JP6485181B2 - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦ローラ式減速機に関する。
近年普及し始めている電気自動車の利便性を向上させるべく、充電1回当りの走行可能距離を長くする為に、電動モータの効率向上が強く要望されている。電動モータの効率を向上させるには、高速回転する小型の電動モータを使用し、モータ出力軸の回転を減速してから車両の駆動輪に伝達することが望ましい。その場合、モータ出力軸に接続される減速機は、運転速度が非常に速くなり、振動や騒音を発しやすくなる。そこで、運転時の振動や騒音を抑える為に、摩擦ローラ式減速機を使用することが考えられている。従来の摩擦ローラ式減速機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された摩擦ローラ式減速機200は、図13に示すように、入力軸111と、出力軸113と、サンローラ117と、リングローラ119と、複数個の中間ローラ121と、ローディングカム機構123と、リングローラ119と出力軸113とを連結する連結部133とを備える。入力軸111は、ハウジング125に設けられた転がり軸受127と、出力軸113の軸受孔部129に設けられた転がり軸受131によって回転自在に支持されている。出力軸113は、ハウジング125の内周部に設けられた転がり軸受135によって回転自在に支持されている。
サンローラ117は、軸方向に分割された一対のサンローラ素子137A,137Bを有する。サンローラ素子137Aは、入力軸111に対する軸方向移動と相対回転とを可能に配置されている。サンローラ素子137A,137Bは、互いに対面し合う先端面から軸方向外側に向かうに従って、外径が大きくなる傾斜面を有し、これら傾斜面が中間ローラ19との転がり接触面となる。つまり、サンローラ117全体としての転がり接触面の外径は、軸方向中間部で小さく、軸方向両端部に向かうに従って大きくなっている。
リングローラ119は、サンローラ117の径方向外側に、サンローラ117と同心に配置された円環状のローラである。また、リングローラ119の外周部は、動力伝達部139を介して連結部133と接続され、出力軸113と一体に回転する。
動力伝達部139は、図14に示すように、連結部133の円筒部141に軸方向に沿って形成された複数の凹溝143と、リングローラ119の外周部の複数箇所に径方向外側に突出して形成された複数の突起145と、を有する。これらの突起145が、円筒部141の凹溝143に対して、周方向のがたつきなく係合することで、リングローラ119と連結部133(出力軸113)との間でトルク伝達が可能になっている。
図13に示す中間ローラ121は、支持軸147に回転自在に支持され、凸曲線の外周面を有する。中間ローラ121は、それぞれサンローラ117の外周面とリングローラ119の内周面とに転がり接触する。
ローディングカム機構123は、サンローラ素子137Aのサンローラ素子137Bとは反対側の端部に配置されている。サンローラ素子137Aのカムリング149と対面する基端面と、カムリング149のサンローラ素子137Aに対面する片側面とには、図15に示すように、円周方向に沿った複数箇所に、サンローラ素子137A側の被駆動側カム面153と、カムリング149側の駆動側カム面155を設けてある。これらのカム面155,153の間には玉157がそれぞれ配置される。各カム面153,155は、それぞれ軸方向に関する深さが、円周方向両端部に向かうに従って漸次浅くなる形状を有する。
上記構成のローディングカム機構123は、入力軸111が停止している状態では、各玉157が、図15のA−A断面図である図16(A)に示すように、各カム面153,155の最も深くなった部分に位置する。入力軸111が回転駆動されると、各玉157が、図16(B)に示すように、各カム面153,155の浅くなった部分に移動する。すると、サンローラ素子137Aとカムリング149との間隔Lcが拡がり、サンローラ素子137Aは、サンローラ素子137Bに向けて押圧された状態で回転駆動される。
つまり、入力軸111に回転トルクが入力されていない状態では、図17(A)に示すように、ローディングカム機構123の各玉157が、各カム面153,155の底部もしくは底部に近い側に存在する。そして、図17(B)に示す摩擦ローラ式減速機の運転時には、ローディングカム機構123が発生する軸方向の推力により、サンローラ素子137Aが軸方向に変位する。すると、中間ローラ121、リングローラ119も軸方向に変位して、サンローラ117の外周面と、各中間ローラ121の外周面を始めとする、入力軸111と出力軸113との間に存在する、動力伝達に供される複数の転がり接触部で接触面圧が上昇する。
特許第4948968号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される摩擦ローラ式減速機200では、ローディングカム機構123がサンローラ117側に配置される。そのため、図13に示す入力軸111の回転中心から、サンローラ素子137A,137Bの外周面と中間ローラ121の外周面との転がり接触領域(接触楕円)までの回転半径が短く、転がり接触部における接触領域の軸方向両端の半径距離と中央部の半径距離との差に応じて周速差が大きくなる。その結果、転がり接触部で滑りが生じ、摩擦ローラ式減速機の動力伝達効率を低下させていた。
