JP6485745B2 - レーザー装置、点火装置およびレーザー装置の調整方法 - Google Patents

レーザー装置、点火装置およびレーザー装置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、面発光型半導体レーザー素子を用いて複数の発光点を形成するレーザーアレイと、各発光点に対応してレンズ面を形成するレンズアレイとを有して構成されるレーザーモジュールに係り、特に、レーザー加工機や内燃機関における点火装置等のように高出力なレーザーを用いる場合に好適なレーザー装置に関するものである。
レーザーモジュールとしては、高出力なレーザー光源を使用したデバイスがレーザー加工機等に用いられて広く知られている。
高出力なレーザー光源としては、単体のレーザー光源ではなく、複数のレーザー光源を合成して使う技術が既に知られており、例えば、特許文献1(特開2002−202442号)、特許文献2(特開2003−158332号)および特許文献3(特開平10−284779号)等に開示されている。
一方、レーザー光源に面発光型レーザーアレイ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、すなわち垂直共振器面発光レーザー)を用いた高出力レーザーデバイスも知られており、面発光型レーザーアレイを用いた高出力の加工用レーザーモジュールが、例えば、特許文献4(特開2002−26452号)に開示されている。このように、加工用レーザーモジュールにおいて、面発光型半導体レーザーアレイを使用する例は、さほど多くはない。なお、通信用レーザーモジュールに関しては、面発光型レーザーアレイとマイクロレンズアレイとの組み合わせからなるモジュール構成に関連する技術が、例えば特許文献5(特開2013‐142730号)等に開示されている。
ここでは、主としてレーザー加工機や内燃機関における点火装置等にも使用可能な高出力なレーザー光源について検討する。
面発光型半導体レーザーアレイ光源は、端面発光型のレーザーダイオード(LD)と比較して、発光点の集積化が可能なため、発光点を多数配置することによって大きな光量を得ることができるという利点がある。しかしながら、従来の面発光型半導体レーザーアレイを用いたレーザーモジュールは、レーザー光のコリメートのためにレーザーアレイ直後にマイクロレンズアレイを設置する必要があるが、発光点を高い密度で集積させると、マイクロレンズアレイの焦点距離が短くなり、光学系の倍率が上がってしまう。光学系の倍率が上がると、マイクロレンズアレイの形状精度および取り付け精度に、より高い精度が要求されるようになってしまう。各種のばらつきを吸収させるためには、マイクロレンズアレイは、6軸に対して調整することが望ましい。
先に挙げた特許文献4には、面発光型半導体レーザーアレイ基板にマイクロレンズアレイを直接取り付けることが開示されているが、このように直接実装してしまうと、面発光型半導体レーザーアレイの発光点とマイクロレンズアレイとの間隔を調整することができず、コリメートの調整ができない。
すなわち、マイクロレンズアレイを使った面発光型半導体レーザーアレイのコリメートには、高精度実装が求められる。しかしながら、従来の特許文献4等においては、面発光型半導体レーザーアレイとマイクロレンズアレイの高精度実装を可能とする具体的な方法および構成は、提示されていなかった。特に高精度な実装のためには、面発光型半導体レーザーアレイとマイクロレンズアレイの相対位置を高精度に設定する手段が必要となるが、この点についても具体的に提示する従来技術はなかった。
また、基板の重ね合わせ時における高精度な実装方法としては、アライメントマークによる位置座標検出を用いる方法も一般的に知られており、例えば特許文献6(特開2005−251972号)等に示されている。
しかしながら、面発光型半導体レーザーアレイとマイクロレンズアレイの実装の場合には、面発光型半導体レーザーアレイ基板とマイクロレンズアレイには、コリメートのため間隔が必要であり、アライメントマークの検出のために、面発光型半導体レーザーアレイ基板とマイクロレンズの両方にマイクロスコープでピントを合わせることは困難であり、高精度(μmオーダー等)での実装は困難である。
上述したように、レーザー加工用等の高出力のレーザーモジュールにおいて、特許文献4のように面発光型半導体レーザーアレイを使用するものがある。
そして、特許文献4には、レーザー加工機等に用いられる光源において、調整を簡略化する目的で、面発光レーザーアレイ光源とそれに対応するマイクロレンズアレイとが一体に形成される構成が開示されている。しかしながら、このようにマイクロレンズアレイを面発光レーザーアレイ基板上に直接実装してしまうと、面発光型半導体レーザーアレイの発光点とマイクロレンズアレイとの光軸方向の間隔を調整することができず、コリメートの調整ずれによりレーザーの集光効率の低下を生ずるおそれがある。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、高出力な面発光型半導体レーザーアレイを用いるレーザーモジュールにおいて、面発光型半導体レーザーアレイに対するマイクロレンズアレイの位置ずれを高精度に検知し且つ調整することを可能とし、マイクロレンズアレイを高精度に実装する構成としたレーザー装置を提供することを目的としている。
本発明に係るレーザー装置は、上述した目的を達成するために、
所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなるレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
を備え、
前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成とし、且つ
前記レンズアレイを前記面発光型レーザーアレイ基板に対応する位置に調整保持することを特徴としている。
本発明に係るレーザー装置によれば、
所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなるレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
を備え、
