JP6488152B2 - 酸化第二銅微粒子の製造方法及び酸化第二銅微粒子 - Google Patents

酸化第二銅微粒子の製造方法及び酸化第二銅微粒子 Download PDF

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本発明は、酸化第二銅微粒子の製造方法及び酸化第二銅微粒子に関する。
半導体回路の基板配線は、従来、スパッタリング、イオンプレーティング、化学気相成長(CVD)等の気相法により形成されてきた。しかしこれらの方法では、基板配線の大面積化やコスト低減に対する要求を十分に満たすことができない。
半導体回路の微細化や、その構造の多様化が進む中、プリンテッドエレクトロニクス(PE)と呼ばれる、プリント技術を利用した基板配線の形成方法が注目されている。PE技術により、オンデマンドに、効率的に配線を形成することができ、また、半導体製造プロセスで従来必要とされた露光処理やエッチング処理を必要とせず、製造コストや環境負荷を抑えることができる。
PEに用いるメタルインクとしては、金微粒子や銀微粒子を用いたナノメタルインクが主流であるが、コスト面で制約があり、より安価で高い導電性が得られる銅の利用が求められている。しかし、銅微粒子は酸化しやすく取扱いの上で問題となる。この問題を解決するために、酸化銅微粒子を含むインクをプリントし、これを還元して配線を形成することが検討されている。
ナノメートルサイズの酸化銅微粒子を狭い粒子径分布で製造する方法として、フロー式反応(フローリアクター)を用いて酸化銅を製造する方法が報告されている。例えば特許文献1には、2価の銅塩溶液及び還元剤溶液を送液しながら接触させ、酸化第1銅(CuO)微粒子を得ることが記載されている。
また、特許文献2には、特定形状の酸化第二銅(CuO)を含む酸化銅ペーストが記載され、この酸化銅ペーストを用いることにより、高精細で導電性の高い金属銅層を精度よく形成できることが記載されている。
特開2006−96569号公報 特開2013−109966号公報
本発明は、ナノメートルサイズの酸化第二銅微粒子を、所望の形状に、且つより均一な形状で、連続的に製造することができる酸化第二銅微粒子の製造方法を提供することを課題とする。また本発明は、上記製造方法の実施に好適なフロー式反応システムを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、フロー式反応系(典型的には、いわゆるマイクロリアクター)において、銅塩溶液と塩基性化合物溶液とをそれぞれ異なる流路に導入し、各流路内に各溶液を流通させながら、各溶液を合流し、合流液をその下流の反応流路内へと流通させながら銅塩と塩基性化合物とを反応させることにより、ナノメートルサイズの均質な形状の酸化第二銅微粒子を連続的に得ることができ、さらに合流液における銅塩と塩基性化合物のモル比を調節することにより、得られる酸化第二銅微粒子の形状を球状、棒状ないしは板状に調節できることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち本発明の上記課題は以下の手段により解決される。
〔1〕
第1流路に銅(II)塩溶液を、第2流路に塩基性化合物溶液をそれぞれ導入して各流路内に各溶液を流通させ、第1流路内を流通する銅塩溶液と、第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とを合流し、合流した液が下流へ流通中に銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させ、反応生成物から酸化第二銅微粒子を製造することを含む、フロー式反応による酸化第二銅微粒子の製造方法であって、
第1流路内を流通する銅(II)塩溶液と第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、上記銅(II)塩に対する上記塩基性化合物の反応モル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧1.5と
前記銅(II)塩溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
前記塩基性化合物溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、製造方法。
〔2〕
第1流路内を流通する銅塩溶液と第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、上記銅(II)塩に対する上記塩基性化合物の反応モル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧2.5とする、〔1〕記載の製造方法。
〔3〕
80℃以上の温度下で銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させる、〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕
上記製造方法により、上記酸化第二銅微粒子が、酸化第二銅微粒子を0.1〜14質量%含有する酸化第二銅微粒子分散液として得られる、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔5〕
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とを多層筒型ミキサーを用いて合流する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔6〕
上記多層筒型ミキサーの最小筒の等価直径が0.1mm〜50mmである、〔5〕記載の製造方法。
〔7〕
上記多層筒型ミキサーの最小筒を流通する溶液の線速度a1と、最小筒以外の筒を流通する溶液の線速度b1の比が、a1/b1=0.005〜200である、〔5〕又は〔6〕記載の製造方法。
〔8〕
上記多層筒型ミキサーが2層筒型ミキサーである、〔5〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔9〕
2層筒型ミキサーの内管の線速度a2と、外管の線速度b2の比が、a2/b2=0.02〜50である、〔8〕記載の製造方法。
〔10〕
上記銅(II)塩溶液と上記塩基性化合物溶液とをT字型ミキサーを用いて合流する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔11〕
上記T字型ミキサーの開口部の等価直径が0.1〜5mmである、〔10〕に記載の製造方法。
〔12〕
上記製造方法により得られる酸化第二銅微粒子が、一次粒子の3次元形状において、長径の平均値と短径の平均値との比が、長径/短径≧20である、〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の製造方法。
〔13〕
酸化第二銅微粒子を製造するフロー式反応システムであって、
銅(II)塩溶液が流通する第1流路と、塩基性化合物溶液が流通する第2流路と、第1流路と第2流路が合流する合流部と、合流部の下流に繋がる反応流路とを有
前記銅(II)塩溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
前記塩基性化合物溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、フロー式反応システム。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「上流」及び「下流」との用語は、溶液が流れる方向に対して用いられ、液体が導入される側(図1、3及び6の導入手段(5)、(6)及び(11)の側)が上流であり、その逆側(回収容器(7)側)が下流である。
本明細書において、単に「銅塩」という場合、特に断りのない限り「銅(II)塩」を意味する。
本明細書において「微粒子」との用語は、球状に限らず、棒状、板状等、種々の形状の微細構造物を包含する意味に用いる。
本発明の製造方法によれば、ナノメートルサイズの酸化第二銅微粒子を、所望の形状に、より均一な形状で、連続的に製造することができる。
本発明のフロー式反応システムは、上記本発明の製造方法の実施に好適な反応システムである。