一方、図示は省略するが、ローディングカム機構をリングローラ側に設けた摩擦ローラ式減速機が知られている。この減速機では、ローディングカム機構をリングローラ側に設けることにより、入力軸の回転中心から、リングローラの内周面、及び各中間ローラの外周面の各転がり接触部までの回転半径を長くできる。これにより、転がり接触部における接触領域の軸方向両端と中央部との半径距離差を、その半径距離に対して小さくでき、発生する周速差を小さく抑えることができる。
ところが、リングローラ側にローディングカム機構を配置した摩擦ローラ式減速機では、リングローラと連結部(出力軸)との動力伝達が、図14に示すようにリングローラ119の外周面に形成された突起145と、連結部133の円筒部141に形成された凹溝143との係合により行われる。そのため、係合部分に摺動による摩耗が発生する問題がある。即ち、リングローラ119の突起145と円筒部141の凹溝143とは、双方の間に軸方向移動代を有して係合している。リングローラ119に軸方向推力が発生すると、回転方向への動力伝達荷重と軸方向推力とが同時に突起145及び凹溝143に作用して、突起145と凹溝143とが摺動して磨耗する。
また、突起145及び凹溝143の特に磨耗の原因となる軸方向推力は、組立誤差により生じる芯ずれなどにより発生する。また、リングローラ119と中間ローラ121との転がり接触部が、リングローラ119の周方向の一部分に集中するため、リングローラ119と中間ローラ121の回転軸が相対傾き(スキュー)を持ちやすい。この軸心の傾きによっても軸方向荷重を生じてしまう。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、各転がり接触部での摩擦損失が小さく、且つ出力軸の連結部とリングローラとの係合部における摺動による摩耗を防止できる摩擦ローラ式減速機を提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
(1)入力軸と同心に配置されたサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されたリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、各ローラの転がり接触面の接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記リングローラは、前記入力軸の軸方向に並設される一対のリングローラ素子からなり、少なくとも一方は前記軸方向に移動自在な可動リングローラ素子であり、各リングローラ素子の内周面は、リングローラ素子同士が互いに対向する対向側端面から前記軸方向の反対側の外側端面に向かうほど内径が小さくなる傾斜面にされ、
前記連結部は、前記出力軸と接続される基端部と、該基端部から延設され前記一対のリングローラ素子を保持するローラ保持部とを有し、
前記ローディングカム機構は、該可動リングローラ素子の外側端面の円周方向に沿った複数箇所に設けられた第1カム溝と、前記可動リングローラ素子の外側端面に対面配置され前記第1カム溝に対応する複数箇所に第2カム溝が設けられたカムリングと、前記第1カム溝と前記第2カム溝との間にそれぞれ挟持される複数の転動体と、を有し、前記第1カム溝と前記第2カム溝は、それぞれ前記軸方向の深さが円周方向に沿って漸次変化して、カム溝の円周方向端部に向かうに従って浅くなる形状にされており、
前記ローラ保持部は、内周部に前記軸方向に沿った凹溝が形成され、
前記一対のリングローラ素子と前記カムリングのうち、前記可動リングローラ素子を除いた残りの部材の外周部に、前記凹溝と係合する突起が形成されたことを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
(2)前記連結部は、前記基端部に、前記入力軸と同心で前記軸方向と平行な周面が形成された第1段付部を有し、
前記カムリングは、リング中心と同心で前記第1段付部の周面に嵌合する周面が形成された第2段付部を有することを特徴とする(1)に記載の摩擦ローラ式減速機。
本発明の摩擦ローラ式減速機によれば、リングローラを軸方向移動させるローディングカム機構をリングローラ側に設けて、転がり接触面における摩擦損失を低減できる。また、一対のリングローラ素子とカムリングのうち外周部に突起が形成された部材におけるその突起と、ローラ保持部の凹溝とを軸方向に摺動させることなく、入力軸と出力軸との間で回転トルクを伝達でき、突起と凹溝の摺動による磨耗を防止できる。
また、本発明の摩擦ローラ式減速機によれば、連結部の基端部の外周部に設けた第1段付部と、カムリングに設けた第2段付部とが嵌合することにより、カムリング外周部の突起の存在によらずに、それぞれの軸心位置を高精度に合わせることができる。また、連結部の基端部にカムリングが嵌合し、ローラ保持部には嵌合しないため、ローラ保持部内径の精度を高める必要がない。そのため、塑性加工等で加工したローラ保持部と、切削加工等で加工した基端部とを溶接するといった低コストな工法で連結部を作製しても、軸心ずれの発生を確実に防止できる。