前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成とし、且つ
前記レンズアレイを前記面発光型レーザーアレイ基板に対応する位置に調整保持することにより、
主発光点とは独立に点灯制御される調整用の副発光点からのレーザービームを検知観察して、面発光型半導体レーザーアレイに対するマイクロレンズアレイの位置ずれを高精度に検知し且つ調整して、マイクロレンズアレイを高精度に実装することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザー装置の構成を示す斜視図である。 図1のレーザー装置の構成を示す縦断面図である。 図1のレーザー装置の面発光型半導体レーザーアレイ基板における面発光型半導体レーザーアレイ光源を構成する垂直共振器面発光レーザーによる発光点の詳細な配置分布を模式的に示す平面図である。 図1のレーザー装置の面発光型半導体レーザーアレイ光源の発光点からマイクロレンズアレイに至る部分の模式的な構成を拡大して詳細に示す模式的部分縦断面図である。 図1のレーザー装置の面発光型半導体レーザーアレイ基板に対するマイクロレンズアレイの取り付け構成を模式的に示す部分縦断面図である。 図1のレーザー装置の面発光型半導体レーザーアレイ基板に対するマイクロレンズアレイの取り付け構成を模式的に示す模式的横断面図である。 図1のレーザー装置の光学系の構成を模式的に示す模式的縦断面図である。 図1のレーザー装置における光ファイバの原理的構成を模式的に示す斜視図である。 図1のレーザー装置の面発光型半導体レーザーアレイ基板における面発光型半導体レーザーアレイ光源を構成する垂直共振器面発光レーザーによる発光点の詳細な配置分布の他の例を示す平面図である。 図1のレーザー装置における面発光型半導体レーザーアレイ基板に対するマイクロレンズアレイの取り付け調整を説明するための要部の模式的縦断面図である。 図1のレーザー装置における面発光型半導体レーザーアレイ基板に対するマイクロレンズアレイの取り付け調整を説明するための副発光点によるビームプロファイルのプロファイルパターンの例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレーザー装置の構成を示す斜視図である。 図12のレーザー装置の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るレーザー装置を用いた内燃機関の点火装置の構成を模式的に示す断面構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のレーザー装置、点火装置およびレーザー装置の調整方法を詳細に説明する。
図1〜図11は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザー装置を説明するためのもので、図1および図2は、この実施の形態に係るレーザー装置の要部の概略構成を示す図であり、図3〜図8は、図1および図2に示したレーザー装置の構成を詳細に説明するための図である。図9は、図1および図2に示したレーザー装置におけるレーザーアレイ光源の発光点の他の配置分布を示す図であり、そして図10および図11は、図1〜図9に示したレーザー装置における面発光型半導体レーザーアレイ基板に対するマイクロレンズアレイの取り付け調整を説明するための図である。
まず、この実施の形態に係るレーザー装置の要部の構成について図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレーザー装置の外観構成を示しており、そして図2は、図1のレーザー装置の縦断面の構成を模式的に示している。
図1および図2に示すレーザー装置としてのレーザーモジュールは、レーザーアレイ光源1、マイクロレンズアレイ2、集光レンズ3、光ファイバ4、マウント5、熱拡散板6、ヒートシンク7、ハウジング8、保持部材9およびリード線10を具備している。
図1および図2に示すレーザー装置は、面発光型半導体レーザーアレイを用いたレーザーモジュールである。レーザーアレイ光源1は、面発光型半導体レーザーによる発光点が多数集積された面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ基板20により構成している。レーザーアレイ光源1の前方には、レーザーアレイ光源1の各発光点に対応する位置にそれぞれマイクロレンズを形成してなるマイクロレンズアレイ2を配置している。マイクロレンズアレイ2は、コリメータとして機能し、レーザーアレイ光源1の各発光点からのレーザー光をコリメートして緩い発散光束、すなわちほぼ平行光束とする。集光レンズ3は、マイクロレンズアレイ2から射出されるほぼ平行光束を集光して、光ファイバ4の断面に入射させる。
面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ光源1は、マウント5を介して台座として銅等の熱伝導性の高い材料で形成された熱拡散板6の一方の面上に取着されており、熱拡散板6の他方の面には、ヒートシンク7が取り付けられている。これら熱拡散板6およびヒートシンク7は、発熱するレーザーアレイ光源1を放熱し冷却するために設けられている。
ハウジング8は、熱拡散板6上のレーザーアレイ光源1からマイクロレンズアレイ2および集光レンズ3を介して光ファイバ4に至る光学系を覆って設けられる。集光レンズ3は、ハウジング8に取着され、ハウジング8内のマイクロレンズアレイ2から、光ファイバ4の端面に至る光路に配置される。ハウジング8への光ファイバ4の接続部には保持部材9を設けて、接続部を密封し且つ光ファイバ4を保持している。また、レーザーアレイ光源1部分に対して外部との間で電気的に接続を行うリード線10は、ハウジング8の側壁を貫通して配設され、この貫通部分も適宜密封されている。すなわち、熱拡散板6とハウジング8は、密に結合されて、光ファイバ4の保持部材9およびハウジング8のリード線10の貫通部と共に、レーザーアレイ光源1からマイクロレンズアレイ2および集光レンズ3を介して光ファイバ4に至る光学系部分を密閉し且つ保護している。
