上記薄肉部は、上記外殻形成体と一体に形成されていてもよく、別体に形成されていても良い。薄肉部が外殻形成体と別体に形成されている場合には、薄肉部の材料として、外殻形成体よりも透音性の高い材料を採用することができる。それ故、薄肉部における音の透過性能を容易に向上させることができ、従来のEMS装置に比べて使い勝手をより向上させることができる。
薄肉部が外殻形成体と別体に形成されている場合には、例えば、以下の構成を採用することができる。即ち、外殻形成体における発音体と対面する位置に貫通孔を配置し、該貫通孔の縁部に薄肉部が接合された構成とすることができる。外殻形成体と薄肉部との接合には、例えば溶着や接着等の方法を採用することができる。
薄肉部としては、防水性を有し、外殻形成体と液密に接合可能な材料を用いることができる。上記薄肉部は、ガス透過性を有する材料より構成されていることがより好ましい。この場合には、薄肉部における音の透過性能をより向上させることができる。ガス透過性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂よりなる多孔質膜などを使用することができる。
上記の場合において、外殻形成体に上記ケースが収容されている場合には、例えば、以下の構成を採用することができる。即ち、上記ケースは上記発音体に対面する位置に開口部を有しており、上記外殻形成体は上記開口部に対面する位置に貫通孔を有しており、上記外殻形成体とは別体に形成された薄肉部が上記貫通孔の縁部に接合された構成とすることができる。
なお、上記の構成において、貫通孔の縁部に薄肉部を接合せず、ケースにおける開口部の縁部に薄肉部を接合することも可能である。防水性能の観点からは、貫通孔の縁部に薄肉部を接合する構成がより好ましい。
上記薄肉部は、上記外殻形成体と上記ケースとの間に配置されていることが好ましい。この場合には、薄肉部が外殻形成体の外表面に接合されている場合に比べて、薄肉部が摩擦等を受けにくくなる。それ故、薄肉部が外殻形成体から剥離する、あるいは薄肉部が破損するなどのトラブルを容易に回避することができる。
上記EMS装置において、薄肉部は外殻形成体と一体に形成されていてもよい。この場合には、薄肉部を外殻形成体と別体に形成する場合に比べて部品の点数を削減することができる。更に、この場合には、上記EMS装置を作製する工程において薄肉部を外殻形成体に接合する作業を行う必要がないため、EMS装置の生産性をより向上させることができる。
薄肉部が外殻形成体と一体に形成されている場合には、例えば、外殻形成体における発音体と対面する位置に薄肉部を配置する構成を採用することができる。この場合、薄肉部は、外殻形成体の外表面に面一に配置されていることが好ましい。これにより、薄肉部が外殻形成体の外表面よりも内側に陥没している場合に比べて、薄肉部近傍に汚れ等が溜まりにくくなる。それ故、上記EMS装置を清潔な状態に維持し易くなる。また、この場合には、本体部の意匠性をより容易に向上させることができる。
上記の場合において、外殻形成体にケースが収容されている場合には、以下の構成を採用することができる。即ち、上記ケースは上記発音体に対面する位置に開口部を有しており、上記薄肉部は上記外殻形成体と一体に形成され、上記開口部に対面する位置に配置されていてもよい。
上記の場合においても、上記薄肉部は上記外殻形成体における外表面に面一に配置されていることが好ましい。この場合には、上述と同様に、上記EMS装置を清潔な状態に維持し易くなるとともに、外殻形成体の意匠性をより向上させることができる。
また、この場合には、上記外殻形成体及び上記薄肉部はシリコーン樹脂より形成されていることが好ましい。外殻形成体及び薄肉部をシリコーン樹脂から構成することにより、本体部の防水性能を容易に向上させることができると共に、薄肉部の破損等をより抑制することができる。
(実施例1)
上記筋肉電気刺激装置の実施例を、図1〜図15を用いて説明する。
本例のEMS装置1は、図2に示すように、2個以上の電極311〜313、321〜323を有し、これらの電極311〜313、321〜323を介して筋肉に電気刺激を与えることができるように構成されている。図1〜図3に示すように、EMS装置1は、電極311〜313、321〜323に電力を供給する本体部10と、本体部10から外方へ延出し、シート状を呈する延出部120とを有している。延出部120の一方の面には電極311〜313、321〜323が配置されている。
図1及び図3〜図5に示すように、本体部10は、EMS装置1の動作態様を変更する操作面54が外表面に配置された外殻形成体12を有している。また、本体部10は、操作面54により動作態様が変更されたことを契機として発音する発音体43を内蔵している。また、図5及び図6に示すように、外殻形成体12は、発音体43に対面する位置に、周囲よりも厚みが薄い薄肉部123を有している。
本例のEMS装置1は、図7に示すように、人体2の腹部3に取り付けて使用することができるように構成されている。以下のEMS装置1の構成の説明においては、便宜上、図7に示すようにEMS装置1を着用した状態を基準として方向を表示する。即ち、人体2の背丈の長手方向を身長方向Yといい、身長方向Yにおける頭部へ向かう向きを上側Y1、脚部へ向かう向きを下側Y2という。また、人体2の正面に面して、身長方向Yに平行でへそ3aを通る人体2の中心軸2aから人体2の右手5a側への方向を右方向X1とし、中心軸2aから人体2の左手5b側への方向を左方向X2とする。そして、右方向X1と左方向X2とを合わせて左右方向Xという。なお、これらの表示は便宜上のものであり、EMS装置1を実際に着用する際の向きは図7に示した態様に限定されるものではない。
本例のEMS装置1の要部について、より具体的に説明する。
図1及び図3〜図5に示すように、本例の本体部10は、外殻形成体12と、発音体43が内蔵されたケース11とを有している。図4及び図5に示すように、外殻形成体12は略カップ状を呈しており、その頂部における外表面に操作面54が配置されている。ケース11は外殻形成体12の内部に収容されており、外殻形成体12の開口面に、ケース11の一部を構成する第2ケース112(後述)が露出している。図3及び図7に示すように、本例のEMS装置1は、第2ケース112が人体2側を向き、操作面54が外表面を向くようにして着用される。
図5に示すように、ケース11には、発音体43としてのスピーカ430が内蔵されている。スピーカ430は操作面54側、即ち、EMS装置1が着用された状態において外表面側を向くように配置されており、ケース11の一部を構成する第1ケース111(後述)に面している。なお、本例においては発音体43としてスピーカ430を採用したが、スピーカ430に代えて、例えばブザー等の音を発生させる電子部品を用いることも可能である。
図4〜図6に示すように、ケース11におけるスピーカ430と対面する位置には、複数の開口部114(114a、114b)が設けられている。本例においては、スピーカ430の中央に対応する位置に開口部114aが設けられており、開口部114aの周囲に、それよりも開口径の小さい複数の開口部114bが設けられている。
また、図4及び図6に示すように、外殻形成体12における開口部114と対面する位置には、周囲よりも厚みが薄い薄肉部123が配置されている。より具体的には、薄肉部123は、開口部114aの中央に対応する位置を中心とした円状を呈しており、開口部114a及び開口部114bの両方に対面するように形成されている。
本例の薄肉部123は、外殻形成体12と一体に形成されており、外殻形成体12の外表面に面一に配置されている。即ち、薄肉部123は、外殻形成体12における第1ケース111に対面する側の一部を凹状に陥没させることにより形成されている。
次に、本例のEMS装置1の他の部分について説明する。
図1に示すように、EMS装置1の中央には、本体部10が設けられている。図1及び図3に示すように、本体部10は、略円盤状をなしている。図5(a)、図5(b)に示すように、本体部10は、後述の電源部20及び制御部40を収納するケース11と、ケース11に取り付けられてEMS装置1の外殻を形成する外殻形成体12とを有している。ケース11はABS製である。外殻形成体12はシリコン製である。ケース11は凹状をなす第1ケース111と、第1ケース111に取り付けられて、第1ケース111との間に制御部40を収納する収納部13を形成する第2ケース112とからなる。第2ケース112の外縁に沿って、立設されたリブ112aが、第1ケース111の外縁部111aの内側に嵌合して第1ケース111に第2ケース112が接合されている。
