JP2016048112A - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents

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弘志 河原
Hiroshi Kawahara
弘志 河原
吉岡 宏泰
Hiroyasu Yoshioka
宏泰 吉岡
武村 浩道
Hiromichi Takemura
浩道 武村
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Abstract

【課題】速機の必要強度を維持したまま部品点数を削減でき、組立作業を簡単にでき、減速機単体での性能保証が行える摩擦ローラ式減速機を提供する。
【解決手段】摩擦ローラ式減速機100は、サンローラ15、リングローラ17、複数の中間ローラ19、連結部21、ローディングカム機構23を備える。サンローラ15とリングローラ17のいずれか一方は、軸方向に並設された第1ローラ素子27及び第2ローラ素子29からなり、それぞれの転がり接触面は傾斜面にされている。ローディングカム機構は、第1,第2ローラ素子のうちいずれかの軸方向片側にのみ配置される。中間ローラは自転軸にニードル軸受22を介して回転自在に支持され、且つ自転軸の両端部を支持するホルダ32に、中間ローラの端面とホルダとの間で軸方向へ移動可能なすきまを有して支持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦ローラ式減速機に関する。
近年普及し始めている電気自動車の利便性を向上させるべく、充電1回当りの走行可能距離を長くする為に、電動モータの効率向上が強く要望されている。電動モータの効率向上には、高速回転する小型の電動モータを使用し、モータ出力軸の回転を減速してから車両の駆動輪に伝達することが望ましい。この場合、モータ出力軸に接続される減速機は、運転速度が非常に速くなり、振動や騒音を発しやすくなる。そこで、運転時の振動や騒音を抑える為に、摩擦ローラ式減速機を使用することが考えられている。従来の摩擦ローラ式減速機としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された摩擦ローラ式減速機200は、図13に示すように、入力軸211と、出力軸213と、サンローラ217と、リングローラ219と、複数個の中間ローラ221と、一対のローディングカム機構223A,223Bと、連結部225とを備える。サンローラ217は、軸方向に分割された一対のサンローラ素子227A,227Bを有する。リングローラ219の外周部は連結部225を介して出力軸213に接続されている。複数の中間ローラ221は、それぞれ支持軸229により回転自在に支持され、外周面がサンローラ217の外周面とリングローラ219の内周面とにそれぞれ転がり接触する。
ローディングカム機構223A,223Bは、入力軸211に固定された第1カムリング231A、第2カムリング231Bと、玉233A,233Bと、サンローラ素子227A,227Bとを有する。サンローラ素子227Aとカムリング231Aとの対向面には、それぞれ円周方向に沿ってカム溝235,237が形成され、カム溝235,237間に玉235Aが挟持されている。各カム溝235,237は、軸方向に関する溝深さが円周方向に沿って変化し、溝端部ほど浅くされている。また、サンローラ素子227Bとカムリング231Bについても、同様のカム溝が形成され、玉233Bが挟持されている。入力軸211に回転トルクが加わると、この回転トルクに応じて玉233A,233Bがカム溝の溝深さが浅い領域に乗り上げて、サンローラ素子227Aとサンローラ素子227Bがそれぞれ軸方向に沿って接近する。これにより、中間ローラ221の外周面と転がり接触するトラクション部の面圧が上昇する。つまり、ローディングカム機構223A,223Bは、入力軸211と出力軸213との間で伝達されるトルクが大きくなるほど、トラクション部の面圧が上昇するように作動する。
特開2013−104545号公報
上記構成においては、一対のローディングカム機構223A,223Bを設けて一対のサンローラ素子227A,227Bを相互に接近又は離反させるため、中間ローラ221の軸方向に関する中心位置は一定に保たれる。しかし、減速機の部品点数削減、小型化、組立性の向上の観点から、ローディングカム機構を片側にのみ設けた構成も採用される。その場合、一対のサンローラ素子は、一方が固定側、他方が可動側となり、可動サンローラ素子のみが軸方向に移動する。可動サンローラ素子のみ軸方向に移動すると、各サンローラ素子と転がり接触する中間ローラ221に軸方向力が作用する。しかし、一般に中間ローラ221は軸方向移動を想定せずに軸支される構造であるため、中間ローラ221のトラクション部に余分な摩擦力が生じる。この摩擦力がトラクション部に摩耗を引き起こす原因となる。このことは、サンローラに限らず、リングローラ219が軸方向に分割された一対のリングローラ素子を有する構成の場合でも同様である。
