープされている。この場合、シリコンのドープは、HVPEまたはMOVPEにおいてシリコンを含むガス(例えば、モノシラン(SiH)またはジクロロシラン(SiHCl))を供給して実施してもよい。第1のIII族窒化物半導体層104aのn型不純物濃度は、例えば、5E17atoms/cm以上5E20atoms/cm以下である。
なお、互いに接する第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bの間において、第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bのn型不純物濃度をステップ状に近い態様で変化させることで、これらの層間に界面を形成することができる。
積層膜104では、第1のIII族窒化物半導体層104aと第2のIII族窒化物半導体層104bとの積層のサイクルが所定回数繰り返されている。当該回数は特に限定されるものではないが、例えば、10回以上としてもよい。すなわち、この場合、第1のIII族窒化物半導体層104aの1層および第2のIII族窒化物半導体層104bの1層の1組からなる層が、10層以上積層されることになる。
図2に示す例では、積層膜104において、第1のIII族窒化物半導体層104aおよび第2のIII族窒化物半導体層104bは、それぞれある程度の膜厚を有することが好ましい。これらの膜厚は、超格子を形成するような薄膜とするよりも、たとえば50nm以上とし、好ましくは200nm以上である。さらに積層膜104に含まれる第1のIII族窒化物半導体層104aのいずれの膜厚も、積層膜104に含まれる第2のIII族窒化物半導体層104bのいずれの膜厚よりも厚くしてもよい。例えば、第1のIII族窒化物半導体層104aの膜厚は700nm以上1000nm以下とし、第2のIII族窒化物半導体層104bの膜厚は350nm以上500nm以下としてもよい。
次に、図3に示すように、積層膜104の上に、III族窒化物半導体層106を形成する。III族窒化物半導体層106の膜厚は、積層膜104に含まれるいずれの第1のIII族窒化物半導体層104aまたは第2のIII族窒化物半導体層104bよりも厚い。なお、III族窒化物半導体層106の膜厚は、積層膜104の全体の膜厚よりも厚くしてもよい。例えば、III族窒化物半導体層106は、HVPEによって形成される。ただし、III族窒化物半導体層106の形成方法はHVPEに限られず、他の方法(例えば、MOVPE)を用いてもよい。III族窒化物半導体層106に用いられるIII族窒化物半導体の例には、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)および窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)が含まれる。またIII族窒化物半導体層106に用いられるIII族窒化物半導体は単結晶である。図3に示す例では、III族窒化物半導体層106は、アンドープIII族窒化物半導体層である。
次に、図4に示すように、III族窒化物半導体層106の上に、n型III族窒化物半導体層108を形成する。例えば、n型III族窒化物半導体層108は、HVPEによって形成される。ただし、n型III族窒化物半導体層108の形成方法はHVPEに限られず、他の方法(例えば、MOVPE)を用いてもよい。n型III族窒化物半導体層108に用いられるIII族窒化物半導体の例には、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)および窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)が含まれる。またn型III族窒化物半導体層108に用いられるIII族窒化物半導体は単結晶である。図4に示す例では、n型III族窒化物半導体層108には、シリコン(Si)がn型不純物としてドープされている。この場合、シリコンのドープは、HVPEまたはMOVPEにおいてシリコンを含むガス(例えば、モノシランまたはジクロロシラン)を供給して実施してもよい。n型III族窒化物半導体層108のn型不純物濃度は、例えば、5E17atoms/cm以上5E20atoms/cm以下である。
次に、図5に示すように、積層体100から、下地基板102と、積層膜104と、III族窒化物半導体層106と、を除去する。このようにして、積層体100を、n型III族窒化物半導体層108を含む基体200に加工する。なお、基体200の表面をCMP等により研磨し、平坦化する加工をさらに行ってもよい。
