JP6469605B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、有機層と無機層とを有するガスバリアフィルムにおいて、支持体と有機層との密着性に優れるガスバリアフィルムに関する。
水分や酸素等を遮断するガスバリアフィルムが、各種の部材や材料等の保護を目的として利用されている。
例えば、近年では、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)やプラスチック液晶を用いる表示装置において、有機EL素子やプラスチック液晶を保護するために、これらをガスバリアフィルムで封止することが行われている。
また、太陽電池では、光電変換層等を有する太陽電池セルが水分に弱いため、太陽電池セルをガスバリアフィルムで封止することが行われている。
ガスバリアフィルムは、通常、樹脂フィルム等を支持体として、その表面にガスバリア性を発現するガスバリア層が形成された構成を有する。
また、高いガスバリア性を発現する構成として、支持体の上に、ガスバリア層として、無機層と、無機層の下地層となる有機層との組み合わせを、1組以上有する、有機無機積層型のガスバリアフィルムが知られている。
有機無機積層型のガスバリアフィルムは、下地となる有機層の上に、ガスバリア性を発現する無機層を形成する。これにより、無機層の形成面に、凹凸や異物の影のような、無機層となる無機化合物が着膜し難い部分を無くし、基板の表面全面に、隙間無く、適正な無機層を成膜することが可能になる。その結果、有機無機積層型のガスバリアフィルムは、高いガスバリア性を発現する。
特許文献1にも示されるように、有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいて、高いガスバリア性を得るためには、無機層に欠陥を生じることなく、全面を無機層で覆うことが重要である。そのためには、ガラス転移温度(Tg)が高い有機層で、無機層の形成面全面を適正に覆うことが重要である。この点を考慮して、有機無機積層型のガスバリアフィルムでは、無機層となる下地の有機層には、(メタ)アクリルポリマ等が好適に利用される。
ところで、前述のような有機EL素子を用いるディスプレイや、太陽電池のように、ガスバリアフィルム側から光を照射あるいは入射する構成では、ガスバリアフィルムには、高い透明性などの良好な光学特性が要求される。
そのため、特許文献2に記載されるように、このような用途に用いられるガスバリアフィルムでは、支持体として、シクロオレフィンポリマ(COP)やシクロオレフィンコポリマ(COC)からなる樹脂フィルムのような、リタデーション値(Re値)が低い支持体を用いるのが好ましい。
ところが、COPフィルムやCOCフィルムは、極性が低いため、(メタ)アクリルポリマとの密着性が、非常に悪い。
特許文献2のように、COPフィルム等の支持体の表面に無機層を形成した後、その上に、下地有機層と無機層との組み合わせを形成するのであれば、下層に無機層を有するので、シランカップリング剤等を用いることで有機層の密着性を確保できる。
ここで、無機層は、プラズマCVDやスパッタリング等の気相堆積法で形成される。また、プラズマの強度が高いほど、高密度な、ガスバリア性の高い無機層を形成できる。
特許文献1の構成では、支持体の表面に、直接、無機層を形成する。
ところが、COPは、ガラス転移温度は、ある程度、高いものの、ガラス転移温度と融点とが一致している。そのため、支持体のガラス転移温度によっては、無機層を成膜する際のプラズマの熱によって支持体が変形してしまう。この変形によって支持体のリタデーション値は変化する。特に、厚さ方向の位相差(Rth)は、大きく変化する。
従って、支持体のガラス転移温度によっては、COPフィルム等のリタデーション値の低い支持体を用いても、目的とする光学特性が得られない場合がある。
一方、特許文献3には、有機層を、縮合多環炭化水素構造を含む重合性化合物で形成することが記載されている。一例として、有機層を、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学社製、A−DCP)で形成することが例示されている。
このような重合性化合物を用いることにより、COPフィルム等のリタデーション値の低い支持体に、良好な密着性で有機層を形成できる。
特開2013−49019号公報 国際公開第2014/027521号 特開2014−172231号公報
有機層は、一般的に、この有機層となる化合物を含有する組成物を調製して、この組成物を、支持体の表面に塗布、乾燥して、必要に応じて紫外線照射等によって化合物を硬化する、塗布法で形成される。
ところが、本発明者の検討によると、特許文献3に記載される重合性化合物を含む組成物からなる塗膜は、減率乾燥状態での粘度が十分では無い場合がある。減率乾燥状態での粘度が不十分であると、例えば支持体に付着した異物等によって、塗膜に、いわゆるハジキ等が生じ易く、支持体の全面に、無機層の形成面となる有機層を適正に形成できない場合が有る。
このような問題は、バッチ式のような、比較的、小さな面積に有機層を形成する場合には、生じ難い。
しかしながら、いわゆるロール・トゥ・ロールのような、大きな面積に有機層を形成する場合には、支持体に付着した異物による阻害、塗布する際の組成物の挙動、乾燥する際の組成物の挙動、紫外線硬化の進行状況等が、塗膜や形成される有機層に与える影響が大きくなるため、ハジキ等に起因する有機層の欠陥が生じ易くなる。
また、特許文献3に記載される重合性化合物は、ガラス転移温度も低く、無機層の形成条件によっては、無機層を形成する際のプラズマによって、有機層がエッチングされてしまい、無機層が適正に着膜できない部分も生じ易い。
さらに、前述のように、COP等からなる支持体は、無機層を形成する際のプラズマの熱で変形してしまう可能性がある。
この点を考慮すると、無機層を形成する前に、やはり、ガラス転移温度の高い(メタ)アクリレートポリマ等からなる有機層を形成しておき、無機層を形成する際におけるプラズマの熱に起因する変形に対して、支持体を有機層で支えるようにするのが好ましい。
そのため、COPフィルムやCOCフィルムのようなリタデーション値が低い支持体に、高い密着力で、ガラス転移温度が高い(メタ)アクリレートポリマを用いる有機層を有する、有機無機積層型のガスバリアフィルムの出現が望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいて、COPフィルムやCOCフィルムのようなリタデーション値が低い支持体に、ガラス転移温度が高い(メタ)アクリレートポリマを用いる有機層を、高い密着力で有し、しかも、ガスバリア性が高く、透明性も良好なガスバリアフィルムを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のガスバリアフィルムは、リタデーション値が20nm以下である支持体と、支持体の一方の表面に形成されるプライマ層と、支持体のプライマ層の形成面側に形成される、無機層および無機層の下地となる有機層の組み合わせの1組以上と、を有し、
支持体は、L * * * 表色系におけるa * の値が−0.3〜0、および、b * の値が0.5未満の、両者を満たすか、a * の値が−1〜0.5、および、b * の値が0.5以上1.5未満の、いずれかを満たし、
