屋根の上に太陽電池モジュールを位置させた太陽電池装置がある。このような太陽電池装置には、屋根材の素材および形状などの特徴に適した構造が求められる。屋根材には、例えば、スレート製または金属製の波板などの板状の屋根材が適用される。
そして、例えば、太陽電池モジュールを設置するための金具を基体としての屋根材の上に固定し、この金具を用いて太陽電池モジュールを屋根材の上で保持する形態が考えられる。ここでは、例えば、屋根材およびこの屋根材を支える野地板または垂木などの下地の部分に対して、釘あるいはビスなどの固定具を打ち込むことで、固定具によって金具を屋根材の上に固定することが考えられる。
しかしながら、屋根の上に設置された太陽電池モジュールには、例えば、積雪による荷重あるいは風圧による外力など、各種の応力が加わり得る。このため、例えば、太陽電池モジュールを保持するために屋根材の上に固定された金具に、各種の応力が加わり得る。ここで、例えば、屋根材がスレートなどの硬質の素材で構成されていれば、金具に過度な応力が加わると、屋根材の損傷あるいはズレなどが生じるおそれがある。また、例えば、屋根が複数の金属製の屋根材で構成されていれば、金具に応力が加わると、屋根材の変形あるいはズレなどが生じるおそれがある。そして、このような屋根材の損傷、変形およびズレは、屋根における防水性の低下を招き得る。
また、太陽電池装置を設置する対象となる部分(設置対象部ともいう)としては、屋根の他に、例えば、工場および倉庫などの外壁も考えられる。この外壁についても、上述した屋根と同様に、例えば、板状の外壁部に、太陽電池モジュールを設置するための金具を固定することが可能である。
また、設置対象部としては、例えば、アパートまたはビルなどで広く採用されているコンクリート製の平坦な陸屋根なども考えられる。この陸屋根の素材には、例えば、軽量気泡コンクリート(ALC)などが適用される。この場合にも、例えば、仮にネジなどの固定具で陸屋根上に固定した金具を用いて太陽電池モジュールを保持する形態が考えられるが、太陽電池モジュールに加わる各種の応力が、金具を介して陸屋根に加わり、陸屋根が損傷するおそれがある。そして、このような陸屋根の損傷は、陸屋根における防水性の低下を招き得る。このため、上記の問題は、設置対象部に対して太陽電池装置を設置する形態一般に共通する。
したがって、設置対象部の上に太陽電池モジュールが位置している太陽電池装置については、設置対象部の防水性を向上させる点で改善の余地がある。
そこで、本願発明者らは、設置対象部の上に太陽電池モジュールが位置している太陽電池装置について、設置対象部の防水性を向上させることができる技術を創出した。
これについて、以下、各種実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1から図34(c)には、右手系のXYZ座標系が付されている。図1から図31のXYZ座標系では、屋根1の軒から棟に向かう方向が+Y方向とされ、+Y方向に直交し軒に沿うように延びる方向が+X方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交する方向が+Z方向とされている。図32(a)から図34(c)のXYZ座標系では、屋根1の上向きの第2面1Fsの法線方向が+Z方向とされ、第2面1Fsに沿った一方向が+X方向とされ、+X方向と+Z方向との両方に直交する第2面1Fsに沿った方向が+Y方向とされている。また、各実施形態では、+Z方向が上方向とされ、−Z方向が下方向とされている。
<1.第1実施形態>
図1で示されるように、第1実施形態に係る太陽電池装置2は、例えば、設置対象部としての傾斜した屋根1の上に取り付けられている状態で位置している。以下では、まず、屋根1の構成について、図1から図3(b)に基づいて説明する。その後、第1実施形態に係る太陽電池装置2について、図1および図4から図12に基づいて説明する。
<1−1.屋根>
図1および図2で示されるように、屋根1は、下地部1Bmと、屋根材1Rfと、第1締結部1Mtと、を備えている。
下地部1Bmは、屋根材1Rfを支持するための部分である。下地部1Bmには、構造材としての桁材などが適用される。桁材には、例えば、断面がC型状である長尺のC型鋼などが適用される。図1および図2の例では、複数の下地部1Bmとしての複数本の桁材が、互いに平行に位置している。
屋根材1Rfは、下地部1Bmの上に位置している基体である。屋根材1Rfの形状としては、板状のものが採用される。屋根材1Rfは、1枚の板状の部材で構成されていてもよいし、2枚以上の板状の部材で構成されていてもよい。2枚以上の板状の部材で構成されている場合には、屋根材1Rfとしては、例えば、隣り合う板状の部材の一部が重なり合うように位置している形態が採用される。この屋根材1Rfは、下方向を向いて位置している面(第1面ともいう)1Bsと、この第1面1Bsとは逆側の上方向を向いている状態で位置している第2面1Fsと、を有する。また、この屋根材1Rfは、第1面1Bsから第2面1Fsに向かう方向(第1方向ともいう)に突出している凸状の部分(凸状部分ともいう)1Prを含んでいる。ここでは、第1方向として、上方向としての+Z方向が設定される。この凸状部分1Prは、第1方向に直交する方向(第2方向ともいう)に沿って延びている状態で位置している。ここで、第2方向として、屋根1が傾斜している方向(傾斜方向ともいう)としての−Y方向が設定される。傾斜方向は、棟から軒へ向かう方向である。ここでは、例えば、屋根材1Rfの軒側の部分が棟側の部分よりも低い位置に存在するように、屋根材1Rfが水平面に対して傾斜している状態で位置している。
このような構成を有する屋根材1Rfには、例えば、下地部1Bmの上に固定されている波板などが適用される。波板は、例えば、スレートあるいは鉄などで構成される。鉄製の波板には、例えば、ステンレス鋼板あるいはメッキ鋼板などの薄板が適用される。波板は、例えば、上方向および傾斜方向の双方に直交し且つ軒に沿うように延びる方向(第3方向ともいう)において、凸状部分1Prと凹状部分1Rsとが交互にならんでいる構造を有する。ここでは、第3方向として、+X方向が設定される。
図1および図2の例では、複数本の下地部1Bmが第2方向(−Y方向)において間隔を空けてならんでいる。各下地部1Bmは、例えば、第3方向(+X方向)に沿った長手方向を有する。そして、複数本の下地部1Bmの上に屋根材1Rfが位置している。換言すれば、屋根材1Rfの第1面1Bsが下地部1Bmとしての桁材によって支持されている。
第1締結部1Mtは、屋根材1Rfを下地部1Bmに固定している状態で位置している。第1締結部1Mtは、例えば、屋根材1Rfと下地部1Bmとを締結によって固定している状態にある。第1締結部1Mtには、例えば、ボルトとナットとが組み合わされた構成または木ねじなどが採用される。ボルトには、例えば、六角ボルトまたはフックボルトなどが適用される。図1および図2の例では、複数(ここでは25個)の第1締結部1Mtは、屋根材1Rfを下地部1Bmに固定している状態で位置している。具体的には、第2方向(−Y方向)に沿ってならんでいる5つの第1締結部1Mtをそれぞれ有する5つの締結部の列が、第3方向(+X方向)にならんでいる。ここで、例えば、図3(a)および図3(b)で示されるように、第1締結部1Mtは、基体としての屋根材1Rfを貫通している状態で位置している。第1締結部1Mtは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsから第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している部分(突出部ともいう)Pj1を有する。
ここで、例えば、第1締結部1Mtが、相互に組み合わされている状態で位置している第1部材と第2部材とを有する場合を想定する。この場合には、第1締結部1Mtとして、例えば、第1部材としてのボルトBl1と第2部材としての第1ナットNt1とが組み合わされた構造を有するものが採用される。ここでは、第1部材としてのボルトBl1は、例えば、下地部1Bmに係止されている状態で位置している部分(係止部ともいう)Fk1を有する第1端部Ed1側の部分と、突出部Pj1において雄ネジ部Ml1を有する第2端部Ed2側の部分と、を有する。突出部Pj1は、雄ネジ部Ml1において、第1方向(+Z方向)に沿った軸方向において交互にならんでいる、それぞれ周方向に沿った凸部と凹部とを有する。第2部材としての第1ナットNt1は、例えば、雄ネジ部Ml1に組み合わされている状態で位置している雌ネジ部を有する。そして、第2部材としての第1ナットNt1は、下地部1Bmとしての桁材に対して基体としての屋根材1Rfを押し付けている状態で位置している。
ここで、例えば、下地部1Bmが桁材であれば、後述するように、桁材に係止されている第1締結部1Mtに、太陽電池装置2を固定することができる。この場合には、桁材の優れた剛性および強度により、風圧などによって太陽電池装置2に屋根材1Rfから離れる方向に荷重(負圧荷重ともいう)が加わっても、屋根材1Rfから固定用具2Fxが浮き上がりにくい。このため、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が向上し、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が向上し得る。
図3(a)および図3(b)の例では、下地部1BmとしてC型鋼が採用され、ボルトBl1としてフックボルトが採用されている。ここでは、フックボルトの係止部Fk1が、C型鋼に引っ掛かるように係止されている状態で位置している。突出部Pj1の雄ネジ部Ml1には、第1ナットNt1が組み合わされている状態にある。そして、フックボルトには、係止部Fk1と突出部Pj1とを連結するように位置している軸部Sh1が存在している。この軸部Sh1は、屋根材1Rfを貫通している孔部1Haに挿通されている状態で位置している。第1実施形態では、孔部1Haは、屋根材1Rfの凸状部分1Prに位置している。より具体的には、孔部1Haは、凸状部分1Prの頂部Pk1に位置している。このような構成では、第1ナットNt1が雄ネジ部Ml1に組み合わされている状態で締められていることで、第1ナットNt1が屋根材1Rfの第2面1Fsを下方向(−Z方向)に押圧している状態となっている。これにより、屋根材1Rfが下地部1Bmと第1ナットNt1とによって挟持されている状態となる。ここで、図3(a)で示されるように、屋根材1Rfと第1ナットNt1との間に、突出部Pj1が挿通されている状態で位置しているワッシャーWs1が存在していてもよい。この場合には、屋根材1RfとワッシャーWs1との間に、さらにパッキンが存在していてもよい。パッキンとしては、例えば、突出部Pj1が挿通されている状態で位置している環状のものが採用され得る。このパッキンの材料には、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)フォームまたはアスファルトを含浸させた不織布などが適用される。ここで、例えば、第1ナットNt1に、ワッシャーWs1の機能を有するフランジを備えたナット(フランジ付きナットともいう)が適用されれば、ワッシャーWs1が存在していなくてもよい。
ここで、例えば、第1部材としてのボルトBl1として、フックボルトの係止部Fk1が、下地部1Bmに固定されている状態で位置している雄ネジ部などに変更されてもよい。この場合には、第1部材としてのボルトBl1として、例えば、フックボルトの代わりに、寸切りボルトなどが採用され得る。このとき、例えば、ボルトBl1の第1端部Ed1側の雄ネジ部は、下地部1Bmに設けた貫通孔などに挿通された状態でナットなどを用いて下地部1Bmに直接的に固定された状態でもよいし、下地部1Bmに他の部材を介して間接的に固定された状態でもよい。
<1−2.太陽電池装置>
図1で示されるように、太陽電池装置2は、例えば、複数の太陽電池モジュール2Moと、保持部2Hdと、被覆層2Cvと、を備えている。図1および図11では、屋根1および保持部2Hdの構造を示すために、被覆層2Cvの記載が便宜的に省略されており、図8(a)、図9および図12では、便宜的に被覆層2Cvの最表面の外縁が二点鎖線で描かれている。また、図1の例では、複数の太陽電池モジュール2Moは、第2方向(−Y方向)に沿ってならんでいる状態で位置している。換言すれば、複数の太陽電池モジュール2Moは、平面的にならんでいる。
