JP6488621B2 - 灌流吸引装置 - Google Patents

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Description

本開示は、患者眼の眼内へ灌流液を供給してこれを除去組織と共に吸引する灌流吸引装置関する。
手術部位に灌流液を供給して、供給した潅流液を除去組織と共に吸引する潅流吸引装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の装置は、例えば、眼科分野では、白内手術や硝子体手術等で使用されている。特許文献1の装置は、蠕動型吸引ポンプ(ペリスタルティックポンプ)を用いて吸引を行う。特許文献1の蠕動型吸引ポンプでは、回転台に配置された複数のポンプローラが、吸引ポンプとチューブ受けとの間に配置された吸引チューブを押しつぶして閉塞させながら回転走行する(つまり、吸引チューブを複数のポンプローラでしごく)。その結果、吸引チューブ内の液体がポンプローラの回転走行方向に押し出されて吸引圧が発生する。吸引チューブは廃液袋まで延びており、吸引された除去組織を含む潅流液は、廃液袋に貯留される。
特開2001−170062号公報
しごき部材(例えばポンプローラ)が弾性部材(例えばチューブ)をしごいている区間では、しごき部材によってしごかれている閉塞地点よりも上流側(患者側)に吸引圧が生じている。しごき部材によるしごきが解除されると、閉塞地点で生じていた吸引圧が一気に抜ける。廃液流路内の圧力を均衡化するために、閉塞地点よりも下流に位置していた灌流液が上流側へ戻ろうとする。その結果、灌流液と気体とが接する廃液流路の終端部で術者に不快な異音が発生することとなる。
本開示は、吸引時の不快な異音を低減することができる灌流吸引装置提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る灌流吸引装置は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者眼の眼内へ灌流液を供給する供給手段と、前記供給手段が供給する前記灌流液が流れる灌流流路と、弾性部材をしごき部材でしごいて前記患者眼から前記灌流液を含む廃液を吸引する吸引手段と、前記吸引手段が吸引した前記廃液が流れる廃液流路と、片端が前記灌流流路に接続され他端が前記吸引手段によってしごかれる部分よりも上流側の前記廃液流路の流路に接続されるバイパス流路と、前記バイパス流路を開閉するための制御弁と、を備え、前記廃液流路のうち、前記吸引手段によってしごかれる部分と、吸引された前記廃液が気体中に排出される終端部との間に前記吸引時の異音を低減するための空気室を設けたことを特徴とする。
本開示によれば、吸引時の不快な異音を低減することができる灌流吸引装置提供される。
本実施形態の灌流吸引装置の外観図である。 図1の灌流吸引装置の概略構成図である。 図1の灌流吸引装置の吸引手段の動作状態を説明する説明図である。 図3の状態から回転台が45度回転した状態を説明する説明図である。 図1の灌流吸引装置の空気室を説明する説明図である。 空気室の第1変容例の図である。 空気室の第2変容例の図である。 吸引チューブの変形状態を説明する説明図である。
以下図面を参照して、本開示における典型的な実施形態を説明する。図1は、本実施形態の灌流吸引装置1の外観図である。図2は、灌流吸引装置1の概略構成図である。
本実施形態の灌流吸引装置1は、本体10とカセット20を備えている。本体10が、モニタ11、タッチパネル11a、および接続パネル15を備えてもよい。本体10は、一例として、正面にモニタ11を備えている。本体10は、一例として、各種入力操作を行うためのタッチパネル11aを備えている。接続パネル15に、一例として、手術用ハンドピース30のケーブル等が接続される複数のコネクタが設けられてもよい。モニタ11に、一例として、手術条件の設定画面や手術装置の駆動結果である手術結果の一覧表等が表示されてもよい。例えば、手術条件の設定画面として、手術モードの選択、灌流瓶13の高さ調節、フットスイッチ18の設定、吸引圧、超音波出力(USパワー、パルス数など)の各種手術条件を設定するためのアイコン等が表示されてもよい。本実施形態の灌流吸引装置1は、後述する吸引手段40の吸引圧を、0〜700mmHgの間で設定可能とされている。