積層体100を基体200に加工する方法は特に限定されないが、例えば、研磨により、積層体100から、下地基板102と、積層膜104と、III族窒化物半導体層106と、を除去してもよい。さらに積層体100を、III族窒化物半導体層106とn型III族窒化物半導体層108との間で切断することで、積層体100を基体200に加工してもよい。このようにして得られた基体200がIII族窒化物半導体からなる本実施形態の自立基板となる。
なお、積層体100は、図6に示すように加工してもよい。図6は、図5の変形例を示す図である。図6に示す例では、積層体100から、下地基板102のみを除去している。結果、基体200は、積層膜104と、III族窒化物半導体層106と、n型III族窒化物半導体層108と、を含んでいる。なお、図6に示す例では、積層体100から下地基板102を除去する際に、積層膜104の一部が除去されてもよい。また、図5及び図6に示す例において、n型III族窒化物半導体層108の成長面(露出面)側から一部が、研磨などにより除去され、平坦化されてもよい。
図7は、図2から図4に示す工程に用いることができるHVPE装置300の一例を示す図である。HVPE装置300は、積層膜104、III族窒化物半導体層106およびn型III族窒化物半導体層108を形成するために用いられる。HVPE装置300において、下地基板102は、チャンバ302の内部に設けられたステージ304に載置される。なおステージ304は、図7に示すように回転可能である。さらにチャンバ302の温度は、ヒータ306によって調整することができる。チャンバ302には、導入路320、導入路322および導入路324が取り付けられている。そして導入路320、導入路322および導入路324には、それぞれ、ガスライン314、ガスライン316およびガスライン318を介して、ボンベ308、ボンベ310およびボンベ312に含まれるガスが供給される。
ボンベ308は、塩化水素(HCl)ガスを含んでいる。当該HClガスとGa(ガリウム)ソース326とが反応すると、Ga(ガリウム)原料ガス(例えば、塩化ガリウム(GaCl))が導入路320からチャンバ302の内部に導入される。他方、ボンベ310は、窒素含有ガス(例えば、窒素(N)ガスまたはアンモニア(NH)ガス)を含んでいる。この窒素含有ガスは導入路322を介してチャンバ302の内部に導入される。またボンベ312は、ドナーガス(例えば、モノシラン(SiH)またはジクロロシラン(SiHCl)といったシリコン含有ガス)を含んでいる。このドナーガスは導入路324を介してチャンバ302の内部に導入される。Ga原料ガス、窒素含有ガスおよびドナーガスは積層体100の形成に寄与するが、積層体100の形成に寄与しないガスは、排出管328を介してチャンバ302の外部に排出される。
第1のIII族窒化物半導体層104aが形成される場合は、導入路320、導入路322および導入路324から、ぞれぞれ、Ga原料ガス、窒素含有ガスおよびドナーガスが供給される。一方、第2のIII族窒化物半導体層104bが形成される場合は、導入路320および導入路322から、それぞれ、Ga原料ガスおよび窒素含有ガスが供給されるが、ドナーガスは供給されない。
III族窒化物半導体層106が形成される場合は、第2のIII族窒化物半導体層104bと同様、導入路320および導入路322から、それぞれ、Ga原料ガスおよび窒素含有ガスが供給されるが、ドナーガスは供給されない。ただし、III族窒化物半導体層106を形成する場合におけるチャンバ302の内部におけるGa原料ガスおよび窒素含有ガスの分圧は、第2のIII族窒化物半導体層104bを形成する場合におけるチャンバ302の内部におけるチャンバ302の内部におけるGa原料ガスおよび窒素含有ガスの分圧よりもそれぞれ高くしてもよい。このようにして、III族窒化物半導体層106を、第2のIII族窒化物半導体層104bよりも速い成長速度で形成することができる。さらにこの場合、チャンバ302の内部の不純物量が常にほぼ一定であることに起因して、III族窒化物半導体層106のn型不純物濃度は、積層膜104に含まれる第2のIII族窒化物半導体層104bのいずれのn型不純物濃度よりも低いものとなる。
n型III族窒化物半導体層108が形成される場合は、第1のIII族窒化物半導体層104aと同様、導入路320、導入路322および導入路324から、ぞれぞれ、Ga原料ガス、窒素含有ガスおよびドナーガスが供給される。
なお、下地基板102は、積層膜104が形成されてからn型III族窒化物半導体層108が形成されるまでの間、チャンバ302から取り出されることなく、ステージ304に載置されたままであってもよいし、途中の所定のタイミング(所定の層が形成された後)でHVPE装置300から取り出されてもよい。
