JP6497788B2 - インクジェット印刷用紙 - Google Patents
インクジェット印刷用紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6497788B2 JP6497788B2 JP2017226398A JP2017226398A JP6497788B2 JP 6497788 B2 JP6497788 B2 JP 6497788B2 JP 2017226398 A JP2017226398 A JP 2017226398A JP 2017226398 A JP2017226398 A JP 2017226398A JP 6497788 B2 JP6497788 B2 JP 6497788B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- ink
- parts
- pigment
- absorbing layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Paper (AREA)
Description
本発明のインクジェット印刷用紙は、パルプを主成分とする基紙、例えば、基紙中80質量%以上、90質量%以上、さらに95質量%以上のパルプを含有する基紙を使用すればよい。本発明の基紙に使用するパルプとしてはLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。例えば、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)を全パルプ中80〜100質量部含むパルプを使用すればよい。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ、植林木から得られるパルプが好ましい。また、本発明に係る基紙を構成するパルプは、インクジェット印刷用紙として適切な叩解度を有する紙料とすることが好ましい。適切な叩解度としては、例えば、カナダ標準ろ水度(フリーネス)(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」)で、350〜650mlCSFである。
本発明のインクジェット印刷用紙においては、基紙の少なくとも一方の面に、顔料とスチレン−ブタジエンラテックスを含有するインク吸収層を設ける。インク吸収層はインクジェット印刷用紙の最表層となるように設けることが好ましい。インク吸収層に用いる顔料としては、一般の印刷用塗工紙に使用されている公知の白色顔料を用いることができるが、本発明においては、前記顔料の10〜80質量%を軽質炭酸カルシウムとする。好ましくは20〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。軽質炭酸カルシウムの添加量が10質量%未満の場合はインク吸収層のBET比表面積が低くなるおそれがある。80質量%を超えると白紙光沢を損ない、インクジェット印刷適正に劣るおそれがある。さらに、軽質炭酸カルシウム以外の顔料として、例えば、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムの二次凝集体、重質炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、等のムキ顔料並びにプラスチックピグメント等の有機顔料であり、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。例えば、本発明の顔料として、顔料全体に対して、カオリンを20〜90質量%および軽質炭酸カルシウムを10〜80質量%使用し、例えば、カオリンを25〜80質量%および軽質炭酸カルシウムを20〜75質量%使用し、好ましくは、カオリンを30〜70質量%および軽質炭酸カルシウムを30〜70質量%使用すればよい。
インク吸収層のBET比表面積(m2/g)=インクジェット印刷用紙のBET比表面積(m2/g)×インクジェットの坪量(g/m2)/インク吸収層の塗工量(g/m2)
前記インク吸収層を塗工する方式としては、特に限定することはなく、一般に使用されている塗工装置が使用される。例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、チャンプレックスコーター、メータリングブレード式のサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、スプレーコーター、ゲートロールコーター、リップコーター等の公知の各種塗工装置を用いることができる。
本発明においては、基紙にインク吸収層を塗工、乾燥した後にキャレンダー処理を行う事が好ましい。処理装置としては、通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、シューニップキャレンダー、ソフトキャレンダー、等が用いられる。その際の加圧装置形態、加圧ニップ数、温度条件等の処理条件を適宜調節して処理することが出来る。本発明においては、キャレンダー処理時に発生する汚れを防止するために、インク吸収層に潤滑剤を含有させることが好ましい。本発明ではインク吸収層にバインダーとしてスチレン−ブタジエンラテックスを含有させるため、スチレン−ブタジエンラテックスのガラス転移温度、粒子経、ブタジエン比率等によってはキャレンダー処理時にロール表面の汚れが発生しやすくなるが、インク吸収層に潤滑剤を含有させることにより、このロール汚れを抑制することができる。潤滑剤の含有量は顔料100質量部に対して0.005〜3.0質量部、さらには、0.008〜3.0質量部、0.01〜2.7質量部が好ましい。潤滑剤が3.0質量部を超える場合はインク吸収性が悪くなり、インク乾燥性に劣る恐れがある。潤滑剤0.005質量部未満の場合はキャレンダー汚れが発生して欠点が発生する恐れがある。前記潤滑剤はインク乾燥性とキャレンダー汚れの観点から、水分散性の高級脂肪酸塩およびその誘導体から選択されることが好ましい。前記水分散性の高級脂肪酸塩およびその誘導体は、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アンモニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、オレイン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸バリウム、パルチミン酸カルシウムなどの水に難溶または不溶な高級脂肪酸塩を、分散乳化剤を用いて乳化し、水分散体としたものが挙げられる。