図1および図2に示すレーザー装置において、レーザーアレイ光源1の各発光点から射出されたレーザー光は、マイクロレンズアレイ2の各マイクロレンズを個々に通ることによってコリメートされ、ほぼ平行光束として集光レンズ3に入射する。集光レンズ3によって集光されたレーザー光は、光ファイバ4の一端面に入射する。光ファイバ4の他端は、外部のレーザー使用機器、例えばレーザー加工機や、レーザーを利用したエンジン用の点火プラグ等に接続されており、光ファイバ4の一端に入射したレーザー光は、光ファイバ4によって、これらレーザー加工機あるいはエンジン点火プラグ等のような外部のレーザー使用機器に導かれ、利用される。上述したレーザーアレイ光源1、マイクロレンズアレイ2および集光レンズ3等の光学要素は、熱拡散板6、ハウジング8および保持部材9等によって密閉された空間内に配置される。
また、レーザーアレイ光源1を形成する面発光型半導体レーザーアレイ基板20は、高密度のレーザー発光に伴って高い発熱を生じるので、能動的な冷却手段が必要となる。そのためレーザーアレイ光源1の発熱は、マウント5および熱拡散板6を介して、熱拡散板6の背面に取着されたヒートシンク7によって放熱および冷却される。このときヒートシンク7による大気中への放熱は、自然対流による放熱でも良いし、送風ファン等を用いた強制対流を用いてより強い放熱および冷却を行うようにしても良い、
上述したように、図1および図2に示すレーザー装置は、レーザーアレイ光源1から射出された光束をマイクロレンズアレイ2によってコリメートし、集光レンズ3によって集光して光ファイバ4に入射させる。レーザーアレイ光源1から光ファイバ4に至る各光学要素は、熱拡散板6およびハウジング8等によって密封されて一体的に保持されている。レーザーアレイ光源1には、放熱のための熱拡散板6およびヒートシンク7が取り付けられている。
上述した図1および図2に示すこの実施の形態に係るレーザー装置における具体的な構成についてさらに詳細に説明する。
図3は、図1および図2のレーザー装置における面発光型半導体レーザーアレイ基板からなる面発光型半導体レーザーアレイ光源、すなわち図1および図2に示すレーザーアレイ光源1を構成する垂直共振器面発光レーザーによる発光点の平面的な配置分布を模式的に示している。
この実施の形態に係るレーザー装置におけるレーザーアレイ光源1は、面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ基板20上に形成された垂直共振器面発光レーザーの発光点である多数の主発光点21およびこの場合4個の副発光点22a〜22dにより構成している。
例えば、多数の主発光点21は、各々9μmの直径(A1)を有しており、これら多数の主発光点21は、直径(A3)が8.9mmの円形状の主発光領域ME内に、48μmの間隔(A2)で等間隔に配列されている。面発光レーザーは、端面発光レーザーと比較して、集積化が容易であるため、多数の発光点を集積することによって高い光量、つまり高出力なレーザー光を得ることができる。この実施の形態においては、φ8.9mmなる直径(A3)の主発光領域ME内に約33,600個の主発光点21が等間隔(間隔A2=48μm)で配列されている。
主発光点21が多数配列された主発光領域MEの外側に、この場合4個の副発光点22a,22b,22c,22dを配設している。全ての主発光点21は一律(全てオンまたは全てオフ)に点灯制御される。これに対して調整用の副発光点22a,22b,22c,22dは、主発光点とは独立に点灯制御可能として構成され、調整時に、主発光点21を全て消灯した状態で、副発光点22a,22b,22c,22dのみを点灯させることができる(請求項1に対応する)。
この第1の実施の形態における副発光点22a,22b,22c,22dについて、光軸方向の座標をZとした場合の各副発光点22a,22b,22c,22dのX座標、Y座標等の諸元を次表に示している。
副発光点22a,22b,22c,22dは、互いに8.832mmの間隔(A5)をもって主発光領域MEの四方にそれぞれ配置されている。このような位置に配置する利点が3つある。
第1の利点は、副発光点22a,22b,22c,22dを主発光領域MEから離間して配置することにより、副発光点22a,22b,22c,22dの配線レイアウトの自由度を確保することができることである。
第2の利点は、8.832mmという相互間の間隔(A5)は、主発光点21の配列のピッチである0.048mmの倍数であり、このような位置に配置することによって、対応して配置されるマイクロレンズアレイ2を副発光点22a,22b,22c,22dについても共通に扱うことができることである。
第3の利点は、副発光点22a,22b,22c,22dの位置座標間隔を主発光領域MEの直径(A3)よりも小さくすることによって、レーザーアレイ基板20の基板サイズを大きくすることなく副発光点22a,22b,22c,22dを設けることができることである(請求項2〜請求項6に対応する)。
図4は、図1および図2のレーザー装置のレーザーアレイ光源1の発光点からマイクロレンズアレイ2に至る部分の詳細な構成を模式的に拡大して示している。
複数の主発光点21から射出されたレーザー光は、各主発光点21にそれぞれ対応するマイクロレンズ面を有するマイクロレンズアレイ2によって、コリメートされる。マイクロレンズアレイ2は、合成石英により、焦点距離f=0.1mmに形成されている。各主発光点21は、それぞれφ9μmなる直径、すなわち酸化狭窄径(A1)の面積をもつため、コリメート後のレーザー光線は、完全には平行光束とはならずに、緩やかな発散光束となる。
図5は、図1および図2のレーザー装置のレーザーアレイ光源1を構成するレーザーアレイ基板20に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け構成の断面を模式的に示している。
図5は、光軸方向をZ軸座標とした場合のレーザーアレイ基板20に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け状態のYZ断面を示している。レーザーアレイ基板20とマイクロレンズアレイ2とは、各発光点のXY座標と各マイクロレンズ面の頂点(中心)のXY座標とが一致するように位置決めし、それぞれの有効範囲外にて接着して取り付ける。接着剤ABとしては、一般的に用いられる紫外線硬化樹脂であってもよいし、ハンダ等による接着としてもよい。接着剤ABを樹脂とした場合には、レーザーアレイ基板20の熱をマイクロレンズアレイ2に伝えにくくするという効果も得られる。また、接着剤ABとしてハンダを用いた場合には、樹脂よりも線膨張係数が小さいため、発光による発熱があってもレーザーアレイ基板20とマイクロレンズアレイ2の間隔が変動しにくいという効果も期待することができる。
