JP6467289B2 - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は撮像装置およびその制御方法に関し、特には自動焦点検出(AF)技術に関する。
近年の撮像装置には自動焦点検出(AF)機能が搭載されているが、AF機能が苦手とするシーンがある。そのため、AF機能が苦手とするシーン、例えば、星空シーンの撮影を行うモードが設定された場合には、AF機能を用いずに、あらかじめ決められた無限遠位置にフォーカスレンズを駆動する撮像装置が知られている(特許文献1)。
特開平4−15629号公報 特開2014−2197号公報
しかしながら、予め設定された無限遠位置にフォーカスレンズを駆動する構成では、経年変化や環境温度、カメラ姿勢の変化による無限遠位置のずれに対応できないため、合焦度の高い画像が得られない場合がある。
本発明はこのような従来技術の課題の1つ以上を改善するためになされたものであり、輝度やコントラストの低いシーンでの焦点検出精度を改善した撮像装置およびその制御方法の提供を目的とする。
上述の目的は、撮影光学系の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能な撮像素子と、撮像素子から画像信号を取得する取得手段と、画像信号に基づく1対の焦点検出信号を生成する生成手段と、1対の焦点検出信号の相関量に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を算出する算出手段と、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点調節を行う駆動手段と、を有する撮像装置であって、生成手段が、少なくとも瞳分割方向において撮像素子の空間分解能に等しい分解能を有し、瞳分割方向と異なる方向において間引きが行われていない画像信号に基づいて1対の焦点検出信号を生成する第1の焦点検出モードと、生成手段が、瞳分割方向および異なる方向において撮像素子の空間分解能より低い分解能を有する画像信号に基づいて1対の焦点検出信号を生成する第2の焦点検出モードと、を有することを特徴とする撮像装置によって達成される。
このような構成により本発明によれば、輝度やコントラストの低いシーンでの焦点検出精度を改善した撮像装置およびその制御方法の提供することができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの機能構成例を示す図 図1の撮像素子107における撮像画素と焦点検出画素の配置例を模式的に示す図 図2に示した撮像画素の構成を模式的に示した平面図および断面図 図3に示した画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図 (a)は実施形態の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した図、(b)は実施形態におけるデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の関係を示す図 本発明の第1実施形態における焦点検出処理のフローチャート 本発明の実施形態におけるデフォーカス量算出処理を説明するためのフローチャート 実施形態における第1の読み出しモードの読み出しと、輝度信号への変換方法を模式的に示す図 結像光学系の射出瞳距離と撮像素子の設定瞳距離との差が像高の大きな画素における瞳分割に与える影響を模式的に示した図 実施形態で適用するフィルタ処理で適用する帯域通過フィルタの周波数特性の例を示す図 本発明の第2実施形態における閾値処理のフローチャート 本発明の第3実施形態における焦点検出処理のフローチャート
●(第1実施形態)
以下、本発明の例示的な実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、本発明を撮像装置の一例としてのデジタルカメラに適用した例について説明する。しかしながら、本発明は撮像機能を有する任意の装置や機器に適用可能であり、このような装置や機器としては例えば携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、ゲーム機などがあるが、これらに限定されない。
[デジタルカメラの構成]
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100のうち、焦点検出動作に係る主な構成要素の例を模式的に示した図である。なお、焦点検出動作は図1に示していない、一般的なデジタルカメラが有する構成要素の1つ以上が用いられてもよい。撮影光学系101は、画角を変更するための変倍レンズとその駆動機構、焦点光学系であるフォーカスレンズ102とその駆動機構、絞りとその駆動機構を含む。撮影光学系101はデジタルカメラ100から着脱可能な構成であってもよい。撮影光学系101からの入射光はCCDもしくはCMOSイメージセンサである撮像素子103により電気信号(画像信号)に変換される。後述するように、撮像素子103は像面位相差AFを実施可能な構成を有している。
なお、本実施形態において撮像素子103には特定の繰り返しパターンを有するカラーフィルタ、具体的には、原色ベイヤーパターンのカラーフィルタが設けられているものとする。撮像素子103の各画素には、パターンを構成する色成分(赤、緑、青)のうちの1色に対応したカラーフィルタが割り当てられている。以下では、割り当てられているカラーフィルタの色を画素の色として説明したり、同じ色のカラーフィルタが割り当てられている画素を同色画素もしくは同じ色成分の画素と呼んだりすることがある。
画像信号にはA/D変換などが行われた後、信号読み出し部105によって読み出される。信号読み出し部105は、制御部110の設定する読み出しモードに従い、撮像素子103の水平および垂直読み出し回路などに与えるタイミング信号を生成し、撮像素子103から画像信号を読み出す。信号読み出し部105と制御部110は撮像素子103から画像信号を取得する取得手段を構成する。
AF信号生成部106は、信号読み出し部105が撮像素子103から読み出した画像信号から、1対の視差信号である第1および第2焦点検出信号を生成する。信号読み出し部105とAF信号生成部106は、画像信号に基づく1対の焦点検出信号を生成する生成手段を構成する。補正部107は、第1および第2焦点検出信号に、撮影光学系101の光学特性によって生じるシェーディングの補正処理およびフィルタ処理を適用する。焦点検出部108は、第1および第2焦点検出信号の相関量を算出し、撮影光学系101のピントずれの量と方向を表すデフォーカス量に変換する。