本発明の製造方法の好ましい実施形態を示すフロー図である。 図1の実施形態において合流領域に設置するT字型ミキサーの断面図である。 本発明の製造方法の別の好ましい実施形態を示すフロー図である。 図3の実施形態において合流領域に設置する2層筒型ミキサーの断面図である。 図4の2層筒型ミキサーの合流部JをO側からみた図である。 本発明の製造方法のさらに別の好ましい実施形態を示すフロー図である。 図6の実施形態において合流領域に設置する3層筒型ミキサーの断面図である。 図7の3層筒型ミキサーの合流部JをO側からみた図である。
本発明の製造方法は、フロー式反応により、酸化第二銅微粒子を所望の形状に、且つより均一な形状で、連続的に製造することが可能な酸化第二銅微粒子の製造方法である。本発明の製造方法の好ましい実施態様について図面を用いて以下に説明する。なお、本発明は、本発明で規定する事項以外は、図面に示された形態に何ら限定されるものではない。
本発明の製造方法を実施するための好ましいフロー式反応システム(100)を図1に示す。図1に示されるフロー式反応システム(100)は、銅塩溶液が流通する第1流路(1)と、塩基性化合物溶液が流通する第2流路(2)と、第1流路(1)と第2流路(2)とが合流する合流領域(3)と、合流領域(3)の下流に繋がる反応流路(4)とを有する。
図1の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路(2)内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設されている。銅塩溶液導入手段(5)及び塩基性化合物溶液導入手段(6)に特に制限はなく、種々のポンプを用いることができる。なかでも流速を高精度に制御する観点からシリンジポンプを好適に用いることができる。これは、後述する第三液導入手段(11)についても同様である。
図1の実施形態において、合流領域(3)にはT字型ミキサー(3a)が配設される。図2は、このT字型ミキサー(3a)を用いた溶液合流の状態を示す断面図である。第1流路(1)内を流通する銅塩溶液及び第2流路(2)内を流通する塩基性化合物溶液は、図2に示されるように、それぞれT字型ミキサー(3a)のA側(開口部A)及びB側(開口部B)からT字型ミキサー(3a)内へと導入される。T字型ミキサー(3a)内に導入された銅塩溶液と塩基性化合物溶液はT字型ミキサー(3a)内の合流部Jで合流し、この合流液がT字型ミキサーの(O)側に向けて流出し、反応流路(4)内へと導入される。
T字型ミキサー(3a)内で銅塩溶液と塩基性化合物溶液が合流すると銅塩と塩基性化合物とが反応して水酸化銅(Cu(OH))が生成する。次いでこの水酸化銅は加熱下で脱水され、酸化第二銅微粒子が生成する。これらの反応は、銅塩と塩基性化合物が接触した時点から反応流路(4)内を流通している間に進行する。上記反応ないし反応条件の詳細は後述する。
反応流路内において生成した酸化第二銅微粒子は、酸化第二銅微粒子分散液として、回収容器7内に回収される。
本発明の製造方法を実施するための別の好ましいフロー式反応システム(200)を図3に示す。図3に示されるフロー式反応システム(200)は、銅塩溶液が流通する第1流路(1)と、塩基性化合物溶液が流通する第2流路(2)と、第1流路(1)と第2流路(2)とが合流する合流領域(3)と、合流領域(3)の下流に繋がる反応流路(4)とを有する。
図3の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設されている。
図3の実施形態において、合流領域(3)には、2層筒型ミキサー(3b)が配設される。図4は、この2層筒型ミキサー(3b)を用いた溶液合流の状態を示す断面図である。第1流路(1)は、2層筒型ミキサー(3b)内を貫通する内管(T1)のA側(開口部A)と接続され、あるいは第1流路(1)自体が内管(T1)と一体となり、これにより、第1流路(1)内を流通する銅塩溶液は内管(T1)内をA側からO側に向けて流通する。
一方、第2流路(2)は、2層筒型ミキサー(3b)の導入部B(開口部B)と接続される。これにより、第2流路(2)内を流通してきた塩基性化合物溶液は、2層筒型ミキサー(3b)の外管(T2)と内管(T1)との間を満たし、O側に向かって流通する。
内管(T1)内をO側に向けて流通する銅塩溶液は、内管(T1)のO側末端部(合流部J)において、外管(T2)と内管(T1)の間をO側に向けて流通してきた塩基性化合物溶液と合流し、その下流に繋がる反応流路(4)内へと導入される。
図4における合流部JをO側から見た断面を図5に示す。図5において、内管T1内に銅塩溶液が、外管T2と内管T1との間には塩基性化合物溶液がそれぞれ流通している。
2層筒型ミキサー(3b)により銅塩溶液と塩基性化合物溶液が合流すると銅塩と塩基性化合物とが反応して水酸化銅(Cu(OH))が生成する。次いでこの水酸化銅は加熱下で脱水され、酸化第二銅微粒子が生成する。これらの反応は、銅塩と塩基性化合物が接触した時点から反応流路(4)内を流通している間に進行する。上記反応ないし反応条件の詳細は後述する。
図4の形態において、合流部Jで合流した銅塩溶液と塩基性化合物溶液は、層流の状態で反応流路(4)へと導入されて反応流路内を流通してもよいし、反応流路(4)内を流通しながら徐々に混じり合う態様で合流してもよい。また、合流部Jで乱流を生じてすばやく混じり合い、反応流路(4)へと流れてもよい。図4に示されるように、2層筒型ミキサーを用いて2液を合流する場合、銅塩と塩基性化合物との接触がミキサー内の管外壁で生じないため、ミキサー内の管外壁に酸化銅が析出しない。そのため、フロー反応中の圧力上昇が生じにくく、連続的な酸化第二銅の製造を、より安定的に実施することが可能となる。
なお、図3〜5に示す実施形態において、銅塩溶液を外管(T2)と内管(T1)との間に流通させ、塩基性化合物溶液を内管T1内に流通させてもよく、この形態も本発明の製造方法の実施形態として好ましい。
本発明の製造方法を実施するための別の好ましいフロー式反応システム(300)を図6に示す。図6に示されるフロー式反応システム(300)は、銅塩溶液が流通する第1流路(1)と、塩基性化合物溶液が流通する第2流路(2)と、後述する第三液が流通する第3流路(10)と、第1流路(1)と第2流路(2)と第3流路(10)が合流する合流領域(3)と、合流領域(3)の下流に繋がる反応流路(4)とを有する。
図6の実施形態において、第1流路(1)の上流には、銅塩溶液を第1流路(1)内に導入する銅塩溶液導入手段(5)が配設され、第2流路(2)の上流には、塩基性化合物溶液を第2流路内に導入する塩基性化合物溶液導入手段(6)が配設され、第3流路(10)の上流には、第三液を第3流路(10)内に導入する第三液導入手段(11)が配設されている。
図6の実施形態において、合流領域(3)には、3層筒型ミキサー(3c)が配設される。図7は、この3層筒型ミキサー(3c)を用いた溶液合流を示す断面図である。第1流路(1)は、3層筒型ミキサー(3c)内を貫通する内管(T1)のA側(開口部A)と接続され、あるいは第1流路(1)自体が内管(T1)と一体となり、これにより、第1流路(1)内を流通する銅塩溶液は内管(T1)内をA側からO側に向かって流通する。
また、第3流路(10)は、3層筒型ミキサー(3c)の導入部C(開口部C)と接続される。これにより、第3流路(10)内を流通してきた第三液は、3層筒型ミキサー(3c)の中管(T3)と内管(T1)との間を満たし、O側に向かって流通する。
また、第2流路(2)は、3層筒型ミキサー(3c)の導入部B(開口部B)と接続される。これにより、第2流路(2)内を流通してきた塩基性化合物溶液は、3層筒型ミキサー(3c)の中管(T3)と外管(T2)との間を満たし、O側に向かって流通する。
内管(T1)内をO側に向けて流通する銅塩溶液は、内管(T1)のO側末端部(合流部J)において、中管(T3)と内管(T1)の間をO側に向けて流通してきた第三液、及び外管(T2)と中管(T3)の間をO側に向けて流通してきた塩基性化合物溶液と合流し、その下流に繋がる反応流路(4)内へと導入される。
図7における合流部JをO側から見た断面を図8に示す。図8において、内管(T1)内に銅塩溶液が、中管(T3)と内管(T1)との間に第三液が、外管(T2)と中管(T3)との間には塩基性化合物溶液がそれぞれ流通している。
図6に示す形態では、合流部Jにおいて、銅塩溶液と塩基性化合物溶液との間には第三液が存在する。第三液としては水、有機溶媒、酸性化合物溶液、銅塩溶液、塩基性化合物溶液、分散安定剤を含む溶液およびこれらの混合液が挙げられる。
第三液として水を用いた場合、銅と塩基とが高濃度で接触することを避けることができ、反応液の濃度ムラが緩和できる。