本体10は、一例として、白内障手術用などのカセット20が装着される保持ユニット17を側面に備えている。保持ユニット17へカセット20が装着される際に、保持ユニット17のカバー17aが本体側へと押されることによりカセット20が本体10にローディングされてもよい。本体10が複数の保持ユニット17を備え、複数のカセット20が装着されてもよい。
本体10は、一例として、背面にポール14とアーム14aを備えている。ポール14は、一例として、生理食塩水等の灌流液LQPが入れられた灌流瓶13を支持する。アーム14aは、一例として、ポール14の上側で灌流瓶13を吊り下げる。ポール14は、一例として、タッチパネル11aからの入力信号に基づいて、制御部100によって駆動機構19が駆動されることで上下移動する。
本体10は、一例として、背面にインターフェース部を備えている。インターフェース部は、例えば、手術結果等を電子データとして外部転送するために、LAN,USBストレージデバイス等を介して外部機器PCと接続してもよい。本体10は、一例として、下方にフットスイッチ18を備えている。フットスイッチ18を、手術用ハンドピース30の先端部に設けられている可動チップの超音波振動や吸引動作などの各種動作を調整するために用いてもよい。本体10は、一例として、内部に制御部100(図2参照)を備えている。制御部100は、一例として、灌流吸引装置1の各種動作制御のために用いられる。
制御部100に、例えば、モニタ11、タッチパネル11a、接続パネル15、フットスイッチ18、駆動機構19、インターフェース、およびメモリを接続してもよい。メモリは記憶手段であり、手術を実行するためのプログラム、および本体10の手術動作で取得された各種手術情報を記憶してもよい。例えば、制御部100を表示制御手段として用い、タッチパネル11a等からの入力信号に基ついて、モニタ11の表示状態を変更してもよい。
本実施形態の灌流吸引装置1は、灌流液LQPを患者眼Eへ供給する供給手段7の一例として、駆動機構19、ポール14、灌流瓶13、灌流チューブ5、制御弁73、および手術用ハンドピース30を備えている。供給手段7は、灌流液LQPが流れる灌流流路8を含んでもよい。前述したように、本実施形態の灌流吸引装置1のポール14には、灌流液LQPが満たされた灌流瓶13が吊り下げられている。ポール14は、駆動機構19の駆動によって上下動される。ポール14の上下動に伴って、灌流瓶13から流れる灌流液LQPの灌流圧が調節される。灌流瓶13からの灌流液LQPは、灌流チューブ5を通過し、術者に把持される手術用ハンドピース30を介して患者眼Eに灌注される。灌流チューブ5の途中には、一例として、制御弁73が設けられている。制御弁73の開閉によって、灌流液LQPの流出制御が行われる。なお、灌流圧を調整する方法は、ポール14を上下動させる方法に限られない。例えば、灌流液に圧力を加える圧力源を用いて灌流圧を調整してもよい。
本実施形態の灌流吸引装置1は、手術用ハンドピース30の一例として、USハンドピース(超音波ハンドピース)を用いている。USハンドピースは、例えば、白内障によって不透明になり硬化した水晶体核を先端に設けられた破砕用チップの超音波振動によって乳化吸引除去する。破砕用チップの超音波振動を行うために、手術用ハンドピース30内に設けられた超音波振動子に電力ケーブル32を介して電力供給してもよい。なお、手術用ハンドピース30はUSハンドピースに限るものではない。手術用ハンドピース30として、例えば、I/Aハンドピース31(灌流吸引用ハンドピース)を用いてもよい。
