JP6489467B2 - 複合酸化物セラミックスおよび半導体製造装置の構成部材 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置の構成部材、特に半導体の製造工程において腐食ガスを用いたプラズマに曝露される静電チャック、外周リング、シャワープレート、チャンバー等に好適に用いられる複合酸化物セラミックスに関する。
半導体製造におけるプラズマエッチング装置などのチャンバー内の構成部材は、腐食ガスによる腐食環境下に曝される。前記腐食ガスがプラズマにより活性化している場合は、腐食はより顕著となる。
これら腐食ガスに曝露される構成部材の表面には、その構成部材と腐食ガスとの反応物が生成する。これにより、構成部材は腐食し、その形状が変化する。そして、設計の形状を保てなくなる。前記反応物の生成では、生成物の気化、揮発、剥離が生じる。生じたこれらは、チャンバー内のパーティクルとなり、チャンバー内やエッチング処理物(特に半 導体ウェハ)を汚染する。エッチング処理物にパーティクルが付着すると、絶縁不良や形状不良などが発生する。このことは、半導体製造においての歩留向上を妨げる要因である。
そのため、腐食ガスを用いたプラズマに曝露させる構成部材には、セラミックスの中でもプラズマ腐食に強いAl系、Y系、MgO系の材料が用いられている。この中でも、Y系、MgO系は特に強い。
特許文献1は、酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化ニオブ、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化セリウムのうちいずれか1種以上との固溶体からなる、電気抵抗率が10〜1015(Ω・cm)程度(図1より)のセラミック含有物品を開示している。このセラミックス含有物品は酸化イットリウム基であるために、耐プラズマ性が高く、電気抵抗も1010〜1012(Ω・cm)を含む範囲で調整できると記載されている。
特許文献2は、周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素と周期律表4A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素とを含む酸化物を主体とする耐食性セラミックス材料を開示している。3A族に属する元素としてはY、La、Yb、Dyが、4A族に属する元素としてはTi、Zr、Hfが記載されている。4A族元素がTiの場合は還元雰囲気中で処理すると導電性が付与できる旨記載がある(段落0022)。
特許文献3は、イットリアに、ジルコニアと、アルミナ、マグネシア、シリカ、カルシアおよびチタニアのうち1種以上が分散した耐プラズマ性セラミックス溶射膜を開示している。
特開2009−035469号公報 特開2000−001362号公報 特開2009−068067号公報
特許文献1に記載のセラミック含有物品の焼成雰囲気は段落0027などに記載のように還元雰囲気である。還元雰囲気(COガス介在中の真空雰囲気、希ガス雰囲気、水素雰囲気、窒素雰囲気など)での焼成炉は、大気焼成炉と比較して導入や運転に大きなコストがかかる。また、Y成分(Y、YAM化合物など)を60(mol%)以上含むために、原料のコストが高いという問題がある。
また、特許文献2に記載の内容からは、YとTiO、YとZrOを混合した例は示されているが、Y中にZrOを混合した上で導電性を有する耐食性セラミックス材料は開示されていない。また、4A族元素酸化物としてZrOが挙げられているが、実施例中のZrOの含有量は多くても25wt%程度であり、十分な強度が得られない。YとTiOはともに強度が低い。
特許文献3は、組成的には耐腐食性や導電性が期待できる組成であるが、溶射膜についての提案であるために、用途は限られたものとなる。また、ZrOの含有量は多くて18(mol%)であり、十分な強度が得られない。Yは例えばZrOやAlと比較して高価である。
以上に説明したように、半導体製造工程における腐食ガスを用いたプラズマ処理を実施する装置内の構成部材としては、パーティクル発生の問題から酸化アルミニウムなどのセラミック材料が主に使用されている。しかし、これらの材料の耐腐食性は、イットリアやマグネシアなどと比較すると低い。そのために構成部材が腐食したり、パーティクルを発生させたりする問題を有している。