駆動制御部109は、焦点検出部108が算出したデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ102を駆動する。
例えばレリーズボタンを半押しされるなど、撮影準備動作の開始指示が入力されると、AF信号生成部106は、例えば設定されている焦点検出領域内の画素から読み出された画像信号から第1および第2焦点検出信号を生成し始める。また、制御部110は、焦点検出領域内の画素から読み出された画像信号に基づいてAE処理を行う。
操作部104はユーザが設定や指示をデジタルカメラ100に与えるための入力デバイス群であり、レリーズボタン、メニューボタン、方向キー、決定ボタン、電源スイッチ、タッチパネルなどが含まれる。操作部104の状態や操作は制御部110に入力され、制御部110は操作部104の状態や操作に応じた動作を実現するような制御を行う。
本実施形態では撮影モードを設定するためのモードダイヤル1041が操作部104に含まれている。後述するように、設定された撮影モードに応じて制御部110は信号読み出し部105やAF信号生成部106の処理を変更する。また、本実施形態のデジタルカメラ100は、撮影モードとして「星空撮影モード」を有している。
フォーカスレンズ102の駆動制御が完了したのち、レリーズボタンが全押しされるなど、撮影動作の開始指示が入力されると、制御部110は撮像素子103による電荷蓄積時間や絞りの動作を制御して撮影動作を実行する。撮影された画像は例えば制御部110によって記録用の処理を適用し、例えばメモリカードのような不揮発性記録媒体に記録する。
なお、信号読み出し部105、AF信号生成部106、補正部107、焦点検出部108、駆動制御部109、および制御部110は、例えばCPUやMPUなどのプログラマブルプロセッサ(以下、CPUとよぶ)120がソフトウェアを実行して実現してもよい。あるいは、信号読み出し部105、AF信号生成部106、補正部107、焦点検出部108、駆動制御部109、および制御部110の1つ以上がASIC、FPGA、CPLDなどのハードウェア回路から構成されてもよい。以下では、少なくとも、各部を制御することによってデジタルカメラ100の機能を実現する制御部110が、CPU120がソフトウェアを実行することによって実現されるものとする。
[撮像素子]
図2は、撮像素子103における撮像画素と焦点検出画素の配置例を模式的に示す図であり、撮像画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。撮像素子103は、撮影光学系101の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能に構成されている。具体的には、各撮像画素の光電変換領域が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換領域が焦点検出用画素として機能する。従って、図2においては、焦点検出画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
本実施形態において、図2の左上の2×2の画素群200は、撮像素子103に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。また、図2の右上の画素に代表的に示すように、各撮像画素は、横2×縦1に等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1焦点検出画素201、右半分の光電変換部が第2焦点検出画素202として利用可能である。撮像画素として利用する場合には、2つの光電変換部で得られた信号を加算した信号を撮像信号として用いる。
図2に示した4×4の撮像画素(8×4焦点検出画素)の配列を撮像素子103の撮像面に多数配置することにより、撮像画像を取得しつつ、画面の様々な位置を焦点検出領域として用いた撮像面位相差検出方式の焦点検出を行うことができる。本実施形態では、撮像画素のピッチ(周期)Pが縦横とも4μmで、画素数Nは、横5575×縦3725=約2075万画素であるものとする。また、焦点検出画素の縦方向のピッチPは撮像画素と同じであるが、横方向のピッチPAFは2μmであり、従って焦点検出画素数NAFが横11150×縦3725=約4150万画素であるものとする。
図2に示した1つの撮像画素(ここでは200Gとする)を、撮像素子の受光面側(+z側)から見た平面図を図3(a)に示し、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図3(b)に示す。
図3に示すように、本実施形態の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にN分割(2分割)、y方向にN分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。
光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしてもよい。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が形成される。また、必要に応じて、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202とでカラーフィルタの分光透過率を変えても良いし、カラーフィルタを省略してもよい。
図3に示した画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301と光電変換部302で受光される。
光電変換部301と光電変換部302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層に蓄積され、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層300を通じて撮像素子103の外部へ排出される。
光電変換部301と光電変換部302のn型層に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図3に示した本実施形態の画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図を図4に示す。図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