手術用ハンドピース30には、例えば、可撓性を有する吸引チューブ6が接続される。吸引チューブ6の途中には、例えば、圧力センサ70および吸引手段40が設けられている(図2参照)。一例として、吸引チューブ6と灌流チューブ5とはバイパスチューブ72を介して連通しており、バイパスチューブ72の流出制御を制御弁74で行う。一例として、圧力センサ70は吸引圧を常時検出している。吸引圧が設定値より上昇したときは、制御部100は制御弁74を開く。制御弁74が開かれることで、バイパスチューブ72を介して灌流チューブ5から吸引チューブ6内へと灌流液LQPを流入させ、吸引圧を下げてもよい。吸引圧を、タッチパネル11aの入力操作によって設定してもよい。
本実施形態の灌流吸引装置1は、一例として、廃液LQWを、手術用ハンドピース30の破砕用チップに設けられた吸引孔から吸引する。廃液LQWは、吸引チューブ6および吸引手段40を介して廃液バッグ20bに排出投入される。手術用ハンドピース30から廃液バッグ20bにかけて、吸引手段40が吸引した廃液LQWが流れる廃液流路9が形成されている。廃液流路9には空気室50が設けられている。空気室50は、吸引手段40によってしごかれる部分(閉塞点C1または閉塞点C2)と廃液流路9の終端部21との間に設けられている(吸引手段40と空気室50は後述する)。廃液LQWには、例えば、手術用ハンドピース30が破砕した患者眼Eの除去組織と、供給手段7で供給した灌流液LQPとが含まれる。制御部100は、例えば、フットスイッチ18の踏み込みポジション位置の信号やタッチパネル11aからの設定値に基づいて、吸引手段40を駆動制御して吸引圧を制御する。
本実施形態の吸引手段40を、図3を用いて説明する。本実施形態の灌流吸引装置1は、患者眼Eから灌流液LQPを含む廃液LQWを吸引する吸引手段40として、弾性部材41をしごき部材43でしごいて吸引する蠕動型吸引ポンプを用いている。蠕動型吸引ポンプを、ペリスタルティック・タイプ・ポンプと呼ぶこともある。吸引手段40は、一例として、吸引チューブ6を弾性部材41として用いている。吸引手段40は、例えば、回転台42、しごき部材43、チューブ受け44、および回転シャフト45を備えている。例えば、回転台42の中心に回転シャフト45が配置されている。回転台42には、例えば、4つのしごき部材43(43a〜43d)が設けられている。4つのしごき部材43は、回転台42の同一円周上に配置されている。4つのしごき部材43の各々を、回転シャフト45を中心として均等な角度毎に配置してもよい。本実施形態の吸引手段40は、一例として、4つのしごき部材43を、回転シャフト45を中心として90度の角度毎に配置している。
チューブ受け44は、一例として、しごき部材43よりも回転シャフト45の中心から離間した位置に設けられている。しごき部材43とチューブ受け44との間は僅かに離間している。しごき部材43とチューブ受け44との離間した空間に、弾性部材41(吸引チューブ6)を配置可能としている。本実施形態の吸引手段40は、回転台42が回転すると、しごき部材43が順次吸引チューブ6を押し潰して閉塞させながら回転走行する。図8(a)は、しごき部材43によって押し潰される前の吸引チューブ6の断面形状を例示している。図8(b)は、しごき部材43によって押し潰された後の吸引チューブ6の断面形状を例示している。回動するしごき部材43によって吸引チューブ6が押し潰されてゆくことで、吸引チューブ6内の廃液LQWが移送されて、患者眼Eから灌流液LQPを含む廃液LQWを吸引するための吸引圧が発生する。
本実施形態のチューブ受け44は、例えば、図示なきレバー部の操作によって上下動(回転シャフト45の中心へ近づく方向、または遠ざかる方向)が可能である。つまり、チューブ受け44が上下動することで、しごき部材43とチューブ受け44との間に変形前の吸引チューブ6を配置可能とされている。なお、本実施形態の灌流吸引装置1は、弾性部材41としてシリコンチューブを用いている。弾性部材41は、シリコンチューブに限るものではない。例えば、しごき部材43が当接する箇所のみ弾性材質としてもよい。また、しごき部材43の材質として、例えば、樹脂、または金属を用いてもよい。