第三液として酸性溶液(例えば塩酸、硫酸、硝酸、あるいは酢酸等のカルボン酸化合物の溶液)を用いた場合には、反応液のpHを制御することが可能となる。
第三液として分散安定剤を含む溶液を使用した場合、生成する酸化第二銅の粒子成長を制御して形状を調節したり、粒子サイズや分散安定性を制御したりすることが可能となる。この分散安定剤としては特に制限はなく、分散安定剤として機能しうる公知の化合物を使用することができ、例えば、エチレングリコールなどのジオール、オレイン酸、オレイン酸塩などのカルボン酸、オレイルアミン、オレイルアミン塩などのアミン、チオールを持つ化合物、ゼラチンなどの高分子化合物、そのほか一般的な有機溶媒を使用することができる。
図7の形態において、合流部Jで合流した銅塩溶液と水と塩基性化合物溶液は、層流の状態で反応流路(4)へと導入されて反応流路内を流通してもよいし、反応流路(4)内を流通しながら徐々に混じり合ってもよい。また、合流部Jで乱流を生じてすばやく混じり合い、反応流路(4)へと流れてもよい。
図7に示されるように、3層筒型ミキサーを用いて銅塩溶液と塩基性化合物溶液を合流する場合には、銅塩と塩基性化合物との接触がミキサー内の管外壁で生じないため、ミキサー内の管外壁には酸化銅が析出しない。そのため、フロー反応中の圧力上昇を抑えることができ、連続的な酸化第二銅の製造を、より安定的に実施することが可能となる。
なお、図6〜8に示す実施形態において、銅塩溶液を外管(T2)と中管(T3)との間に流通させ、塩基性化合物溶液を内管(T1)内に流通させてもよく、この形態も本発明の製造方法の実施形態として好ましい。また、銅塩溶液を外管(T2)と中管(T3)との間に流通させ、塩基性化合物溶液を中管(T3)と内管(T1)との間に流通させ、且つ、銅塩溶液を内管に流通させる形態にしたり、塩基性化合物溶液を外管(T2)と中管(T3)との間に流通させ、銅塩溶液を中管(T3)と内管(T1)との間に流通させ、且つ、塩基性化合物溶液を内管に流通させる形態にすれば、銅塩溶液と塩基性化合物溶液との接触界面を大きくでき、合流後の拡散混合効率をより高めることができる。
続いて、上述した実施形態における各部材の構成、及び酸化第二銅微粒子を生成する反応について順に説明する。
[合流領域の上流側流路]
本発明において、合流領域(3)の上流側に配設される流路(図1、3、6に示す実施形態においては第1流路(1)、第2流路(2)及び第3流路(10))の形状に特に制限はなく、通常は等価直径が0.1mm〜5cm程度(好ましくは0.1mm〜1cm)、長さが20cm〜50m程度のチューブが使用される。流路の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。配管内部に液溜りを生じにくくする観点から、流路の断面形状は円形であることがより好ましい。
本明細書において「等価直径(equivalent diameter)」は、相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意の管内断面形状の配管ないし流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の管内断面の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の管内断面積、p:配管のぬれぶち長さ(内周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管の管内断面の直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、管内断面が一辺aの正四角形管ではdeq=4a/4a=a、一辺aの正三角形管ではdeq=a/31/2、流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
流路を構成するチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
[T字型ミキサー]
T字型ミキサー(3a)は、T字管の構造体である。T字型ミキサーは上述したように、図1の実施形態において用いられる。T字型ミキサーにおいて、T字型ミキサーが有する3つの開口部(図2のA、B、O)のうち、第1流路が接続される開口部は任意の1つである。また、第2流路が接続される接続部は、第1流路が接続される開口部を除く2つの開口部のうちいずれでもよい。好ましくは、第1流路と第2流路は、それぞれ、T字ミキサーの互いに対向する開口部(すなわち図2における開口部A及びB)に接続されることが好ましい。
T字型ミキサーの材質に特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどの材質からなるものを用いることができる。
T字ミキサーの開口部の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。ミキサー内部で液の滞留を生じにくくする観点から、T字ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
T字型ミキサーの開口部の等価直径は、混合性能、圧損等の観点から0.1mm〜5mmが好ましく、0.2mm〜2mmがより好ましい。T字ミキサーの3つの開口部の等価直径は同一でも異なっていてもよい。
本発明に用いうるT字型ミキサーの市販品としては、例えば、ユニオン・ティー(Swagelok社製)、ロー・デット・ボリューム型ユニオン・ティー(Swagelok社製)、ティーユニオン(Upchurch社製)、3方ジョイント(東京理化機械株式社製)、マイクロボリュームコネクタ(VICI社製)、及びナノボリュームフィッティング(VICI社製)を挙げることができる。
[多層筒型ミキサー]
本発明において、銅塩溶液と塩基性化合物溶液とを合流する合流領域(3)には、多層筒型ミキサーを用いることができる。図3〜8には、上述したように多層筒型ミキサーとして2層筒型ミキサー(3b)及び3層筒型ミキサー(3c)を用いた実施形態を示す。本発明の製造方法において、合流領域(3)には、4層以上の多層筒型ミキサーを用いてもよい。図4及び7に示されるように、多層筒型ミキサーは、管と管との間に流路が形成される態様の多層構造の管と、最小管(内管)よりも外側の流路(内管と外管との間の流路)に液を導入するための導入口を備えた構造体である。多層筒型ミキサーにおいて、銅塩溶液を流通させる流路と塩基性化合物溶液を流通させる流路は隣接していてもよいし、銅塩溶液を流通させる流路と塩基性化合物溶液を流通させる流路との間の流路に、混合、反応および生成粒子の分散状態を調整する役割をする第三液(水、有機溶媒、酸などのpH調整剤、分散剤溶液、第二の銅塩溶液、第二の塩基性化合物溶液等)を流通させてもよい。
多層筒型ミキサーを用いることにより、図4及び7に示すように、ミキサー内に導入された各溶液を、ミキサーの下流に向けて層流として合流させることができる。層流となって合流した各溶液は、そのまま層流の状態で反応流路内をと流れてもよいし、合流後すぐに、あるいは徐々に、乱流により混じり合って反応流路内を流れてもよい。
多層筒型ミキサーの材質に特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどの材質からなるものを用いることができる。
多層筒型ミキサーの管ないし開口部の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形の他、矩形、正方形等の多角形状であってもよい。ミキサー内部で液の滞留が起こりにくいという観点から、多層筒型ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
多層筒型ミキサーの最小筒(内管)の等価直径は0.1mm〜50mmが好ましく、0.2mm〜10mmがより好ましい。また、最外筒(外管)の等価直径は、層構成の数にもよるが、通常は1mm〜100mmであり、3mm〜30mmとすることが好ましい。最小筒と最外筒の間の中管の等価直径は、内管と外管の等価直径に基づき適宜に調節することができる。
本発明に用いうる多層筒型ミキサーは、例えば、ボアード・スルー・ユニオンティー(Swagelok社製)等の継ぎ手と、任意の内径および外形の配管を組み合わせて製造することができる。また、特開2006−96569号公報に記載の構造物など、公知の構造物を多層筒型ミキサーとして用いることができる。
[反応流路]