次に、当該例の変形例について説明する。
図2から図4に示す例では、第2のIII族窒化物半導体層104bは、アンドープIII族窒化物半導体層であったが、n型不純物濃度が相対的に低いIII族窒化物半導体層であれば、アンドープIII族窒化物半導体層に限られない。具体的には、第2のIII族窒化物半導体層104bのn型不純物濃度は、第1のIII族窒化物半導体層104aのn型不純物濃度よりも低いものとすることができる。より具体的には、第2のIII族窒化物半導体層104bは、5E17atoms/cm未満のn型不純物濃度を含む半導体層となる。第2のIII族窒化物半導体層104bのn型不純物濃度がこの値未満である場合、第2のIII族窒化物半導体層104bは、通常、n型半導体として機能することはない。本変形例においても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
図3および図4に示す例では、積層膜104とn型III族窒化物半導体層108との間にIII族窒化物半導体層106が設けられているが、III族窒化物半導体層106は設けられていなくてもよい。この場合、積層膜104の最上層に接してn型III族窒化物半導体層108が設けられることになる。本変形例においても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
図3および図4に示す例では、III族窒化物半導体層106は、アンドープIII族窒化物半導体層であったが、n型不純物濃度が相対的に低いIII族窒化物半導体層であれば、アンドープIII族窒化物半導体層に限られない。具体的には、III族窒化物半導体層106のn型不純物濃度は、第1のIII族窒化物半導体層104aのn型不純物濃度よりも低いものとすることができる。より具体的には、III族窒化物半導体層106は、5E17atoms/cm未満のn型不純物濃度を含む半導体層となる。III族窒化物半導体層106のn型不純物濃度がこの値未満である場合、III族窒化物半導体層106は、通常、n型半導体として機能することはない。本変形例においても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、上述した本実施形態の自立基板の製造方法により得られる本実施形態の自立基板について説明する。
本実施形態の自立基板は、III族窒化物半導体からなる層と、当該層の中に存在するピット埋込領域とを有する。III族窒化物半導体からなる層は、第2形成工程S12で形成されるIII族窒化物半導体層の少なくとも一部で構成される層である。以下、当該III族窒化物半導体からなる層を、メイン層という。なお、自立基板は、メイン層以外の層(第1形成工程S11で形成される積層膜の少なくとも一部等)を有してもよい。自立基板の厚さは、例えば、150μm以上2mm以下である。また、自立基板の径は、例えば、15mm以上200mm以下である。
ここで、図8乃至図10に、本実施形態の自立基板10の断面模式図の一例を示す。図8及び図10は、メイン層のみからなる自立基板10である。図9は、メイン層14と他の層15とからなる自立基板10である。
ピット埋込領域は、図8乃至図10中、11及び13の符号で示されている。ピット埋込領域は、III族窒化物半導体の成長過程で成長面(露出面)に形成されたピットの内部、特に、非貫通であり、かつ、内部が逆六角錐、又は、逆六角錐台となりやすいクボミの内部の斜面からIII族窒化物半導体結晶がエピタキシャル成長することで形成される。クボミの内部の斜面は、例えば、(10−12)面、(11−22)面、これらが混合したもの等が観察されている。また、メイン層の成長面(露出面)におけるクボミの径は、0μmより大3000μm以下となる。
このように形成されるピット埋込領域は、メイン層の厚さ方向に延伸し、メイン層の成長面(露出面)まで到達し得る。また、他の領域よりもIII族窒化物半導体の成長速度が遅いピットの内部から成長してできたピット埋込領域は、他の領域よりも不純物濃度(例:O濃度)が高くなる。そして、メイン層の成長面(露出面)におけるピット埋込領域の径(D1、D3)は、0μmより大3000μm以下となる。
ピット埋込領域は、メイン層の成長面(露出面)において開口を有する場合と、有さない場合とがある。図8及び図9に示す自立基板のピット埋込領域13は、メイン層の成長面16(露出面)においてクボミ13´を有する。しかし、例えば、図8に示す自立基板10の成長面(図中上側の面)を研磨し、クボミ13´を除去すると、図10に示すような状態となる。図10においては、メイン層の成長面16(露出面)においてクボミを有さないピット埋込領域11が示されている。このように、メイン層の成長面16(露出面)におけるピット埋込領域11及び13の状態は、その後の加工などにより、変化し得る。
