JP6493268B2 - 主鎖にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

主鎖にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法 Download PDF

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本発明は、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法に関する。
ポリジメチルシロキサン(PDMS)を主成分とするジメチルシリコーンゴム(例えば、ベースポリマーである直鎖状のジメチルポリシロキサン同士を三次元的に架橋したエラストマー状硬化物)等のいわゆるシリコーン樹脂は、耐熱性、電気絶縁性、耐候性、柔軟性、気体透過性、耐薬品性など優れた性質を持ち、様々な工業用途に使用されている。また、PDMSの側鎖にフェニル基を導入したり、主鎖中にフェニレン基を導入することによってPDMSに更なる耐熱性、耐寒性、高屈折率を付与することができる。特に、メソゲン基としてフェニレン基等のアリーレン構造を主鎖中に導入し、かつ分子鎖両末端をトリオルガノシリル基で封鎖したシルアリーレンシロキサンポリマー等のメソゲン・ケイ素化合物(共)重合体は、耐熱性、耐寒性、高屈折率を付与できるベース材料として有用である。
これまでに側鎖にアリール基を導入した直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)の合成方法やその応用例については多くの報告があるが、主鎖中にアリーレン基(二価の芳香族環構造)を導入した例は少ない。Robert L. MerkerらはPolymer Chemistry Volume 2, 1964, page 31−44(非特許文献1)にて、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンと1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサンをジ−2−エチルヘキサン酸1,1,3,3−テトラメチルグアニジン存在下で反応させることで、末端がシラノール基で封鎖され主鎖中にフェニレン基を導入したシリコーンの合成を報告している。
しかし、この方法では、主鎖フェニレン含有シリコーンを合成するときは、高価な1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンと1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサンをそれぞれ大量に使用しなければならず、工業的に有利な方法ではない。また、PDMSなどのシリコーンオイル(直鎖状ジメチルポリシロキサン)は分子鎖末端を封鎖するシリル基中にビニル基などのアルケニル基を導入することで付加硬化型シリコーンゴムへの応用も可能であるが、主鎖中にアリーレン基を導入した直鎖状ジオルガノポリシロキサンに関しては、上記のような手法では目的とする分子鎖末端が上記のようなシリル基で封鎖された主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの収率が非常に低く、末端がシラノール基で封鎖されたアリーレン基含有オルガノポリシロキサンを定量的に効率よく末端シリル変性することは困難である。
Robert L. Merker et.al Polymer Chemistry Volume 2, 1964, page 31−44
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、末端がシラノール基で封鎖されたアリーレン基含有オルガノポリシロキサン化合物を原料として、従来と比較して容易に、定量的かつ効率よく分子鎖末端がトリオルガノシリル基で封鎖された主鎖中にアリーレン基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)を製造することができる合成手法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)で封鎖され主鎖中にアリーレン基を導入した直鎖状オルガノポリシロキサン化合物(シリコーンオイル)と、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサン(例えば、既存の末端ビニル変性シリコーンオイルなどの分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン等)を混合し、酸性触媒下で平衡化反応することにより、容易に分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で変性された主鎖中アリーレン基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)を合成し得ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記の主鎖中にアリーレン基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)の製造方法を提供するものである。
[1]
下記一般式(2)で表される分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサンとを、酸性触媒存在下で平衡化反応を行う工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表される分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
Figure 0006493268
(式中、Arは下記式
Figure 0006493268
で示される構造から選ばれるアリーレン基である。aは1〜1,000の整数を示し、bは1〜5,000の整数を示す。ただし、a、bはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、b≧aであり、a+bは2〜6,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、R2は独立に−Si(CH33、−Si(CH32(CH=CH2)、−Si(CH3)(CH=CH22、−Si(CH=CH23及び−Si(CH32(CH2−CH=CH2)から選ばれるトリオルガノシリル基である。)
Figure 0006493268
(式中、Arは下記式
Figure 0006493268