第1ケース111には、図1、図5(b)に示すように、後述する操作部50の一部を形成する第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bが形成されている。第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bは、第1ケース111の壁の一部をくり抜いて片持ち梁の状態に形成されている。第1カンチレバー51aと第2カンチレバー51bとは、身長方向Yの上側Y1から下側Y2に向かって、この順で配列している。
図1、図5(b)に示すように、外殻形成体12が第1ケース111における第2ケース112と反対側に取り付けられている。そして、図1に示すように、外殻形成体12は両カンチレバー51a、51bを覆っている。外殻形成体12において、第1カンチレバー51aの直上には記号「+」が突出形成されており、第2カンチレバー51bの直上には記号「−」が突出形成されており、後述する操作部50の一部を形成する操作面54を形成している。上記カンチレバーの配列により、「+」が身長方向Yの上側Y1となるとともに、「−」が身長方向Yの下側Y2となり、人間工学的に使用者が操作しやすいものとなっている。
図5(a)、図5(b)に示すように、第1ケース111と第2ケース112との間に形成された収納部13には、制御部40(図8参照)を形成する制御基板41が収納されている。制御基板41はプリント基板であって、制御基板41には図示しない配線パターンと電子部品42等とが設けられて、制御回路が形成されている。また、制御基板41には、表面実装型の小型のスピーカ430が電気的に接続されている。電子部品42及びスピーカ430の駆動電圧は、いずれも3.0Vとなっている。また、図示しないが、制御基板41には昇圧回路が搭載されており、該昇圧回路により電源部20を構成する電池21の出力電圧を昇圧することができる。これにより、電池21の電力は所定の電圧(例えば、40V)に昇圧されて電極311〜313、321〜323を含む電極部30に供給される。
図5(b)に示すように、収納部13には、操作部50を形成するスイッチ機構52も収納されている。スイッチ機構52はタクトスイッチであって、押下可能なスイッチ部53を備える。スイッチ機構52は制御部40に電気的に接続されている。スイッチ機構52は第1ケース111に形成された第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bの直下にそれぞれ配設されている。これにより、第1ケース111を覆う外殻形成体12の操作面54を介して外部から第1カンチレバー51aを押圧すると、片持ち梁状態の第1カンチレバー51aが撓むことにより、スイッチ機構52のスイッチ部53が押下されるようになっている。そして、操作面54における押圧を解除すると、片持ち梁状態の第1カンチレバー51aの復元力により、第1カンチレバー51aは元の位置に戻ることとなる。第2カンチレバー51bにおいても同様に押圧及び押圧の解除が行われるように構成されている。
図5(a)、図5(b)に示すように、第2ケース112には、電源部20を構成する電池21を保持する電池保持部14が形成されている。これにより、本体部10に電源部20が内蔵されることとなっている。電池21は交換可能であって、本例では、電池21として、小型で薄型のコイン電池(リチウムイオン電池CR2032、公称電圧3.0V)を採用している。なお、当該電池21に替えて、公称電圧が3.0〜5.0Vの電池を採用することができる。
上記電池21が保持される電池保持部14には、電池21の脱落を防止する蓋15が着脱可能に取り付けられている。蓋15は、電池21よりも一回り大きい円盤状をなしており、その外周には蓋15と第2ケース112との間をシールするОリング16が嵌装されている。電池21は、図示しないリードを介して制御部40に電気的に接続されている。図2に示すように、第2ケース112には、蓋15の外周から放射状に延びる通気溝113が等間隔に複数形成されている。
図5(a)、図5(b)に示すように、第2ケース112には、リブ112aの外側に突出した鍔部112bが形成されている。鍔部112bと第1ケース111の外縁部111aとの間には、図示しない防水用両面シールを介して、シート状の基材33が挟持されている。基材33はPET製である。図2に示すように、基材33は、EMS装置1における外殻形成体12側の面(表側面)と反対側である面(裏側面33a)の全域に広がっている。
図1〜図3に示すように、本体部10の周囲には延出部120が配置されている。図3及び図5に示すように、延出部120は、外殻形成体12の外周端縁から延出した電極支持部121と、鍔部112bと第1ケース111の外縁部111aとの間に挟持された基材33とから構成されている。図1及び図3に示すように、基材33における表側面は、電極支持部121によって覆われている。また、基材33と電極支持部121は、図示しない3M社製の粘着テープ及びシリコン接着処理剤によって接合されている。
基材33の裏側面33aには、電極部30が配置されている。図2及び図8に示すように、電極部30は第1電極群31と第2電極群32を備える。図7に示すように、第1電極群31は腹部3に取り付けたときに中心線10aよりも人体2の右手側X1に位置するように配置されている。また、第2電極群32は腹部3に取り付けたときに中心線10aよりも人体2の左手側X2に位置するように配置されている。第1電極群31には、右側電極311〜313が含まれており、第2電極群32には、左側電極321〜323が含まれている。
各電極311〜313、321〜323はいずれも、角部が丸みを帯びた略長方形に形成されている。そして、各電極311〜313、321〜323の長手方向(例えば、第3右側電極313において符号wで示す方向)が、左右方向Xに概ね沿っている。本例では、各電極311〜313、321〜323はいずれも同一の形状を成している。各電極311〜313、321〜323の形状は、例えば、長手方向の長さをw、短手方向の長さをhとしたとき、h/wを0.40〜0.95、好ましくは0.50〜0.80とすることができ、本例では、h/wは0.55としている。
図2に示すように、各電極311〜313、321〜323の内側には所定大きさの六角形をなす電極非形成部34が所定間隔をあけて、複数形成されている。また、各右側電極311、312、313には、制御部40を介して電源部20に電気的に接続するためのリード部311a、312a、313aが本体部10から引き出されるようにそれぞれ形成されている。同様に、各左側電極321、322、323には、制御部40に接続するためのリード部321a、322a、323aが本体部10から引き出されるようにそれぞれ形成されている。各リード部311a〜313a、321a〜323aには、シリコンコーティングが施されており、外部と導通できないようになっている。また、各電極311〜313、321〜323においてリード部311a〜313a、321a〜323aに繋がる部分とその近傍領域(図2において、符号Cで示す斜線領域)にも、シリコンコーティングが施されており、外部と導通できないようになっている。各右側電極311〜313は互いに並列接続され、各左側電極321〜323も互いに並列接続されている。
図2に示すように、電極部30は基材33の裏側面33aに形成されている。本例では、電極部30は、銀ペーストを含む導電性インクを基材33の裏側面33aに印刷して形成されている。これにより、電極部30は基材33と一体的に形成されている。なお、基材33とは別体に準備した導電性部材を基材33に埋設することにより、電極部30を基材33と一体的に形成することもできる。
第1電極群31及び第2電極群32には合わせて4個以上の電極311〜313、321〜323が含まれている。本例では、第1電極群31と第2電極群32とはそれぞれ同数の電極311〜313、321〜323を含んでおり、その数はそれぞれ3個である。すなわち、第1電極群31には、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313が備えられている。第2電極群32には、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323が備えられている。そして、基材33において、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313が形成される部分をそれぞれ、第1右側基部331、第2右側基部332及び第3右側基部333とし、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323が形成される部分をそれぞれ、第1左側基部341、第2左側基部342及び第3左側基部343とする。