有機層が(メタ)アクリルポリマ層であり、プライマ層の表面には有機層が形成され、かつ、プライマ層が、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖として、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマの少なくとも一方を有するグラフト共重合体を有することを特徴とするガスバリアフィルムを提供する。
このような本発明のガスバリアフィルムにおいて、支持体がシクロオレフィンポリマもしくはシクロオレフィンコポリマであるのが好ましい。
また、有機層が、3官能以上の(メタ)アクリル化合物の重合体であり、かつ、ガラス転移温度が220℃以上であるのが好ましい。
また、グラフト共重合体は、重量平均分子量が30000以上であり、プライマ層は、ガラス転移温度が50℃以上であるのが好ましい。
また、支持体の有機層および無機層が形成される側の面において、支持体から最も離間する層が、厚さが0.5〜5μmの有機層であるのが好ましい。
また、プライマ層の厚さが0.01〜0.3μmであるのが好ましい。
また、支持体のガラス転移温度が、有機層のガラス転移温度よりも低く、かつ、120℃以上であるのが好ましい。
さらに、L***表色系におけるa*およびb*が−2〜2であるのが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいて、COPフィルムやCOCフィルムのようなリタデーション値が低い支持体に、有機層として、高いガラス転移温度を有する(メタ)アクリレートポリマ層を、高い密着力で有し、しかも、ガスバリア性が高く、透明性も良好なガスバリアフィルムである。
本発明のガスバリアフィルムの一例を概念的に示す図である。 本発明のガスバリアフィルムの別の例を概念的に示す図である。
以下、本発明のガスバリアフィルムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明のガスバリアフィルムの一例を概念的に示す。
図1に示すガスバリアフィルム10は、基本的に、支持体12と、支持体12の一方の表面に形成されるプライマ層14と、プライマ層14の上(表面)に形成される有機層16と、プライマ層14上の有機層16の上に形成される無機層18と、無機層18の上に形成される最表面の有機層16とを有する。
なお、図1に示すガスバリアフィルム10において、最表面すなわち最も支持体12と離間する有機層16は、好ましい態様として設けられるものである。
前述のように、図1に示すガスバリアフィルム10は、有機層16と、この有機層16の上に形成される無機層18と、無機層18の上に形成される最表面の有機層16とを有する。すなわち、このガスバリアフィルム10は、下地となる有機層16と無機層18との組み合わせを、1組、有するものである。
しかしながら、本発明のガスバリアフィルムは、これ以外にも、各種の層構成が利用可能である。
例えば、図2に示すガスバリアフィルム20のように、下地となる有機層16と無機層18との組み合わせを、2組有し、さらに最表面に有機層16を有する構成であってもよい。あるいは、有機層16と無機層18との組み合わせを、3組以上有して、さらに最表面に有機層16を有する構成であってもよい。なお、最表層の有機層は、好ましい態様として設けられるものであるのは、前述のとおりである。
すなわち、本発明のガスバリアフィルムは、支持体12の表面にプライマ層14を有し、さらに、このプライマ層14の上(表面)に無機層18の下地となる有機層16を有するものであれば、無機層と無機層の下地となる有機層との組み合わせを、1組以上有する、各種の有機無機の積層構造が利用可能である。
ここで、無機層と下地有機層との組み合わせの数、すなわち、有機層と無機層との交互積層数が多い程、ガスバリアフィルムが厚くなる反面、高いガスバリア性が得られる。
ガスバリアフィルム10において、支持体12は、リタデーション値(Retardation(Re値))が20nm以下の透明なシート状物である。
本発明のガスバリアフィルム10は、リタデーション値が20nm以下、好ましくは10nm以下の支持体12を用いることにより、有機EL素子の封止など、高い光学特性を要求される用途に利用される、光学特性が良好なガスバリアフィルムを実現している。
支持体12は、リタデーション値が20nm以下の透明なものであれば、公知のシート状物が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマ(COP)、シクロオレフィンコポリマ(COC)、トリアセチルセルロース(TAC)、透明ポリイミドなどの樹脂材料からなる、リタデーション値が20nm以下の樹脂フィルムが、好適に例示される。
中でも、支持体12のリタデーション値を低くできる、含水分量が少なく後述する無機層18の形成を好適に行える、支持体12そのもののガスバリア性を高くできる等の点で、COPフィルムおよびCOCフィルムは好適に例示され、COPフィルムは、より好適に例示される。その中でも、プライマ層14を形成する際の支持体12の白濁を確実に防止できる等の点で、溶融型のCOPフィルムは、特に好適に例示される。
支持体12の厚さは、用途や形成材料等に応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者の検討によれば、支持体12の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
支持体12の厚さを、上記範囲とすることにより、ガスバリアフィルム10の機械的強度を十分に確保すると共に、ガスバリアフィルム10の軽量化、薄手化、可撓性の確保等の点で好ましい。
支持体12は、ガラス転移温度(Tg)が、有機層16よりも低く、かつ、120℃以上であるのが好ましい。
リタデーション値が20nm以下の支持体12、特に、COPやCOCからなる支持体12は、結晶性のポリマである場合が多く、ガラス転移温度と融点とが、概ね等しい。また、有機層16は(メタ)アクリルポリマ層である。
そのため、支持体12のガラス転移温度を有機層16よりも低くすることにより、樹脂フィルムとしての成形性を良好にして、支持体12のコストを低減できる。また、支持体12のガラス転移温度を有機層16よりも低くすることにより、支持体12の脆性を良好にできるので、例えば、ロール・トゥ・ロールによる製造を行う際に、搬送性等を良好にして、安定した生産が可能になる。
また、支持体12のガラス転移温度を120℃以上とすることにより、有機層16を形成する際の乾燥等による熱はもちろん、無機層18を形成する際のプラズマ等の熱にも十分な耐熱性を確保して、ガラス転移温度が高い有機層16や、高密度な無機層18を、好適に形成することが可能になる。
このような点を考慮すると、支持体12のガラス転移温度は140℃以上であるのが好ましい。
なお、本発明において、支持体12や各層等のガラス転移温度は、示差走査熱量分析によってJIS K 7121に準拠して測定すればよい。
また、ガラス転移温度は、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
ガスバリアフィルム10において、支持体12の一方の表面にはプライマ層14が形成され、プライマ層14の表面には、有機層16が形成される。
プライマ層14は、十分な密着力で、支持体12と、無機層18の下地の有機層16とを密着させるためのものである。プライマ層14については、後に詳述する。
前述のように、ガスバリアフィルム10は、プライマ層14の上に形成される有機層16と、この有機層16の上に形成される無機層18と、無機層18の上に形成される最表面の有機層16とを有する。