(基紙の作製)
カナディアンスタンダードフリーネス450mlcsfの広葉樹晒クラフトパルプ100部、軽質炭酸カルシウム(TP−121:奥多摩工業社製)10部、カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)0.3部、中性ロジンサイズ剤(CC167:星光PMC社製)0.2部に水を加えて紙料を調製し、これを用いて、長網多筒式抄紙機を用いて坪量70g/m2の原紙を作製した。この原紙にゲートロールコーターにより、酸化澱粉(MS3800:日本食品化工社製)を両面で乾燥塗布量2.5g/m2となるように塗布した。
カオリン(コンツアー1500、イメリス社製)60部、軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)40部に分散剤(アロンT−50、東亜合成社製)0.2部を加え、加水してコーレス分散機を用いて水分散し、顔料スラリーを作成した。この顔料スラリーに、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(MS4600、日本食品加工社製)2部とスチレン−ブタジエンラテックス(PA0372、日本エイアンドエル株式会社)7部とを添加し、次いで潤滑剤として高級脂肪酸塩であるステアリン酸カルシウムの水分散物(DEF−963TF、日新化学研究所社製)2.5部と水を加えて固形分濃度50%のインク吸収層塗工液を調製した。
上記で得られた基紙の両面にインク吸収層塗工液をブレードコーターを用いて、基紙の片面当たり乾燥塗工量が10g/m2になるように塗工、乾燥した。その後、キャレンダー処理を行い、坪量が92.5g/m2のインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)40部を二次凝集形状の軽質炭酸カルシウム(TP121SA、奥多摩工業社製)40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、カオリン(コンツアー1500、イメリス社製)の添加量を30部とし、軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)の添加量を70部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作成した。
実施例1において、カオリン(コンツアー1500、イメリス社製)の添加量を75部とし軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)の添加量を25部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作成した。
実施例1においてカオリン(コンツアー1500、イメリス社製)の添加量を80部とし、軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)の添加量を20部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作成した。
実施例1において、潤滑剤の添加量を0.01部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作成した。
実施例1において、潤滑剤の添加量を3.0部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作成した。
実施例1において、インク吸収層の軽質炭酸カルシウム(PC−700、白石工業社製)40部を重質炭酸カルシウム(カービラックス、イメリス社製)40部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
実施例1において、インク吸収層の顔料を重質炭酸カルシウム(カービラックス、イメリス社製)100部のみとした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用紙を作製した。
以下のインクジェットプリンターを用いてベタ印字を行い、印刷後にPPC用紙を重ね、手で擦ってインクの転写量を目視で以下のように測定した。
◎:転写が全くなく実用できる。
○:転写量が少なく実用できる。
△:転写量が多いが、印刷の軽い絵柄なら実用できる。
×:転写量が多く実用不可。
得られたインクジェット印刷用紙を約3mm×3mmの大きさの小片にして複数切った後、これら約1gを105℃、10Pa以下で12時間真空脱気した後、窒素吸着法による細孔分布測定装置(トライスターII3020:島津製作所社製)を用いてBET比表面積値を測定した。また、本発明のインク吸収層のBET比表面積値は、次の(数1)の計算で求める。
インク吸収層のBET比表面積(m2/g)=インクジェット印刷用紙のBET比表面積(m2/g)×インクジェット印刷用紙の坪量(g/m2)/インク吸収層の塗工量(g/m2)
Claims (4)
- パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に顔料とバインダーとを含有するインク吸収層を一層のみ設け、前記バインダーにはスチレン−ブタジエンラテックスを含み、前記顔料が40〜70質量%の軽質炭酸カルシウムおよび30〜60質量%のカオリンから成り、かつ、前記顔料にシリカおよび重質炭酸カルシウムを含まず、前記インク吸収層がカチオン性インク定着剤を含まず、BET比表面積が9m2/g以上であるインクジェット印刷用紙。
- パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に顔料とバインダーとを含有するインク吸収層を一層のみ設け、前記バインダーにはスチレン−ブタジエンラテックスを含み、前記顔料が40〜70質量%の軽質炭酸カルシウムおよび30〜60質量%のカオリンから成り、前記インク吸収層がカチオン性インク定着剤を含まず、BET比表面積が9m2/g以上であるインクジェット印刷用紙。
- 前記インク吸収層中に潤滑剤を前記顔料100質量部に対して0.005〜3.0質量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット印刷用紙。
