JP6492033B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。
従来、伸縮性シートと非伸縮性シートとを厚さ方向に積層し、間欠的に配設された多数の固着部により両者を接合したシート部材を用いて形成された紙おむつが知られている。例えば、特許文献1には、裏面が伸縮性シートと非伸縮性不織布とによって形成された使い捨ておむつが開示されている。
特開平10−99373号公報
特許文献1に記載の使い捨ておむつでは、伸縮性シートが収縮するのに応じて非伸縮性不織布を同じ方向に収縮させ、該非伸縮性不織布の表面から厚さ方向に突出する複数の襞(ひだ)を形成させることによって、裏面シートの肌触りを柔軟なものにすることができる。しかしながら、このような襞は、おむつ着用時等において外力が加わることによって簡単に潰れてしまい、肌触りを十分に向上させることは難しかった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、肌触りの良好な使い捨ておむつを提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
横方向と、厚さ方向とを有する使い捨ておむつであって、
前記厚さ方向の肌側に位置する肌側シートと、
前記厚さ方向の非肌側に位置する非肌側シートと、
前記厚さ方向における前記肌側シートと前記非肌側シートとの間に配置された伸縮性不織布と、
を備え、
前記厚さ方向において、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートは、点在する複数の接合部によって接合されており、
前記伸縮性不織布は、伸縮性を有する伸縮性繊維、及び前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維を含み、
前記伸縮性不織布を前記横方向に伸長させた場合に、前記伸縮性不織布には、前記横方向に収縮力を発現する低収縮領域と、前記低収縮領域よりも大きな収縮力を発現する高収縮領域とが、前記横方向に沿って所定のピッチで交互に形成されており、
前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の、前記横方向における間隔の最小値は、
前記横方向における前記低収縮領域の前記所定のピッチよりも長く、
前記接合部の間の領域において、前記伸縮性不織布は、前記高収縮領域が前記低収縮領域よりも前記厚さ方向の肌側に膨らんだ凸部を有する、ことを特徴とする使い捨ておむつである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、肌触りの良好な使い捨ておむつを提供することが可能である。
本発明の実施形態に係るおむつの一構成例を示す概略斜視図である。 展開かつ伸長状態のおむつを厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。 図2のIII−III線断面模式図である。 伸縮性不織布33の製造方法の一例について説明する図である。 図4中の領域αについて拡大して示す図である。 伸縮性不織布33の構造について説明する厚さ方向の断面模式図である。 展開かつ伸長状態のおむつ1において、第1溶着部241,第2溶着部242について説明する図である。 比較例に係るおむつの胴回り部の一部の断面模式図である。 図9A及び図9Bは、おむつ1の前身頃部30において、伸縮性不織布33が収縮する際の様子について説明する断面模式図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
横方向と、厚さ方向とを有し、前記厚さ方向の肌側に位置する肌側シートと、前記厚さ方向の非肌側に位置する非肌側シートと、前記厚さ方向における前記肌側シートと前記非肌側シートとの間に配置された伸縮性不織布と、を備えた使い捨ておむつであって、前記厚さ方向において、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートは、点在する複数の接合部によって接合されており、前記伸縮性不織布は、伸縮性を有する伸縮性繊維、及び前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維を含み、前記伸縮性不織布を前記横方向に伸長させた場合に、前記伸縮性不織布には、前記横方向に収縮力を発現する低収縮領域と、前記低収縮領域よりも大きな収縮力を発現する高収縮領域とが、前記横方向に沿って所定のピッチで交互に形成されており、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の、前記横方向における間隔の最小値は、前記横方向における前記低収縮領域の前記所定のピッチよりも長い、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
このような使い捨ておむつによれば、横方向に隣り合う2つの溶着部の間に伸縮性不織布の低収縮領域が必ず1箇所以上配置され、高収縮領域が2箇所以上配置される。そして、高収縮領域が横方向に収縮する際に厚さ方向に突出した凸部が2箇所以上形成される。この凸部によって肌側シート及び非肌側シートの襞が厚さ方向に支持され、また外部からの力に対するクッションとして機能することから、当該襞が潰れにくくなり、使い捨ておむつ着用時における肌触りを良好なものとすることができる。
かかる使い捨ておむつであって、前記伸縮性不織布は、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が少なくとも2箇所配置されている部分を有する、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、横方向に隣り合う2つの溶着部の間に伸縮性不織布の低収縮領域が2箇所以上配置される。したがって、高収縮領域が3箇所以上配置されることにより、該高収縮領域が収縮する際に凸部が3箇所以上形成される。これにより、クッション性が高くなり、肌側シート及び非肌側シートによって形成される襞がより潰れにくくなる。したがって、おむつ着用時における肌触りをより良好なものとすることができる。