プライマ層14の上に形成される有機層16、すなわち、無機層18の下層の有機層16は、ガスバリアフィルム10において主にガスバリア性を発現する無機層18を適正に形成するための、下地層として機能する。
このような無機層18の下地としての有機層16を有することにより、支持体12の表面の凹凸や、支持体12の表面に付着している異物等を包埋して、無機層18の成膜面を、無機層18の成膜に適した状態にできる。これにより、支持体12の表面の凹凸や異物の影のような、無機層18となる無機化合物が着膜し難い部分を無くし、有機層16の表面全面に、隙間無く、適正な無機層18を成膜することが可能になる。
他方、最表面の有機層16は、無機層18の保護層として作用する有機層であり、好ましい態様として設けられる。
前述のように、ガスバリアフィルム10において、主にガスバリア性を発現するのは、無機層18である。従って、無機層18にヒビ割れや損傷が生じると、ガスバリア性能が低減する。これに対して、最表面に保護層としての有機層16を有することにより、無機層18の損傷等を防止して、長期に渡って、目的とするガスバリア性能を発現することが可能になる。
有機層16は、有機化合物からなる層で、有機層16となるモノマやオリゴマを重合(架橋)したものである。
本発明において、有機層16は、(メタ)アクリルポリマ層であり、すなわち、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマの重合体を主成分とするアクリルポリマやメタクリルポリマからなるものである。
中でも特に、ガラス転移温度が高い、プラズマに対する耐性が高い、耐熱性が高い等の点で、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマやオリゴマの重合体を主成分とするアクリルポリマやメタクリルポリマからなる有機層16は、好適に例示される。また、これらのアクリルポリマやメタクリルポリマを、複数、用いるのも好ましい。
本発明においては、有機層16を、このような(メタ)アクリルポリマで形成することにより、高ガラス転移温度で、耐熱性や耐プラズマエッチング性が高く、しかも、低屈折率で高透明な光学特性に優れる有機層16を形成している。
そのため、本発明のガスバリアフィルム10は、無機層18を形成する際におけるプラズマによる有機層16のエッチングを、好適に抑制でき、抜けの無い適正な無機層18を有機層16の全面に形成することが可能である。その結果、ガスバリアフィルム10は、非常に高いガスバリア性を発現する。
さらに、本発明のガスバリアフィルム10は、支持体12をガラス転移温度が高く耐熱性に優れる有機層16が支えるので、無機層18を形成する際におけるプラズマの熱によって支持体12が変形することも防止できる。
また、保護層となる最表面の有機層16には、紫外線硬化可能なウレタンアクリルポリマを重合した、(メタ)アクリルポリマも、好適に利用可能である。
具体的には、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖に、末端がアクリロイル基のウレタンポリマおよび/または末端がアクリロイル基のウレタンオリゴマを有する、グラフト共重合体を用い、このグラフト共重合体を重合した、(メタ)アクリルポリマが好適に例示される。このグラフト共重合体は、透明性が高く、また、黄変しにくい。
グラフト共重合体中のアクリル主鎖は、(メタ)アクリレートモノマ、エチルアクリレートモノマ等がそれぞれ単独で重合して形成されるものでもよく、これらのいずれかの共重合体もしくはこれらのいずれかと他のモノマとの共重合体でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステルおよびエチレンから得られる共重合体であることも好ましい。
アクリル主鎖およびウレタンポリマ単位またはウレタンオリゴマ単位は直接結合していてもよく、他の連結基を介して結合していてもよい。他の連結基の例としては、エチレンオキシド基、ポリエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、およびポリプロピレンオキシド基などが挙げられる。グラフト共重合体は、ウレタンポリマ単位またはウレタンオリゴマ単位が異なる連結基(直接結合を含む)を介して結合している側鎖を複数種含んでいてもよい。
このグラフト共重合体は、重量平均分子量が10000〜3000000であるのが好ましく、10000〜250000であるのがより好ましく、12000〜200000であるのが特に好ましい。
また、このグラフト共重合体は、二重結合当量(アクリル当量)が500g/mol以上であるのが好ましく、550g/mol以上であるのがより好ましく、600g/mol以上であるのが等に好ましい。さらに、このグラフト共重合体の二重結合当量は2000g/mol以下がより好ましい。
なお、本発明において、各種のポリマ(樹脂/高分子材料)の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、ポリスチレン(PS)換算の分子量として測定すればよい。より具体的には、重量平均分子量は、HLC−8220(東ソー社製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM−H(東ソー社製、6.0mmID×15.0cm)を、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めればよい。
ポリマ等の重量平均分子量は、カタログ等に記載された数値を利用してもよい。
また、二重結合当量も、公知の方法で測定すればよい。
このようなグラフト共重合体は、例えば大成ファインケミカル株式会社製の紫外線硬化型のウレタンアクリルポリマ(アクリット8BRシリーズ)等の市販品を用いてもよい。
また、グラフト共重合体は、複数を併用してもよい。
有機層16の厚さは、有機層16の形成材料や支持体12に応じて、適宜設定すればよい。本発明者の検討によれば、有機層16の厚さは、0.5〜5μmであるのが好ましく、1〜3μmであるのがより好ましい。
有機層16の厚さを0.5μm以上とすることにより、支持体12の表面の凹凸や、支持体12の表面に付着した異物を包埋して、有機層16の表面すなわち無機層18の成膜面を平坦化できる。
また、有機層16の厚さを5μm以下とすることにより、有機層16が厚すぎることに起因する、有機層16のクラックや、ガスバリアフィルム10のカール等の問題の発生を、好適に抑制することができる。
なお、保護層として作用する最表面の有機層16は、厚さが0.5〜5μmであるのが好ましく、1〜3μmであるのがより好ましい。
最表面の有機層16の厚さを0.5μm以上とすることにより、無機層18の保護性能を向上して、長期に渡って目的とするガスバリア性を発現するガスバリアフィルム10を得ることができる。最表面の有機層16の厚さを5μm以下とすることにより、先と同様に、有機層16のクラックやガスバリアフィルム10のカールを抑制できる。
複数の有機層16を有する場合は、各有機層16の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。また、各有機層16の形成材料は、同じでも異なってもよい。
本発明のガスバリアフィルム10において、有機層16は、(メタ)アクリルポリマであるため、基本的にガラス転移温度は高い。ここで、有機層16、特に少なくともプライマ層14の上に形成される有機層16は、ガラス転移温度が220℃以上であるのが好ましく、230℃以上であるのがより好ましい。
