JP6467859B2 - 超音波探傷方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一次元アレイ型超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて被探傷材の断面像を生成し、該断面像を用いて欠陥を検出する超音波探傷方法及び装置に関する。特に、本発明は、探傷速度の低下を招くことなく、断面像に生じ得る残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域の影響を低減可能な超音波探傷方法及び装置に関する。
従来より、一次元アレイ型超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて被探傷材の断面像(開口合成像など)を生成し、該断面像を用いて欠陥を検出する超音波探傷方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、被探傷材の断面像を生成して欠陥を検出する従来の超音波探傷方法は、例えば、以下の(1)〜(5)に示す手順で実行される(図1参照)。
(1)一次元アレイ型超音波探触子1が具備する複数の振動子11(図1において、斜線のハッチングを施した振動子、白抜きの振動子、及び、黒で塗りつぶした振動子)の中から、超音波を送信する送信用振動子11T(図1において、斜線のハッチングを施した振動子)と探傷材Bからのエコーを受信する受信用振動子11R(図1において、白抜きの振動子)とからなる振動子群を選択する。
(2)選択した振動子群の送信用振動子11Tから被探傷材Bに向けて超音波を送信し、選択した振動子群の受信用振動子11Rで被探傷材Bからのエコーを受信する。
(3)被探傷材Bからのエコーを選択した振動子群の受信用振動子11Rで受信することで得られる探傷信号に基づき、超音波探触子1に対向する方向の被探傷材Bの部分的断面像Sを生成する。部分的断面像Sの生成には、例えば、開口合成処理が用いられる。
(4)選択する振動子群を順次切り替えて、上記(2)及び(3)の手順を繰り返し実行することで、選択した振動子群毎に部分的断面像Sを生成する。
(5)生成した複数枚の部分的断面像Sを合成することで、一次元アレイ型超音波探触子1に対向する方向の被探傷材Bの全体断面像ASを生成し、生成した全体断面像ASを用いて欠陥を検出する。
ここで、アレイ型ではない通常の超音波探触子を用いた超音波探傷方法では、超音波を繰り返し送信する時間間隔の長短に起因して、探傷波形に残響エコー(ゴースト)が生じ得るという問題がある(例えば、特許文献2、3参照)。
これと同様に、一次元アレイ型超音波探触子を用いて被探傷材の断面像を生成し欠陥を検出する従来の超音波探傷方法においても、選択する振動子群を切り替える時間間隔(選択された各振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時間間隔)の長短に起因して、断面像に残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域が生じ得るという問題がある。
図2は、通常の超音波探触子を用いた超音波探傷方法において、超音波を繰り返し送信する際に得られる探傷波形を模式的に示す図である。図2(a)は超音波を繰り返し送信する時間間隔が短い場合を、図2(b)は超音波を繰り返し送信する時間間隔が長い場合を示す。
図2(a)に示すように、超音波を繰り返し送信する時間間隔が短いと、1回目の送信(送信エコーT)によって生じる多重底面エコー(B 〜B N+2)が十分に減衰する前に、2回目の送信(送信エコーT)が実行されてしまう。この結果、2回目の送信による探傷ゲート内に、1回目の送信によって生じた底面エコー(B N+1)が入り、この底面エコーが残響エコー(ゴースト)となる。残響エコーが一定以上の強度を有すれば、この残響エコーをきずエコーとして誤検出するおそれがある。3回目の送信(送信エコーT)及びそれ以降の送信についても同様である。
これに対し、図2(b)に示すように、超音波を繰り返し送信する時間間隔が長いと、2回目の送信による探傷ゲート内に、1回目の送信によって生じた底面エコーが入ることがない、又は、問題とならない程度に十分に減衰した底面エコーが入るだけである。2回目の送信及びそれ以降の送信についても同様である。従って、残響エコー(ゴースト)の問題は生じないものの、超音波を繰り返し送信する時間間隔が長いため、単位時間に探傷可能な回数が低減し、探傷速度の低下を招くという問題がある。
一次元アレイ型超音波探触子を用いて被探傷材の断面像を生成し欠陥を検出する従来の超音波探傷方法についても同様に、選択する振動子群を切り替える時間間隔(選択された各振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時間間隔)が短ければ、断面像に残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域が生じ、これをきずとして誤検出するおそれがある。一方、選択する振動子群を切り替える時間間隔が長ければ、断面像に残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域が生じ難いものの、探傷速度の低下を招くという問題がある。
例えば、特許文献1に記載の方法では、送信用振動子(圧電素子25)から超音波を送信する時間間隔(Δt)を長く設定することで、残響エコー(ゴースト)の影響を低減している(特許文献1の段落0012)ため、上記のように探傷速度の低下を招くという問題がある。なお、特許文献1では、多重表面エコーによって生じる残響エコーを問題にしているが、図2を参照して説明したように、また、特許文献3に記載のように、多重底面エコーによって生じる残響エコーが問題となる場合もある。また、多重表面エコーによって生じる残響エコー及び多重底面エコーによって生じる残響エコーの双方が問題となる場合もある。