<1−2−1.太陽電池モジュール>
図4および図5で示されるように、各太陽電池モジュール2Moは、例えば、太陽電池パネルPn1と、この太陽電池パネルPn1の外縁部を補強しているフレームF1と、を有する。
太陽電池パネルPn1は、主として光を受光する受光面としての第3面Sf1と、この第3面Sf1の逆側に位置している裏面としての第4面Sf2と、を有する。
太陽電池パネルPn1は、例えば、第3面Sf1側から順に、透光性基板Tr1、第1封止材Se1と、光電変換部Pc1と、第2封止材Se2と、裏面保護部材Ba1と、端子ボックスBx1と、を備えている。
透光性基板Tr1は、例えば、光電変換部Pc1の第3面Sf1側に位置している。ここでは、透光性基板Tr1の+Z方向の側の表面が第3面Sf1を構成している。透光性基板Tr1は、例えば、光電変換部Pc1を保護する役割と、光電変換部Pc1を封止する役割と、を有する。透光性基板Tr1は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。特定範囲の波長としては、例えば、太陽電池パネルPn1に照射される光に含まれる強度が高い光の波長であって、光電変換部Pc1が光電変換し得る光の波長が採用される。透光性基板Tr1の素材として、例えば、ガラスあるいはアクリルまたはポリカーボネートなどの樹脂が採用されれば、透光性を有する透光性基板Tr1が実現され得る。ガラスには、例えば、厚さが2mmから5mm程度の白板ガラス、強化ガラスまたは熱線反射ガラスなどの光透過率の高い材料が採用される。透光性基板Tr1の形状としては、例えば、平板状などの板状の形状が採用される。
第1封止材Se1は、例えば、透光性基板Tr1と光電変換部Pc1との間に位置している。第2封止材Se2は、例えば、光電変換部Pc1と裏面保護部材Ba1との間に位置している。換言すれば、第1封止材Se1と第2封止材Se2とが、例えば、光電変換部Pc1を覆うように、透光性基板Tr1と裏面保護部材Ba1との間に充填された状態で位置している。第1封止材Se1および第2封止材Se2は、例えば、光電変換部Pc1を保持する役割と、光電変換部Pc1を封止する役割と、を有する。第1封止材Se1および第2封止材Se2は、透光性基板Tr1と同様に透光性を有する。第1封止材Se1および第2封止材Se2の素材には、例えば、熱硬化性樹脂などが採用される。熱硬化性樹脂には、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)あるいはポリビニルブチラール(PVB)を主成分とするものが含まれる。熱硬化性樹脂には、架橋剤が含有されてもよい。ここで、主成分とは、含有される比率(含有率ともいう)が最も大きい(高い)成分のことを意味する。
光電変換部Pc1は、例えば、複数の太陽電池素子C1と、複数の第1配線材W1と、複数の第2配線材W2と、を有する。図4の例では、光電変換部Pc1では、例えば、複数の太陽電池素子C1は、2次元的にならんでいる状態で位置している。具体的には、光電変換部Pc1には、例えば、複数(ここでは6つ)の太陽電池ストリングS1が含まれている。各太陽電池ストリングS1は、例えば、複数(ここでは、10個)の太陽電池素子C1と、複数の第1配線材W1と、を含む。複数の第1配線材W1は、例えば、複数の太陽電池素子C1のうちの相互に隣り合う太陽電池素子C1の間をそれぞれ電気的に接続している。複数の第2配線材W2は、複数の太陽電池ストリングS1のうちの相互に隣り合う太陽電池ストリングS1の間をそれぞれ電気的に接続している。
裏面保護部材Ba1は、例えば、光電変換部Pc1の第4面Sf2側に位置している。ここでは、裏面保護部材Ba1の−Z方向の側の表面が第4面Sf2を構成している。裏面保護部材Ba1は、例えば、光電変換部Pc1を保護する役割と、光電変換部Pc1を封止する役割と、を有する。裏面保護部材Ba1は、例えば、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。裏面保護部材Ba1としては、例えば、柔軟性を有するシート状の部材(シート部材ともいう)あるいは板状の部材などが採用される。シート部材の素材には、例えば、樹脂が適用される。板状の部材の素材、形状および厚さは、例えば、透光性基板Tr1の素材、形状および厚さと同様であってもよい。
端子ボックスBx1は、光電変換部Pc1で得られた出力を外部に取り出すことができる。端子ボックスBx1は、例えば、第4面Sf2上に位置している。端子ボックスBx1は、例えば、シリコンシーラントなどの樹脂が用いられて、第4面Sf2に固定され得る。端子ボックスBx1は、例えば、箱体と、端子板と、ケーブルと、を有する。箱体の素材には、例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)またはポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO樹脂)が適用される。端子板は、箱体内に位置しており、光電変換部Pc1の第2配線材W2が接続されている。ケーブルは、箱体の外部へ電力を導出することができる。
フレームF1は、太陽電池パネルPn1を保持する機能を有する。フレームF1は、例えば、太陽電池パネルPn1が嵌合することが可能な構造を有する。フレームF1は、太陽光を受光する側に位置するフレーム上面と、このフレーム上面の裏面側に位置するフレーム下面と、フレーム上面とフレーム下面とを接続しているフレーム側面と、を有する。フレームF1は、例えば、アルミニウムの押し出し成形などで作製され得る。
<1−2−2.保持部>
保持部2Hdは、設置対象部としての屋根1の上に位置している。この保持部2Hdは、複数(ここでは、3つ)の太陽電池モジュール2Moを保持している状態で位置している。
図1および図10で示されるように、保持部2Hdは、複数の固定用具2Fxと、複数本の梁部材2Hmと、複数本の桁部材2Vmと、を備えている。
<1−2−2−1.固定用具>
図1および図6で示されるように、各固定用具2Fxは、設置対象物としての屋根1の上に位置している。図6の例では、屋根1の上に、20個の固定用具2Fxが位置している。具体的には、第2方向(−Y方向)に沿ってならんでいる5つの固定用具2Fxをそれぞれ有する4つの固定用具2Fxの列が、第3方向(+X方向)にならんでいる。各固定用具2Fxの素材には、例えば、耐候性に優れたステンレス鋼あるいはアルミニウムなどが採用される。
図7および図8(a)で示されるように、1つの固定用具2Fxに着目すると、固定用具2Fxは、例えば、基部Bp2と、2つの立設部St2と、を有する。2つの立設部St2には、第1立設部St2aと、第2立設部St2bと、が含まれている。例えば、第1立設部St2aは、孔部1Haが位置している頂部Pk1よりも−X方向の側に位置している。また、例えば、第2立設部St2bは、この孔部1Haが位置している頂部Pk1よりも+X方向の側に位置している。また、第1実施形態では、各固定用具2Fxは、例えば、止め具としての第2ナットNt2を有する。
基部Bp2は、例えば、第2方向(−Y方向)に交差する方向(交差方向ともいう)において基体としての屋根材1Rfの凸状部分1Prに沿って位置している板状の部分(第1板状部分ともいう)Pl2を有する。図7および図8(a)の例では、交差方向は、第2方向(−Y方向)に直交する方向である。第1実施形態では、基部Bp2の全体が、固定用具2Fxの板状の底部を構成している。このため、基部Bp2が、交差方向において凸状部分1Prに沿って位置している。具体的には、例えば、凸状部分1Prの第2面1Fsが交差方向において湾曲している面であり、基部Bp2が、この湾曲している凸状部分1Prの第2面1Fsに沿った形状を有する、湾曲している第1板状部分Pl2である形態が考えられる。この場合には、例えば、基部Bp2と屋根材1Rfとの間隙が小さくなる。これにより、屋根材1Rfの上に後述する被覆層2Cvを容易に隙間無く形成することができる。その結果、例えば、屋根1の防水性を容易に向上させることができる。
また、第1実施形態では、基部Bp2は、この基部Bp2を+Z方向に貫通している状態で位置している孔部H2aを有する。この孔部H2aには、例えば、第1締結部1Mtの突出部Pj1が挿通されている状態で位置している。ここで、例えば、この孔部H2a内には、突出部Pj1が挿通されている状態で位置しているワッシャーWs1が位置していてもよい。さらに、基部Bp2の上に位置しており且つ突出部Pj1が挿通されている状態で位置している孔部H2oを有する押さえ部材Ps2が存在している。そして、止め具としての第2ナットNt2が、押さえ部材Ps2の上に位置しており且つ突出部Pj1の雄ネジ部Ml1のうちの第1ナットNt1よりも第2端部Ed2側に位置している部分に係合している状態で位置している。そして、第2ナットNt2と屋根材1Rfとが、基部Bp2を挟持している状態で位置している。
具体的には、第2ナットNt2の雌ネジ部が、突出部Pj1の雄ネジ部Ml1の凸部および凹部に係合している状態で位置していることで、突出部Pj1の雄ネジ部Ml1に、第2ナットNt2が組み合わされている状態にある。このような構成では、第2ナットNt2が雄ネジ部Ml1に組み合わされている状態で締められていることで、第2ナットNt2が押さえ部材Ps2を介して基部Bp2を屋根材1Rfの第2面1Fsに対して下方向(−Z方向)に押し付けている状態となっている。これにより、第2ナットNt2と屋根材1Rfとが、基部Bp2を挟持している状態となっている。
各立設部St2は、基部Bp2から上方向(+Z方向)に立っているような状態で位置している部分である。この立設部St2は、接続部分Cn2と、支持部分Sp2と、連結部分Jt2と、を有する。図7および図8(a)の例では、各立設部St2は、XZ断面がL字状の板状の部分である。
接続部分Cn2は、各立設部St2のうちの基部Bp2に接続されている状態で位置している部分である。換言すれば、接続部分Cn2は、基部Bp2と立設部St2とが連結されている部分である。例えば、固定用具2Fxが鋳造などで一体成型されている場合には、接続部分Cn2には、継ぎ目が存在していない。例えば、固定用具2Fxが、プレス加工などで成型された2以上の板材が接合されることで形成されている場合には、接続部分Cn2には、溶接などで連結された継ぎ目が存在している。第1実施形態では、1つの固定用具2Fxに、第1接続部分Cn2aと第2接続部分Cn2bとが存在している。例えば、第1接続部分Cn2aは、基部Bp2のうちの孔部2Haよりも−X方向の側に位置している。また、例えば、第2接続部分Cn2bは、基部Bp2のうちの孔部2Haよりも+X方向の側に位置している。
支持部分Sp2は、各立設部St2のうちの太陽電池モジュール2Moを支持している状態で位置している部分である。支持部分Sp2は、太陽電池モジュール2Moを直接支持している状態で位置していてもよいし、他の部材を介して間接的に支持している状態で位置していてもよい。第1実施形態では、支持部分Sp2は、他の部材としての梁部材2Hmおよび桁部材2Vmを介して、太陽電池モジュール2Moを間接的に支持している状態で位置している。図7および図8(a)の例では、各支持部分Sp2は、XY平面に沿った板状の部分である。そして、各支持部分Sp2には、梁部材2Hmを固定するための締結部材が第1方向(+Z方向)に沿って挿通される孔部H2cが存在している。
連結部分Jt2は、接続部分Cn2と支持部分Sp2とを連結するように第1方向(+Z方向)に沿って延びている状態で位置している部分である。連結部分Jt2は、例えば、板状の部分、1本以上の棒状の部分および櫛歯状の部分の何れであってもよい。図7および図8(a)の例では、連結部分Jt2は、YZ平面に沿った板状の部分である。
<1−2−2−2.梁部材>