そして、各電極311〜313、321〜323には、ゲルパッド35(積水化成品工業株式会社製「テクノゲル(登録商標)」、型番SR−RA240/100)が貼付されている。ゲルパッド35は導電性を有しており、各電極311〜313、321〜323はゲルパッド35を介して腹部3(図7参照)への通電が可能となっている。また、ゲルパッド35は高い粘着性を有しており、ゲルパッド35を介して、EMS装置1が腹部3に取り付けられるようになっている。
ゲルパッド35は、図2に示すように、各電極311〜313、321〜323よりも一回り大きい形状を有しており、各電極311〜313、321〜323を個別に覆っている。ゲルパッド35は交換可能となっているため、ゲルパッド35が、使用に伴って粘着力が低下したり、破損したり、汚れが目立つようになったりした場合などには、適宜交換することができる。また、所定期間(例えば、1ヶ月、2か月など)ごとに使用済みのゲルパッド35を新品のものと交換することとしてもよい。
図2に示すように、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313はいずれも、人体2(図7参照)の身長方向Yに平行で本体部10の中心を通る中心線10aよりも人体2の右手側X1(第1領域S1)に位置するように、本体部10から延出している。そして、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313は、身長方向Yに沿って上側Y1から下側Y2に向かってこの順で配列している。
一方、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323は、中心線10aよりも人体2の左手側X2(第2領域S2)に位置するように、本体部10から延出している。そして、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323も、身長方向Yに沿って上側Y1から下側Y2に向かってこの順で配列している。
そして、図2に示すように、第1電極群31と第2電極群32とが、腹部3(図7参照)に取り付けたときに、本体部10の左右方向Xにおける中心線10aを基準として線対称に位置するように構成されている。すなわち、腹部3に取り付けたときに中心線10aを基準として、第1右側電極311と第1左側電極321とが線対称に位置し、第2右側電極312と第2左側電極322とが線対称に位置し、第3右側電極313と第3左側電極323とが線対称に位置するように構成されている。
また、図2に示すように、第1電極群31及び第2電極群32は、腹部3(図7参照)に取り付けたときに、身長方向Yにおいて、第1電極群31及び上記第2電極群32のそれぞれにおける最も上側Y1に位置する第1右側電極311と第1左側電極321とからなる一対の上側電極対301と、最も下側Y2に位置する第3右側電極313と第3左側電極323とからなる一対の下側電極対303と、上側電極対301と下側電極対303との間に位置する一対の第2右側電極312と第2左側電極322とからなる中央電極対302と、が形成されるように構成されている。これにより、上側電極対301、中央電極対302及び下側電極対303は、身長方向Yに沿って上側Y1から下側Y2に向かってこの順で配列している。
そして、中央電極対302は、上側電極対301及び下側電極対303よりも左右方向Xの外側に突出している。すなわち、腹部3に取り付けたときに、中央電極対302を構成する第2右側電極312は、上側電極対301を構成する第1右側電極311及び下側電極対303を構成する第3右側電極313よりも右方向X1に突出している。同様に、中央電極対302を構成する第2左側電極322は、上側電極対301を構成する第1左側電極321及び下側電極対303を構成する第3左側電極323よりも左方向X2に突出している。
また、図2に示すように、上側電極対301は延出方向に向かうほど上側Y1に位置するようにV字状に傾斜している。そして、上述の如く、各電極311〜313、321〜323は同一の大きさとなっている。一方、電極部30の基材33における各右側基部331〜333は各右側電極311〜313よりも大きくなっており、各左側基部341〜343は、各左側電極321〜323よりも大きくなっている。
また、図2に示すように、上側電極対301は、下側電極対303よりも左右方向Xの外側、かつ、中央電極対302よりも左右方向Xの内側となる位置に配置されている。すなわち、腹部3に取り付けたときに、上側電極対301を構成する第1右側電極311は、下側電極対303を構成する第3右側電極313よりも右方向X1に突出している。同様に、上側電極対301を構成する第1左側電極321は、下側電極対303を構成する第3左側電極323よりも左方向X2に突出している。
そして、図2に示すように、第1右側基部331の下方外縁部331aは右方向X1に膨出しており、第1左側基部341の下方外縁部341aは左方向X2に膨出している。
また、第2右側基部332の中央外縁部332aは右方向X1に若干膨出しており、第2左側基部342の中央外縁部342aは左方向X2に若干膨出している。
さらに、第3右側基部333の上方外縁部333aは右方向X1に膨出しており、第3右側基部333の下方外縁部333bは下方向Y2に膨出している。また、第3左側基部343の上方外縁部343aは左方向X2に膨出しており、第3左側基部343の下方外縁部343bは下方向Y2に膨出している。
基材33における各基部331〜333、341〜343を上述のようにすることで、図1及び図7に示すように、EMS装置1を正面側から見たとき、EMS装置1が腹部3における腹直筋4を左右方向に包み込むように配される。また、電極配置も腹直筋4の区画4aに併せた配置となる事で、各筋肉を効率よく刺激することが期待できる。さらに、かかる形状であると認識されることにより、腹部3が引き締まって腹筋が割れたイメージを使用者に想起させることができる。これにより、EMS装置1を使用することにより、腹筋が割れて引き締まった腹部3とするためのイメージトレーニングの効果が得られる。(イメージトレーニングによる運動効果の向上は一般によく知られている。)
また、図2に示すように、第1電極群31及び第2電極群32において互いに隣り合う電極311〜313、321〜323の間には、本体部10に向かって切り込まれた切り込み部17が形成されている。本例では、第1右側電極311と第2右側電極312との間、第2右側電極312と第3右側電極313との間、第3右側電極313と第3左側電極323との間、第3左側電極323と第2左側電極322との間、第2左側電極322と第1左側電極321との間、及び第1左側電極321と第1右側電極311との間、の合計6カ所に切り込み部17が形成されている。さらに、本体部10の周囲には、通気孔18が4カ所形成されている。
次に、本例のEMS装置1の構成、及び、電気刺激の態様について、図を用いて説明する。
本例のEMS装置1は、以下の態様により電気刺激を筋肉に与えるように構成されている。図9及び図10に示すように、本例の態様では、パルス群出力期間Pとパルス群出力中断期間R1〜R5からなるバースト波(B1〜B5)が電極311〜313、321〜323から繰り返し出力される。図9に示すように、パルス群出力期間Pには、矩形波パルス信号S1〜S5が、出力停止時間N1〜N5を挟んで複数出力される。パルス群出力中断期間R1〜R5には、出力停止時間N1〜N5よりも長くパルス信号の出力が停止される。
図8に示すように、EMS装置1は、本体部10の内部に、電源部20、制御部40、操作部50に加え、肌検知部402及び電池電圧検出部406を備える。
肌検知部402は、電極部30が肌に接しているか否かを検知する。詳細には、肌検知部402は、電極部30に電気的に接続され、第1電極群31と第2電極群32との間の抵抗値を検出する。そして、検出した値と予め設定された閾値とを比較して、検出した値が閾値よりも小さいときに、第1電極群31及び第2電極群32に肌が接していることを検知する。
電池電圧検出部406は、電源部20における電池21の電圧を検知し、検知された電源部20における電池21の電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いか否か判定する。本例では電池21の公称電圧Vは3.0Vであって、閾値Vmは2.1Vである。