かかる使い捨ておむつであって、前記伸縮性不織布の単位面積あたりについて、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が少なくとも2箇所配置されている割合は、前記伸縮性不織布の単位面積あたりについて、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が1箇所配置されている部分の割合よりも小さい、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、横方向に隣り合う2つの溶着部の間に剛性の高い低収縮領域が2箇所以上配置される割合が少なくなることから、着用者に固い感触を抱かせにくくすることができる。これにより、おむつ着用時における肌触りをより良好なものとすることができる。
かかる使い捨ておむつであって、前記横方向と交差する上下方向を有し、着用する際に着用者の胴回りに位置する胴回り部、を備え、前記上下方向において、前記伸縮性不織布の繊維密度は、前記胴回り部の中央部より、前記伸縮性不織布の上端部の方が高い、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、伸縮性不織布の上端部の繊維密度をより高くすることで、着用者が着用しようとする際に使い捨ておむつの上端部を引き上げても破れたりする等の破損するおそれを軽減することができる。一方、胴回り部の中央部の伸縮性不織布の繊維密度をより小さくすることで、腹周りの通気性を向上させることができる。
かかる使い捨ておむつであって、前記横方向と交差する上下方向を有し、着用する際に着用者の胴回りに位置する胴回り部、を備え、前記胴回り部の上端部には、前記横方向に沿った複数の弾性部材が前記上下方向に所定の間隔を空けて設けられており、前記上下方向において隣り合う2つの前記弾性部材の前記上下方向における間隔は、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の前記横方向における間隔よりも広い、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、弾性部材の配置間隔を広くすることで、胴回り部の上端部において単位面積当たりに作用する横方向の収縮力が大きくなり過ぎないようにして、胴回り部の上端部に大きな皺を形成することができる。これにより、該胴回り部の上端部における通気性が良好なものとなり、着用者に不快感を与えにくくすることができる。
かかる使い捨ておむつであって、前記横方向と交差する上下方向を有し、前記複数の接合部は、前記横方向及び前記上下方向に所定の間隔を有しつつ、千鳥状に配置されている、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、胴回り部(前身頃部、後見頃部)が横方向のみならず上下方向にも伸縮可能となる。したがって、おむつ着用時において、胴回り部が着用者の身体形状に応じて横方向及び上下方向に自在に伸縮することにより、着用者の身体にフィットしやすくなる。
かかる使い捨ておむつであって、 吸収性本体と、前身頃部と、後身頃部とを有し、前記前身頃部及び前記後身頃部を接合する複数の端部接合部を有しており、前記複数の端部接合部が点在している端部接合領域が設けられており、前記吸収性本体の非肌側と、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートとが接合された吸収性本体接合領域が設けられており、前記吸収性本体接合領域に位置する前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートには、前記複数の溶着部が点在している第1点在領域が設けられており、前記第1点在領域の単位面積当たりの前記複数の溶着部の面積の合計が、前記端部接合領域の単位面積当たりの前記端部接合部の面積の合計より小さい、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、第1点在領域の単位面積当たりの複数の溶着部の面積の合計を、端部接合領域の単位面積当たりの端部接合部の面積の合計より小さくすることにより、端部接合領域における接合強度の確保と、第1点在領域における通気性の確保を両立させることが可能となる。
かかる使い捨ておむつであって、吸収性本体を有しており、前記吸収性本体の非肌側と、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートとが接合された吸収性本体接合領域が設けられており、前記吸収性本体接合領域に位置する前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートには、前記複数の溶着部が点在している第1点在領域が設けられており、胴回り部のうちの少なくとも上端部よりも下方であって、前記第1点在領域と重複しない領域には、前記肌側シート、前記非肌側シート、及び前記伸縮性不織布を接合する前記複数の溶着部が点在している第2点在領域が設けられており、単位面積当たりの前記複数の溶着部の面積の合計は、前記第1点在領域の方が前記第2点在領域より小さい、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、単位面積当たりの複数の溶着部の面積の合計を、第1点在領域の方が第2点在領域より小さくすることにより、吸収体本体が横方向に縮むことを抑制しつつも、使い捨ておむつ全体として適切な通気性を確保することが可能となる。
かかる使い捨ておむつであって、前記伸縮性不織布は、前記伸縮性繊維としてのポリウレタン、及び前記伸長性繊維としてのポリオレフィンを含む、ことが望ましい。
このような使い捨ておむつによれば、伸縮性不織布がポリオレフィンを含有することで、肌側シート及び非肌側シートとの溶着性を向上させ、ポリウレタンを含有することで、伸縮性不織布の上下及び左右方向への伸縮性を向上させることができる。
===実施形態===
本発明の実施形態に係る使い捨ておむつ(以下では、単に「おむつ1」とする)の一例として、主に高齢者を対象としたパンツ型の使い捨ておむつについて説明する。
<おむつ1の基本的構造>