図4で、第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
図4で、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
また、図4で、瞳領域500は、光電変換部301と光電変換部302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を合わせた、画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
本実施形態の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した概略図を図5(a)に示す。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子の各(撮像)画素に、撮像面800からそれぞれ異なる角度で入射し、2×1分割された光電変換部301および302で受光される。なお、本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されているが、必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行ってもよい。
撮像素子103には、結像光学系の第1瞳部分領域501を通過する光束を受光する第1焦点検出画素201と、第1瞳部分領域と異なる結像光学系の第2瞳部分領域502を通過する光束を受光する第2焦点検出画素202を有する撮像画素が配列されている。従って、撮像画素は、結像光学系の第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502を合わせた瞳領域500を通過する光束を受光する。
なお、撮像素子103が有する全ての画素が複数の光電変換部を有するのではなく、撮像画素、第1焦点検出画素、第2焦点検出画素を個別の画素構成としてもよい。あるいは、光電変換部を1つ有する撮像画素と、光電変換部を2つ有する(撮像画素としても使用可能な)焦点検出画素とが配置されても良い。
本実施形態では、AF信号生成部106が、複数の第1焦点検出画素201で得られる信号から第1焦点検出信号を生成し、複数の第2焦点検出画素202から得られる信号から第2焦点検出信号を生成する。そして、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号とを用いて、焦点検出部108が焦点検出を行う。また、撮像素子の撮像画素ごとに第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で得られる信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
[デフォーカス量と像ずれ量の関係]
以下、本実施形態の撮像素子により取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係について説明する。
図5(b)に、デフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図を示す。撮像面800に撮像素子103(不図示)が配置され、図4、図5(a)と同様に、結像光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dの大きさ|d|は、被写体の結像位置から撮像面800までの距離である。また、デフォーカス量dが負(d<0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体側にある前ピン状態、正(d>0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体の反対側にある後ピン状態を意味する。そして、被写体の結像位置が撮像面800にある合焦状態で、デフォーカス量dの大きさは0となる。図5(a)で、被写体801は合焦状態(d=0)にあり、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)と呼ぶ。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、撮像面800より被写体側の位置で一度集光する。そして、その後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、それを受光する複数の画素のそれぞれで第1焦点検出画素201(第2焦点検出画素202)により電気信号に変換される。そして、第1焦点検出画素201群(第2焦点検出画素202群)の信号から第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)が、AF信号生成部106により生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。
被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加する。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加していく。後ピン状態(d>0)の場合、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となることをのぞき、デフォーカス量の大きさ|d|と被写体像のボケ幅、像ずれ量pとの関係は同様である。
したがって、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさの増加に伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。
[焦点検出]
以下、本実施形態における撮像面位相差AFについて説明する。
本実施形態の撮像面位相差AFでは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量を計算し、相関(信号の一致度)が良くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量が増加すると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量が増加する関係性から、像ずれ量をデフォーカス量に変換して焦点検出を行う。