また、中間ローラ221は高速回転駆動され、給油が不可欠な部材である。しかし、上記の軸方向力の作用によって中間ローラ221が軸方向に移動すると、給油位置がずれてしまい、必要十分な給油量を確保できなくなる虞がある。中間ローラ221に確実な給油を行うためには、中間ローラ221への給油油路を設ければよいが、軸方向移動に対応させるための油路構造が複雑となり、装置自体の製造コストやメンテナンスコストを増大させることに繋がる。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、ローディングカム機構が、サンローラ又はリングローラの第1ローラ素子及び第2ローラ素子のうち、いずれかの軸方向片側にのみに設けられた構成であっても、ローディングによるローラの変位を阻害することなく、摩擦や摩耗の発生を抑えることができ、しかも中間ローラへの潤滑油の供給が良好に行える摩擦ローラ式減速機を提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
入力軸と同心に配置されるサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されるリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、各ローラの転がり接触面の接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記サンローラと前記リングローラのいずれか一方は、前記入力軸の軸方向に並設された第1ローラ素子及び第2ローラ素子からなり、それぞれの転がり接触面は、前記第1,第2ローラ素子同士が互いに対向する対向側端面から該対向側端面とは反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心までの距離が短くなる傾斜面にされ、
前記ローディングカム機構は、前記第1,第2ローラ素子のうちいずれかの前記軸方向の片側にのみ配置され、前記入力軸の回転トルクに応じて、前記第1,第2ローラ素子の一方を他方に向けて変位させるものであり、
前記中間ローラは、前記自転軸にニードル軸受を介して回転自在に支持され、且つ前記自転軸の両端部を支持するホルダに、前記中間ローラの端面と前記ホルダとの間で前記軸方向へ移動可能なすきまを有して支持されていることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
本発明によれば、ローディングカム機構が、サンローラ又はリングローラの第1ローラ素子及び第2ローラ素子のうち、いずれかの軸方向片側にのみに設けられた構成であっても、ローディングによるローラの変位を阻害することなく、摩擦や摩耗の発生を抑えることができる。また、中間ローラへの潤滑油の供給を良好に行うことができる。
本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図である。 図1に示す摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。 ローディングカム機構のカム溝を示すカムリングの平面図である。 図3のA−A断面図であって、ローディングカム機構が推力を発生していない状態(A)と、推力を発生している状態(B)とをそれぞれ示す断面図である。 中間ローラを支持する揺動ホルダの斜視図である。 キャリアの分解斜視図である。 ローディングカム機構による中間ローラの変位を説明するための摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。 揺動ホルダと中間ローラの一部断面図である。 キャリアを揺動軸の中心軸を含む面で切断した一部断面斜視図である。 揺動ホルダを支持軸の中心軸を含む面で切断した一部断面斜視図である。 アーム幅方向に肉抜きした揺動ホルダの斜視図である。 アーム高さ方向に肉抜きした揺動ホルダの斜視図である。 従来の摩擦ローラ式減速機の要部断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<摩擦ローラ式減速機の構成>
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、摩擦ローラ式減速機の一部断面斜視図、図2は摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図である。図1及び図2に示すように、摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11と同心に配置されるサンローラ15と、リングローラ17と、複数の中間ローラ19と、リングローラ17と出力軸13とを連結する連結部21と、ローディングカム機構23と、を備える。
サンローラ15は、図2に示す入力軸11の一端に、入力軸11と一体形成された中実構造のローラである。サンローラ15の外周面15aは、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凹曲線となる凹曲面に形成されている。
リングローラ17は、軸方向に並設された一対のリングローラ素子であって、固定リングローラ素子(第1ローラ素子)27と、軸方向に移動自在な可動リングローラ素子(第2ローラ素子)29とを有する。これら各リングローラ素子27,29は、カップ状の連結部21の内側に収容された状態でサンローラ15の外周側にサンローラ15と同心に配置されている。