本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図である。 図1に示す摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。 摩擦ローラ式減速機の連結部内に収容される各部材の分解斜視図である。 連結部とカムリングとの係合状態を示す一部拡大断面図である。 連結部のスリット孔からトラクション油が排出される状態を示す部分断面図である。 他の構成例のキャリアの分解斜視図である。 図6のV方向から見たキャリアの側面図である。 図7のP−P線断面図である。 噴射口となる給油溝の形状を示すキャリアの一部拡大斜視図である。 噴射口となる給油溝の第1変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。 噴射口となる給油溝の第2変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。 噴射口となる給油溝の第3変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。 従来の摩擦ローラ式減速機の断面図である。 動力伝達部の分解斜視図である。 ローディングカム機構のカム面を示すカムリングの平面図である。 図15のA−A断面図であって、ローディングカム機構が推力を発生していない状態(A)と、推力を発生している状態(B)とをそれぞれ示す断面図である。 ローディングカム機構の作用に基づいて中間ローラが変位する状況を、トルクの非伝達時(A)と伝達時(B)とで示す摩擦ローラ式減速機の模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<摩擦ローラ式減速機の構成>
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図、図2は摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。図1及び図2に示すように、摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11と同心に配置されるサンローラ15と、リングローラ17と、複数の中間ローラ19と、リングローラ17と出力軸13とを連結する連結部21と、ローディングカム機構23と、を有する。これらサンローラ15、リングローラ17、複数の中間ローラ19、連結部21、及びローディングカム機構23は、ハウジング77内に収納されている(図5参照)。また、入力軸11及び出力軸13は、不図示の転がり軸受によってハウジング77に回転自在に支持されている。
サンローラ15は、図2に示す入力軸11の一端に設けられた中実構造のローラである。このサンローラ15は、入力軸11を切削、研削加工することで入力軸11と一体に形成されている。
リングローラ17は、軸方向に並設された一対のリングローラ素子であって、固定リングローラ素子27と、軸方向に移動自在な可動リングローラ素子29とを有する。これら各リングローラ素子27,29は、カップ状の連結部21の内側に収容された状態でサンローラ15の外周側にサンローラ15と同心に配置されている。
固定リングローラ素子27及び可動リングローラ素子29の内周面は、各リングローラ素子27,29同士が互いに対向する対向側端面24から軸方向反対側の外側端面に向かうに従って内径が小さくなる傾斜面となっている。これら各傾斜面は、中間ローラ19が転動する転がり接触面となる。固定リングローラ素子27は、外周部の複数箇所に径方向に突出する複数(図示例では3個)の突起28が形成されている。
複数の中間ローラ19は、それぞれ不図示のニードル軸受を介して支持軸(自転軸)31に回動自在、且つ軸方向に変位可能に支持されて、サンローラ15の外周面とリングローラ17の内周面との間に配置されている。
支持軸31の両端は、図2に示すローラホルダ32を介してキャリア33に支持されている。また、ローラホルダ32は、中間ローラ19を入力軸の径方向に移動(揺動)可能にキャリア33に支持されている。キャリア33は、図示しないモータ本体に締結部材35によって固定される。
各中間ローラ19の外周面は、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凸曲線であり、それぞれサンローラ15の外周面とリングローラ17の内周面に転がり接触する。
連結部21は、略円板状に形成され中心部が出力軸13に連結される基端部37と、基端部37の外周縁から軸方向に延設され、内径側にリングローラ17が保持される円筒状のローラ保持部39と、を有する。
ローラ保持部39の内周部には、複数のトルク伝達用の凹溝43が軸方向に沿って形成されている。また、ローラ保持部39の基端部37とは反対側の端部の内周部には、円周方向全周にリング溝45が形成されている。このリング溝45には略円環状の止め輪47が嵌入されている。止め輪47は、固定リングローラ素子27を軸方向に位置規制して、ローラ保持部39から固定リングローラ素子27が脱落することを防止する。
そして、固定リングローラ素子27の突起28が、ローラ保持部39の凹溝43に回転方向のがたつきがない状態で係合し、回転トルクの伝達を可能にしている。また、詳細は後述するが、ローラ保持部39には、径方向に貫通する複数のスリット孔75が形成されている。