特開2011−203037号公報 特開昭63−252245号公報 特開平5−133944号公報
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、一次元アレイ型超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて被探傷材の断面像を生成し、該断面像を用いて欠陥を検出する超音波探傷方法及び装置であって、探傷速度の低下を招くことなく、断面像に生じ得る残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域の影響を低減可能な超音波探傷方法及び装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、一直線上に配列された複数の振動子を具備する一次元アレイ型超音波探触子を被探傷材に対向して配置し、前記超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて欠陥を検出する超音波探傷方法であって、以下の第1〜第5ステップを含む。
(1)第1ステップ:前記超音波探触子が具備する複数の振動子の中から、超音波を送信する送信用振動子と前記被探傷材からのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択する。
(2)第2ステップ:前記第1ステップで選択した振動子群の送信用振動子から前記被探傷材に向けて超音波を送信し、前記第1ステップで選択した振動子群の受信用振動子で前記被探傷材からのエコーを受信する。
(3)第3ステップ:前記第2ステップにおいて前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号に基づき、前記超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の部分的断面像を生成する。
(4)第4ステップ:順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する。
(5)第5ステップ:前記第4ステップで生成した複数枚の部分的断面像の前記振動子の配列方向についての位置合わせを行った後に、前記複数枚の部分的断面像を構成する各画素の濃度を加算して合成することで、前記一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の全体断面像を生成し、該生成した全体断面像を用いて欠陥を検出する。
そして、本発明は、前記第4ステップにおいて、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なり、なお且つ、前記時間間隔の差が前記被探傷材から受信する残響エコーの持続時間以上となるように、前記探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御することを特徴とする。
本発明によれば、第4ステップにおいて、順次選択され探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群(3組以上の振動子群)のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なるように、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御している。
具体的には、例えば、振動子群A〜D(この順で順次選択される)の4組の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するとすれば、第4ステップで生成される振動子群A〜D毎の部分的断面像(計4枚の部分的断面像)のうち、探傷範囲が重複する部分に相当する画素領域には、いずれの部分的断面像にも同じ残響エコー(例えば、多重底面エコーのいずれか)に相当する画素領域が存在する可能性がある。より具体的には、いずれか一組の振動子群(例えば、振動子群A)の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群(例えば、振動子群B)の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が短ければ、振動子群Bによって得られた部分的断面像のうち、振動子群Aと探傷範囲が重複する部分に相当する画素領域には、振動子群Aの送信用振動子から超音波を送信したことに起因して生じた残響エコーに相当する画素領域が存在する可能性がある。同様に、振動子群Cによって得られた部分的断面像のうち、振動子群A、Bと探傷範囲が重複する部分に相当する画素領域には、振動子群Bの送信用振動子から超音波を送信したことに起因して生じた残響エコーに相当する画素領域が存在する可能性がある。また、振動子群Dによって得られた部分的断面像のうち、振動子群A〜Cと探傷範囲が重複する部分に相当する画素領域には、振動子群Cの送信用振動子から超音波を送信したことに起因して生じた残響エコーに相当する画素領域が存在する可能性がある。
例えば、残響エコーが多重底面エコーのいずれかであるとすれば、振動子群A〜Dのうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から、次に選択される振動子群の受信用振動子で残響エコーを受信する時点までの経過時間は、ほぼ同等である。