有機層16のガラス転移温度を220℃以上とすることにより、無機層18を形成する際におけるプラズマによる有機層16のエッチングを防止して適正な無機層18が形成できる、無機層18を形成する際におけるプラズマの熱に起因する支持体12の変形を防止できる等の点で好ましい。
有機層16は、有機層16の形成材料に応じて、有機化合物からなる層を形成する公知の方法で形成(成膜)すればよい。
一例として、有機層16は、有機溶剤、有機層16となる有機化合物(モノマ、ダイマ、トリマ、オリゴマ、ポリマ等)、光重合開始剤、界面活性剤、シランカップリング剤、軟化剤などを含む塗布組成物を調製して、この塗布組成物を有機層の形成面に塗布、乾燥し、さらに、紫外線照射によって有機化合物を重合(架橋/硬化)する、いわゆる塗布法で形成すればよい。
また、有機層16は、いわゆるロール・トゥ・ロール(以下、RtoRとも言う)によって形成するのが好ましい。以下の説明では、『ロール・トゥ・ロール』を『RtoR』とも言う。
周知のように、RtoRとは、長尺な被成膜材料をロール状に巻回してなる材料ロールから、被成膜材料を送り出し、被成膜材料を長手方向に搬送しつつ成膜を行い、成膜済の被成膜材料をロール状に巻回する製造方法である。RtoRを利用することで、高い生産性と生産効率が得られる。
無機層18は、無機化合物からなる層である。
ガスバリアフィルム10において、無機層18は、目的とするガスバリア性を、主に発現するものである。
無機層18の形成材料には、限定はなく、ガスバリア性を発現する無機化合物からなる層が、各種、利用可能である。
具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物; 窒化アルミニウムなどの金属窒化物; 炭化アルミニウムなどの金属炭化物; 酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化窒化炭化ケイ素などのケイ素酸化物; 窒化ケイ素、窒化炭化ケイ素などのケイ素窒化物; 炭化ケイ素等のケイ素炭化物; これらの水素化物; これら2種以上の混合物; および、これらの水素含有物等の、無機化合物からなる膜が、好適に例示される。また、これらの2種以上の混合物も、利用可能である。
特に、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、これらの2種以上の混合物は、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現できる点で、好適に利用される。中でも特に、窒化ケイ素は、優れたガスバリア性に加え、透明性も高く、好適に利用される。
無機層18の膜厚は、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。本発明者の検討によれば、無機層18の厚さは、10〜200nmが好ましく、15〜100nmがより好ましく、20〜75nmが特に好ましい。
無機層18の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層18が形成できる。また、無機層18は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層18の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止できる。
なお、図2に示すガスバリアフィルム20のように、複数の無機層18を有する場合には、各無機層18の厚さは、同じでも異なってもよい。また、各無機層18の形成材料は、同じでも異なってもよい。
ガスバリアフィルム10において、無機層18の形成方法には、限定はなく、形成する無機層18に応じて、公知の無機層(無機膜)の形成方法が、各種、利用可能である。
具体的には、無機層18は、CCP−CVDやICP−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着などの気相成膜法によって形成すればよい。
また、無機層18も、RtoRによって形成するのが好ましい。
前述のように、ガスバリアフィルム10においては、支持体12の一方の表面にプライマ層14を有し、このプライマ層14の上に有機層16が形成される。
本発明において、プライマ層14は、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖として、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマの少なくとも一方を有するグラフト共重合体を、硬化(架橋)したものである。
本発明のガスバリアフィルム10は、支持体12の表面に、このようなグラフト共重合体からなるプライマ層14を有し、このプライマ層14の上に、(メタ)アクリレートポリマからなる有機層16を形成することにより、リタデーション値が20nm以下の光学特性に優れた支持体12を用い、かつ、ガラス転移温度が高い(メタ)アクリレートポリマからなる有機層16を有すると共に、有機層16(有機無機の積層構造)と支持体12との密着力が高く、ガスバリア性が高く、透明性も良好なガスバリアフィルム10を実現している。
前述のように、有機EL素子や太陽電池等に用いられるガスバリアフィルムには、高い光学特性が要求される。そのため、これらの用途に対応するガスバリアフィルムでは、支持体として、COPフィルム等のリタデーション値が低いものが用いられる。
また、高いガスバリア性を有するガスバリアフィルムとして、無機層と、無機層の下地となる有機層との組み合わせを有する有機無機積層型のガスバリアフィルムが知られている。ここで、有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいては、ガラス転移温度が高い、無機層を形成する際のプラズマによるエッチングを防止でき、より適正な無機層を形成できる、支持体を支えて無機層を形成する際のプラズマの熱による支持体の変形を防止できる、光学特性に優れる等の点で、(メタ)アクリレートポリマによって有機層を形成するのが好ましい。特に、より好適に、無機層を形成する際のプラズマの熱による支持体の変形を防止するためには、支持体の表面に、(メタ)アクリレートポリマからなる有機層を形成するのが好ましい。
ところが、COP等のリタデーション値が低い材料は、極性が低いため、(メタ)アクリレートポリマとの密着性が、非常に低い。
そのため、COPからなる支持体に、有機層として(メタ)アクリレートポリマを用いる有機層と無機層との積層構造を形成すると、容易に、有機層が剥離してしまう。
密着性を向上する方法としては、プライマを使用する方法が例示される。COPフィルムの密着性を向上するプライマとしては、一般的に、ウレタン系の化合物が用いられる。また、前述の特許文献3に記載される縮合多環炭化水素構造を含む重合性化合物も、COPフィルムの密着性を向上するプライマとして利用可能である。
ところが、本発明者の検討によれば、これらのプライマを用いて、COPフィルム等からなる支持体と、(メタ)アクリレートポリマからなる有機層との密着性を向上しても、様々な問題が生じる。
周知のように、COPやCOCは、紫外線を照射されると、紫外線の照射量に応じて黄色の色味を呈してしまう、いわゆる黄変が生じる。
ところが、(メタ)アクリレートポリマからなる有機層は、紫外線を照射して(メタ)アクリレートモノマ等を重合させて形成する。この際の紫外線は支持体にも照射される。そのため、この紫外線の照射によって、COP等からなる支持体は、黄変してしまう。