図8に示すように、電源部20には、電池21が備えられる。また、制御部40には、出力調整部401、電源オフカウンタ403、タイマー404、出力モード切替部405及び出力モード記憶部405aが備えられる。出力調整部401は電極部30における出力電圧(出力レベル)を調整する。本例では、最大出力電圧は40Vであり、出力レベルが1下がるごとに、100%出力電圧が2.0V低下するように設定されている。出力レベルはレベル1からレベル15までの15段階となっている。
電源オフカウンタ403は、カウント開始信号を受けてからの経過時間を計測する。タイマー404は、出力開始信号を受けてからの経過時間を計測する。出力モード切替部405は、電極部30における出力モードを第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードのいずれかに切り替えるものであって、出力されるバースト波の周波数を設定する周波数設定部を構成している。出力モード記憶部405aには、第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードが記憶されている。第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードには、パルス群出力中断期間R1〜R5を有するバースト波パターンとしての基本波形が予め記憶されており、出力モード記憶部405aがバースト波パターン記憶部を構成している。なお、バースト波パターン記憶部405aは、プログラム上のバースト波の波形の定義記載も含むものとする。
次に、電極部30における出力モードについて、説明する。
まず、継続時間記憶部としての出力モード記憶部405aには、図9に示す5つのバースト波パターン(基本波形B1〜B5)が記憶されている。各基本波形B1〜B5は、パルス群出力期間Pとパルス群出力中断期間R1〜R5とからなる。すなわち、各基本波形B1〜B5は、共通のパルス群出力期間Pを有しているとともに、パルス群出力中断期間R1〜R5の長さが異なっている。
パルス群出力期間Pは、矩形波パルス信号S1〜S5が出力停止時間N1〜N5を挟んで複数出力される。本例では、5個の矩形波パルス信号S1〜S5が出力される。すなわち、パルス群出力期間Pは、第1の矩形波パルス信号S1、第1の出力停止時間N1、第2の矩形波パルス信号S2、第2の出力停止時間N2、第3の矩形波パルス信号S3、第3の出力停止時間N3、第4の矩形波パルス信号S4、第4の出力停止時間N4、第5の矩形波パルス信号S5、第5の出力停止時間N5の順に実行される。
そして、本例では、各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅、パルス電圧は一定であり、出力停止時間N1〜N5の継続時間も一定である。本例では、各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅が100μsであって、パルス電圧は100%出力時に±40Vであり、出力停止時間N1〜N5の継続時間は100μsである。そのため、パルス群出力期間Pの継続時間は1msとなっている。そして、各矩形波パルス信号S1〜S5における電圧極性は出力順に交互に変更されている。すなわち、第1の矩形波パルス信号S1、第3の矩形波パルス信号S3及び第5の矩形波パルス信号S5が正の極性を有し、第2の矩形波パルス信号S2及び第4の矩形波パルス信号S4が負の極性を有している。
上述のように、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅及び各出力停止時間N1〜N5の継続時間はそれぞれ100μsである。そのため、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス周期は200μsであって、十分短い。そのため、使用者はこれらの矩形波パルス信号S1〜S5を一つの電気刺激として認識することとなる。なお、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5の周波数は5,000Hzである。
各基本波形B1〜B5において、パルス群出力中断期間R1〜R5はパルス信号を出力しない。そして、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、パルス群出力期間Pの継続時間よりも長い。本例では、図9に示すように、パルス群出力期間Pの継続時間は、1msであり、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、それぞれ、499ms、249ms、124ms、61.5ms、49msである。このように、パルス群出力中断期間R1〜R5は、パルス群出力期間Pにおける出力停止時間に比べて、非常に長い継続時間を有するものである。
したがって、図9に示すように、第1バースト波(2Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、499msのパルス群出力中断期間R1とからなる。すなわち、第1バースト波(2Hz)は、パルス群出力期間Pが2Hzの周波数で出力されるものである。
また、第2バースト波(4Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、249msのパルス群出力中断期間R2とからなる。すなわち、第2バースト波(4Hz)は、パルス群出力期間Pが4Hzの周波数で出力されるものである。
また、第3バースト波(8Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、124msのパルス群出力中断期間R3とからなる。すなわち、第3バースト波(8Hz)は、パルス群出力期間Pが8Hzの周波数で出力されるものである。
また、第4バースト波(16Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、61.5msのパルス群出力中断期間R4とからなる。すなわち、第4バースト波(16Hz)は、パルス群出力期間Pが16Hzの周波数で出力されるものである。
また、第5バースト波(20Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、49msのパルス群出力中断期間R5とからなる。すなわち、第5バースト波(20Hz)は、パルス群出力期間Pが20Hzの周波数で出力されるものである。
そして、基本波形B1〜B5を所定の組み合わせで所定期間繰り返し出力することにより、図10(a)〜(e)に示すように、所定のバースト波が出力されることとなる。そして、上述のように、使用者は、パルス群出力期間Pにおける複数の矩形波パルス信号S1〜S5を一つの電気刺激と認識することから、図10(a)に示すように、基本波形B1を繰り返す第1バースト波では、周波数2Hzの電気刺激が出力されることとなる。同様に、基本波形B2を繰り返す第2バースト波では、周波数4Hzの電気刺激が出力され、基本波形B3を繰り返す第3バースト波では、周波数8Hzの電気刺激が出力され、基本波形B4を繰り返す第4バースト波では、周波数16Hzの電気刺激が出力され、基本波形B5を繰り返す第5バースト波では、周波数20Hzの電気刺激が出力されることとなる。
そして、継続時間記憶部としての出力モード記憶部405aに記憶された第1〜第3出力モードは、出力モード記憶部405aに記憶された基本波形B1〜B5を適宜選択することにより、所定の周波数のバースト波を組み合わせて構成される。まず、表1に示すように、第1出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたウォームアップモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第1バースト波(2Hz)で20秒間、100%の出力を行う。なお、図11に示すように、第1ステータスにおける開始5秒間は出力電圧を0%から徐々に大きくして100%にする、いわゆるソフトスタートを行う。
(2)第2ステータスでは、第2バースト波(4Hz)で20秒間、100%の出力を行う。
(3)第3ステータスでは、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
(4)第4ステータスでは、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
そして、第1出力モードの継続期間(すなわち、第1ステータス〜第4ステータスの継続期間の合計)は1分間である。かかる第1出力モードでは、バースト波の周波数が2Hzから16Hzへ段階的に高くなるように構成されているため、第1出力モードをウォームアップモードと呼んでいる。
