JP6477578B2 - モータ温度推定装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたモータ温度推定装置では、3相電流(つまり、U相コイルに流れる電流、V相コイルに流れる電流、および、W相コイルに流れる電流)から2相電流(つまり、D軸電流およびQ軸電流)への変換が実行される。また、2相電流の2乗値の和(つまり、D軸電流の2乗値とQ軸電流の2乗値との和)が計算される。
さらに、特許文献1に記載されたモータ温度推定装置では、3相モータの停止時に、3相モータの回転時よりも、2相電流の2乗値の和の変化を急にする、つまり、2相電流の2乗値の和の変化の遅延を少なくするローパスフィルタ処理演算が実行され、3相モータのコイルの温度の上昇分(増加分)が計算される。また、3相モータのコイルの温度の上昇分(増加分)と3相モータの雰囲気温度(マス推定温度)とを加算することにより、3相モータのコイルの推定温度が計算される。
3相モータの回転時には、位相が互いに異なるものの、U相コイルに流れる電流の大きさとV相コイルに流れる電流の大きさとW相コイルに流れる電流の大きさとが互いに等しいため、U相コイルの温度とV相コイルの温度とW相コイルの温度とが等しいことを前提としても、3相モータのコイルの温度を正確に推定することができる。
ところが、3以上の相を有する多相モータの停止時には、それぞれの相コイルに流れる電流がゼロではなく、多相モータのロータがステータに対して停止した状態を保持するための電流がそれぞれの相コイルに流れている。詳細には、3以上の相を有する多相モータの停止時に、互いに異なる大きさの電流がそれぞれの相コイルに流れている。
特許文献1に記載されたモータ温度推定装置では、3相モータの停止時に、U相コイルに流れる電流の大きさとV相コイルに流れる電流の大きさとW相コイルに流れる電流の大きさとが互いに異なっているにもかかわらず、U相コイルに流れる電流の大きさとV相コイルに流れる電流の大きさとW相コイルに流れる電流の大きさとが等しいことを前提として、3相モータのコイルの温度が推定されている。
そのため、特許文献1に記載されたモータ温度推定装置では、3相モータの停止時に、3相モータのコイルの温度を正確に推定できないおそれがある。
詳細には、特許文献1に記載されたモータ温度推定装置では、3相モータの停止時に、例えば、U相コイルに流れる電流とV相コイルに流れる電流とW相コイルに流れる電流との平均値よりも大きい電流が流れる相コイルの温度が、実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれがある。
前記第1相コイルに流れる電流を検出する第1相電流センサと、
前記第2相コイルに流れる電流を検出する第2相電流センサと、
前記第3相コイルに流れる電流を検出する第3相電流センサとを具備するモータ温度推定装置において、
前記多相モータが回転しているか否かを判定する判定部と、
前記第1相電流センサの出力信号である第1相出力信号、前記第2相電流センサの出力信号である第2相出力信号、および、前記第3相電流センサの出力信号である第3相出力信号を変換して変換後出力信号を出力する変換部と、
前記多相モータの回転中の温度を推定する第1温度推定部と、
前記多相モータの停止中の温度を推定する第2温度推定部とを具備し、
前記第1温度推定部には、前記変換後出力信号が入力され、
前記第2温度推定部には、前記第1相出力信号、前記第2相出力信号、および、前記第3相出力信号が入力されることを特徴とするモータ温度推定装置が提供される。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの回転中に、第1相出力信号、第2相出力信号、および、第3相出力信号から直接、多相モータの温度が推定される場合よりも演算負荷を低減しつつ、多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度を正確に推定することができる。
さらに、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの停止中に、第1相出力信号、第2相出力信号、および、第3相出力信号から多相モータの温度が推定される。
つまり、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの停止中に、第1相コイルに流れる電流の大きさと、第2相コイルに流れる電流の大きさと、第3相コイルに流れる電流の大きさとが考慮されて、多相モータの温度が推定される。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの停止中に、変換後出力信号から多相モータの温度が推定される場合よりも、多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度を正確に推定することができる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの回転中に、例えばD軸電流およびQ軸電流(つまり、パラメータの数が2)から多相モータの温度が推定される場合よりも、演算負荷、および、演算結果を記憶する記憶容量を低減することができる。
本発明のモータ温度推定装置では、前記判定部が、前記アクチュエータの動作に基づいて前記多相モータが回転しているか否かを判定することもできる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、例えばアクチュエータの動作を検出するためのセンサが設けられている場合には、多相モータの回転を検出するセンサを別個に設ける必要なく、多相モータが回転しているか否かを判定することができる。