- 前記バインダーのインク吸収層中の含有量が、顔料100質量部に対し3〜50質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクジェット印刷用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226398A JP6497788B2 (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | インクジェット印刷用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226398A JP6497788B2 (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | インクジェット印刷用紙 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014205415A Division JP2016074122A (ja) | 2014-10-06 | 2014-10-06 | インクジェット印刷用紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018065389A JP2018065389A (ja) | 2018-04-26 |
JP6497788B2 true JP6497788B2 (ja) | 2019-04-10 |
Family
ID=62085459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017226398A Active JP6497788B2 (ja) | 2017-11-27 | 2017-11-27 | インクジェット印刷用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6497788B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3295494B2 (ja) * | 1993-07-13 | 2002-06-24 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録用紙 |
JPH0725137A (ja) * | 1993-07-13 | 1995-01-27 | Canon Inc | インクジェット記録用紙 |
JP2005254758A (ja) * | 2004-03-15 | 2005-09-22 | Oji Paper Co Ltd | インクジェット記録および電子写真記録兼用塗工紙 |
JP2006183192A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 印刷用紙 |
-
2017
- 2017-11-27 JP JP2017226398A patent/JP6497788B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018065389A (ja) | 2018-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2701920B1 (en) | Media used in digital high speed inkjet web press printing | |
JP6301241B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP2016074122A (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP2018015943A (ja) | インクジェット用紙 | |
JP5959469B2 (ja) | インクジェット印刷用紙の製造方法 | |
JP2011132648A (ja) | 印刷用顔料塗被紙及び印刷用顔料塗被紙の製造方法 | |
JP6282604B2 (ja) | オンデマンド印刷用塗工紙 | |
JP2011132649A (ja) | 印刷用顔料塗被紙、印刷用顔料塗被紙の製造方法 | |
JP6497788B2 (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP4344930B2 (ja) | 印刷用塗被紙 | |
JP6426995B2 (ja) | インクジェット記録用媒体 | |
JP2015190087A (ja) | 書籍用紙 | |
JP5959468B2 (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP6712669B2 (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP6212457B2 (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP6284504B2 (ja) | オンデマンドインクジェット印刷用紙 | |
JP6130736B2 (ja) | インクジェット印刷用紙の製造方法 | |
JP6579864B2 (ja) | インクジェット用記録紙 | |
JP2007100228A (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP2016064534A (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP6612160B2 (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP6564743B2 (ja) | インクジェット印刷用紙 | |
JP6063369B2 (ja) | インクジェット記録用キャスト塗工紙 | |
JP2019026985A (ja) | 中質系非塗工紙 | |
JP6841792B2 (ja) | 非塗工紙 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181211 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190306 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190308 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6497788 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |