JP6479673B2 - 高視認性繊維布帛およびそれを用いた高視認性衣服ならびに高視認性繊維布帛の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高視認性繊維布帛およびそれを用いた高視認性衣服に関する。
一般道路、自動車専用道路、港、空港、線路、駐車場、油田、ガス田、コンビナートなどで作業を行う人の作業服や消防服などの衣服は、当該衣服を着用して作業する者の安全性を確保するために、他の者から発見されやすい高視認性を有していることが望ましい。
高視認性衣服の規格としては欧州規格のEN471が知られているが、2013年3月15日に国際規格として「ISO 20471:2013」が発行された。
EN471の要求事項を満たす高視認性衣服およびそれに用いられる布帛としては、その高視認性の規格を満たすために種々の工夫がなされている。例えば、視認性の高い色に染色可能なポリエステル糸やポリエステル繊維とビスコースおよび/またはモダクリルの混紡糸を用い、これらの糸を繊維布帛の片面に配置する構成とすることが知られている(特許文献1)。
また、着色されたアラミド繊維やビスコース繊維、ポリイミド繊維を含む繊維布帛に対し、着色された繊維布帛の表面を部分的に見通せる開放領域を有するようにして、蛍光色素を含有するポリマー材料をプリントすることによって、EN471の要求事項を満たす高視認性を有する繊維布帛が知られている(特許文献2)。
特表2013−522494号公報 特表2011−505881号公報
しかしながら、糸を繊維布帛の特定の位置に配置して得られる高視認性繊維布帛は、風合いや外観などが制約されることから、使用用途が制限され、また、着用の快適性やファッション性の観点からは改善が望まれていた。さらに、染色する前の繊維布帛を、高視認性繊維布帛を得るための専用の繊維布帛として在庫を保有しておく必要がある一方で、他の用途に転用することが難しいので、在庫ロス削減の観点からも任意の繊維布帛で高視認性繊維布帛が得られるように改善が望まれていた。
また、着色された繊維布帛の表面を見通せる開放領域が有るようにポリマー材料をプリントした場合の高視認性繊維布帛は、開放領域の面積を1〜9mmに制御する必要があるが、種々の繊維布帛や柄に対して、開放領域の面積の制御を安定して行うことが困難であるとの問題がある。さらに、この場合、柄が付与された部分の高さが20〜870μmと高く(樹脂層の厚みが厚く)なるので、このような厚みの樹脂で柄を付与した場合には、風合いが硬くなり、また、得られる高視認性繊維布帛の通気性や透湿性が大きく低下してしまうおそれがあるため、この点を抑制するためにも開放領域の確保が必要であった。つまり、EN471の要求事項を満たしながら、風合いや通気性、透湿性が安定した繊維布帛を得ることは困難であった。
また、これらの技術で得られた高視認性繊維布帛については、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」を満たす点については、触れられていない。
従って、本発明では、繊維布帛が特定の織組織に限定されることを抑制し、かつ、生産の安定性にも優れ、着色した部分の色は「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たした高視認性繊維布帛を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明をするに至った。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明に係る高視認性繊維布帛は、着色された繊維布帛の少なくとも片面に、蛍光顔料を含む樹脂を付与することで着色された着色部分を有する繊維布帛であって、少なくとも前記着色部分の表面の全面には前記蛍光顔料を含む樹脂が付与されており、前記着色部分の色は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たすことを特徴とする。
また、本発明に係る高視認性繊維布帛において、前記着色部分の高さは、20μm未満であるとよい。
また、本発明に係る高視認性繊維布帛において、前記繊維布帛の片面に防水性を有する樹脂膜が付与されているとよい。
また、本発明に係る高視認性繊維布帛において、前記蛍光顔料を含む樹脂には、難燃剤が含まれているとよい。
また、本発明に係る衣服は、上記の本発明に係る高視認性繊維布帛のいずれかを少なくとも一部に用いていることを特徴とする。
本発明に係る高視認性繊維布帛は、優れた高視認性を有していながら、使用できる繊維布帛の制限を緩和することができる。従って、高視認性繊維布帛の風合いや外観の選択肢を増やすことができる。また、光に対する耐久性に優れた高視認性繊維布帛を提供することができる。
図1は、本発明の実施例1〜3および比較例1〜6の各繊維布帛における性能を示す図である。 図2は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」のオレンジレッドの基準を示す図である。 図3は、本発明の実施例における高視認性繊維布帛の表面の電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明の実施例における高視認性繊維布帛の表面の電子顕微鏡写真である。 図5は、本発明の実施例における高視認性繊維布帛の断面の電子顕微鏡写真である。
以下に本発明の好ましい実施の形態について説明するが、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではなく、本発明の精神と実施の範囲において多くの変形が可能である。
[高視認性繊維布帛]
本発明の実施の形態に係る高視認性繊維布帛は、着色された繊維布帛の少なくとも片面に蛍光顔料を含む樹脂を付与することにより着色された部分(着色部分)を有する繊維布帛であって、少なくとも当該着色部分の表面の全面には蛍光顔料を含む樹脂が付与されており、当該着色部分の色は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」のいずれの基準も満たすものである。
本実施の形態において有用な繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アラミド、アクリル、モダクリル、ポリウレタン、アセテートもしくはビスコースなどのレーヨン、ポリ乳酸やポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、フッ素などの化学繊維、綿、麻、絹もしくは羊毛などの天然繊維、または、これらの素材の混繊、混紡、交織もしくは交編品であり、特に限定されるものではない。また、それらの素材からなる繊維布帛は、織物、編物または不織布など、いかなる形態であってもよい。