連結部21の基端部37は、例えば、旋盤加工等の切削加工により形成され、ローラ保持部39は、プレス成形などの塑性加工により形成される。これら基端部37とローラ保持部39とを単体で形成した後、双方を接合することで、低コストで軸芯を高精度に合わせた状態に製造できる。また、基端部37とローラ保持部39は、ビーム溶接で接合処理される。これにより、狭幅のビードで、しかも短時間で加熱接合でき、熱歪を最小限に抑えて芯ずれの発生が抑制可能となる。
図3に連結部21内に収容される各部材の分解斜視図を示す。連結部21のローラ保持部39の内部には、基端部37側から、波板状の予圧スプリング67、カムリング49、転動体である玉51、可動リングローラ素子29、固定リングローラ素子27、止め輪47がこの順で挿入されて、ローラ保持部39に組み付けられている。
<ローディングカム機構>
次に、ローディングカム機構について説明する。
図2に示す可動リングローラ素子29と、可動リングローラ素子29の外側端面側にのみ対面配置されたカムリング49と、転動体である玉51は、ローディングカム機構23を構成する。このローディングカム機構23は、サンローラ15、リングローラ17、及び中間ローラ19の各転がり接触面の接触面圧を変更する。
図3に示すように、可動リングローラ素子29の外側端面には、円周方向に沿って複数の第1カム溝53(図示例では周方向に沿って等間隔な3箇所)が形成されている。カムリング49は、第1カム溝53に対応する円周方向位置に複数の第2カム溝55(図示例では周方向に沿って等間隔な3箇所)が形成されている。これら第1カム溝53と第2カム溝55との間に、それぞれ玉51が挟持される。
第1カム溝53及び第2カム溝55は、前述した図15、図16(A),(B)に示すように、それぞれ軸方向の溝深さが円周方向に沿って漸次変化して、軸方向の溝深さが円周方向に関して中央部で最も深く、カム溝53,55の円周方向端部に向かうに従って漸次浅くなる形状となっている。
カムリング49は、その外周部から径方向外側に突出する複数(図示例では3個)の突起61を有する。これらカムリング49の突起61及び固定リングローラ素子27の突起28は、それぞれローラ保持部39の凹溝43に係合する。
本構成のローディングカム機構23は、図6に示す被駆動側カム面153を備えるサンローラ素子137A、駆動側カム面155を備えるカムリング149、各カム面153,155間に配設される複数個の玉157を含んで構成された従来のローディング機構と基本的な動作原理は同一である。ただし、ローディングカム機構がリングローラ側に配設された点で異なっている。
<連結部と、カムリング及びリングローラとの係合>
図4に連結部21とカムリング49との係合状態を示す一部拡大断面図を示す。カムリング49は、出力軸側の外側端面に、外径側の一部を環状に切欠いた切欠き部63が形成されており、この切欠き部63に予圧スプリング67が装着される。基端部37の内側面には、入力軸11と平行な内周面を有する第1段付部41が形成されている。また、カムリング49の外側端面には、リング中心と同心に形成され、連結部21の基端部37の第1段付部41と軸方向に沿って嵌合する外周面を有する第2段付部65が、軸方向に突出して形成されている。
カムリング49と連結部21とは、第1段付部41と第2段付部65とがインロー嵌合することによって、双方の軸心が高精度に合わせられる。これにより、可動リングローラ素子29の軸心位置も、カムリング49を介して、カムリング49及び連結部21と正確に一致した状態となる。
また、図2に示す固定リングローラ素子27は、中間ローラ19によって径方向に位置決めされる。中間ローラ19は、入力軸11と同心のサンローラ15によって径方向に位置決めされ、入力軸11と出力軸13とは同心に配置されているため、サンローラ15、リングローラ17、及びカムリング49は、各軸心が正確に一致した状態となる。
カムリング49の外周面に突起が存在すると、カムリング49の外周面にインロー嵌合のための円筒面を設けることが困難となる。そこで本構成のように、カムリング49の側面に第2段付部65を設けることで、位置決めと動力伝達とをカムリング49の別々の部位に担わせることができ、双方の機能を互いに妨げることなく発揮させることが可能となる。
また、カムリング49は、切欠き部63によって連結部21の基端部37の内側面69との間に環状空間71が形成される。この環状空間71に予圧スプリング67が配置され、予圧スプリング67によってカムリング49は基端部37とは軸方向反対側に付勢される。この状態で、円環状の第2段付部65が基端部37に形成された環状の第1段付部41に嵌合する。
第1段付部41と第2段付部65との係合代La(係合可能な最大長)は、予圧スプリング67の弾性変形代Lb(予圧スプリング67が縮退可能な最大長)よりも長く設定されている。したがって、カムリング49が、予圧スプリング67の弾性力により基端部37とは反対側(可動リングローラ素子29側)に押圧されても、第1段付部41と第2段付部65との嵌合が解除されることはない。
この第1段付部41と第2段付部65とが嵌合することによって、連結部21とカムリング49との同軸性を確保した状態で予圧スプリング67を圧縮できる。したがって、カムリング49を基端部37に組み付ける際、予圧スプリング67がカムリング49と基端部37との間から外れることを防止でき、カムリング49と予圧スプリング67を連結部21に組み付ける組立性を向上できる。
<摩擦ローラ式減速機の作用効果>
次に、上記構成のローディングカム機構23を備える摩擦ローラ式減速機100の作用を説明する。
