JP6466181B2 - 架橋発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は架橋発泡体に関し、詳しくは、止水性等に優れた架橋発泡体に関する。
従来から、建築物、車両及び電子機器などの構造物において、各部材間の隙間にシール材を充填することにより、止水、断熱、及び吸音などが行われている。例えば、住宅の屋根瓦面戸、サッシ周辺、シャッター周辺、外壁目地、金属屋根接合部等、自動車のウインドシールドダム、サンルーフ周辺、ドア周辺、カウルトップシール等、エアコンの室内機の背部や、自動販売機の扉部、冷蔵庫の背部等に広く用いられている。その中で、自動車、家電等のシール部品では、特に止水性が求められている。たとえば、自動車のランプカバーシールやボディーシールなどにおいて高い止水性が要求される。
このようなシール材としては、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム(以下、EPDMともいう)等の発泡体が用いられている。発泡体は、適度な反発力(圧縮応力)を有することから、少ない圧縮変形を与えるだけで、被シール材表面の凹凸に追従密着することができ、優れたシール性を有する。
しかし、さらなる止水性の向上の要求に応えるため、ワックスの添加による疎水性向上や、粘着剤や粘着性ポリマーの配合によって粘着性を付与して基材に密着させるなどの研究がなされている。
たとえば、特許文献1には、EPDM、キノイド系架橋剤および発泡剤を含有するゴム組成物を発泡させてなるEPDM発泡体が開示されている。特許文献2には、ゴム成分に、軟化剤、充填剤、発泡剤、フッ素系やシリコーン系の撥水剤及び架橋剤を配合し、架橋発泡して得られたゴム発泡体が開示されている。特許文献3には、EPDM、撥水性及び石油系ワックスからなる粘着性樹脂軟化剤を配合し、発泡加硫して得られたゴム発泡体が開示されている。特許文献4には、EPDM、加硫剤、発泡剤及び粘着性ポリマーよりなる軟化剤を成分とする組成物を架橋発泡して得られたゴム系発泡体が開示されている。特許文献5には、特定配合のEPDM、加硫剤及び発泡剤を含む組成物を架橋発泡して得られた架橋発泡体が開示されている。
特開2012−017452号公報 特開2002−167459号公報 特開平10−045933号公報 特開2002−146072号公報 特開2013−11344号公報
しかし、従来のこのような研究によっても、十分に止水性向上の要求に応えられる発泡体は得られていなかった。特に自動車のランプカバーシールにおいては、基材(自動車のランプカバーなど)との密着性の向上が重要である。また、粘着剤を添加した処方では
汚染等の課題があった。
本発明は、止水性に優れた架橋発泡体を提供することを目的とする。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[]に関する。
[1] 動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδのピークが−60℃以上0℃未満に存在するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
tanδのピークが0℃以上60℃以下の温度範囲に存在する軟質材(B)とを、
共重合体(A)と軟質材(B)の質量比(共重合体(A)/軟質材(B))で100/5〜100/35の割合で含む組成物より得られる、比重0.01〜0.8の架橋発泡体。
[2]前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)におけるα−オレフィンが炭素数3〜20のα−オレフィンであり、前記軟質材(B)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であり、該共重合体におけるα−オレフィンが4−メチル−1−ペンテンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンである前記[2]の架橋発泡体。
[3]エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、エチレンから導かれる構成単位の含有量が40〜72質量%であり、かつ非共役ポリエンから導かれる構成単位の含有量が2〜15質量%である、前記[2]に記載の架橋発泡体。
[4]前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体が、
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)16〜95モル%、
4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)5〜84モル%
および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%
(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)
を有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)を含む、前記[2]または[3]に記載の架橋発泡体。
[5]4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)のα−オレフィンがプロピレンである前記[4]に記載の架橋発泡体。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の架橋発泡体から得られる止水材。
[7]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の架橋発泡体から得られる自動車用シール材。
本発明の架橋発泡体は、基材との密着性が高く、止水性に優れるので、止水材として使用することができる。特に自動車のランプカバーシールやボディーシールとして好適に利用することができる。
また、本発明の架橋発泡体は、ロールに対する粘着性が良好であり、ロール加工性に優れる。
図1は、実施例における止水性測定のおいて用いた止水性測定装置の説明図である。 図2は、実施例における止水性測定方法の説明図である。
本発明の架橋発泡体は、動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδのピークが−60℃以上0℃未満に存在するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、tanδのピークが0℃以上60℃以下の温度範囲に存在する軟質材(B)とを含む組成物より得られる。室温近傍にtanδのピークを有する軟質材(B)を配合することにより、得られる架橋発泡体の基板への凹凸追従性が改善されるという効果が発現される。
まず、動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδについて説明する。材料に対し、雰囲気温度を連続的に変化させながら動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率G’(Pa)、損失弾性率G”(Pa)を測定し、G”/ G’で与えられる損失正接tanδを求める。温度と損失正接tanδとの関係をみると、損失正接tanδは一般に特定の温度においてピークを有する。そのピークが現れる温度は一般にガラス転移温度(以下、tanδ―Tgとも記す)と呼ばれる。損失正接tanδのピークが現れる温度は、実施例において記した動的粘弾性測定に基づき求めることができる。