図6は、本実施形態におけるAF処理の概要を説明するためのフローチャートである。上述の通り、AF動作は、撮影準備動作の開始指示の入力に応じて開始される。
S10において、制御部110はモードダイヤル1041によって「星空撮影モード」が選択されているか否かを判定する。ここでは簡単のため、モードダイヤル1041が「星空撮影モード」か「通常モード」を選択可能であるものとするが、他の撮影モードを選択可能であってよい。
なお、本実施形態では、撮影モードがモードダイヤル1041の操作によって設定される場合について説明するが、スイッチ、ボタン、タッチパネル、音声コマンドなど、モードダイヤル1041以外を用いて設定されてもよい。また、撮影者による設定に限らず、たとえば公知の方法を用いたシーン判別結果に応じてデジタルカメラ100が設定する構成であってもよい。例えば輝度のヒストグラムを用いて、星空シーンのような、暗い背景に点光源(高輝度の小被写体)が散在する領域が支配的なシーンであることを自動的に判別するように構成してもよい。
また、星空シーンは輝度やコントラストの低いシーンの代表例であり、必ずしも本発明が星空の撮影に限定されるものではない。基本的に、低輝度の背景に点状(小面積)の高輝度被写体が散在している領域が画面もしくは焦点検出領域の所定の割合以上(例えば半分以上)を占めるようなシーンにおいて本発明の効果は十分に得られる。星空シーン以外の例としては、夜景シーンがある。
制御部110(選択手段)は、S10で「星空撮影モード」が選択されていると判定された場合はS200へ処理を進める。S200では、後述するように、星空撮影モード用のデフォーカス算出処理(第1のデフォーカス算出処理)が実行される。一方、「星空撮影モード」が選択されていない、すなわち「通常モード」が選択されていると判定された場合、制御部110は処理をS100へ進める。S200では、後述するように、通常撮影モード用のデフォーカス算出処理(第2のデフォーカス算出処理)が実行される。
S300では、S100またはS200で算出されたデフォーカス量に基づいて駆動制御部109がフォーカスレンズ102を駆動して撮影光学系101の焦点調節を行い、AF処理を終了する。なお、第1のデフォーカス算出処理で算出されたデフォーカス量に基づいて撮影光学系101の焦点調節を行う焦点検出モードを第1の焦点検出モードと呼ぶ。また、第2のデフォーカス算出処理で算出されたデフォーカス量に基づいて撮影光学系101の焦点調節を行う焦点検出モードを第2の焦点検出モードと呼ぶ。
図7(a)は、図6のS100において実行される、第1のデフォーカス算出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
S102で制御部110は、撮像素子103の空間分解能より低い分解能を有する画像信号を取得する第1の読み出しモードで撮像素子103の読み出しを行うように信号読み出し部105に設定する。第1の読み出しモードでは、撮像素子103の読み出し(水平)方向に隣接する同色画素を3画素ずつ加算する加算処理と、読み出し方向と直交する(垂直)方向には3行ごとに読み出す(1行読み出して2行飛ばす)間引き処理とを行う。第1の読み出しモードでは水平および垂直方向のそれぞれで読み出し画素数が1/3になるため、読み出し時間が短縮できる。信号読み出し部105は、第1の読み出しモードを実現するタイミング信号を生成して撮像素子103に供給し、画像信号を読み出す。なお、水平方向の加算と垂直方向の間引きは、信号読み出し部105で実行してもよい。この場合、読み出し画素数は減少しないが、後段の処理負荷は軽減できる。
図8(a)は、撮像素子103の画素配列のうちの4行20列分と、第1の読み出しモードで読み出される画素との関係を模式的に示している。第1の読み出しモードは1行読み出して2行飛ばす行間引きを行う。ここでは、3×M(M=0以上の整数)行目が読み出し対象行であるものとする。従って、図3では0行目と3行目が読み出し対象行で、1行目と2行目が間引き対象行である。
また、水平方向には同色3画素の加算読み出しを行う、0行目を例にとれば、0,2,4列目のG(緑)画素の信号が、撮像素子103内で加算(平均)されて読み出される。また、同様に3,5,7列目の3つのB(青)画素の信号が加算読み出しされる。1列目のB(青)画素が加算対象とならないのは、加算される画素群の中心画素の位置が等間隔となるようにするためである。3行目におけるR(赤)画素とG(緑)画素の読み出しも0行目と同様であり、1列目のG画素は加算対象にならない。
図8(b)は、水平加算および垂直間引き読み出しされた信号から輝度(Y)信号への変換処理を模式的に示している。図8(a)に示したように、第1の読み出しモードで得られる画像信号はベイヤー配列を維持している。従って、ベイヤー配列の繰り返し単位である水平2画素×垂直2画素の4画素から、1つの輝度(Y)信号を求める。R,G(G1およびG2),Bの値から輝度を求める方法に制限は無く、公知の方法を用いることができる。単純には4画素の平均値を輝度信号値としてもよい。
なお、図8では理解および説明を単純にするため、各画素が撮像画素であるように説明したが、実際には第1焦点検出画素201の出力(A)と、第2焦点検出画素202の出力(B)とは別個に加算や輝度信号への変換が行われる。なお、各画素からは、AとBとを別個に読み出してもよいし、AとBの一方と、和(A+B)とを読み出してもよい。後者の場合、AとBのうち読み出されていない一方(例えばA)については、和(A+B)から、読み出された一方(B)を減じることによって得ることができる。
S120で制御部110は、撮像素子103の有効画素領域に対し、焦点検出領域を設定する。焦点検出領域は固定領域として事前に設定されていてもよいし、顔検出結果などに応じて動的に設定されてもよい。また、複数設定することもできるが、ここでは説明および理解を容易にするため、焦点検出領域は1つであるものとする。
AF信号生成部106は、焦点検出領域内の複数の画素の第1焦点検出画素201の出力から第1焦点検出信号(A像)を、第2焦点検出画素の出力から第2焦点検出信号(B像)を生成する。本実施形態の撮像素子103の画素は水平方向に瞳分割しているため、水平方向に並んだ複数の画素から第1および第2焦点検出信号を生成する。第1および第2焦点検出信号は、補正部107に供給される。