固定リングローラ素子27及び可動リングローラ素子29の内周面27a,29aは、各リングローラ素子27,29同士が互いに対向する対向側端面24,24から軸方向反対側の外側端面26,26に向かうに従って内径が小さくなるように傾斜した環状の傾斜面となっている。つまり、中間ローラ19の自転軸中心までの距離が短くなる傾斜面にされている。これらの傾斜面は、中間ローラ19が転動する転がり接触面となる。なお、内周面27a,29aは、上記傾斜面に限らず、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凹曲線となる凹曲面であってもよい。
複数の中間ローラ19は、それぞれニードル軸受22を介して支持軸(自転軸)31に回転自在、且つ軸方向に変位可能に支持され、サンローラ15の外周面15aとリングローラ17の内周面17aとの間に配置されている。支持軸31の両端は揺動ホルダ32に支持されている。また、揺動ホルダ32は、中間ローラ19を入力軸11の径方向に移動(揺動)可能にキャリア33に支持されている。キャリア33は、図示しないモータ本体に締結部材によって固定される。
なお、支持軸31は、入力軸11の回りを公転しつつ自転する中間ローラ19を高い強度で揺動ホルダ32に支持させるため、使用する材料や熱処理を最適に選定されている。支持軸31の材料、熱処理についての詳細については後述する。
中間ローラ19の外周面19aは、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凸曲線となる凸曲面であり、それぞれサンローラ15の外周面15aとリングローラ17の内周面17aに転がり接触する。
ニードル軸受22は、詳細を後述するが、針状ころ113と保持器115とを有するケージ&ローラである。ニードル軸受22の両端には王冠状の溝付カラー117が介装され、支持軸31に取り付けたニードル軸受22を、支持軸31両端の揺動ホルダ32間で支持している。
連結部21は、略円板状に形成され中心部が出力軸13に連結される基端部37と、基端部37の外周縁から軸方向に延設され、内径側にリングローラ17が保持される円筒状のローラ保持部39と、を有する。
ローラ保持部39の内部には、基端部37側から、波板状の予圧スプリング67、カムリング49、転動体である玉51、可動リングローラ素子29、固定リングローラ素子27、止め輪47がこの順で挿入され、これら各部材がローラ保持部39に組み付けられている。
ローラ保持部39の内周部には、複数の凹溝43が軸方向に沿って形成され、また、基端部37とは反対側の端部には、円周方向にリング溝45(図1参照)が形成されている。
凹溝43は、固定リングローラ素子27の外周部の複数箇所に形成された、径方向に突出する突起28を収容する。突起28は、ローラ保持部39の凹溝43に回転方向のがたつきがない状態で係合し、ローラ保持部39とリングローラ17との回転トルクの伝達を可能にする。
リング溝45は、止め輪47が嵌入される。止め輪47は、固定リングローラ素子27の軸方向位置を規制し、固定リングローラ素子27をローラ保持部39に固定する。
連結部21の基端部37は、例えば、旋盤加工等の切削加工により形成され、ローラ保持部39は、プレス成形等の塑性加工により形成される。これら基端部37とローラ保持部39とを単体で形成した後、これらを接合することで、低コストで高精度に軸芯を一致させる構成にできる。また、基端部37とローラ保持部39は、ビーム溶接で接合処理される。これにより、狭幅のビードで、しかも短時間で加熱接合でき、熱歪を最小限に抑えて芯ずれの発生が抑制可能となる。
カムリング49は、その外周部から径方向外側に突出する複数の突起61を有する。カムリング49の突起61、及び固定リングローラ素子27の突起28は、それぞれローラ保持部39の凹溝43に係合する。
カムリング49は、出力軸13側の外側端面に、外径側の一部を環状に切欠いた切欠き部63が形成されており、この切欠き部63に予圧スプリング67が装着される。
なお、上記サンローラ15は、高速回転するために微小な重心のずれがあると異常振動の振動源となる虞がある。しかし、本構成のサンローラ15は、入力軸11と一体形成されるので、容易にバランス修正が可能であり、振動の発生を低減できる。また、サンローラ15は、剛性が高く、高い共振周波数を有するので、共振による異常振動の発生が低減する。更に、サンローラ15を中実構造とすることで、ラジアル荷重が負荷された際のサンローラ15の弾性変形量が小さくなる。これにより、中間ローラ19とリングローラ17の軸方向変位量が小さくなり、転がり接触面の接触状態を設計通りの良好な状態に維持できる。
<ローディングカム機構>
次に、ローディングカム機構について説明する。
図2に示す可動リングローラ素子29と、カムリング49と、転動体である玉51は、ローディングカム機構23を構成する。このローディングカム機構23は、サンローラ15、リングローラ17、及び中間ローラ19の各転がり接触面の接触面圧を変更する。