図2に示す入力軸11が停止している状態では、各玉51は、図16(A)に示すように、各カム溝の最も深くなった部分に位置する。この状態では、カムリング49は、予圧スプリング67の弾性力により、可動リングローラ素子29側に向けて押圧されている。
ここで、入力軸11が回転駆動されると、各玉51が、図16(B)に示すように、各カム溝の浅くなった部分に移動し、可動リングローラ素子29を固定リングローラ素子27に向けて押圧する。
このとき、カムリング49には押圧力の反力が作用するので、カムリング49は予圧スプリング67を押し潰しながら押圧方向とは逆方向に移動する。そして、第2段付部65の外側面73が、基端部37の内側面69に当接して、カムリング49の軸方向位置が規制される。予圧スプリング67の弾性変形代Lbは、可動リングローラ素子29の移動量と比較すると僅かであり、また予圧スプリング67が弾性変形して摺動するのは低トルク領域であり、このときのトルク伝達部の接触面圧は低い。そのため、凹溝43との摺動による摩耗の影響は殆どない。
図2に示すローディングカム機構23が発生する軸方向の推力により、固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29との間隔が縮まる。すると、固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29により構成されるリングローラ17の内周面と、各中間ローラ19の外周面との転がり接触部における接触面圧が上昇する。この接触面圧の上昇に伴って各中間ローラ19の外周面とサンローラ15の外周面との転がり接触部の接触面圧も上昇する。その結果、入力軸11と出力軸13との間に存在する複数の転がり接触部の接触面圧が、入力軸11と出力軸13との間で伝達すべきトルクが大きくなるほど上昇する。
入力軸11が回転駆動された状態では、入力軸11の回転が、サンローラ15から各中間ローラ19に伝達され、各中間ローラ19が支持軸31を中心として自転する。そして、各中間ローラ19の自転によってリングローラ17が回転し、固定リングローラ素子27の突起28がローラ保持部39の凹溝43に係合することで、ローラ保持部39と接続される出力軸13が回転する。
このとき、各転がり接触部の接触面圧は、入力軸11と出力軸13との間で伝達すべきトルクの大きさに応じた適正なものとなり、各転がり接触部で過大な滑りの発生や、各転がり接触部の接触面圧が過大になることに伴う転がり抵抗の増大が防止される。
また、入力軸11と出力軸13との間にトルクが伝達されている間、固定リングローラ素子27は、止め輪47に当接して軸方向位置が規制され、且つカムリング49は、第2段付部65の外側面73と基端部37の内側面69とが当接することで軸方向位置が規制される。つまり、突起28を有する固定リングローラ素子27、及び突起61を有するカムリング49は、凹溝43と係合して回転動力が伝達され、軸方向には実質的に変位しない。
したがって、固定リングローラ素子27の突起28及びカムリング49の突起61と、凹溝43との係合部での摺動はなく、係合部で磨耗が生じることを防止できる。また、リングローラ17の回転中心から、リングローラ17の各内周面と、各中間ローラ19の外周面との転がり接触部までの半径距離が長いので、転がり接触領域(接触楕円)の両端における周速差を小さく抑えることができる。この結果、転がり接触部での摩擦損失が低減して高効率でトルク伝達することができる。
<トラクション油の循環>
本構成の摩擦ローラ式減速機100は、変速機内部でトラクション油が循環されている。サンローラ15、リングローラ17、複数の中間ローラ19、及びローディングカム機構23は、連結部21の内側に収容されており、供給されたトラクション油が連結部21の内部で滞留する可能性がある。その場合、連結部21の外部に配置される各機構部の潤滑が不十分となり、トラクション油の撹拌抵抗が増大してトルク伝達効率が低下することにも繋がる。
そこで、本構成の摩擦ローラ式減速機100は、図5に示すように、連結部21のローラ保持部39に、径方向に貫通する複数のスリット孔75を形成している。転がり接触部に供給され潤滑したトラクション油は、複数のスリット孔75を通じて径方向外方に排出される。摩擦ローラ式減速機100は、その外側がハウジング77で覆われており、ローラ保持部39から排出されたトラクション油は、このハウジング77内の所定位置で回収されて、再び転がり接触部に循環供給される。
このため、減速機運転時におけるトラクション油の撹拌抵抗によってトルク伝達効率が低下することはない。また、スリット孔75を形成したことにより、ローラ保持部39が軽量化されて運転初期の慣性抵抗を下げる効果や、スリット孔75を通じてローラ保持部39内が視認可能となりメンテナンス性を向上する効果が得られる。
連結部21は、基端部37とローラ保持部39との2部品で構成し、基端部37とローラ保持部39とをそれぞれを個別に作製した後に、相互に接合するものである。そのため、仮にローラ保持部39が溶接等により歪んでも、カムリング49とインロー嵌合させる第1段付部41が基端部37に設けられるので、歪みの影響を受けることがない。また、ローラ保持部39に形成する複数のスリット孔75は、基端部37との接合前にプレス成形等の孔加工により簡単に設けることができる。この孔加工によってローラ保持部39の内径精度が低下しても、これが軸心位置に影響を及ぼすことはない。上記の接合によって、連結部21を安価に製造できる。