次いで、本実施形態のカセット20を説明する。カセット20は、例えば、筐体20aと廃液バッグ20bとを備える。筐体20aは、例えば、圧力センサ70、空気室50、灌流チューブ5、吸引チューブ6(弾性部材41)、およびバイパスチューブ72を備えてもよい。例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン・共重合合成樹脂)で筐体20aを成形してもよい。廃液バッグ20bは、例えば、廃液LQWを収容する収容袋22を備えている。収容袋22に、終端部21から排出される廃液LQWが溜められる。本実施形態の収容袋22は透明かつ可撓性を有する樹脂(ビニール)で形成されている。かかる態様とすることで、例えば、術者は、溜まった廃液LQWの量を容易に把握できる。また、使用前に収容袋を折り畳んでおくことが可能であるため、カセット20の可搬が容易である。カセット20を安価に提供できる。筐体20aに含まれる灌流チューブ5と吸引チューブ6との少なくとも何れかは、灌流流路8と廃液流路9の一部であってもよい。
本実施形態の灌流吸引装置1は、一例として、本体10が備える押圧部材でカセット20の灌流チューブ5を押し潰すことで、制御弁73を形成している。本実施形態の灌流吸引装置1は、一例として、本体10が備える押圧部材でカセット20のバイパスチューブ72を押し潰すことで、制御弁74を形成している。本実施形態の灌流吸引装置1は、一例として、本体10が備えるしごき部材43でカセット20の吸引チューブ6(弾性部材41)をしごくことで、吸引手段40を形成している。また、本実施形態の灌流吸引装置1は、カセット20の筐体20a内であって、しごき部材43でしごかれる部分よりも廃液流路9の終端側の区間に空気室50を設けている。
本実施形態のカセット20は、一例として、カセット20の筐体20aから廃液流路9のパイプ部材が延伸し、延伸したパイプ部材の外側面を収容袋22の口部が密接して覆う。かかる態様によって、例えば、本体10に着脱可能に装着されるカセット20に、廃液LQWを収容する廃液バッグ20bが含まれるため、手術後に廃棄,洗浄を行う部材の取り扱いが容易になる。また、制御弁73または制御弁74を構成する部材のうち、カセット20にはチューブが含まれるだけであるため、例えば、カセット20の構成を簡素化でき、カセット20を安価に提供できる。更には、空気室50をカセット20に含めることで、簡素なカセット20および廃液バッグ20bの構造でありながらも、吸引時の不快な異音を抑制できる(空気室50による異音の抑制は後述する)。
次いで、図3,図4を用いて、吸引手段40の動作状態を説明する。図3および図4は、回転中のしごき部材43によって、吸引チューブ6の一部または複数部が押し潰され、しごかれている状態である。図3は、回転中のしごき部材43a,43bによって、吸引チューブ6の二箇所(閉塞点C1,閉塞点C2)が押し潰されている状態である。図4は、図3の状態から回転台42が時計回りに45度回転した状態であり、回転中のしごき部材43bによって、吸引チューブ6が一ヶ所(閉塞点C2)が押し潰されている状態である。より詳しくは、図3の状態から図4の状態にかけて、しごき部材43aとチューブ受け44の間隔が広がってゆき、図3の閉塞点C1の閉塞は解消される。一方、閉塞点C2に関しては、図3の閉塞点C2の位置から図4の閉塞点C2の位置まで、しごき部材43とチューブ受け44の間隔が変わらない。したがって、図3の閉塞点C2の位置から図4の閉塞点C2の位置まで、吸引チューブ6をしごき部材43でしごいた形となる。