S130で補正部107は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号にシェーディング補正処理を適用する。
ここで、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングについて説明する。図9は、結像光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子の設定瞳距離Dsとの差が像高の大きな(光軸から離れて位置する)画素における瞳分割に与える影響を模式的に示した図である。
図9(a)は、結像光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子103の設定瞳距離Dsが同じ場合を示している。この場合は、像高が小さい(光軸近くに位置する)画素および像高が大きい(光軸から離れて位置する)画素のいずれでも、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、結像光学系の射出瞳400が、概ね均等に瞳分割される。
図9(b)は、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより短い(D1<Ds)場合を示している。この場合、撮像素子の周辺部の画素では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子103の入射瞳とにずれが生じ、結像光学系の射出瞳400が、平面図で示すように不均一に分割されてしまう。
図9(c)は、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより長い(D1>Ds)場合を示している。この場合も、D1<Dsの場合と同様、撮像素子の周辺部の画素では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子103の入射瞳とにずれが生じ、結像光学系の射出瞳400が不均一に分割されてしまう。
瞳分割が不均一になると、第1焦点検出画素と第2焦点検出画素で得られる信号強度に差が生じるため、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度が不均一となる(一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなる)シェーディングが生じる。
S130で補正部107は、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)の絞り値(F値)と、射出瞳距離とに応じて、第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数を、それぞれ生成する。そして、制御部110は、第1シェーディング補正係数を第1焦点検出信号に乗算し、第2シェーディング補正係数を第2焦点検出信号に乗算して、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディング補正処理を行う。焦点検出領域の像高は、焦点検出領域に含まれる画素位置の代表的な像高であってよく、例えば中心位置の像高であってよい。
第1焦点検出信号と第2焦点検出信号との相関(信号の一致度)を基に、デフォーカス量を算出する際、上述のシェーディングが生じると、デフォーカス量の精度が低下する場合がある。そのため、本実施形態では、焦点検出信号にシェーディング補正を行うことで、精度の良いデフォーカス量の算出を実現する。
なお、シェーディングが生じる原因として、撮像素子103の設定瞳距離Dsは変化せず、結像光学系の射出瞳距離D1が変化する場合を説明したが、結像光学系の射出瞳距離D1が変化せず、撮像素子103の設定瞳距離Dsが変化する場合も同様である。撮像面位相差AFでは、撮像素子103の設定瞳距離Dsの変化に伴い、焦点検出画素(第1焦点検出画素および第2焦点検出画素)が受光する光束と、撮像画素が受光する光束が変化する。
S140で補正部107は、シェーディング補正後の第1および第2焦点検出信号に、フィルタ処理を適用する。図10に、本実施形態で適用するフィルタ処理で適用する帯域通過フィルタの周波数特性の例を示す。大デフォーカス状態での焦点検出を位相差検出方式で行い、小デフォーカス状態での焦点検出はコントラスト方式で行うような場合、実線で示すような、主に低周波帯域を通過帯域として含むフィルタを適用することができる。大デフォーカス状態から小デフォーカス状態までをカバーする場合には、図10に1点鎖線で示すような、より広範囲な通過帯域を有するフィルタを適用することができる。補正部107はフィルタ処理後の第1および第2焦点検出信号を焦点検出部108に供給する。
S150で焦点検出部108は、フィルタ処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせるシフト処理を行い、信号の一致度を表す相関量を算出する。
フィルタ処理後の第1焦点検出信号および第2焦点検出信号を構成するk番目の信号をそれぞれA(k),B(k)、第1焦点検出信号(および第2焦点検出信号)を構成する信号の数をWとする。従って、番号kの範囲は1〜Wである。シフト処理によるシフト量をs、シフト量sの範囲をΓとして、相関量CORは、式(1)により算出される。
Figure 0006467289
シフト量sのシフト処理により、焦点検出部108は、第1焦点検出信号を構成するk番目の信号A(k)と第2焦点検出信号を構成する(k−s)番目の信号B(k−s)とを減算し、シフト減算信号を生成する。そして焦点検出部108は生成したシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域に対応する範囲W内でkの値を順次変えながら累積して、シフト量sに対する相関量COR(s)を算出する。同じシフト量sで異なる複数の画素行について算出された複数の相関量を加算して相関量COR(s)を算出してもよい。
S160で焦点検出部108は、相関量CORから、サブピクセル演算により、相関量が最小値となる実数値のシフト量を算出して像ずれ量pとする。像ずれ量pに、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)の絞り値と、射出瞳距離とに応じた変換係数Kを乗じたpKをデフォーカス量(Def)として算出する。