また、繊維および繊維布帛は、繊維を紡糸する段階で紡糸用樹脂に難燃剤(防炎剤)などの薬剤を練り込んだものや、糸若しくは繊維布帛にした後、後加工などにより、難燃加工(防炎加工)、制電加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、または、耐光向上加工などを施したものであってもよい。
また、これらの繊維布帛は、あらかじめ着色されている。あらかじめ着色されている繊維布帛に、蛍光顔料を含む樹脂を付与して重ねて着色すると、得られる繊維布帛は、キセノン耐光試験に対する性能(耐光性)が向上する。
繊維布帛にあらかじめ行う着色は、糸や繊維布帛の状態で、染料により染色するものであってもよいし、繊維を紡糸する段階で、紡糸用樹脂に顔料を練り込み着色したものであってもよい。短納期との観点からは、糸もしくは繊維布帛の段階で、染料により染色することが好ましく、特に繊維布帛の段階で付与することが望ましい。
染料は、例えば、分散染料、カチオン染料、酸性染料、直接染料、反応染料、建染染料、硫化染料、または、蛍光増白剤などであるが、特にこれらに限定されるものではなく、各繊維布帛の素材に合わせて適切なものを適宜選択すればよい。好ましくは、前記染料にて蛍光を有するものを用いるとよい。これにより、得られる高視認性繊維布帛は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たす色に合わせやすい。
また、本実施の形態に用いる蛍光顔料としては、目的とする色に合わせた任意の蛍光顔料を用いればよく、例えば、イエロー系、オレンジ系、赤系、ピンク系、青系、または、白色系などの蛍光顔料があるが、特にこれらに限定されるものではない。
蛍光顔料を含む樹脂(以下、「蛍光顔料含有樹脂」とも記載する)には、他の蛍光を有しない顔料と配合して用いてもよく、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たすように、任意の顔料を配合できる。本実施の形態における高視認性繊維布帛は、これらのISO基準の中の、蛍光イエロー、蛍光オレンジレッド、蛍光レッドのいずれの要求事項の基準も満たすことができる。
なお、本実施の形態では、着色された繊維布帛の色と蛍光顔料含有樹脂を付与して着色された色との複合により、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たす色に着色される。
従って、蛍光顔料含有樹脂は、繊維布帛にあらかじめ着色された色を完全に遮蔽させているものではない。つまり、繊維布帛のあらかじめ着色された色が、蛍光顔料を含む樹脂が付着している領域においても高発色性繊維布帛の表面の色に影響を与えているので、蛍光顔料を含む樹脂は透明性を有している。特に、蛍光オレンジレッドでは、どちらか一方の着色のみで「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たした場合には、「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たす色に着色することは困難である。
蛍光顔料を含む樹脂(蛍光顔料含有樹脂)は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、または、ナイロン樹脂など、任意の樹脂を用いることができる。
この樹脂の中には、蛍光顔料を含む顔料に加えて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、または、赤外線吸収剤などを添加してもよい。
特に、蛍光顔料含有樹脂を繊維布帛に付与する際は、蛍光顔料を含む樹脂液が用いられるが、この樹脂液は、洗濯や摩耗に対する耐久性の観点から、架橋剤を含むものがよい。架橋剤としては、具体的には、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、または、カルボジイミド系架橋剤などを挙げることができる。
また、蛍光顔料含有樹脂には、難燃性の観点からは防炎剤を含むものがよい。防炎剤としては、具体的には、三酸化アンチモンもしくはヘキサブロモシクロドデカンやトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン系難燃剤、または、ビフェニリルジフェニルホスフェート、ジフェニル(フェニルアミド)ホスフェートなどのリン酸エステルアミドもしくはナフチルジフェニルホスフェートなどのリン系難燃剤などを挙げることができる。
なお、目的とする難燃基準によっては、難燃性ポリエステル、アラミド樹脂、モダクリル樹脂またはポリイミド樹脂などの繊維自体に難燃性を有している繊維を含有した繊維布帛を用いたものでは、蛍光顔料を含む樹脂(液)の中に防炎剤を含まなくとも難燃基準を満たすことも可能である。
本実施の形態では、着色された繊維布帛の少なくとも片面に、蛍光顔料含有樹脂を付与することで着色された着色部分を有する繊維布帛であって、少なくとも繊維布帛において蛍光顔料を含む樹脂を付与して着色した着色部分の表面の全面に、蛍光顔料含有樹脂が付与されている。
そして、繊維布帛において蛍光顔料含有樹脂を付与して着色した着色部分の表面は、全面にその蛍光顔料を含む樹脂が付与されているので、「ISO 20471:2013」における「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たす色になっている。
また、本実施の形態において、繊維布帛において蛍光顔料を含む樹脂を付与して着色した着色部分の表面の全面が蛍光顔料を含む樹脂が付与されているとは、蛍光顔料を含む樹脂を付与して着色した着色部分の繊維布帛の表面全体に樹脂が付与されていて、蛍光顔料を含む樹脂を付与した繊維布帛の表面部分に、実質的に1〜9mmの面積の開放領域を有さないものである。つまり、蛍光顔料を含む樹脂を付与した部分の繊維布帛の表面を構成する繊維の表面側全面に、樹脂が付着している状態のことである。ただし、蛍光顔料を含む樹脂を付与した繊維布帛の表面であっても繊維の裏面側の表面、糸と糸の隙間や糸と糸の交絡点となっている部分、または、糸を構成する繊維と繊維の隙間となっている空間部分などは、蛍光顔料を含む樹脂で覆われていてもよいし覆われていなくてもよい。また、蛍光顔料を含む樹脂を付与した繊維布帛表面であっても、1mm未満のわずかに樹脂が付着していない部分が散在していてもよい。なお、本発明の主旨が達成されるには、繊維布帛の蛍光顔料を含む樹脂が付与された着色部分の全面に実質的に樹脂が付着していればよい。
したがって、繊維布帛の蛍光顔料を含む樹脂が付与された着色部分の全面に実質的に樹脂が付着していれば、繊維布帛の全面を蛍光顔料を含む樹脂にて着色してもよいし、格子柄、ストライプ柄、幾何学柄、草木柄などの任意の柄状となるように、蛍光顔料を含む樹脂を部分的に付与して着色してもよい。柄状の場合は、視認性の観点より繊維布帛の蛍光顔料を含む樹脂が付与された着色部分は、50mm以上の幅を持つ大きな柄となっていることが好ましい。