図1および図10で示されるように、梁部材2Hmは、複数の固定用具2Fxの上に架設されている状態で位置している。図12で示されるように、例えば、梁部材2Hmは、固定用具2Fxのうちの立設部St2の支持部分Sp2上に位置している状態で、この支持部分Sp2に対して第2締結部2Mtによって固定されている。第1実施形態では、梁部材2Hmは、第3方向(+X方向)において隣り合うように位置している2つの固定用具2Fxの上に架設されている状態で位置している。このため、各梁部材2Hmは、第3方向(+X方向)に沿った長手方向を有する。そして、第2方向(−Y方向)において、複数本(ここでは、5本)の梁部材2Hmが間隔を空けてならんでいる状態で位置している。図1および図10の例では、第2方向(−Y方向)に間隔を空けてならんでいる、5本の梁部材2Hmによってそれぞれ構成されている2つの梁部材2Hmの列が存在している。梁部材2Hmには、例えば、長手方向に垂直な断面の形状が環状の四角形である角筒状の部材が適用される。この角筒状の梁部材2Hmは、例えば、ステンレス鋼あるいはメッキ鋼板の板材を用いたロール成型あるいはプレス成形などによって形成され得る。そして、例えば、角筒状の部材に存在しているフランジ部2Hmfの孔部と、立設部St2の支持部分Sp2の孔部H2cと、に挿通されている状態にある第2締結部2Mtによって、支持部分Sp2に梁部材2Hmが固定されている状態とされる。
<1−2−2−3.桁部材>
図1および図10で示されるように、桁部材2Vmは、複数の梁部材2Hmの上に架設されている状態で位置している。例えば、桁部材2Vmは、複数の梁部材2Hmの上に位置している状態で、これらの梁部材2Hmに対してそれぞれ締結部材などによって固定されている。第1実施形態では、桁部材2Vmは、第2方向(−Y方向)において間隔を空けてならんでいる5つの梁部材2Hmの上に架設されている状態で位置している。このため、各桁部材2Vmは、第2方向(−Y方向)に沿った長手方向を有する。そして、第3方向(+X方向)において、2本の桁部材2Vmが間隔を空けてならんでいる状態で位置している。桁部材2Vmには、例えば、長手方向に垂直な断面の形状が環状の四角形である角筒状の部材が適用される。この角筒状の桁部材2Vmは、例えば、ステンレス鋼あるいはメッキ鋼板などの板材を用いたロール成型あるいはプレス成形などによって形成され得る。
また、図1で示されるように、2本の桁部材2Vmの上に、太陽電池モジュール2Moが架設されているような状態で位置している。そして、桁部材2Vmに対してボルトおよびナットなどを含む締結部材によって固定されているクランプ用部材2Clによって、太陽電池モジュール2Moが、桁部材2Vmの上に保持されている状態で位置している。図1の例では、太陽電池モジュール2Moが、この太陽電池モジュール2Moの−Y方向の側に位置している2つのクランプ用部材2Clと、この太陽電池モジュール2Moの+Y方向の側に位置している2つのクランプ用部材2Clと、で挟持されている状態にある。
<1−2−3.被覆層>
図1、図6、図8(a)、図11および図12で示されるように、被覆層2Cvは、設置対象部としての屋根1の上を覆っている状態で位置している。この被覆層2Cvとしては、例えば、樹脂を含有する層(樹脂含有層ともいう)が採用される。
被覆層2Cvには、例えば、複数の層が積層されている形態のものが適用され得る。例えば、図8(b)で示されるように、屋根材1Rf上において、第1層LY1と、第2層LY2と、第3層LY3と、がこの記載順に積層されている形態のものが採用される。
第1層LY1には、例えば、硬質ウレタンフォームまたはポリウレタンの樹脂発泡材などで構成されている断熱発泡層が適用される。この断熱発泡層は、例えば、防水性、断熱性および防音性などに優れている。断熱発泡層の厚さは、7mmから50mm程度に設定される。この断熱発泡層は、例えば、屋根材1Rf上に対する吹き付け工法などで形成され得る。このような工法によれば、例えば、第1層LY1は、屋根材1Rfの第2面1Fsなどの形成の対象となる面に対して、接着するとともに隙間無く被覆され得る。
第2層LY2には、例えば、水系アクリルゴム、ポリウレタンまたはポリウレア樹脂などで構成されている補強防水層が適用される。この補強防水層は、例えば、防水機能を有する。これにより、補強防水層は、断熱発泡層を保護して、断熱発泡層の寿命を延ばすことができる。補強防水層の厚さは、例えば、0.3mmから10mm程度に設定される。この補強防水層は、例えば、断熱発泡層上に対する吹き付け工法などで形成され得る。このような工法によれば、例えば、第2層LY2は、第1層LY1の上面などの形成の対象となる面に対して、接着するとともに隙間無く被覆され得る。
第3層LY3には、例えば、水系アクリルウレタンなどで構成されている表面層が適用される。この表面層は、例えば、補強防水層および断熱発泡層を紫外性などの太陽光線から保護することができる。これにより、長期間の使用による、被覆層2Cvの変質を低減することができる。表面層の厚さは、例えば、0.02mmから1mm程度に設定される。この表面層は、例えば、液体のローラーまたは刷毛を用いた塗布工法あるいは吹き付け工法などで形成され得る。このような工法によれば、例えば、第3層LY3は、第2層LY2の上面などの形成の対象となる面に対して、接着するとともに隙間無く被覆され得る。
第1実施形態では、図8(a)、図11および図12で示されるように、被覆層2Cvは、第2面1Fsと、基部Bp2と、突出部Pj1と、立設部St2の接続部分Cn2と、を埋めるように被覆している状態で位置している。また、被覆層2Cvは、第2面1Fsに対して接着している状態で位置している。ここでは、立設部St2のうちの支持部分Sp2を含む部分が、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している。このような被覆層2Cvの存在により、例えば、屋根材1Rfの上に太陽電池モジュール2Moを設置するための固定用具2Fxが取り付けられても、屋根1の防水性を向上させることができる。また、ここでは、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの隙間を被覆層2Cvによって第2面1Fs側から埋めるように被覆している。これにより、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの間を介した屋根1の下方への浸水が低減され得る。その結果、屋根1の防水性が向上し得る。また、例えば、基部Bp2が第2面1Fsに接着している被覆層2Cvによって埋められるように被覆されている。このため、風圧などによって太陽電池モジュール2Moに屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、被覆層2Cvの存在によって屋根材1Rfから基部Bp2が浮き上がりにくい。このため、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が向上し得る。また、例えば、被覆層2Cvは、基部Bp2を覆い、この基部Bp2の外周部において屋根材1Rfと接着している。このため、風圧などによって太陽電池モジュール2Moに屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、屋根材1Rfと被覆層2Cvとが接着している広い面に負圧荷重が分散し得る。これにより、固定用具2Fxの基部Bp2の屋根材1Rfに対する固定の強度が向上し得る。したがって、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が向上し得る。ここで、例えば、被覆層2Cvが、第2面1Fs、基板Bp2、突出部Pj1および立設部St2に接着している状態で位置していてもよい。この場合には、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が向上し、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が向上し得る。
また、例えば、屋根材1Rfを被覆層2Cvで覆えば、仮に、屋根材1Rfおよび第1締結部1Mtが腐食などによって劣化していても、屋根1の耐久性を向上させることができる。このため、例えば、屋根1の上に太陽電池装置2を設置する際に、屋根1における防水性を向上させる修繕も実施することができる。
ここでは、例えば、図9で示されるように、ノズル4Nzなどを用いた吹き付け工法などによって、固定用具2Fxが固定された屋根材1Rf上に被覆層2Cvを形成することができる。この場合には、例えば、まず、図9で示されるように、最終的に立設部St2のうちの、被覆層2Cvから突出させたい支持部分Sp2を含む一部分を、養生テープなどのマスク5Mkで覆った状態で、吹き付け工法によって被覆層2Cvを形成する。その後、被覆層2Cvのうちのマスク5Mk上に位置している部分をナイフなどで切除し、マスク5Mkを剥がす。これにより、立設部St2のうちの支持部分Sp2を含む一部分が、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態が実現され得る。
このように、立設部St2の支持部分Sp2を含む一部分が、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態であれば、支持部分Sp2に対して、例えば、梁部材2Hmを取り付けることができる。これにより、固定用具2Fxに対して、梁部材2Hmおよび桁部材2Vmなどを介して、太陽電池モジュール2Moを取り付けることができる。
上述したように、第1実施形態では、例えば、上述したように、屋根材1Rfを下地部1Bmに固定している第1締結部1Mtのうちの、屋根材1Rfから突出している部分に、固定用具2Fxが止め具としての第2ナットNt2によって固定されている状態にある。ここで、例えば、第1締結部1Mtの突出部Pj1および第2ナットNt2が被覆層2Cvに埋まるように被覆されている状態であれば、屋根1において第1締結部1Mtに沿った部分における水分の浸入が生じにくくなる。
また、上述したように、第1実施形態では、例えば、図12で示されたように、第1締結部1Mtが、屋根材1Rfのうちの凸状部分1Prの頂部Pk1を貫通している状態で位置している。また、例えば、突出部Pj1が、頂部Pk1から第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している。そして、例えば、頂部Pk1および突出部Pj1を通っている、第1方向(+Z方向)および第2方向(−Y方向)の双方に沿った仮想的な面(仮想面ともいう)Vp1を基準として、第1立設部St2aと第2立設部St2bとが対称に位置している。この場合には、例えば、太陽電池モジュール2Moに加わる負圧荷重は、2つの立設部St2を介して第2ナットNt2に伝わる。このとき、2つの立設部St2が、第1締結部1Mtが貫通している凸状部分1Prを挟んで対称に位置していれば、第1締結部1Mtに対して荷重がバランス良く伝わり得る。これにより、固定用具2Fxの破損および浮き上がりが生じにくい。その結果、被覆層2Cvの破損および屋根材1Rfからの被覆層2Cvの剥離などが生じにくい。
<1−3.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽電池装置2では、例えば、樹脂を含有している被覆層2Cvが、屋根材1Rfの第2面1Fsと、基部Bp2と、突出部Pj1の第2面1Fs側の部分と、立設部St2の接続部分Cn2と、を埋めるように被覆している状態で位置している。また、被覆層2Cvが、第2面1Fsに接着している状態で位置している。そして、立設部St2のうちの支持部分Sp2を含む部分が、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している。