特許文献1〜3は、いずれも耐腐食性に優れたセラミックス材料を開示している。しかしこれらの材料は、主としてY基であり強度的には十分でない場合がある。また、単体では絶縁体であるために、プラズマによる帯電を防ぐことや、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックには利用できない。また、YやYAGなどのY成分を含む材料は比較的高価であるという問題もある。
以上の従来技術の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、十分な耐腐食性を有し、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックや帯電防止用に使用できる程度の電気抵抗率に容易に制御できる、半導体製造装置の構成部材として好適な複合酸化物セラミックス焼結体を提供することにある。また、低コストにて製造できる大気焼結炉を用いて前記セラミックス焼結体を得ることをも課題とする。なお、本明細書でいう「耐腐食性」とは、ハロゲン系の腐食ガスまたはハロゲン系の腐食ガスを用いたプラズマへの耐性を意味し、「耐プラズマ性」あるいは「プラズマ耐性」ともいう。
本発明の一観点によれば、ZrOに、Y、TiO、および第4金属Meの酸化物が固溶した複合酸化物セラミックス焼結体であって、
ZrOの物質量(mol)をA、
の物質量(mol)をB、
TiOの物質量(mol)をC、
前記第4金属Meの酸化物をMeO(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)、MeOの物質量(mol)をDとした際に、
下記の式(1)〜式(3)全てを満たし、
前記第4金属MeがMo、Cr、Coのうちのいずれか1種または2種以上である、複合酸化物セラミックス焼結体が提供される。
式(1): 0.5 ≦ A/(A+B) ≦ 0.95
式(2): 0.01 ≦ (C+D)/(A+B+C+D) ≦ 0.5
式(3): 0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50
また、本発明の他の観点によれば、前記本発明の複合酸化物セラミックス焼結体からなる半導体製造装置の構成部材が提供される。
さらに、本発明の他の観点によれば、ZrO粉末と、Y粉末と、TiO粉末と、下記第4金属Meの酸化物粉末であるMeO粉末(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)とを混合し、プレス成形した後に大気雰囲気、1300〜1800℃にて焼結する、電気抵抗率が10〜1013(Ω・cm)である複合酸化物セラミックスの製造方法であって、
前記ZrO 粉末の物質量(mol)をA、
前記Y 粉末の物質量(mol)をB、
前記TiO 粉末の物質量(mol)をC、
前記MeO 粉末の物質量(mol)をDとした際に、
下記の式(1)〜式(3)全てを満たす、製造方法が提供される。
第4金属Me:Mo、Cr、Coのうちのいずれか1種または2種以上
式(1): 0.5 ≦ A/(A+B) ≦ 0.95
式(2): 0.01 ≦ (C+D)/(A+B+C+D) ≦ 0.5
式(3): 0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50
本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、ZrOに、特定量のYを固溶しているので、Y基のセラミックスと同等の耐腐食性(プラズマ耐性)を発揮する。また、本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、特定量のTiOおよび前記第4金属Meの酸化物も固溶しているので、電気抵抗率を10〜1013(Ω・cm)程度に容易に制御できる。したがって、本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、高いプラズマ耐性を維持したまま、プラズマによる帯電を防止でき、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックを始めとして半導体製造装置の構成部材として好適に使用できる。