更に、可動リングローラ素子29やカムリング49は、それらの外径面をインロー嵌合させる部位に用いていないため、連結部21のローラ保持部39の内径精度は特に高める必要はない。これによっても製造コストを低減できる。
なお、本構成の固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29は、複数の中間ローラ19を介してサンローラ15によって軸方向位置が決定される構造となっている。これに代えて、固定リングローラ素子27及び可動リングローラ素子29を出力軸13、即ち連結部21を基準として位置決めすることもできる。
その場合には、可動リングローラ素子29とカムリング49との間、及び固定リングローラ素子27と連結部21との間に、凹部と凸部との嵌合により位置合わせされるインロー嵌合部をそれぞれ設ければよい。この構成によれば、ローラ保持部39のリング溝45と、リング溝45よりも先端側の内径面だけを高精度に加工することで済み、連結部21の内径加工を必要最小限に抑えることができる。
<その他の構成>
本構成の摩擦ローラ式減速機100は、一対のリングローラ素子の片側のみを可動リングローラ素子としているが、双方のリングローラ素子を可動リングローラ素子として、ローディングカム機構を、双方のリングローラ素子に対してそれぞれ設けた構成としてもよい。その場合には、各ローディングカム機構のカムリングに、連結部21のローラ保持部39に形成された凹溝43に係合する突起をそれぞれ設け、この突起により、連結部21とリングローラ17及び中間ローラ19との間で回転トルクの伝達を行う。つまり、一対のリングローラ素子は、いずれも可動リングローラ素子となるので、前述の突起28を設けない構成にする。この構成によれば、双方のリングローラ素子がそれぞれ回転トルクによって凹溝43と摺動することなく軸方向へ移動可能となる。そのため、伝達トルクの変化により可動リングローラがそれぞれ軸方向へ均等に変位し、中間ローラの軸方向移動を抑制できる。このため、より高いトルク伝達効率を得ることができる。
<トラクション油の供給油路についての他の構成例>
次に、上記の摩擦ローラ式減速機100におけるトラクション油の供給油路についての他の構成例について説明する。本構成においては、キャリア33A内にサンローラ15及びリングローラ17にトラクション油を供給するトラクション油供油路が形成される。
図6はキャリア33Aの分解斜視図、図7は図6のV方向から見たキャリア33Aの側面図、図8は図7のP−P線断面図である。なお、前述した部材と同一又は対応する部材については、同一の符号を付与することでその説明を省略又は簡単化する。
図6に示すように、キャリア33Aは、第1キャリア部材81と、第2キャリア部材83とを有する。第1キャリア部材81と第2キャリア部材83は、円輪状の底部85と、底部85の円周方向に等間隔となる複数箇所(図示例では3箇所)に立設された柱部87とをそれぞれ有する。
第1キャリア部材81と第2キャリア部材83の各柱部87は、軸方向に沿って挿通孔89,91が貫通される。各挿通孔89,91には、図示しないボルトが挿通される。挿通孔89,91に挿入されたボルトは、各柱部87の対応する先端同士を互いに突き当てた状態にして、キャリア33Aを図示しないモータ本体に固定する。
図7に示すように、円周方向に並ぶ柱部87同士の間には、中間ローラ19を支持する揺動ホルダ32Aが配置される。図8に示すように、揺動ホルダ32Aの一方の軸受部93は、第1キャリア部材81の底部85に形成された軸穴97に回転自在に挿入され、他方の軸受部95は、第2キャリア部材83の底部85に形成された軸穴99に回転自在に挿入される。
これら第1キャリア部材81と第2キャリア部材83の各柱部87は、柱部87同士の突き当て位置が、サンローラ15と中間ローラ19との接触点と軸方向に関して一致している。
本変形例の摩擦ローラ式減速機100は、リングローラ17側にローディングカム機構を有する。リングローラ17は、一対のリングローラ素子27,29からなり、中間ローラ19との接触点は2点となる。また、サンローラ15は、ローディングカム機構を有さない単一部品であり、中間ローラ19との接触点は1点となる。
これらの接触点には、第1キャリア部材81と第2キャリア部材83に形成された油路を通じて、トラクション油が供給される。第1キャリア部材81の柱部87には、軸方向に沿ってそれぞれ貫通する第1サンローラ側油路101と、第1リングローラ側油路102とが形成される。
第2キャリア部材83の柱部87には、第1サンローラ側油路101に連通する第2サンローラ側油路103と、第1リングローラ側油路102に連通する第2リングローラ側油路104が形成される。
第1キャリア部材81と第2キャリア部材83の少なくとも一方には、図9に示すように、柱部87の先端に給油溝105A,105Bが形成される(本構成においては、一例として第2キャリア部材83に形成している)。給油溝105A,105Bは、サンローラ15と中間ローラ19との接触点に向かって形成され、第1キャリア部材81の柱部87と第2キャリア部材83の柱部87とが接合されることで、トラクション油の油路が形成される。