合流領域(3)で合流した溶液は、反応流路(4)内を流通する。合流後から反応流路内流通時に、銅塩と塩基性化合物が反応して水酸化銅が生成し、続く加熱下での脱水反応により酸化第二銅が微粒子状に析出する。
反応流路(4)はチューブ状であることが好ましい。反応流路(4)として、通常は等価直径が0.1mm〜5cm程度(好ましくは0.1mm〜1cm)、長さが20cm〜50m程度のチューブが使用される。反応流路(4)の断面形状に特に制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形等のいずれの形状であってもよい。配管内部の液溜りが生じにくくする観点から、T字ミキサーの管の断面形状は円形であることがより好ましい。
反応流路(4)を構成するチューブの材質も特に制限はなく、例えば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テフロン(登録商標)、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ステンレス、銅(又はその合金)、ニッケル(又はその合金)、チタン(又はその合金)、石英ガラス、ライムソーダガラスなどが挙げられる。可撓性、耐薬品性の観点からチューブの材質はPFA、テフロン(登録商標)、ステンレス、ニッケル合金(ハステロイ)又はチタンが好ましい。
[酸化第二銅微粒子の生成反応]
上記合流領域(3)で合流した銅塩溶液中の銅塩と塩基性化合物溶液中の塩基性化合物は、反応流路(4)内を流通しながら反応して水酸化銅を生じ、次いで加熱下で脱水されて酸化第二銅を生成する。この酸化第二銅は反応流路内の溶液中に微粒子状に析出する。反応流路内において生成した酸化第二銅微粒子は、酸化第二銅微粒子分散液として、回収容器7内に回収される。
本発明に用いる銅塩としては、銅塩溶液の溶媒に溶解すれば特に制限はない。例えば、硝酸銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、硫酸銅(II)、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、プロピオン酸銅(II)、イソ酪酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、クエン酸銅(II)、フタル酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、酒石酸銅(II)、塩基性炭酸銅、及び塩基性硫酸銅、これら銅塩の水和物、銅の無機化合物錯体(例えばテトラアンミン銅錯体)、並びに銅の有機化合物錯体(例えば銅アセチルアセトナート)から選ばれる銅塩を使用することができる。中でも水に対する溶解度の高い銅塩が好ましく、硝酸銅(II)及び硝酸銅(II)3水和物から選ばれる銅塩を用いることがより好ましい。
本発明に用いる塩基性化合物としては、銅塩と塩交換を行い、水酸化銅を生成することが出来れば特段の限定は無く、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルアミンヒドロキシド、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びテトラエチルアミンヒドロキシドから選ばれる塩基性化合物を使用することが出来る。
上記銅塩溶液及び塩基性化合物溶液に用いる溶媒は、銅塩および塩基性化合物を溶解することが出来れば特に限定されず、水、有機溶媒、あるいは水と有機溶媒の混合物を用いることが出来る。
有機溶媒は水溶性有機溶媒が好ましく、具体例として、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、テトラヒドロフランが挙げられる。
また、分子中に2個以上の水酸基を持つエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセロールなども使用できる。
上記銅塩溶液及び塩基性化合物溶液に用いる溶媒は、水又はジオール水溶液が好ましく、水がより好ましい。すなわち、銅塩溶液及び塩基性化合物溶液は、それぞれ銅塩水溶液及び塩基性化合物水溶液であることが好ましい。上記銅塩水溶液及び塩基性化合物水溶液に用いる水は、抵抗値18MΩ以上の超純水が好ましい。
銅塩と塩基性化合物とが反応すると水酸化銅が生成する。この反応は、銅塩として硝酸銅(II)、塩基性化合物として水酸化ナトリウムを用いた場合を例にとると下記式(i)で表される。
Cu(NO+2NaOH → Cu(OH)+2NaNO 式(i)
上記で生成した水酸化銅は、続いて加熱下で脱水され、酸化第二銅が微粒子状に析出する。この反応は下記式(ii)で表される。
Cu(OH) → CuO+HO 式(ii)
上記式(ii)の脱水反応は、高温下で効率的に進行する。そのため本発明の製造方法では、銅塩と塩基性化合物との反応(すなわち、銅塩と塩基性化合物との接触から酸化第二銅の生成までの反応)を70℃以上(より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上、さらに好ましくは90〜100℃)で実施することが好ましい。すなわち、図1、3及び6に示されるように合流部(3)から反応流路にかけて、加熱領域(8)を設けることが好ましい。加熱領域(8)は、ウォーターバス、オイルバス、恒温槽等を用いて設けることができる。反応温度を80℃以上とすることで、得られる酸化第二銅微粒子による2次凝集塊の形成を抑えることができる。
上記式(i)で生成するCu(OH)はゲル化しやすいため、Cu(OH)が生成する反応をフロー式反応系に適用すると流路が閉塞しやすくなることが考えられる。しかし、本発明者らが実際に上記反応をフロー式反応系に適用してみると、生成したCu(OH)を素早く脱水して酸化第二銅へと変換することができ、酸化第二銅を安定的に、連続的に製造する反応系を構築できることがわかった。
また、得られる酸化第二銅微粒子分散物の熟成(粒子成長)を抑制するために、加熱領域(8)の下流側に位置する反応流路を冷却領域(9)内に設置することが好ましい。冷却領域の温度は0〜30℃とすることが好ましい。冷却領域(9)は、例えば反応流路を水冷する領域とすることができる。
本発明の製造方法では、第1流路内を流通する銅塩溶液と第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部(合流部J)において、銅塩に対する塩基性化合物の反応モル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧1.5とする。
ここで合流部Jにおける銅塩に対する塩基性化合物の反応モル比とは、単位時間当たりに第1流路を流通してきた銅塩溶液と、同じく単位時間当たりに第2流路を流通してきた塩基性化合物溶液とが均質に混じり合った状態を想定し、この均質に混じり合った状態の溶液中における、銅塩のモル量に対する塩基性化合物のモル量の比を意味する。上記モル比は以下に示す式によって得られる。なお、銅塩溶液および塩基性化合物溶液が2以上の複数の流路に導入され流通する場合は、銅塩溶液が流通する各流路の合算値と、塩基性化合物溶液が流通する各流路の合算値を用いる。

[Y×Z×V]/[W×X]≧1.5

W:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液濃度(mol/L)
X:第1流路内を流通する銅(II)塩溶液の流速(mL/min)
Y:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液濃度(mol/L)
Z:第2流路内を流通する塩基性化合物溶液の流速(mL/min)
V:第2流路内を流通する塩基性化合物の価数

「塩基性化合物の価数」とは塩基性化合物溶液の溶質である塩基性化合物1分子が受容できるプロトンの数、または1分子が放出できる水酸化物イオンの数である。例えば、水酸化ナトリウムやアンモニアは1価(価数1)、水酸化カルシウムやエチレンジアミンは2価(価数2)である。
本発明の製造方法では、合流部Jにおける塩基性化合物と銅塩とのモル比を調節することにより、得られる酸化第二銅微粒子の形状を所望の形状に制御することができる。例えば、合流部Jにおける塩基性化合物と銅塩とのモル比([塩基性化合物]/[銅塩])が小さければ、球状の酸化第二銅微粒子が得られ、上記モル比を大きくすることにより、棒状の酸化第二銅微粒子が得られ、上記モル比をさらに大きくすることにより、板状の酸化第二銅微粒子を得ることができる。通常、合流部Jにおける塩基性化合物と銅塩とのモル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧2.5とすることにより、得られる酸化第二銅微粒子の形状を棒状ないし板状とすることができる。