また、本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、同等の電気抵抗率を有する従来のセラミックスでは困難であった大気雰囲気焼結にて製造可能であり、低コストにて製造可能である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の複合酸化物セラミックスは以下に示す方法にて製造できる。また、得られた複合酸化物セラミックスは半導体製造装置の構成部材として使用できる。また、本発明の複合酸化物セラミックスの中でも10〜1012(Ω・cm)の電気抵抗率を有するものは、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックとしても使用できる。
出発原料として、Yの粉末、ZrOの粉末、TiOの粉末、Cr、Mo、Coの酸化物粉末を用いる。それぞれの配合について、以下に述べる。
まず、ZrOの物質量(mol)を「A」、Yの物質量(mol)を「B」とした際、「式(1): 0.5 ≦ A/(A+B) ≦ 0.95」を満たすようにZrOの粉末とYの粉末を配合する。
ZrOに対するYの固溶限は約50(mol%)(ZrOとYの物質量の比が50:50)である。Yの占める割合が50(mol%)を超えた場合、セラミックス中にY相が生じ、セラミックスの強度が大きく低下してしまう。
ZrOはセラミックスの中では強度が高いが、プラズマ耐性はAlより若干低い。一方、Yは、強度は低いが、プラズマ耐性が非常に高い。ZrOはYを固溶することでプラズマ耐性が向上する。しかし、固溶量が5(mol%)より少ない場合は、Alより低いプラズマ耐性となってしまう。つまり、式(1)を満たすようにZrOとYを配合することで、プラズマ耐性、強度とも十分に高いセラミックスとすることができる。
TiOと、CrO、MoO、CoOは、複合酸化物セラミックスの電気抵抗率を下げるために添加する。これらの酸化物の特徴は、還元雰囲気の焼結に限らず、大気雰囲気焼結によっても導電性を維持できる点にある。
ここで、TiOの物質量(mol)をC、前記第4金属Meの酸化物をMeO(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)、MeOの物質量(mol)をDと表す。TiOとCrO、MoO、CoOは、耐プラズマ性の点ではYおよびZrOよりも劣る。そのために、複合酸化物セラミックス中で含有できる量は、上限が50(mol%)(C+D:「TiOとCrO、MoO、CoOの物質量(mol)の合計」が、A+B+C+D:「ZrO、Y、TiO、CrO、MoO、CoOの物質量(mol)の合計」の50%以内)であり、この量を超えると、複合酸化物セラミックスの耐プラズマ性がアルミナと同等程度まで落ちる。
複合酸化物セラミックスに、前述の導電性を付与するのに最低限必要な量(C+D)は約1(mol%)((C+D)/(A+B+C+D))である(式(2))。
また、TiOの物質量(mol)をC、前記第4金属Meの酸化物をMeO(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)、MeOの物質量(mol)をDとした際に、「式(3):0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50」を満たすように、TiOの粉末、MeOの粉末を配合する。ただし、前記MeOは、CrO、MoO、CoOのうちいずれか1種または2種以上であり、前記Dはこれらの物質量の合計である。
前記MeOのMeイオンが、焼結体中のTiサイトと置換することで、大気雰囲気焼結においても電気抵抗値が低くなる。TiOとMeOの合計量(C+D)に対し、MeO量(D)が1(mol%)より少なくなると、置換量が不十分となり、大気雰囲気焼結では電気抵抗値が下がらない。また、50(mol%)より多い場合は、置換に寄与しなかった残留MeOxが導電パスとして機能しないため、電気抵抗値が下がらない。
以上に述べた配合にて粉末を混合する。それぞれの粉末の粒度は0.2〜15μm程度、純度は99%以上が適当である。
前述の組成となるように原料粉末を配合した出発原料を混合する。混合は、公知の粉末混合方法で行えばよいが、ボールミルまたはビーズミルを用いて行うと、原料粉末の分散性および焼結性が良好な出発原料を得ることができる。前記混合時の溶媒は、水やエタノールなどの溶媒が適している。また、出発原料に成形用の有機バインダーを添加してよい。
混合後の出発原料に圧力を掛け、プレス成形する。プレス成形は、金型プレスまたはCIP(冷間静水圧プレス)成形で行うことができる。得られた成形体が有機バインダーを含む場合は、焼結以前に脱バインダー処理を行う。