レーザーアレイ基板20に対するマイクロレンズアレイ2の位置決め調整は、本発明の特徴であり、この調整については、後に詳述する。
図6は、図1および図2のレーザー装置のレーザーアレイ光源1のレーザーアレイ基板20に対するマイクロレンズアレイ2の接着による取り付け構成を模式的に示している。
図6は、光軸方向をZ軸座標とした場合のレーザーアレイ基板20に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け状態のXY断面を透視的に示している。図6に示すように、マイクロレンズアレイ2は、主発光領域MEの中心に対して垂直方向および水平方向にそれぞれ対称な4箇所に配置した接着剤ABによりレーザーアレイ基板20に接着して取り付けている。温度変動時の接着剤ABの膨張/収縮の影響を低減するために、図6のように主発光領域MEの中心に対して対称に接着剤を配置することが望ましい。あるいは、接着剤ABを全周にわたって配設して接着することによって、マイクロレンズアレイ2によりレーザーアレイ基板20の全面を封止するようにしてもよい。ここでは、レーザーアレイ基板20とマイクロレンズアレイ2を接着剤ABによって直接接着して取り付けて一体的に実装するようにしているが、レーザーアレイ基板20とマイクロレンズアレイ2の必要とされる間隔によっては、中間的な部材を介在させて接着するなどして取り付けるようにしてもよい。
図7は、図1および図2のレーザー装置の光学系の縦断面の構成を模式的に示している。
レーザーアレイ光源1のレーザーアレイ基板20の直径(A3)の主発光領域ME(内の多数の主発光点21)からは多数の光線(レーザー光)が射出されるが、図7においては、理解を容易にするために、主発光領域MEの中心に位置する主発光点21から射出される光線と、主発光領域MEの最外周に位置する2つの主発光点21から射出される光線のみを示している。レーザーアレイ基板20の主発光領域MEからマイクロレンズアレイ2によってコリメートされて射出される緩やかな平行光束のレーザー光は、集光レンズ3によって集光され、光ファイバ4の一端のコア、つまり入力面に入射する。集光レンズ3は、例えばガラスモールド非球面レンズであり、光ファイバ4のコアの直径(A4)はφ1.5mmである。
この種のレーザー装置は、なるべく高い光量、すなわちなるべく高出力なレーザー光をできるだけ小さいコア径の光ファイバに集光することが求められている。そのため、光学系としては、光源からの光束をできるだけ小さく集光することが求められる。
図8は、図1および図2のレーザー装置に用いられる光ファイバの原理的構成を模式的に示している。
光ファイバ4は、コア41とクラッド42との間の屈折率の相違による全反射によって光を伝送するため、全反射がおこるような入射角で光を入射させる必要がある。すなわち、取り込める入射角を規定するファイバNA(numerical aperture〜開口数)が決まっているため、光ファイバ4への光線入射角の中で最も大きな角度がファイバNAで決められる角度よりも小さい角度となるようにして光を入射させなければならない。図1および図2のレーザー装置における光ファイバ4は、例えばファイバNAが、0.39であり、取り込める角度(最大入射角(deg))が±22.9°である。すなわち、光線の最大入射角が22.9°を超えると、光ファイバ4への入射効率が低下してしまうため、光線の最大入射角が22.9°以下になるように光学系を最適配置している。
上述した構成のレーザー装置における主発光点21の直径A1(μm)、主発光点21の間隔A2(μm)、主発光領域MEの直径A3(mm)、光ファイバ4のコア41の直径A4(mm)、副発光点22a、22b、22c、22dの間隔A5(mm)、レーザーアレイ光源1とマイクロレンズアレイ2の間隔d1(mm)、マイクロレンズアレイ2の厚さd2(mm)、マイクロレンズアレイ2と集光レンズ3の間隔d3(mm)、集光レンズ3の厚さd4(mm)、集光レンズ3と光ファイバ4の入力面との間隔d5(mm)、光ファイバ4への最大入射角(deg)、集光レンズ3の屈折率、集光レンズ3の焦点距離(mm)、主発光点21の放射角(deg)等の光学系諸元は、次表に示す通りである。
上述した実施の形態における光学系の全系の光学系倍率は153倍である。光ファイバ4上のビームスポットの径は、主発光点21の直径A1と倍率の積で概略的に求めることができる。この実施の形態のレーザー装置においては、φ9μm×153=1.38mmに比べて、光ファイバ4のコア径A4は1.50mmと大きくなっている。このような余裕のあるコア径の光ファイバ4を使用することによって、高い光利用効率(光ファイバの入射光量/レーザーアレイ光源の光量)を得ることができる。
図9は、図1および図2のレーザー装置における面発光型半導体レーザーアレイ基板からなる面発光型半導体レーザーアレイ光源、すなわち図1および図2に示すレーザーアレイ光源1を構成する垂直共振器面発光レーザーによる発光点の平面的な配置分布の図3とは異なる例を模式的に示している。
この場合のレーザー装置におけるレーザーアレイ光源1′は、面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ基板20′上に形成された垂直共振器面発光レーザーの発光点である多数の主発光点21およびこの場合4個の副発光点22e〜22hにより構成される。
主発光点21については、上述した図3の場合と同様であり、例えば、多数の主発光点21は、各々9μmの直径(A1)を有しており、これら多数の主発光点21は、直径(A3)が8.9mmの円形状の主発光領域ME内に、48μmの間隔(A2)で等間隔に配列されている。面発光レーザーは、端面発光レーザーと比較して、集積化が容易であるため、多数の発光点を集積することによって高い光量、つまり高出力なレーザー光を得ることができる。この第1の実施の形態においては、φ8.9mmなる直径(A3)の主発光領域ME内に約33,600個の主発光点21が等間隔(間隔A2=48μm)で配列されている。