また、合流部Jにおける塩基性化合物と銅塩とのモル比([塩基性化合物]/[銅塩])の上限に特に制限はないが、[塩基性化合物]/[銅塩]≦30が好ましく、[塩基性化合物]/[銅塩]≦20がより好ましく、[塩基性化合物]/[銅塩]≦12がさらに好ましい。
本発明の製造方法において、合流部の上流側の流路を流通する液の流速、及び反応流路を流通する溶液の流速に特に制限はなく、流路の等価直径、長さ等により適宜に調節される。例えば、上記各流路に流通する液の流速を1mL/min〜1000mL/minとすることができ、2mL/min〜400mL/minとすることが好ましい。また、上記流速を3mL/min〜200mL/minとすることも好ましく、4mL/min〜100mL/minとすることも好ましく、4mL〜50mL/minとすることも好ましく、5mL/min〜30mL/minとしてもよい。また、合流部の上流側の各流路に流通する液の流速は、各流路の間で同じであってもよいし、流路毎に異なる流速としてもよい。
合流部の上流側の流路を流通する液の線速度、及び反応流路を流通する溶液の線速度は、2〜10000mm/secとすることが好ましく、20〜500mm/secとすることがより好ましい。
また、合流領域(3)に多層筒型ミキサーを配設した場合、この多層筒型ミキサーの最小筒(内管)を流通する溶液の線速度a1と、最小筒以外の筒を流通する溶液(すなわち、最小筒以外の筒と、この最小筒以外の筒と隣接する内側の筒との間を流通する溶液)の線速度b1の比が、a1/b1=0.005〜200を満たすことが好ましく、a1/b1=0.01〜100を満たすことがより好ましく、a1/b1=0.02〜50を満たすことがさらに好ましい。各筒を流通する溶液の線速度を上記好ましい範囲内とすることで、送液時の圧力損失が低減でき、各液を安定的に流通させることが出来る。
また、合流領域(3)に2層筒型ミキサーを配設した場合、この2層筒型ミキサーの最小筒(内管)を流通する溶液の線速度a2と、最小筒以外の筒(外管)を流通する溶液(すなわち、外管と内管との間を流通する溶液)の線速度b2の比が、a2/b2=0.02〜50を満たすことが好ましく、a2/b2=0.05〜20を満たすことがより好ましく、a2/b2=0.1〜10を満たすことがさらに好ましい。各筒を流通する溶液の線速度を上記好ましい範囲内とすることで、送液時の圧力損失が低減でき、それぞれの液を安定して流通させることができる。
本発明の製造方法において、第1流路内を流通させる銅塩溶液の濃度に特に制限はないが、希薄である場合、生成する酸化銅(II)の含有量が低下し、粒子の濃縮回収プロセスの負荷が増大するおそれがあり、一方濃厚である場合には、液の粘度が上昇し、ミキサーでの混合性が悪化する場合がある。したがって、上記銅塩溶液の濃度は10〜5000mMが好ましく、20〜1000mMがより好ましい。
また、同様の観点から、第2流路内を流通させる塩基性化合物溶液の濃度は、20〜10000mMが好ましく、40〜4000mMがより好ましい。
本発明の製造方法で得られる酸化第二銅微粒子は、その一次粒子の三次元形状において、酸化第二銅微粒子に外接する平行二平面のうち、その距離が最大になる平行二平面の距離を長径とし、長径を与える平行二平面に直交し且つ酸化第二銅粒子に外接する平行二平面のうち、その距離が最小となる平行二平面の距離及び最大となる平行二平面の距離をそれぞれ短径及び中径とした場合、長径の平均値は5〜5000nmが好ましく、20〜1000nmがより好ましい。なお、酸化第二銅微粒子が球状の場合には、酸化第二銅微粒子に外接する平行二平面の距離はすべて同じであるため、長径、短径、中径との概念が当てはまらないが、後述する実施例では、酸化第二銅微粒子が球状の場合に、外接する平行二平面の距離を「長径」として表現している。
酸化第二銅微粒子の三次元形状は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察し、これに基づき上記長径、短径ないし中径を測定し、その平均値を算出する。酸化第二銅粒子の三次元形状の観察は、TEMの倍率を20,000倍とし、観察される酸化第二銅粒子がそれぞれ独立した粒子(一次粒子)として識別可能な条件で行う。
本明細書において、長径の平均値とは、得られた酸化第二銅微粒子のTEM画像から一次粒子を無作為に20個選び、各一次粒子の長径を測定し、その総加平均値とする。また、短径の平均値とは、得られた酸化第二銅微粒子から一次粒子を任意に20個選び、各一次粒子の短径を測定し、その総加平均値とする。また、中径の平均値とは、得られた酸化第二銅微粒子から一次粒子を任意に20個選び、各一次粒子の中径を測定し、その総加平均値とする。
また、本発明の製造方法で得られる酸化第二銅微粒子の長径の平均値と短径の平均値の比([長径の平均値]/[短径の平均値])の値に特に制限はない。つまり、上述したように、合流部Jにおける銅塩のモル量と塩基性化合物のモル量を調節することにより、[長径の平均値]/[短径の平均値]が所望の値となる酸化第二銅微粒子を得ることができる。
酸化第二銅を基板配線の形成に用いる場合、酸化第二銅微粒子は球状であるよりも、棒状ないし板状であった方が、粒子同士の接触面積が増えて、得られる銅配線が導通しやすくなり有利である。この観点から、本発明の製造方法で得られる酸化第二銅微粒子の長径の平均値と短径の平均値の比は、[長径の平均値]/[短径の平均値]≧20が好ましく、[長径の平均値]/[短径の平均値]=30〜200がより好ましい。また、同様の観点から、[中径の平均値]/[短径の平均値]=1〜30が好ましく、[中径の平均値]/[短径の平均値]=2〜5がより好ましい。
本発明の製造方法において、反応流路を通過してきた酸化第二銅微粒子の分散液(懸濁液)は酸化第二銅微粒子を0.1〜14質量%含有する形態とすることが好ましい。こうすることで、その後の精製、濃縮操作等の作業負担を減らすことができる。
本発明の製造方法で得られる酸化第二銅微粒子の用途に特に制限はなく、例えば、基板配線形成用のメタルインク、無電解めっきの銅供給源、超伝導体などのセラミックス原料、顔料、着色剤、釉薬等、種々の用途に用いることができる。
以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
<フロー式反応システムの構築>
図1に示す構成のフロー式反応システムを構築した。第1流路(1)、第2流路(2)、反応流路(4)として、SUS316製チューブを用いた。銅塩溶液導入手段(5)及び塩基性化合物溶液導入手段(6)として、シリンジポンプ(HARVARD社製 PHD ULTRA)を用い、各シリンジポンプに、銅塩水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)及び塩基性化合物水溶液が入ったシリンジ(容積100mL)をそれぞれ装着する構成とした。
銅塩溶液が入ったシリンジの先端を、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの第1流路に接続した。また、塩基性化合物溶液が入ったシリンジの先端を、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの第2流路に接続した。第2流路には圧力計を設置し、送液中の流路内の圧力を測定できるようにした。
第1流路(1)のうち下流側領域は、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8、オイルバス)内に配設した。また、第2流路(2)のうち下流側領域も同様に、長さ50cm、外径1/16In(1.59mm)、内径1mmの管をコイル状に巻いた構造とし、加熱領域(8)内に配設した。
第1流路(1)及び第2流路(2)の下流側末端に内径0.5mmのT字型ミキサー(Upchrch社製)を設置し、銅塩溶液および塩基性化合物溶液が正面衝突するように、各流路とT字型ミキサー(商品名:ティーユニオン、Upchurch社製)の開口部(A及びB)とを接続した。T字型ミキサー残りの開口部Oを、コイル状に巻いた長さ2m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路に接続してこの流路を加熱領域(8、ウォーターバス(20℃))内に設置し、さらにその下流に、コイル状に巻いた長さ1m、外径1/8In(3.18mm)、内径2.17mmの流路を接続し、冷却領域(9)内に設置した。冷却領域9の下流に回収容器(7)を設置し、反応液を回収する構成とした。