本実施形態の自立基板10は、メイン層の成長面16(露出面)におけるピット埋込領域11及び13の密度が、0.9個/cm以下、さらに好ましくは0.5個/cm以下、さらに好ましくは0.1個/cm以下であるという特徴を有する。このように、メイン層の成長面16(露出面)におけるピット埋込領域11及び13の数を従来に比べて低減した自立基板10によれば、自立基板10の上に形成するデバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性への悪影響を軽減することが可能となる。
なお、上記メイン層の成長面16(露出面)におけるピット埋込領域11及び13の密度は、1.0×10−2個/cm以上であってもよい。上記積層膜内における層の数を増やし、界面の数を増やすほど、ピット埋込領域11及び13の密度を低減できることを確認しているが、積層膜内における層の数を増やすほど、製造時間が長くなり、また、多くの原料を要する等の問題が発生し得る。ピット埋込領域11及び13の密度が、1.0×10−2個/cm以上0.9個/cm以下となる程度にコントロールすることで、製造時間が長くなったり、また、多くの原料を要する等の問題のレベルを抑制しつつ、デバイス(例:光デバイス、電子デバイス等)の特性への悪影響を十分に軽減することができる。
なお、本実施形態の自立基板10は、上記メイン層の成長面16(露出面)におけるピットの密度が、0.1個/cm以下、好ましくは0.7×10−1個/cm以下であってもよい。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、上記メイン層の成長面16(露出面)におけるピットの密度をこのようにコントロールすることができる。なお、ピットの径(D2、D3)は、0μmより大3000μm以下である。
ピットは、成長面16(露出面)に形成された開口を有する部分である。ピットは、メイン層の成長面16(露出面)から、当該メイン層の裏面17まで貫通する貫通穴、及び、当該裏面17まで貫通していない非貫通のクボミを含む。図8及び図9に示す例の場合、貫通穴12と、クボミ13´がピットに該当する。図10に示す例の場合、貫通穴12のみが、ピットに該当する。
ここで、ピット埋込領域11及び13の密度及びピット12及び13´の密度を測定する方法を説明する。
自立基板10の裏面からUVを照射すると、不純物濃度が相対的に高いピット埋込領域11及び13は黒く見え、他の領域は黄緑色に見える。このため、目視観察によりウエハー全面での、ピット埋込領域11及び13を特定できる。また、ピット12及び13´は、成長面16に開口を有する。このため、観察画像を目視で確認すれば、ピット12及び13´を特定できる。本実施形態では、自立基板10の露出面(成長面)全面を観察エリアとする。そして、当該観察エリア内のピット埋め込み領域及びピットの数を上述のようにして観察する。そして、(カウント数)/(観察エリアの面積)の式により、密度を算出する。
以上説明した本実施形態によれば、成長面(露出面)におけるピット埋込領域の密度が従来にないほど低減されたIII族窒化物半導体からなる自立基板が実現される。また、本実施形態によれば、当該特徴に加えて、成長面(露出面)におけるピットの密度が従来に比べて低減されたIII族窒化物半導体からなる自立基板が実現される。
自立基板の成長面(露出面)にピット埋込領域やピットが存在すると、自立基板の上に成長させるIII族窒化物半導体の結晶性や、その上に形成するデバイス特性に悪影響を及ぼし得る。このため、ピット埋込領域やピットが存在しない領域を選択して、デバイスを製造する、ピット埋込領域やピットが存在する領域上に製造したデバイスは不良品として除去するなどの対応が必要となり、製造効率の問題や、歩留まりの問題が発生し得る。
本実施形態によれば、自立基板の成長面(露出面)におけるピット埋込領域やピットを低減できるので、自立基板の上に成長させるIII族窒化物半導体の結晶性や、その上に形成するデバイス特性への悪影響を低減することができる。結果、上記製造効率の問題や、歩留まりの問題などを改善することができる。
<実施例1>
実施例1として、図2乃至図7を用いて説明した方法を用いて、図5の基体200を製造した。