止水性を向上させるという観点から、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、損失正接tanδのピークを好ましくは−55〜−5℃、より好ましくは−50〜−10℃の温度範囲に有し、軟質材(B)は、損失正接tanδのピークを好ましくは5〜55℃、より好ましくは10〜50℃の温度範囲に有する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と軟質材(B)とを含む前記組成物において、共重合体(A)と軟質材(B)との質量比(共重合体(A)/軟質材(B))は100/5〜100/35の割合であり、好ましくは8〜30、より好ましくは10〜20の割合である。共重合体(A)と軟質材(B)との質量比が前記範囲内であると、得られる架橋発泡体は、基材との密着性が高まり、優れた止水性を発揮する。上記範囲より添加量が少ないと凹凸追従性が不足し、多すぎると一度変更したものが回復せず止水性が低下する。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、損失正接tanδのピークを−60℃以上0℃未満の温度範囲に有しさえすれば前述のとおり優れた止水性が得られるので、その種類に特に制限はない。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)におけるα−オレフィンは、炭素数3〜20のα−オレフィンであることが好ましい。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1、9−メチル−デセン−1、11−メチル−ドデセン−1、12−エチル−テトラデセン−1などを挙げることができる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が特に好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)における非共役ポリエンとしては、たとえば、炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のポリエンが挙げられ、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等を挙げることができる。これらの中でも、ジシクロペンタジエン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が特に好ましい。これらの非共役ポリエンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、エチレンから導かれる構成単位の含有量が40〜72質量%であり、かつ非共役ポリエンから導かれる構成単位の含有量が2〜15質量%であることが好ましく、エチレンから導かれる構成単位の含有量が42〜66質量%であり、かつ非共役ポリエンから導かれる構成単位の含有量が5〜14質量%であることがより好ましく、エチレンから導かれる構成単位の含有量が44〜62質量%であり、かつ非共役ポリエンから導かれる構成単位の含有量が7〜12質量%であることがさらに好ましい。
軟質材(B)は、損失正接tanδのピークを0℃以上60℃以下の温度範囲に有しさえすれば前述のとおり優れた止水性が得られるので、その種類に特に制限はない。軟質材(B)としては、たとえば芳香族系重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂およびポリアミド等を挙げることができる。軟質材(B)は、これらを混合して使用することもできる。軟質材(B)は、止水性向上の点で、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
前記芳香族系重合体としては、たとえばスチレン、アルキルスチレン等の芳香族ビニルモノマーの重合体および芳香族ビニルモノマーとオレフィン系モノマーとの共重合体等を挙げることができる。具体的には、水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体などが挙げられる。
前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンは、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンであることが好ましく、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、官能基化ビニル化合物等を挙げることができる。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体においては、α−オレフィンに非共役ポリエンは含まないものとする。
直鎖状α−オレフィンとしては、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10の直鎖状α−オレフィンが挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。この中でも、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
分岐状のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは5〜15の分岐状α−オレフィンが挙げられ、具体的には、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、炭素原子数3〜20、好ましくは5〜15の環状オレフィンが挙げられ、具体的には、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノまたはポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
共役ジエンとしては、炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10の共役ジエンが挙げられ、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエンなどが挙げられる。
官能基化ビニル化合物としては、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン、(メタ)アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸、アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミンなどの不飽和アミン、(2,7−オクタジエニル) コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸から得られた無水物などの不飽和カルボン酸無水物、上記不飽和カルボン酸から得られたハロゲン化物などの不飽和カルボン酸ハライド、4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのエチレン性不飽和シラン化合物等が挙げられる。
上記水酸基含有オレフィンとしては、水酸基含有のオレフィン系化合物であれば特に制限されないが、例えば末端水酸基化オレフィン系化合物が挙げられる。末端水酸基化オレフィン系化合物としては、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ウンデセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは2〜15の直鎖状の水酸化−α−オレフィン、水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜15の分岐状の水酸化−α−オレフィンが挙げられる。