で示される構造から選ばれるアリーレン基である。cは50〜1,000の整数を示し、dは50〜1,000の整数を示す。ただし、c、dはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、d≧cであり、c+dは100〜2,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基である。)
本発明の製造方法によれば、従来と比較して容易に、定量的かつ効率よく分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された主鎖中にアリーレン基を有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)を製造することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明すると、本発明は、下記一般式(1)で表される分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法である。
Figure 0006493268
(式中、Arは下記式
Figure 0006493268
で示される構造から選ばれるアリーレン基(即ち、パラフェニレン基又はパラビフェニレン基)である。aは1〜1,000の整数を示し、bは1〜5,000の整数を示す。ただし、a、bはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、b≧aであり、a+bは2〜6,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、R2は独立に−Si(CH33、−Si(CH32(CH=CH2)、−Si(CH3)(CH=CH22、−Si(CH=CH23及び−Si(CH32(CH2−CH=CH2)から選ばれるトリオルガノシリル基である。)
一般式(1)において、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない炭素原子数1〜8、好ましくは炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基やフェニル基等のアリール基などが挙げられる。
また、一般式(1)において、分子中のシルアリーレンシロキサン単位[−Si(R12−Ar−Si(R12O−]の繰り返し数(重合度)を示すaは、1〜1,000、好ましくは5〜500、より好ましくは8〜300程度の整数であり、分子中のシロキサン単位[−Si(R12O−]の繰り返し数(重合度)を示すbは、1〜5,000、好ましくは5〜800、より好ましくは8〜600程度の整数であり、a+bは、2〜6,000、好ましくは10〜1,000、より好ましくは100〜800程度の整数である。
ここで、一般式(1)の化合物中において、シルアリーレンシロキサン単位[−Si(R12−Ar−Si(R12O−]とシロキサン単位[−Si(R12O−]の配列はランダムである。
本発明において、繰り返し単位の繰り返し数(重合度)は、例えば、テトラヒドロフラン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)として求めることができる。より具体的には、上記一般式(1)で表される化合物等のポリスチレン換算での数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析において、東ソー株式会社製のカラム:TSKgel Super H2500(1本)及びTSKgel Super HM−N(1本)、溶媒:テトラヒドロフラン、流量:0.6mL/min、検出器:RI(40℃)、カラム温度40℃、注入量50μL、サンプル濃度0.3質量%の条件にて測定することができる。
なお、一般式(1)で表される化合物は、テトラヒドロフランを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィにて測定したポリスチレン換算の数平均分子量が、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは2,000〜400,000、さらに好ましくは3,000〜300,000である(共)重合体であることが望ましい。数平均分子量が小さすぎると樹脂が脆く、取扱いに難が出ることがあり、大きすぎると溶融時の粘度が上昇し、取扱い性に劣ることがある。
本発明の一般式(1)で表される主鎖中にアリーレン基を有するシリコーンオイルの製造方法は、公知の方法で製造される下記一般式(2)で表される分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物を出発原料として、これを分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖の直鎖状ジオルガノポリシロキサン(例えば、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基などのアルケニル基含有シロキシ基やトリメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサン等の既存の末端シリル変性シリコーンオイルなど)と混合し、酸性触媒下で平衡化反応(シロキサン結合の開裂/再結合化反応)することにより、上記一般式(1)で表される分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンを得るものである。
Figure 0006493268
(式中、Arは下記式
Figure 0006493268
で示される構造から選ばれるアリーレン基(即ち、パラフェニレン基又はパラビフェニレン基)である。cは50〜1,000の整数を示し、dは50〜1,000の整数を示す。ただし、c、dはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、d≧cであり、c+dは100〜2,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基である。)
一般式(2)において、R1の炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基としては、上記一般式(2)で例示したものと同じものを挙げることができる。