かかるウォームアップモードとしての第1出力モードでは、バースト波の周波数が2Hzから16Hzへ段階的に高くなるのに伴って筋肉の運動頻度が高まり、当該筋肉や体が次第に温まる。これにより、急激な血圧上昇、当該筋肉における一時的な酸素不足などが生じることが防止される。また、当該筋肉が徐々に温まることにより、血流量が増して当該筋肉の柔軟性が高まる。これにより、後続のトレーニングモードにおいて、筋肉の刺激による効果が一層得られやすくなる。また、トレーニングモードに先行して当該ウォームアップモードを行うことによって、使用者が刺激に適度に慣れることができるため、体感が向上する。
次に、表2に示すように、第2出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたトレーニングモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で3秒間、100%の出力を行った後、出力なしを2秒間維持する。これを5分間繰り返す。
(2)第2ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で3秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
(3)第3ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で4秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
(4)第4ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で5秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
なお、図11に示すように、第2出力モードでは第1ステータス〜第4ステータスにおけるそれぞれの開始5秒間は、出力電圧を0%から徐々に大きくして100%にする、いわゆるソフトスタートを行う。
そして、第2出力モードの継続期間は20分間である。かかる第2出力モードでは、周波数20Hzの第5バースト波を所定期間維持した後、出力なし又は周波数4Hzの第2バースト波を所定期間維持するため、筋肉を効果的に刺激するのに優れている。そのため、第2出力モードをトレーニングモードと呼んでいる。
次に、表3に示すように、第3出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたクールダウンモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第4バースト波(16Hz)で10秒間、出力を行う。
(2)第2ステータスでは、第3バースト波(8Hz)で10秒間、出力を行う。
(3)第3ステータスでは、第2バースト波(4Hz)で20秒間、出力を行う。
(4)第4ステータスでは、第1バースト波(2Hz)で20秒間、出力を行う。
なお、第3出力モードでは、各ステータスにおける出力は、図11に示すように、第1ステータス開始時には100%とし、第4ステータス終了時に50%となるように徐々に減少させる。
そして、第3出力モードの継続期間は1分間である。かかる第3出力モードでは、バースト波の周波数が16Hzから2Hzへ段階的に低くなるように構成されているため、第3出力モードをクールダウンモードと呼んでいる。
かかるクールダウンモードとしての第3出力モードでは、バースト波の周波数が16Hzから2Hzへ段階的に低くなるのに伴って筋肉の運動頻度が低下することにより、当該温まっていた筋肉や体が徐々に冷まされることとなる。そして、先行するトレーニングモードにおいて筋肉に生じた疲労物質を当該筋肉から積極的に排出して、当該筋肉に疲労物質が過剰に残留することが防止される。
以上のように、第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)を連続して行った場合の合計時間は22分間となる。なお、本例では、図11に示すように、第1出力モードと第2出力モードとの間、及び第2出力モードにおける各ステータスの間の合計4カ所に、それぞれ2秒間の休止期間が設けられている。そのため、当該休止期間を含めた全行程の合計時間は22分8秒間となっている。
次に、本例のEMS装置1の動作フローについて、以下に詳述する。
図12に示すメイン動作フローS100について説明する。メイン動作フローS100では、まず、操作面54の「+」を2秒間押下する(S101)。これにより、EMS装置1の電源がオンとなって、EMS装置1が起動されるとともに、起動されたことを通知する通知音(「ピー」)が、スピーカ430により発せられる(S102)。その後、EMS装置1は、出力待機状態となり出力レベルが0にされるとともに、操作部50の入力が無効化される(S103)
次に、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S104)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合(S104のYes)は、操作部50を有効化する(S105)。そして、操作部50により出力レベルを入力する(S106)。出力レベルの入力は、操作部50の操作面54から行う。操作部50の操作面54の「+」を押すごとに出力レベルが1レベル大きくなり、操作面54の「−」を押すごとに出力レベルが1レベル小さくなる。出力レベルが設定されると、制御部40からタイマー404へ出力開始信号を送り、タイマー404において計測が開始される(S107)。また、出力レベルの操作は使用時間中(操作部50の有効化後から電源オフまで)のいつでも可能である。
タイマー404の計測開始時(経過時間0)から経過時間1分までの間は、電極部30における出力モードを第1出力モード(ウォームアップモード)とする(S108)。経過時間1分に達すると、周波数設定部としての出力モード切替部405により、電極部30における出力モードを第2出力モード(トレーニングモード)に切り替え、経過時間21分までの20分間維持する(S109)。経過時間21分に達すると、周波数設定部としての出力モード切替部405により、電極部30における出力モードを第3出力モード(クールダウンモード)に切り替え、経過時間22分までの1分間維持する(S110)。経過時間22分に達すると、タイマー404における計測を終了する(S111)。そして、EMS装置1を停止する(S112)。このように、S108からS111が行われることにより、第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)が1セット行われて、終了することとなる。
一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S104のNo)は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ430により発せられる(S113)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403において経過時間の計測をスタートする(S114)。
次に肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S115)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合は、上述のステップS103に戻って、出力待機状態となる(S115のYes)。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S115のNo)は、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S116)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S116のNo)は、再度S115に戻り、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する。一方、S116において、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S116のYes)は、EMS装置1の電源がオフとなる(S117)。