可動リングローラ素子29の外側端面26には、図3及び図4に示すように、円周方向に沿って複数(図示例では3箇所)の第1カム溝53が形成されている。カムリング49に対しても同様に第2カム溝55が形成されている。すなわち、カムリング49は、第1カム溝53に対面配置され、第1カム溝53に対応する円周方向位置に複数(図示例では3箇所)の第2カム溝55が形成されている。これら第1カム溝53と第2カム溝55との間に、それぞれ玉51が挟持される。
第1カム溝53及び第2カム溝55の軸方向の溝深さは、円周方向に関して中央部で最も深く、円周方向に沿って漸次変化して、カム溝53,55の円周方向端部に向かうに従って浅くなる。
入力軸11が停止している状態では、図4(A)に示すように、各玉51は各カム溝の最も深くなった部分に位置する。この状態では、カムリング49は、予圧スプリング67の弾性力により、可動リングローラ素子29側に向けて押圧されている。
入力軸11が回転駆動されると、図4(B)に示すように、各玉51が各カム溝53,55の浅くなった部分に移動する。これにより、可動リングローラ素子29を他方の固定リングローラ素子27に向けて押圧する軸方向推力が発生される。ローディングカム機構23が発生する軸方向推力により、固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29との間隔が縮まると、リングローラ17の内周面17aと、各中間ローラ19の外周面19aとの転がり接触部における面圧が上昇すると共に、各中間ローラ19の外周面19aとサンローラ15の外周面15aとの転がり接触部の面圧も上昇する。その結果、入力軸11と出力軸13との間に存在する複数の転がり接触部の面圧が、入力軸11と出力軸13との間で伝達するトルクが大きくなるほど上昇する。
また、ローディングカム機構23が軸方向推力を発生すると、リングローラ17等のトラクション部品の弾性変形や各接触点の弾性変形により、中間ローラ19は、可動リングローラ素子29の軸方向変位に伴って固定リングローラ素子27側に軸方向変位する。この中間ローラ19の軸方向変位については、後に詳述する。
<各部材の軸心を一致させる構造>
図2に示すように、連結部21の基端部37における入力軸11側の内側面には、出力軸13と平行な内周面を有する円環状の第1段付部41が形成されている。
また、カムリング49の外側端面には、カムリング49の中心軸と同心に形成され、連結部21の基端部37における第1段付部41と軸方向に沿って嵌合する円環状の外周面を有する第2段付部65が、軸方向に突出して形成されている。
カムリング49と連結部21とは、第1段付部41と第2段付部65とが嵌合することによって高精度に軸心が一致する。これにより、可動リングローラ素子29もカムリング49を介して軸心位置が正確に合わせられた状態となる。また、固定リングローラ素子27は、中間ローラ19によって径方向に位置決めされる。中間ローラ19は、入力軸11と同心のサンローラ15によって径方向に位置決めされ、入力軸11と出力軸13とは同心に配置されているため、サンローラ15、リングローラ17、及びカムリング49は、各軸心が正確に一致した状態となっている。
また、カムリング49は、予圧スプリング67によって基端部37とは軸方向反対側に付勢された状態で、第2段付部65が基端部37の第1段付部41に嵌合する。この嵌合長は、予圧スプリング67の弾性変形代より長くされている。これにより、カムリング49を基端部37に組み付ける際に、予圧スプリング67がカムリング49と基端部37との間から外れることが防止されて、減速機の組立性が向上する。
<中間ローラのキャリアへの支持形態>
次に、上記構成の摩擦ローラ式減速機100における中間ローラ19の支持形態について更に詳細に説明する。
図5は中間ローラを支持する揺動ホルダ32の斜視図である。中間ローラ19は、自転軸となる支持軸31の両端部で揺動ホルダ32に支持される。揺動ホルダ32は、中間ローラ19と同数だけ設けられ、各揺動ホルダ32に一つの中間ローラ19が支持される。揺動ホルダ32は、支持軸31の両端部を支持する一対のアーム部71a,71bと、各アーム部71a,71bを連結する基部75とを有する。基部75には、支持軸31と平行な揺動軸73が挿通されている。
図6はキャリア33の分解斜視図である。キャリア33は、円輪状の底部77、及び底部77の片面側に円周方向に等間隔となる複数箇所(図示例では3箇所)に立設された柱部79を有するキャリア本体81と、柱部79の先端部79aに固定される円輪状の連結板83とを有する。
キャリア本体81の柱部79には、キャリア33をモータ本体に固定するためのボルト挿通孔85が軸方向に沿って形成されている。図示例では、各柱部79に1箇所ずつ合計3箇所形成されている。
円周方向に並ぶ柱部79同士の間には、中間ローラ19を支持する揺動ホルダ32が配置される。揺動ホルダ32は、連結板83に形成された揺動軸孔91と、底部77に形成された揺動軸孔(図示略)とに揺動軸73が挿入されて、キャリア33に揺動自在に軸支される。
連結板83には、柱部79の各ボルト挿通孔85に対応する位置にボルト締結孔87が形成され、また、揺動ホルダ32の揺動軸73に対応する位置に揺動軸孔91が形成されている。