図1は、本実施形態に係るおむつ1の一構成例を示す概略斜視図である。図2は、展開かつ伸長状態のおむつ1を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。図3は、図2のIII−III線断面模式図である。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、「上下方向」と、上下方向に交差する「横方向」と、を有すると共に、図3に示すように、各部材が積層された方向である「厚さ方向」を有する。上下方向のうち、着用者がおむつ1を着用した状態において着用者の胴側となる方を「上側」とし、着用者の股下となる方を「下側」とする。厚さ方向のうち、着用者がおむつ1を着用した状態において着用者の肌と接触する側を「肌側」とし、その反対側を「非肌側」とする。以下では、厚さ方向の肌側を単に「肌側」とし、厚さ方向の非肌側を単に「非肌側」とする。また、おむつ1は、図1に示すように、着用する際に着用者の腹側となる方を「前側」とし、着用者の背側となる方を「後側」とする「前後方向」を有している。
図1に示すように、おむつ1は、着用時において着用者の腹側に対応する前身頃部30と、着用者の背側(臀部を含む)に対応する後身頃部40と、着用者の股下に対応する股下部50と、を有する。このおむつ1は、尿等の液体を吸収する帯状の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に位置する外装体20と、を備えており、外装体20が、前身頃部30と、後身頃部40と、股下部50と、を有している。
図2に示すように、おむつ1を展開して伸長させた状態において、股下部50は、前身頃部30と後身頃部40との間に架け渡されるように設けられ、例えば接着剤等によって前身頃部30及び後身頃部40のそれぞれに接合されている。また、図3に示すように、股下部50は、前身頃部30及び後身頃部40よりも肌側に位置している。
なお、おむつ1の「伸長状態」とは、おむつ1が備える各弾性部材(例えば、糸ゴムや伸縮性を有するシート部材)を伸長させることにより、おむつ1全体(製品全体)を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、前身頃部30及び後身頃部40や股下部50を構成するシート部材等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。
吸収性本体10は、長手方向の一端側が前身頃部30に位置し、他端側が後身頃部40に位置しており、厚さ方向において前身頃部30、後身頃部40、及び股下部50と重なるように、例えば接着剤等によって外装体20に接合されている。
おむつ1は、図2に示す展開状態から、吸収性本体10の長手方向における所定位置CL(図2において一点鎖線で示す)を折り位置として吸収性本体10及び外装体20が2つ折りされる。当該二つ折りの状態において、前身頃部30の横方向の両端部に設けられた端部接合領域30eと、後身頃部40の横方向の両端部に設けられた端部接合領域40eとが、それぞれ接合され端部接合部が形成される。これにより、前身頃部30と後身頃部40とが環状につながって、図1に示すような1つの胴回り開口1a及び一対の脚回り開口1bが形成され、パンツ型のおむつとなる。
図1及び図2に示すように、端部接合領域30e,40eは、上下方向に沿って設けられており、前身頃部30の端部接合領域30eと後身頃部40の端部接合領域40eとの接合手段としては、例えば超音波溶着等が挙げられる。
吸収性本体10は、図2に示すように、短手方向(短辺)がおむつ1の横方向に沿った平面視略長方形状である。そして、図3に示すように、吸収性本体10は、長手方向に沿った吸収性コア11と、吸収性コア11の肌側に配置されたトップシート12と、吸収性コア11の非肌側に配置されたバックシート13と、を有している。
吸収性コア11は、尿等の液体を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維により形成される。なお、吸収性コア11は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のシート部材によって、外周面が覆われていても良い。
トップシート12は、着用時において着用者の肌に接触し得る液透過性のシート部材であり、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等により形成される。バックシート13は、吸収性コア11に吸収された尿等の液体が外部に漏れ出すことを抑制するための液不透過性シート13aと、液不透過性シート13aの非肌側に配置された液透過性シート13bと、を備えた二層構造で形成されている。液不透過性シート13aとしては、例えば樹脂フィルム等が用いられ、液透過性シート13bとしては、例えば柔軟性を有する不織布等が用いられる。
吸収性本体10の横方向の両端部にはそれぞれ、長手方向に沿った弾性部材が横方向に間隔を空けて複数設けられている(図1参照)。弾性部材には例えば糸ゴム等を用いることができ、弾性部材が長手方向に収縮することにより吸収性本体10が着用者の脚回りに沿って収縮してフィットする。これにより、尿等の漏れを抑制することが可能となる。なお、図2では、説明の便宜上、当該弾性部材の図示を省略している。
外装体20は、図2に示すように、股下部50において横方向内側に向かって最も括れており、当該最も括れた部分では、横方向における股下部50の外側に吸収性本体10が露出している。股下部50は、具体的に、長手方向の中央部分が横方向内側に括れた略砂時計状であり、図3に示すように、厚さ方向に積層された2枚の不織布51,52を有している。
前身頃部30及び後身頃部40はそれぞれ、上下方向において、端部接合領域30e,40eが設けられた領域では横方向に長辺を有する略長方形状であり、端部接合領域30e,40eの下端よりも下側(股下部50側)では略等脚台形状を有している。この略等脚台形は、台形の脚となる一組の対辺(横方向の外縁)が、股下部50側に向かうにつれて横方向外側から内側へ傾斜している。
以下の説明において、前身頃部30のうち、上下方向において、端部接合領域30eが設けられた領域(略長方形状の領域)を前身頃胴回り側領域301とし、前身頃胴回り側領域301よりも下側の領域(略等脚台形状の領域)を前身頃股下側領域302とする。なお、前身頃胴回り側領域301は、おむつ1を着用する際に着用者の腹側胴回りに位置する腹側胴回り部の一態様である。また、前身頃部30と同様に、後身頃部40のうち、上下方向において、端部接合領域40eが設けられた領域(略長方形状の領域)を後身頃胴回り側領域401とし、後身頃胴回り側領域401よりも下側の領域(略等脚台形状の領域)を後身頃股下側領域402とする。