また、一般式(2)において、分子中のシルアリーレンシロキサン単位[−Si(R12−Ar−Si(R12O−]の繰り返し数(重合度)を示すcは、50〜1,000、好ましくは50〜800、より好ましくは80〜600程度の整数であり、分子中のジシロキサン単位[−Si(R12O−Si(R12O−]の繰り返し数(重合度)を示すdは、50〜1,000、好ましくは50〜800、より好ましくは80〜650程度の整数であり、c+dは、100〜2,000、好ましくは100〜1,600、より好ましくは200〜1,200程度の整数である。
c<dとなる場合は、一般式(2)で表される化合物が熱可塑性の固体となる場合があるほか、一般式(2)で表される化合物と反応させるシリコーンオイル(分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖のジオルガノポリシロキサン)と相溶しにくくなり、平衡化反応が進行しづらくなる。また、c<50である場合は、高価である一般式(2)で表される化合物を平衡化反応時に大量に用いる必要があり、経済的ではない。
なお、一般式(2)の化合物中において、シルアリーレンシロキサン単位[−Si(R12−Ar−Si(R12O−]とジシロキサン単位[−Si(R12O−Si(R12O−]の配列はランダムである。
一般式(2)で表される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物は、例えば、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンや4,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ビフェニル等のシルアリーレン構造を有する化合物と、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン等の末端水酸基含有オルガノシロキサンとを、1:1〜1:9(モル比)程度の割合で、ジ−2−エチルヘキサン酸1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等の重縮合触媒及び必要により有機溶媒の存在下、60〜250℃、特に80〜130℃にて4〜48時間、特に8〜32時間反応させることにより得ることができる。
また、上記一般式(2)で表される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と反応させる分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基(−OSi(CH32(CH=CH2))、ジビニルメチルシロキシ基(−OSi(CH3)(CH=CH22)、トリビニルシロキシ基(−OSi(CH=CH23)、アリルジメチルシロキシ基(−OSi(CH32(CH2−CH=CH2))等のアルケニル基含有シロキシ基や、トリメチルシロキシ基(−OSi(CH33)等のトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサンなどの既存の末端シリル変性シリコーンオイルなどを用いることができる。
分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンにおいて、ジオルガノシロキサン単位中のケイ素原子に結合する有機基としては、炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であることが好ましく、上述した一般式(1)のR1で例示したものと同様のものを挙げることができ、中でもメチル基であることが好ましい。
この分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンの重合度は特に限定されないが、10〜2,000、特に50〜1,000、とりわけ100〜500程度であることが好ましい。
上記分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、1種単独で用いても、重合度の異なる2種以上を用いてもよい。
平衡化反応において、上記一般式(2)で表される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンとの混合割合は、質量比で1:2〜1:10程度であることが好ましい。分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状ジオルガノポリシロキサンが少なすぎると比較的高価なアリーレン基を有するシラノール基封鎖オルガノポリシロキサンの使用量が増大し、製造コストが増加する場合があり、多すぎると主鎖中のアリーレン基導入量が低下し、目的とする反応生成物の耐熱性、耐寒性、高屈折率性などの特性が劣る場合がある。
平衡化反応を促進するための酸性触媒としては、強酸であれば特に種類を問わないが、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが好適に使用でき、使用量の少なさや後処理の容易さから特にトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
また、酸性触媒の添加量は、一般式(2)で示される分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖のジオルガノポリシロキサンとの合計質量に対して100〜10,000ppmの範囲が望ましく、特に500〜3,000ppmが望ましい。
平衡化反応は、特に制限されないが、通常、80〜150℃、特には100〜130℃程度の加熱下で、通常、0.5〜6時間、特には1〜4時間程度の条件で行うことができる。この際、必要に応じて溶媒を添加することは任意である。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系非極性溶媒などが挙げられる。
このような一般式(2)で表される分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖の直鎖状ジオルガノポリシロキサンとの平衡化反応により、上記一般式(1)で表される分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンを、容易に、かつ定量的に高収率で製造することができる。
本発明により、従来と比較して容易に主鎖にアリーレン基を導入した末端変性シリコーンオイルを合成できる。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、重合度(繰り返し単位の数)は、テトラヒドロフラン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析において、東ソー株式会社製のカラム:TSKgel Super H2500(1本)及びTSKgel Super HM−N(1本)、溶媒:テトラヒドロフラン、流量:0.6mL/min、検出器:RI(40℃)、カラム温度40℃、注入量50μL、サンプル濃度0.3質量%の条件にて測定した数平均分子量から算出したものである。
