JP6476993B2 - 不燃化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は建築物の内装、各種家具類、建具、天井、或いは洗面所やキッチン周辺の内装材等に使用される化粧板に係り、不燃性を有しつつ、意匠性及び表面の諸種の耐性を備えた不燃化粧板に関する。
近年、建築物の壁面や天井等の住宅内装に使用される化粧板には、火災等が生じた際の安全性確保のため不燃性の要請が高まっている。その不燃性を有した化粧板として、従来から不燃性基材に、絵柄模様が形成された紙質系シートを積層し、その上から透明樹脂塗料を塗布または含浸させた化粧板や、不燃性基材に絵柄模様と表面保護層が形成された合成樹脂基材層を積層した化粧板が知られている。
また基材に貼り付ける化粧シートとしては、例えば特許文献1に記載のような化粧シートがある。この化粧シートを使用した場合には、意匠性に優れる化粧板を提供することができる。
また従来から、合成樹脂基材層からなる化粧シートの表面の層にエンボスにより凹部を設けたものや、盛上げ印刷により凸部を設けたものなど、物理的に凹凸を設けた化粧シートを積層した化粧板が知られている。しかしながら、エンボスによる方法では凹部の深さに限界があり、盛上げ印刷では表面の耐汚染性など各種耐性に劣るものとなり、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を表面に有する意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板を得ることは出来なかった。
特開2013−123863号公報
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を表面に有する意匠性と手触り感に優れた不燃性の不燃化粧板を提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様は、不燃性基材の表面に化粧シートを設けた不燃化粧板であって、上記化粧シートは、合成樹脂基材層上に少なくとも絵柄模様層と透明艶調整層とがこの順に形成されると共に、上記透明艶調整層の表面に、上記絵柄模様層の絵柄模様と同調させて電離放射線硬化型樹脂からなる凸部が形成され、上記合成樹脂基材層の厚みが40μm以上80μm以下であり、上記凸部は、高さが5μm以上60μm以下で、同調する絵柄模様の占有面積が5%以上80%以下であり、上記凸部に、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して粒径3μm以上10μm以下の粒状粒子を20質量部以上30質量部以下含有したことを特徴とする。
本発明によれば、上記のように化粧シートの構成を特定することで、不燃性を有しつつも、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を表面に有する意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板を提供することが可能となる。すなわち、本発明によれば、意匠性及び表面各種耐性と不燃性とが両立する不燃化粧板を提供することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る不燃化粧板を説明するための断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の不燃化粧板は、図1に示すように、不燃性基材7の表面に化粧シートを設けて構成される。また、化粧シートは、ポリエステル系樹脂などからなる合成樹脂基材層1上に少なくとも絵柄模様層2と透明艶調整層3とがこの順に形成されると共に、透明艶調整層3の表面に、上記絵柄模様層2の絵柄模様と同調させて電離放射線硬化型樹脂からなる凸部4が形成されて構成される。
更に、透明艶調整層3の表面のうち上記凸部4の形成領域以外の領域に、層厚0.5μm以上1.5μm以下の透明耐汚染樹脂層5を設けることが好ましい。
また不燃性基材7の裏面に、無機酸化物蒸着フィルムなどからなる防湿シート層(不図示)を設けることが好ましい。
(不燃性基材7)
不燃性基材7は、例えば無機質系基材からなる。その無機質系基材は、用途に応じて公知にものを使用すればよい。不燃性基材7としては、たとえば、珪酸カルシウム板、ロックウール、火山性ガラス質複層板(JISA5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)、石綿スレート板、石膏の板、石膏ボード、ダイライトやタイガーグラスロック〔吉野石膏(株):商品名〕等の石膏ボード系基材、セメント、陶磁器、硝子、金属等の板を挙げることができる。その厚さとしては、材質にもよるが、通常2〜15mmであり、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下のものが好ましい。また、これら無機質基材には他の層との密着性を高める為に、シーラー塗布やサンダー等の表面処理が行われていても良い。
(化粧シート)
〈合成樹脂基材層1〉
合成樹脂基材層1は、絵柄模様層2を印刷等により設けることが可能であり且つ化粧シートとしての加工適性を有するものであれば従来公知のものが使用可能である。
合成樹脂基材層1としては、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シートなどが好ましい。特に、不燃性を備える観点から、燃焼時の発熱量が低いポリエステル系樹脂シートを使用することがより好ましい。
合成樹脂基材層1には、必要に応じ、従来公知の充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種の添加剤を常法に従って添加することができる。合成樹脂基材層1の厚さは、用途や材料の選定などによるが40〜100μm程度が好ましく、燃焼時の発熱量を考慮すると、40〜80μmがより好ましい。
〈絵柄模様層2〉
絵柄模様層2は、不燃化粧板に絵柄による意匠性を付与するために設けられるものである。絵柄模様層2は、染料または顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂と共に適当な希釈溶媒中に溶解または分散してなる印刷インキまたは塗料等を使用して、例えばグラビア印刷法またはオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法またはロールコート法等の各種塗工法などによって形成される。
バインダー樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等またはそれらの混合物等がよく使用されるが、勿論これらに限定されるものではない。絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字または記号、それらの組み合わせ等、所望により任意であり、単色無地であっても良い。