図3,図4の各部の圧力値を説明する。先ず、図3の各部の圧力値を説明する。図3において、地点Paで示す位置の圧力値は、吸引チューブ6の終端部21が開放されているため、灌流吸引装置1が設置される環境の大気圧値と略同じとなる(図3(b)参照)。図3において、地点Pb,地点Pc,地点Pdで示す位置の圧力値は、吸引チューブ6をしごき部材43でしごいているため、大気圧値よりも低い圧力とされている(例えば、−650mmHg)。なお、吸引圧値とは、大気圧に対する相対値である。例えば、吸引圧が−650mmHgとは、大気圧が760mmHgの場合に110mmHgを示す圧力である。
次いで図4の各部の圧力値を説明する。図4の地点Pa,地点Pc,地点Pdで示す位置の圧力値は、図3と変わらない(図4(b)参照)。一方、図4において地点Pbで示す位置の圧力は、地点Paと同様の圧力値となる(略大気圧値となる)。地点Paと地点Pbの圧力値が同じとなる理由は、前述したように、図3の状態から図4の状態の間で、吸引チューブ6の閉塞点C1の閉塞状態が解除されたことによる。
閉塞状態の解除について説明する。吸引手段40は、吸引チューブ6をしごき部材43で押し潰しながらしごくことで吸引圧を発生させる。ここで、吸引圧が発生した状態の閉塞点を開放する(閉塞状態を解除する)と、閉塞されていた位置の吸引チューブ6は、応力のかかっていた図8(b)の形状から、応力のかかっていない図8(a)の形状へと、急速に復元する。このとき、圧力値の高い地点Paから圧力値の低い地点Pcへと、廃液LQWが逆流するわけである。換言するなら、閉塞が解除された地点と吸引チューブ6の終端部21との間に介在する吸引チューブ6内の廃液LQWの少なくとも一部が一時的に逆流する。なお、吸引中は、回転台42が連続回転するため、吸引チューブ6の閉塞が解除される度に一時的な逆流が生じる。なお、逆流するのは廃液LQWに限るものではなく、廃液流路9内の気体または液体が逆流する。
ここで、灌流吸引装置1が空気室50を設けない場合を説明する。前述したように、吸引チューブ6の閉塞解除時に、吸引チューブ6内の廃液LQWは逆流する。廃液LQWが逆流するに伴って、吸引チューブ6の終端部21では、吸引チューブ6の終端部21の開口部21a(廃液流路9の後端)に向けて、吸引力(以降では、逆吸引力と呼ぶ)が生じる。なお、複数のしごき部材43を有する回転台42が回転するため、回転台が回転し続ける間、閉塞と解除が繰り返され、断続的に逆吸引力が発生する。逆吸引力によって、例えば、廃液バッグ20b内の気体または液体が急速に廃液流路9へ流れ込む。開口部21aに向けて気体または液体が急速に逆流する際に、例えば、終端部21の開口部21aで不快な異音が発生する。ここで、例えば、吸引手段40の吸引圧が高まるほど、逆吸引力が大きくなり、不快な異音がより顕著となって術者へ聞こえる。廃液バッグ20bの収容袋22が開口部21aを除いて密閉されている場合、吸引チューブ6の終端部21で液体または気体が出入りすることによって収容袋22の内圧が変化する。かかる内圧の変化によって収容袋22が変形し、変形の際に異音が生じる可能性もある。例えば、吸引手段40が600mmHgを超える吸引圧で吸引すると、不快な異音が特に顕著になる場合がある。また、回転台42の回転速度が高速となるほど、不快な異音が顕著になると考えられる。
次いで、本実施形態の灌流吸引装置1が備えている空気室50を説明する。空気室50は、吸引チューブ6が閉塞から解放された際の廃液LQWの逆流を抑制するために設けられており、一例として、空気室50によって吸引時の異音を抑制する。図5(a)は、本実施形態の空気室50の外観斜視図であり、図5(b)は、空気室50が廃液流路9に設けられた状態における垂直方向の部分断面図である。空気室50は、配管部50aと空気室部50bとを有している。配管部50aは、筒形状である。筒形状の内径は、吸引チューブ6の内径と同じ内径寸法とされている。配管部50aの両端に吸引チューブ6が接続される。空気室部50bは円柱形状である。円柱形状の内部はくり抜かれており、空気を溜める空気部屋が形成されている。配管部50aと空気室部50bとは接続されており、配管部50aの貫通部と空気室部50bの空気部屋とが連通している。なお、空気室部50bの空気部屋が上方を向くように、カセット20内に空気室50が配置されている。なお、シリコンは高額であるため、空気室50を樹脂(ABS樹脂等)または金属で形成することが好ましい。また、空気室50をカセット20と同じ材料で一体成形してもよい。