本発明のモータ温度推定装置では、前記アクチュエータが停止したときに、前記第1相コイルに流れる電流、前記第2相コイルに流れる電流、および、前記第3相コイルに流れる電流が低減せしめられると共に、前記多相モータが停止したと前記判定部によって判定されることもできる。
この点に鑑み、本発明のモータ温度推定装置では、アクチュエータが、例えば大きいトルクを長時間発生し続けた後に、停止したとき、第1相コイルに流れる電流、第2相コイルに流れる電流、および、第3相コイルに流れる電流が低減せしめられる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、アクチュエータが停止したときに第1相コイルに流れる電流、第2相コイルに流れる電流、および、第3相コイルに流れる電流が低減せしめられない場合よりも、多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度上昇を抑制することができる。
また、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータが回転するとアクチュエータが動作することが利用され、アクチュエータの停止に基づいて多相モータが停止していると判定される。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、例えばアクチュエータの動作を検出するためのセンサが設けられている場合には、多相モータの回転を検出するセンサを別個に設ける必要なく、多相モータが停止していることを判定することができる。
つまり、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度上昇を抑制し、かつ、多相モータのロータがステータに対して停止した状態を保持することができる。
本発明のモータ温度推定装置では、前記多相モータが、電源を有する車両に適用されてもよい。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの第1相コイルの温度の上昇分、第2相コイルの温度の上昇分、および、第3相コイルの温度の上昇分のすべてが記憶部によって記憶される場合よりも、記憶部の容量を小型化することができる。
さらに、本発明のモータ温度推定装置では、車両の電源がOFFになるときの多相モータの第1相コイルの温度の上昇分、第2相コイルの温度の上昇分、および、第3相コイルの温度の上昇分のうちの最も大きい値が、車両の電源が次にONになるときの多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度の推定に用いられる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、車両の電源が次にONになるときに、第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度が実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれを抑制することができる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、多相モータの第1相コイルの温度の上昇分、第2相コイルの温度の上昇分、および、第3相コイルの温度の上昇分のすべてが記憶部によって記憶される場合よりも、記憶部の容量を小型化することができる。
さらに、本発明のモータ温度推定装置では、車両の電源がOFFになるときの多相モータの第1相コイルの温度の上昇分、第2相コイルの温度の上昇分、および、第3相コイルの温度の上昇分のうちの最も大きい値および2番目に大きい値のいずれかが、車両の電源が次にONになるときの多相モータの第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度の推定に用いられる。
そのため、本発明のモータ温度推定装置では、車両の電源が次にONになるときに、第1相コイル、第2相コイルおよび第3相コイルの温度が実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれを抑制することができる。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された図1に示す例では、第1相コイル1aと第2相コイル1bと第3相コイル1cとを有する多相モータ1が設けられている。図1に示す例では、多相モータ1が3つの相を有する3相モータであるため、第1相コイル1aがU相コイルに相当し、第2相コイル1bがV相コイルに相当し、第3相コイル1cがW相コイルに相当する。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された図1に示す例では、第1相コイル1aに流れる電流が第1相電流センサ2aによって検出され、第2相コイル1bに流れる電流が第2相電流センサ2bによって検出され、第3相コイル1cに流れる電流が第3相電流センサ2cによって検出される。
図1に示す例では、電流センサ2a、2b、2cがECU(電子制御ユニット)10とは別個に設けられているが、他の例では、代わりに、電流センサ2a、2b、2cをECU10内に設けることもできる。
図2に示すように、第1の実施形態のモータ温度推定装置100の多相モータ(3相モータ)1(図1参照)の回転中(時間t1以前)には、第1相電流の時間波形、第2相電流の時間波形および第3相電流の時間波形は、位相が120度ずつ異なる正弦波になる。