図7(b)は、図6のS200において実行される、第2のデフォーカス算出処理の詳細を説明するためのフローチャートであり、第1のデフォーカス算出処理と同様の動作ステップには同じ参照数字を付してある。
S210で制御部110は、第2の読み出しモードで撮像素子103の読み出しを行うように信号読み出し部105に設定する。第2の読み出しモードでは、撮像素子103の瞳分割(水平)方向における画素の加算処理は行わず、瞳分割方向と直交する(垂直)方向に隣接する複数の画素行(ここでは一例として4行とする)での加算処理を行う。信号読み出し部105は、第2の読み出しモードを実現するタイミング信号を生成して撮像素子103に供給し、画像信号を読み出す。なお、垂直方向の加算は、信号読み出し部105で実行してもよい。この場合、読み出し画素数は減少しないが、後段の処理負荷は軽減できる。
星空のような、主被写体(星)の像が極めて小さく、かつ背景(空)についてもコントラストが低いシーンについて画素加算処理(平均化処理)を行うと、主被写体部分の輝度の立ち上がりが緩やかになる。従って、瞳分割方向に加算処理を適用すると、位相差の検出精度、すなわち焦点検出精度を低下させる原因となる。従って、星空撮影モードが設定されている場合、瞳分割方向には画素加算処理を行わない。また、第1のデフォーカス算出処理のような垂直方向の間引きを実行すると、間引きによって主被写体の像が失われる可能性がある。
一方、垂直方向における画素加算については、瞳分割方向と直交する方向での加算のため、焦点検出精度に与える影響が小さい。また、間引きと異なり像が失われることはない。また、加算処理によってランダムノイズを低減する効果がある。ランダムノイズは暗部や高感度撮影時に目立ちやすいため、暗い背景が多くを占め、高感度撮影になりやすい星空の撮影シーンでは効果が大きい。このように、瞳分割方向では加算処理を行わずに、瞳分割方向と異なる方向で加算処理を行うことにより、焦点検出精度への影響を抑制しながら、処理負荷ならびにノイズの低減を計ることができる。
S120〜S160は図7(a)に関して説明した第1のデフォーカス算出処理と同様の処理を行えばよい。ただし、第2のデフォーカス算出処理では瞳分割方向に画素加算処理を行っていないため、第1のデフォーカス算出処理よりも高域の周波数成分が第1および第2焦点検出信号に含まれている。そのため、より適切な帯域を抽出できるよう、S140で適用するフィルタの通過周波数特性を第1のデフォーカス算出処理と異ならせてもよい。第2のデフォーカス算出処理で得られた像ずれ量をp1、デフォーカス量(Def)をp1Kとする。
以上説明したように、本実施形態のデジタルカメラは、瞳分割方向に加算や間引きを行わず、瞳分割方向と異なる方向に加算を行った画像信号に基づいて自動焦点検出を行う動作モードを有する。このような動作モードで位相差検出方式の自動焦点検出を行うことにより、輝度やコントラストの低い被写体を撮影する際の焦点検出精度を改善するとともに、ノイズの影響を低減することが可能になる。
なお、本実施形態では通常モード用のデフォーカス算出処理では瞳分割方向と異なる方向においては間引きを行い、加算を行わない構成について説明した。しかし、通常モード用のデフォーカス算出処理において、間引きに代えて、あるいは間引きに加えて、瞳分割方向と異なる方向における加算処理を実行してもよい。この場合、星空撮影モード用のデフォーカス算出処理では、通常モード用のデフォーカス算出処理よりも加算数を大きくするように構成することができる。
また、星空撮影モードにおいて、瞳分割方向と異なる方向における加算数を動的に変更してもよい。例えば、焦点検出領域内の高輝度画素(所定の輝度値を超える画素)を制御部110で計数する。そして、制御部110は、高輝度画素(=星像領域)の合計数が第1の閾値より多く第2の閾値より少ない場合には標準の加算数、第2の閾値以上の場合には標準より多い加算数、第1の閾値以下の場合には標準より少ない加算数を決定することができる。星像が焦点検出領域内に多く存在する場合、焦点検出領域内の情報量が多いことを示すため、瞳分割方向と異なる方向での像加算を積極的に行っても焦点検出精度への影響は少ないと考えられるためである。
また、星空撮影モードにおいて、瞳分割方向と異なる方向における加算数を撮影光学系101の絞り値に応じて動的に変更してもよい。具体的には、絞り値が大きく(開口が小さく)なるにつれ、暗い星像が検出されなくなってくるため、加算数を増加させることができる。
●(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における星空撮影モード用のデフォーカス算出処理(第2のデフォーカス算出処理)の別の例に該当するため、デジタルカメラの構成など、第1実施形態と同じ構成や処理についての説明は省略する。具体的には、図7(b)のS210で実行する、瞳分割方向と異なる方向(ここでは垂直方向)における加算処理の別の例に該当する。
第1実施形態では、予め設定された加算数(4行)を無条件に加算するものであったが、本実施形態では、予め設定された加算数の行のうち、同じ列に存在する複数の画素値が条件を満たした場合だけ加算(平均)処理を行う点で異なる。図11に示すフローチャートを用い、具体的な加算処理について説明する。この加算処理は信号読み出し部105が実行する。なお、上述したように、設定される加算数は必ずしも固定でなくてよい。
信号読み出し部105は、以下の処理を列ごとに実行する。
S310で信号読み出し部105は、読み出し行番号Nを1に、列内ピーク値であるSを0に初期化する。
S320で信号読み出し部105は、N行目の信号であるSを取得する。この信号は撮像素子103から読み出してもよいし、信号読み出し部105内のバッファメモリに格納されているものであってもよい。
S330で信号読み出し部105は、S320で取得した信号Sの値が予め定めた閾値であるSth以上であるか否か判定し、閾値以上の場合にはS360へ、閾値未満の場合にはS340へ処理を進める。ここで、閾値Sthは、点光源のような高輝度被写体を判別することが可能な任意の値として設定されており、例えば焦点検出領域内の平均信号強度であってもよい。
S340で信号読み出し部105は、Sが0よりも大きいか否か判定する。この処理は、加算対象の複数行のうち、これまでの行において閾値Sth以上の値を有する画素が存在したかどうかの判定であり、信号読み出し部105は、Sが0より大きいと判定されればS380へ、さもなければS345へ処理を進める。