図5(b)を用いて、空気室50によって廃液LQWの逆流を抑制する現象を説明する。図5(b)においてUaで示す箇所は、逆流が生じていない時点での廃液LQWの界面である。ここで、廃液LQWの逆流が発生した際には、図5(b)においてUbで示すように空気室50の空気が廃液LQW(廃液流路9)の方向へと膨張する。空気室50の空気が膨張することでチューブ内の逆吸引力が下がり、空気室50よりも廃液バッグ側の廃液LQWの逆流速度が遅くなるわけである。例えば、吸引チューブ6の終端部21で生じていた廃液LQWの逆流が抑制され、終端部21で生じていた不快な異音が抑制される。
図6は空気室50の第1の変容例である。図6(a)は、第1変容例である空気室51を斜め上方からみた斜視図である。図6(b)は、空気室51に吸引チューブ6を接続した状態における垂直方向の部分断面図である。空気室51は、本体部51a、および一対の接続部(接続部51b,接続部51c)を備える。本体部51aは、その外観と略同じ形状で内部がくり抜かれた円柱形状であり、円柱形状の両端に接続部(接続部51b,接続部51c)が接続されている。各々の接続部51b,接続部51cに吸引チューブ6が接続される。
本体部51aと一対の接続部(接続部51b,接続部51c)は共に内部が中空であるため、一方の接続部51bから他方の接続部51cまで貫通している。接続部51bおよび接続部51cの内径は、吸引チューブ6の内径と同等とされている。本体部51aの内径は、吸引チューブ6の内径よりも大きい。かかる構造によって、空気室51に廃液LQWが流れると、空気室51には前述した空気室50と同様の空気領域が生まれ、空気室51の空気によって終端部21で生じる廃液LQWの逆流を抑制できる。
図7は空気室50の第2の変容例である。第2変容例の空気室52は、中空部材52aとチューブ部材52bを有する。図7(a)で示すように、中空部材52aはT字形状の部材である。中空部材52aは、3つの端部(52c,52d,52e)を有している。チューブ部材52bはチューブ状の部材である。チューブ部材52bは、片端が開放されており、他端が閉塞されている。中空部材52aとチューブ部材52bを樹脂で形成してもよい。2つの端部(52c,52d)には吸引チューブ6が接続され、残りの端部52eにはチューブ部材52bが接続される。図7(b)は空気室52に吸引チューブ6を接続した状態の垂直方向の部分断面図である。チューブ部材52bの閉塞部を上方に向けて配置することで、空気室50および空気室51と同様に、終端部21で生じる廃液LQWの逆流を抑制できる。
<作用および効果>
本実施形態の灌流吸引装置1は、患者眼Eの眼内へ灌流液LQPを供給する供給手段7と、弾性部材41をしごき部材43でしごいて患者眼Eから灌流液LQPを含む廃液LQWを吸引する吸引手段40と、吸引手段40が吸引した廃液LQWが流れる廃液流路9と、を備えており、廃液流路9のうち、吸引手段40によってしごかれる部分(閉塞点C1または閉塞点C2)と、吸引された廃液LQWが気体中に排出される終端部21との間に空気室50を設けている。かかる態様によって、例えば、廃液LQWの逆流を低減でき、吸引時の不快な異音を抑制できる。
また、本実施形態の灌流吸引装置1は、空気室50によって、廃液流路9の終端部21で生じる吸引時の異音を抑制している。換言するなら、しごき部材43による弾性部材41のしごきが解除される際に生じる廃液流路9内の廃液LQWの圧力変化を抑制することで、廃液流路9の終端部21で生じる廃液LQWの逆流を低減できる。かかる態様によって、廃液流路9の終端部21で生じる不快な異音を抑制できる。一例として、術者は、吸引音を気にすることなく手術に集中できる。