また、繊維布帛における樹脂を付与した部分の高さ(顔料を含む樹脂層の厚み)は、20μm未満であるとよい。より好ましくは10μm以下、更に好ましくは2μm以下がよい。樹脂を付与した部分の高さを20μm未満にすることで、繊維布帛を構成する糸と糸との間やその糸を構成する繊維と繊維との間に隙間が形成されやすくなり、風合いが柔らかく、通気性の低下を抑制できるとともに、後に説明する透湿防水性膜を繊維布帛に積層した場合に透湿性の低下を抑制することができる。樹脂を付与した部分の高さの下限は、特に限定されるものではないが、付与される蛍光顔料の固着耐久性の観点からは、0.1μm程度である。
なお、樹脂を付与した部分の高さとは、樹脂に含まれる顔料やその他の添加剤を含んだ高さである。従って、球状、鱗片状または棒状など顔料などの形状にもよるが、顔料や他の添加剤は、粒子径が20μm未満のものを用いることが好ましい。
樹脂を付与した部分の高さの測定は、電子顕微鏡を用いて行うことができる。例えば、繊維布帛を構成する繊維の表面に付与された樹脂の高さを電子顕微鏡によって測定する。なお、繊維と繊維の間にまたがった部分、および、糸と糸との間にまたがった部分に樹脂が付着した箇所は高さとはみなさない。
以上、本実施の形態における高視認性繊維布帛によれば、優れた高視認性を有しているとともに、種々の繊維布帛を用いることができるので使用できる繊維布帛の制限を緩和することができる。従って、高視認性繊維布帛の風合いや外観の選択肢を増やすことができる。
しかも、蛍光顔料含有樹脂を付与した着色部分は、「ISO 20471:2013」における「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たす色になっているので、光に対する耐久性に優れた高視認性繊維布帛を実現できる。
また、本実施の形態における高視認性繊維布帛において、繊維布帛の片面に防水性を有する樹脂膜(防水膜)が付与されていてもよい。例えば、蛍光顔料を含む樹脂が繊維布帛の片面にのみに付与されている場合には、蛍光顔料を含む樹脂が付与されていない面に防水性を有する樹脂膜を設けるとよい。これにより、防水性に優れた高視認性布帛を実現できる。
さらに、この防水性を有する樹脂膜は、透湿性を有しているとさらに好ましい。これにより、防水性および透湿性に優れた高視認性繊維布帛を実現できる。
また、防水膜における高視認性繊維布帛が積層された面とは反対の面に、さらに他の繊維布帛が付与されていてもよい。つまり、防水膜が繊維布帛と繊維布帛との間に挟まれた構造としてもよい。付与された他の繊維布帛は、例えば裏地としての機能を有する。
本実施の形態において、防水性を有する樹脂膜(防水膜)とは、繊維布帛に付与されることにより1000mm以上の耐水圧を付与できるものをいい、防水膜が積層された高視認性繊維布帛の耐水圧は、好ましくは5000mm以上、より好ましくは10000mm以上であるとよい。さらに好ましくは、防水膜が積層された高視認性繊維布帛の耐水圧は、20000mm以上がよい。この耐水圧は、JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)またはB法(高水圧法)に準じた方法で測定した値であり、B法で測定した値はA法と比較しやすいように単位をmmに換算したものである。なお、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った値である。
また、防水膜が積層された高視認性繊維布帛の透湿性は、塩化カルシウム法(JIS L1099−1993A−1法)にて測定した場合、好ましくは2000g/m・24hrs以上、より好ましくは5000g/m・24hrs以上、さらに好ましくは10000g/m・24hrs以上であるとよい。
また、酢酸カリウム法(JIS L1099−1993B−1法)にて測定した場合であっても、防水膜が積層された高視認性繊維布帛の透湿性は、好ましくは2000g/m・24hrs以上、より好ましくは5000g/m・24hrs以上、さらにより好ましくは10000g/m・24hrs以上がよい。
なお、透湿性は、塩化カルシウム法および酢酸カルシウム法ともに、24時間当りの透湿量に換算した値である。
防水性を有する樹脂膜の素材としては、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、または、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)などが挙げられる。
また、防水性および透湿性を兼ね備えるとの観点からは、樹脂膜の素材としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂またはPTFEを用いることが好ましい。
また、防水性を有する樹脂膜は、多孔質膜および無孔質膜のいずれであってもよいが、PTFE膜を用いる場合は透湿性の観点から多孔質膜がよい。
また、防水性を有する樹脂膜は、1層のみの単層膜であってもよいし、複数の層が積層された積層膜であってもよい。また、複数の層を積層した場合には、例えばウレタン樹脂層とPTFE層などの異なる種類の樹脂を積層したものであってもよいし、ウレタン樹脂層とウレタン樹脂層との積層膜のように同一の種類の樹脂を積層したものであってもよい。
[高視認性繊維布帛の製造方法]
次に、本実施の形態に係る高視認性繊維布帛の製造方法について説明する。なお、本実施の形態における高視認性繊維布帛は、以下の製造方法にて製造されたものに限定されるものではない。また、既に説明をした構成については、一部説明を省略する。
まず、着色された繊維布帛を得るため、糸、かせまたは繊維布帛を用意し、あらかじめ着色する。着色は、チーズ染色機、かせ染色機、ウインス型染色機、液流染色機、ビーム型染色機、ジッカー型染色機、連続型染色機、スクリーン捺染機、または、インクジェットプリンターなどを用いて、繊維布帛を構成する素材に応じた染料や温度などの条件にて着色すればよい。糸状、かせ状で着色された場合には、その後布帛状にし、着色された繊維布帛とする。
例えば、ポリエステル繊維と綿との混紡糸を用いた場合には、液流染色機を用いて、分散染料と反応染料にて、60℃〜135℃で染めればよい。なお、ポリエステル繊維および綿のいずれか一方の繊維のみを染めてもよい。
また、繊維の紡糸段階で、紡糸用樹脂に顔料などを添加して着色したものであってもよい。特にアラミド繊維では、あらかじめ紡糸段階で顔料が添加され着色されているものが多いので、そのまま繊維布帛として用いてもよいし、さらに、カチオン染料で染色してもよい。なお、アラミド繊維であっても、紡糸段階で紡糸用樹脂の中に顔料を添加せず、湿度管理やアラミド繊維に流体加工を施すなどして、上述のように染料を用いて着色してもよい。
また、モダクリル繊維では、液流染色機などを用いて、カチオン染料を用いて染色すればよい。