主発光点21が多数配列された主発光領域MEの外側に、この場合4個の副発光点22e、22f、22g、22hを配設している。副発光点22e、22f、22g、22hは、図3における副発光点22a、22b、22c、22dを主発光領域MEの中心を軸としてXY平面上で45°回転させた位置に配置している。
この場合、副発光点22e、22f、22g、22hについて、光軸方向の座標をZとした場合の各副発光点22e、22f、22g、22hのX座標、Y座標等の諸元を次表に示している。
このような配置とすることによって、後述するように、調整時のビームプロファイルにおいてX成分とY成分に分離しやすい。また、副発光点22e、22f、22g、22hは、主発光点21から離れて配置されているが、48μmピッチの倍数で配置されている(4.56/0.048=95)。このような構成とすることで、マイクロレンズアレイ2は、副発光点22e、22f、22g、22hのためにレンズピッチを変えることなく有効範囲を広げるだけで対応することができる。この例においては、マイクロレンズアレイ2は、48μmピッチで等間隔に配列されており、有効領域は、φ9.2mmであって、φ8.9mmの主発光領域MEおよび副発光点22e、22f、22g、22hを含むことができる。
全ての主発光点21は、一律(全てオンまたは全てオフ)に点灯制御される。これに対して調整用の副発光点22e、22f、22g、22hは、主発光点とは独立に点灯制御可能として構成され、調整時に、主発光点21を全て消灯した状態で、副発光点22e、22f、22g、22hのみを点灯させることができる。
次に、上述したように、主発光点21に加えて独立に点灯制御可能な副発光点22e、22f、22g、22hを備えたこの実施の形態のレーザー装置におけるレーザーアレイ光源1′のレーザーアレイ基板20′に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け位置調整について説明する。この点が本発明に係るレーザー装置における大きな特徴である。
図10は、図1および図2のレーザー装置における図9の面発光型半導体レーザーアレイ光源であるレーザーアレイ光源1′のレーザーアレイ基板20′に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け位置調整を説明するために要部の縦断面を模式的に示している。
取り付け位置調整時には、図10に示すようにレーザーアレイ基板20の前方にマイクロレンズアレイ2を配置した状態で、マイクロレンズアレイ2の前方に100mm隔ててレーザービームの強度分布、すなわちビームプロファイルを検出するビームプロファイラBPを設置する。
取り付け位置調整に際しては、主発光領域MEの主発光点21は点灯せずに消灯状態としておき、副発光点22e、22f、22g、22hのみが点灯状態となるように点灯制御して、マイクロレンズアレイ2を透過した光を100mm離れたビームプロファイラBPによって検出し観察する。
この場合、マイクロレンズアレイ2は、XYZαβγの6軸、すなわちX:X軸方向のX座標、Y:Y軸方向のY座標、Z:Z軸方向のZ座標、α:X軸まわりの回転位置、β:Y軸まわりの回転位置、γ:Z軸まわりの回転位置、について調整されるが、これら6軸について、各副発光点22e、22f、22g、22hのプロファイルが所定のプロファイルパターンとなるように調整する。
図11は、レーザーアレイ基板20′に対するマイクロレンズアレイ2の取り付け位置調整を説明するための副発光点22e、22f、22g、22hによるビームプロファイルのプロファイルパターンの例を示している。マイクロレンズアレイ2の各方向の位置ずれに対するピームプロファイラーBPで検出されるプロファイルパターンにおける変化は、次のようになる。
XY方向:ビームプロファイル上のビーム位置XY
→XYがずれるとビームスポット位置が4点全体的に移動する。
Z方向:ビームプロファイル上のビーム径
→Zがずれるとコリメート状態が変化するため、ビームスポット径太りが発生する。
α方向(X軸まわり回転方向)、β方向(Y軸まわり回転方向):上下左右のビーム径の比
→α方向がずれると左右のビームバランスが崩れ、β方向がずれると上下のビーム径バランスが崩れる。
γ(Z軸まわり回転方向):上下左右のビーム位置関係
→γがずれると、4点のビームが回転して間隔も広がる。
図11に示すビームプロファイルのプロファイルパターンにおいて、(a)は、設計値、すなわち理想状態におけるプロファイルパターン、(b)は、X方向に3μmずれた場合のプロファイルパターン、(c)は、Y方向に3μmずれた場合のプロファイルパターン、(d)は、Z方向に15μmずれた場合のプロファイルパターン、(e)は、α方向に0.5°ずれた場合のプロファイルパターン、(f)は、β方向に0.5°ずれた場合のプロファイルパターン、そして(g)は、γ方向に0.1°ずれた場合のプロファイルパターンである。
上述したように、副発光点22e、22f、22g、22hのみを点灯させた状態のビームプロファイルのプロファイルパターンを観察することによって、数μmレベルの誤差も高感度で検出することができる。副発光点22e、22f、22g、22hのビーム径および位置に規格を設定しておき、規格内に入った位置状態でマイクロレンズアレイ2を接着固定するようにすれば、マイクロレンズアレイ2をレーザーアレイ基板20′に対して高精度に実装することができる。この場合の接着固定の手段は、紫外線硬化樹脂による接着であってもよいし、ハンダ溶着であってもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るレーザー装置の要部の構成について、図12および図13を参照して説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態に係るレーザー装置の外観構成を示しており、そして図13は、図12のレーザー装置の縦断面の構成を模式的に示している。図12および図13において、図1および図2と実質的に同様の部分には同符号を付して示している。