前述のように、下地有機層と無機層との組み合わせは、多いほど、高いガスバリア性が得られる。しかしながら、有機層の形成回数が増えるほど、有機層を形成するための紫外線の照射量も多くなり、支持体の黄変も高濃度になる。
このような支持体の黄変は、前述の有機EL素子を封止するガスバリアフィルムなど、優れた光学的特性を要求されるガスバリアフィルムでは、大きな問題になる。
また、ウレタン系のプライマや、特許文献3に記載される重合性化合物の重合物はガラス転移温度が低い。
前述のように、有機層は、通常、塗布法によって形成する。塗布法で有機層を形成する際には、下地となるプライマが、有機層を形成するための塗布組成物に混入することは、避けられない。
ところが、このようなガラス転移温度が低いものが、有機層を形成する(メタ)アクリルポリマに混入すると、有機層のガラス転移温度が低下してしまう。その結果、無機層形成時のプラズマによるエッチングの発生や、無機層形成時のプラズマの熱による支持体の変形など、ガラス転移温度や耐プラズマ性が低い材料で有機層を形成した場合と、同様の問題が生じる。
さらに、ウレタン系のプライマや、特許文献3に記載される重合性化合物は、分子量が小さく、有機層を形成する塗布組成物の粘度が低い。
そのため、この塗布組成物は、減率乾燥状態での粘度が不十分で、例えば支持体に付着した異物等によって、塗膜に、いわゆるハジキ等が生じてしまい、支持体の全面に、無機層の形成面となる有機層を適正に形成できない。この問題は、RtoRのような大きな面積に有機層を形成する場合に、顕著であるのは、前述のとおりである。
これに対し、本発明においては、支持体12の表面に、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖に、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび/または末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマを有するグラフト共重合体を硬化してなるプライマ層14を有し、このプライマ層14の上に、有機層16を形成する。
なお、以下の説明では、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖に、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび/または末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマを有するグラフト共重合体を、『ウレタンアクリル共重合体』とも言う。
そのため、本発明のガスバリアフィルム10は、プライマ層14が有するウレタンポリマおよび/またはウレタンオリゴマの作用によって、支持体12と有機層16との密着性を、非常に高くできる。
また、ウレタンアクリル共重合体は、アクリルポリマ主鎖に、ウレタンポリマおよび/またはウレタンオリゴマの側鎖を有する構造であるので、硬化した際に、有機層16となる(メタ)アクリレートモノマ等に比して非常に大きな網目構造を形成する。そのため、有機層16の形成時に、この網目構造の中に(メタ)アクリレートモノマ等が入り込み、これによって生じるアンカリング効果によっても、支持体12と有機層16との密着性を向上できる。
また、ウレタンアクリル共重合体は、ウレタンポリマおよびウレタンオリゴマの末端に、紫外線に対する耐性が高いポリカーボネートを有する。
そのため、後に実施例でも示すが、本発明のガスバリアフィルム10は、有機層16を形成するために紫外線を照射しても、このポリカーボネートの作用によって、支持体12の黄変を防止でき、その結果、透明性に優れる、光学特性が良好なガスバリアフィルム10を得ることができる。
また、ウレタンアクリル共重合体は、アクリルポリマの主鎖を有するため、ウレタン系のプライマ等に比して、硬化した後のガラス転移温度が高い。
そのため、有機層16を形成する際に、塗布組成物にグラフト共重合体が混入しても、有機層16のガラス転移温度が低下することが無い。これにより、本発明のガスバリアフィルム10は、無機層18を形成する際の有機層16のエッチングの防止や支持体12の変形防止など、(メタ)アクリルポリマからなる有機層16を有することの効果を最大限に活かして、高いガスバリア性を発現する。
さらに、ウレタンアクリル共重合体は、熱硬化性であるので、有機層16を形成する塗布組成物に混入しても、紫外線による有機層16の硬化を阻害することがない。
また、ウレタンアクリル共重合体は、アクリルポリマと、ウレタンポリマおよび/またはウレタンオリゴマと、ポリカーボネートとの共重合体であるため、ウレタン系のプライマ等に比して、分子量が非常に大きい。
そのため、ウレタンアクリル共重合体を含むプライマ層14を形成するための塗布組成物は、減率乾燥状態での粘度が高く、支持体に付着した異物等による塗膜のハジキ等を生じないため、無機層18の形成面となる有機層16を、支持体12の全面に適正に形成でき、かつ、プライマ層14自身も、薄くできる。また、塗膜のハジキ等を防止できるので、RtoRによるプライマ層14の形成にも好適に対応できる。
従って、本発明のガスバリアフィルム10は、適正な有機層16の上に無機層18を形成できるので、この点でも、高いガスバリア性を発現する。
また、ウレタンアクリル共重合体の硬化物は、有機溶剤等に対する塗れ性も良好なので、有機層16を形成する塗布組成物の塗布性も良好であり、この点でも、適正な有機層16を形成できる。
加えて、適正な有機層16を形成でき、かつ、プライマ層14自身も高ガラス転移温度で高い耐熱性を有するため、有機層16を薄膜化でき、その結果、ガスバリアフィルム10の薄膜化を図ることができる。
さらに、ウレタンアクリル共重合体を硬化したプライマ層14は、塗布法によって形成する。ここで、このウレタンアクリル共重合体は、塗布組成物を乾燥した状態で、ある程度固化した、いわゆるタックフリーの状態になり、タックフリーの状態になった後に、有機層16を形成する塗布組成物を塗布すればよい。
そのため、ウレタン系のプライマを用いた場合のように、プライマと有機層16を形成する塗布組成物とを連続的に塗布する、逐次重層のようなことを行う必要がない。すなわち、RtoRであれば、プライマ層14を形成した後、一度、巻き取ってロール状にし、その後、ロールから支持体を送り出して、有機層16の形成を行うことができる。
前述のように、本発明において、プライマ層14を形成するウレタンアクリル共重合体は、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖に、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび/または末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマを有する、ウレタン変性アクリルグラフト共重合体(ウレタン変性アクリルポリマ)である。
ウレタンアクリル共重合体は、幹となるアクリル主鎖のモノマ単位の所々に、末端をポリカーボネート基とするウレタンモノマ単位が側鎖として配列した構造を持つ共重合体であればよく、一般的にグラフト共重合で形成される構造を有していればよい。
ウレタンアクリル共重合体中のアクリル主鎖は、アクリレートモノマ、エチルアクリレートモノマ等がそれぞれ単独で重合して形成されるものでもよく、これらのいずれかの共重合体もしくはこれらのいずれかと他のモノマとの共重合体でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステルおよびエチレンから得られる共重合体であることも好ましい。