多相モータ(3相モータ)1の回転中には、第1相電流の位相と、第2相電流の位相と、第3相電流の位相とが互いに異なるものの、第1相電流の大きさと、第2相電流の大きさと、第3相電流の大きさとが互いに等しいと考えることができるため、第1相コイル1a(図1参照)の温度と第2相コイル1b(図1参照)の温度と第3相コイル1c(図1参照)の温度とが等しいことを前提として、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度を正確に推定することができる。
多相モータ1が回転していると判定部10aによって判定されたとき(つまり、多相モータ1の回転中)には、電流センサ2aの出力信号(第1相電流)、電流センサ2bの出力信号(第2相電流)、および、電流センサ2cの出力信号(第3相電流)が変換部10bによって3相/2相変換される。次いで、変換後出力信号であるD軸電流およびQ軸電流が、変換部10bから第1温度推定部10cに出力される。次いで、D軸電流およびQ軸電流に基づき、第1温度推定部10cによって、多相モータ1の回転中の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度(詳細には、温度の上昇分)が推定される。
詳細には、図2に示すように、多相モータ1の停止中(時間t1以降)には、第1相電流、第2相電流および第3相電流が、多相モータ1が停止する時(時間t1)のそれぞれの値に維持されている。また、多相モータ1が停止する時(時間t1)における第1相電流の値と、第2相電流の値と、第3相電流の値とが互いに異なっている。
多相モータ1の停止中(時間t1以降)に、第1相電流の大きさと第2相電流の大きさと第3相電流の大きさとが互いに異なっているにもかかわらず、第1相電流の大きさと第2相電流の大きさと第3相電流の大きさとが等しいことを前提として、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度が推定される場合には、多相モータ1の停止中の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度を正確に推定することができない。
具体的には、図2に示す例では、第1相電流の大きさと第2相電流の大きさと第3相電流の大きさとが等しいことを前提として、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度が推定される場合に、第1相電流、第2相電流および第3相電流の平均値(詳細には、それらの絶対値の平均値)よりも大きい電流(詳細には、絶対値が大きい電流)が流れる第1相コイル1aおよび第2相コイル1bの温度が、実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれがある。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された図3に示す例では、演算部10d1と、演算部10d2と、1次フィルタ10d3とが、第2温度推定部10dに設けられている。
図3に示す例では、例えば、多相モータ1(図1参照)の停止中、第1相電流による第1相コイル1a(図1参照)の温度の上昇分が第2温度推定部10dによって推定されるときに、演算部10d1において、第1相電流の2乗値が計算される。次いで、演算部10d1の演算結果に対し、演算部10d2において、係数k1が乗算される。次いで、演算部10d2の演算結果に対し、1次フィルタ10d3において、1次フィルタ処理が実行される。つまり、1次フィルタ10d3では、1次フィルタ10d3に対する入力の値が変化するときに、その変化を緩やかにした値を出力する遅延処理が実行され、第1相電流による第1相コイル1aの温度の上昇分(第1相コイル1aの発熱項)が出力される。
また、図3に示す例では、例えば、雰囲気温度センサ4によって多相モータ1(図1参照)の雰囲気温度が検出される。さらに、この雰囲気温度と、1次フィルタ10d3から出力された第1相電流による第1相コイル1aの温度の上昇分とを加算することにより、第1相コイル1aの温度が計算(推定)される。
同様に、図3に示す例では、例えば、多相モータ1の停止中、第3相電流による第3相コイル1c(図1参照)の温度の上昇分が第2温度推定部10dによって推定されるときに、演算部10d1において、第3相電流の2乗値が計算される。次いで、演算部10d1の演算結果に対し、演算部10d2において、係数k1が乗算される。次いで、演算部10d2の演算結果に対し、1次フィルタ10d3において、1次フィルタ処理が実行され、第3相電流による第3相コイル1cの温度の上昇分(第3相コイル1cの発熱項)が出力される。さらに、雰囲気温度センサ4によって検出された多相モータ1の雰囲気温度と、1次フィルタ10d3から出力された第3相電流による第3相コイル1cの温度の上昇分とを加算することにより、第3相コイル1cの温度が計算(推定)される。