前記成形体を、焼成温度1300℃〜1800℃程度で焼成し、焼結体を得る。この焼結体が本発明の複合酸化物セラミックスである。焼成雰囲気は、大気、アルゴン、窒素、真空など、いずれの方法を用いてもよい。本発明の複合酸化物セラミックスは大気雰囲気で焼成を行っても、プラズマによる帯電を防止でき、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックに使用可能な1010〜1012(Ω・cm)程度の電気抵抗率とすることができる。
また、得られた焼結体を、さらに大気中で熱処理して、色ムラの改善および均質化を行うことも可能である。なお、ホットプレス焼結を行う場合は、必ずしも前記成形工程は必要としない。例えば、混合後の出発原料をカーボン型に充填したまま、ホットプレスしてもよい。
以上の工程にて本発明の複合酸化物セラミックス焼結体が得られる。この焼結体に、必要であれば機械加工を行い所望の形状とすることにより、ジョンセン・ラーベック型の静電チャック等の、半導体製造装置の構成部材が得られる。
出発原料用の原料粉末は、純度99.9%以上のZrO粉末、純度99.9%以上のY粉末、純度99.9%以上のTiO粉末、純度99.9%以上のCr(酸化クロムIII)、MoO(酸化モリブデンVI)、Co(4酸化3コバルト)、Fe(酸化鉄III)粉末を選定した。これら原料粉末を秤量し、ボールミル混合した。原料粉末の配合比率を、表1〜表3に示す。なお、表1〜表3に記載の試料には本発明の範囲外の比較試料も含まれている。
を除く原料粉末(酸化物)の配合の際は、酸化物中の金属原子の数を合わせるために、酸化物の金属元素の数を1とした上で、配合量を調整した。例えば、酸化クロム成分はCrの粉末として配合したが、Cr中にCr原子は2個存在するために、CrをCrO1.5として取り扱うことにより、物質量(mol)として他の添加物と比較できるようになる。粉末投入時の配合量の計算はこの方法にて行う。粉末配合量の物質量は同様に、CoはCoO4/3、FeはFeO1.5として扱った。MoOはMoが1個なので調整していない。たとえば、Co粉末に換えて、Co粉末を使用する場合には、これをCoO1.5として扱えばよい。
ボールミル混合には、ナイロン製の2Lポットおよび高純度で直径5mm〜12mmの球状ジルコニアボールを用いた。原料粉末を配合した出発原料にエタノール溶媒とボールを加え、ポットにて24時間混合した。混合後のスラリーを、60℃にて乾燥させてケーキを得た。ケーキをメノウ乳鉢で用いて粉砕し、目開き300μmの篩で整粒した。整粒した粉末を、20MPaで1軸金型成形した。成形体のサイズは、一辺が52.5mmの正方形、厚みが10mm程度であった。この成形体を大気雰囲気炉またはアルゴンガス雰囲気炉で焼結して、焼結体を得た。焼結温度はまず1300℃で焼成し、「密度が98%に満たない場合は50℃温度を上げて再度焼成を行う」という手順を繰り返し、密度が98%以上となった時点で焼結温度とした。上限は1800℃とした。得られた焼結体を、平面研削盤で、焼結体の表面を100μm程度研削して、これを評価用試料とした。
評価としては、三点曲げ強度(強度)、プラズマ耐性、電気抵抗率の評価を行った。それぞれの評価方法の詳細を以下に示す。
(三点曲げ強度)
評価用試料から3×4×40(mm)の試料を切り出し、JIS R 1601に示される三点曲げ試験を行った。表1〜表3において曲げ強度が400(MPa)以上の試料には「○」、400(MPa)未満の試料には「×」を記載した。
(プラズマ耐性)
評価用試料を、直径30(mm)、厚み3(mm)まで機械加工した。この焼結体の一部をマスクテープにてマスクし、測定用試料とした。前記測定用試料にハロゲン系腐食ガスを用いたプラズマエッチングによるエッチングを行った。エッチングに用いた装置は、平行平板型反応性イオンプラズマエッチング装置である。エッチングの腐食ガスにはCFを使用した。前記CFの圧力は10(Pa)である。RF出力は1000W、照射合計時間は120分間である。この条件で、各試料をプラズマエッチングした。エッチング後にエッチング量を測定した。具体的には、エッチング後に測定用試料からマスクテープを剥がし、エッチング面とマスクされていた(エッチングされていない)面との段差を測定した。この段差をエッチング量(腐食量)とした。各試料のエッチング量を、Al単体の比較試料のエッチング量を1と定義して、これと比較した。前記段差は、輪郭形状測定機(サーフコム2800、株式会社東京精密製)にて測定した。