初めに、本発明の分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの原料となる分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物とこの化合物の原料モノマーの製造例を示す。これらの化合物及びモノマーは既知の手法によって合成される。
[合成例1]
1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンの製造
還流管と1Lの滴下ロートを備えた5Lセパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン500mL、メチルエチルケトン2,500mL、5質量%パラジウム担持カーボン7.8g、イオン交換水172.8gを仕込み、50℃まで昇温した。次に、滴下ロートに、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン757.6g(商品名 シルフェニレンC、信越化学工業社製)を仕込み、4時間かけて滴下を行った。滴下終了後、5時間熟成させ、触媒を濾過にて除去したのち、濾液を濃縮し、白色固体を得た。次に、ヘキサン3L、テトラヒドロフラン500mLの混合溶媒を用いて再結晶精製を行い、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼン596.9gを得た(収率68%)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ7.61(s,4H),1.95(brs,2H),0.41(s,12H)
[合成例2]
4,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ビフェニルの製造
還流管を備えた3Lナスフラスコに、マグネシウム48g、乾燥テトラヒドロフラン1L、数滴の1,2−ジブロモエタンを加え、窒素雰囲気下で加熱還流させた。次に、4,4’−ジブロモビフェニル250gを加え、1時間加熱還流し、グリニヤール試薬を調製した。これをジメチルクロロシラン170gとテトラヒドロフラン200mLが仕込まれた3L四つ口フラスコに、氷浴下で1時間かけて移送滴下した。滴下終了後一晩室温で反応させ、桐山ロートで残渣を除いたのち140−150℃/1mmHgで蒸留精製し、4,4−ビス(ジメチルシリル)ビフェニルを得た。
これを原料とし、上記1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンの合成法と同様にして4,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ビフェニル130gを得た(収率47%)。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ7.68(d,4H),7.60(d,4H),1.76(brs,2H),0.45(s,12H)
[合成例3]一般式(2)で示される化合物の製造
ディーンスタークトラップを取り付けた1Lナスフラスコに、合成例1で得られた1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンを130.7g(0.58mol)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサンを143.65g(0.86mol)、ベンゼンを900mL、ジ−2−エチルヘキサン酸1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを5.83g加え、24時間加熱還流した。その後、3Lのメタノールに溶液を滴下し、再沈殿精製することで、下記化学式(a)で表される、高粘度透明液体を173g得た。収率73%、数平均分子量(Mn)=200,000、PDI(分散度;Mw/Mn)=1.8であった。このポリマーをポリマー1とする。
Figure 0006493268
[合成例4]一般式(2)で示される化合物の製造
ディーンスタークトラップを取り付けた1Lナスフラスコに、合成例2で得られた4,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ビフェニルを60.5g(0.2mol)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサンを49.8g(0.3mol)、ベンゼンを400mL、ジ−2−エチルヘキサン酸1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを2g加え、24時間加熱還流した。その後、3Lのメタノールに溶液を滴下し、再沈殿精製することで、下記化学式(b)で表される、高粘度透明液体を83g得た。収率83%、Mn=160,000、PDI(分散度;Mw/Mn)=2.4であった。このポリマーをポリマー2とする。
Figure 0006493268
[実施例1]一般式(1)で示される化合物の製造
温度計と撹拌羽根を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例3で得られたポリマー1を142.5g、重合度216の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイル(分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン)を491.3g、重合度10の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイル(分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン)を6.1g仕込み、75℃に加温した。これにトリフルオロメタンスルホン酸を2.11g添加し、120℃、3時間反応を行った。反応終了後室温に戻し、酸性吸着剤であるキョーワード500(協和化学工業社製)を16g添加し、1時間撹拌した。濾過によりキョーワード500を除去した後、180℃、300Paで減圧留去を行い、下記式(c)で表される目的物を400.4g得た。収率63g、粘度600mPa・s、GPCから算出した分子量はMn=25,000、PDI(分散度;Mw/Mn)=1.5、NMR測定により算出したビニル量は9.3mmol/100gであった。