アクリル主鎖に結合する側鎖は、ウレタンポリマ単位またはウレタンオリゴマ単位を含む側鎖である。グラフト共重合体は、分子量の異なるウレタンポリマ単位または分子量の異なるウレタンオリゴマ単位をそれぞれ複数有していてもよい。ウレタンポリマ単位の分子量は例えば1000〜10000であればよい。また、ウレタンオリゴマ単位の分子量は例えば100〜1000であればよい。ウレタンアクリル共重合体は、ウレタンポリマ単位を含む側鎖およびウレタンオリゴマ単位を含む側鎖の双方を有していてもよい。
ウレタンアクリル共重合体は、ウレタン側鎖の末端にポリカーボネート基を有する。ポリカーボネート基は、カーボネート基を有するモノマ単位が重合してなるものである。
1つのポリカーボネート基は、同じモノマ単位で構成されたものでも、互いに異なる複数のモノマ単位で構成される共重合体であってもよい。
また、それぞれのウレタン側鎖のポリカーボネート基は、分子量や構造が同じものでも異なるものでもよい。
ウレタンアクリル共重合体は、ウレタンポリマ単位またはウレタンオリゴマ単位を含む側鎖以外の他の側鎖を有していてもよい。他の側鎖の例としては、(メタ)アクリロイル基、直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。直鎖または分岐のアルキル基としては炭素数1〜6の直鎖アルキル基が好ましく、n−プロピル基、エチル基、またはメチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
ウレタンアクリル共重合体は、ウレタンポリマ単位またはウレタンオリゴマー単位の分子量または連結基などにおいて異なる複数の種類の側鎖と、上記した他の側鎖とをそれぞれ複数含む構造であってもよい。
プライマ層14を形成するウレタンアクリル共重合体は、重量平均分子量が10000〜100000であるのが好ましく、20000〜60000であるのがより好ましい。
ウレタンアクリル共重合体の重量平均分子量をこの範囲とすることにより、プライマ層14を形成する塗布組成物の減率乾燥状態における粘度を適正にして、支持体12の全面に隙間無くプライマ層14を形成できる、高分子量にすることで硬化度の強弱に依存せずにタックフリーにでき、かつ、硬化性も良好にできる、下地の有機層16と混合した場合でも比重が重いため表層に出にくく欠陥の原因にならない等の点で好ましい。なお、タックフリーとは、ブロッキングの発生や巻き付いた状態での貼り付きの発生がない、という意味である。
本発明において、プライマ層14は、ガラス転移温度が20℃以上であるのが好ましく、50℃以上であるのがより好ましい。
プライマ層14のガラス転移温度を20℃以上とすることにより、プライマ層14の上に形成する有機層16のガラス転移温度を高く保つことができ、無機層18を形成する際の有機層16のエッチングや支持体12の変形を防止できる等の点で好ましい。
このようなウレタンアクリル共重合体は、例えば大成ファインケミカル社製のウレタン変性アクリルポリマであるアクリット8UA−347Hやアクリット8UA−540Hなどのアクリット8UAシリーズのポリカーボネート系等、市販品を用いてもよい。
また、ウレタンアクリル共重合体は、複数を併用してもよい。
プライマ層14の厚さは、プライマ層14の形成材料等に応じて、目的とする密着性の向上効果を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
本発明者の検討によれば、プライマ層14の厚さは0.01〜0.3μmが好ましく、0.03〜0.15μmがより好ましい。
プライマ層14の厚さを0.01μm以上とすることにより、プライマ層14を有することの効果を確実に発現して、支持体12と有機層16との密着性を十分に高くできる等の点で好ましい。
また、プライマ層14の厚さを0.3μm以下とすることにより、プライマ層14が不要に厚くなることに起因するガスバリアフィルム10の厚膜化を防止できる、未重合のプライマ層14と有機層16との混合を低減できる等の点で好ましい。
このようなプライマ層14は、公知の塗布法で形成すればよい。
すなわち、前述のウレタンアクリル共重合体を有機溶剤等に溶解あるいは分散してなる塗布組成物を調製し、支持体12の表面に、調製した塗布組成物を塗布して、加熱等によって乾燥し、さらに、必要に応じて加熱による硬化を行って、プライマ層14を形成すれば良い。
なお、ウレタンアクリル共重合体を含む塗布組成物には、必要に応じて、熱重合開始剤、界面活性剤、分散剤等を添加してもよい。
また、このようなプライマ層14の形成も、RtoRで行うのが好ましい。
このようにして、支持体12の表面にプライマ層14を形成した後、プライマ層14の上に前述のようにして有機層16を形成し、有機層16の上に前述のようにして無機層18を形成し、無機層18の上に前述のようにして最表面の有機層16を形成して、本発明のガスバリアフィルム10を製造する。
なお、図2に示すガスバリアフィルム20のように、下地となる有機層16と無機層18との組み合わせを、2以上、有するガスバリアフィルムの製造は、有機層と無機層との組み合わせの数に応じて、有機層16と無機層18との交互の形成を、繰り返して行えばよい。
本発明のガスバリアフィルム10は、L***表色系におけるa*が、−2〜2であるのが好ましく、−1.5〜1.5であるのがより好ましい。また、本発明のガスバリアフィルム10は、L***表色系におけるb*が、−2〜2であるのが好ましく、−1.5〜1.5であるのがより好ましい。
前述のように、本発明のガスバリアフィルム10は、有機層16の支持体12の黄変を防止した、透明性の高いものであり、このように、透明性に優れた、光学特性が良好なガスバリアフィルム10が得られる。
なお、ガスバリアフィルム10のa*およびb*は、ヘーズメータ等を用いて、JIS Z 8781−4に準拠して測定すればよい。
以上、本発明のガスバリアフィルムについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
<支持体12>
支持体12として、幅1000mm、厚さ80μm、長さ100mのCOPフィルム(JSR社製、アートンフィルム、Tg=150℃)を用いた。
<プライマ層14の形成>
前述のウレタンアクリル共重合体(大成ファインケミカル社製、アクリット8UA347H、重量平均分子量40000)を、固形分濃度が3質量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)で希釈し、プライマ層14を形成するための塗布組成物を調製した。
ダイコータによる塗布部、および、加熱による乾燥ゾーンを有する、一般的なRtoRによる成膜装置の塗布部の所定位置に、調製した塗布組成物を充填した。また、支持体12を巻回したロールを、成膜装置の所定位置に装填して、所定の搬送経路に挿通した。
成膜装置において、支持体12を長手方向に搬送しつつ、支持体12にダイコータによって塗布組成物を塗布し、80℃の乾燥ゾーンを3分間通過させて、プライマ層14を形成した。その後、プライマ層14の表面にPE製の保護フィルムを貼着した後、巻き取って、支持体12の上にプライマ層14を形成したロールとした。
なお、塗布組成物の塗布量は、3.5mL(リットル)/m2とした。形成したプライマ層の厚さは0.1μmであった。
形成したプライマ層14のガラス転移温度を、示差走査熱量分析によってJIS K 7121に準拠して測定したところ、54℃であった。
<有機層16の形成>