揺動ホルダ32が、キャリア33に対して揺動軸73を中心に揺動することで、中間ローラ19はキャリア33の径方向に出没自在となる。
上記のキャリア本体81と連結板83とは、ピン嵌合によって相互に位置決めされる。すなわち、キャリア本体81の柱部79の先端部79aには、ピン93を嵌挿するピン穴95が形成され、連結板83のキャリア本体81側のピン穴95と対応する位置には、ピン93を嵌挿する図示しないピン孔が形成されている。
キャリア本体81と連結板83は、対応するピン穴95同士の間にピン93を配置した状態で互いに軸方向に押圧されることで、ピン93がピン穴95に圧入され、双方が設計位置に仮止めされる。なお、ボルト締結孔87は、挿通するボルトがすきまを有して挿入可能な内径にされている。
<中間ローラの軸方向変位>
次に、中間ローラ19の軸方向変位について詳細に説明する。
図7にローディングカム機構23による中間ローラ19の変位を説明するための摩擦ローラ式減速機の要部拡大断面図を示す。本構成の摩擦ローラ式減速機100は、ローディングカム機構23が、一対のリングローラ素子のうちいずれかの軸方向片側のみに配置される。すなわち、固定リングローラ素子27と可動リングローラ素子29のうち、可動リングローラ素子29の軸方向片側にのみローディングカム機構23が配置されている。
このローディングカム機構23は、入力軸11からの回転トルクに応じて、可動リングローラ素子29を固定リングローラ素子27に向けて変位させる。
中間ローラ19は、ニードル軸受22を介して入力軸11に支持されており、このニードル軸受22は、中間ローラ19の軸方向変位を阻害せず、低抵抗でスムーズな軸方向スライド動作を実現する。これにより、中間ローラ19がローディングカム機構23から軸方向力を受けても、中間ローラ19が軸方向にスムーズに移動し、摩耗やフリクションの発生が抑制される。
中間ローラ19とリングローラ17とは、軸方向に対してそれぞれ傾斜角αで転がり接触する。この場合、ローディングカム機構23により可動リングローラ素子29が軸方向力を受けて軸方向に変位すると、可動リングローラ素子29及び固定リングローラ素子27に径方向の弾性変形が生じる。
弾性変形は、リングローラ17以外にも、サンローラ15、リングローラ17、中間ローラ19にも生じ、特に、リングローラ17に生じる外径方向への引張応力による弾性変形が最大となる。
リングローラ17の径方向への弾性変形量(半径変化量)δと、軸方向への移動量Δとの関係は、下記(1)式で表される。
Δ = δ/tan α ・・・(1)
また、中間ローラ19の軸方向変位量は、可動リングローラ素子29の移動量Δの半分となる。中間ローラ19が軸方向に移動する際、中間ローラ19と揺動ホルダ32等の他の部材との干渉を防止するため、中間ローラ19の軸方向両端には所定のすきまを予め設けておく必要がある。
そこで、図8に示すように、中間ローラ19の端面19bと揺動ホルダ32のアーム部71a,71bとの間のすきまの総和2Sを、下記(2)式で表される関係に設定する。
2S ≧ Δmax/2 = δmax/tan α/2 ・・・(2)
本構成のニードル軸受22においては、軸方向2列に配列された針状ころ113と、各針状ころ113をそれぞれ保持する保持器115とを有する。また、ニードル軸受22の両端には、溝付カラー117がそれぞれ介装されている。この溝付カラー117は、円筒状の周側壁117aと、周側壁117aの一端を径方向外側に折り曲げたつば部117bとを有する王冠状であり、周側壁117aの他端には複数の切り欠き119が形成されている。また、周側壁の外径は中間ローラ19の内径よりも小さくされている。
上記ニードル軸受22の構成の場合、(2)式のすきま2Sは、軸方向一端部における溝付カラー117のつば部117bの周側壁117aを臨む側の面から、この面に対面する中間ローラ19の端面19bまでの片端距離Sと、軸方向他端部における上記同様の片端距離Sとの総和2Sを意味する。
中間ローラ19の両端に、総和が上記の2Sとなるすきまを設けることで、リングローラ17が軸方向に最大移動量Δmaxで移動しても、中間ローラ19が周囲の部材と干渉することがない。つまり、入力軸11から回転トルクが伝達されると、中間ローラ19がアーム部71a側に(1)式で示す移動量Δの1/2だけ移動する。その場合でも、中間ローラ19の軸方向にはすきま2Sが存在するので、中間ローラ19の端面19bは、アーム部71aや溝付カラー117のつば部117b等の部材と干渉せずに軸方向変位が許容される。
また、中間ローラ19の幅W(端面19b,19bの軸間距離)は、ニードル軸受22の幅Lとすきま2Sとの総和以上にすることが好ましい。これにより、中間ローラ19が軸方向に変位しても、ニードル軸受22の軸方向領域内に中間ローラ19の端面19bが入り込むことがなく、端面19bによるエッジロードの発生を防止できる。
次に、中間ローラ19を支持するニードル軸受22の径方向のすきまについて説明する。
支持軸31、ニードル軸受22、中間ローラ19は、それぞれ法線力が作用しない状態では、ニードル軸受22に径方向の内部すきまが存在する寸法関係で構成されている。ニードル軸受22に径方向の内部すきまが存在することで、各部品の組立が容易に行えるようになる。