S345で信号読み出し部105は、N=4かどうか判定し、N=4であれば処理をS350へ、N<4の場合は処理をS390に進める。
S350で信号読み出し部105は、S(1≦N≦4)の加算処理(加算平均処理)を実行し、この列についての処理を終了する。加算結果はΣS/4である。S350が実行されるのは、この列には加算処理対象の行のいずれにも高輝度画素が存在しない場合だけであり、4行分の暗い空の部分の信号が加算(平均)される。一方、いずれかの行に高輝度画素が存在すれば、列内ピーク値Sを加算結果として用いる。
S360で信号読み出し部105は、Sが、現在のSより大きいか否か判定し、大きいと判定されればS370へ、大きいと判定されなければS380へ処理を進める。
S370で信号読み出し部105は、現在のSをSで置き換える(更新する)。
S380で信号読み出し部105は、N=4か否か判定し、N=4であればこの列についての処理を終了し、N<4の場合は処理をS390に進める。
S390で信号読み出し部105は、Nに1を加えて処理をS320に戻す。
上述の加算処理を各列について実行する。本実施形態において加算処理後に得られる画素信号は、高輝度画素が存在した列(水平座標)はピーク値を有する画素で、高輝度画素が存在しない列は加算平均された値を有する画素で構成される。従って、星像に該当する画素については他の行に存在するノイズ成分が重畳されず、星像に該当しない(空の)画素については加算処理によってノイズが低減され、相関演算の精度、すなわち焦点検出精度を向上することが可能になる。なお、本実施形態においても実際の処理は第1および第2焦点検出画素の出力について別個に実施される。
●(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態における星空撮影モード用のデフォーカス算出処理(第2のデフォーカス算出処理)の別の例に該当するため、デジタルカメラの構成など、第1実施形態と同じ構成や処理についての説明は省略する。
図12(a)のフローチャートを用いて、本実施形態における第2のデフォーカス算出処理について説明する。図12(a)において、第1のデフォーカス算出処理(図7(a))と同様の動作ステップには同じ参照数字を付してある。
S410で制御部110は、第3の読み出しモードで撮像素子103の読み出しを行うように信号読み出し部105に設定する。第3の読み出しモードでは、撮像素子103の瞳分割(水平)方向および、瞳分割方向と直交する(垂直)方向での加算および間引きを行わない。信号読み出し部105は、第3の読み出しモードを実現するタイミング信号を生成して撮像素子103に供給し、画像信号を読み出す。
第1実施形態と異なり垂直方向で加算処理を行わないのは、算出される相関量の精度を最優先にしているためであるが、その一方で処理負荷が増大する要因となる。そのため、本実施形態では、後述するように、間引き処理とは異なる方法で処理負荷を削減する。
S120〜S150は図7(a)に関して説明した第1のデフォーカス算出処理と同様の処理を行えばよい。ただし、第1実施形態で説明したように、第2のデフォーカス算出処理では瞳分割方向に画素加算処理を行っていないため、第1のデフォーカス算出処理よりも高域の周波数成分が第1および第2焦点検出信号に含まれている。そのため、より適切な帯域を抽出できるよう、S140で適用するフィルタの通過周波数特性を第1のデフォーカス算出処理と異ならせてもよい。
S460で焦点検出部108は、S450で画素行(または画素ライン)ごとに算出した相関量に基づいて、被写体像(星像)を含んだ画素行を判定する。具体的には、焦点検出部108は、算出した相関量の最大値と最小値の差が所定の閾値以上である画素行には被写体像が含まれていると判定し、デフォーカス量の算出に用いる。上述のように、この判定は、相関量の信頼性が高い画素行の判定である。このように、信頼性が高いと判定された相関量だけを用いてデフォーカス量を算出することで、精度の高いデフォーカス量を得ることができるようになる。また、デフォーカス量の算出に用いる相関量を削減することで、デフォーカス量の算出に係るデータ量および処理量を軽減することができる。
S160では、S460で信頼性が高いと判定された相関量に基づいて、第1実施形態と同様にデフォーカス量を算出する。第2のデフォーカス算出処理で得られた像ずれ量をp1、デフォーカス量(Def)をp1Kとする。
なお、S460では、相関量に基づいて被写体像の有無(相関量の信頼度が高いか否か)を判定したが、第1および第2焦点検出信号に基づいて同様の判定を行うことができる。例えば、第1および第2焦点検出信号の最大値と最小値の差分が所定の閾値以上か否かを判定することができる。被写体像(たとえば星像)が含まれている領域は、背景(空)の部分と比較して極めて強い信号を有している。このため、第1および第2の焦点検出信号の最大値と最小値との差分が所定の閾値以上であれば、被写体像が含まれていると判定することができる。なお、最大値と最小値の差分の代わりに、最大値が所定の閾値以上か否かの判定としてもよい。
この場合、判定処理は、図12(b)に示すように、S120で第1および第2焦点検出信号を生成した後であれば、直後(S530)を含めた任意のタイミングで実施することができる。そして、判定処理より後の処理ステップでは、信頼性が高いと判定された画素行のデータのみを用いて処理を行うことができる。
本実施形態のデジタルカメラは、加算や間引きを行わない、撮像素子の空間分解能に等しい分解能を有する画像信号に基づいて自動焦点検出を行う動作モードを有する。そして、この動作モードにおいては、被写体が存在しない領域を除外してデフォーカス量を算出する。このような動作モードで自動焦点検出することにより、輝度やコントラストの低い被写体を撮影する際の焦点検出精度を改善しつつ、処理量を低減することが可能になる。
(その他の実施形態)
星空シーンのように輝度の低いシーンの場合、1回のデフォーカス算出処理では信頼性の高い相関量が算出できないことも想定される。そのため、上述の実施形態の例えばS150において、焦点検出部108が、相関量の最大値と最小値の差分などに基づいて信頼性を判定するように構成してもよい。そして、信頼性が低い(例えば上述の差分が閾値以下)場合、信頼性が高いと判断されるまで、次のフレームに対して実行したデフォーカス算出処理で得られた相関量を累積することができる。複数フレームにわたる相関量の加算を行った場合、一般的なシーンではフレーム間における被写体の動きなどによって相関量の精度が低下する場合があるが、星空シーンのように被写体の動きが穏やかな場合には十分な精度が得られる。