TMPTA(ダイセルサイテック社製)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として95:5となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにMEKに溶解して、有機層16を形成するための塗布組成物を調製した。
ダイコータによる塗布部、温風による乾燥ゾーン、および、紫外線照射による硬化ゾーンを有する、一般的なRtoRによる成膜装置の塗布部の所定位置に、有機層16を形成するための塗布組成物を充填した。また、プライマ層14を形成した支持体12を巻回してなるロールを、この成膜装置の所定位置に装填して、支持体12を所定の搬送経路に挿通した。
成膜装置において、支持体12を長手方向に搬送しつつ、保護フィルムを剥離し、ダイコータによってプライマ層14に塗布組成物を塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、硬化ゾーンにおいて紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて有機層16を形成した。有機層16の表面にPE製の保護フィルムを貼着した後、巻き取って、有機層16を形成したロールとした。有機層16の厚さは、1μmであった。
形成した有機層16のガラス転移温度を、プライマ層14と同様に測定したところ、250℃であった。
<無機層18の形成>
有機層16を形成した支持体12のロールを、RtoRを用いて、CCP−CVD(容量結合形プラズマCVD)によって成膜を行う、一般的なCVD成膜装置の所定位置に装填し、支持体12を所定の搬送経路に挿通した。
このCVD成膜装置において、有機層16を形成した支持体12を長手方向に搬送しつつ、保護フィルムを剥離した後、有機層16の上に、無機層18として窒化ケイ素膜を形成して、ガスバリアフィルムを作製した。その後、無機層18にPE製の保護フィルムを貼着した後、巻き取った。
すなわち、このガスバリアフィルムは、最表面の有機層16を有さない以外は、図1に示すガスバリアフィルム10と同様の構成を有するものである。
原料ガスは、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源は、周波数13.56MHzの高周波電源を用い、プラズマ励起電力は800Wとした。成膜圧力は40Paとした。無機層18の膜厚は、50nmであった。
[実施例2]
支持体12を、幅1000mm、厚さ100μm、長さ100mのCOCフィルム(グンゼ社製、F1フィルム、Tg=180℃)に変更した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
[実施例3]
支持体12を、アートンフィルムから、同じCOPフィルムである、幅1000mm、厚さ80μm、長さ100mのアペルフィルム(ゼオン社製、Tg=136℃)に変更した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
[実施例4]
有機層16を形成する塗布組成物の調製において、TMPTAにPET30(日本化薬社製、Kayarad)を、質量比率として10:2となるように配合し、この配合物と重合開始剤とを質量比率として95:5とした以外は、実施例1と同様に有機層16を形成し、ガスバリアフィルムを作製した。
実施例1と同様に有機層16のガラス転移温度を測定したところ、200℃であった。
[実施例5]
<最表層の有機層16の形成>
前述の最表層の有機層16を形成するグラフト共重合体(大成ファインケミカル社製、アクリット8BR−930、重量平均分子量16000、二重結合当量800)と、光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184)と、シランカップリング剤(信越シリコーン社製、KBM5103)と、軟化剤(東洋紡社製、バイロンU1400)とを、質量比率として78:10:10:2となるように秤量し、これらを固形分濃度が15質量%となるようにMEKに溶解して、最表層の有機層16を形成するための塗布組成物を調製した。
ダイコータによる塗布部、温風による乾燥ゾーン、および、紫外線照射による硬化ゾーンを有する、一般的なRtoRによる成膜装置の塗布部の所定位置に、最表層の有機層16を形成するための塗布組成物を充填した。また、実施例1と同様のガスバリアフィルムを巻回してなるロールを、この成膜装置の所定位置に装填して、ガスバリアフィルムを所定の搬送経路に挿通した。
成膜装置において、ガスバリアフィルム10を長手方向に搬送しつつ、保護フィルムを剥離し、ダイコータによって無機層18に塗布組成物を塗布し、100℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、硬化ゾーンにおいて紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)して塗布組成物を硬化させて最表層の有機層16を形成して、図1に示すようなガスバリアフィルム10を作製し、ロール状に巻き取った。
[実施例6]
プライマ層14の形成において、ダイコータによる塗布組成物の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
形成したプライマ層14の厚さは、0.01μmであった。
[実施例7]
プライマ層14の形成において、ダイコータによる塗布組成物の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
形成したプライマ層14の厚さは、0.3μmであった。
[比較例1]
支持体12の表面にプライマ層14を形成しない以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
[比較例2]
プライマ層を形成する材料を、アクリット8UA347Hから、大成ファインケミカル社製のアクリット8UA146(重量平均分子量30000)に変更した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
このアクリット8UA146は、実施例1で使用したアクリット8UA247Hと同様に、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖として、ウレタンポリマおよび/またはウレタンオリゴマを有するものであるが、ウレタンポリマおよびウレタンオリゴマの末端が、ポリカーボネートではなく、ポリエステルである。
形成したプライマ層の厚さは0.1μmであった。また、実施例1と同様に、プライマ層のガラス転移温度を測定したところ、50℃であった。
[比較例3]
比較例2と同様にプライマ層を形成した以外は、最表面の有機層16を有する実施例5と同様にガスバリアフィルムを作製した。
[比較例4]
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学社製、A−DCP)と、重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)とを用意し、質量比率として93:7となるように秤量し、これらを固形分濃度が3質量%となるように2−ブタノンおよびプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタートとを含む溶剤に溶解して、プライマ層を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を用いてプライマ層を形成した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。なお、プライマ層の形成において、紫外線による塗布組成物の硬化は酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気下で行い、また、紫外線の積算照射量は約700mJ/cm2とした。