(電気抵抗)
電気抵抗率測定は高抵抗率計(JIS K 6911規格)を準用して測定した。その測定条件は、大気環境中、27℃、印加電圧1000(V)である。
表1〜表3に記載の試料について説明する。なお、表1〜表3において試料No.に「*」を付した試料は、本発明の範囲外の比較試料である。
表1に記載の試料No.101〜試料No.111は、TiOの物質量(C)を9(mol%)、MeO(D)の物質量を1(mol%)と一定にして、ZrO(A)とY(B)の物質量を変えた試料である。これらの試料は、試料No.108を除いて大気雰囲気にて焼結した。試料No.108は、カーボン治具を用いたアルゴンガス雰囲気(還元雰囲気)にて焼結した。
Figure 0006489467
表2に記載の試料のうち試料No.201〜試料No.216は、ZrOの物質量(A)とYの物質量(B)とを同じ比率とした上で、その物質量を変え、TiO(C)と第4金属酸化物MeOの物質量(D)を変えた試料である。これらの試料においてTiOと第4金属酸化物MeOは9:1の物質量比となるように調整した。なお、表2に記載の試料のうち試料No.217〜試料No.221は、その他本発明の範囲内の試料である。
Figure 0006489467
表3に記載の試料No.301〜試料No.317は、ZrOの物質量(A)とYの物質量(B)とをそれぞれ42.5(mol%)と一定にした上で、TiO(C)と第4金属の酸化物MeOの物質量(D)を変えた試料である。これらの試料において、TiOと第4金属酸化物の物質量の合計(C+D)が総量(A+B+C+D)の15(mol%)となるように調整した。なお、表3において第4金属Meとしては本発明の範囲外のものも含めて記載している。
Figure 0006489467
(表1の結果)
表1の結果より、ZrOの物質量(A)は、ZrOとYの物質量の合計(A+B)に対して半分以上とすることで、十分な強度の焼結体とできることが分かる。比較試料である試料No.109は、これよりもZrO量が少なく、十分な強度(400MPa以上)を得られなかった。
また、Yの物質量(B)はZrOとYの物質量の合計(A+B)の5(mol%)以上とすることにより、十分なプラズマ耐性を有する焼結体とできた。5(mol%)未満の比較試料である試料No.101は、十分なプラズマ耐性を得られず、Alよりも劣っていた。
試料No.108は、カーボン治具を用いたアルゴンガス雰囲気(還元雰囲気)にて焼結した試料である。還元雰囲気にて焼結した場合は、大気雰囲気の場合と比較してTiO成分の電気抵抗率が低くなるために、焼結体としての電気抵抗率も下がりやすい。すなわち、試料No.108は、試料No.107と同様の組成であるが、電気抵抗率は3桁程度低下した。
(表2の結果)
表2の結果より、TiOと第4金属酸化物の物質量の合計(C+D)は、総量(A+B+C+D)の1〜50(mol%)の範囲とすることで、十分な強度およびプラズマ耐性を有する焼結体とできることが分かる。
比較試料である試料No.212は、TiOと第4金属酸化物の物質量の合計(C+D)が総量(A+B+C+D)の60(mol%)と過剰であり、十分な強度を得られなかった。また、プラズマ耐性もAlよりも劣る結果となった。
(表3の結果)
表3に示した試料は、いずれも強度、プラズマ耐性とも使用に耐えられる試料であった。導電パスを形成するTiOと第4金属酸化物の物質量の合計(C+D)を総量(A+B+C+D)の15(mol%)と固定して、TiOの物質量と第4金属の種類を様々変更し、影響を調べたデータである。なお、ZrO、Yの物質量は、それぞれ42.5(mol%)と固定している。
結果より、第4金属をCoとすることにより、より少ない添加量でも電気抵抗率が大きく下がることを確認した。また、電気抵抗率の低下は第4金属をMo、Crとした場合には添加量にしたがって低下したが、Coについては添加量を増やすにしたがって電気抵抗率が下がる傾向ではなく、微量の添加にて電気抵抗率が大きく下がり、添加量を増やすにつれて電気抵抗率が上がる傾向が見られた。これらのことから、必要となる電気抵抗率を得るためのCo、CrおよびMoの物質量(D)を容易に調整できる。