具体的には、下地基板102には、窒化ガリウム(GaN)基板を使用した。第1のIII属窒化物半導体層104aおよび第2のIII属窒化物半導体層104bには、シリコンドープ窒化ガリウム(GaN)およびアンドープ窒化ガリウム(GaN)をそれぞれ使用した。第1のIII属窒化物半導体層104aの膜厚および第2のIII属窒化物半導体層104bの膜厚は、それぞれ、700nmおよび500nmである。積層膜104では、第1のIII属窒化物半導体層104aと第2のIII属窒化物半導体層104bとのサイクルが20回繰り返されている。III族窒化物半導体層106には、アンドープ窒化ガリウム(GaN)を使用した。III族窒化物半導体層106の膜厚は、0.2mmである。n型III族窒化物半導体層108には、シリコンドープ窒化ガリウム(GaN)を使用した。n型III族窒化物半導体層108の膜厚は、2mmである。その後、CMPにより、下地基板102、積層膜104、III族窒化物半導体層106を除去するとともに、n型III族窒化物半導体層108の成長面(露出面)を平坦化し、直径2インチの基体200を得た。この基体200を、実施例1の自立基板とした。
<比較例1>
比較例1として、下地基板102の第1面の上にn型III族窒化物半導体層108が直接形成された積層体を製造した。その後、CMPにより、下地基板102を除去するとともに、n型III族窒化物半導体層108の成長面(露出面)を平坦化し、直径2インチの基体を得た。この基体を、比較例1の自立基板とした。なお、比較例1の製造方法は、積層膜104とIII族窒化物半導体層106とを形成しない点を除いて、実施例1と同様である。
<ピット埋込領域及びピットの数の測定>
比較例1の自立基板を18個製造し、これらにサンプル番号1乃至18を付した。また、実施例1の自立基板を20個製造し、これらにサンプル番号19乃至38を付した。そして、基体の露出面(成長面)全面を観察エリアとし、サンプルごとに、観察エリア内におけるピット埋込領域及びピットの数をカウントした。
図11にピット埋込領域の数、図12にピットの数の結果を示す。横軸は、サンプル番号を示し、縦軸はピット埋込領域の数(図11)、及び、ピットの数(図12)を示す。また、表1及び表2に、各サンプルのピット埋込領域の数及びピットの数及び密度をまとめた。
Figure 0006497886
Figure 0006497886
図11に示すように、比較例1に比べて、実施例1のピット埋込領域の数は明らかに少ない。
実施例1のピット埋込領域の密度は、2.4×10−2個/cm以上4.9×10−1個/cm以下であった。一方、比較例1のピット埋込領域の密度は、1.0個/cm以上1.9個/cm以下であった。
また、実施例1のピット埋込領域の数の平均は12.4個であった。一方、比較例1のピット埋込領域の数の平均は105.6個であった。
以上、図11の結果によれば、本実施形態の自立基板の製造方法により、成長面(露出面)におけるピット埋込領域の密度が1.0×10−2個/cm以上0.9個/cm以下であり、従来にないほど低減されたIII族窒化物半導体からなる自立基板が実現されることが分かる。
次に、図12に示す結果によれば、比較例1に比べて、実施例1のピットの数が少なくなる傾向が読み取れる。
実施例1のピットの密度は、0個/cm以上8.6×10−2個/cm以下であった。一方、比較例1のピットの密度は、0個/cm以上2.5×10−1個/cm以下であった。
また、実施例1のピットの数の平均は1.9個であった。一方、比較例1のピットの数の平均は5.8個であった。
なお、図12に示すように、比較例1のサンプルの中に、ピットの密度が実施例1のサンプルと同程度、また、実施例1より低減されたものが存在する。しかし、そのような比較例1のサンプルのいずれも、ピット埋込領域の密度は実施例1のいずれのサンプルよりも明らかに劣る。
図11及び図12の結果によれば、本実施形態の自立基板の製造方法により、成長面(露出面)におけるピット埋込領域の密度が従来にないほど低減され、なおかつ、成長面(露出面)におけるピットの密度が従来に比べて低減されたIII族窒化物半導体からなる自立基板が実現されることが分かる。
なお、ここでは示さないが、本発明者らは、その他の手段で積層膜を形成した場合も、同様の作用効果が得られることを確認している。
以下、参考形態の例を付記する。
1. III族窒化物半導体からなる層と、
前記層の中に存在し、III族窒化物半導体の成長過程で成長面に形成されたピットの内部からIII族窒化物半導体がエピタキシャル成長することで形成され、前記層の厚さ方向に延伸し、他の領域よりも不純物濃度が高いピット埋込領域と、
を有し、
前記層の露出面における前記ピット埋込領域の密度は、0.9個/cm以下である自立基板。
2. 1に記載の自立基板において、
前記層の前記露出面における前記ピット埋込領域の密度は、1.0×10−2個/cm以上である自立基板。