図3に示す例では、例えば、多相モータ1の回転中に、第1相電流、第2相電流および第3相電流が、変換部10bによって3相/2相変換され、D軸電流およびQ軸電流が、変換部10bから第1温度推定部10cに出力される。次いで、第1温度推定部10cの演算部10c1において、D軸電流の2乗値とQ軸電流の2乗値との和が計算される。次いで、演算部10c1の演算結果に対し、演算部10c2において、係数k1が乗算される。次いで、演算部10c2の演算結果に対し、1次フィルタ10c3において、1次フィルタ処理が実行される。つまり、1次フィルタ10c3では、1次フィルタ10c3に対する入力の値が変化するときに、その変化を緩やかにした値を出力する遅延処理が実行され、第1相コイル1aの温度の上昇分(第1相コイル1aの発熱項)が出力される。さらに、雰囲気温度センサ4によって検出された多相モータ1の雰囲気温度と、1次フィルタ10c3から出力された第1相コイル1aの温度の上昇分とを加算することにより、第1相コイル1aの温度が計算(推定)される。
さらに、図3に示す例では、第2相コイル1bの温度および第3相コイル1cの温度が、第1相コイル1aの温度と等しいと推定される。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された図3に示す例では、多相モータ1の回転中から停止中への切替時(図2の時間t1)に、第1温度推定部10cの演算結果を第2温度推定部10dの演算に引き継ぐ必要がある。また、多相モータ1の停止中から回転中への切替時に、第2温度推定部10dの演算結果を第1温度推定部10cの演算に引き継ぐ必要がある。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された図4に示す例では、演算部10c3aと、演算部10c3bとが、1次フィルタ10c3に設けられている。演算部10c3a、10c3bによるn回目(nは2以上の自然数)の演算時に、演算部10c2(図3参照)の演算結果である「コイル温度推定値」が演算部10c3aに入力され、「コイル温度work(n)」が、演算部10c3aから出力されて演算部10c3bに入力され、1次フィルタ10c3の演算結果(詳細には、第1相コイル1a(図1参照)、第2相コイル1b(図1参照)または第3相コイル1c(図1参照)の温度の上昇分)である「フィルタ後コイル温度(n)」が演算部10c3bから出力される。
コイル温度work(n)=コイル温度work(n−1)+コイル温度推定値−フィルタ後コイル温度(n−1)・・・(式1)
式1において、「コイル温度work(n−1)」は演算部10c3aによる(n−1)回目の演算結果を示しており、「フィルタ後コイル温度(n−1)」は演算部10c3bによる(n−1)回目の演算結果を示している。
フィルタ後コイル温度(n)=コイル温度work(n)/コイル温度フィルタ定数・・・(式2)
コイル温度work(n)=コイル温度work(n−1)+コイル温度推定値−フィルタ後コイル温度(n−1)・・・(式3)
式3において、「コイル温度work(n−1)」は演算部10d3aによる(n−1)回目の演算結果を示しており、「フィルタ後コイル温度(n−1)」は演算部10d3bによる(n−1)回目の演算結果を示している。
フィルタ後コイル温度(n)=コイル温度work(n)/コイル温度フィルタ定数・・・(式4)
コイル温度work(n−1)=フィルタ後コイル温度(n−1)*コイル温度フィルタ定数・・・(式5)
式5において、「コイル温度work(n−1)」は演算部10d3aの1回目の演算結果を示しており、「フィルタ後コイル温度(n−1)」は第1温度推定部10cの前回の演算結果(つまり、多相モータ1の回転中の第1温度推定部10cの最後の演算結果)を示している。
すなわち、多相モータ1の回転中から停止中への切替時(図2の時間t1)には、多相モータ1の回転中の第1温度推定部10cの最後の演算結果である「フィルタ後コイル温度(n−1)」に「コイル温度フィルタ定数」を乗算したものが、演算部10d3aから出力される。
フィルタ後コイル温度(n−1)=フィルタ後コイル温度(n−1)*コイル温度フィルタ定数・・・(式6)
すなわち、多相モータ1の回転中から停止中への切替時(図2の時間t1)には、多相モータ1の回転中の第1温度推定部10cの最後の演算結果である「フィルタ後コイル温度(n−1)」に「コイル温度フィルタ定数」を乗算したものが、演算部10d3bから出力される。
コイル温度work(n−1)=フィルタ後コイル温度(n−1)*コイル温度フィルタ定数・・・(式7)
式7において、「コイル温度work(n−1)」は演算部10c3aの1回目の演算結果を示しており、「フィルタ後コイル温度(n−1)」は第2温度推定部10dの前回の演算結果(つまり、多相モータ1の停止中の第2温度推定部10dの最後の演算結果)を示している。
すなわち、多相モータ1の停止中から回転中への切替時(図6の時間t13)には、多相モータ1の停止中の第2温度推定部10dの最後の演算結果である「フィルタ後コイル温度(n−1)」に「コイル温度フィルタ定数」を乗算したものが、演算部10c3aから出力される。
フィルタ後コイル温度(n−1)=フィルタ後コイル温度(n−1)*コイル温度フィルタ定数・・・(式8)
すなわち、多相モータ1の停止中から回転中への切替時(図6の時間t13)には、多相モータ1の停止中の第2温度推定部10dの最後の演算結果である「フィルタ後コイル温度(n−1)」に「コイル温度フィルタ定数」を乗算したものが、演算部10c3bから出力される。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、図5に示すように、1次フィルタ10c3(図3および図4参照)に入力される「コイル温度推定値」が、時間taに値Taから値Tbにステップ状に変化すると、1次フィルタ10c3から出力される「フィルタ後コイル温度(n)」は、「コイル温度推定値」の変化よりも緩やかに、つまり、多相モータ1(図1参照)の熱容量に相当する遅れ時間を有して、値Taから値Tbに変化する。