前身頃部30及び後身頃部40は、図3に示すように、肌側に位置する肌側シート31,41と、非肌側に位置する非肌側シート32,42と、厚さ方向における肌側シート31,41と非肌側シート32,42との間に設けられた伸縮性不織布33,43とを、それぞれ備えている。なお、前身頃部30及び後身頃部40において、肌側シート31,41、非肌側シート32,42、及び伸縮性不織布33,43の構成についてはほぼ同様であるため、以下の説明では前身頃部30の肌側シート31、非肌側シート32、及び伸縮性不織布33の構成を例に挙げて説明する。
肌側シート31及び非肌側シート32はそれぞれ、例えばスパンボンド不織布やSMS不織布等により形成された柔軟なシート部材である。本実施形態では、肌側シート31の剛性が非肌側シート32の剛性よりも低い。このように、着用者の肌に直接的に接触する側のシート部材である肌側シート31が非肌側シート32よりも柔らかくすることにより、肌触りが良く、おむつ1の装着性が向上する。
ここで、「剛性」とは、肌側シート31及び非肌側シート32が外力を受けた場合の変形のしやすさを言い、剛性の高低を比較するための剛性値としては、例えば、ガーレー剛軟度によって測定された値をサンプル片の長さで割った値を例示できる。ガーレー剛軟度の測定は、(株)安田精機製作所製のNo311のガーレー式柔軟度試験機を用いて、JIS−L1096に準拠して測定することが可能である。
伸縮性不織布33は、伸縮性を有する伸縮性繊維、及び伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維を含んでおり、ギア延伸等の適宜な延伸処理が施された不織布である。本実施形態では、伸縮性繊維として、弾性を有する熱可塑性エラストマーの一種であるポリウレタン系エラストマーの繊維が用いられ、伸長性繊維として、非弾性を有する熱可塑性樹脂の一種であるポリオレフィン系樹脂のポリプロピレン(PP)の繊維が用いられている。
図4は、伸縮性不織布33の製造方法の一例について説明する図である。図5は、図4中の領域αについて拡大して示す図である。図6は、伸縮性不織布33の構造について説明する厚さ方向の断面模式図である。
伸縮性不織布33は、図4に示されるようなギア加工装置100を用いて、連続するシート部材(不織布連続シートSaとする)に延伸処理を施すことによって製造することができる。ギア加工装置100は、1対のギアロール101及び102を有する。ギアロール101及び102は、互いの外周面を対向させつつ回転軸回りに回転する上下一対のロール機構である。ギアロール101の外周面には、それぞれ回転方向に沿って山部101mと谷部101vとが交互に形成されているとともに、各山部101m及び各谷部101vは、それぞれ、回転軸方向に延びて形成されている。また、ギアロール102の外周面にも同様の山部102mと谷部102vとが交互に形成されている。ギアロール101及び102が回転しているときには、一方のギアロール101の山部101mが他方のギアロール102の谷部102vに入り込むように互いの山部101mと谷部102vとが若干の隙間をもって噛み合うようになっている。そして、当該回転中に、1対のギアロール101及び102の間を不織布連続シートSaが搬送方向に沿って通過する。
1対のギアロール101及び102の間を通過中の不織布連続シートSaは、一方のギアロール102において互いに隣り合う山部102m,102m同士と、その間の谷部102vに入り込む他方のギアロール101の山部101mとによって、三点曲げ状に変形される(図5参照)。このとき、不織布連続シートSaにおいて一方のギアロール102の山部102mの頂面と当接する部分Sa12は、当該頂面に概ね相対移動不能に当接するため、延伸されにくい。一方、隣り合う2つのSa12,Sa12同士の間の部分Sa11は、山部101mの入り込みに基づいて延伸される。
その結果、不織布連続シートSaは、延伸された第1部分Sa11と、第1部分Sa11よりも延伸されていない第2部分Sa12とが搬送方向に交互に並ぶように加工される。そして、第1部分Sa11の領域では、不織布連続シートSaを構成する伸長性繊維が部分的に引き延ばされる。つまり、1対のギアロール101及び102の間を通過することにより、不織布連続シートSaにおいて、少なくとも一部の伸長性繊維が伸長された状態となる。これにより伸長性繊維は、伸縮性繊維の弾性的な変形を阻害し得ない状態となり、不織布連続シートSaは伸縮性繊維2の弾性変形に基づいて伸縮性を発現する。
これにより、延伸された第1部分Sa11が、横方向(図4における搬送方向に相当)に所定の収縮力を発現する高収縮領域33aとなり、第2部分Sa12が、高収縮領域よりも収縮力の小さい低収縮領域33bとなって、伸縮性不織布33が製造される。図6に示されるように、高収縮領域33aと低収縮領域33bとは、伸縮性不織布33を横方向に伸長させた状態において、所定のピッチL33で交互に形成されている。当該ピッチはギアロール101,102の山部101m,102mの高さやギアピッチを変更することによって調整することができる。
なお、図4の例では、所定方向(横方向)にのみ延伸処理が行われているため、伸縮性不織布33は、所定方向(横方向)に大きく伸縮性を発現するが、すべての繊維の配向が所定方向に沿っているとは限らないため、所定方向と直交する方向(上下方向)にも伸縮性を発現する。
図2及び図3に示すように、前身頃部30及び後身頃部40はそれぞれ、上端から上下方向に所定の幅を有する上端領域300,400を有している。上端領域300,400では、非肌側シート32,42の上端部が肌側へ折り返されて、肌側シート31,41の肌側に位置している。肌側シート31,41及び伸縮性不織布33,43の上端は、折り返し位置30L,40Lに位置しておらず、折り返し位置30L,40Lと肌側シート31,41及び伸縮性不織布33,43の上端との間にはそれぞれ隙間を有している。当該隙間には、横方向に沿って伸縮可能な糸ゴム30a,40aが上下方向に間隔を空けて複数設けられている。
このように、上端領域300,400に複数の糸ゴム30a,40aを設けることによって胴回り開口1aの周辺部におけるおむつ1のフィット性を向上させて、おむつ1の上下方向のずれ落ちを抑制することができる。一方、複数の糸ゴム30a,40aが配置された部分よりも下側では、伸縮性不織布33,43によって面全体で緩やかに着用者の肌にフィットさせることができる。また、複数の糸ゴム30a,40aが設けられた部分では肌側シート31,41が設けられていないため、複数の糸ゴム30a,40aの伸縮力が着用者に伝わりやすくなっている。