しかしながら、本発明では、前述のように、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なるものとなるように制御している。具体的には、振動子群Aの送信用振動子から超音波を送信した時点から振動子群Bの送信用振動子から超音波を送信した時点までの時間間隔をC、振動子群Bの送信用振動子から超音波を送信した時点から振動子群Cの送信用振動子から超音波を送信した時点までの時間間隔をC、振動子群Cの送信用振動子から超音波を送信した時点から振動子群Dの送信用振動子から超音波を送信した時点までの時間間隔をCとすると、C≠C≠Cとなるように、振動子群A〜Dの各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御している。このため、振動子群A〜Dのうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から、次に選択される振動子群の受信用振動子で残響エコーを受信する時点までの経過時間がほぼ同等であったとしても、次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から、当該振動子群の受信用振動子で残響エコーを受信する時点までの経過時間には、上記時間間隔C〜Cの差に応じたズレが生じることになる。従い、各振動子群A〜Dによって得られた部分的断面像における残響エコーに相当する画素領域の位置(部分的断面像における超音波伝搬方向(図1のY方向)に沿った位置)には、上記時間間隔C〜Cの差に応じたズレが生じることになる。
しかも、前述のように、本発明によれば、時間間隔の差(例えば、C−C)が被探傷材から受信する残響エコーの持続時間以上となるように制御している。このため、各振動子群A〜Dによって得られた部分的断面像における残響エコーに相当する画素領域の位置(部分的断面像における超音波伝搬方向に沿った位置)が互いに重ならない程度にずれることになる。なお、残響エコーの持続時間は実験的に求めることが可能である。
一方、振動子群A〜Dの探傷範囲が互いに重複する部分にきずが存在する場合、各振動子群A〜Dによって得られた部分的断面像におけるきずに相当する画素領域の位置(部分的断面像における超音波伝搬方向に沿った位置)は、いずれの部分的断面像についてもほぼ同じとなる。
従って、第5ステップにおいて、複数枚の部分的断面像を合成する(各部分的断面像の振動子配列方向(図1のX方向)の位置合わせを行った後、各部分的断面像を構成する画素の濃度を加算する)ことで被探傷材の全体断面像を生成すれば、全体断面像におけるきずに相当する画素領域の濃度は、きずに相当する画素領域の位置がほぼ同じであるため積算されて大きくなる一方、残響エコーに相当する画素領域の濃度は、画素領域の位置がずれているため積算されない。
このため、全体断面像のS/N比(S:きずに相当する画素領域の濃度、N:残響エコーに相当する画素領域の濃度)が高まり、残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域の影響を低減可能である。
以上のように、本発明によれば、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔を短くすることで、各部分的断面像に残響エコーに相当する画素領域が生じたとしても、その位置が各部分的断面像において異なるものになるため、部分的断面像を合成して生成した全体断面像においては、残響エコーに相当する画素領域の影響を低減可能である。すなわち、本発明によれば、探傷速度の低下を招くことなく、断面像に生じ得る残響エコーに相当する画素領域の影響を低減可能である。
なお、本発明において、好ましくは、前記第3ステップは、前記選択した振動子群の探傷範囲内にある領域の座標空間を複数のメッシュに分割する第3−1ステップと、前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号のうち、前記選択した振動子群の送信用振動子から前記複数のメッシュのうち注目メッシュまでの超音波の伝搬経路と、前記注目メッシュから前記選択した振動子群の受信用振動子までの超音波の伝搬経路とを伝搬する時間に相当する探傷信号の値を前記注目メッシュに入力する第3−2ステップと、前記第3−2ステップを前記選択した振動子群の送信用振動子及び受信用振動子の全ての組み合わせについて実行し、前記探傷信号の値を前記注目メッシュに加算して入力する第3−3ステップと、前記第3−2ステップ及び前記第3−3ステップを前記複数のメッシュの全てに対して実行することで、前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3−4ステップと、を含む。
さらに、本発明において、好ましくは、前記第4ステップにおいて、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する。
また、前記課題を解決するため、本発明は、被探傷材に対向して配置され、一直線上に配列された複数の振動子を具備する一次元アレイ型超音波探触子と、前記超音波探触子を制御すると共に、前記超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて欠陥を検出する制御信号処理手段とを備える超音波探傷装置であって、前記制御信号処理手段は、前記超音波探触子が具備する複数の振動子の中から、超音波を送信する送信用振動子と前記被探傷材からのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択する第1ステップと、前記第1ステップで選択した振動子群の送信用振動子から前記被探傷材に向けて超音波を送信させ、前記第1ステップで選択した振動子群の受信用振動子で前記被探傷材からのエコーを受信させる第2ステップと、前記第2ステップにおいて前