同様に、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、図5に示すように、1次フィルタ10d3(図3および図4参照)に入力される「コイル温度推定値」が、時間taに値Taから値Tbにステップ状に変化すると、1次フィルタ10d3から出力される「フィルタ後コイル温度(n)」は、「コイル温度推定値」の変化よりも緩やかに、つまり、多相モータ1の熱容量に相当する遅れ時間を有して、値Taから値Tbに変化する。
つまり、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が適用された例では、第1温度推定部10cと第2温度推定部10dとの間で出力(コイルの温度の上昇分)が引き継がれるため、推定されるコイルの温度の上昇分の連続性を多相モータ1の回転中と停止中とで保つことができる。
一方、比較例では、図6(B)に示すように、多相モータ1の回転中(期間t11〜t12)の第1温度推定部10cの最後の演算結果(時間t12のコイルの温度の上昇分)が、引き継がれず、多相モータ1の停止中(期間t12〜t13)の第2温度推定部10dの1回目の演算結果(時間t12コイルの温度の上昇分)がゼロになる。また、多相モータ1の停止中(期間t12〜t13)の第2温度推定部10dの最後の演算結果(時間t13のコイルの温度の上昇分)が、引き継がれず、多相モータ1の回転中(時間t13以降)の第1温度推定部10cの1回目の演算結果(時間t13コイルの温度の上昇分)が再びゼロになる。
そのため、図6(B)に示す比較例では、多相モータ1の第1相コイル1a(図1参照)、第2相コイル1b(図1参照)、および、第3相コイル1c(図1参照)の温度が、実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれがある。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の回転中に、第1相出力信号、第2相出力信号、および、第3相出力信号から直接、多相モータ1の温度が推定される場合よりも演算負荷および演算結果を記憶する記憶部10g(図1参照)の容量を低減しつつ、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度を正確に推定することができる。
つまり、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の回転中の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度を第1温度推定部10c(図1参照)によって推定するために、第1相電流、第2相電流および第3相電流(つまり、パラメータの数は3)ではなく、D軸電流およびQ軸電流(つまり、パラメータの数は2)が用いられる。そのため、多相モータ1の回転中に2つのパラメータが用いられる第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の回転中に3つのパラメータが用いられる場合よりも、第1温度推定部10cにおける演算負荷および演算結果を記憶する記憶部10gの容量を低減することができる。
さらに、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の停止中に、第1相出力信号、第2相出力信号、および、第3相出力信号から多相モータ1の温度が第2温度推定部10d(図1参照)によって推定される。
つまり、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の停止中(図2の時間t1以降)に、第1相電流(図2参照)の大きさと、第2相電流(図2参照)の大きさと、第3相電流(図2参照)の大きさとが考慮されて、多相モータ1の温度が推定される。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100では、多相モータ1の停止中に、第1相電流の大きさと第2相電流の大きさと第3相電流の大きさとが等しいことを前提として、変換後出力信号(D軸電流およびQ軸電流)から多相モータ1の温度が推定される場合よりも、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度を正確に推定することができる。
図7に示す例では、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用されている。
図7に示す電動アクティブスタビライザ150は、車両(図示せず)の前輪側および後輪側のいずれに対しても適用することができる。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された図7に示す例では、左スタビライザバー52Lと、右スタビライザバー52Rと、多相モータ1によって駆動されて回転するアクチュエータ50とが設けられている。左スタビライザバー52Lは左取り付け部材53Lを介して車両の車体(図示せず)に取り付けられる。右スタビライザバー52Rは右取り付け部材53Rを介して車両の車体に取り付けられる。アクチュエータ50は、左スタビライザバー52Lと右スタビライザバー52Rとの間に配置されており、多相モータ1と減速機51とを有する。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された図7に示す例では、減速機51として、例えば、公知のハーモニックギヤ機構(「ハーモニックドライブ(登録商標)機構」などと呼ばれることもある)(例えば特開2010−215002号公報参照)を用いることができる。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された他の例では、代わりに、減速機51として、例えば、公知の遊星歯車装置(例えば特許第5626467号公報参照)などを用いることもできる。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された他の例では、代わりに、左スタビライザバー52Lをアクチュエータ50の多相モータ1のステータに接続し、右スタビライザバー52Rを、アクチュエータ50の減速機51を介して、アクチュエータ50の多相モータ1のロータに接続することもできる。