着色する色は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たす色に着色すればよいが、後工程で蛍光顔料を含む樹脂を付与して着色することによる色の影響も受けるため、この段階において、必ずしも「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たす色に着色する必要はない。
例えば、蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の色について、色度座標および輝度率がともに、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たすもの、色度座標および輝度率がともに、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たさないもの、色度座標は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たすが、輝度率は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たさないもの、または、色度座標は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たさないが、輝度率は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たすもの、が挙げられる。
好ましくは、蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の輝度率は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たすとよい。より好ましくは、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」に定められた輝度率の下限値を0.05以上越えているとよく、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.15以上越えているとよい。
また、光に対する耐久性向上の観点からは、蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の輝度率は、その後、蛍光顔料を含む樹脂を付与することにより着色された着色部分の輝度率に比べて高いことが好ましい。
蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の輝度率を高めておくことにより、輝度率の基準を満たすことが難しい蛍光オレンジレッドや蛍光レッドであっても、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」を満たす高視認性繊維布帛が容易に得られる。
なお、着色した後は、必要に応じて、ソーピングや熱セットを行えばよい。また、難燃加工、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、または、耐光向上加工などを、この着色処理と同時に、または、この着色処理の後に、パディング法などで行ってもよい。
次に、着色された繊維布帛の少なくとも片面に、蛍光顔料を含む樹脂を付与する。この繊維布帛への樹脂の付与は、フラットスクリーン捺染機、ロータリースクリーン捺染機、インクジェットプリンター、ナイフコーター、キスコーター、グラビアコーター、または、パッダーなどを用いる方法が挙げられる。
蛍光顔料を含む樹脂は、繊維表面に隙間なく、また、薄く(乾燥後の樹脂厚みが20μm未満)付与するとよい。この観点からは、繊維布帛への樹脂の付与は、フラットスクリーン捺染機またはロータリースクリーン捺染機が好ましい。
なお、フラットスクリーン捺染機、ロータリースクリーン捺染機、インクジェットプリンターまたはグラビアコーターなどを用いた場合には、スクリーンの紗やグラビアの彫の影響を受け、繊維布帛表面の蛍光顔料を含む樹脂を付与した部分に1〜9mmの面積の開放領域相当の格子状やドット状などの柄状の隙間(樹脂の未付着部)ができるおそれがあるため、繊維布帛上に付与された蛍光顔料含有樹脂が、繊維布帛を構成する繊維上でブリードし、実質的に繊維表面を覆うことが好ましい。
繊維布帛表面の蛍光顔料を含む樹脂を付与した部分に1〜9mmの面積の開放領域ができると、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たすことが難しくなり、また、いらつきなどが発生して外観品位の低下をまねくおそれがある。
蛍光顔料含有樹脂を付与するための樹脂液としては、蛍光顔料および樹脂に加えて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、または、赤外線吸収剤などを適宜添加してもよい。
特に、着色された部分の色の洗濯や摩耗に対する耐久性に観点からは、蛍光顔料を含む樹脂液の中には架橋剤が含まれているとよい。このような架橋剤としては、具体的には、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤などが挙げられる。
また、難燃性の観点からは、蛍光顔料を含む樹脂液の中には防炎剤が含まれているとよい。このような防炎剤としては、具体的には、三酸化アンチモン、ヘキサブロモシクロドデカンやトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン系難燃剤や、ビフェニリルジフェニルホスフェート、ジフェニル(フェニルアミド)ホスフェートなどのリン酸エステルアミド、ナフチルジフェニルホスフェートなどのリン系難燃剤などが挙げられる。
なお、目的とする難燃基準によっては、難燃性ポリエステル、アラミド樹脂、モダクリル樹脂またはポリイミド樹脂などの繊維自体に難燃性を有している繊維を含有した繊維布帛を用いたものでは、蛍光顔料を含む樹脂(液)の中に防炎剤を含まなくとも難燃基準を満たすことも可能である。
また、蛍光顔料含有樹脂を付与するための樹脂液は、水溶液、分散液、エマルジョンおよび有機溶媒溶液のいずれであってもよい。
そして、蛍光顔料を含む樹脂液を繊維布帛の片面に付与した後は、樹脂液を乾燥させる。なお、必要に応じて、ソーピングや熱セットなどを行ってもよい。
また、蛍光顔料を含む樹脂液を繊維布帛に付与して着色した後に、難燃加工、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、耐光向上加工、または、撥水加工などを、パディング法などで行ってもよい。
さらに、防水性を有する樹脂膜(防水膜)を付与する場合には、蛍光顔料含有樹脂を付与した後に、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面に防水膜を付与すればよい。防水膜を繊維布帛に付与する場合は、以下の方法が挙げられる。
例えば、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面に、防水性を有する樹脂膜を付与するための樹脂液をパイプコータなどにより塗布して、当該樹脂液を塗布した繊維布帛を水中などに浸漬させて、樹脂を凝固、脱溶媒および乾燥させることで、繊維布帛に防水膜を付与する方法がある。