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号に基づき、前記超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3ステップと、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する第4ステップと、前記第4ステップで生成した複数枚の部分的断面像の前記振動子の配列方向についての位置合わせを行った後に、前記複数枚の部分的断面像を構成する各画素の濃度を加算して合成することで、前記一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の全体断面像を生成し、該生成した全体断面像を用いて欠陥を検出する第5ステップとを実行し、前記第4ステップにおいて、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なり、なお且つ、前記時間間隔の差が前記被探傷材から受信する残響エコーの持続時間以上となるように、前記探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御することを特徴とする超音波探傷装置としても提供される。
なお、本発明において、好ましくは、前記制御信号処理手段は、前記第3ステップにおいて、前記選択した振動子群の探傷範囲内にある領域の座標空間を複数のメッシュに分割する第3−1ステップと、前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号のうち、前記選択した振動子群の送信用振動子から前記複数のメッシュのうち注目メッシュまでの超音波の伝搬経路と、前記注目メッシュから前記選択した振動子群の受信用振動子までの超音波の伝搬経路とを伝搬する時間に相当する探傷信号の値を前記注目メッシュに入力する第3−2ステップと、前記第3−2ステップを前記選択した振動子群の送信用振動子及び受信用振動子の全ての組み合わせについて実行し、前記探傷信号の値を前記注目メッシュに加算して入力する第3−3ステップと、前記第3−2ステップ及び前記第3−3ステップを前記複数のメッシュの全てに対して実行することで、前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3−4ステップと、を実行する。
また、本発明において、好ましくは、前記被探傷材は、前記被探傷材の長手方向に搬送され、前記超音波探触子が具備する複数の振動子は、前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に配列され、前記制御信号処理手段は、前記第4ステップにおいて、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する。
以上に説明したように、本発明によれば、探傷速度の低下を招くことなく、断面像に生じ得る残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域の影響を低減可能である。
図1は、被探傷材の断面像を生成して欠陥を検出する従来の超音波探傷方法の一例を模式的に説明する図である。 図2は、通常の超音波探触子を用いた超音波探傷方法において、超音波を繰り返し送信する際に得られる探傷波形を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成を示す模式図である。 図4は、図3に示す超音波探傷装置で実行する超音波探傷方法を模式的に説明する図である。 図5は、図3に示す超音波探傷装置で実行する開口合成処理の概要を説明する図である。 図6は、図3に示す超音波探傷装置において、一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔に応じて、残響エコーに相当する画素領域の位置が変化する一方、きずに相当する画素領域の位置が変化しないことを確認した結果を示す図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係る超音波探傷方法及び装置の一実施形態について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成を示す模式図である。また、図4は、図3に示す超音波探傷装置で実行する超音波探傷方法を模式的に説明する図である。なお、図4に示す探傷波形は、順次選択される各振動子群のいずれかの受信用振動子で得られた探傷波形を時間軸を合わせて繋いだものを模式的に示している。
図3に示すように、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、被探傷材(例えば、鋼片)Bに対向して配置され、一直線上に配列された複数の振動子11を具備する一次元アレイ型超音波探触子1と、超音波探触子1を制御すると共に、超音波探触子1から出力される探傷信号に基づいて欠陥を検出する制御信号処理手段2とを備えている。本実施形態では、被探傷材Bは長手方向(図3の白抜き矢符の方向)に搬送され、超音波探触子1が具備する複数の振動子11は、この被探傷材Bの搬送方向に直交する方向に配列されている。そして、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、被探傷材Bが搬送される距離に応じてパルス信号を出力(例えば、1パルス/10mm)するパルスジェネレータ(PLG)3を備えている。例えば、1パルス/10mmの出力のPLG3を用い、被探傷材Bの搬送速度を500mm/secとすると、PLG3からは、20msec毎にパルス信号が出力されることになる。
制御信号処理手段2は、送受信制御/画像化手段21と、CH(チャンネル)切替器22と、タイミング発生器23とを具備する。