また、化粧シートの隠蔽性を向上するために、絵柄模様層2の裏面側に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキまたは塗料による隠蔽層を設けても良い。
〈透明艶調整層3〉
透明艶調整層3は、表面の光沢を調整するためのものである。透明艶調整層3は、各種の透明熱可塑性樹脂層との接着の汎用性、化粧シートを導管溝内へ彎曲させる際の変形追従性、及び耐擦傷性の点から、その樹脂成分(バインダー樹脂)として2液硬化型ウレタン樹脂を選択し、これに、所望の艶に応じて艶調整剤(マット剤或いは艶消剤とも呼称される)を添加或いは無添加とした組成物を塗工して得られる。
表面を高光沢とする場合には、艶調整剤を無添加とする。また、低光沢とする場合には、艶調整剤を添加する。艶調整剤としてはシリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等の無機物、或いはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等の有機物(樹脂)の微粒子が挙げられる。
艶調整剤の平均粒径は、1〜10μm程度が好ましく、添加量は所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は最大で30質量%程度である。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2、4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。尚、上記イソシアネートに於いて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは耐候性、耐熱黄変性も良好に出来る点で好ましく、具体的には例えば1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどが使用できる。
上記の各艶調整剤を添加して、マット部分の艶は反射光沢係数値で3から5程度とするのが意匠的に好ましい。
〈凸部4〉
凸部4は、電離放射線硬化型樹脂から構成される。その凸部4は、高さが5μm以上60μm以下で、同調する絵柄模様の占有面積が5%以上80%以下に規定される。
凸部4は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して粒径3μm以上10μm以下の粒状粒子を20質量部以上30質量部以下含有している。
電離放射線硬化型樹脂としては、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来又は電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、上記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系などが挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
凸部4に含有する粒状粒子としては、樹脂などの有機系、ガラスやシリカなどの無機系などがあり特に限定はしない。特に手触り感と耐汚染性の点から真球状のアクリルビーズが好適である。
粒状粒子の含有量として20質量部より少ないと、手触り感があまり感じられないものとなり、30質量部より多いと耐汚染性が悪くなる傾向となる。
また、粒径が3μmより小さいと、手触り感があまり感じられないものとなり、10μmより大きいと耐汚染性が悪くなる傾向となる。
また凸部4には、所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
また凸部4の形状は、特に限定されず、平面視で、丸、四角形、6角形などの模様が規則的に並んだような定形の形状でも、不定型な絵柄であってもよく、不定型な絵柄であると触感、マット感、光沢感及び意匠性に優れることから好ましい。また凸部4を絵柄模様層2と同調させることにより、リアル感が得られる。
凸部4には、反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有することが好ましい。
反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格をもった材料、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル、などが挙げられるが、特には耐汚染性の点から側鎖にシリコン骨格をもった紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。
反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向であり、50質量部より多いとシリコンのブリードアウトによる基材との接着不良等の不具合が起こる可能性がある。あるいは後述する透明耐汚染樹脂層55に用いる樹脂と同様ものであれば表面が同様の樹脂からなり、好ましいものとなる。
〈透明耐汚染樹脂層5〉
透明耐汚染樹脂層5は、透明艶調整層3の表面の凸部4の形成領域以外の領域に適宜設けられる。透明耐汚染樹脂層5の層厚は0.5μm以上1.5μm以下が好ましい。透明耐汚染樹脂層5に用いる樹脂としては、特に限定しないが、ブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。層厚が0.5μmより薄いと十分な耐汚染の効果が得られず、層厚が1.5μmより厚いと立体感と意匠性を損なうものとなる。
〈接着剤層6〉
不燃性基材7と化粧シートとを接着する接着剤層6は、不燃性基材7と化粧シートとの接着性を向上するものであれば特に限定するものではなく、適用可能である。具体的にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系などの接着剤が好適に用いられる。
〈防湿シート〉
防湿シートとしては、特に限定されるものではないが、透湿度が20g/m・24hr以下、好ましくは7g/m・24hr以下の防湿シートが使用され、紙層をポリオレフィン樹脂でサンドイッチラミネートを行ったシートなどが挙げられる。また、更に透湿度が低い無機酸化物蒸着フィルムがより好適に用いられる。
防湿シートを構成する無機酸化物蒸着フィルムは、特に限定されないが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好適に使用される。厚さは巻き取り加工適性、印刷適性などを考慮して10〜100μm程度であればよい。