また、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面に、上記樹脂液をパイプコータなどにより塗布し、乾燥して、樹脂膜を形成することによって、繊維布帛に防水膜を付与する方法もある。
また、あらかじめ形成された樹脂膜の表面に接着剤を塗布し、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面と重ね合わせて、繊維布帛と樹脂膜(防水膜)とを貼り合わせることによって繊維布帛に防水膜を付与する方法もある。なお、繊維布帛と貼り合わせる樹脂膜は、樹脂膜のみであってもよし、離型紙などの上に防水膜が形成されているものであってもよい。離型紙などの上に積層された状態の防水膜と繊維布帛とを貼り合せる場合には、防水膜と繊維布帛とを貼りわせた後に、任意の段階で離型紙など不要なものを剥離して除去すればよい。
防水膜を付与するための樹脂液に中には、蛍光顔料含有樹脂の樹脂液と同様に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、または、赤外線吸収剤などが添加されていてもよい。
また、接着剤にて防水膜を繊維布帛に貼りわせる場合には、接着剤にも、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、または、赤外線吸収剤などが添加されていてもよい。
なお、繊維布帛に防水膜を付与した後は、乾燥や熱セットなどを行うとよい。
また、防水膜の繊維布帛が積層されていない面には、さらに他の織物や編物などの繊維布帛を接着剤などを用いて貼り合わせてもよい。
また、防水膜を有する繊維布帛に対し、さらに、難燃加工、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、耐光向上加工、または、撥水加工などを、パディング法などで行ってもよい。
なお、繊維布帛の両面に蛍光顔料含有樹脂が付与されている場合には、任意の面に防水性を有する樹脂膜(防水膜)を付与すればよい。
また、本実施の形態によって製造された高視認性繊維布帛は、例えば衣服に用いることができる。特に蛍光顔料を含む樹脂を付与することで着色された面を衣服の表側に用いるとよい。これにより、高視認性衣服を実現することができる。このように、本実施の形態における高視認性衣服は、上記の高視認性繊維布帛を少なくとも一部に用いて得られるものである。
衣服としては、一般のジャンパー、ジャケット、ダウンウエアー、チョッキ、ヤッケ、アノラック、コート、合羽、シャツ、運動用衣服、手袋、帽子、または、靴をはじめ、一般道路、自動車専用道路、港、空港、線路、駐車場、油田、ガス田、コンビナートなどで作業を行う人の作業服または消防服などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、高視認性繊維布帛が用いられる衣服の部位としては、衣服全体であってもよいし、衣服の一部であってもよい。衣服の一部に高視認性繊維布帛を用いる場合、ストライプ状などの柄状となるように衣服の一部に用いてもよいし、袖、身頃、裾などの衣服の一部分の全体に用いてよい。また、好ましくは、衣服の外側全体が本実施の形態における高視認性繊維布帛で形成されているとよい。
高視認性繊維布帛をストライプ状の柄に用いる場合、ストライプの幅は特に限定されないが、高視認性の観点からは、好ましくは50mm以上の幅を有するとよい。また、高視認性繊維布帛は、衣服を着用した場合に、衣服の前面と背面とに跨っているとよい。例えば、高視認性繊維布帛は、前身頃から後身頃まで連続して使用されているとよい。
衣服において高視認性繊維布帛が占める面積としては、衣服の外側部分では、0.14m以上、好ましくは0.5m以上、さらに好ましくは0.8m以上であるとよい。さらに好ましくは、衣服の全てが高視認性繊維布帛で製造されているとよい。
なお、本実施の形態における高視認性繊維布帛は、衣服に限らず、テント、ビブスまたは旗などにも用いることができる。
以下、実施例により本実施の形態における高視認性繊維布帛について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例におけるA〜Hの各評価項目における各種物性などの測定および評価は、次の方法によって行った。
[A 「ISO20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」への適合の確認]
ISO 20471:2013 5.1に準じて、分光測色計(CM−2500C(コニカミノルタ株式会社製))を用いてYxy表色系のY,x,yの測定を行い、判定した。また、輝度率βは、β=Y/100で求めた。なお、繊維布帛の片面に蛍光顔料を含む樹脂を付与することで着色された着色部分を有する繊維布帛の場合は、蛍光顔料を含む樹脂を付与した面を測定面とした。
[B 「ISO20471:2013」の「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」への適合の確認]
ISO20471:2013 5.2に準じて、分光測色計(CM−2500C(コニカミノルタ株式会社製))を用いてYxy表色系のY,x,yの測定を行い、判定した。また、輝度率βは、β=Y/100で求めた。なお、繊維布帛の片面に蛍光顔料を含む樹脂を付与することで着色された着色部分を有する繊維布帛の場合は、蛍光顔料を含む樹脂を付与した面を測定面とした。
[C 通気性]
通気性は、蛍光顔料を含む樹脂を付与した後、防水性を有する膜を付与する前の繊維布帛の通気性を、JIS L1096:2010 A法(フラジール形法)に準じて測定した。
[D 透湿度]
塩化カルシウム法による透湿度は、JIS L1099−1993A−1法に準じて測定した。また、酢酸カリウム法による透湿度は、JIS L1099−1993B−1法に準じて測定した。
なお、塩化カルシウム法および酢酸カルシウム法はともに、24時間当りの透湿量に換算した。
[E 耐水圧]
耐水圧は、JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)A法(低水圧法)およびB法(高水圧法)に準じた方法で測定した。なお、B法で測定した値は、A法と比較しやすいように単位をmmに換算した。
また、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った。
[F 蛍光顔料含有樹脂で着色した部分の表面の観察および樹脂を付与した部分の高さ]
走査型電子顕微鏡(SEMEDX Type H形(株式会社日立サイエンスシステムズ製))を用いて、30〜4500倍で、蛍光顔料含有樹脂で着色した部分の表面を観察し、また、蛍光顔料含有樹脂で着色した部分の高さを測定した。
[G 風合]
風合いは、手でさわって判断を行った。