上記ハロゲン化オレフィンは、塩素、臭素、ヨウ素等の周期表第17族原子を有するハロゲン化−α−オレフィンであり、たとえば、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−ウンデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20、好ましくは2−15の直鎖状のハロゲン化−α−オレフィン、ハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜15の分岐状のハロゲン化−α−オレフィンが挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンは1種類単独であってもよく、2種以上の組み合せであってもよい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、水酸化−1−ウンデセンが好適である。さらに、炭素原子数が2〜10の直鎖状のα−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンがより好ましい。これらの中でも、エチレンおよびプロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。
軟質材(B)として4−メチル−1−ペンテン系共重合体を含む組成物から形成される架橋発泡体は、凹凸追従性に優れるため、基材との密着性が高まり、優れた止水性を発揮する。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、必要に応じて、非共役ポリエンから導かれる構成単位を有していてもよい。 非共役ポリエンについては、前述のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)における非共役ポリエンと同様である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)および任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)を含むことが好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)における構成単位(i)、構成単位(ii)および構成単位(iii)の含有量としては、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%として、好ましくは構成単位(i)16〜95モル%、構成単位(ii)5〜84モル%、構成単位(iii)0〜10モル%であり、より好ましくは構成単位(i)26〜90モル%、構成単位(ii)10〜74モル%、構成単位(iii)0〜7モル%であり、さらに好ましくは構成単位(i)61〜85モル%、構成単位(ii)15〜39モル%、構成単位(iii)0〜5モル%である。各構成単位の含有比率が前記範囲内であると、得られる架橋発泡体と基材とのより高い密着性が得られ、架橋発泡体の止水性がさらに良好になる。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)におけるα−オレフィンとしてはエチレンおよびプロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)におけるα−オレフィンがプロピレンである場合、構成単位(ii)はプロピレンから導かれる構成単位である。
以上のとおり、本発明の架橋発泡体は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体とを、共重合体(A)と軟質材(B)との質量比(共重合体(A)/軟質材(B))で100/5〜100/35の割合で含み、共重合体(A)におけるα−オレフィンが炭素数3〜20のα−オレフィンであり、軟質材(B)におけるα−オレフィンが4−メチル−1−ペンテンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンである組成物より得られることが好ましい。
前記組成物は、発泡剤および加硫剤(架橋剤)を含有する。
発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤;N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド等のアジド化合物などの有機発泡剤が挙げられる。
発泡剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して3〜30質量部、好ましくは4〜20質量部である。発泡剤としては、例えば市販されている、ビニホールAC#3M(商品名、永和化成工業株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、ビニホールAC#3C−K2(商品名、永和化成工業株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、ビニホールAC#LQ(商品名、永和化成工業株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、セルマイクC−2(商品名、三協化成株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、セルラー#D(商品名、永和化成工業株式会社 N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))、セルラーCK#54(商品名、永和化成工業株式会社 N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))、セルマイク#A(商品名、三協化成株式会社 N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))、ネオセルボンN#1000SW(商品名、永和化成工業株式会社 4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(略号OBSH))、ネオセルボンN#1000M(商品名、永和化成工業株式会社 4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(略号OBSH))等を用いることができる。
また、発泡剤とともに発泡助剤を含有してもよい。発泡助剤としては、たとえば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸、クエン酸などの有機酸やその塩、尿素またはその誘導体等が挙げられる。 発泡助剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜4質量部である。発泡助剤としては、例えば市販されている、セルペーストK5(商品名、永和化成工業株式会社 尿素)、セルペースト101W(商品名、永和化成工業株式会社 尿素)、FE−507(商品名、永和化成工業株式会社 重曹)等を用いることができる。
加硫剤(架橋剤)としては、イオウ系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂、オキシム化合物等を用いることができる。