図12および図13に示すレーザー装置としてのレーザーモジュールは、レーザーアレイ光源1、マイクロレンズアレイ2、集光レンズ3、光ファイバ4、マウント5、熱拡散板6、ヒートシンク7、ハウジング8、保持部材9、リード線10およびペルチェ素子51を具備している。
図12および図13に示すレーザー装置は、面発光型半導体レーザーアレイを用いたレーザーモジュールである。レーザーアレイ光源1は、面発光型半導体レーザーによる発光点が多数集積された面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ基板20により構成している。レーザーアレイ光源1の前方には、レーザーアレイ光源1の各発光点に対応する位置にそれぞれマイクロレンズを形成してなるマイクロレンズアレイ2を配置している。
マイクロレンズアレイ2は、コリメータとして機能し、レーザーアレイ光源1の各発光点からのレーザー光をコリメートして緩い発散光束、すなわちほぼ平行光束とする。集光レンズ3は、マイクロレンズアレイ2から射出されるほぼ平行光束を集光して、光ファイバ4に入射させる。
面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ光源1のレーザーアレイ基板20は、マウント5を介して台座として銅等の熱伝導性の高い材料で形成された熱拡散板6の一方の面上に取着されており、熱拡散板6の他方の面には、ペルチェ素子51が、吸熱面を当接して取着されている。ペルチェ素子51の放熱面には、ヒートシンク7が取り付けられている。これら熱拡散板6、ペルチェ素子51およびヒートシンク7は、発熱するレーザーアレイ光源1(レーザーアレイ基板20)を放熱し冷却するために設けられている。
ハウジング8は、熱拡散板6上のレーザーアレイ光源1からマイクロレンズアレイ2および集光レンズ3を介して光ファイバ4に至る光学系を覆って設けられる。集光レンズ3は、ハウジング8に取着され、ハウジング8内のマイクロレンズアレイ2から、光ファイバ4の端面に至る光路に配置される。ハウジング8への光ファイバ4の接続部には保持部材9を設けて、接続部を密封し且つ光ファイバ4を保持している。また、レーザーアレイ光源1部分に対して外部との間で電気的に接続を行うリード線10は、ハウジング8の側壁を貫通して配設され、この貫通部分も適宜密封されている。すなわち、熱拡散板6とハウジング8は、密に結合されて、光ファイバ4の保持部材9およびハウジング8のリード線10の貫通部と共に、レーザーアレイ光源1からマイクロレンズアレイ2および集光レンズ3を介して光ファイバ4に至る光学系部分を密閉し且つ保護している。
図12および図13に示すレーザー装置において、レーザーアレイ光源1の各発光点から射出されたレーザー光は、マイクロレンズアレイ2の各マイクロレンズを個々に通ることによってコリメートされ、ほぼ平行光束として集光レンズ3に入射する。集光レンズ3によって集光されたレーザー光は、光ファイバ4の一端面に入射する。光ファイバ4の他端は、外部のレーザー使用機器、例えばレーザー加工機や、レーザーを利用したエンジン用の点火プラグ等に接続されており、光ファイバ4の一端に入射したレーザー光は、光ファイバ4によって、これらレーザー加工機あるいはエンジン点火プラグ等のような外部のレーザー使用機器に導かれ、利用される。上述したレーザーアレイ光源1、マイクロレンズアレイ2および集光レンズ3等の光学要素は、熱拡散板6、ハウジング8および保持部材9等によって密閉された空間内に配置される。
また、レーザーアレイ光源1を形成する面発光型半導体レーザーアレイ基板であるレーザーアレイ基板20は、高密度のレーザー発光に伴って高い発熱を生じるので、能動的な冷却手段が必要となる。
そのためレーザーアレイ光源1(レーザーアレイ基板20)の発熱は、マウント5および熱拡散板6を介して、熱拡散板6の背面に取着されたペルチェ素子51の吸熱面によって冷却される。そして、レーザーアレイ光源1における発熱は、ペルチェ素子51の放熱面に取り付けられたヒートシンク7によって、大気中に放熱される。このときヒートシンク7による大気中への放熱は、自然対流による放熱でも良いし、送風ファン等を用いた強制対流を用いてより強い放熱および冷却を行うようにしても良い。また、外気が充分に低温の場合等のように、ペルチェ素子51が必要でない場合は、図1および図2に示した第1の実施の形態に係るレーザー装置のように、熱拡散板6を直接ヒートシンク7で冷却するようにしても良い。
次に、上述した本発明の第2の実施の形態に係るレーザー装置を用いた本発明の第3の実施の形態に係る内燃機関の点火装置の要部の構成について、図14を参照して説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る内燃機関の点火装置としてのレーザー点火プラグシステムの構成を模式的に示している。
図14に示す点火装置としてのレーザー点火プラグシステムは、第2の実施の形態に係るレーザー装置に準じた構成を有するレーザー発光モジュール60を備えている。レーザー発光モジュール60は、図12および図13のレーザー装置とほぼ同様の、レーザーアレイ光源1、マイクロレンズアレイ2、集光レンズ3、光ファイバ4、熱拡散板6、ヒートシンク7、ハウジング8、保持部材9、リード線10およびペルチェ素子51を具備しており、レーザーアレイ光源1は、レーザーアレイ基板20を用いて構成している。
図14に示す点火装置としてのレーザー点火プラグシステムは、さらに、送風ファン61、電源装置62、点火プラグ63およびエンジン64を備えている。
このように構成した図14のレーザー点火プラグシステムにおいて、ハウジング8で覆われたレーザー発光モジュール60内のレーザーアレイ光源1のレーザーアレイ基板20から発振射出されたレーザー光は、コリメータとしてのマイクロレンズアレイ2によってコリメートされてほぼ平行光となり、集光レンズ3で集光されて光ファイバ4の入力端面に入射する。このレーザー光は、光ファイバ4によりレーザー発光モジュール60の外部に導かれて点火プラグ63に入射する。