このような被覆層2Cvの存在により、例えば、基体としての屋根材1Rfの上に太陽電池モジュール2Moを設置するための固定用具2Fxが取り付けられても、屋根1の防水性が向上し得る。また、ここでは、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの隙間に対して被覆層2Cvが第2面1Fs側から埋めるように被覆されている。これにより、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの間を介した屋根1の下方への浸水が低減され得る。その結果、屋根1の防水性が向上し得る。また、例えば、基部Bp2が第2面1Fsに接着している被覆層2Cvによって埋められるように被覆されている。これにより、風圧などによって太陽電池モジュール2Moに屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、被覆層2Cvの存在によって屋根材1Rfから基部Bp2が浮き上がりにくい。このため、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が向上し得る。また、例えば、被覆層2Cvは、基部Bp2を覆い、この基部Bp2の外周部において屋根材1Rfと接着している。このため、風圧などによって太陽電池モジュール2Moに屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、屋根材1Rfと被覆層2Cvとが接着している広い面に負圧荷重が分散し得る。これにより、固定用具2Fxの基部Bp2の屋根材1Rfに対する固定の強度が向上し得る。したがって、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が向上し得る。
また、例えば、仮に、屋根材1Rfおよび第1締結部1Mtが腐食などによって劣化していても、被覆層2Cvで屋根材1Rf上を覆えば、屋根1の耐久性が向上し得る。このため、例えば、設置対象部としての屋根1の上に太陽電池装置2を設置する際に、屋根1における防水性を向上させるための修繕も併せて実施することができる。
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。ここで、図13、図16から図22、図24、図30および図31では、便宜的に被覆層2Cvの最表面の外縁が二点鎖線で描かれている。図15では、屋根1および保持部2Hdの構造を示すために、被覆層2Cvの記載が便宜的に省略されている。
<2−1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図13から図15で示されるように、第1立設部St2aおよび第2立設部St2bのうちの1つの立設部St2が存在していなくてもよい。換言すれば、固定用具2Fxは、1つ以上の立設部St2を有していればよい。図13から図15の例では、固定用具2Fxにおける第1立設部St2aおよび第2立設部St2bのうちの第1立設部St2aが取り除かれている態様が示されている。
ここで、例えば、図16で示されるように、基体としての屋根材1Rfが、第1面1Bsが下地部1Bmとしての桁材によって支持されている部分(被支持部分ともいう)1Spを有する場合を想定する。図16の例では、凹状部分1Rsの最も−Z方向の側に位置している下部(最下部ともいう)が被支持部分1Spとされている。この場合に、固定用具2Fxの接続部分Cn2が、基部Bp2のうちの被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、積雪または風圧などで太陽電池モジュール2Moから立設部St2に下方向(−Z方向)に向けた荷重(正圧荷重ともいう)が加わっても、屋根材1Rfのうちの正圧荷重が加えられる部分が、桁材で支持されているため、破損しにくい。
図16の例では、隣り合う2つの凸状部分1Prの各頂部Pk1において、第1締結部1Mtが、屋根材1Rfを下地部1Bmに固定している状態で位置している。屋根材1Rfの隣り合う2つの凸状部分1Prのそれぞれの頂部Pk1を第1締結部1Mtが貫通している状態で位置している。各第1締結部1Mtは、屋根材1Rfの隣り合う2つの凸状部分1Prにおける第2面1Fsから第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している突出部Pj1を有する。基部Bp2は、第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において屋根材1Rfの隣り合う2つの凸状部分1Prおよびこの2つの凸状部分1Prの間に位置している1つの凹状部分1Rsに沿って位置している第1板状部分Pl2を有する。基部Bp2は、隣り合う2つの凸状部分1Prの各頂部Pk1の上に、+Z方向に貫通している状態で位置している孔部H2aを有する。この各孔部H2aには、第1締結部1Mtの突出部Pj1が挿通されている状態で位置している。基部Bp2の上には、突出部Pj1がそれぞれ挿通されている状態で位置している2つの押さえ部材Ps2が存在している。止め具としての第2ナットNt2が、各押さえ部材Ps2の上において突出部Pj1の雄ネジ部Ml1のうちの第1ナットNt1よりも第2端部Ed2側に位置している部分に係合している状態で位置している。2つの第2ナットNt2と屋根材1Rfとが、基部Bp2を挟持している状態で位置している。そして、固定用具2Fxの接続部分Cn2が、基部Bp2のうちの凹状部分1Rsの最下部である被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置している。ここでは、基部Bp2の第3方向(+X方向)における略中央の部分に接続部分Cn2が位置している。そして、接続部分Cn2から第1方向(+Z方向)に沿って延びるように位置している立設部St2は、第1実施形態における第2立設部St2bと同様な構成を有する。
<2−2.第3実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図17で示されるように、基体としての屋根材1Rfが、第1面1Bsが下地部1Bmとしての桁材によって支持されている部分(被支持部分)1Spを有する場合を想定する。この場合に、例えば、接続部分Cn2が、基部Bp2のうちの被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、積雪または風圧などで太陽電池モジュール2Moから立設部St2に下方向(−Z方向)に向けた正圧荷重が加わっても、屋根材1Rfのうちの正圧荷重が加えられる部分が、桁材で支持されているため、破損しにくい。
図17の例では、固定用具2Fxの基部Bp2が、屋根材1Rfのうちの1つの凸状部分1Prの上からこの1つの凸状部分1Prを挟んでいる状態で位置している2つの凹状部分1Rsの最下部の上に至るまで、第2面1Fsに沿って位置している。ここで、固定用具2Fxの第1接続部分Cn2aが、基部Bp2のうちの第1締結部1Mtよりも−X方向の側に位置している凹状部分1Rsの最下部である被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置している。また、固定用具2Fxの第2接続部分Cn2bが、基部Bp2のうちの第1締結部1Mtよりも+X方向の側に位置している凹状部分1Rsの最下部である被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置している。
<2−3.第4実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図18で示されるように、被覆層2Cvの厚さが、凸状部分1Pr上よりも凹状部分1Rs上において大きくてもよい。この場合、例えば、被覆層2Cvの厚さが、凸状部分1Pr上から凹状部分1Rs上にかけて徐々に大きくなっている状態が考えられる。このような被覆層2Cvの厚さの変化は、例えば、吹き付け工法などにおいて使用される被覆層2Cvのもととなる液の粘度が適宜調整されることで、凸状部分1Pr上から凹状部分1Rs上に向かう液の流れが発生することで生じ得る。
ここで、図18で示されるように、例えば、屋根材1Rfにおける1つ以上の凸状部分1Prが、第3方向(+X方向)においてならんでいる状態で位置している、第1凸状部分1Pra、第2凸状部分1Prbおよび第3凸状部分1Prc、を含んでいる場合を想定する。この場合には、屋根材1Rfは、第1凸状部分1Praと第2凸状部分1Prbとの間に第1凹状部分1Rsaを有する。屋根材1Rfは、第2凸状部分1Prbと第3凸状部分1Prcとの間に第2凹状部分1Rsbを有する。基部Bp2の第1板状部分Pl2は、第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において第2凸状部分1Prbに沿って位置している。第1接続部分Cn2aは、屋根材1Rfのうち、第2凸状部分1Prbの頂部Pk1よりも第1凹状部分1Rsaに近い部分の上に位置している。第2接続部分Cn2bは、屋根材1Rfのうち、第2凸状部分1Prbの頂部Pk1よりも第2凹状部分1Rsbに近い部分の上に位置している。ここで、被覆層2Cvのうち、第1立設部St2aおよび第2立設部St2bを覆っている状態で位置している部分の厚さを第1厚さD1とする。また、被覆層2Cvのうち、頂部Pk1の上に位置している部分の厚さを第2厚さD2とする。ここでは、第1厚さD1は、第2厚さD2よりも大きくてもよい。
ここでは、例えば、上記第2実施形態のように、2つの立設部St2のうちの一方の立設部St2のみが存在していてもよい。この場合には、例えば、接続部分Cn2は、屋根材1Rfのうち、第2凸状部分1Prbの頂部Pk1よりも第1凹状部分1Rsaおよび第2凹状部分1Rsbの少なくとも一方に近い部分の上に位置していればよい。
ところで、例えば、立設部St2と被覆層2Cvとが接触している部分では、太陽電池装置2への風荷重などの負荷に伴う立設部St2の撓みにより、被覆層2Cvの他の部分と比較して、被覆層2Cvの経年劣化が生じやすい。具体的には、立設部St2と被覆層2Cvとの間に隙間が生じやすく、この隙間が屋根材1Rfに向かう水の浸入経路となるおそれがある。これに対して、例えば、立設部St2を覆っている被覆層2Cvの第1厚さD1が、頂部Pk1を覆っている被覆層2Cvの第2厚さD2よりも大きければ、仮に立設部St2と被覆層2Cvとの間に隙間が生じはじめても、この隙間が屋根材1Rfに至るまで進展するまでに要する時間が長くなる。また、例えば、立設部St2と被覆層2Cvとの間に隙間が生じても、被覆層2Cvの上面から屋根材1Rfまで至る隙間の距離が長くなり、毛管現象によっても水分が屋根材1Rfまで到達しにくくなる。このため、屋根1における水分の浸入が生じにくくなる。その結果、屋根1の防水性が向上し得る。
また、上記第3実施形態において、例えば、図19で示されるように、被覆層2Cvの厚さが、凸状部分1Pr上よりも凹状部分1Rs上において大きくてもよい。この場合には、基体としての屋根材1Rfが、第1面1Bsが下地部1Bmとしての桁材によって支持されている被支持部分1Spを有する。そして、接続部分Cn2が、基部Bp2のうちの被支持部分1Spの第2面1Fsに沿って位置している部分に接続している状態で位置している。このような構成が採用される場合には、上記第3実施形態と同様な効果を奏する。また、第1厚さD1が、第2厚さD2よりも明らかに大きい状態となり得る。その結果、屋根1の防水性がさらに向上し得る。
<2−4.第5実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図20で示されるように、基体としての屋根材1Rfの第2面1Fsと基部Bp2との間において、基部Bp2を第2面1Fsに接着させている状態で位置している第1接着層AL2、がさらに存在していてもよい。この場合には、例えば、基部Bp2が基体としての屋根材1Rf上に接着していることで、太陽電池モジュール2Moに荷重が加わっても、屋根材1Rf上から固定用具2Fxが外れにくい。また、この場合には、太陽電池モジュール2Moに荷重が加わっても、屋根材1Rf上で固定用具2Fxがずれたりするような不具合も生じにくい。換言すれば、屋根材1Rf上に固定されている固定用具2Fxの耐荷重性能が高まり得る。ここで、第1接着層AL2の素材には、例えば、透湿性が低いブチル系の接着剤などが適用され得る。このとき、屋根1の防水性がさらに向上し得る。
<2−5.第6実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図21で示されるように、屋根材1Rfの凸状部分1Prうちの第1締結部1Mtが存在していない部分の上に、固定用具2Fxが第1接着層AL2によって固定されていてもよい。具体的には、第1締結部1Mtの代わりに、基体としての屋根材1Rfの第2面1Fsと基部Bp2との間において、基部Bp2を第2面1Fsに接着させている状態で位置している第1接着層AL2、が存在していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、第1締結部1Mtの突出部Pj1の雄ネジ部Ml1が錆びており、雄ネジ部Ml1に第2ナットNt2を組み合わせることが出来ないときでも、屋根材1Rf上に固定用具2Fxを固定することができる。また、例えば、第1締結部1Mtの突出部Pj1が木ねじの頭部であっても、屋根材1Rf上に固定用具2Fxを固定することができる。