イオウ系化合物としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等を例示できる。イオウ系化合物としては、イオウ、テトラメチルチウラムジスルフィドが好ましく、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部、さらに好ましくは0.7〜4.0質量部配合することができる。
上記有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジエチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ジブチルヒドロペルオキシド等を例示できる。これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。 有機過酸化物の配合量は、共重合体(A)100gに対して、通常0.001〜0.05モル、好ましくは0.002〜0.02モル、さらに好ましくは0.005〜0.015モルである。
加硫剤としてイオウ系化合物を使用する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名、三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名、三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、「サンセラーPZ」(商品名、三新化学工業株式会社製)、「サンセラーBZ」(商品名、三新化学工業株式会社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素(例えば、「サンセラーBUR」(商品名、三新化学工業株式会社製)、「サンセラー22−C」(商品名、三新化学工業株式会社製)など)、N,N'−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系;2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名、三新化学工業株式会社製)など)チアゾール系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系等が挙げられる。
これらの加硫促進剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
加硫剤とともに、さらに加硫助剤を用いることができる。加硫助剤は、用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名、井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。その配合量は、通常、共重合体(A)100質量部に対して、1〜20質量部である。加硫助剤としては、さらにp−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記組成物は、前記成分の他に、本発明の目的を阻害しない範囲内で、軟化材、補強材、充填材、加工助剤、活性剤、吸湿剤等を含有してもよい。
軟化材は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合しても用いることができる。軟化材の具体例としては、パラフィンオイル等のプロセスオイル(例えば、「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名、出光興産株式会社製)など)、潤滑油、流動パラフィン、石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化材;コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化材;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化材;蜜ロウ、カルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化材;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油、およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化材が好ましく、特にプロセスオイル、その中でもパラフィンオイルが好ましい。
軟化材の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して5〜150質量部、好ましくは10〜120質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
補強材としては、具体的には、市販されている「旭#50G」、「旭#15G」、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#60G」(商品名、旭カーボン株式会社製)、「シースト(商品名)」シリーズ:TA、S、V、SO、116、3、6、9、等のカーボンブラック(東海カーボン株式会社製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したもの、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸等を用いることができる。これらのうち、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#15G」、「旭#60G」のカーボンブラックが好ましい。
充填材としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等を用いることができる。これらのうち、重質炭酸カルシウムが好ましい。重質炭酸カルシウムとして、市販されている「ホワイトンSB」(商品名、白石カルシウム株式会社)等を用いることができる。
補強材および充填材の配合量は、共重合体(A)100質量部に対し、通常30〜300質量部、好ましくは50〜250質量部、さらに好ましくは70〜230質量部である。
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。加工助剤は、共重合体(A)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下、さらに好ましくは5.0質量部以下の量で適宜配合することができる。
活性剤は、用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。活性剤の具体的な例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン、「アクチングB」(商品名、吉冨製薬株式会社製)、「アクチングSL」(商品名、吉冨製薬株式会社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、レシチン、トリアリレートメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「Struktol FA541」(商品名、Schill & Seilacher社製))などの活性剤;「ZEONET ZP」(商品名、日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、「アーカード2HT−F」(商品名、ライオン・アクゾ株式会社製))などが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、「アーカード2HT−F」が好ましい。活性剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部である。