この点火プラグ63は、Qスイッチ式のレーザー媒質を含むレーザー共振器を備えており、このレーザー共振器にレーザー光を照射してレーザー発振を生じさせてジャイアントパルスレーザーを発生させ、さらにこのパルスレーザー光を集光レンズ等の光学素子を用いてエンジン64の燃焼室内に集光する。点火プラグ63により集光されたジャイアントパルスのパルスレーザー光によってエンジン64の燃焼室内にエアブレイクダウンを発生させて、混合気に着火させることによってエンジン64を動作させる。
このような動作過程において、レーザーアレイ光源1を動作させることによりレーザーアレイ基板20が発熱する。加えて、エンジン64の周囲環境は、例えば80℃程度の高温となる。レーザーアレイ光源1は、高温下では寿命が短くなり、また、出力も低下してしまうため、冷却・排熱手段により周囲環境温度よりも低い状態で維持しながら駆動する必要がある。そこでレーザーアレイ光源1部分には、例えば銅等の熱伝導性の良い部材で構成される熱拡散板6により充分な吸熱面積を形成させ、ペルチェ素子51および空冷用のヒートシンク7によってレーザーアレイ光源1を周囲環境温度以下に維持するように冷却するようにする。さらに、ヒートシンク7に対して、送風ファン61によって送風し、気流を当てることによって、強制対流熱伝達を発生させて、ヒートシンク7の放熱性を高めることができる。
なお、上述した本発明の第3の実施の形態に係る点火装置は、上述した本発明の第2の実施の形態とほぼ同様の構成を有するレーザー装置を用いてレーザー発光モジュール60を構成したが、周囲環境温度が高くなければ、先に詳述した本発明の第1の実施の形態に相当する形態のレーザー装置、すなわちペルチェ素子51を用いないで熱拡散板6にヒートシンク7を直結した形態のレーザー装置を用いてレーザー発光モジュール60を構成しても良い。また、上述した本発明の第3の実施の形態では、内燃機関として燃焼ガスによってピストンを運動させるエンジン64、すなわちピストンエンジンを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ロータリーエンジン、ガスタービンエンジン、あるいはジェットエンジンを用いる場合にも本発明を適用することができる。要するに、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成するものであれば、どのような内燃機関にも本発明を実施することができる。
以上のような実施の形態および具体的な実施例によって、詳しく説明した本発明に係るレーザー装置、点火装置およびレーザー装置の調整方法の特徴とするところを、以下にまとめて説明する。
本発明に係るレーザー装置は、所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなるレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
を備え、
前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成とし、且つ
前記レンズアレイを前記面発光型レーザーアレイ基板に対応する位置に調整保持してなることを特徴としている(請求項1に対応する)。
このような構成により、主発光点とは独立に点灯制御される調整用の副発光点からのレーザービームを検知観察して、面発光型半導体レーザーアレイに対するマイクロレンズアレイの位置ずれを高精度に検知し且つ調整して、マイクロレンズアレイを高精度に実装することができる。
また、前記主発光点は、互いに等しい間隔A(μm)で分布配列され、
前記副発光点は、最も近傍の主発光点に対して前記間隔A(μm)よりも離れて配置され、
且つこれら複数の副発光点の相互間隔および前記主発光点の少なくとも1点からの間隔は、前記間隔A(μm)の整数倍であることが望ましい(請求項2に対応する)。
このような構成とすることにより、副発光点への配線の取り回し性の向上が可能となり、また、主発光点のピッチの倍数分で離して配置することで、主発光点のピッチで作られたマイクロレンズアレイを使用が可能となる。
また、前記レンズアレイのそれぞれのレンズ面は、前記間隔A(μm)の等ピッチで分布配列され、前記主発光点および前記副発光点の両方を含む範囲について有効であることが望ましい(請求項3に対応する)。
このように構成とすることにより、副発光点用にマイクロレンズアレイの配列を変える必要がなく、低コスト化につながる。
また、前記副発光点は、前記主発光点が分布配列される前記所定領域の外側に3点以上設けるようにしてもよい(請求項4に対応する)。
このように、3点以上副発光点をもつことで、マイクロレンズアレイを6軸調整することができる。1点の場合、XYZ方向は調整することができるが、各軸まわりのαβγ方向は調整することができない。6軸調整するには最低でも3点必要で、α成分とβ成分の切り分けをするには4点配置とすることが望ましい。
また、前記主発光点は、ほぼ円形の領域に分布配列され、
前記副発光点は、前記主発光点の有効な分布領域を内接円とする四角形内に配列することが望ましい(請求項5に対応する)。
このように構成することにより、円形に集光することができ、ファイバ等の効率が高く、また、チップを大きくしなくてすむ、という利点が得られる。
また、各副発光点の酸化狭窄径は、各主発光点の酸化狭窄径よりも小さいことが望ましい(請求項6に対応する)。
発光点は、光量を大きくするために酸化狭窄径を大きく取ることが望ましいが、副発光点は、プロファイルを確認するには酸化狭窄径が小さい方が望ましい。酸化狭窄径を小さくすることで、図11に示すような4点のビームプロファイルが小さくなり、分離しやすくなる、という利点が得られる。
また、前記副発光点の放射角は、前記主発光点の放射角よりも小さいことが望ましい(請求項7に対応する)。
何となれば、副発光点のプロファイルを確認するには、放射角が小さい方が、図11に示すような4点のビームプロファイルが小さくなり、分離しやすくなるからである。
また、前記レーザー装置と、
前記レーザー装置から入射される光に基づいて強いレーザーパルスを発生させるレーザー共振器とを具備し、
前記レーザー共振器のレーザーパルスによって内燃機関を点火するようにしてもよい(請求項8に対応する)。