送受信制御/画像化手段21は、各振動子11による超音波の送受信を制御するパルサーやレシーバを具備する。また、各振動子11から出力された探傷信号をA/D変換するA/D変換器、A/D変換された探傷データを記録する波形メモリ、波形メモリに記録された探傷データに対して開口合成処理を施して断面像を生成するプログラム等を具備する。
CH切替器22は、超音波探触子1が具備する複数の振動子11の中から、超音波を送信する送信用振動子と被探傷材Bからのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択すると共に、この選択する振動子群を順次切り替えるための制御信号を出力する。
タイミング発生器23は、PLG3の出力信号をトリガーとして、CH切替器22による振動子群の切り替えタイミングを決定するタイミング信号を出力する。CH切替器22は、タイミング発生器23から出力されるタイミング信号に同期して、選択する振動子群を順次切り替えるための制御信号を送受信制御/画像化手段21に出力する。送受信制御/画像化手段21は、CH切替器22から出力される制御信号に同期して、各振動子11による超音波の送受信制御や断面像の生成を実行する。
以下、上記の構成を有する超音波探傷装置100で実行する超音波探傷方法について説明する。
図4に示すように、制御信号処理手段2は、PLG3の出力信号をトリガーとして探傷を開始し、超音波探触子1が具備する複数の振動子11の中から、超音波を送信する送信用振動子と被探傷材Bからのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択する(本発明の第1ステップに相当)。
例えば、1個の送信用振動子(この送信用振動子は受信用振動子としても用いる)、及び、この送信用振動子の両側に配列された10個ずつの受信用振動子(計21個の振動子11)が1組の振動子群として選択される。ただし、送信用振動子の両側に振動子11が10個ずつ存在しなければ、存在する振動子11のみが受信用振動子とされる。
次に、制御信号処理手段2は、第1ステップで選択した振動子群の送信用振動子から被探傷材Bに向けて超音波を送信させ、第1ステップで選択した振動子群の受信用振動子で被探傷材Bからのエコーを受信させる(本発明の第2ステップに相当)。
そして、制御信号処理手段2は、第2ステップにおいて被探傷材Bからのエコーを選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号に基づき、超音波探触子1に対向する方向の被探傷材Bの部分的断面像Sを生成する(本発明の第3ステップに相当)。
制御信号処理手段2(具体的には、送受信制御/画像化手段21)による部分的断面像Sの生成は、前述のように、探傷データに対して開口合成処理を施すことによって実行される。
以下、開口合成処理の概要について説明する。
図5は、図3に示す超音波探傷装置で実行する開口合成処理の概要を説明する図である。
図5に示すように、開口合成処理に際しては、超音波探触子1に対向する方向の被探傷材Bの断面のうち、選択した振動子群の探傷範囲内にある領域の座標空間(XY座標)がメッシュに分割される。そして、各メッシュに送受信制御/画像化手段21が具備する波形メモリに記録された探傷データの値を入力する。入力する値を決定するに際しては、まず、選択した振動子群の受信用振動子(例えば、21個)のうち、注目する受信用振動子(図5では、振動子Ra及びRb)を決定する。そして、送信用振動子(図5では、振動子P)から注目するメッシュまでの超音波の伝搬経路WIと、当該注目メッシュから受信用振動子Ra及びRbまでの超音波の伝搬経路WRa及びWRbを決定する。これら伝搬経路WI、WRa及びWRbの決定は、振動子P、Ra及びRbと被探傷材Bとの位置関係や、接触媒質及び被探傷材Bにおける音速等に基づき、振動子P、Ra及びRbと被探傷材Bへの超音波の入射点又は出射点とを結ぶ伝搬経路と、被探傷材Bへの超音波の入射点又は出射点と注目メッシュとを結ぶ伝搬経路とが、スネルの法則又はフェルマーの定理を満足するように、超音波の入射点又は出射点を選択することによって行われる。そして、前記波形メモリに記録された受信用振動子Raでの探傷データのうち、伝搬経路WI及びWRaを伝搬する時間(Ta)に相当するデータの値を取得して、注目メッシュに入力する。また、前記波形メモリに記録された受信用振動子Rbでの探傷データのうち、伝搬経路WI及びWRbを伝搬する時間(Tb)に相当するデータの値を取得して、同じ注目メッシュに入力する(加算する)。
以上に述べた処理を、選択した振動子群の送信用振動子及び全ての受信用振動子の組み合わせについて行うことにより、注目メッシュに入力される探傷データの値が決定する。そして、この処理を全てのメッシュに対して行うことにより、断面の開口合成像が生成される。この生成された開口合成像が被探傷材Bの部分的断面像Sとされる。
次に、図4に示すように、制御信号処理手段2は、前記第1ステップで選択する振動子群を順次切り替えて、前記第2ステップ(選択した振動子群からの超音波の送受信)及び前記第3ステップ(部分的断面像Sの生成)を繰り返し実行することで、選択した振動子群毎に部分的断面像Sを生成する(本発明の第4ステップに相当)。図4に示す例では、1組目の振動子群からM組目の振動子群まで順次切り替え、振動子群毎に部分的断面像S(S〜S)を生成している。制御信号処理手段2による振動子群の切り替えは、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するようになされる。例えば、前述のように、1個の送信用振動子とその両側に配列された10個ずつの受信用振動子を1組の振動子群として選択する場合、送信用振動子を3個ずつずらし、これに応じて受信用振動子も3個ずつずらして選択することで、振動子群の切り替えが行われる。