吸湿剤は、用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。吸湿剤の具体的な例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらのうち、酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部、さらに好ましくは1.0〜10質量部である。
本発明の架橋発泡体は、前記組成物を架橋発泡することにより得ることができる。架橋発泡の一例としては、前記組成物を、シート状ダイスに装着した押出機を用いて押出し、シート状に成形する方法が挙げられる。得られた成形体を加硫槽内に導入し、たとえば100 〜250℃で5〜60分間加熱することで、架橋および発泡を行い、シート状の架橋発泡体(スポンジ)を得ることができる。
本発明の架橋発泡体は、比重が0.01〜0.8であり、好ましくは0.03〜0.6、より好ましくは0.05〜0.4である。架橋発泡体の比重が前記範囲内であると、基材との密着性が高まり、優れた止水性が発揮される。架橋発泡体の比重を前記範囲内に調整するには、発泡剤、発泡助剤の種類・量および架橋発泡条件を適宜調整すればよい。
本発明の架橋発泡体は、前記組成物を架橋発泡することにより得ることができる。架橋発泡の一例としては、前記組成物を、シート状ダイスに装着した押出機を用いて押出し、シート状に成形する方法が挙げられる。得られた成形体を加硫槽内に導入し、たとえば100〜250℃で5〜60分間加熱することで、架橋および発泡を行い、シート状の架橋発泡体(スポンジ)を得ることができる。
本発明の架橋発泡体は、凹凸追従性に優れ、密着性が高いので、優れた止水性を有する。このため、止水材として使用することができる。本発明の架橋発泡体は、特に自動車のランプカバー等の基板に対する密着性が高いことから、高い止水性が要求される自動車のランプカバーシールとして好適に利用することができる。
また、本発明の架橋発泡体は、ロールに対する粘着性が良好であり、ロール加工性に優れる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。下記表中の成分に関する数値は質量部を示す。
(配合材料)
実施例及び比較例に用いた配合材料は下記の通りである。
A)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)
A−1)EPDM(商品名:三井EPT 8030M(三井化学(株)製)、エチレンから導かれる構造単位含有量:47質量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)から導かれる構造単位含有量:9.5質量%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]:32、tanδ―Tg:−38℃、tanδ最大値:1.8)
A−2)EPDM(商品名:三井EPT 3045(三井化学(株)製)、エチレンから導かれる構造単位含有量:56質量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)から導かれる構造単位含有量:4.7質量%、tanδ―Tg:−41℃、tanδ最大値:1.3)
B)軟質材(B)
B−1)下記重合例1により得られた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン重合体
[重合例1]
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.40MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られた重合体は36.9gであり、重合体中の4−メチル−1−ペンテンから導かれる構造単位含量は72mol%、プロピレンから導かれる構造単位含量は28mol%であった。ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)は337,000、tanδ―Tgは28℃、tanδ最大値は2.4であった。
B−2)水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(商品名:ハイブラー5127(クラレ(株)製)、tanδ―Tg:18℃、tanδ最大値:0.8)
C)加硫助剤
活性亜鉛華(商品名:META−Z102(井上石灰工業(株)製))
D)加工助剤
ステアリン酸(商品名:粉末ステアリン酸さくら(日油(株)製))
E)活性剤
ポリエチレングリコール(商品名:PEG#4000(ライオン(株)製))
F)補強材
カーボンブラック(商品名:旭#50G(旭カーボン(株)製))
G)充填材
炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB(白石カルシウム(株)製)
H)軟化材
パラフィンオイル(商品名:ダイアナプロセスオイル PS−430(出光興産(株)製))
I)加硫促進剤
I−1)チアゾール系加硫促進剤:2−メルカプトベンゾチアゾール(商品名:サンセラーM(三新化学工業(株)製))
I−2)ジチオカルバメート系加硫促進剤:ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(商品名:サンセラーBZ(三新化学工業(株)製))
I−3)ジチオカルバメート系加硫促進剤:ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(商品名:サンセラーPZ(三新化学工業(株)製))
I−4)チオウレア系加硫促進剤:N,N‘−ジブチルチオ尿素(商品名:サンセラーBUR(三新化学工業(株)製))
J)加硫剤
硫黄(純正化学(株)製)
K)発泡剤
アゾジカルボンアミド(商品名:ビニホールAC#LQ(永和化成工業(株)製))
L)発泡助剤
尿素(商品名:セルペーストK5(永和化成工業(株)製))
tanδ―Tgは、次の動的粘弾性測定により求めた。
粘弾性測定装置ARES(TA Instrumens JAPAN Inc.社製)を用いて、下記測定条件で各材料の粘度の温度依存性を測定した。当該測定で得られた、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)をtanδとした。tanδを温度に対してプロットすると、上に凸の曲線すなわちピークが得られ、そのピークの頂点の温度をガラス転移温度、すなわちtanδ―Tgとし、その温度における極大値を測定した。
測定条件;Frequency :1.0Hz、Temperature :−70〜80℃
Ramp Rate :4.0℃/分、Strain :0.5%
[実施例1]
MIXTRON BB MIXER((株)神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、充填率70%、コンベンショナル法(トータル混練時間5分)にて共重合体(A−1)800g、軟質材(B−1)80g、加硫助剤64g、加工助剤16g、活性剤8g、補強材240g、充填材1200g、軟化材400gを混練した。