次に、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される割り込み処理について説明する。図13に示すように、第1の割り込み処理として、肌検出割り込み処理S200が行われる。肌検出割り込み処理S200は、使用途中で電極が人体から離脱した場合に、自動的に電源をオフにする機能として用いられる。肌検出割り込み処理S200では、まず、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S201)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合(S201のYes)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S201のNo)は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ430により発せられる(S202)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403が経過時間の計測をスタートする(S203)。
次に肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S204)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合は、メイン動作フローS100のステップS103に戻る(S204のYes)。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S204のNo)は、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S205)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S205のNo)は、再度S204に戻り、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する。一方、S205において、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S205のYes)は、EMS装置1の電源がオフとなる(S206)。
次に、図14に示すように、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される第2の割り込み処理である電池電圧低下処理S300について説明する。電池電圧低下処理S300は、電池21の電池電圧が低下した場合に自動で電源をオフにする機能である。これにより、使用者は電池交換の対応が必要な場合等にこれを容易に知ることができる。まず、電池電圧検出部406により、検知された電源部20における電池21の電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いか否か判定する(S301)。電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低くないと判定された場合(S301のNo)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いと判定された場合は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ430により発せられる(S302)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403において経過時間の計測をスタートする(S303)。
次に、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S304)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S304のNo)は、再度S304に戻る。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S304のYes)は、EMS装置1の電源がオフとなる(S305)。
次に、図15に示すように、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される第3の割り込み処理である中断処理S400について説明する。まず、制御部40により、操作部50における操作面54の「−」ボタンを押下している時間が2秒以上か否か判定する(S401)。「−」ボタンを押下している時間が2秒以上でないと判定された場合(S401のNo)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、「−」ボタンを押下している時間が2秒以上であると判定された場合(S401のYes)は、EMS装置1の電源をオフにして終了する旨を通知する通知音(「ピー」)が、スピーカ430により発せられる(S402)。そして、電源をオフにする(S403)。
以下、本例のEMS装置1の作用効果について、詳述する。
EMS装置1におけるケース11は、発音体43としてのスピーカ430を収容していると共に、スピーカ430に対面する位置に開口部114(114a、114b)を有している。また、外殻形成体12は、開口部114に対面する位置に薄肉部123を有している。そのため、外殻形成体12は、本体部10の防水性能を確保しつつ、薄肉部123を介してスピーカ430から発生した音を本体部10の外部に効率よく伝達することができる。それ故、EMS装置1は、従来のEMS装置に比べて操作を行う際に発生する音を使用者により容易に認識させることができる。
また、薄肉部123は外殻形成体12と一体に形成されている。そのため、薄肉部123を外殻形成体12と別体に構成する場合に比べて、部品の点数を削減することができる。更に、この場合には、EMS装置1を作製する工程において薄肉部123を外殻形成体12に接合する作業を行う必要がないため、EMS装置1の生産性をより向上させることができる。
また、薄肉部123は外殻形成体12における外表面(操作面54)に面一に配置されている。そのため、薄肉部123が外殻形成体12の外表面よりも内側に陥没している場合に比べて、薄肉部123近傍に汚れ等が溜まりにくくなる。それ故、EMS装置1を清潔な状態に維持し易くなる。更に、外殻形成体12の外表面の意匠性をより向上させることができる。
また、外殻形成体12及び薄肉部123はシリコーン樹脂より形成されている。そのため、スピーカ430から発生する音を外部に効率よく伝達することができる。また、本体部10の防水性能を容易に向上させることができると共に、薄肉部123の破損等をより抑制することができる。
以上の結果、EMS装置1は、操作が受け入れられたか否かを使用者が容易に認識することができ、従来のEMS装置に比べて使い勝手をより向上させることができる。また、EMS装置1は、発音体43から発生した音をより効率よく外部に伝達できるため、例えば衣服の中に着用する態様においても使い勝手をより向上させることができる。
また、本例のEMS装置1では、電気刺激を形成する第1〜第5バースト波は、パルス群出力期間Pにおいて矩形波パルス信号S1〜S5が出力停止時間N1〜N5を挟んで複数出力される。そのため、パルス群出力期間Pにおいて矩形波パルス信号S1〜S5は複数に分断された状態となっている。これにより、パルス群出力期間Pにおいて矩形波パルス信号S1〜S5を分断なく連続して出力する場合と比べて、矩形波パルス信号S1〜S5の合計出力時間は同じとしつつ、矩形波パルス信号S1〜S5の一つ一つのパルス幅を小さくすることができる。その結果、EMS装置1から出力されて筋肉又は筋肉に繋がる神経に流れる電気刺激は維持しつつ、使用者の痛みを軽減することができるため、EMS装置1の使用における体感を向上させることができる。
また、バースト波(基本波形B1〜B5)では、パルス群出力期間Pが出力停止時間N1〜N5を挟んで複数の矩形波パルス信号S1〜S5が出力されて構成されているが、このパルス群出力期間Pと同じ期間、連続出力するパルス出力期間を有するバースト波と比べても、パルスの出力される期間Pとしては同じとなる。そのため、出力停止時間N1〜N5を挟んだパルス群出力期間Pを有するバースト波においても、出力停止時間を挟まないパルス出力期間を有するバースト波に近い体感が得られることとなる。
また、パルス群出力期間Pにおいて矩形波パルス信号S1〜S5は、出力停止時間N1〜N5を挟んで複数出力されているため、パルス群出力期間Pの継続時間は、複数の矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅とすべての出力停止時間N1〜N5とを合わせたものとなっている。そのため、かかるパルス群出力期間Pの継続時間中、矩形波パルス信号S1〜S5を分断なく出力し続ける場合に比べて、パルス群出力期間Pの継続時間は同じとしつつ、出力停止時間N1〜N5の分だけ実際のパルス信号出力時間が短くなることから、消費電力を低減することができる。そのため、低容量の電源によっても駆動させることができるため、装置の小型化に寄与する。