しかし、ニードル軸受22が径方向の内部すきまを有していると、その内部すきまの分、中間ローラ19が傾斜して、トラクション面で滑りが発生する要因となる。トラクション面に生じる滑りは、転がり接触における力の伝達作用に影響を及ぼし、減速機全体の動力伝達効率を低下させる。そこで、ニードル軸受22の径方向の内部すきまを小さくして、滑りを生じにくくする必要がある。
具体的には、次のようにしてニードル軸受22の径方向の内部すきまを小さく設定する。すなわち、減速機の組立工程において各ローラに予圧を付与する。すると、サンローラ15、リングローラ17、中間ローラ19の各ローラ間に法線力が作用する。中間ローラ19は、この法線力によって法線方向へ縮径変形する。
このときのニードル軸受22の径方向の内部すきまδaを、中間ローラ19の縮径量δbよりも小さく設定する。これにより、組立後のニードル軸受22の径方向の内部すきまが常に存在しない状態となる。換言すれば、ニードル軸受22の径方向の内部すきまが負のすきま(ニードル軸受22の内外軌道面と各ころの転動面との間に、径方向(ラジアル方向)に関するがたの無い状態)となる。
減速機組立後の予圧付与時に、ニードル軸受22の径方向の内部すきまが負のすきまに設定されることにより、中間ローラ19の支持剛性は、予圧付与前よりも高くなり、中間ローラ19の姿勢が安定する。これにより、中間ローラ19のスキューの発生が抑制され、駆動中のトラクション面の滑りが低減される。よって、減速機の動力伝達効率が向上する。
上記は、予圧荷重による中間ローラ19の変形により、ニードル軸受22の径方向の内部すきまを負のすきまにする例であるが、ローディングカム機構23により法線力を発生させる高トルク伝達時に、ニードル軸受22の径方向の内部すきまが負のすきまになる寸法関係にしてもよい。
低トルク伝達時(予圧機構による法線力発生時)に、ニードル軸受22の径方向の内部すきまが大きな負のすきまである場合、軸受フリクションが減速機の動力伝達効率に与える影響が大きくなり、減速機の効率を低下させる場合がある。そこで、ニードル軸受22の径方向の内部すきまを上記寸法関係にすることで、低トルク伝達時には軸受フリクションが小さく、高トルク伝達時にはニードル軸受22の径方向の内部すきまが負のすきまとなり、中間ローラ19の支持剛性を高くすることができる。
<中間ローラへの給油路>
次に、中間ローラ19に潤滑油を供給する給油路について説明する。
中間ローラ19は、入力軸11に動力が伝達された際に高速回転するため、常に潤滑油が供給されようになっている。本構成の摩擦ローラ式減速機100は、中間ローラ19が軸方向に移動した場合でも、潤滑油の供給油路を複雑化することなく、適正な供給位置に適正な油量で潤滑油が供給可能になっている。
以下に、具体的な供給油路の構成を説明する。図9はキャリア33を揺動軸73の中心軸を含む面で切断した一部断面斜視図、図10は揺動ホルダ32を支持軸31の中心軸を含む面で切断した一部断面斜視図である。
図9に示すように、揺動ホルダ32は、揺動軸73によってキャリア33に軸支される。キャリア33は、図示しないハウジングに固定ボルトによって締結固定される。ハウジングには潤滑油の供給路が形成されており、潤滑油が吐出される潤滑油供給口が揺動軸73の一端部121に開口する穿設穴123に接続される。穿設穴123は、揺動軸73の一端部121から揺動軸73に沿って形成され、ハウジング側から潤滑油が供給される。
図10に示すにように、揺動軸73には、穿設穴123と連通する連通孔125,127が形成される。連通孔125は揺動軸73の環状溝129内で開口し、連通孔127は揺動軸73の環状溝131内で開口している。揺動ホルダ32のアーム部71a,71bには、中間ローラ19の支持軸31を支持する軸孔133,135が形成されており、アーム部71aには環状溝129と軸孔133とを連結する連絡孔137が形成されている。また、基部75には、環状溝131から中間ローラ19の外周面を臨む径方向外側を連通する第1噴射供給孔139,139が形成されている。
一方、支持軸31には、支持軸31に沿って穿設穴141が形成され、支持軸31の中間部に穿設穴141中心から径方向外側を連通する第2噴射供給孔143,143が形成されている。また、支持軸31の連絡孔137に対応する位置には連通孔145が形成され、連絡孔137と穿設穴141とを連通させている。穿設穴141の開口端は、図示しない栓体で塞がれている。
上記構成により、ハウジング側から揺動軸73の穿設穴123に供給された潤滑油は、連通孔125を通じて環状溝129に充填され、更に連絡孔137と連通孔145を通じて支持軸31の穿設穴141に供給される。穿設穴141に供給された潤滑油は、第2噴射供給孔143,143からニードル軸受22に供給される。ニードル軸受22に供給された潤滑油は、図8に示す保持器115のすきまを通り、ニードル軸受22両端の溝付カラー117の切り欠き119を通じて中間ローラ19の周囲に排出される。
また、潤滑油は、図10に示す揺動軸73の穿設穴123から連通孔127を通じて環状溝131に充填され、更に第1噴射供給孔139,139を通じて中間ローラ19の外周面19aに噴射供給される。