[H 難燃性]
難燃性は、ISO 15025:2000 A法(表面接炎)に準じて試験を行い、合否を判定した。
(実施例1)
東レ・デュポン(株)製のパラ系アラミドフィラメント繊維(商品名KEVLAR 1670デシテックス、フィラメント数1000、タイプ956)の平織物を、染料としてAizen Cathilon Orange RH(保土ヶ谷工業(株)製、カチオン染料)およびMIKA ホワイト ATN(日本化薬(株)製、蛍光増白剤)を用いて130℃で60分染色し、ソーダ灰2g/lおよびハイドロサルファイト2g/lからなる水溶液を用いて90℃×10分処理した後、水洗し、120℃×30秒乾燥後、200℃×1分間熱セットすることで、オレンジ色に着色された繊維布帛を得た。
次に、このオレンジ色の繊維布帛の片面全面に、蛍光顔料を含む以下の樹脂液を、ロータリースクリーン捺染機を用いて付与し、90℃で1分間乾燥した後、160℃で30秒間熱処理した。
[蛍光顔料を含む樹脂液]
・DKバインダーFV−10C 75質量%
(リン酸エステルアミド、ウレタン樹脂、ミネラルスピリット、水のエマルジョン液。大京化学(株)製)
・RYUDYE−W Lumius Orange NF 20質量%
(蛍光顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Orange RS−E 1質量%
(顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Yellow NLA275 2質量%
(顔料。DIC(株)製)
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤。固形分100%) 2質量%
次に、このようにして得られた繊維布帛に、防水性を有する樹脂膜として多孔質のPTFE膜(日本ドナルドソン(株)製、TX2201)を付与した。具体的には、PTFE膜に、下記の接着剤樹脂液を点状に塗布し、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面にPTFE膜を貼り合わせ、120℃で乾燥した。
[接着剤樹脂液]
・2液型ポリウレタン樹脂 100質量部
・難燃剤(ジエチルホスフィン酸アルミニウム) 50質量部
・トルエン 30質量部
・MEK(メチルエチルケトン) 40質量部
・イソシアネート(コロネートHL、日本ポリウレタン工業(株)製) 9質量部
・アミン系触媒(HI−299、大日精化工業(株)) 0.5質量部
引き続き、フッ素系撥水剤(アサヒガードAG−E081、旭硝子(株)製)5%水溶液をパディング法で付与し、乾燥および熱セットを行い、蛍光オレンジレッドの高視認性繊維布帛を得た。
(比較例1)
比較例1では、繊維布帛に蛍光顔料を含む樹脂液を付与しなかった以外は、実施例1と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
(比較例2)
比較例2では、繊維布帛を染料で染色しなかった以外は、実施例1と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
(実施例2)
ナイロンタフタ(タテ糸およびヨコ糸がとも6−ナイロンで、77デシテッス/68フィラメントで、密度がタテ123本/2.54cm、ヨコ90本/2.54cmである)を、染料としてTwintex Brill. Flavin GN200(二葉産業(株)製、分散染料)およびKayalon Polyester Brill. Red FB−S(日本化薬(株)製、分散染料)を用いて105℃で30分間染色した後、水洗し、120℃×30秒乾燥し、オレンジ色に着色された繊維布帛を得た。
次に、このオレンジ色の繊維布帛の片面全面に、蛍光顔料を含む以下の樹脂液を、ロータリースクリーン捺染機を用いて付与し、90℃で1分間乾燥した後、160℃で30秒間熱処理した。
次に、フッ素系撥水剤(アサヒガードAG―E081、旭硝子(株)製)5%水溶液をパディング法で付与し、乾燥および熱処理して、撥水加工を行った後、170℃で圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工を施すことで、蛍光顔料を含む樹脂が付与された繊維布帛を得た。
[蛍光顔料を含む樹脂液]
・DKバインダーFV−10C 75質量%
(リン酸エステルアミド、ウレタン樹脂、ミネラルスピリット、水のエマルジョン液。大京化学(株)製)
・RYUDYE−W Lumius Orange NF 20質量%
(蛍光顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Orange RS−E 1質量%
(顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Yellow NLA275 2質量%
(顔料。DIC(株)製)
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤。固形分100%) 2質量%
次に、このようにして得られた繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂を付与していない面に、下記樹脂溶液をパイプコータを用いて0.15mmの厚みで塗布し、水中に浸漬し、ウレタン樹脂を凝固させて、40℃の水中および20℃の水中にて脱溶媒を行った後、120℃にて3分間乾燥および150℃にて1分間熱セットを行うことで、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面に微多孔質膜の防水膜を形成した。
[樹脂溶液]
・エステル系ポリウレタン樹脂(固形分 25%) 100質量部
・DMF(N,N−ジメチルホルムアミド) 20質量部
・炭酸カルシウム分散品(固形分60%) 20質量部
・イソシアネート系架橋剤 2質量部
その後、170℃にて仕上げセットを行うことで蛍光オレンジレッドの高視認性繊維布帛を得た。
(比較例3)
比較例3では、繊維布帛に蛍光顔料を含む樹脂液を付与しなかった以外は、実施例2と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
(比較例4)
比較例4では、繊維布帛を染料で染色しなかった以外は、実施例2と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
(実施例3)
モダクリル繊維60質量%、綿40質量%の平織物を、染料としてKayacryl Brill. Yellow Flavine 10G−ED(日本化薬(株)製、カチオン染料)、Aizen Cathilon Pink BL−DP80(保土谷化学工業(株)製、カチオン染料)、MIKA ホワイト ATN(日本化薬(株)製、蛍光増白剤)およびハッコール BRK(昭和化学工業(株)、蛍光増白剤)を用いて100℃で30分間染色し、湯洗および水洗し、120℃×30秒乾燥後、140℃×1分間熱セットすることで、オレンジ色に着色された繊維布帛を得た。