また、電気刺激を形成するバースト波は、パルス群出力期間Pとパルス群出力中断期間R1〜R5とからなり、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、パルス群出力期間Pにおける出力停止時間N1〜N5よりも長くなっている。バースト波にこのようなパルス群出力中断期間R1〜R5が備えられているため、パルス群出力期間Pを変更することなく、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間を所定の長さに変更するだけで、バースト波の周波数を容易に所望の値に設定することができる。これにより、筋肉を収縮・弛緩させるのに適した周波数を有するバースト波からなる電気刺激を出力するように制御することが容易となり、かつ効率的に筋肉を刺激することができる。
本例では、パルス群出力期間Pには、互いに極性が異なる矩形波パルス信号S1〜S5が含まれている。これにより、一つのバースト波(基本波形B1〜B5)内において、電荷の偏りを解消しやすいため、使用者の痛みを一層軽減することができる。その結果、EMS装置1の使用における体感と使いやすさをより一層向上することができる。
さらに、本例のように、第1のバースト波における第1のパルス群出力期間Pにおいて出力される5個の矩形波パルス信号S1〜S5が「正、負、正、負、正」の順に出力されている場合には、第1のバースト波の次に到来する第2のバースト波における第2のパルス群出力期間において出力される5個の矩形波パルス信号を「負、正、負、正、負」の順に出力するようにすることができる。この場合には、第1のバースト波において生じた電荷の偏りを、第2のバースト波によって確実に解消することができるため、使用者の痛みを一層軽減することができる。さらに、上記第2のパルス群出力期間は、上記第1のパルス群出力期間Pにおいて出力される複数の矩形波パルス信号S1〜S5の極性を逆相にする(電位を反転させる)だけでよいため、各パルス群出力期間における個々の矩形波パルス信号の極性を個別に制御する場合に比べて、制御負荷を軽減することができる。
なお、本例では、同一のパルス群出力期間Pに互いに極性が異なる矩形波パルス信号S1、S3、S5と矩形波パルス信号S2,S4とが含まれるようにしたが、これに替えて、次のようにしてもよい。第1のバースト波の第1のパルス群出力期間Pにおけるすべての矩形波パルス信号S1〜S5の極性を正とし、第1のバースト波の次にパルス群出力中断期間R1〜R5を挟んで到来する第2のバースト波の第2のパルス群出力期間におけるすべての矩形波パルス信号の極性を負とし、第1のバースト波と第2のバースト波とを繰り返すようにしてもよい。この場合には、個々のパルス群出力期間については、矩形波パルス信号の極性は同一であるが、繰り返し出力されるバースト波全体において、互いに極性の異なる矩形波パルス信号が含まれていることとなる。この場合においても、第1のバースト波において生じた電荷の偏りを、第2のバースト波によって確実に解消することができるため、使用者の痛みを一層軽減することができる。
本例では、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、パルス群出力期間Pの継続時間(1ms)よりも長くなっている。これにより、パルス群出力中断期間R1〜R5によって、バースト波において繰り返し出力されるパルス群出力期間Pの間隔が十分確保されることとなるため、使用者に、パルス群出力期間Pにおける複数の矩形波パルス信号S1〜S5を一つの電気刺激として認識させやすくなる。その結果、高周波(本例では、周波数5,000Hz)の矩形波パルス信号S1〜S5から、低周波(本例では2〜20Hz)のバースト波を容易に出力させることができ、筋肉を刺激するのに適した電気刺激を出力することができる。
本例では、パルス群出力期間Pの継続時間は同一であるとともにパルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間が異なることにより互いに異なる周波数を有する複数のバースト波パターン(基本波形B1〜B5)が予め記憶されたバースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)と、バースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)に記憶された複数のバースト波パターン(基本波形B1〜B5)からいずれかを選択することにより、電気刺激におけるバースト波の周波数を設定する周波数設定部(出力モード切替部405)とを有する。これにより、バースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)に予め所定の周波数のバースト波パターン(基本波形B1〜B5)が複数記憶されているため、バースト波の周波数を変更する際には、周波数設定部(出力モード切替部405)がバースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)に記憶されたバースト波パターンから所定のものを選択するだけでよく、バースト波の周波数の変更が容易となる。これにより、筋肉を効率的に刺激するのに適したEMS装置1となる。
また、本例では、バースト波における矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅及び出力停止時間N1〜N5が一定である。これにより、バースト波の周波数に基づいて、筋肉に付与される電気刺激を変更しやすくなっている。そのため、バースト波の周波数による電気刺激の調整が容易となり、筋肉を効果的に刺激するのに適した電気刺激を出力することが容易となる。
また、本例では、本体部10と、電気刺激を出力する複数の電極部30と、電極部30に電力を供給する電源部20と、電源部20における電力給電を制御する制御部40と、制御部40の制御態様を変更可能に構成された操作部50と、からなり、電源部20が本体部10に内蔵されている。これにより、電極部30に供給される電力を外部に用意する必要がないため、電源の確保が困難な屋外や、外出先などでも容易に使用することができる。また、電源と接続するためのコード等が不要になるため、使い勝手が向上されるとともに、携帯性にも優れる。
また、本例では、電極部30は、本体部10から延設されたシート状の基材33に、複数の電極311〜313、321〜323と、電極311〜313、321〜323と電源部20とを制御部40を介して電気的に接続するリード部311a〜313a、321a〜323aとが形成されてなる。これにより、本体部10から延設されたシート状の基材33に、電極部30が形成されていることとなり、本体部10と電極部30とを一体化できる。そのため、本体部10と電極部30とを接続するためのコード等が不要となり、使い勝手が向上するとともに、携帯性にも優れる。
また、本例では、電源部20には、交換可能な電池21が備えられている。これにより、電池21を交換するだけで電力の補充をすることができるため、電池容量以上に長時間使用することが容易となる。これにより、過度に大容量の電源を内蔵させる必要がないため、装置を小型化することができる。
また、本例では、電池21はコイン電池である。これにより、電池21が小型となるため、EMS装置1の小型化に寄与する。そして、EMS装置1の小型化に伴って軽量化を図ることができるため、電極部30が使用者の体から剥離、脱落しにくくなり、使い勝手が向上するとともに、携帯性も向上する。さらに、電池21は薄型でもあるため、EMS装置1の薄型化にも寄与する。そして、EMS装置1が薄型となることにより、使用者は、EMS装置1を取り付けたまま、その上から衣服を着用することが可能となる。そのため、EMS装置1を通勤中や通学中、家事や仕事等の作業中、その他様々な状況で使用することができる。また、コイン電池は、他の乾電池等に比べて、高い作動電圧で安定した放電特性を有するため、比較的長時間にわたってEMS装置1を安定して動作させることができる。
なお、電源部20には、コイン電池に代えてボタン電池等の小型の電池を採用することも可能である。また、コイン電池等の一次電池に替えて充電可能な二次電池が内蔵されていてもよい。かかる電池の充電手段として、外部電源と接続可能な給電用の端子を備えていてもよいし、電磁誘導を使用した非接触型の給電部を備えていてもよい。この場合には、当該電池を繰り返し使用できるため、非充電型の電池を使用する場合に比べて、消耗品を削減できる。