<2−6.第7実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図22で示されるように、固定用具2Fxの基部Bp2上および基部Bp2上から基体としての屋根材1Rfの第2面1Fs上にかけた領域を覆っている状態で位置している網状体MS0がさらに存在していてもよい。そして、被覆層2Cvが、基部Bp2とともに網状体MS0も埋めるように被覆している状態で位置していてもよい。ここで、網状体MS0には、例えば、ステンレス鋼、亜鉛メッキが施された鉄線あるいは真鍮などで構成された金網が適用される。また、網状体MS0には、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムなどで構成された金属の薄板に多数の貫通孔が存在している部材(パンチングメタルともいう)が適用されてもよい。
上記構成では、例えば、基部Bp2と、この基部Bp2よりも広範囲にわたって位置している網状体MS0とが、被覆層2Cvに埋められるように被覆されている。このため、風圧などで太陽電池モジュール2Moに基体としての屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、被覆層2Cvおよび網状体MS0の存在によって屋根材1Rfから基部Bp2が浮き上がりにくい。これにより、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が容易に向上し、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が容易に向上し得る。
<2−7.第8実施形態>
上記第1実施形態から上記第5実施形態および上記第7実施形態において、例えば、図23(a)で示されるように、第2ナットNt2の代わりに、板状で且つ環状の止め具Nt2Aが採用されてもよい。止め具Nt2Aは、例えば、リング部LG0と、このリング部LG0の内縁部Ic0から内側に突起している複数(例えば、5つ)の突起部FK0と、を有する。ここで、例えば、突起部FK0は弾性変形可能である。この場合には、第1締結部1Mtの突出部Pj1が止め具Nt2Aの貫通孔IS3Aに挿通されている状態において、突出部Pj1が有する周方向に沿った凸部および凹部のうちの少なくとも一方に突起部FK0が係合している状態で位置していてもよい。
また、例えば、図23(a)で示された環状の止め具Nt2Aの代わりに、図23(b)で示されるように、平面視した場合に、板状で且つC型状の止め具Nt2Bが採用されてもよい。止め具Nt2Bは、例えば、平面視した場合にC型状のC型部CL0と、このC型部CL0の内縁部Ic0から内側に突起している複数(例えば、3つ)の突起部FK0と、を有する。ここで、例えば、突起部FK0が弾性変形可能である。この場合には、第1締結部1Mtの突出部Pj1が止め具Nt2Bの内部空間IS3Bに挿通されている状態において、突出部Pj1が有する周方向に沿った凸部および凹部のうちの少なくとも一方に突起部FK0が係合している状態で位置していてもよい。
図23(a)および図23(b)では、突出部Pj1の周方向に沿った凸部の仮想的な外縁Oc1および凹部の仮想的な外縁Ic1が二点鎖線で描かれている。ここでは、例えば、突出部Pj1の雄ネジ部Ml1が錆びて、雄ネジ部Ml1に第2ナットNt2を組み合わせることが出来ない場合でも、雄ネジ部Ml1の凹凸部分に対して止め具Nt2Aあるいは止め具Nt2Bを嵌め込むことができる。これにより、屋根材1Rf上に固定用具2Fxをある程度強固に固定することができる。止め具Nt2A,Nt2Bは、例えば、ステンレス鋼または真鍮などの金属板のプレス加工などによって形成され得る。
<2−8.第9実施形態>
上記第1実施形態から上記第5実施形態、上記第7実施形態および上記第8実施形態では、押さえ部材Ps2と第2ナットNt2とで固定用具2Fxを屋根材1Rfの第2面1Fsに押し付けて、固定用具2Fxを屋根材1Rfに固定したが、これに限られない。例えば、図24から図28で示されるように、固定用具2Fxが、屋根材1Rfに固定される第1固定用部材2Fx1と、この第1固定用部材2Fx1に固定される第2固定用部材2Fx2と、に分けられてもよい。換言すれば、例えば、固定用具2Fxが、第1固定用部材2Fx1と、第2固定用部材2Fx2と、を有していてもよい。このような構成が採用されても、上記第1実施形態から上記第5実施形態、上記第7実施形態および上記第8実施形態と同様な作用効果が得られる。
ここでは、第1固定用部材2Fx1は、屋根材1Rfの第2面1Fs上に位置している。第2固定用部材2Fx2は、第1固定用部材2Fx1の上においてこの第1固定用部材2Fx1に固定されている状態で位置している。換言すれば、第1固定用部材2Fx1は、第2固定用部材2Fx2を屋根材1Rfに固定するための機能を有する。図24から図28の例では、第1固定用部材2Fx1は、突出部Pj1に対して取り付けられた状態で位置している。第2固定用部材2Fx2は、上記第1実施形態から上記第5実施形態、上記第7実施形態および上記第8実施形態に係る固定用具2Fxと同様に、基部Bp2と、1つ以上の立設部St2と、を有する。図24、図27および図28の例では、第2固定用部材2Fx2は、基部Bp2と、2つの立設部St2と、を有する。
第1固定用部材2Fx1は、例えば、基礎部Bp1と、1つ以上の出っ張り部Wp1と、を有する。
基礎部Bp1は、第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において基体としての屋根材1Rfの凸状部分1Prに沿って位置している。図24および図26から図28の例では、基礎部Bp1は、屋根材1Rfの凸状部分1Prに沿って湾曲した曲面を有する板状の部分である。
また、基礎部Bp1は、例えば、第2部材としての第1ナットNt1と、屋根材1Rfの第2面1Fsと、の間において、突出部Pj1が挿通している状態で位置している切り欠き部SL1を有する。図24および図26から図28の例では、切り欠き部SL1は、基礎部Bp1のうちの凸状部分1Prの頂部Pk1上に位置している。この切り欠き部SL1は、第1方向(+Z方向)において基礎部Bp1を貫通しており且つ+Y方向の側が開口するように第2方向(−Y方向)に沿って延びるように位置している。より具体的には、切り欠き部SL1は、平面視してU字状の外縁を有する。そして、切り欠き部SL1の第3方向(+X方向)における幅は、少なくとも第2部材としての第1ナットNt1の相対する2つの側面の間隔よりも小さくなるように設定される。図24および図26から図28の例では、基礎部Bp1が、突出部Pj1のうちの屋根材1RfとワッシャーWs1との間の部分に引っ掛かっている状態で位置している。これにより、例えば、第1固定用部材2Fx1は、軒に沿うような第3方向(+X方向)ならびに第1方向(+Z方向)に移動しないように固定され得る。
また、基礎部Bp1は、例えば、第2固定用部材2Fxの基部Bp2と、屋根材1Rfの第2面1Fsと、の間に位置している部分を有する。図24および図28の例では、基礎部Bp1のほぼ全体が、第2固定用部材2Fxの基部Bp2と、屋根材1Rfの第2面1Fsと、によって挟まれた状態で位置している。
1つ以上の出っ張り部Wp1は、基礎部Bp1から第1方向(+Z方向)に出っ張っている状態で位置している。図24から図28の例では、第1固定用部材2Fx1の1つ以上の出っ張り部Wp1は、第1出っ張り部Wp1aと、第2出っ張り部Wp1bと、第3出っ張り部Wp1cと、を含む。ここでは、第1出っ張り部Wp1aおよび第2出っ張り部Wp1bは、それぞれYZ平面に沿って第1方向(+Z方向)に出っ張っている板状の部分である。第3出っ張り部Wp1cは、XZ平面に沿って第1方向(+Z方向)に出っ張っている板状の部分である。
1つ以上の出っ張り部Wp1は、第2固定用部材2Fx2が固定されている状態にある部分を有する。換言すれば、1つ以上の出っ張り部Wp1の少なくとも一部は、第1固定用部材2Fx1と第2固定用部材2Fx2とを連結する機能を有する。
図24、図27および図28の例では、第2固定用部材2Fx2の1つ以上の立設部St2には、第1立設部St2aと第2立設部St2bとが含まれる。そして、第1出っ張り部Wp1aに第1立設部St2aが固定されている状態にある。図24および図28の例では、第1出っ張り部Wp1aと第1立設部St2aとが第3方向(+X方向)に重ねられた状態にある。ここでは、例えば、第1出っ張り部Wp1aの孔部H1aと、第1立設部St2aの孔部H2bと、に連続的に挿通されたタッピンネジ、リベットまたはボルトとナットなどの第3締結部Sw1によって、第1出っ張り部Wp1aに第1立設部St2aが固定され得る。ここでは、例えば、孔部H1aは、第3方向(+X方向)において第1出っ張り部Wp1aを貫通するように位置している。孔部H2bは、第3方向(+X方向)において第1立設部St2aを貫通するように位置している。また、第2出っ張り部Wp1bに第2立設部St2bが固定されている状態にある。図24および図28の例では、第2出っ張り部Wp1bと第2立設部St2bとが第3方向(+X方向)に重ねられた状態にある。ここでは、例えば、第2出っ張り部Wp1bの孔部H1aと、第2立設部St2bの孔部H2bと、に連続的に挿通されたタッピンネジ、リベットまたはボルトとナットなどの第3締結部Sw1によって、第2出っ張り部Wp1bに第2立設部St2bが固定され得る。ここでは、例えば、孔部H1aは、第3方向(+X方向)において第2出っ張り部Wp1bを貫通するように位置している。孔部H2bは、第3方向(+X方向)において第2立設部St2bを貫通するように位置している。
上記構成を有する、第1固定用部材2Fx1は、例えば、板厚が1mmから2.5mm程度の亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板またはステンレス鋼板などの鋼板にプレス加工などを施すことで形成され得る。ここでは、例えば、第1固定用部材2Fx1の厚さは、第2固定用部材2Fx2の厚さよりも小さくなるように設定される。ここでは、例えば、第1固定用部材2Fx1に高い剛性を有する鋼板が適用されれば、第1固定用部材2Fx1の板厚が薄くなっても、第1固定用部材2Fx1の剛性および強度が確保され得る。
ここでは、例えば、次のようにして、基礎部Bp1を屋根材1RfとワッシャーWs1との間に差し込んで、突出部Pj1に引っ掛けることができる。まず、図25で示されるように、第1締結部1Mtの突出部Pj1の+Y方向の側において、屋根材1Rfの凸状部分1Prの第2面1Fsに沿って基礎部Bp1が位置するように、第1固定用部材2Fx1を配置する。次に、図25から図26で示されるように、凸状部分1Prの第2面1Fsに沿って、第2方向(−Y方向)に第1固定用部材2Fx1をスライドさせて、屋根材1Rfの第2面1FsとワッシャーWs1との間に、基礎部Bp1の切り欠き部SL1を挿入する。ここでは、例えば、第2面1FsとワッシャーWs1との間にパッキンPg1が存在しており、このパッキンPg1の厚さが、基礎部Bp1の厚さよりも大きければ、第2面1FsとワッシャーWs1との間に、基礎部Bp1の切り欠き部SL1が挿入され得る。このとき、例えば、第1固定用部材2Fx1の第3出っ張り部Wp1cの+Y方向の側の面に当接させた当て木をプラスチック製のハンマーなどでたたくことで、第2面1FsとワッシャーWs1との間に、基礎部Bp1の切り欠き部SL1を挿入することができる。そして、切り欠き部SL1の+Y方向の最奥の部分を、突出部Pj1のうちの屋根材1RfとワッシャーWs1との間の部分に当接させる。このとき、例えば、第2面1FsとワッシャーWs1との間に存在していたパッキンPg1は、完全に押し出されてもよいし、途中まで押し出されてもよいし、全く押し出されなくてもよい。例えば、仮に第2面1FsとワッシャーWs1との間に存在していたパッキンPg1が押し出されても、被覆層2Cvが突出部Pj1を埋めるように被覆していれば、屋根1の防水性が低下しにくい。ここでは、例えば、第2面1FsとワッシャーWs1との間に存在していたパッキンPg1が押し出され、第2面1FsとワッシャーWs1との距離よりも基礎部Bp1の厚さが小さければ、基礎部Bp1とワッシャーWs1との間にスペーサーを位置させてもよい。