形成したプライマ層の厚さは0.1μmであった。また、実施例1と同様に、プライマ層のガラス転移温度を測定したところ、200℃であった。
[比較例5]
ウレタンポリマ(大成ファインケミカル社製、アクリットWBR2000U)と、硬化剤(東ソー社製、コロネートL)とを用意し、質量比率として100:17となるように秤量し、これらを固形分濃度が3質量%となるようにイゾプルピルアルコールに溶解して、プライマ層を形成するための塗布組成物を調製した。
この塗布組成物を用いてプライマ層を形成した以外は、実施例1と同様にガスバリアフィルムを作製した。
形成したプライマ層の厚さは0.1μmであった。また、実施例1と同様に、プライマ層のガラス転移温度を測定したところ、40℃であった。
[評価]
作製した各ガスバリアフィルムについて、ガスバリア性、密着性、および、黄変の評価を行った。
<ガスバリア性>
作製したガスバリアフィルムの水蒸気透過率[g/(m2・day)]を、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、測定した。なお、恒温恒湿処理の条件は、温度40℃、湿度90%RHとした。
評価は、以下のとおりである。
A: 水蒸気透過率が5×10-5[g/(m2・day)]未満
B: 水蒸気透過率が5×10-5[g/(m2・day)]以上、1×10-4[g/(m2・day)]未満
C: 水蒸気透過率が1×10-4[g/(m2・day)]以上、5×10-4[g/(m2・day)]未満
D: 水蒸気透過率が5×10-4[g/(m2・day)]以上、1×10-3[g/(m2・day)]未満
E: 水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以上
<密着性>
JIS K5400に準拠したクロスカット剥離試験で評価した。
各ガスバリアフィルムの有機層および無機層の形成面に、カッターナイフを用いて、膜面に対して90°の切り込みを1mm間隔で入れ、1mm間隔の碁盤目を100個作成した。この上に2cm幅のマイラーテープ(日東電工製、ポリエステルテープ、No.31B)で貼り付けたテープを剥がした。プライマ層14の上に形成した有機層16が残存したマスの数で評価した。
評価は、以下のとおりである。
A: 残存マス数が100個のもの
B: 残存マス数が90〜99個のもの
C: 残存マス数が80〜89個のもの
D: 残存マス数が80個以下のもの
<黄変>
日本電色社製分光のヘーズメーターSH7000を用いて、L***表色系におけるa*およびb*を測定することで、黄変の状態を評価した。
評価は、以下のとおりである。
A: a*の値が−0.3〜0、および、b*の値が0.5未満の、両者を満たす
B: a*の値が−0.5〜0、および、b*の値が0.5以上1未満の、いずれかを満たす
C: a*の値が−1〜0.5、および、b*の値が1以上1.5未満の、いずれかを満たす
D: a*の値が−1.5〜1、および、b*の値が1.5以上2.5未満の、いずれかを満たす
E: a*の値が−1.5〜1の範囲外、および、b*の値が2.5以上の、いずれかを満たす
結果を下記の表に示す。
表1に示されるように、本発明のガスバリアフィルムである実施例1〜7は、いずれも、良好なガスバリア性および有機層16の密着性を有し、しかも、支持体の黄変も少なく透明性に優れたガスアリアフィルムである。特に、下地有機層のガラス転位温度が250℃のものは、ガラス転位温度が高い下地有機層の効果で良好なガスバリア性をしめしている。また、ポリカーボネートを有するプライマ層を厚くした実施例7は、密着性は若干低いが、プライマの効果によって、より黄変が抑制されている。
これに対し、プライマ層を有さない比較例1は、ガスバリア性および密着性ともに不十分で、黄変も大きく発生している。
また、プライマ層がポリカーボネートを含有しないアクリルである比較例2〜4は、ガスバリア性および有機層16の密着性は良好であるが、紫外線の照射による支持体の黄変が強く生じている。
さらに、プライマ層がアクリルを有さないウレタン系の材料である比較例5は、アクリルである下地有機層との間で剥離が生じて密着性が低く、かつ、紫外線の照射による支持体の黄変が強く生じている。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
有機EL素子や太陽電池等に好適に利用可能である。
10,20ガスバリアフィルム
12 支持体
14 プライマ層
16 有機層
18 無機層

Claims (8)

  1. リタデーション値が20nm以下である支持体と、前記支持体の一方の表面に形成されるプライマ層と、前記支持体の前記プライマ層の形成面側に形成される、無機層および前記無機層の下地となる有機層の組み合わせの1組以上と、を有し、
    前記支持体は、L * * * 表色系におけるa * の値が−0.3〜0、および、b * の値が0.5未満の、両者を満たすか、a * の値が−1〜0.5、および、b * の値が0.5以上1.5未満の、いずれかを満たし、
    前記有機層が(メタ)アクリルポリマ層であり、前記プライマ層の表面には前記有機層が形成され、かつ、前記プライマ層が、アクリルポリマを主鎖とし、側鎖として、末端がポリカーボネート基のウレタンポリマおよび末端がポリカーボネート基のウレタンオリゴマの少なくとも一方を有するグラフト共重合体を有することを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記支持体がシクロオレフィンポリマもしくはシクロオレフィンコポリマである請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記有機層が、3官能以上の(メタ)アクリル化合物の重合体であり、かつ、ガラス転移温度が220℃以上である請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記グラフト共重合体は、重量平均分子量が30000以上であり、前記プライマ層は、ガラス転移温度が50℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記支持体の有機層および無機層が形成される側の面において、前記支持体から最も離間する層が、厚さが0.5〜5μmの前記有機層である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記プライマ層の厚さが0.01〜0.3μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  7. 前記支持体のガラス転移温度が、前記有機層のガラス転移温度よりも低く、かつ、120℃以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  8. ***表色系におけるa*およびb*が−2〜2である請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
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