図8に示す例では、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が、電動アクティブスタビライザ150(図7参照)を有する車両200に適用されている。車両200には、電源60が設けられている。
第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、電流センサ2a(図1および図8参照)からの第1相出力信号に基づいて第2温度推定部10d(図1参照)によって算出された多相モータ1(図1および図8参照)の停止中の第1相コイル1a(図1参照)の温度の上昇分、電流センサ2b(図1および図8参照)からの第2相出力信号に基づいて第2温度推定部10dによって算出された多相モータ1の停止中の第2相コイル1b(図1参照)の温度の上昇分、および、電流センサ2c(図1および図8参照)からの第3相出力信号に基づいて第2温度推定部10dによって算出された多相モータ1の停止中の第3相コイル1c(図1参照)の温度の上昇分を記憶する記憶部10g(図1参照)が設けられている。
具体的には、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、車両200の電源60がOFFになるときに第2温度推定部10dによって算出された第1相コイル1aの温度の上昇分、車両200の電源60がOFFになるときに第2温度推定部10dによって算出された第2相コイル1bの温度の上昇分、および、車両200の電源60がOFFになるときに第2温度推定部10dによって算出された第3相コイル1cの温度の上昇分のうちの最も大きい値が、記憶部10g(図1参照)によって記憶され、車両200の電源60が次にONになるときに図6(A)に示すように引き継がれ(つまり、記憶部10gから引き出され)、第1温度推定部10cまたは第2温度推定部10dによる多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度の推定(つまり、推定温度の初期値の設定)に用いられる。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、多相モータ1の第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のすべてが記憶部10gによって記憶される場合よりも、記憶部10gの容量を小型化することができる。
また、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のうちの最も大きい値のみを記憶部10gによって記憶すればよいため、電源60がOFFになって電源電圧が低下しているときであっても、記憶部10gによる記憶を実行することができる。
さらに、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、車両200の電源60がOFFになるときの多相モータ1の第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のうちの最も大きい値が、車両200の電源60が次にONになるときの多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度の推定に用いられる。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された図8に示す例では、車両200の電源60が次にONになるときに、第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度が実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれを抑制することができる。
すなわち、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された他の例では、車両200の電源60がOFFになるときの多相モータ1の第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のすべてが記憶部10gによって記憶されるのではなく、第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のうちの最も大きい値と2番目に大きい値とが、記憶部10gによって記憶される。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された他の例では、多相モータ1の第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のすべてが記憶部10gによって記憶される場合よりも、記憶部10gの容量を小型化することができる。