また、本実施形態の灌流吸引装置1は、しごき部材43を含む本体10と、弾性部材41を有して本体10に着脱可能に装着される含むカセット20とを備えており、空気室50をカセット20の筐体20a内に設けている。かかる態様によって、本体10または廃液バッグ20bを大型化することを抑制できる。例えば、カセット20の取り扱い性を損ねることなく、吸引時の不快な異音を抑制できる。
また、本実施形態の灌流吸引装置1は、カセット20の筐体20aの外部で廃液流路9に廃液バッグ20bが接続されている。かかる態様によって、カセット20の筐体20aが大型化することなく、吸引時の異音を抑制できる。例えば、廃液バッグ20bに接続される収容袋22を可撓性のある素材とすることで、可搬時は収容袋22を折り畳めばよい。カセット20を可搬する際の体積を小型化でき、廃液バッグ20bの使用後の処理(交換,廃棄)も容易となる。カセット20の取り扱いが容易になる。
また、本実施形態の灌流吸引装置1の空気室50を、シリコンとは異なる材質で形成している。かかる態様とすることで、空気室50を低コストで実現できる。例えば、空気室50がカセット20に含まれる場合であっても、カセット20を安価に製造でき、灌流吸引装置1の維持費用を低減できる。
また、本実施形態の灌流吸引装置1の吸引手段40は、600mmHgを超える吸引圧で患者眼Eから廃液LQWを吸引可能である。灌流吸引装置1が空気室50を備えていることで、弾性部材41をしごき部材43でしごいて患者眼Eから廃液LQWを吸引する吸引手段40で600mmHgを超える高吸引を行っても、例えば、不快な異音が抑制された状態で手術を行うことができる。
また、本実施形態のカセット20は、患者眼Eの眼内へ灌流液LQPを供給すると共に、弾性部材41をしごき部材43でしごいて患者眼Eから灌流液LQPを含む廃液LQWを吸引する灌流吸引装置1に着脱可能に装着されるカセット20であって、しごき部材43でしごいて吸引した廃液LQWが流れる廃液流路9と、廃液流路9のうち、しごき部材43によってしごかれる部分(閉塞点C1または閉塞点C2)と、吸引された廃液LQWが気体中に排出される終端部21との間に設けられた空気室50と、を備えている。かかる態様によって、着脱可能に装着されるカセット20でありながらも、カセット20が備える空気室50によって吸引時の不快な異音を抑制できる。
また、本実施形態のカセット20は、カセット20の筐体20aの外部で廃液流路9に廃液バッグ20bが接続される。かかる態様によって、例えば、廃液バッグ20bの使用後の処理(交換,廃棄)が容易であり、かつ、吸引時の異音が抑制される。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 :灌流チューブ
6 :吸引チューブ
7 :供給手段
8 :灌流流路
9 :廃液流路
20 :カセット
21 :終端部
30 :手術用ハンドピース
40 :吸引手段
50 :空気室

Claims (2)

  1. 患者眼の眼内へ灌流液を供給する供給手段と、
    前記供給手段が供給する前記灌流液が流れる灌流流路と、
    弾性部材をしごき部材でしごいて前記患者眼から前記灌流液を含む廃液を吸引する吸引手段と、
    前記吸引手段が吸引した前記廃液が流れる廃液流路と、
    片端が前記灌流流路に接続され他端が前記吸引手段によってしごかれる部分よりも上流側の前記廃液流路の流路に接続されるバイパス流路と、
    前記バイパス流路を開閉するための制御弁と、を備え、
    前記廃液流路のうち、前記吸引手段によってしごかれる部分と、吸引された前記廃液が気体中に排出される終端部との間に前記吸引時の異音を低減するための空気室を設けたことを特徴とする灌流吸引装置。
  2. 請求項1に記載の灌流吸引装置であって、
    前記吸引手段は、600mmHgを超える吸引圧で前記患者眼から前記廃液を吸引可能であることを特徴とする灌流吸引装置。
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