次に、このオレンジ色の繊維布帛の片面全面に、蛍光顔料を含む以下の樹脂液を、ロータリースクリーン捺染機を用いて付与し、90℃で1分間乾燥した後、160℃で30秒間熱処理した。
[蛍光顔料を含む樹脂液]
・DKバインダーFV−10C 75質量%
(リン酸エステルアミド、ウレタン樹脂、ミネラルスピリット、水のエマルジョン液。大京化学(株)製)
・RYUDYE−W Lumius Orange NF 20質量%
(蛍光顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Orange RS−E 1質量%
(顔料。DIC(株)製)
・RYUDYE−W Yellow NLA275 2質量%
(顔料。DIC(株)製)
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤。固形分100%) 2質量%
次に、このようにして得られた繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂を付与していない面に、防水膜を付与するために下記組成のウレタン樹脂溶液を準備した。
[ウレタン樹脂溶液]
・エーテル系ウレタン樹脂(固形分30%) 100質量部
・難燃剤(ジエチルホスフィン酸アルミニウム) 30質量部
・MEK(メチルエチルケトン) 70質量部
・白顔料 8質量部
このウレタン樹脂溶液を離型紙の上に0.1mmの厚みで塗布し、120℃で乾燥することで、無孔質のウレタン樹脂膜(防水膜の水膨潤度(質量膨潤)が85%)を得た。次いで、このウレタン樹脂膜の上に、硬化皮膜の水膨潤度(重量膨潤)が30%である下記組成の接着剤溶液を0.1mmの厚みで塗布し、120℃で乾燥させた。その後、この樹脂膜が形成された離型紙の接着剤を付与した面に、オレンジ色の繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂が付与されていない面を重ね合わせて積層し、貼り合わせた。次に、80℃で72時間エージングした後、離型紙を剥離し除去した。
[接着剤溶液(接着剤用ウレタン樹脂溶液)]
・エーテル系ウレタン樹脂(固形分50%) 100質量部
・難燃剤(ジエチルホスフィン酸アルミニウム) 50質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・タケネートWD−725 9質量部
(イソシアネート系架橋剤、武田薬品工業(株)製)
・硬化触媒HI215(大日精化工業(株)製) 0.5質量部
次に、アサヒガードAG―E081(フッ素系撥水剤、旭硝子(株)製)5%水溶液をパディング法で付与し、乾燥および熱処理して、撥水処理を行った後、140℃で仕上げセットを行うことで、蛍光オレンジレッドの高視認性繊維布帛を得た。
(比較例5)
比較例5では、繊維布帛に対し蛍光顔料を含む樹脂液を付与しなかった以外は、実施例3と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
(比較例6)
比較例6では、繊維布帛を染料で染色しなかった以外は、実施例3と同様の材料および方法で繊維布帛を得た。
以上のようにして得られた実施例1〜3の各高視認性繊維布帛および比較例1〜6における各繊維布帛について、各種物性値などの測定結果および評価結果を図1に示す。なお、各実施例における蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の輝度率は、各実施例に対する蛍光顔料を含む樹脂を付与しなかったときの比較例の測定値を用いた。
図1の評価項目Aに示されるように、種々の繊維布帛によって製造された、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛は、いずれも「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」のオレンジレッドの基準を満たしており、視認性に優れていた。なお、図2は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」のオレンジレッドの基準を示している。
また、評価項目Bに示されるように、種々の繊維布帛によって製造された、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛は、いずれも、「ISO 20471:2013」の「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」を満たしており、太陽光が照射されても優れた視認性を有し、耐光性に優れていることが分かる。
特に、繊維布帛としてパラ系アラミドフィラメント繊維を用いた場合、比較例1では、キセノン耐光試験前において「ISO20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」の基準を満たすことができなかったが、実施例1では、キセノン耐光試験前および試験後も「5.1 色に対する要求事項」の基準を満たすことができた。
同様に、繊維布帛としてモダクリル繊維と綿とを複合した生地を用いた場合、比較例5では、キセノン耐光試験前において「ISO20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」の基準を満たすことができなかったが、実施例3では、キセノン耐光試験前および試験後も「5.1 色に対する要求事項」の基準を満たすことができた。
また、評価項目Cに示されるように、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛は、繊維布帛の全面に蛍光顔料を含む樹脂を付与したにもかかわらず、優れた通気性を維持していることが分かる。これは、後述の評価項目FおよびGのように、繊維布帛に付与された蛍光顔料含有樹脂が非常に薄い樹脂膜になっており、糸と糸、繊維と繊維の間に隙間を有しているからであると考えられる。
実施例1、実施例2および実施例3において、それぞれPTFE膜、ウレタン樹脂を用いた多孔質の防水膜、無孔質のポリウレタン樹脂膜を付与する前のオレンジ色の高視認性布帛にて作業着を作製したところ、通気性を有しているため、視認性に優れると共に衣服内のムレが抑えられた快適な作業着が得られた。
また、評価項目Dに示されるように、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛は、防水膜を積層した後も、優れた透湿性を有することが分かる。さらに、評価項目Eに示されるように、防水性にも優れていることも分かる。