14インチ二本ロール混練機を用いて、上記配合物に加硫促進剤I−1 12g、加硫促進剤I−2 12g、加硫促進剤I−3 12g、加硫促進剤I−4 12g、加硫剤12g、発泡剤280g、発泡助剤4gを添加し、混練した。
得られた混練物を直径50mmのゴム用押出機((株)三葉製作所製)にて、押出成形を行い、シート状の組成物を作製した。押出機の温度条件は、HD/C2/C1/SC=80/70/60/50℃とした。
この組成物を熱風加硫槽(ミクロ電子(株)製)にて、180℃で8分間架橋発泡させて、架橋発泡体を得た。
[比較例1]
MIXTRON BB MIXERによる混練において、軟質材(B−1)を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。
[実施例2、3、比較例2、3]
MIXTRON BB MIXERによる混練において、軟質材(B−1)の配合量を表1に示した量に変更したこと以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。
[実施例4]
MIXTRON BB MIXERによる混練において、軟質材(B−1)に替えて、軟質材(B−2)を配合したこと以外は実施例2と同様にして、架橋発泡体を得た。
[実施例5]
MIXTRON BB MIXERによる混練において、共重合体(A−1)に替えて、共重合体(A−2)を配合したこと以外は実施例2と同様にして、架橋発泡体を得た。
[比較例4]
MIXTRON BB MIXERによる混練において、軟質材(B−1)を配合しなかったこと以外は実施例5と同様にして、架橋発泡体を得た。
(測定方法および評価方法)
以下の実施例および比較例において得られた架橋発泡体の下記物性を以下の方法により測定または評価した。結果を表1に示す。
a)比重
得られた発泡体に対し、23℃雰囲気下で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)を用いて空気中と純水中の質量の差から比重測定を行った。
b)止水性
得られたシート状の発泡体を厚さ10mmにスライスし、リング状に打ち抜き、外径35mm、内径25mm、厚さ10mmのリング状サンプルを作製した。
このリング状サンプルについて、止水性測定装置を用いて止水性を測定した。止水性測定装置を、図1を用いて説明する。止水性測定装置は、底板2と、2枚のスペーサー3と、注水部4とからなる。スペーサー3は厚さ5mmの長尺板状体である。注水部4は、平板部5と円筒部6とからなる。円筒部6は、内径30mm、厚さ2mmのアクリル製であり、その一端開口が平板部5の上面に接合されている。平板部5には、円筒部6の前記開口に一致する部分に孔が設けられている。
図1に示すように、リング状サンプル1を底板2に載せ、リング状サンプル1の両サイドにスペーサー3を置き、リング状サンプル1の上方から注水部4の平板部5を当て、リング状サンプル1をスペーサー3の厚さに圧縮した。リング状サンプル1の位置は、平板部5の前記孔がリング状サンプル1の開口部を覆うような位置とした。底板2および注水部4の平板部5をクリップ(図示せず)で挟み、固定した。注水部4の円筒部6の中空部に水を注入した。図2に、水が注入された状態を示す。この状態で、リング状サンプル1の中空部、平板部5の孔および円筒部6の中空部の下部が水7で満たされた。注入する水の量は、平板部5の上面からの水面の高さが100mmになる量とした。水を注入した時点から、リング状サンプル1から水が漏れ出した時点までの時間を測定した。この時間から、下記基準に従って、発泡体の止水性を評価した。
A:60分以上
B:30分以上60分未満
C:0.5分以上30分未満
D:0.5分未満
また、各実施例および比較例における組成物から発泡剤および発泡助剤を除いた組成を有する組成物を作製し、その組成物を用いて以下のソリッド硬度の測定を行った。
c)ソリッド硬度
JIS K6253(2006)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」の6項の「デュロメーター硬さ試験」の試験タイプAの記載に準拠して測定した。ソリッド硬度測定用サンプルは、コータキ(株)製 100T電熱プレスを用いて、180℃で10分間架橋を行い、シート厚を2mmとして作成した。
Figure 0006466181
1 リング状サンプル
2 底板
3 スペーサー
4 注水部
5 平板部
6 円筒部
7 水

Claims (7)

  1. 動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδのピークが−60℃以上0℃未満に存在するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
    動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδのピークが0℃以上60℃以下の温度範囲に存在する軟質材(B)とを、
    共重合体(A)と軟質材(B)の質量比(共重合体(A)/軟質材(B))で100/5〜100/35の割合で含む組成物より得られる、比重0.01〜0.4の架橋発泡体。
  2. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)におけるα−オレフィンが炭素数3〜20のα−オレフィンであり、前記軟質材(B)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であり、該共重合体におけるα−オレフィンが4−メチル−1−ペンテンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンである請求項1に記載の架橋発泡体。
  3. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、エチレンから導かれる構成単位の含有量が40〜72質量%であり、かつ非共役ポリエンから導かれる構成単位の含有量が2〜15質量%である、請求項2に記載の架橋発泡体。
  4. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体が、
    4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)6185モル%、
    4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)1539モル%
    および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜モル%
    (ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)
    を有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)を含む、請求項2または3に記載の架橋発泡体。
  5. 4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(b−1)のα−オレフィンがプロピレンである請求項4に記載の架橋発泡体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の架橋発泡体から得られる止水材。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の架橋発泡体から得られる自動車用シール材。
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