ここで、中間ローラ19が軸方向に移動しても、第1噴射供給孔139,139、及び第2噴射供給孔143,143から潤滑油を安定して供給することができる。特に、ニードル軸受22に潤滑油を中間ローラ19の外側から供給する場合、中間ローラ19の軸方向位置が変化するため、給油先を変更する調整機構が必要となって油路構成が複雑となる。
しかし、本構成によれば、油路構成を複雑化することなく潤滑油が供給可能となる。すなわち、軸方向移動のない揺動軸73から潤滑油を供給し、揺動ホルダ32を介して支持軸31に潤滑油を導き、支持軸31の内部からニードル軸受22に潤滑油を供給する構成とする。これにより、軸方向変位する中間ローラ19に対して、複雑な油路を形成することなく常に安定して必要十分量の潤滑油が供給可能となる。
また、揺動軸73は揺動ホルダ32を支持するために高い剛性を有しており、軸方向に移動不能にキャリア33に支持されている。上記の油路を形成しても揺動ホルダ32に傾きを生じさせることがなく、中間ローラ19の姿勢も安定して保つことができる。
<中間ローラの支持構造の変形例>
次に、中間ローラ19の支持構造の変形例について詳細に説明する。
前述の図10に示す揺動ホルダ32のアーム部71aは、連絡孔137と、連絡孔137と同軸の先端孔147とが形成されている。連絡孔137と先端孔147は、切削や放電加工等の工法に形成され、アーム部71aの支持軸31が支持される軸孔133側の先端から、揺動軸73が支持される揺動軸支持孔149までを貫通させている。
アーム部71aの先端に形成された先端孔147は、支持軸31を固定する図示しないスプリングピンが嵌挿される。
上記構造で、摩擦ローラ式減速機が動力伝達を行うと、各中間ローラ19のトルク伝達の反力が支持軸31に作用する。この反力の作用方向は、支持軸31と揺動軸73の垂直面内において、支持軸31と揺動軸73の軸心同士を結ぶ線の方向である。
アーム部71aに引張方向の反力が作用すると、スプリングピンが嵌挿された先端孔147の孔口元に応力集中が生じ、孔口元部分の破損を招くことがある。また、アーム部71aは、連絡孔137のような油路が形成されるため、アーム部71bより剛性が低下する傾向がある。そのため、先端孔147の弾性変形量は、アーム部71bのアーム先端の弾性変形量よりも大きくなる。
一対のアーム部71a,71bの弾性変形量が異なると、その差によって支持軸31が傾き、中間ローラ19に微小なスキューが発生する。中間ローラ19にスキューが生じると、ローラ接触面で滑りが生じ、減速機の動力伝達効率が低下することになる。
そこで、本変形例では、支持軸31の傾きを解消するため、揺動ホルダ32Aのアーム部71a、71bの剛性バランスを均等にしている。図11に揺動ホルダ32Aの斜視図を示す。
本変形例の揺動ホルダ32Aは、一対のアーム部71a,71bのうち、油路となる連絡孔137が形成されたアーム部71aの軸方向のアーム幅Waは、油路を有さないアーム部71bの幅Wbよりも大きい。
上記構成により、スプリングピンを嵌挿する先端孔147が存在するアーム部71aは、アーム幅WaがWbより広く形成されるため、アーム断面積が増加した分、負荷応力が低くなる。したがって、先端孔147による応力分布が生じても応力の絶対値は低下し、孔口元の応力集中が緩和される。これにより、アーム部71aに反力が作用しても破損が生じにくくなる。
また、各アーム部71a,71bは、反力によって生じるアーム先端の弾性変形量が均等になり、その結果、中間ローラ19の姿勢が安定し、減速機の動力伝達効率の低下を防止できる。
更に、油路となる連絡孔137を有するアーム部71aは、揺動軸73と支持軸31との間の一部に、括れ部151を有していることが望ましい。括れ部151は、アーム幅をWaからWc(Wc<Wa)に軸方向の肉抜きがされた薄肉部である。アーム幅Waの大きいアーム部71aに括れ部151を設けることで、各アーム部71a,71bの剛性バランスがより均等になる。その結果、各アーム部71a,71bに反力が作用した際の弾性変形量が、それぞれ均等になる。このため、中間ローラ19の姿勢がより安定し、減速機の動力伝達効率の低下を一層防止できる。
また、括れ部151は、アーム幅方向に直交するアーム高さ方向に肉抜きしたものであってもよい。図12に揺動ホルダ32Bの斜視図を示す。揺動ホルダ32Bの各アーム部71a,71bは、全体的にアーム高さがHaで形成されている。油路となる連絡孔137を有するアーム部71aは、揺動軸73と支持軸31との間の一部に、アーム高さをHb(Ha>Hb)とする括れ部153を有する。
アーム部71aは、括れ部153によって剛性が低下して、アーム部71bとの剛性バランスを均等にできる。これにより、上記の括れ部151を設けた場合と同様の効果が得られる。
<支持軸の材料と熱処理>
次に、中間ローラ19の支持軸31の材料と熱処理について詳細に説明する。
支持軸31は、JIS鋼種であるSUJ2,SK5,SK85等が使用可能である。また、支持軸31は、少なくとも軌道面(ニードル軸受22との接触面)の最表面層の残留オーステナイト量を、15体積%以上、40体積%以下とすると共に、表面から中心までの平均残留オーステナイト量を8体積%以下とし、且つ表面から2%Da(Da:ニードル軸受22のローラ径)深さまでの表面層におけるビッカース硬さをHv650以上としている。