また、図8に示すように、第1リングローラ側油路102と第2リングローラ側油路104には、それぞれ連通孔106A,106Bが接続される。連通孔106Aは、柱部87の第1リングローラ側油路102から可動リングローラ素子29のトラクション面に向かって形成される。また、連通孔106Bは、柱部87の第2リングローラ側油路104から固定リンググローラ素子27のトラクション面に向かって形成される。
上記の第1サンローラ側油路101と第1リングローラ側油路102には、図示しないトラクション油供給部からのトラクション油が、それぞれ底部85側から供給される。
第1サンローラ側油路101及び第2サンローラ側油路103に供給されたトラクション油は、図7に示すように、給油溝105A,105Bから噴射される。すなわち、給油溝105Aの先端のトラクション油噴射口からは、サンローラ15と中間ローラ19との接触点Q1に噴射される。給油溝105Bの先端のトラクション油噴射口からは、接触点Q2に噴射される。同様に他の柱部87の給油溝105A,105Bからも接触点Q1,Q2,Q3に向けてトラクション油が噴射される。
第1リングローラ側油路102及び第2リングローラ側油路104に供給されたトラクション油は、連通孔106A,106Bを通じてリングローラ17に噴射される。すなわち、連通孔106A先端のトラクション油噴射口からは、可動リングローラ素子29のトラクション面にトラクション油が噴射され、連通孔106B先端のトラクション油噴射口からは、固定リングローラ素子27のトラクション面にトラクション油が噴射される。
給油溝105A,105Bは、サンローラ15と中間ローラ19との接触点と同じ軸方向位置に設けられる。また、連通孔106A,106Bは、それぞれリングローラ素子27,29の中間ローラ19との接触点と同じ軸方向位置に設けられる。これにより、各トラクション油吐出口からのトラクション油を上記接触点に効率よく供給でき、摩耗の軽減や冷却性の向上に寄与できる。上記構成によれば、サンローラ側にトラクション油を供給する噴射口の加工が容易になり、噴射口の直径を任意の径に設定できる。
ところで、噴射口のレイアウトに関しては種々のものがある。例えば、特開2013−104514に記載される遊星ローラ減速機のトラクション油供給方法においては、噴射口がサンローラと中間ローラとの接触点に向けて配置されている。この噴射口のレイアウトにおいては、サンローラ側にトラクション油を供給する油路が、キャリアの外径側から内径側に向かって穿設された貫通孔からなる。この貫通孔のキャリア内径側には噴射口が形成され、キャリア外径側には止め栓が圧入される。油路をこのように構成にするのは、キャリアの内径側からの孔加工がツール干渉によって困難なためである。しかし、上記公報の油路の構成においては、次のような課題がある。
まず、キャリア外径側から内径側に向かって貫通孔を加工する必要があるため、加工ツールが長く、小径孔の加工が困難である。そのため、噴射速度や噴射量の都合上、噴射口を細くしたい場合には、調整用の絞り等を別途に孔口元部に追加する必要がある。また、貫通孔には止め栓が必要となり、部品点数が増加すると共に、止め栓の組み付け工程も必要になる。更に、キャリア外径側から内径側に向かう貫通孔は、他の油路や取り付け穴との干渉を避けるため、噴射口の向きに制約が生じる場合がある。
その点、本構成の摩擦ローラ式減速機100においては、トラクション油を、中間ローラ19とサンローラ15との接触点近傍に向けて供給する噴射口が、柱部87の先端に設けられる。この噴射口は、柱部87の先端面に形成される溝状の油路で構成される。
このような構造にすることで、上述したように、噴射口の加工が容易になると共に、他の油路や、取り付け穴との干渉を容易に回避できる。そのため、噴射口の設計自由度が向上し、噴射口を任意の向きに設けやすくなる。また、キャリア外径側からの一定深さまでの孔加工は比較的容易であり、リングローラ側にトラクション油を供給する噴射口は、任意の位置に設けることができる。
更に、摩擦ローラ式減速機100は、ローディングカム機構をリングローラ側に有した構成であるため、サンローラと中間ローラとの接触点が1つになる。一方、上記公報の減速機の場合、ローディングカム機構がサンローラ側にあるので、サンローラが一対のサンローラ素子で構成される。そのため、サンローラと中間ローラとの接触点は2つ存在する。このような構造に摩擦ローラ式減速機100の噴射口の構成を適用すると、境界面が2層以上必要となり、キャリアを3分割以上にする必要が生じ、部品点数の増加、キャリア剛性の低下、及び精度低下の要因となる。
更に、本構成においては、ローディングカム機構をリングローラ17側に有した構成であるため、リングローラ17側の供給油量をサンローラ15側よりも多くする。そのため、サンローラ15側の噴射口の径を、リングローラ17側の噴射口の径よりも小さくする。その際、上記公報の場合ではキャリア外径側から貫通させた貫通孔により噴射口を設けるため、噴射口の径を細くすることは困難となる。一方、本構成では、サンローラ側の噴射口は、溝加工で形成できるため、溝寸法、形状の制約が少ない。
図9は噴射口となる給油溝105A,105Bの形状を示すキャリアの一部拡大斜視図である。給油溝105A,105Bは、第2サンローラ側油路103からキャリア内径側まで直線状に形成される。図示例では直線状に溝を形成しているが、曲線状の溝にしてもよい。また、油路の幅(溝幅)は、途中で狭めたり広げたりすることも可能である。
<給油溝の変形例>