Figure 0006493268
[実施例2]一般式(1)で示される化合物の製造
温度計と撹拌羽根を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例4で得られたポリマー2を80g、重合度216の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイル(分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン)を491.3g、重合度10の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイル(分子鎖両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサン)を3g仕込み、75℃に加温した。これにトリフルオロメタンスルホン酸を2.11g添加し、120℃、3時間反応を行った。反応終了後室温に戻し、酸性吸着剤であるキョーワード500(協和化学工業社製)を16g添加し、1時間撹拌した。濾過によりキョーワード500を除去した後、180℃、300Paで減圧留去を行い、下記式(d)で表される目的物を358.2g得た。収率62%、粘度1,600mPa・s、GPCから算出した分子量はMn=60,000、PDI(分散度;Mw/Mn)=1.6、NMR測定により算出したビニル量は4.2mmol/100gであった。
Figure 0006493268
[比較例1]
温度計と撹拌羽根を備えた1Lセパラブルフラスコに、合成例3で得られたポリマー1を142.5g、重合度216の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイルを491.3g、重合度10の末端ビニル基を持つジメチルシリコーンオイルを6.1g仕込み、75℃に加温した。これに水酸化カリウムとジメチルシロキサンガムの10質量%ペースト(10質量%カリウムシリコネート)を0.96g加え、160℃、12時間反応を行った。反応終了後、2−クロロエタノールを3g添加し、1時間撹拌後、180℃、300Paで減圧留去を行った。生成した化合物は白濁しており、GPCから算出した数平均分子量Mnは160,000の原料ピークが確認され、平衡化反応が進行していないことが示唆される。
[比較例2]
ディーンスタークトラップを取り付けた1Lナスフラスコに、合成例1で得られた1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼンを32.8g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサンを143.65g、ベンゼンを600mL、ジ−2−エチルヘキサン酸1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを3g加え、6時間加熱還流した。その後、3Lのメタノールに溶液を滴下し、再沈殿精製を行い、高粘度透明液体を16g得た。この液体をトルエン100mLに溶解させ、ビニルジメチルクロロシラン0.1g、ジビニルテトラメチルジシラザンを0.1g添加して60℃で1時間撹拌した後、120℃、300Paで溶媒を減圧留去したのち、塩を濾過することで、下記式(e)で表される目的物を8g得た。収率6%、粘度420mPa・s、GPCから算出した分子量はMn=16,000、PDI(分散度;Mw/Mn)=1.5、NMR測定により算出したビニル量は9.4mmol/100gであった。実施例1に類似の化合物が合成できるものの、収率が非常に低く、工程も煩雑になるため、この手法は工業的ではない。
Figure 0006493268
これらの結果から、分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を導入した直鎖状オルガノポリシロキサン化合物(シリコーンオイル)と、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサン(例えば、既存の末端ビニル変性シリコーンオイルなど)を混合し、酸性触媒下で平衡化反応することにより、容易に分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で変性された主鎖中アリーレン基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)を合成し得ることを知見した。

Claims (1)

  1. 下記一般式(2)で表される分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサンとを、酸性触媒存在下で平衡化反応を行う工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表される分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され主鎖中にアリーレン基を有するオルガノポリシロキサンの製造方法。
    Figure 0006493268
    (式中、Arは下記式
    Figure 0006493268
    で示される構造から選ばれるアリーレン基である。aは1〜1,000の整数を示し、bは1〜5,000の整数を示す。ただし、a、bはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、b≧aであり、a+bは2〜6,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、R2は独立に−Si(CH33、−Si(CH32(CH=CH2)、−Si(CH3)(CH=CH22、−Si(CH=CH23及び−Si(CH32(CH2−CH=CH2)から選ばれるトリオルガノシリル基である。)
    Figure 0006493268
    (式中、Arは下記式
    Figure 0006493268
    で示される構造から選ばれるアリーレン基である。cは50〜1,000の整数を示し、dは50〜1,000の整数を示す。ただし、c、dはそれぞれ、分子中における各繰り返し単位の繰り返し数(重合度)を表すもので、d≧cであり、c+dは100〜2,000の整数である。R1は独立に炭素原子数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基である。)
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