<酸化第二銅微粒子の製造>
硝酸銅(II)3水和物0.73gを水に溶解させ、全量が100mlになるように水で希釈して硝酸銅水溶液(濃度28.6mM)を調製した。50%(質量/体積)水酸化ナトリウム水溶液の0.457mlを、全量が100mlになるように水で希釈して水酸化ナトリウム水溶液(濃度57.1mM)を調製した。
上記硝酸銅水溶液100mL及び水酸化ナトリウム水溶液100mLを、それぞれガラス製シリンジ(容積100mL)に充填し、上記フロー式反応システムのシリンジポンプにセットした。各液をそれぞれ5ml/minで送液した。このフロー式反応系において、加熱領域(8)の温度は90℃とした。反応流路を通過してきた液(黒色の微粒子懸濁液(分散液))を回収容器(容積250mlのポリエチレン容器)に100mL回収した。
<微粒子の観察および物性>
得られた黒色の微粒子懸濁液を少量採取し、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JEM−1010、以下TEM)で粒子を観察した(倍率:20,000倍)。その結果、一次粒子の粒径9nmの球状粒子(すなわち長径の平均値が9nmの球状粒子)が生成していることが分かった。粒子懸濁液30mLを約10000Gで遠心分離して微粒子を沈降させ、得られたペーストを40℃、5時間真空乾燥させることで乾燥粉末を得た。この乾燥粉末をXRD(RIGAKU製、Miniflex)で測定した結果、酸化第二銅に由来する回折パターンのみが検出され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数(標準偏差/平均値、以下同様)は0.15であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[比較例1] バッチ方式による球状酸化第二銅微粒子の製造
容積300mlの3口フラスコに冷却管を取り付け、水100mlを加えスリーワンモーターで撹拌しながら、内温が90℃になるようにオイルバスで加熱した。硝酸銅(II)3水和物0.49gを水に溶解させ、全量が20mlになるように水で希釈した硝酸銅水溶液(濃度100mM)を調製しフラスコに添加した。50%(質量/体積)水酸化ナトリウム水溶液0.16mlをとり、全量が20mlになるように水で希釈して水酸化ナトリウム水溶液(濃度200mM)を調製した。フラスコの内温が再び90℃に上昇したところで、水酸化ナトリウム水溶液を、滴下漏斗を使用して約5分かけて緩やかに滴下した。滴下終了後、10分間90℃を維持したまま撹拌を継続し、その後放冷し、黒色の微粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径18nmの球状粒子(すなわち長径の平均値が18nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来する回折パターンのみが検出され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.35であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
上記実施例1と比較例1の比較から、酸化第二銅の球状微粒子の製造において、フロー式反応を採用することにより、より小粒径且つ粒径の揃った酸化第二銅微粒子が得られることがわかった。
[実施例2] フロー式反応による棒状酸化第二銅微粒子の製造
水酸化ナトリウム水溶液の濃度を実施例1に対して2倍(114mM)にしたものを100ml調製したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の長径の平均値が216nm、中径の平均値が12nm、短径の平均値が4nmの棒状微粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.32であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[比較例2] バッチ方式による棒状酸化第二銅微粒子の製造
28.6mM硝酸銅水溶液70mLと114mM水酸化ナトリウム水溶液70mLを調製し、それぞれ別々に、シリンジに充填した。オイルバスで加熱した空の3口フラスコに、撹拌翼を設置し、撹拌の予備動作としてスリーワンモーターで撹拌翼を空転させた。上記硝酸銅水溶液と水酸化ナトリウム水溶液をシリンジポンプで同時にフラスコ内に滴下した。このときの送液速度はいずれも14ml/min、送液時間は5分間とした。送液完了時の内温は90℃であった。その後10分間内温を90℃のまま維持して撹拌を継続し、放冷して黒色の微粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の長径の平均値が39nm、中径の平均値が12nm、短径の平均値が10nmの棒状微粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は1.12であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例3] フロー式反応による平板状酸化第二銅微粒子の製造
水酸化ナトリウム水溶液の濃度を実施例1に対して4倍(濃度228mM)にしたものを100ml調製し、硝酸銅水溶液および水酸化ナトリウム水溶液の送液速度を15ml/minにしたこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の微粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察の結果、一次粒子の長径の平均値が415nm、中径の平均値が86nm、短径の平均値が4nmの平板状粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.22であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[比較例3] バッチ方式による棒状酸化第二銅微粒子の製造
容積300mlの3口フラスコに冷却管を取り付け、水100mLを加えスリーワンモーターで撹拌しながら、内温が90℃になるようにオイルバスで加熱した。硝酸銅水溶液(濃度100mM、20mL)と水酸化ナトリウム水溶液(濃度800mM、20mL)をシリンジポンプで同時にフラスコ内に滴下した。このときの送液速度は4ml/min、送液時間は5分間とした。送液完了時の内温は90℃であった。その後10分間内温を90℃に維持して撹拌を継続し、放冷して黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の長径の平均値が51nm、中径の平均値が12nm、短径の平均値が7nmの棒状粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は1.08であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
なお、上記実施例3と比較例3の結果から、フロー式反応を採用することにより、球状、棒状の酸化第二銅微粒子に加え、バッチ式では得られない平板状の酸化第二銅微粒子の製造も可能となることがわかる。
[比較例4]
使用する水酸化ナトリウム水溶液の濃度を28.6mM、液量を100mLに変更したこと以外は実施例1と同様にしてフロー式反応を実施した。
その結果、水色に白濁した懸濁液が得られ、酸化第二銅粒子は得られなかった。
[実施例4] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
使用する水酸化ナトリウム水溶液の濃度を42.9mM、液量を100mLに変更したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径7nmの球状粒子(すなわち長径の平均値が7nmの球状粒子)が生成していることを確認した。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.14であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.10質量%であった。