最後に、制御信号処理手段2は、第4ステップで生成した複数枚の部分的断面像S(S〜S)を合成する。部分的断面像Sの合成は、各部分的断面像Sの振動子配列方向(図4のX方向)の位置合わせを行った後(各部分的断面像のX方向のズレ量は、各振動子群のX方向のズレ量に相当するため、位置合わせを行うことが可能である)、各部分的断面像Sを構成する画素の濃度を加算すればよい。制御信号処理手段2は、上記のように、複数枚の部分的断面像S(S〜S)を合成することで、超音波探触子1に対向する方向の被探傷材Bの全体断面像ASを生成し、該生成した全体断面像ASを用いて欠陥を検出する(本発明の第5ステップに相当)。欠陥を検出するには、全体断面像ASに対して2値化等の公知の画像処理を適用すればよい。
ここで、選択する振動子群を順次切り替えて、選択した振動子群毎に部分的断面像S(S〜S)を生成する(本発明の第4ステップ)に際して、制御信号処理手段2は、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なり、なお且つ、前記時間間隔の差が被探傷材Bから受信する残響エコーの持続時間以上となるように、前記探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御する。
すなわち、i組目の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から、次に選択される(i+1)組目の振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔をCとすると、少なくとも探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群についてCは全て異なるものとなるように制御される(全ての振動子群についてCを全て異なるものとすることも可能である)。さらに、時間間隔の差(Ci+1−C)が被探傷材Bから受信する残響エコーの持続時間以上となるように制御される。
残響エコーの持続時間は実験的に求めることが可能である。例えば、上記時間間隔の差を探傷周波数によって決まる超音波の波長の10波相当以上の時間に設定すれば、この設定した時間間隔の差は残響エコーの持続時間以上になると考えられる。探傷周波数が3MHzであるとすれば、波長の10波相当の時間は0.33μsec×10=3.3μsecであるため、例えば、上記時間間隔の差は4μsecに設定すれば良い。また、例えば、選択する振動子群が全部で21組で、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群が11組である場合、C=320μsec、C=324μsec、C=328μsec、・・・、C10=356μsec、C11=320μsec、C12=324μsec、・・・、C20=356μsecとすれば、少なくとも探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群についてCは全て異なるものとなり、時間間隔の差(Ci+1−C)が被探傷材Bから受信する残響エコーの持続時間以上となるという条件を満足することが可能である。なお、各Cの値は、制御信号処理手段2が具備するタイミング発生器23に予め設定されており、タイミング発生器23が各Cの値に応じたタイミング信号をCH切替器22に出力することで、選択する振動子群は各Ciの値に応じた時間間隔で順次切り替えられる。
なお、上記の例では、C〜C20の合計時間が6.76msecとなり、部分的断面像Sや全体断面像ASの生成に要する時間を含めても、20msec以内に十分収めることが可能である。従い、PLG3から20msec毎にパルス信号が出力される場合、パルス信号が出力される毎に、制御信号処理手段2は上記の動作を繰り返し実行することが可能である。換言すれば、前述のように、PLG3の出力が1パルス/10mmであり、被探傷材Bの搬送速度が500mm/secであれば、被探傷材Bが搬送方向に10mm進む毎に、被探傷材Bの断面を探傷可能である。
以上に説明した本実施形態に係る超音波探傷装置100及びこれを用いた超音波探傷方法によれば、少なくとも探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群について、いずれか一組の振動子群(i組目の振動子群)の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群((i+1)組目の振動子群)の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔Cが全て異なるものとなるように制御している。このため、いずれか一組の振動子群(i組目の振動子群)の送信用振動子から超音波を送信した時点から、次に選択される振動子群((i+1)組目の振動子群)の受信用振動子で残響エコーを受信する時点までの経過時間がほぼ同等であったとしても、次に選択される振動子群((i+1)組目の振動子群)の送信用振動子から超音波を送信した時点から、当該振動子群((i+1)組目の振動子群)の受信用振動子で残響エコーを受信する時点までの経過時間には、上記時間間隔Cの差に応じたズレが生じることになる。従い、各振動子群によって得られた部分的断面像Sにおける残響エコーに相当する画素領域の位置(部分的断面像Sにおける超音波伝搬方向(図4のY方向)に沿った位置)には、上記時間間隔Cの差に応じたズレが生じることになる。
しかも、本実施形態に係る超音波探傷装置100及びこれを用いた超音波探傷方法によれば、時間間隔Cの差が被探傷材Bから受信する残響エコーの持続時間以上となるように制御している。このため、各振動子群によって得られた部分的断面像Sにおける残響エコーに相当する画素領域の位置(部分的断面像Sにおける超音波伝搬方向に沿った位置)が互いに重ならない程度にずれることになる。