これにより、高温、高速、高荷重下で使用しても経時変化が少なく、長寿命化を図ることができる支持軸31を提供することができる。
端部が揺動ホルダ32に加締め固定される支持軸31に対しては、硬化熱処理として浸炭処理、浸炭窒化処理及び窒化処理の内のいずれか一つの処理を施した後に焼鈍を行い、且つ軌道面には高周波焼入れが施される。場合によっては浸炭処理等の特殊熱処理を施すことであってもよい。また、軌道面の最表面層の窒素濃度は0.05重量%以上とされ、支持軸31の端部表面のビッカース硬さは、Hv200以上、Hv300以下とされている。なお、支持軸31の端部を加締め固定しない場合には、ずぶ焼きが施される。
表1に支持軸31に使用可能な材料A〜Kを示す。
Figure 2016048112
支持軸31は、表1に示すA〜Kの合金鋼素材を、鍛造や旋削、研削等にて所定の寸法に加工した後、硬化熱処理を施し、更に研削等で仕上げ加工を行うことにより製造できる。
硬化熱処理は、例えば次のア〜キの条件で行うことができる。
ア:浸炭窒化→焼鈍→高周波焼入れ→焼戻し
イ:浸炭窒化→高周波焼入れ→焼戻し
ウ:窒化処理→高周波焼入れ→焼戻し
エ:浸炭窒化→ずぶ焼入れ→焼戻し
オ:浸炭→焼鈍→高周波焼入れ→焼戻し
カ:浸炭→ずぶ焼入れ→焼戻し
但し、
浸炭窒化処理:820〜920℃で1〜5時間
Rxガス+エンリッチガス+アンモニアガス雰囲気
処理後放冷
窒化処理:550〜570℃で2〜20時間
アンモニアガス雰囲気
浸炭 :820〜880℃で1〜5時間
エンリッチガス+アンモニアガス雰囲気
処理後放冷
焼鈍 :600〜720℃で1〜5時間
高周波焼入れ:周波数100kHz、電圧3〜6kV、電流2. 5〜5. 5A シャフト移動速度2〜20mm/s
冷却液:水溶性冷却液
ずぶ焼入れ:820〜870℃で0.5〜1時間
焼戻し:160〜500℃で1〜3時間
なお、支持軸31の材料と熱処理の条件についての詳細は、特許第4380217号公報に記載されているので、必要に応じて適宜参照されたい。
以上説明したように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
上記構成の摩擦ローラ式減速機100は、リングローラ17を一対のリングローラ素子で構成して、一方のリングローラ素子をローディングカム機構で軸方向に移動させているが、これに限らず、サンローラ15を一対のサンローラ素子で構成し、ローディングカム機構により、いずれか一方のサンローラ素子を軸方向に移動させる構成としてもよい。
11 入力軸
13 出力軸
15 サンローラ
17 リングローラ
19 中間ローラ
21 連結部
22 ニードル軸受
23 ローディングカム機構
27 固定リングローラ素子(第1ローラ素子)
29 可動リングローラ素子(第2ローラ素子)
31 支持軸(自転軸)
32 揺動ホルダ(ホルダ)
100 摩擦ローラ式減速機

Claims (1)

  1. 入力軸と同心に配置されるサンローラと、前記サンローラの外周側に前記サンローラと同心に配置されるリングローラと、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面との間で、前記入力軸と平行な自転軸を中心として回転自在に支持され、前記サンローラの外周面と前記リングローラの内周面に転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、各ローラの転がり接触面の接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
    前記サンローラと前記リングローラのいずれか一方は、前記入力軸の軸方向に並設された第1ローラ素子及び第2ローラ素子からなり、それぞれの転がり接触面は、前記第1,第2ローラ素子同士が互いに対向する対向側端面から該対向側端面とは反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心までの距離が短くなる傾斜面にされ、
    前記ローディングカム機構は、前記第1,第2ローラ素子のうちいずれかの前記軸方向の片側にのみ配置され、前記入力軸の回転トルクに応じて、前記第1,第2ローラ素子の一方を他方に向けて変位させるものであり、
    前記中間ローラは、前記自転軸にニードル軸受を介して回転自在に支持され、且つ前記自転軸の両端部を支持するホルダに、前記中間ローラの端面と前記ホルダとの間で前記軸方向へ移動可能なすきまを有して支持されていることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101958205B1 (ko) * 2017-09-25 2019-07-04 변상원 테이퍼형 접촉롤러가 구비된 유성감속기
CN111212993A (zh) * 2017-10-18 2020-05-29 日本电产新宝株式会社 变速器

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