[実施例5] フロー式反応による棒状酸化第二銅微粒子の製造
使用する水酸化ナトリウム水溶液の濃度を71.5mM、液量を100mLに変更したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の長径の平均値が113nm、中径の平均値が8nm、短径の平均値が3nmの棒状粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.23であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例6] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
オイルバスの温度を80℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径8nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が8nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来する回折パターンのみが検出され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.15であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例7] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
オイルバスの温度を70℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径7nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が7nmの球状粒子)が生成していることが分かった。しかし、球状微粒子数20個程度が2次凝集塊を形成した粒子が多く観察された(オイルバスの温度を80℃以上に設定した実施例よりも2次凝集塊の量が明らかに多かった)。また、XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.14であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例8] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
銅塩溶液として酢酸銅水溶液(濃度28.1mM)、塩基性化合物水溶液としてアンモニア水(濃度57.1mM)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径9nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が9nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.15であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例9] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
銅塩溶液として酢酸銅水溶液(濃度28.1mM)、塩基性化合物水溶液としてテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(濃度57.1mM)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径9nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が9nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.16であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.11質量%であった。
[実施例10] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
実施例1を下記の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
(変更内容)
硝酸銅水溶液の濃度を57.1mM、液量を400mLとし、また、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を114mM、液量を400mLとし、送液装置としてシリンジポンプ(古江サイエンス株式会社製、MICRFEEDER、model JP−H)を使用することで、送液速度5ml/minで最大80分間送液できるようにした。また、T字型ミキサー下流の加熱領域(8)内に設置される反応流路の長さを5mとした。
この実施例10では、送液中の圧力は送液開始から約2分で上昇しはじめ、5分から7分にかけて急上昇し、送液不能となった。T字型ミキサー内部が酸化銅と推定される黒色の析出物で閉塞していることを確認した。
得られた黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径9nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が9nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.14であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
[実施例11] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
T字型ミキサーに替えて2層円筒型ミキサーを使用したこと以外は実施例10と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た(すなわち、図3に記載のフロー式反応システムを用いたこと以外は、実施例10と同様にして黒色の粒子懸濁液を得た)。
なお、2層円筒型ミキサーは、サイズの異なる外管と内管を同心円状に配置し、内管の下流側末端で、内管を流れる硝酸銅水溶液と外管と内管との間を流れる水酸化ナトリウム水溶液が並行に合流する構造とした。2層円筒型ミキサーは、外管の外径を1/8In(3.18mm)、内径を2.17mmとし、内管の外径を1/16In(1.59mm)、内径を0.25mmとした。内管を流れる硝酸銅水溶液の線速度は1700mm/secとなり、外管と内管との間を流れる水酸化ナトリウム水溶液の線速度は49mm/secとなる。
この実施例11では、送液中の圧力上昇が抑えられ、50分間以上もの間、安定して送液することができた。得られた黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径8nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が8nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.15であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
このように、合流領域において2層円筒型ミキサーを使用することにより、第1流路に流通させる銅塩溶液の濃度を高めても安定的に酸化第二銅を製造することができ、その結果、得られる酸化第二銅懸濁液中の酸化第二銅の含有量を高められることがわかった。
[実施例12] フロー式反応による棒状酸化第二銅微粒子の製造
実施例11において、2層円筒型ミキサーの外管と内管との間を流れる水酸化ナトリウム水溶液の濃度を実施例11に対して2倍(濃度228mM)にしたこと以外は、実施例10と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察の結果、一次粒子の長径の平均値が230nm、中径の平均値が17nm、短径の平均値が4nmの棒状微粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.24であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
[実施例13] フロー式反応による平板状酸化第二銅微粒子の製造