また、評価項目Fに示されるように、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛の着色部分の表面を観察すると、図3に示すように、繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂を付与した部分には、繊維布帛の全面(繊維表面)に樹脂が付着していることが分かった。なお、図3は、実施例3における高視認性繊維布帛の表面(30倍、50倍、100倍、1500倍、2000倍)の電子顕微鏡写真であるが、実施例1、2についても同様の表面が観察された。
また、図4に示すように、糸と糸との交絡点や繊維と繊維との間を塞ぐように樹脂が付着している部分もあったが、多くの部分は樹脂で埋め尽くされず、糸と糸との間および繊維と繊維の間には隙間が残っていた。なお、図4は、実施例3における高視認性繊維布帛の表面(タテ糸表面150倍、ヨコ糸表面250倍、交絡点表面1500倍)の電子顕微鏡写真であるが、実施例1、2についても同様の表面が観察された。
また、評価項目Gに示されるように、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛の蛍光顔料含有樹脂を付与した部分の高さを測定すると、粒子径が1〜2μmの粒子(顔料と推測される)が存在する箇所の高さは、粒子の影響を受けて1〜2μmであった。また、樹脂が付着しているものの粒子が確認できない部分は、4500倍で観察しても高さは1μm未満であり、非常に薄い樹脂膜が付与されていることが分かった。なお、図5は、実施例3における高視認性繊維布帛の断面(300倍、500倍、3000倍、4500倍)の電子顕微鏡写真であるが、実施例1、2についても同様の断面が観察された。
また、評価項目Hに示されるように、実施例1、実施例2および実施例3の高視認性繊維布帛は、風合いは加工前に比べて多少硬化したものの柔らかいものであった。
また、評価項目Iに示されるように、実施例1および実施例3の高視認性繊維布帛は、難燃性を有する。
本発明に係る高視認性繊維布帛は、衣服などの繊維布帛が用いられる繊維製品などにおいて広く利用することができる。

Claims (14)

  1. 着色された繊維布帛の少なくとも片面に、蛍光顔料を含む樹脂を付与することで着色された着色部分を有する繊維布帛であって
    なくとも前記着色部分の表面の全面には前記蛍光顔料を含む樹脂が付与されており、前記着色部分の色は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たし、
    前記蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の前記着色された繊維布帛の輝度率は、前記蛍光顔料を含む樹脂を付与することにより着色された前記着色部分の輝度率に比べて高い、高視認性繊維布帛。
  2. 前記着色部分の高さは、20μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の高視認性繊維布帛。
  3. 前記繊維布帛の片面に防水性を有する樹脂膜が付与されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高視認性繊維布帛。
  4. 前記蛍光顔料を含む樹脂には、難燃剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高視認性繊維布帛。
  5. 前記高視認性繊維布帛は、難燃性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  6. 前記蛍光顔料を含む樹脂は、蛍光を有しない顔料を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  7. 前記繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アラミド、アクリル、モダクリル、ポリウレタン、アセテート、レーヨン、ポリ乳酸、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、フッ素、綿、麻、絹、及び、羊毛の中から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  8. 前記繊維布帛は、あらかじめ蛍光を有する染料で着色されていることを特徴とする請求項1〜7のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  9. 前記蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の前記着色された繊維布帛の輝度率は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  10. 前記蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の前記着色された繊維布帛の輝度率は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」に定められた輝度率の下限値を0.05以上超えていることを特徴とする請求項1〜9のいずか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  11. 前記蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の着色された繊維布帛の色の座標は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」を満たさないことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  12. 前記蛍光顔料を含む樹脂を付与して着色された着色部分は、通気性を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の高視認性繊維布帛。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の高視認性繊維布帛を少なくとも一部に用いた高視認性衣服。
  14. 着色された繊維布帛の少なくとも片面に、蛍光顔料を含む樹脂を付与することで、着色された着色部分を有する高視認性繊維布帛の製造方法であって、
    少なくとも前記着色部分の表面の全面には前記蛍光顔料を含む樹脂が付与されており、前記着色部分の色は、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」および「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たし、
    前記蛍光顔料を含む樹脂を付与する前の前記着色された繊維布帛の輝度率は、前記蛍光顔料を含む樹脂を付与することにより着色された前記着色部分の輝度率に比べて高い、高視認性繊維布帛の製造方法。
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