また、電池21として公称電圧が3.0〜5.0Vのものを採用することができ、本例では、3.0Vの電池21を採用している。EMS装置1に備えられる電子部品42、スピーカ430等の駆動電圧を一致していることから、これらの電子部品42、430の駆動のために降圧回路や昇圧回路を別途備える必要がない。これにより、小型化に寄与できる。
また、本例では、電極部30は、3個以上の電極311〜313、321〜323を有する。上述の如く、パルス群出力期間Pに出力停止時間N1〜N5を含まれていることにより消費電力が低減されているため、3個以上の電極311〜313、321〜323を備えた本構成においても、充分な電気刺激を付与することができる。これにより、広い範囲の筋肉に電気刺激を付与することができるため、筋肉を効率的に刺激することができる。
以上のごとく、本例によれば、使用したときの体感が向上されるとともに、効率的に筋肉を刺激することができるEMS装置1を提供することができる。
なお、本例では、電極部30が形成される基材33は、本体部10から延設されるとともに、外殻形成体12から延設された電極支持部121が接着されることにより、電極部30と本体部10とが一体的に形成されることとした。これに替えて、基材33と本体部10とを別体とするとともに、電極支持部121と外殻形成体12とを別体として形成することにより、本体部10と電極部30と非使用時において互いに分離可能なように構成してもよい。この場合には、電極部30を本体部10から分離して、他の形態の電極部と交換することができる。また、電極部30は電子部品を有さないため、分離することにより、電極部30を容易に洗浄することができる。
本例では、第2出力モード(トレーニングモード)は、上述の表2に示す第1ステータス〜第4ステータスに基づいて実行した。これに替えて、次に示す変形例1のように、本例と同等の第1ステータス〜第4ステータスにおいて、第2ステータスと第3ステータスの間に、表4に示す第2aステータスを実行し、第3ステータスと第4ステータスとの間に、表4に示す第3aステータスを実行することとしてもよい。
変形例1では、表4に示すように、第2aステータス及びは第3aステータスは以下の通り行う。
(2a)第2aステータスでは、第2バースト波(4Hz)で10秒間、100%の出力を行った後、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行い、さらにその後、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
(3a)第3aステータスでは、第2バースト波(4Hz)で10秒間、100%の出力を行った後、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行い、さらにその後、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
なお、当該変形例1では、本例の第2出力モード(表2参照)に比べて第2aステータス及び第3aステータスが追加されているため、表4に示す第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)を連続して行った場合の合計時間は23分間となる。
第2aステータスでは、バースト波の周波数が4Hzから16Hzへ段階的に高くなるように構成されているため、第2aステータスから第3ステータスへ切り替え時の周波数変化が滑らかとなる。同様に、第3aステータスから第4ステータスへ切り替え時の周波数変化が滑らかとなる。そして、当該変形例1では、実施例1の場合に対して、第2aステータス及び第3aステータスが加わることにより、第2出力モード(トレーニングモード)における電気刺激のパターンが大きく変化することとなる。その結果、使用者における当該電気刺激への慣れによる体感の低下を防止することができ、より効果的に腹直筋を刺激することができる。また、第2aステータス・第3aステータスを設けることもより、電気刺激の付与によって疲労した筋肉における疲労物質を押し流す効果も奏する。なお、第2出力モード(トレーニングモード)をこのように設定した当該変形例1において、実施例1と同等の作用効果も奏する。
なお、実施例1では、6個の電極311〜313、321〜323を備えることとしたが、これに限らず、2個以上とすることができる。例えば、変形例2においては、図16、図17に示すように、電極として、実施例1の電極311、321と同様の構成ではあるが、一回り大きい電極311、321を2個備える。なお、変形例2において実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。この場合にも、実施例1と同等の作用効果を奏する。そして、変形例2の筋肉電気刺激装置1によれば、電極が6個の場合(図2参照)に比べて、電極311、321の個数が少ないため、電極あたりの消費電力を大きくすることができることから、各電極311、321を一回り大きくしている。これにより、電極1つによって電気刺激を付与できる範囲が広がり、腕部、大腿部等の大きい部位の筋肉を刺激しやすくなっている。
なお、実施例1では、バースト波の周波数を変更する際には、周波数設定部(出力モード切替部405)がバースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)に記憶されたバースト波パターンから所定のものを選択するようにしている。これに替えて、次の変形例3のようにすることもできる。変形例3では、図18に示すように、バースト波の周波数を選択する周波数選択部としての操作面54aと、中断期間継続時間算出部405bと、中断期間継続時間設定部405cと、を有する。
そして、中断期間継続時間算出部405bは、周波数選択部(操作面54a)により選択された周波数に基づいてパルス群出力中断期間の継続時間を算出する。
中断期間継続時間設定部405cは、中断期間継続時間算出部405bによって算出された上記継続時間に基づいて上記パルス群出力中断期間の継続時間を設定する。
なお、変形例3において実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
かかる変形例3によれば、周波数選択部(操作面54a)によってバースト波の周波数を所望の周波数に設定することができるため、使用者の好み(収縮の強度・収縮と弛緩の間隔)に基づいて、バースト波の周波数を適宜設定することにより、使用者ごとに、一層効率的に筋肉を刺激することができるEMS装置1となる。なお、当該変形例2においても、バースト波の周波数の変更態様に関する作用効果を除いて、実施例1と同等の作用効果を奏する。
また、実施例1には、薄肉部123を外殻形成体12と一体に形成した例を示したが、これに替えて、次の変形例4のようにすることもできる。変形例4では、図19に示すように、薄肉部123bを外殻形成体12とは別体に形成している。より具体的には、変形例4の外殻形成体12は、スピーカ430の中央に対応する位置に貫通孔124を有している。そして、貫通孔124の縁部に薄肉部123bが接合されている。また、図19に示した変形例4においては、薄肉部123bは、外殻形成体12の厚み方向におけるケース11側の縁部に接合されている。なお、その他の部分は実施例1と同様である。変形例4において実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付した。
変形例4においては、薄肉部123bとして、ガス透過性を有する材料を用いることが好ましい。係る材料としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂よりなる多孔質フィルムなどを好適に用いることができる。
なお、上述の実施例及び変形例において、発音体43から発生させる音の種類は特に限定されず、ブザー音や電子音声等の種々の態様の音を用いることができる。使用者の認識のしやすさの観点からは、人間が不快感を感じ易い2000〜5000Hz程度の周波数を有する音を用いることが好ましい。
また、上述の実施例及び変形例においては、操作面54の「+」を押下してEMS装置1を起動する際(図12、S101及びS102)及び「−」を押下してEMS装置1を終了する際(図15、S401及びS402)に発音体43から音を発生させる例を示したが、これ以外のタイミングで音を発生させても良い。例えば、EMS装置1を起動した後、出力レベルを入力する際(図12、S106)に、操作面54の押下を契機として音を発生させることもできる。