一方、振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分にきずが存在する場合、各振動子群によって得られた部分的断面像Sにおけるきずに相当する画素領域の位置(部分的断面像Sにおける超音波伝搬方向に沿った位置)は、いずれの部分的断面像Sについてもほぼ同じとなる。
従って、複数枚の部分的断面像Sを合成することで被探傷材Bの全体断面像ASを生成すれば、全体断面像ASにおけるきずに相当する画素領域の濃度は、きずに相当する画素領域の位置がほぼ同じであるため積算されて大きくなる一方、残響エコーに相当する画素領域の濃度は、画素領域の位置がずれているため積算されない。
このため、全体断面像SAのS/N比(S:きずに相当する画素領域の濃度、N:残響エコーに相当する画素領域の濃度)が高まり、残響エコー(ゴースト)に相当する画素領域の影響を低減可能である。
図6は、図3に示す超音波探傷装置において、一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔に応じて、残響エコーに相当する画素領域の位置が変化する一方、きずに相当する画素領域の位置が変化しないことを確認した結果を示す図である。図6(a)は確認試験の概要を、図6(b)は全ての振動子群について時間間隔を320μsecとした場合に得られた全体断面像ASを、図6(c)は全ての振動子群について時間間隔を324μsecとした場合に得られた全体断面像ASを、図6(d)は全ての振動子群について時間間隔を1000μsecとした場合に得られた全体断面像ASを示す。なお、図6(b)〜(d)に示す全体断面像ASは、図6(a)に示す破線で囲まれた領域を探傷領域として得られたものである。
図6(b)と図6(c)とを比較すれば分かるように、残響エコーに相当する画素領域の位置(全体断面像ASにおける超音波伝搬方向(図6のY方向)に沿った位置)には、時間間隔の差に応じたズレが生じている。また、時間間隔の差を4μsec(探傷周波数が3MHzである場合に、超音波の波長の10波相当の時間である3.3μsec以上)とすることにより、残響エコーに相当する画素領域の位置(全体断面像ASにおける超音波伝搬方向に沿った位置)が互いに重ならない程度にずれている。一方、きずに相当する画素領域の位置(全体断面像ASにおける超音波伝搬方向に沿った位置)は、ほぼ同じとなっている。
なお、図6(d)に示すように、時間間隔を大きくすれば、残響エコーに相当する画素領域が生じないことが分かる。ただし、この場合には探傷速度の低下を招く。
以上の確認試験の結果からも、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群について、時間間隔Cを全て異なるものとし、なお且つ、時間間隔Cの差が被探傷材Bから受信する残響エコーの持続時間以上となるように制御している本実施形態に係る超音波探傷装置100及びこれを用いた超音波探傷方法によれば、全体断面像SAのS/N比が高まり、残響エコーに相当する画素領域の影響を低減可能であることが分かる。
以上のように、本実施形態に係る超音波探傷装置100及びこれを用いた超音波探傷方法によれば、探傷速度の低下を招くことなく、断面像(全体断面像SA)に生じ得る残響エコーに相当する画素領域の影響を低減可能である。
1・・・一次元アレイ型超音波探触子
2・・・制御信号処理手段
3・・・PLG
11・・・振動子
100・・・超音波探傷装置
B・・・被探傷材
S・・・部分的断面像
AS・・・全体断面像

Claims (6)

  1. 一直線上に配列された複数の振動子を具備する一次元アレイ型超音波探触子を被探傷材に対向して配置し、前記超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて欠陥を検出する超音波探傷方法であって、
    前記超音波探触子が具備する複数の振動子の中から、超音波を送信する送信用振動子と前記被探傷材からのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択する第1ステップと、
    前記第1ステップで選択した振動子群の送信用振動子から前記被探傷材に向けて超音波を送信し、前記第1ステップで選択した振動子群の受信用振動子で前記被探傷材からのエコーを受信する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号に基づき、前記超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3ステップと、
    順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する第4ステップと、
    前記第4ステップで生成した複数枚の部分的断面像の前記振動子の配列方向についての位置合わせを行った後に、前記複数枚の部分的断面像を構成する各画素の濃度を加算して合成することで、前記一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の全体断面像を生成し、該生成した全体断面像を用いて欠陥を検出する第5ステップとを含み、
    前記第4ステップにおいて、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なり、なお且つ、前記時間間隔の差が前記被探傷材から受信する残響エコーの持続時間以上となるように、前記探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 前記第3ステップは、