無機酸化物蒸着フィルムは、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいは、それらの混合物などの無機酸化物からなるフィルムであり、防湿性を有するフィルムであればよい。高温高湿環境での耐性を考慮するとこれらの中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素を用いることがより好ましい。ただし、本実施形態の無機酸化物フィルムは、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることが可能である。
また、無機酸化物蒸着フィルムの上に、ポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物を添加した組成物がコーティングされても良い。
以上のような不燃化粧板は、不燃性を有しつつも、上述のように化粧シートの構成を限定する事で、表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、かつ絵柄と同調した凹凸を表面に有する意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板を提供することが可能となる。
次に、本発明に基づく実施例について説明する。
〈実施例1〉
化粧シートの合成樹脂基材層1として厚さ60μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、その上に絵柄模様層2としてこれに木目調の絵柄をウレタン樹脂系インキによりグラビア印刷した。
乾燥後、この表面に透明艶調整層3としてシリカ粉末を添加して艶を低く調整し、反応型シリコーン樹脂を20質量部と適量の紫外線開始剤を添加した紫外線硬化型樹脂を乾燥後の塗布量6g/mとなるように塗工した。反射光沢係数は4であった。
透明艶調整層3の架橋硬化後、透明耐汚染樹脂層5としてブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂を乾燥後の塗布量1g/mとなるように塗工した。
乾燥後、電離放射線硬化型樹脂からなる凸部4として、絵柄模様層2の絵柄と同調する印刷版(絵柄面積53%)で、凸部4の高さが40μmとなるように盛上げ印刷により設け、化粧シートを得た。この凸部4を形成するためのインキは、紫外線硬化型樹脂100質量部に、粒径5μmのウレタンビーズを30質量部、反応型シリコーン添加剤を20質量部添加したインキである。
次に、この化粧シートと、火山性ガラス質複層板にアルミニウム箔/薄葉紙を積層した不燃性基材7を、エチレン酢酸ビニル系接着剤15g/mを介して貼り合わせて、実施例1の不燃化粧板を得た。
〈実施例2〉
電離放射線硬化型樹脂からなる凸部4への粒径5μmのウレタンビーズの添加量を20質量部とした以外は、実施例1と同様にして不燃化粧板を得た。
〈比較例1〉
電離放射線硬化型樹脂からなる凸部4への粒径5μmのウレタンビーズの添加量を5質量部とした以外は、実施例1と同様にして不燃化粧板を得た。
〈比較例2〉
電離放射線硬化型樹脂からなる凸部4への粒径5μmのウレタンビーズの添加量を40質量部とした以外は、実施例1と同様にして不燃化粧板を得た。
<性能評価>
手触り感を評価するためにブラインド評価を行った。比較としてウレタンビーズを含有していない以外は実施例1と同様の化粧シートを用い、見えない状態で手触り感に違いが感じられるかどうかを○×で評価した。
耐汚染性の評価する為に油性マーカー黒のティッシュペーパでの拭き取り試験を行った。そして、簡単に拭き取れる場合を「○」、拭き残しが発生する場合を「×」とした。
以上の結果を表1で示す。
Figure 0006476993
<燃焼試験>
実施例1で作成した不燃化粧板について、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメーター試験機を用いて燃焼試験を行った。その結果は、次の通りである。
即ち、
・加熱開始後20分の総発熱量:6.5MJ/m
・加熱開始後20分間の最大発熱速度:200kW/mを超える時間0秒。
・加熱開始後20分間の試験終了後の基材について、裏面まで貫通する亀裂や穴無し。
となった。
このように、本発明に基づく不燃化粧シートは、不燃化粧板として、不燃認定を取得し得る性能を有している結果が得られた。
本発明によれば、不燃性を有し、かつ表面の耐汚染性など各種耐性に優れ、更に絵柄と同調した凹凸を表面に有する意匠性と手触り感に優れた不燃化粧板を得ることができる。特に木目模様に用いた場合には、実際の木材を用いた材料と同様の質感を得ることができ、木質資源代替として、環境負荷軽減にもつながる。
1…合成樹脂基材層
2…絵柄模様層
3…透明艶調整層
4…凸部
5…耐汚染樹脂層
6…接着剤層
7…不燃性基材

Claims (5)

  1. 不燃性基材の表面に化粧シートを設けた不燃化粧板であって、
    上記化粧シートは、合成樹脂基材層上に少なくとも絵柄模様層と透明艶調整層とがこの順に形成されると共に、上記透明艶調整層の表面に、上記絵柄模様層の絵柄模様と同調させて電離放射線硬化型樹脂からなる凸部が形成され、
    上記合成樹脂基材層の厚みが40μm以上80μm以下であり、
    上記凸部は、高さが5μm以上60μm以下で、同調する絵柄模様の占有面積が5%以上80%以下であり、
    上記凸部に、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して粒径3μm以上10μm以下の粒状粒子を20質量部以上30質量部以下含有し
    上記不燃性基材における上記化粧シートを設けた面とは反対側の面に、防湿シート層を設けたことを特徴とする不燃化粧板。
  2. 上記凸部に、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下含有したことを特徴とする請求項1に記載した不燃化粧板。
  3. 上記透明艶調整層の表面のうち上記凸部の形成領域以外の領域に、層厚0.5μm以上1.5μm以下の透明耐汚染樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した不燃化粧板。
  4. 上記合成樹脂基材層がポリエステル系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
  5. 上記防湿シート層は、無機酸化物蒸着フィルムからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した不燃化粧板。
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