2層円筒型ミキサーの外管と内管との間を流れる水酸化ナトリウム水溶液の濃度を実施例11に対して4倍(濃度457mM)にし、硝酸銅水溶液および水酸化ナトリウム水溶液の送液速度を15ml/minにしたこと以外は、実施例11と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察の結果、一次粒子の長径の平均値が457nm、中径の平均値が59nm、短径の平均値が7nmの平板状微粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.21であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
[実施例14] フロー式反応による球状酸化第二銅微粒子の製造
図7に示されるように、内管、中管、外管のサイズの異なる3種類の円管を同心円状に配置し、内管と中管の下流側末端の位置をそろえて、3液を並行に流しながら合流させる構造の3層円筒型ミキサーを、合流領域(3)内に設置したフロー式反応システム(図6に示すフロー式反応システム)を構築した。送液には容積100mlのシリンジとシリンジポンプ(HARVARD社製 PHD ULTRA)を使用し、内管には硝酸銅水溶液(濃度57.1mM)を送液速度15ml/minで送液し、中管と内管との間には水を送液速度5ml/minで送液し、外管と中管との間には水酸化ナトリウム水溶液(濃度114mM)を送液速度15ml/minで送液した。それ以外の条件は実施例10と同一とし、黒色の粒子懸濁液を得た。
なお、3層円筒型ミキサーは、外管の外径を1/4In(6.35mm)、内径を4.35mmとし、中管の外径を1/8In(3.18mm)、内径を2.17mmとし、内管の外径を1/16In(1.59mm)、内径を0.25mmとした。内管を流れる硝酸銅水溶液の線速度は5090mm/secとなり、中管と内管との間を流れる水の線速度は4.9mm/secとなり、外管と中管との間を流れる水酸化ナトリウム水溶液の線速度は3.6mm/secとなる。
得られた黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察した結果、一次粒子の粒径8nmの球状微粒子(すなわち長径の平均値が8nmの球状粒子)が生成していることが分かった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.14であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
[実施例15] フロー式反応による棒状酸化第二銅微粒子の製造
3層円筒状ミキサーの外管と中管との間に流す水酸化ナトリウム水溶液の濃度を実施例14に対して2倍(濃度228mM)に変更したこと以外は、実施例14と同様にして、フロー式反応システムにより黒色の粒子懸濁液を得た。
この黒色の微粒子懸濁液を上記と同様にしてTEM観察の結果、一次粒子の長径の平均値が35nm、中径の平均値が7nm、短径の平均値が7nmの棒状微粒子であった。XRD測定の結果、酸化第二銅に由来するピークのみが観察され、酸化第二銅が生成したことを確認した。
また、上記長径の平均値の算出の際に測定した20個の一次粒子について、その長径の変動係数は0.25であった。
また、上記黒色の微粒子懸濁液中、酸化第二銅微粒子の含有量は0.22質量%であった。
上記各実施例及び比較例の結果を下表にまとめて示す。
Figure 0006488152
Figure 0006488152
このように、本発明の製造方法により、ナノメートルサイズの酸化第二銅微粒子を、所望の形状(球状、棒状、平板状)に、より均一な形状で、連続的に製造することができることがわかった。
100、200、300 フロー式反応システム
1 第1流路
2 第2流路
3 合流領域
3a T字型ミキサー
3b 2層筒型ミキサー(多層筒型ミキサー)
3c 3層筒型ミキサー(多層筒型ミキサー)
4 反応流路
5 銅塩溶液導入手段(シリンジポンプ)
6 塩基性化合物溶液導入手段(シリンジポンプ)
7 回収容器
8 加熱領域
9 冷却領域
P 圧力計
J 合流部
T1 内管
T2 外管
T3 中管
10 第3流路
11 第三液導入手段(シリンジポンプ)

Claims (13)

  1. 第1流路に銅(II)塩溶液を、第2流路に塩基性化合物溶液をそれぞれ導入して各流路内に各溶液を流通させ、第1流路内を流通する銅塩溶液と、第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とを合流し、合流した液が下流へ流通中に銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させ、反応生成物から酸化第二銅微粒子を製造することを含む、フロー式反応による酸化第二銅微粒子の製造方法であって、
    第1流路内を流通する銅(II)塩溶液と第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、前記銅(II)塩に対する前記塩基性化合物の反応モル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧1.5と
    前記銅(II)塩溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
    前記塩基性化合物溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、製造方法。
  2. 第1流路内を流通する銅塩溶液と第2流路内を流通する塩基性化合物溶液とが合流する合流部において、前記銅(II)塩に対する前記塩基性化合物の反応モル比を、[塩基性化合物]/[銅塩]≧2.5とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 80℃以上の温度下で銅(II)塩と塩基性化合物とを反応させる、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記製造方法により、前記酸化第二銅微粒子が、酸化第二銅微粒子を0.1〜14質量%含有する酸化第二銅微粒子分散液として得られる、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記銅(II)塩溶液と前記塩基性化合物溶液とを多層筒型ミキサーを用いて合流する、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 前記多層筒型ミキサーの最小筒の等価直径が0.1mm〜50mmである、請求項5記載の製造方法。
  7. 前記多層筒型ミキサーの最小筒を流通する溶液の線速度a1と、最小筒以外の筒を流通する溶液の線速度b1の比が、a1/b1=0.005〜200である、請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 前記多層筒型ミキサーが2層筒型ミキサーである、請求項5〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 2層筒型ミキサーの内管の線速度a2と、外管の線速度b2の比が、a2/b2=0.02〜50である、請求項8記載の製造方法。
  10. 前記銅(II)塩溶液と前記塩基性化合物溶液とをT字型ミキサーを用いて合流する、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 前記T字型ミキサーの開口部の等価直径が0.1〜5mmである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記製造方法により得られる酸化第二銅微粒子が、一次粒子の3次元形状において、長径の平均値と短径の平均値との比が、長径/短径≧20である、請求項1〜11のいずれか1項記載の製造方法。
  13. 酸化第二銅微粒子を製造するフロー式反応システムであって、
    銅(II)塩溶液が流通する第1流路と、塩基性化合物溶液が流通する第2流路と、第1流路と第2流路が合流する合流部と、合流部の下流に繋がる反応流路とを有
    前記銅(II)塩溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であり、
    前記塩基性化合物溶液の溶媒が、水、水溶性有機溶媒、又は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である、フロー式反応システム。
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