なお、本実施形態では、伸縮性不織布33,43は、上端領域300,400のうち複数の糸ゴム30a,40aが配置された領域を除く前身頃部30及び後身頃部40の全域
及び、脚回り開口1bの縁を含む脚回り開口1bに沿った所定の領域である脚回り領域25(図2参照)に設けられている。
図7は、展開かつ伸長状態のおむつ1において、第1溶着部241,第2溶着部242について説明する図である。同図7に示すように、前身頃部30及び後身頃部40はそれぞれ、肌側シート31,41、伸縮性不織布33,43、及び非肌側シート32,42を厚さ方向に接合する複数の接合部である第1溶着部241が点在する第1点在領域X、及び複数の接合部である第2溶着部242が点在する第2点在領域Yを有している。
おむつ1において、前身頃部30及び後身頃部40は、吸収性本体10の非肌側と、肌側シート31、伸縮性不織布33、及び非肌側シート32とが接合された吸収性本体接合領域を有している。そして、この吸収性本体接合領域において複数の第1溶着部241が点在している領域が第1点在領域Xである。
複数の第1溶着部241は、肌側シート31,41、伸縮性不織布33,43、及び非肌側シート32,42に対して超音波振動及び圧力を加えて超音波接合された部分である。第1溶着部241は、略同一の大きさの略長方形状に形成されており、横方向に沿って直立した当該略長方形を45°傾けたものと、−45°傾けたものが規則正しくそれぞれ配置されている。複数の第1溶着部241は、肌側シート31,41、伸縮性不織布33,43、及び非肌側シート32,42を厚さ方向に接合しつつ、吸収性本体10の過剰な収縮を抑制して、尿等の***物が外部に漏れるのを防いでいる。また、図7に示されるように、横方向において隣り合う2つの第1溶着部241の、横方向における間隔をP241とする。同図7ではP241が一定となるように第1溶着部241が形成されているが、P241は必ずしも一定でなくても良い。横方向において隣り合う2つの第1溶着部241の横方向における間隔が一定でない場合は、その最小値をP241とする。
第2点在領域Yは、前身頃部30及び後身頃部40のうち第1点在領域X(吸収性本体接合領域)を除いた領域であって、複数の第2溶着部242が点在している領域である。
複数の第2溶着部242は、複数の第1溶着部241と同様に、肌側シート31,41、伸縮性不織布33,43、及び非肌側シート32,42に対して超音波振動及び圧力を加えて超音波接合された部分である。第2溶着部242は、略同一の大きさの円形状に形成されており、第2点在領域Yにおいて等間隔に略均一に分布している。また、図7に示されるように、横方向において隣り合う2つの第2溶着部242の、横方向における間隔をP242する。そして、横方向において隣り合う2つの第2溶着部242の横方向における間隔が一定でない場合は、その最小値をP242とする。
なお、本実施形態では、伸縮性不織布33,43がポリオレフィンを含有しているため、肌側シート31,41及び非肌側シート32,42との溶着性を向上させることができる。特に、肌側シート31,41及び非肌側シート32,42がそれぞれ、ポリオレフィン系の繊維であるPP繊維の不織布であり、伸縮性不織布33,43に含有されている伸長性繊維がポリオレフィン系樹脂のポリプロピレン(PP)であるため、溶着時の溶融においてより強固に溶着される。また、伸縮性繊維がポリウレタンであることにより、伸縮性不織布33,43に上下方向及び横方向への伸縮性を与えることができる。
<伸縮性不織布の収縮について>
図8は、比較例に係るおむつの胴回り部の一部の断面模式図である。比較例に係るおむつでは、厚さ方向の肌側から順に、肌側シート91、伸縮フィルム93、非肌側シート92が設けられ、複数の溶着部245によって3枚のシート部材が厚さ方向に接合されている。この状態で伸縮フィルム93が横方向に収縮すると、横方向に隣り合う2つの溶着部245,245の間隔が小さくなる。このとき、肌側シート91及び非肌側シート92は伸縮フィルム93よりも伸縮性が小さいため、溶着部245,245の間で肌側シート91が肌側に向かって湾曲しながら突出する。同様に、非肌側シート92が非肌側に向かって湾曲しながら突出する。これにより、厚さ方向に突出する襞f90が形成される。その結果、肌側シート91と伸縮フィルム93との間、非肌側シート92と伸縮フィルム93との間にそれぞれ空隙が生じる。したがって、例えば、比較例に係るおむつの胴回り部が着用者の肌に接触したときに、図8中の矢印で示した部分のように肌側シート91又は非肌側シート92による襞f90がそれぞれ伸縮フィルム93側へ簡単に凹んでしまう場合があった。そして、このような場合、肌触りが悪い部分が生じたり、フィルム特有のカサカサとした感触を生じさせてしまったりするおそれがあった。
これに対して、本実施形態のおむつ1では、伸縮性シートとして、高収縮領域33aと低収縮領域33bとが交互に形成された伸縮性不織布33が用いられているため、肌触りを良好なものにすることができる。図9A及び図9Bは、おむつ1の前身頃部30において、伸縮性不織布33が収縮する際の様子について説明する断面模式図である。
図9Aに示されるように、おむつ1において伸縮性不織布33が横方向に収縮すると、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242(若しくは241,241)の間で、図8の場合と同様に肌側シート31が肌側に向かって湾曲しながら突出し、非肌側シート32が非肌側に向かって湾曲しながら突出することによって襞f30が形成される。一方、伸縮性不織布33の高収縮領域33aが横方向に収縮する作用によって、溶着部242,242の間の領域で、高収縮領域33aを構成する繊維が厚さ方向に膨らんだ凸部330が形成される。この凸部330が厚さ方向において襞f30を支持しつつクッションとなることから、おむつ1の着用時に、肌側シート31及び非肌側シート32による襞f30が簡単に凹んでしまうことが抑制される。これにより、着用時におむつ1の柔らかさを感じることができる。