次に、噴射口となる給油溝の変形例を説明する。
図10は、噴射口となる給油溝の第1変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。
本変形例の給油溝105A,105Bは、第2サンローラ側油路103に接続される太溝部108を有する。太溝部108は、第2サンローラ側油路103から供給されるトラクション油を貯留し、太溝部108より狭い溝幅の給油溝105A,105Bからトラクション油を勢いよく噴射させる。
上記構成によれば、太溝部108の溝幅と、給油溝105A,105Bの溝幅との比率を調整することで、トラクション油の供給油量や噴射速度を変更できる。
図11は、噴射口となる給油溝の第2変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。
本変形例の給油溝107A,107Bは、柱部87の第2サンローラ側油路103に沿った溝深さを、第2サンローラ側油路103側を深くし、キャリア内径側に近づくほど浅くしている。これにより、給油溝107A,107Bの溝断面積がキャリア内径側に向けて小さくなり、トラクション油が勢いよく噴射される。
上記構成によれば、給油溝107A,107Bの溝深さを調整することで、トラクション油の供給油路や噴射速度を変更できる。
図12は、噴射口となる給油溝の第3変形例を示すキャリアの一部拡大斜視図である。
本変形例の給油溝105A,105Bは、第2サンローラ側油路103に接続される油室109に連通する。つまり、油室109の縁部に給油溝105A,105Bが噴射口として配置される。
上記構成によれば、給油溝105A,105Bの溝幅や油室109の大きさを調整することで、トラクション油の供給油量や噴射速度を変更できる。
なお、上記の太溝部108や油室109のようなブランクを、鍛造等の塑性加工によりキャリアに成形する場合、予め鍛造工程により油路となる給油溝105A,105Bを成形しておくことも可能である。逆に、特に油路の太い部分については、太い油路の部分を鍛造により予め成形しておき、噴射口だけを機械加工によって設けてもよい。
以上説明したように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本構成の摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11を車両駆動用電動モータの出力軸に接続し、出力軸13を電気自動車用の駆動装置に接続することで、静粛性、動力伝達効率が高く、減速機の摩耗が少ない高品位な電気自動車を構築することができる。
11 入力軸
13 出力軸
15 サンローラ
17 リングローラ
21 連結部
23 ローディングカム機構
24 対向側端面
27 固定リングローラ素子
28,61 突起
29 可動リングローラ素子
31 支持軸(自転軸)
37 基端部
39 ローラ保持部
41 第1段付部
43 凹溝
49 カムリング
51 玉(転動体)
53 第1カム溝
55 第2カム溝
65 第2段付部
100 摩擦ローラ式減速機

Claims (2)

  1. 入力軸と同心に配置されたサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されたリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、各ローラの転がり接触面の接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
    前記リングローラは、前記入力軸の軸方向に並設される一対のリングローラ素子からなり、少なくとも一方は前記軸方向に移動自在な可動リングローラ素子であり、各リングローラ素子の内周面は、リングローラ素子同士が互いに対向する対向側端面から前記軸方向の反対側の外側端面に向かうほど内径が小さくなる傾斜面にされ、
    前記連結部は、前記出力軸と接続される基端部と、該基端部から延設され前記一対のリングローラ素子を保持するローラ保持部とを有し、
    前記ローディングカム機構は、該可動リングローラ素子の外側端面の円周方向に沿った複数箇所に設けられた第1カム溝と、前記可動リングローラ素子の外側端面に対面配置され前記第1カム溝に対応する複数箇所に第2カム溝が設けられたカムリングと、前記第1カム溝と前記第2カム溝との間にそれぞれ挟持される複数の転動体と、を有し、前記第1カム溝と前記第2カム溝は、それぞれ前記軸方向の深さが円周方向に沿って漸次変化して、カム溝の円周方向端部に向かうに従って浅くなる形状にされており、
    前記ローラ保持部は、内周部に前記軸方向に沿った凹溝が形成され、
    前記一対のリングローラ素子と前記カムリングのうち、前記可動リングローラ素子を除いた残りの部材の外周部に、前記凹溝と係合する突起が形成されたことを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
  2. 前記連結部は、前記基端部に、前記入力軸と同心で前記軸方向と平行な周面が形成された第1段付部を有し、
    前記カムリングは、リング中心と同心で前記第1段付部の周面に嵌合する周面が形成された第2段付部を有することを特徴とする請求項1に記載の摩擦ローラ式減速機。
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