本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態の構成に限定されず、様々な変形及び変更が可能である。特許請求の範囲に記載された範囲に含まれる変形ならびに変更は本発明に含まれる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100…デジタルカメラ,101…撮影光学系,102…フォーカスレンズ,103…撮像素子,105…信号読み出し部,106…AF信号生成部,107…焦点検出部

Claims (14)

  1. 撮影光学系の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能な撮像素子と、
    前記撮像素子から画像信号を取得する取得手段と、
    前記画像信号に基づく1対の焦点検出信号を生成する生成手段と、
    前記1対の焦点検出信号の相関量に基づいて前記撮影光学系のデフォーカス量を算出する算出手段と、
    前記デフォーカス量に基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行う駆動手段と、を有する撮像装置であって、
    前記生成手段が、少なくとも前記瞳分割方向において前記撮像素子の空間分解能に等しい分解能を有し、前記瞳分割方向と異なる方向において間引きが行われていない画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成する第1の焦点検出モードと、
    前記生成手段が、前記瞳分割方向および前記異なる方向において前記撮像素子の空間分解能より低い分解能を有する画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成する第2の焦点検出モードと、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2の焦点検出モードにおいて前記生成手段は、前記異なる方向に加算処理または間引き処理された画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の焦点検出モードにおいて前記生成手段は、前記異なる方向に、前記第2の焦点検出モードよりも多くの信号を加算処理した画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の焦点検出モードにおける前記加算処理は閾値以上のピーク値を有さない複数の画素信号に対して適用され、閾値以上のピーク値がある場合には該ピーク値を加算処理後の画素信号とすることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の焦点検出モードにおいて前記生成手段は、前記異なる方向に加算処理されていない画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  6. 前記第1の焦点検出モードにおいて、前記算出手段は、前記1対の焦点検出信号または前記相関量のうち、信頼性が高いと判定されたものを用いて前記デフォーカス量を算出することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記信頼性が、前記1対の焦点検出信号または前記相関量の最大値に基づいて判定されることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 設定されている撮影モードに応じて、前記第1の焦点検出モードと前記第2の焦点検出モードの一方を選択する選択手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記撮影モードが、ユーザによって設定されたものであることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記撮影モードが、シーン判別結果によって設定されたものであることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  11. 前記撮影モードが、低輝度の背景に点状の高輝度被写体が散在する領域が画面もしくは焦点検出領域の所定の割合以上を占めるシーンを撮影するための撮影モードであることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記撮影モードが、星空シーン、夜景シーンのいずれかを撮影するための撮影モードであることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 撮影光学系の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能な撮像素子を有する撮像装置の制御方法であって、
    取得手段が、前記撮像素子から画像信号を取得する取得工程と、
    生成手段が、前記画像信号に基づく1対の焦点検出信号を生成する生成工程と、
    算出手段が、前記1対の焦点検出信号の相関量に基づいて前記撮影光学系のデフォーカス量を算出する算出工程と、
    駆動手段が、前記デフォーカス量に基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行う駆動工程と、を有し、
    前記生成工程が、
    第1の焦点検出モードにおいて、少なくとも前記瞳分割方向において前記撮像素子の空間分解能に等しい分解能を有し、前記瞳分割方向と異なる方向において間引きが行われていない画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成する工程と、
    第2の焦点検出モードにおいて、前記瞳分割方向および前記異なる方向において前記撮像素子の空間分解能より低い分解能を有する画像信号に基づいて前記1対の焦点検出信号を生成する工程と、
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  14. 撮像装置が有するコンピュータを、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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