さらに、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された他の例では、車両200の電源60がOFFになるときの多相モータ1の第1相コイル1aの温度の上昇分、第2相コイル1bの温度の上昇分、および、第3相コイル1cの温度の上昇分のうちの最も大きい値および2番目に大きい値のいずれかが、車両200の電源60が次にONになるときの多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度の推定に用いられる。
そのため、第1の実施形態のモータ温度推定装置100が車両200に適用された他の例では、車両200の電源60が次にONになるときに、第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度が実際の温度よりも低く推定されてしまうおそれを抑制することができる。
第2の実施形態のモータ温度推定装置100は、後述する点を除き、図1に示す第1の実施形態のモータ温度推定装置100とほぼ同様に構成されている。従って、第2の実施形態のモータ温度推定装置100によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態のモータ温度推定装置100とほぼ同様の効果を奏することができる。
第2の実施形態のモータ温度推定装置100では、第1相電流、第2相電流および第3相電流の目標電流が目標電流演算部10e(図1参照)によって計算される。さらに、目標電流演算部10eによって計算される目標電流を低減させるか否かが判定部10f(図1参照)によって判定される。
第2の実施形態のモータ温度推定装置100は、第1の実施形態のモータ温度推定装置100と同様に、電動アクティブスタビライザ150(図7参照)に適用することができる。
この点に鑑み、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、アクチュエータ50が、例えば大きいトルクを長時間発生し続けた後に、停止したとき、第1相コイル1a(図1参照)に流れる電流、第2相コイル1b(図1参照)に流れる電流、および、第3相コイル1c(図1参照)に流れる電流が低減せしめられる。
そのため、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、アクチュエータ50が停止したときに第1相コイル1aに流れる第1相電流、第2相コイル1bに流れる第2相電流、および、第3相コイル1cに流れる第3相電流が低減せしめられない場合よりも、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度上昇を抑制することができる。
また、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、多相モータ1が回転するとアクチュエータ50が動作することが利用され、アクチュエータ50の停止に基づいて多相モータ1が停止していると判定される。
そのため、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、例えばアクチュエータ50の動作を検出するための回転角センサ3(図1および図7参照)、角速度センサなどが設けられている場合には、多相モータ1の回転を検出する回転角センサなどを別個に設ける必要なく、多相モータ1が停止していることを判定することができる。
そのため、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、第1相コイル1aに流れる第1相電流、第2相コイル1bに流れる第2相電流および第3相コイル1cに流れる第3相電流を低減させ、かつ、多相モータ1のロータ(図示せず)がステータ(図示せず)に対して停止した状態を保持することができる。
つまり、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された例では、多相モータ1の第1相コイル1a、第2相コイル1bおよび第3相コイル1cの温度上昇を抑制し、かつ、多相モータ1のロータがステータに対して停止した状態を保持することができる。
第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された図9に示す例では、多相モータ1(図1参照)の回転中(時間t01以前)に、第1相コイル1a(図1参照)用の目標電流が変動している。次いで、時間t01に、第1相コイル1a用の目標電流が値Iaに固定されて維持され、多相モータ1の回転が停止する。
次いで、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された図9に示す例では、時間t02に、判定部10f(図1参照)によって、第1相コイル1a用の目標電流を低減させると判定され、期間t02〜t03に、目標電流演算部10e(図1参照)によって、第1相コイル1a用の目標電流が値Iaから値Ibに低減せしめられる。次いで、時間t04に、多相モータ1が、停止状態から回転状態に切り替えられ、第1相コイル1a用の目標電流が変動し始める。
詳細には、第2の実施形態のモータ温度推定装置100が電動アクティブスタビライザ150に適用された図9に示す例では、減速機51(図7参照)が多相モータ1(図7参照)とアクチュエータ50(図7参照)との間(詳細には、多相モータ1と左スタビライザバー52L(図7参照)または右スタビライザバー52R(図7参照)との間)に介在せしめられているため、第1相コイル1a用の目標電流が値Ibに低減せしめられている期間t03〜t04に、横加速度による負荷が電動アクティブスタビライザ150にかかる場合であっても、多相モータ1の停止状態を保持することができる。