さらに、本実施形態では、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242(若しくは241,241)の横方向における間隔P242(P241)の最小値よりも、高収縮領域33aの横方向におけるピッチL33の方が短くなっている(P242>L33,P241>L33)。そのため、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242(241,241)の間には、必ず低収縮領域33bが1箇所以上含まれ、高収縮領域33aが2箇所以上配置されることになる。つまり、溶着部242,242の間に、凸部330が2箇所以上形成されることとなる。図9Aでは、溶着部242,242の間に、凸部331と、凸部332の2つの凸部が形成されている。したがって、凸部331及び凸部332が2重のクッションとして作用することから、凸部330が1つだけ形成されている場合と比較して、肌側シート31及び非肌側シート32による襞f30が簡単に凹んでしまうことをより抑制しやすくなる。
また、図9Aに示されるように、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242の間の領域において、溶着部242と低収縮領域33bとの間の距離は一定ではないため、当該領域に形成される凸部331と凸部332とでは厚さ方向に膨らむ量が異なる場合が多い。すなわち凸部331と凸部332とは、厚さ方向における高さが異なって形成される。これにより、クッションに高低差が生じ、肌側シート31及び非肌側シート32を厚さ方向に凹ませる力が2段階に緩和されるようになる。例えば図9Aにおいて、肌側シート31が肌に接触した場合、高さの高い凸部331が第1段階目のクッションとして機能し、高さの低い凸部332が第2段階目のクッションとして機能する。したがって、クッション性がより高くなり、おむつ1着用時における肌触りをより良好なものとすることができる。
また、図9Bのように、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242の間に低収縮領域33bが少なくとも2箇所配置される場合があり、溶着部242,242の間に3つの凸部333,334,335が形成されることがある。この場合、クッションが3段階に作用するようなるため、肌側シート31及び非肌側シート32による襞f30がより凹みにくくなる。また、3つの凸部333,334,335のうち、横方向の中央に形成される凸部334は溶着部242の影響を受けず、厚さ方向に大きく膨らむことから、凸部334は他の凸部330よりも高さが高くなる。したがって、凸部334が形成されている部分では、肌側シート31及び非肌側シート32が、他の部分よりも厚さ方向に高く支持されやすくなり、肌側シート31及び非肌側シート32による襞f30の大きさが大きくなる。このような襞f30が偶さか含まれることにより、前身頃部30の表面の凹凸が不規則となり、おむつ1着用時の肌触りがよりソフトになる。
但し、図9Bの場合、比較的剛性の高い低収縮領域33bが2箇所含まれることにより、溶着部242,242の間において、着用者に伸縮性不織布33の硬い感触を抱かせてしまうおそれもある。そこで、本実施形態では、単位面積当たりに、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242の間に低収縮領域33bが2箇所以上含まれる割合が、横方向に隣り合う2つの溶着部242,242の間に低収縮領域33bが1箇所だけ含まれる割合よりも小さくなるように、間隔P242及びピッチL33が調整されている。これにより、バランスの良い肌触りを実現することができる。
また、図5で説明したように、第1溶着部241及び第2溶着部242は、それぞれ横方向及び上下方向に所定の間隔を有しつつ、略千鳥状に配置されている。そして、伸縮性不織布33は、上述したように繊維の配向が不規則であることから、上下方向にも伸縮性を発現する。すなわち、おむつ1の前身頃部30及び後見頃部40は横方向のみならず上下方向にも伸縮可能である。したがって、おむつ1の着用時において、胴回り部が着用者の身体形状に応じて横方向及び上下方向に自在に伸縮することにより、着用者の身体にフィットしやすくなる。
<その他の有効性について>
本実施形態の前身頃部30(後見頃部40)の表面では、溶着部241,241の間で肌側シート31及び非肌側シート32が厚さ方向に突出することによって、襞f30が形成されることを説明した。襞f30の横方向における幅は、溶着部242,242の横方向における間隔P242によって規定され、本実施形態では、横方向に沿って多数の細かい襞f30が形成されている。一方、おむつ1の胴回り開口1aにこのような細かい襞が形成されると、着用時における胴回りの通気性が悪化して、着用者に不快感を生じさせるおそれがある。そこで、おむつ1の前身頃30では、上端領域300に配置されている複数の糸ゴム30a,30aの上下方向の間隔L30aを調整することにより、該上端領域300(すなわち胴回り開口1a)において形成される皺の大きさが襞f30よりも大きくなるようにしている。
具体的には、糸ゴム30a,30aの上下方向の間隔L30aが溶着部242,242の横方向における間隔P242よりも大きくなるようにする(L30a>P242)。前身頃部30の上端領域300では、横方向に伸長した糸ゴム30aが収縮することによって皺が形成される。このとき、糸ゴム30a,30aの配置間隔が狭いと、単位面積当たりに作用する横方向の収縮力が大きくなるため、小さく細かい皺が形成されやすくなる。これに対して、糸ゴム30a,30aの間隔L30aを溶着部242,242の横方向における間隔よりも大きくすれば、少なくとも溶着部242,242の間に形成される襞f30よりも大きな皺を形成することができる。これにより、おむつ1の胴回り開口1aにおける通気性が良好なものとなり、着用者に不快感を与えにくくすることができる。
また、前身頃部30の上下方向において、伸縮性不織布33の上端部、つまりおむつ1の上端領域300により近い部分(すなわち、前身頃胴回り側領域301の上端部)における繊維密度は、前身頃胴回り側領域301の中央部における繊維密度より高くなっている。なお、ここで言う「繊維密度」とは、各領域における平均の繊維密度のことを言う。これにより、着用者がおむつ1を着用しようとする際に、より繊維密度が高い上端部を持って引き上げても、前身頃部30が破れたりする等の破損のおそれを軽減することができる。一方、各伸縮性不織布33のうち下端部側の領域の繊維密度をより低くすることで、湿気がこもりやすい胴回り部において通気性を向上させることができる。