    前記選択した振動子群の探傷範囲内にある領域の座標空間を複数のメッシュに分割する第3−1ステップと、
    前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号のうち、前記選択した振動子群の送信用振動子から前記複数のメッシュのうち注目メッシュまでの超音波の伝搬経路と、前記注目メッシュから前記選択した振動子群の受信用振動子までの超音波の伝搬経路とを伝搬する時間に相当する探傷信号の値を前記注目メッシュに入力する第3−2ステップと、
    前記第3−2ステップを前記選択した振動子群の送信用振動子及び受信用振動子の全ての組み合わせについて実行し、前記探傷信号の値を前記注目メッシュに加算して入力する第3−3ステップと、
    前記第3−2ステップ及び前記第3−3ステップを前記複数のメッシュの全てに対して実行することで、前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3−4ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 前記被探傷材は、前記被探傷材の長手方向に搬送され、
    前記超音波探触子が具備する複数の振動子は、前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に配列され、
    前記第4ステップにおいて、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。
  4. 被探傷材に対向して配置され、一直線上に配列された複数の振動子を具備する一次元アレイ型超音波探触子と、前記超音波探触子を制御すると共に、前記超音波探触子から出力される探傷信号に基づいて欠陥を検出する制御信号処理手段とを備える超音波探傷装置であって、
    前記制御信号処理手段は、
    前記超音波探触子が具備する複数の振動子の中から、超音波を送信する送信用振動子と前記被探傷材からのエコーを受信する受信用振動子とからなる振動子群を選択する第1ステップと、
    前記第1ステップで選択した振動子群の送信用振動子から前記被探傷材に向けて超音波を送信させ、前記第1ステップで選択した振動子群の受信用振動子で前記被探傷材からのエコーを受信させる第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号に基づき、前記超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3ステップと、
    順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成する第4ステップと、
    前記第4ステップで生成した複数枚の部分的断面像の前記振動子の配列方向についての位置合わせを行った後に、前記複数枚の部分的断面像を構成する各画素の濃度を加算して合成することで、前記一次元アレイ型超音波探触子に対向する方向の前記被探傷材の全体断面像を生成し、該生成した全体断面像を用いて欠陥を検出する第5ステップとを実行し、
    前記第4ステップにおいて、探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群のうち、いずれか一組の振動子群の送信用振動子から超音波を送信した時点から前記一組の振動子群の次に選択される振動子群の送信用振動子から超音波を送信する時点までの時間間隔が全て異なり、なお且つ、前記時間間隔の差が前記被探傷材から受信する残響エコーの持続時間以上となるように、前記探傷範囲が互いに重複する部分を有する振動子群の各送信用振動子から超音波を送信する時点を制御することを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 前記制御信号処理手段は、前記第3ステップにおいて、
    前記選択した振動子群の探傷範囲内にある領域の座標空間を複数のメッシュに分割する第3−1ステップと、
    前記被探傷材からのエコーを前記選択した振動子群の受信用振動子で受信することで得られる探傷信号のうち、前記選択した振動子群の送信用振動子から前記複数のメッシュのうち注目メッシュまでの超音波の伝搬経路と、前記注目メッシュから前記選択した振動子群の受信用振動子までの超音波の伝搬経路とを伝搬する時間に相当する探傷信号の値を前記注目メッシュに入力する第3−2ステップと、
    前記第3−2ステップを前記選択した振動子群の送信用振動子及び受信用振動子の全ての組み合わせについて実行し、前記探傷信号の値を前記注目メッシュに加算して入力する第3−3ステップと、
    前記第3−2ステップ及び前記第3−3ステップを前記複数のメッシュの全てに対して実行することで、前記被探傷材の部分的断面像を生成する第3−4ステップと、
    を実行することを特徴とする請求項4に記載の超音波探傷装置。
  6. 前記被探傷材は、前記被探傷材の長手方向に搬送され、
    前記超音波探触子が具備する複数の振動子は、前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に配列され、
    前記制御信号処理手段は、前記第4ステップにおいて、順次選択される3組以上の振動子群の探傷範囲が互いに重複する部分を有するように前記第1ステップで選択する振動子群を前記被探傷材の搬送方向に直交する方向に順次切り替えて、前記第2ステップ及び前記第3ステップを繰り返し実行することで、前記選択した振動子群毎に部分的断面像を生成することを特徴とする請求項5に記載の超音波探傷装置。
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