また、例えば、図24で示されるように、被覆層2Cvは、第1固定用部材2Fx1のうち、基礎部Bp1と、1つ以上の出っ張り部Wp1の少なくとも基礎部Bp1側の部分と、を埋めるように被覆している状態で位置している。これにより、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs上において、第1固定用部材2Fx1が第2方向(−Y方向)に移動しないように固定され得る。その結果、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs上において、固定用具2Fxが−Y方向に移動しないように固定され得る。
第9実施形態では、例えば、図24で示されるように、被覆層2Cvは、第2固定用部材2Fx2の基部Bp2および突出部Pj1を埋めるように被覆している状態で位置している。さらに、例えば、被覆層2Cvが、第1固定用部材2Fx1の第1出っ張り部Wp1a、第2出っ張り部Wp1bおよび第3出っ張り部Wp1cならびに各第3締結部Sw1を埋めるように被覆している状態で位置していてもよい。これにより、例えば、第1固定用部材2Fx1と第2固定用部材2Fx2との間から水が浸入しにくくなる。
ここでは、例えば、被覆層2Cvの第1層LY1は、第2固定用部材2Fx2の基部Bp2および第1締結部1Mtの突出部Pj1を埋めるように被覆している状態となる厚さを有していてもよい。そして、例えば、第1層LY1は、第1固定用部材2Fx1の第1出っ張り部Wp1a、第2出っ張り部Wp1bおよび第3出っ張り部Wp1cならびに各第3締結部Sw1を埋めるように被覆している状態となる厚さを有していてもよい。また、例えば、第1固定用部材2Fx1の第1出っ張り部Wp1a、第2出っ張り部Wp1bおよび第3出っ張り部Wp1cの上部は、第1層LY1から突出している状態にあってもよい。この場合には、例えば、例えば、被覆層2Cvの第2層LY2および第3層LY3が、第1出っ張り部Wp1a、第2出っ張り部Wp1bおよび第3出っ張り部Wp1cのそれぞれの上部ならびに各第3締結部Sw1を埋めるように被覆している状態で位置していてもよい。図24の例では、第3出っ張り部Wp1cが第1層LY1に完全に埋まり、第1出っ張り部Wp1aおよび第2出っ張り部Wp1bの上部が第1層LY1から突出している状態にある。そして、第2層LY2および第3層LY3が、第1出っ張り部Wp1aおよび第2出っ張り部Wp1bのそれぞれの上部ならびに各第3締結部Sw1を埋めるように被覆している状態で位置している。このような構成が採用されても、例えば、第1固定用部材2Fx1と第2固定用部材2Fx2との間から水が浸入しにくくなる。
また、第9実施形態においても、各立設部St2のうちの孔部H2cを有する支持部分Sp2は、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態で位置している。そして、例えば、図29で示されるように、各立設部St2に第2締結部2Mtによって固定された状態にある連結金具2Cnを介して、梁部材2Hmが2つの固定用具2Fxの上に架設されている状態で位置している。
ところで、例えば、屋根1が設けられてから長い年月が経過していれば、第1締結部1Mtの雄ネジ部Ml1が、経年劣化によって、錆で覆われていたり、錆びて形状が崩れていたりする状態にある場合も想定され得る。このような場合には、例えば、第1締結部1Mtの雄ネジ部Ml1に、新たな第2ナットNt2などの止め具を嵌めることができないおそれもある。
このような場合でも、上述したように、例えば、基礎部Bp1の切り欠き部SL1を、第1締結部1Mtの突出部Pj1のうちの屋根材1RfとワッシャーWs1との間の部分に引っ掛けることで、屋根材1Rf上に第1固定用部材2Fx1を固定することができる。ここで、例えば、第1ナットNt1が、フランジ付きナットであれば、基礎部Bp1の切り欠き部SL1を、突出部Pj1のうちの屋根材1Rfと第1ナットNt1との間の部分に引っ掛けることで、屋根材1Rf上に第1固定用部材2Fx1を固定することができる。そして、第1固定用部材2Fx1に第2固定用部材2Fx2を固定することで、屋根材1Rfに第1固定用部材2Fx1を介して第2固定用部材2Fx2を固定することができる。換言すれば、屋根材1Rfに固定用具2Fxを固定することができる。このような構成が採用されれば、例えば、第1締結部1Mtの経年劣化を生じた雄ネジ部Ml1をタップなどの工具で修復することなく、第1締結部1Mtを利用して屋根材1Rf上に第1固定用部材2Fx1を介して第2固定用部材2Fx2を固定することができる。したがって、例えば、屋根1上に太陽電池装置2を設置する際において、工数の低減による施工性の向上が図られ得る。
ここで、例えば、第2固定用部材2Fx2の基部Bp2が、出っ張り部Wp1が挿通されている状態で位置している貫通孔部H2dを有していれば、第1固定用部材2Fx1に対して、第2固定用部材2Fx2がずれにくい。
図24、図27および図28の例では、基部Bp2は、第1貫通孔部H2daと、第2貫通孔部H2dbと、第3貫通孔部H2dcと、を有する。第1貫通孔部H2daは、第1出っ張り部Wp1aが挿通されている状態で位置している。第2貫通孔部H2dbは、第2出っ張り部Wp1bが挿通されている状態で位置している。第3貫通孔部H2dcは、第3出っ張り部Wp1cが挿通されている状態で位置している。
より具体的には、第1貫通孔部H2daは、基部Bp2のうちの第1接続部分Cn2aを基準として第2接続部分Cn2bとは逆側に位置している。第1貫通孔部H2daは、第1出っ張り部Wp1aが挿通され得る形状およびサイズを有する。第1貫通孔部H2daには、例えば、第2方向(+Y方向)が長手方向である長細い角孔が適用される。第2貫通孔部H2dbは、基部Bp2のうちの第2接続部分Cn2bを基準として第1接続部分Cn2aとは逆側に位置している。第2貫通孔部H2dbは、第2出っ張り部Wp1bが挿通され得る形状およびサイズを有する。第2貫通孔部H2dbには、例えば、第2方向(+Y方向)が長手方向である長細い角孔が適用される。第3貫通孔部H2dcは、基部Bp2のうちの+Y方向の側に位置している。第3孔部Hdcは、第3出っ張り部Wp1cが挿通され得る形状およびサイズを有する。第3貫通孔部H2dcには、例えば、基部Bp2が凸状部分1Prに沿って湾曲している湾曲方向が長手方向である長細い角孔が適用される。
また、第2固定用部材2Fx2は、例えば、2mmから6mm程度の板厚を有する。この第2固定用部材2Fx2は、例えば、アルミニウム合金の押し出し成型などによって形成され得る。これにより、例えば、第2固定用部材2Fx2を成型するために要する費用の低減ならびに第2固定用部材2Fx2の軽量化が図られ得る。そして、第2固定用部材2Fx2の軽量化により、屋根1への負荷が低減され得る。
上記構成を有する第2固定用部材2Fx2は、例えば、次のようにして、基礎部Bp1を屋根材1RfとワッシャーWs1との間に差し込んで突出部Pj1に引っ掛けられた状態にある第1固定用部材2Fx1に対して、取り付けられる。ここでは、例えば、まず、図27から図28で示されるように、第1固定用部材2Fx1上に第2固定用部材2Fx2を被せるように配置する。このとき、第1固定用部材2Fx1の3つの出っ張り部Wp1が、第2固定用部材2Fx2の3つの貫通孔部H2dにそれぞれ挿通される。具体的には、第1出っ張り部Wp1aが、第1貫通孔部H2daに挿通され、第2出っ張り部Wp1bが、第2貫通孔部H2dbに挿通され、第3出っ張り部Wp1cが、第3貫通孔部H2dcに挿通される。これにより、図28で示されるように、第1出っ張り部Wp1aと第1立設部St2aとが第3方向(+X方向)に重ねられた状態とされ、第2出っ張り部Wp1bと第2立設部St2bとが第3方向(+X方向)に重ねられた状態とされる。このとき、第1出っ張り部Wp1aの孔部H1aと、第1立設部St2aの孔部H2bと、が相対し、第2出っ張り部Wp1bの孔部H1aと、第2立設部St2bの孔部H2bと、が相対する。そして、図28で示されるように、第1出っ張り部Wp1aの孔部H1aと、第1立設部St2aの孔部H2bと、にタッピンネジ、リベットまたはボルトなどの締結部材が挿通されて、第1出っ張り部Wp1aに第1立設部St2aが固定される。また、第2出っ張り部Wp1bの孔部H1aと、第2立設部St2bの孔部H2bと、にタッピンネジ、リベットまたはボルトなどの締結部材が挿通されて、第2出っ張り部Wp1bに第2立設部St2bが固定される。
ここで、例えば、頂部Pk1および突出部Pj1を通っている、第1方向(+Z方向)および第2方向(−Y方向)の双方に沿った仮想的な仮想面Vp1を基準として、第1立設部St2aと第2立設部St2bとが対称に位置していてもよい。このとき、例えば、仮想面Vp1を基準として、第1出っ張り部Wp1aと第2出っ張り部Wp1bとが対称に位置していてもよい。そして、例えば、第1立設部St2aが第1出っ張り部Wp1aに固定された状態で位置し、第2立設部St2bが第2出っ張り部Wp1bに固定された状態で位置していれば、太陽電池モジュール2Moに加わる荷重は、第1締結部1Mtにバランス良く伝わり得る。これにより、固定用具2Fxの破損および第2面1Fsからの浮き上がりが生じにくい。その結果、被覆層2Cvの破損および屋根材1Rfからの被覆層2Cvの剥離などが生じにくい。
ここで、例えば、第3出っ張り部Wp1cが、基礎部Bp1のうちの第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において凸状部分1Prに沿った部分から、第1方向(+Z方向)に出っ張っている状態で位置していてもよい。図24から図28の例では、第3出っ張り部Wp1cは、基礎部Bp1のうち、+Y方向の端部側において基礎部Bp1が湾曲している方向(湾曲方向ともいう)に沿った部分から第1方向(+Z方向)に出っ張っている状態で位置している。このような第3出っ張り部Wp1cの存在によって、例えば、基礎部Bp1が補強され得る。例えば、風圧などによって太陽電池モジュール2Moに屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わると、第1出っ張り部Wp1aおよび第2出っ張り部Wp1bのそれぞれに第1方向(+Z方向)に向かう引っ張り荷重が加わる。このとき、例えば、第3出っ張り部Wp1cの存在により、基礎部Bp1が変形しにくいため、屋根材1Rfから基礎部Bp1および基部Bp2が浮き上がりにくい。その結果、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が容易に向上し、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が容易に向上し得る。
ここで、被覆層2Cvは、第1層LY1、第2層LY2および第3層LY3を含む3層を有するものではなく、例えば、図30で示されるように、硬化性樹脂を含有する1層の樹脂含有層を有するものであってもよい。ここで、硬化性樹脂には、例えば、ポリウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルゴム系樹脂あるいはシリコーン系樹脂などが適用される。ポリウレア系樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリアミンとの化学反応によって形成された樹脂化合物が含まれる。具体的には、ポリウレア系樹脂には、例えば、芳香族ポリウレア樹脂、脂肪族ポリウレア樹脂またはポリアスパラギン酸エステル系のポリウレア樹脂などが含まれる。