また、前身頃部30の第2点在領域Yの面積(Sy)に対する、第2点在領域Yに設けられた複数の第2溶着部242の面積の合計(Tb)は、端部接合領域30e(40e)の面積(Sz)に対する、端部接合領域30eに形成された端部接合部の面積の合計(Tz)より小さい(Tb/Sy<Tz/Sz)ことが好ましく、Tb/Syを7〜14%程度とすることが好ましい。つまり、単位面積当たりの第2溶着部242の面積の合計(Rb)は、単位面積当たりの端部接合領域30eの面積の合計(Rz)より小さい(Rb<Rz)。
端部接合領域30eは、前身頃部30と後身頃部40とが分離しないように必要十分な接合強度を確保する必要があるため、所定の面積(Rz)の端部接合部を形成する必要がある。仮に、本体接合領域Yにおいて、面積(Rz)で第2溶着部242を設けると、第2溶着部242によって、過度に通気性が阻害されてしまう懸念がある。
そのため、単位面積当たりの第2溶着部242の面積の合計(Rb)を、単位面積当たりの端部接合領域30eの面積の合計(Rz)より小さくして(Rb<Rz)、端部接合領域Zにおける接合強度の確保と、本体接合領域Yにおける通気性の確保を両立させている。
また、前身頃部30の第1点在領域Xの面積(Sx)に対する、第1点在領域Xに設けられた複数の第1溶着部241の面積の合計(Ta)は、前身頃部30の第2点在領域Yの面積(Sy)に対する、第2点在領域Yに設けられた複数の第2溶着部242の面積の合計(Tb)より小さい(Ta/Sx<Tb/Sy)。つまり、単位面積当たりの第1溶着部241の面積の合計(Ra)は、単位面積当たりの第2溶着部242の面積の合計(Rb)より小さい(Ra<Rb)。
第2点在領域Yにおいては、通気性を確保する必要がある一方で、吸収性本体10が伸縮性不織布33によって横方向に縮むことを抑制するために、ある程度の面積(Rb)の溶着部242を設ける必要がある。仮に、汗やムレ等の問題を生じやすい前身頃胴回り側領域301においては、通気性が重要であり、第1点在領域Xにおいて、第2点在領域Yと同じ面積(Rb)で第1溶着部241を設けると、第1溶着部241が必要以上に通気性を阻害してしまう懸念がある。
そのため、単位面積当たりの第1溶着部241の面積の合計(Ra)を単位面積当たりの第2溶着部242の面積の合計(Rb)より小さくすることで(Ra<Rb)、吸収性本体10が横方向に縮むことを抑制しつつも、おむつ1全体として適切な通気性を確保することができる。
以上、前身頃部30の肌側シート31、伸縮性不織布33、非肌側シート32、について説明したが、後身頃部40の肌側シート41、伸縮性不織布43、非肌側シート42についても同様である。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
上記の実施形態では、複数の第1溶着部241及び複数の第2溶着部242や端部接合領域30e,40eにおける接合はそれぞれ、超音波溶着による接合手段を用いたがこれに限られない。例えば、熱溶着や融着等の熱や圧力を加えるその他の接合手段を用いても良い。
上記の実施形態では、上端領域300,400のうち複数の糸ゴム30a,40aが配置された領域では伸縮性不織布33,43が配置されていなかったがこれに限られない。例えば、上端領域300,400に、複数の糸ゴム30a,40a及び伸縮性不織布33,43の両方を配置しても良いし、伸縮性不織布33,43のみを配置しても良い。
上記の実施形態では、複数の第1溶着部241及び複数の第2溶着部242はそれぞれ、均等な間隔で配置されていたがこれに限られない。例えば、複数の第1溶着部241及び複数の第2溶着部242が、それぞれ不均等な間隔で配置されていても良いし、第1溶着部241及び第2溶着部242形状自体も、特に制限はない。
上記の実施形態では、伸縮性不織布33,43について、弾性を有する熱可塑性エラストマー製繊維として、ポリウレタン系エラストマーを用い、非弾性を有する熱可塑性樹脂性繊維として、PPを用いたがこれに限られない。弾性を有する熱可塑性エラストマー製繊維としてポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等であっても良く、非弾性を有する熱可塑性樹脂繊維として、PE、エチレン―αオレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂を含む繊維であっても良い。
上記の実施形態では、肌側シート31,41及び非肌側シート32,42は、PP繊維のスパンボンド繊維を用いたがこれに限られない。ポリエチレン(PE)、ポリエステル、ポリアミド等の繊維からなるスパンボンド不織布、SMS不織布、エアスルー不織布等を用いても良い。繊維の構造については、単一の熱可塑性樹脂からなる単独繊維に限るものではなく、例えば、芯材がPPで鞘材がPEの芯鞘構造の複合繊維であっても良く、これら以外の構造の繊維であっても良い。ただし、単一繊維からなる不織布であることが好ましく、肌側シート31,41、非肌側シート32,42、及び伸縮性不織布33,43に用いる熱可塑性樹脂繊維が同じ繊維であることが最も好ましい。同じ成分からなる繊維が溶融されて固化されることによって、溶着がより強固になるからである。
上記の実施形態では、伸縮性不織布33,43の繊維密度を、脚回り領域25の方が上端領域300,400よりも低くすることにしたがこれに限られない。伸縮性不織布33,43の繊維密度は、全域に亘って均一であっても良い。
上記の実施形態に係るおむつ1は、大人を着用対象としたが、これに限定されるものではなく、新生児、乳児、幼児等の子供を着用対象としても良い。
1 おむつ(使い捨ておむつ)、1a 胴回り開口、1b 脚回り開口、
10 吸収性本体、11 吸収性コア、
12 トップシート、13 バックシート、
20 外装体、25 脚回り領域、
30 前身頃部、30a 糸ゴム、30e 端部接合領域、
31 肌側シート、32 非肌側シート、
33 伸縮性不織布、33a 高収縮領域、33b 低収縮領域、
300 上端領域、301 前身頃胴回り側領域、302 前身頃股下側領域、
330 凸部、331〜335 凸部、
40 後身頃部、40a 糸ゴム、40e 端部接合領域、
41 肌側シート、42 非肌側シート、43 伸縮性不織布、
400 上端領域、401 後身頃胴回り側領域、402 後身頃股下側領域、
50 股下部、51 不織布、52 不織布、
91 肌側シート、92 非肌側シート、93 伸縮フィルム、
100 ギア加工装置、
101 ギアロール、101m 山部、 101v 谷部、
102 ギアロール、102m 山部、 102v 谷部、
241 第1溶着部(接合部)、242 第2溶着部(接合部)、245 溶着部、
X 第1点在領域(吸収性本体接合領域)、