上述したようなレーザー装置を、レーザー共振器によって入射し、ジャイアントパルスを発生させる装置を内燃機関に備えることで、レーザーによる点火装置を得ることができる。即ち、スイッチレーザーによってジャイアントパルスを発生しエアブレイクダウンによって気体を燃焼させることができる。
また、本発明に係るレーザー装置の調整方法は、所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなり、当該面発光型レーザーアレイ基板に対して直接または中間的な部材を介して接着保持されるレンズアレイと、
前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
を備え、
前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成としたレーザー装置の調整方法であって、
前記面発光型レーザーアレイ基板の前記副発光点のみを発光させて、
前記レンズアレイを少なくとも3軸において調整配置し、
前記レンズアレイ通過後のビーム径およびビーム位置が所定の径および位置になるように調整した後に
前記レンズアレイを接着保持することを特徴としている(請求項9に対応する)。
このように構成することにより、主発光点とは独立に点灯制御される調整用の副発光点からのレーザービームを検知観察して、面発光型半導体レーザーアレイに対するマイクロレンズアレイの位置ずれを高精度に検知し且つ調整して、マイクロレンズアレイを高精度に実装することができる。
1,1′ レーザーアレイ光源
2 マイクロレンズアレイ
3 集光レンズ
4 光ファイバ
5 マウント
6 熱拡散板
7 ヒートシンク
8 ハウジング
9 保持部材
10 リード線
20,20′ レーザーアレイ基板
21 主発光点
22a,22b,22c,22d,22e、22f、22g、22h 副発光点
51 ペルチェ素子
60 レーザー発光モジュール
61 送風ファン
62 電源装置
63 点火プラグ
64 エンジン
AB 接着剤
BP ビームプロファイラ
ME 主発光領域
特開2002−202442号公報 特開2003−158332号公報 特開平10−284779号公報 特開2002−26452号公報 特開2013‐142730号公報 特開2005−251972号公報

Claims (9)

  1. 所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
    前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなるレンズアレイと、
    前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
    を備え、
    前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
    前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成とし、且つ
    前記レンズアレイを前記面発光型レーザーアレイ基板に対応する位置に調整保持してなることを特徴とするレーザー装置。
  2. 前記主発光点は、互いに等しい間隔A(μm)で分布配列され、
    前記副発光点は、最も近傍の主発光点に対して前記間隔A(μm)よりも離れて配置され、
    且つこれら複数の副発光点の相互間隔および前記主発光点の少なくとも1点からの間隔は、前記間隔A(μm)の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー装置。
  3. 前記レンズアレイのそれぞれのレンズ面は、前記間隔A(μm)の等ピッチで分布配列され、前記主発光点および前記副発光点の両方を含む範囲について有効であることを特徴とする請求項2に記載のレーザー装置。
  4. 前記副発光点は、前記主発光点が分布配列される前記所定領域の外側に3点以上設けられることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレーザー装置。
  5. 前記主発光点は、ほぼ円形の領域に分布配列され、
    前記副発光点は、前記主発光点の有効な分布領域を内接円とする四角形内に配列されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレーザー装置。
  6. 各副発光点の酸化狭窄径は、各主発光点の酸化狭窄径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレーザー装置。
  7. 前記副発光点の放射角は、前記主発光点の放射角よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレーザー装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項のレーザー装置と、
    前記レーザー装置から入射される光に基づいて強いレーザーパルスを発生させるレーザー共振器とを具備し、
    前記レーザー共振器のレーザーパルスによって内燃機関を点火することを特徴とする点火装置。
  9. 所定領域に分布配列される複数の主発光点と前記所定領域に関連して配置される複数の副発光点とからなる面発光型の発光点が2次元的に配列されてなる面発光型レーザーアレイ基板と、
    前記面発光型レーザーアレイ基板の前記各発光点に対応する位置にそれぞれレンズ面が形成されてなり、当該面発光型レーザーアレイ基板に対して直接または中間的な部材を介して接着保持されるレンズアレイと、
    前記レンズアレイから射出される複数の光束を集光する集光光学系と、
    を備え、
    前記複数の主発光点を一律に点灯制御し、
    前記副発光点を前記主発光点とは独立に点灯制御する構成としたレーザー装置の調整方法であって、
    前記面発光型レーザーアレイ基板の前記副発光点のみを発光させて、
    前記レンズアレイを少なくとも3軸において調整配置し、
    前記レンズアレイ通過後のビーム径およびビーム位置が所定の径および位置になるように調整した後に
    前記レンズアレイを接着保持することを特徴とするレーザー装置の調整方法。
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