この場合には、例えば、ポリウレア系樹脂の塗料を、吹き付け工法などによって、屋根材1Rfの第2面1Fs上、第1固定用部材2Fx1上および第2固定用部材2Fx2上に、吹き付けることで、被覆層2Cvが形成され得る。このとき、被覆層2Cvは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs、第2固定用部材2Fx2の基部Bp2、第1締結部1Mtの突出部Pj1、第1固定用部材2Fx1の各出っ張り部Wp1および各第3締結部Sw1を覆う厚さを有するように形成される。ただし、例えば、第2固定用部材2Fx2の各立設部St2のうちの孔部H2cを有する支持部分Sp2は、被覆層2Cvから第1方向(+Z方向)に突出している状態とされる。ここでは、例えば、第2固定用部材2Fx2と屋根材1Rfとの隙間ならびに第1固定用部材2Fx1と第2固定用部材2Fx2との隙間など、屋根1の上から屋根1の下への水の浸入経路を塞ぐような位置に被覆層2Cvが形成すればよい。ここで、被覆層2Cvの厚さは、2mmから10mm程度に設定され得る。このように、例えば、被覆層2Cvが、ポリウレア系樹脂などの硬化性樹脂などで構成される1層のものであれば、屋根1の重量が増加しにくい。このため、このような構成は、例えば、屋根1に重量制限がある条件下で有用である。
ここで、例えば、図31で示されるように、第1固定用部材2Fx1の基礎部Bp1は、第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において、凸状部分1Prに沿って位置している板状の部分(第2板状部分ともいう)Pl1を含んでいてもよい。例えば、凸状部分1Prの第2面1Fsが交差方向において湾曲している面であれば、第2板状部分Pl1は、湾曲している凸状部分1Prの第2面1Fsに沿った湾曲している形状を有する形態が考えられる。この場合には、例えば、基礎部Bp1と屋根材1Rfとの間隙が小さくなる。これにより、屋根材1Rfの上に被覆層2Cvを容易に隙間無く形成することができる。その結果、例えば、屋根1の防水性を容易に向上させることができる。
また、第2板状部分Pl1は、例えば、出っ張り部Wp1が接続している部分(被接続部分ともいう)Cn1と、凸状部分1Prの頂部Pk1から離れる方向において被接続部分Cn1から凸状部分1Prに沿って位置している部分と、を含んでいてもよい。図31の例では、第2板状部分Pl1は、第1出っ張り部Wp1aが接続した状態にある被接続部分(第1被接続部分ともいう)Cn1aと、第2出っ張り部Wp1bが接続した状態にある被接続部分(第2被接続部分ともいう)Cn1bと、を含む。そして、第2板状部分Pl1は、頂部Pk1から離れる方向において第1被接続部分Cn1aから凸状部分1Prに沿って位置している部分と、頂部Pk1から離れる方向において第2被接続部分Cn1bから凸状部分1Prに沿って位置している部分と、を含む。このとき、例えば、第2板状部分Pl1が、さらに凹状部分1Rsに沿って位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、屋根材1Rfに対する固定用具2Fxの固定の強度が容易に向上し、屋根材1Rfに対する太陽電池装置2の固定の強度が容易に向上し得る。上記構成を有する第1固定用部材2Fx1は、例えば、板厚が1mmから2.5mm程度の亜鉛−アルミニウムメッキ鋼板またはステンレス鋼板などの鋼板を用いて、プレス加工ならびに曲げ加工または溶接などを施すことで形成され得る。ここでは、例えば、第1出っ張り部Wp1aおよび第2出っ張り部Wp1bの部分は、180°折り返す曲げ加工、別体の板状の鋼板の溶接による連結あるいは板状の鋼板の第2方向(−Y方向)に沿った一部の折り曲げなどによって形成され得る。
ここでは、例えば、図31で示されるように、第2固定用部材2Fx2の基部Bp2の第1板状部分Pl2は、孔部H2aから離れる方向に接続部分Cn2よりも外側に位置している部分を有していなくてもよい。例えば、第1板状部分Pl2は、孔部H2aから離れる方向に第1接続部分Cn2aから延び出るように位置している部分を有していなくてもよい。この場合には、例えば、第2固定用部材2Fx2は、第1貫通孔部H2daを有していなくてもよい。また、例えば、第1板状部分Pl2は、孔部H2aから離れる方向に第2接続部分Cn2bから延び出るように位置している部分を有していなくてもよい。この場合には、例えば、第2固定用部材2Fx2は、第2貫通孔部H2dbを有していなくてもよい。
<2−9.第10実施形態>
次に、図32(a)から図34(c)の例を挙げて、第10実施形態に係る太陽電池装置2について説明する。この太陽電池装置2が取り付けられている状態で位置している設置対象部としての屋根1は、例えば、平坦な陸屋根とされている。この陸屋根の基体としての屋根材1Rfは、ALCなどのコンクリートで構成され得る。ここで、屋根材1Rfは、例えば、下方向(−Z方向)を向いた第1面1Bsと、上方向(+Z方向)を向いた第2面(屋根面ともいう)1Fsと、を有する。
図32(a)および図32(b)で示されるように、第10実施形態に係る太陽電池装置2は、例えば、複数の土台部2Bkと、架台部2Motと、太陽電池モジュール2Moと、被覆層2Cvと、を備えている。
複数の土台部2Bkは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs上に太陽電池モジュール2Moを設置するための基礎(置き基礎ともいう)としての機能を有する。この複数の土台部2Bkは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs上に載置された状態にある。各土台部2Bkには、例えば、コンクリート製のブロックなどが適用される。各土台部2Bkは、屋根材1Rf上に太陽電池装置2を安定して載置させるために、ある程度の大きさの底面と重量とを有する。各土台部2Bkの重量は、例えば、数kgから数十kg程度とされる。このような土台部2Bkは、例えば、コンクリートを型枠に流し込んで成形することで製作され得る。
架台部2Motは、設置対象部としての屋根1の上に位置している複数の土台部2Bk上において、複数の太陽電池モジュール2Moを保持している状態で位置している。架台部2Motは、例えば、複数の土台部2Bkのそれぞれに対してアンカー用の金具An1などで固定される。アンカー用の金具An1は、例えば、土台部2Bkの上部に形成した孔に配置されたケミカルアンカーへの取り付け、あるいは土台部2Bkを成形する際における下部の埋め込み、などによって、土台部2Bkに固定され得る。また、架台部2Motは、例えば、ボルトとナットの組などの締結部によって、アンカー用の金具An1に対して固定される。また、架台部2Motは、例えば、アルミニウム合金または亜鉛メッキ鋼板などを用いて形成され得る。具体的には、架台部2Motは、アルミニウム合金の押し出し成型、あるいは亜鉛メッキ鋼板などの板材を用いたロール成型またはプレス成形などによって形成した複数の部材を連結することで製作され得る。
太陽電池モジュール2Moは、例えば、架台部2Motに保持された状態で位置している。図32(a)および図32(b)の例では、1つの架台部2Motに4つの太陽電池モジュール2Moが保持されている状態で位置している。
被覆層2Cvは、例えば、設置対象部としての屋根1の上を覆っている状態で位置している。第10実施形態では、被覆層2Cvは、例えば、複数の土台部2Bkと、屋根材1Rfの第2面1Fsと、を覆っている状態で位置している。具体的には、被覆層2Cvは、例えば、複数の土台部2Bkと、屋根材1Rfの第2面1Fsのうちの複数の土台部2Bkの間の部分P1mおよび複数の土台部2Bkの周囲の部分Plpと、を連続的に覆っている状態で位置している。ここでは、被覆層2Cvは、例えば、複数の土台部2Bkを覆っている状態で位置しているため、各土台部2Bkとアンカー用の金具An1との境界部分も覆っている状態で位置している。
被覆層2Cvの材料には、硬化性樹脂が適用される。この硬化性樹脂には、例えば、ポリウレア系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルゴム系樹脂あるいはシリコーン系樹脂などが適用される。ポリウレア系樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリアミンとの化学反応によって形成された樹脂化合物が含まれる。具体的には、ポリウレア系樹脂には、例えば、芳香族ポリウレア樹脂、脂肪族ポリウレア樹脂またはポリアスパラギン酸エステル系のポリウレア樹脂などが含まれる。
ここでは、被覆層2Cvが第2面1Fsおよび複数の土台部2Bkの両方を覆うような構成は、例えば、複数の土台部2Bkを第2面1Fs上に配置した後に、ポリウレア系樹脂などの硬化性樹脂の塗料を塗布することで実現され得る。具体的には、例えば、ポリウレア系樹脂などの硬化性樹脂の塗料を、吹き付け工法などによって屋根材1Rfの第2面1Fs上および複数の土台部2Bk上に吹き付けて、硬化させることで、被覆層2Cvが形成され得る。ポリウレア系樹脂の塗料は速乾性に優れた特性を有するため、ポリウレア系樹脂の被覆層2Cvは容易に形成され得る。このようにして、塗布された面の形状に沿って位置する被覆層2Cvが形成され得る。この被覆層2Cvは、例えば、高い靱性、高い引裂強度、高い引張強度、高い延び性および高い伸長性を発現する。また、被覆層2Cvは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsおよび複数の土台部2Bkの表面のそれぞれに強固に接着している状態となる。
ここでは、例えば、複数の土台部2Bkの重量に加えて、各土台部2Bkを覆っている状態で位置している被覆層Cv2が、第2面1Fsのうちの各土台部2Bkの周囲の部分P1pに接着している。このため、例えば、太陽電池モジュール2Moに対して、風圧などで屋根材1Rfから離れる方向に負圧荷重が加わっても、垂直方向および水平方向に地震の荷重(地震荷重ともいう)が加わっても、第2面1Fs上において土台部2Bkが移動しにくい。このとき、例えば、太陽電池モジュール2Moに加わる負圧荷重および地震荷重が土台部2Bkを移動させようとしても、被覆層2Cvは、各土台部2Bkの外周部と第2面1Fsとの境界部分に沿った部分Plp上で、負圧荷重および地震荷重を分散させることができる。さらに、被覆層Cv2は、屋根材1Rfの第2面1Fsのうちの土台部2Bkの周囲の部分P1pよりも広い範囲の部分P1mに接着している。このため、例えば、太陽電池モジュール2Moに加わる負圧荷重および地震荷重が土台部2Bkを移動させようとしても、被覆層2Cvは、屋根材1Rf上の広い範囲に渡る部分P1mで、負圧荷重および地震荷重を分散させることができる。したがって、被覆層2Cvの存在によって、例えば、土台部2Bkの重量を過度に増大させることなく、屋根材1Rfの第2面1Fsに対して太陽電池装置2を強固に固定することができる。
また、例えば、太陽電池モジュール2Moに負圧荷重および地震荷重が加わっても、被覆層2Cvにおいて局所的に応力が集中しにくい。このため、被覆層2Cvの破損、ならびに屋根材1Rfのうちの被覆層2Cvが接着している部分の破損、が生じにくい。特に、例えば、屋根材1Rfが、一般用のコンクリートよりも低い強度のALCで形成されている場合であっても、荷重の分散によって、ALCの屋根材1Rfの破損が生じにくい。
以上のような被覆層2Cvを有する太陽電池装置2が採用されれば、例えば、屋根材1Rfの防水性を向上させるための仕上げ剤の塗布と、第2面1Fsに対する複数の土台部2Bkの固定と、を一工程で同時に実施することが可能となる。したがって、例えば、工数の低減によって、屋根1上に太陽電池装置2を設置する際における施工性が向上し得る。