3. 1又は2に記載の自立基板において、
前記層の前記露出面において開口を有するピットの密度は、0.1個/cm以下である自立基板。
4. 下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成する第1形成工程と、
前記積層膜の上にIII族窒化物半導体層を形成する第2形成工程と、
前記第2形成工程の後、少なくとも前記下地基板を除去して、前記III族窒化物半導体層を含む自立基板を得る加工工程と、
を有し、
前記第1形成工程では、
第1の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで第1のIII族窒化物半導体層を形成した後、前記第1の成長条件と異なる第2の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで、前記第1のIII族窒化物半導体層の上に第2のIII族窒化物半導体層を形成した積層構造を得る処理、及び、III族窒化物半導体を成長させることで第3のIII族窒化物半導体層を形成した後、一度III族窒化物半導体の成長を停止し、その後、再びIII族窒化物半導体を成長させることで前記第3のIII族窒化物半導体層の上に第4のIII族窒化物半導体層を形成した積層構造を得る処理の少なくとも一方を所定回数実行することで、前記積層膜を形成する自立基板の製造方法。
10 自立基板
11 ピット埋込領域
12 貫通穴
13 ピット埋込領域
13´ クボミ
14 メイン層
15 他の層
16 成長面
17 裏面
100 積層体
102 下地基板
104 積層膜
104a 第1のIII族窒化物半導体層
104b 第2のIII族窒化物半導体層
106 III族窒化物半導体層
108 n型III族窒化物半導体層
200 基体
300 HVPE装置
302 チャンバ
304 ステージ
306 ヒータ
308 ボンベ
310 ボンベ
312 ボンベ
314 ガスライン
316 ガスライン
318 ガスライン
320 導入路
322 導入路
324 導入路
326 Gaソース
328 排出管

Claims (5)

  1. III族窒化物半導体からなる層と、
    前記層の中に存在し、前記層の厚さ方向に延伸し、他の領域よりも不純物濃度が高いピット埋込領域と、
    を有し、
    前記層の露出面における前記ピット埋込領域の密度は、0.9個/cm以下である自立基板。
  2. 請求項1に記載の自立基板において、
    前記層の前記露出面における前記ピット埋込領域の密度は、1.0×10−2個/cm以上である自立基板。
  3. 請求項1又は2に記載の自立基板において、
    前記層の前記露出面において開口を有するピットの密度は、0.1個/cm以下である自立基板。
  4. 下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成する第1形成工程と、
    前記積層膜の上にIII族窒化物半導体層を形成する第2形成工程と、
    前記第2形成工程の後、少なくとも前記下地基板を除去して、前記III族窒化物半導体層を含む自立基板を得る加工工程と、
    を有し、
    前記第1形成工程では、
    第1の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで第1のIII族窒化物半導体層を形成した後、前記第1の成長条件と異なる第2の成長条件でIII族窒化物半導体を成長させることで、前記第1のIII族窒化物半導体層の上に第2のIII族窒化物半導体層を形成した第1の積層構造を得る処理を複数回繰り返し行うことで、複数の前記第1の積層構造が積層した前記積層膜を形成する自立基板の製造方法。
  5. 下地基板の上にIII族窒化物半導体からなる積層膜を形成する第1形成工程と、
    前記積層膜の上にIII族窒化物半導体層を形成する第2形成工程と、
    前記第2形成工程の後、少なくとも前記下地基板を除去して、前記III族窒化物半導体層を含む自立基板を得る加工工程と、
    を有し、
    前記第1形成工程では、
    III族窒化物半導体を成長させることで第3のIII族窒化物半導体層を形成した後、一度III族窒化物半導体の成長を停止し、その後、再びIII族窒化物半導体を成長させることで前記第3のIII族窒化物半導体層の上に第4のIII族窒化物半導体層を形成した第2の積層構造を得る処理を複数回繰り返し行うことで、複数の前記第2の積層構造が積層した前記積層膜を形成する自立基板の製造方法。
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