比較試料である試料No.301は、第4金属酸化物を含まず、電気抵抗は1014(Ω・cm)以上と絶縁性を示した。また、第4金属酸化物MeOの物質量(D)が、TiO(C)と第4金属酸化物MeOの物質量(D)の総量(C+D)に対して50(mol%)を超えた試料309も絶縁性を示した。これは、Tiサイトに置換するMeOが多く、TiOが少ないために、導電パスの形成に寄与しなかったためと考えられる。一方で、0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50の範囲にある試料は1012(Ω・cm)以下と、電気抵抗が低下した。
また、比較試料である試料No.315〜試料No.317より、表に記載の範囲で配合した際、電気抵抗率を所望の範囲にできるのは、第4金属としてMo、Cr、Coを選択した場合の特有の現象であり、遷移金属元素一般に当てはまる現象ではないことが分かった。
(まとめ)
以上の結果から、前述の式(1)〜式(3)に示す物質量にてZrO、Y、TiO、第4金属酸化物を混合、焼結して得られた本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、いずれも十分な強度を持ち、比較的高価なY粉末の配合量をある程度小さくした上で、十分なプラズマ耐性を持つことが分かった。したがって、本発明の複合酸化物セラミックスは、その強度と耐プラズマ性の面から半導体製造部材の構成部材に適しているといえる。加えて、比較的高価であるYの量が最大でも50(mol%)と比較的少なく、製造コスト的にも優れているといえる。
また、Moの酸化物、Crの酸化物、Coの酸化物のいずれか1種またはそれらを混合してTiOとともに添加することで、電気抵抗率が1010〜1012(Ω・cm)程度の耐プラズマ性に優れた複合酸化物セラミックスが得られた。この範囲の電気抵抗率を有する複合酸化物セラミックスは、帯電防止ができ、ジョンセン・ラーベックタイプの静電チャックとして使用可能である。電気抵抗率は、TiOの物質量(C)と、酸化物(Moの酸化物、Crの酸化物、Coの酸化物)の物質量(D)を調整することで、簡単に調整できた。
さらに、本実施例に示すように、本発明の複合酸化物セラミックス焼結体は、大気雰囲気中の焼結でも製造することができた。

Claims (4)

  1. ZrOに、Y、TiO、および第4金属Meの酸化物が固溶した複合酸化物セラミックス焼結体であって、
    ZrOの物質量(mol)をA、
    の物質量(mol)をB、
    TiOの物質量(mol)をC、
    前記第4金属Meの酸化物をMeO(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)、MeOの物質量(mol)をDとした際に、
    下記の式(1)〜式(3)全てを満たし、
    前記第4金属MeがMo、Cr、Coのうちのいずれか1種または2種以上である、複合酸化物セラミックス焼結体。
    式(1): 0.5 ≦ A/(A+B) ≦ 0.95
    式(2): 0.01 ≦ (C+D)/(A+B+C+D) ≦ 0.5
    式(3): 0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50
  2. 請求項1に記載の複合酸化物セラミックス焼結体からなる半導体製造装置の構成部材。
  3. 用途がジョンセン・ラーベック型静電チャックである請求項2に記載の半導体製造装置の構成部材。
  4. ZrO粉末と、Y粉末と、TiO粉末と、下記第4金属Meの酸化物粉末であるMeO粉末(ただしxは0.5≦x≦3である不定数)とを混合し、
    プレス成形した後に大気雰囲気、1300〜1800℃にて焼結する、
    電気抵抗率が10〜1013(Ω・cm)である複合酸化物セラミックスの製造方法であって、
    前記ZrO 粉末の物質量(mol)をA、
    前記Y 粉末の物質量(mol)をB、
    前記TiO 粉末の物質量(mol)をC、
    前記MeO 粉末の物質量(mol)をDとした際に、
    下記の式(1)〜式(3)全てを満たす、製造方法
    第4金属Me:Mo、Cr、Coのうちのいずれか1種または2種以上
    式(1): 0.5 ≦ A/(A+B) ≦ 0.95
    式(2): 0.01 ≦ (C+D)/(A+B+C+D) ≦ 0.5
    式(3): 0.01 ≦ D/(C+D) ≦ 0.50
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