ところで、第10実施形態に係る太陽電池装置2は、例えば、次のような工程によって、屋根1上に設置され得る。例えば、まず、図33(a)で示されるような設置対象部としての陸屋根の基体である屋根材1Rfの上に、図33(b)で示されるように、複数の土台部2Bkを載置する。次に、図33(c)で示されるように、各土台部2Bkにアンカー用の金具An1を取り付ける。ここでは、例えば、予め土台部2Bkにアンカー用の金具An1の一部が埋め込まれていてもよい。次に、図33(d)で示されるように、例えば、吹き付け工法を用いて、屋根材1Rfの第2面1Fs上および複数の土台部2Bk上に速乾性の塗料を吹き付けて硬化させる。ここでは、速乾性の塗料として、例えば、ポリウレア系樹脂などの硬化性樹脂の塗料を採用する。これにより、複数の土台部2Bkと、屋根材1Rfの第2面1Fsのうちの複数の土台部2Bkの間の部分P1mおよび複数の土台部2Bkの周囲の部分Plpと、を連続的に覆っている状態で位置している被覆層2Cvを形成することができる。このとき、アンカー用の金具An1の上部が被覆層2Cvから突出している状態とされる。次に、図33(e)で示されるように、複数の土台部2Bkに固定された状態にある複数のアンカー用の金具An1に、架台部2Motを取り付ける。換言すれば、複数の土台部2Bkに対して架台部2Motを固定する。そして、図32(a)および図32(b)で示されるように、架台部2Motに複数の太陽電池モジュール2Moを取り付ける。これにより、太陽電池装置2が完成し得る。上記の工程によれば、例えば、吹き付け工法などを用いて、屋根材1Rfの防水性などを向上させるための仕上げ剤の塗布と、第2面1Fsに対する複数の土台部2Bkの固定と、を一工程で同時に実施することができる。したがって、例えば、工数の低減によって、屋根1上において太陽電池装置2を製造する際における施工性が向上し得る。
ところで、ここで、例えば、図34(a)で示されるように、各土台部2Bkは、土台部2Bkと屋根材1Rfとを締結している状態にある締結部が取り付けられた裾部を有していてもよい。図34(a)の例では、各土台部2Bkが、土台部2Bkの表面に固定されており且つ第2面1Fs上にかけて位置している金具2Btを有しており、この金具2Btが、屋根材1Rfに対して締結部としてのネジ2Swによって締結されている状態にある。このネジ2Swは、例えば、屋根材1Rfのうちの第2面1Fs側から厚さ方向の途中までねじ込まれた状態で位置している。このような構成が採用されれば、例えば、設置対象部としての屋根1に対して太陽電池装置2が固定される固定強度をさらに高めることができる。また、例えば、被覆層2Cvが形成される前に、金具2Btを屋根材1Rfに対してネジ2Swなどの締結部によって固定すれば、屋根材1Rfと土台部2Bkとを締結しているネジ2Swなどの締結部は、被覆層2Cvによって覆われている状態となり得る。これにより、例えば、屋根材1Rfの防水性も確保され得る。ここでは、例えば、土台部2Bkが、金具2Btの代わりに、下部の外周部において、締結部が挿通した状態で位置しているフランジ部を有していてもよい。
また、ここで、例えば、図34(b)で示されるように、各土台部2Bkの第2面1Fs側の底面と、屋根材1Rfと、を連結している状態にあるピンなどの連結用部材2Pnが位置していてもよい。連結用部材2Pnには、例えば、鉄またはステンレス鋼などの金属製のネジまたは釘が適用される。このような構成が採用されれば、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsに対する太陽電池装置2の水平方向における固定の強度が向上し得る。このような構成は、例えば、次のような工程で実現され得る。例えば、屋根材1Rfの第2面1Fs側の部分に連結用部材2Pnを立てた状態で固定しておくとともに、土台部2Bkの底面側に連結用部材2Pnが挿入可能な孔部を設けておく。そして、この孔部に連結用部材2Pnが嵌まるように屋根材1Rf上に土台部2Bkを載置する。また、例えば、土台部2Bkの底面側の部分に連結用部材2Pnを立てた状態で固定しておくとともに、屋根材1Rfの第2面1Fs側の部分に連結用部材2Pnが挿入可能な孔部を設けておいてもよい。この場合にも、この孔部に連結用部材2Pnが嵌まるように屋根材1Rf上に土台部2Bkを載置すればよい。ここでは、例えば、コンクリート用のアンカーなどを用いることで、屋根材1Rfの第2面1Fs側の部分あるいは土台部2Bkの底面側の部分に対して連結用部材を立てた状態で固定することができる。
また、ここで、例えば、図34(c)で示されるように、各土台部2Bkの底面と、屋根材1Rfの第2面1Fsと、の間に、土台部2Bkの底面と第2面1Fsとを接着している状態で位置している第2接着層2Asが存在していてもよい。これにより、例えば、第2接着層2Asによって第2面1Fsに対して土台部2Bkの底面が接着され得る。その結果、例えば、設置対象部としての屋根1に対して太陽電池装置2を固定する固定強度がさらに高まり得る。この第2接着層2Asには、例えば、シリコーン樹脂またはブチル樹脂などを用いた両面に接着力を有するシート(両面接着シートともいう)などが適用される。このような第2接着層2Asは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsのうちの土台部2Bkを配置する部分に、予め両面接着シートを貼り付けておき、この両面接着シートの上に土台部2Bkを載置することで形成され得る。ここでは、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsのうちの土台部2Bkを配置する部分に、両面接着シートの代わりに、液状の接着剤を塗布しておき、この接着剤の上に土台部2Bkを載置してもよい。また、ここでは、例えば、被覆層2Cvの存在によって、第2接着層2Asが紫外線から保護され得る。これにより、例えば、第2接着層2Asは、劣化しにくく、長期間にわたって接着力を維持することができる。また、例えば、仮に経年劣化などで被覆層2Cvに微細なクラックなどが生じて、土台部2Bkおよび第2面1Fsに向けて浸水する経路が形成されても、第2接着層2Asの存在によって、第2面1Fsと土台部2Bkとの間に水が溜まりにくい。これにより、例えば、屋根1が劣化しにくい。
ここで、例えば、土台部2Bkの少なくとも側面が、屋根材1Rfの第2面1Fsに対して鈍角を成す傾斜面を有していれば、第2面1Fsに沿って吹く風の風圧によって土台部2Bkの側面に加わる荷重が低減され得る。ここでは、例えば、傾斜面は、土台部2Bkの側面の外周部のうちの一部に位置していてもよいし、土台部2Bkの側面の外周部のうちの全周にわたって位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、設置対象部としての屋根1に対して太陽電池装置2を固定する固定強度がさらに高まり得る。
ここで、例えば、土台部2Bkの側面が、上部に位置する第1領域と、この第1領域よりも第2面1Fsと成す角度が大きく、第2面1Fsに近接するように下部に位置している第2領域と、を有していてもよい。この場合には、例えば、吹き付け工法などで被覆層2Cvを形成する際に、土台部2Bkの側面と第2面1Fsとが成す角部上において、形成される被覆層2Cvが薄くなりにくい。このため、例えば、土台部2Bkの第2領域と第2面1Fsとの境界部も含めて、吹き付け工法などで被覆層2Cvをより均一な厚さで形成することができる。ここでは、例えば、被覆層2Cvが均一な厚さで、なだらかに連続的に第2面1Fsと土台部2Bkとを覆っていれば、土台部2Bkに荷重が付与されても、土台部2Bkの側面と第2面1Fsとが成す角部上において、被覆層2Cvにおいて応力の集中が生じにくい。換言すれば、土台部2Bkの側面と第2面1Fsとが成す角部上において、被覆層2Cvの強度が十分に確保されることで、被覆層2Cvの耐久力が向上し得る。別の観点から言えば、例えば、太陽電池装置2に第2面1Fsに沿った水平方向の地震荷重が加わっても、土台部2Bkの側面と第2面1Fsとが成す角部上において、被覆層2Cvに加わる応力のうち、剪断力の成分が低下して、引張力の成分が上昇する。すなわち、剪断力が引張力に転化され得る。これにより、被覆層2Cvに亀裂などの破損が生じにくく、被覆層2Cvが第2面1Fsおよび土台部2Bkの表面から剥離しにくくなる。したがって、例えば、設置対象部としての屋根1に対して太陽電池装置2が固定される固定強度をさらに高めることができる。
また、ここで、例えば、屋根材1Rfの第2面1Fsに存在している凹部に土台部2Bkが嵌まり込むように位置している構成が採用されてもよい。ここでは、例えば、土台部2Bkが、屋根材1Rfの第2面1Fsに存在している凹部に嵌まり込むように位置している凸部を有する構成が考えられる。このような構成が採用されれば、例えば、土台部2Bkに対して第2面1Fsに沿った水平方向に地震荷重が加わっても、第2面1Fs上において土台部2Bkが移動しにくい。これにより、例えば、設置対象部としての屋根1に対して太陽電池装置2が固定される固定強度をさらに高めることができる。
また、ここで、例えば、土台部2Bkの表面上と、土台部2Bkの表面上から屋根材1Rfの第2面1Fs上にわたる領域とに、被覆層2Cvによって埋められるように覆われた状態にある繊維が位置していてもよい。このような構成が採用されれば、例えば、被覆層2Cvが繊維強化プラスチック(FRP)となり、被覆層2Cvの強度がさらに高まり得る。
<3.その他>
上記各実施形態では、被覆層2Cvを構成する素材として、例えば、白セメントに、アクリル系重合体などの合成樹脂エマルジョンと、珪砂などの骨材と、を配合することで準備したセメントモルタルが採用されてもよい。また、ここで、骨材として、例えば、珪砂の代わりに、セラミック繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維およびビニロン繊維のうちの1種以上の繊維が採用されてもよい。
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、例えば、基体としての屋根材1Rfは、波板に限られず、板状の部材の少なくとも一部に、1つ以上の凸状部分1Prおよび1つ以上の凹状部分1Rsが存在しているものであってもよい。また、例えば、基体としての屋根材1Rfは、板状あるいは平板状の部材の少なくとも一部に、1つ以上の凸状部分1Prが存在しているものであってもよい。
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、例えば、下地部1Bmとして、桁材の代わりに、野地板などのその他の部材が採用されてもよい。
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、例えば、設置対象部として、屋根1の代わりに、外壁が採用されてもよい。この場合には、例えば、基体として外壁部が採用される形態が考えられる。このとき、+Z方向および−Z方向は、例えば、水平方向に沿った方向となり得る。このような構成が採用されれば、例えば、基体としての外壁部の上に太陽電池モジュール2Moを設置するための固定用具2Fxが取り付けられても、外壁部の防水性を向上させることができる。
上記各実施形態では、例えば、太陽電池装置2は、1つの太陽電池モジュール2Moを有するものであってもよい。換言すれば、例えば、太陽電池装置2は、1つ以上の太陽電池モジュール2Moを有していてもよい。
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、例えば、被覆層2Cvによって、第1締結部1Mtの突出部Pj1のすべてが埋められるように被覆されている状態で位置している代わりに、第1締結部1Mtの突出部Pj1の少なくとも第2面1Fs側の部分が埋められるように被覆されていてもよい。この場合にも、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの隙間が被覆層2Cvによって第2面1Fs側から埋められるように被覆されている。これにより、例えば、第1締結部1Mtと屋根材1Rfとの間を介した屋根1の下方への浸水が低減され得る。その結果、屋根1の防水性が向上し得る。
上記第1実施形態から上記第9実施形態では、例えば、基部Bp2は、第1板状部分Pl2の代わりにまたは第1板状部分Pl2とともに、第2方向(−Y方向)に交差する交差方向において屋根材1Rfの凸状部分1Prに沿って位置している、板状ではない部分を含んでいてもよい。板状ではない部分には、例えば、網状またはブロック状などの形状を有する部分が適用される。
上記第9実施形態では、例えば、第1固定用部材2Fx1と第2固定用部材2Fx2とが一体的に形成された固定用具2Fxが採用されてもよい。このような構造を有する固定用具2Fxは、例えば、アルミニウムの鍛造で製作したものに、切削加工などで切り欠き部SL1などを形成することで製作され得る。
上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。