1a 第1相コイル
1b 第2相コイル
1c 第3相コイル
2a、2b、2c 電流センサ
3 回転角センサ
4 雰囲気温度センサ
10 ECU
10a 判定部
10b 変換部
10c 第1温度推定部
10c1 演算部
10c2 演算部
10c3 1次フィルタ
10c3a 演算部
10c3b 演算部
10d 第2温度推定部
10d1 演算部
10d2 演算部
10d3 1次フィルタ
10d3a 演算部
10d3b 演算部
10e 目標電流演算部
10g 記憶部
50 アクチュエータ
51 減速機
52L 左スタビライザバー
52R 右スタビライザバー
53L 左取り付け部材
53R 右取り付け部材
60 電源
100 モータ温度推定装置
150 電動アクティブスタビライザ
200 車両
Claims (7)
- 第1相コイルと第2相コイルと第3相コイルとを有する多相モータと、
前記第1相コイルに流れる電流を検出する第1相電流センサと、
前記第2相コイルに流れる電流を検出する第2相電流センサと、
前記第3相コイルに流れる電流を検出する第3相電流センサとを具備するモータ温度推定装置において、
前記多相モータが回転しているか否かを判定する判定部と、
前記第1相電流センサの出力信号である第1相出力信号、前記第2相電流センサの出力信号である第2相出力信号、および、前記第3相電流センサの出力信号である第3相出力信号を変換して変換後出力信号を出力する変換部と、
前記多相モータの回転中の温度を推定する第1温度推定部と、
前記多相モータの停止中の温度を推定する第2温度推定部とを具備し、
前記第1温度推定部には、前記変換後出力信号が入力され、
前記第2温度推定部には、前記第1相出力信号、前記第2相出力信号、および、前記第3相出力信号が入力されることを特徴とするモータ温度推定装置。 - 前記変換後出力信号が、第1相コイルの実効電流値、第2相コイルの実効電流値、および、第3相コイルの実効電流値のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。
- 前記多相モータによって駆動されて回転するアクチュエータを具備し、
前記判定部は、前記アクチュエータの動作に基づいて前記多相モータが回転しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。 - 前記多相モータによって駆動されて回転するアクチュエータを具備し、
前記アクチュエータが停止したときに、前記第1相コイルに流れる電流、前記第2相コイルに流れる電流、および、前記第3相コイルに流れる電流が低減せしめられると共に、前記多相モータが停止したと前記判定部によって判定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。 - 前記第1相コイルに流れる電流、前記第2相コイルに流れる電流、および、前記第3相コイルに流れる電流が低減せしめられても前記アクチュエータの停止状態が維持されるように、前記多相モータと前記アクチュエータとの間に減速機を介在させたことを特徴とする請求項4に記載のモータ温度推定装置。
- 前記第1相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって算出された前記第1相コイルの温度の上昇分、前記第2相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって算出された前記第2相コイルの温度の上昇分、および、前記第3相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって算出された前記第3相コイルの温度の上昇分を記憶する記憶部を具備し、
前記多相モータが、電源を有する車両に適用され、
前記車両の前記電源がOFFになるときの前記第1相コイルの温度の上昇分、前記第2相コイルの温度の上昇分、および、前記第3相コイルの温度の上昇分のうちの最も大きい値が、前記記憶部によって記憶され、前記車両の前記電源が次にONになるときの前記多相モータの温度の推定に用いられることを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。 - 前記第1相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって推定された前記第1相コイルの温度の上昇分、前記第2相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって推定された前記第2相コイルの温度の上昇分、および、前記第3相出力信号に基づいて前記第2温度推定部によって推定された前記第3相コイルの温度の上昇分を記憶する記憶部を具備し、
前記多相モータが、電源を有する車両に適用され、
前記車両の前記電源がOFFになるときの前記第1相コイルの温度の上昇分、前記第2相コイルの温度の上昇分、および、前記第3相コイルの温度の上昇分のうちの最も大きい値と2番目に大きい値とが、前記記憶部によって記憶され、前記最も大きい値および前記2番目に大きい値のいずれかが、前記車両の前記電源が次にONになるときの前記多相モータの温度の推定に用いられることを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。
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