Y 第2点在領域、
Sa11 第1部分、Sa12 第2部分、
L33 ピッチ(高収縮領域33a)、
P241 間隔(第1溶着部241)、P242 間隔(242 第2溶着部)、
L30a 間隔(糸ゴム30a)

Claims (9)

  1. 横方向と、厚さ方向とを有する使い捨ておむつであって、
    前記厚さ方向の肌側に位置する肌側シートと、
    前記厚さ方向の非肌側に位置する非肌側シートと、
    前記厚さ方向における前記肌側シートと前記非肌側シートとの間に配置された伸縮性不織布と、
    を備え、
    前記厚さ方向において、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートは、点在する複数の接合部によって接合されており、
    前記伸縮性不織布は、伸縮性を有する伸縮性繊維、及び前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維を含み、
    前記伸縮性不織布を前記横方向に伸長させた場合に、前記伸縮性不織布には、前記横方向に収縮力を発現する低収縮領域と、前記低収縮領域よりも大きな収縮力を発現する高収縮領域とが、前記横方向に沿って所定のピッチで交互に形成されており、
    前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の、前記横方向における間隔の最小値は、
    前記横方向における前記低収縮領域の前記所定のピッチよりも長く、
    前記接合部の間の領域において、前記伸縮性不織布は、前記高収縮領域が前記低収縮領域よりも前記厚さ方向の肌側に膨らんだ凸部を有する、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 請求項1に記載の使い捨ておむつであって、
    前記伸縮性不織布は、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が少なくとも2箇所配置されている部分を有する、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  3. 請求項2に記載の使い捨ておむつであって、
    前記伸縮性不織布の単位面積あたりについて、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が少なくとも2箇所配置されている割合は、
    前記伸縮性不織布の単位面積あたりについて、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の間に、前記低収縮領域が1箇所配置されている部分の割合よりも小さい、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    前記横方向と交差する上下方向を有し、
    着用する際に着用者の胴回りに位置する胴回り部、を備え、
    前記胴回り部の、前記上下方向の上端部における、前記伸縮性不織布の繊維密度は、
    前記胴回り部の、前記上下方向の中央部における、前記伸縮性不織布の繊維密度よりも高い、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    前記横方向と交差する上下方向を有し、
    着用する際に着用者の胴回りに位置する胴回り部、を備え、
    前記胴回り部の上端部には、前記横方向に沿った複数の弾性部材が前記上下方向に所定の間隔を空けて設けられており、
    前記上下方向において隣り合う2つの前記弾性部材の前記上下方向における間隔は、前記横方向において隣り合う2つの前記接合部の前記横方向における間隔よりも広い、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    前記横方向と交差する上下方向を有し、
    前記複数の接合部は、前記横方向及び前記上下方向に所定の間隔を有しつつ、千鳥状に配置されている、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    吸収性本体と、前身頃部と、後身頃部とを有し、
    前記前身頃部及び前記後身頃部を接合する複数の端部接合部を有しており、
    前記複数の端部接合部が点在している端部接合領域が設けられており、
    前記吸収性本体の非肌側と、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートとが接合された吸収性本体接合領域が設けられており、
    前記吸収性本体接合領域に位置する前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートには、前記複数の接合部が点在している第1点在領域が設けられており、
    前記第1点在領域の単位面積当たりの前記複数の接合部の面積の合計が、前記端部接合領域の単位面積当たりの前記端部接合部の面積の合計より小さい、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    吸収性本体を有しており、
    前記吸収性本体の非肌側と、前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートとが接合された吸収性本体接合領域が設けられており、
    前記吸収性本体接合領域に位置する前記肌側シート、前記伸縮性不織布、及び前記非肌側シートには、前記複数の接合部が点在している第1点在領域が設けられており、
    胴回り部のうちの少なくとも上端部よりも下方であって、前記第1点在領域と重複しない領域には、前記肌側シート、前記非肌側シート、及び前記伸縮性不織布を接合する前記複数の接合部が点在している第2点在領域が設けられており、
    単位面積当たりの前記複数の接合部の面積の合計は、前記第1点在領域の方が前記第2点在領域より小さい、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の使い捨ておむつであって、
    前記伸縮性不織布は、前記伸縮性繊維としてのポリウレタン、及び前記伸長性繊維としてのポリオレフィンを含む、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
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