JP5385660B2 - ゴム組成物およびゴム成形体 - Google Patents
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Description
製品を薄肉化するためには、素材自体の剛性(硬さ)を高め、薄肉化した場合においても現行同等の剛性と機械的性質を保持することが望まれる。これまで、剛性を高める方策としては、カーボンブラックやシリカなどの補強材を多量に配合する手法が一般的に良く知られているものの、補強剤だけでは、混練加工性や押出し加工性が著しく悪化し、機械的性質(伸び性)も格段に低下するとの問題がある。さらに、カーボンブラックは比重が高いため、製品の比重が高くなるとの問題もある。
本発明のゴム組成物は、
[I]合成ゴムを100重量部、
[II]融点が60〜120℃であり、かつ、無水マレイン酸変性エチレン系共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種である熱可塑性樹脂を3〜40重量部、及び
[III]補強材を5〜200重量部含有することを特徴とする。
前記合成ゴム[I]が、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体ゴムであることも好ましい。
本発明のゴム成形体は、本発明のゴム組成物を架橋してなることを特徴とする。
〔合成ゴム[I]〕
本発明のゴム組成物の主成分である合成ゴム[I]は、特に限定されず、たとえば、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレン・イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(EPM)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(EPDM)、アクリルゴム、ポリウレタンゴム(PU)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、およびこれらの変性ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ハロゲン化ポリエチレンが挙げられる。なお、共重合体ゴムは、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体であってもよい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンから導かれる単位と、炭素数3以上、好ましくは3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを含む共重合体ゴムである。また、本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレンから導かれる単位、炭素数3以上、好ましくは3〜20のα−オレフィンから導かれる単位および非共役ポリエンから導かれる単位を含む共重合体ゴムである。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエンおよび4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-イソブテニル-2-ノルボルネン、シクロペンタジエンおよびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等のトリエンなどが挙げられる。なかでも、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネンが好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレン(A)に由来する構造単位と、α−オレフィン(B)に由来する構造単位とのモル比[(A)/(B)]が、50/50〜90/10、好ましくは50/50〜85/15であり、非共役ポリエン(C)に由来する構造単位の重量%が1.0wt%〜20.0wt%、好ましくは3.0wt%〜15wt%、より好ましくは4.0wt%〜14wt%の量で含まれる。
〔無水マレイン酸変性エチレン系重合体〕
本発明のゴム組成物に含まれる熱可塑性樹脂[II]の一つである無水マレイン酸変性エチレン系重合体は、無水マレイン酸もしくはその誘導体でグラフト変性されたエチレン系重合体であり、かつ、融点が60〜120℃、好ましくは70〜120℃の範囲にある。融点が120℃を超える変性エチレン系重合体を用いた場合は、溶融時のゴム組成物の粘度が高くなる虜があり、かつ、分散性に劣る傾向にあり、いずれも成形加工性が低下する虞がある。一方、融点が60℃未満の変性エチレン系重合体を用いた場合は、得られるゴム成形体の圧縮永久歪み性や耐熱性が悪化する虞がある。
エチレン単独重合体としては、融点が上記範囲にあり、成形加工し得る限り、特に限定はされないが、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜1000g/10分、好ましくは0.1〜500g/10分、さらに好ましくは1〜100g/10分の範囲にあることが望ましい。MFRが上記のような範囲にあるエチレン単独重合体を用いると、加工性とゴム弾性とがバランスよく有するため、好ましい。なお、融点が上記範囲にあるので、本発明に係るエチレン単独重合体は、通常、高圧法低密度ポリエチレンと呼ばれている重合体である。
本発明に係る無水マレイン酸変性エチレン系重合体のグラフト率は、グラフト変性前のエチレン系重合体100重量%に対して、無水マレイン酸もしくはその誘導体におけるグラフトモノマー換算で0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。このグラフト率が上記範囲内にあると、良好な機械的性質が得られる。
この場合、ラジカル開始剤は、ポリオレフィン100重量部に対して、通常は、0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で使用される。
本発明のゴム組成物に含まれる熱可塑性樹脂[II]の一つであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体であって、融点が60〜120℃、好ましくは70〜120℃の範囲にある。融点が120℃を超える共重合体を用いた場合は、溶融時のゴム組成物の粘度が高くなる虜があり、かつ、分散性に劣る傾向にあり、いずれも成形加工性が低下する虞がある。一方、融点が60℃未満の共重合体を用いた場合は、ゴム組成物からゴム成形体の圧縮永久歪み性や耐熱性が悪化する虞がある。
本発明のゴム組成物に含まれる熱可塑性樹脂[II]の一つであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(以下、単に、アイオノマーと呼ぶ場合がある)は、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部あるいは全部を金属イオンあるいは有機アミンで中和することによって得られる重合体である。
本発明のゴム組成物の含まれる成分の一つである補強材[III]は、通常、合成ゴムの補強材として使用されている補強材である限り、特に限定はされない。かかる補強材としては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、タルク、クレーなどや、これらの無機物の表面をシランカップリング剤等で処理したものを用いることができる。市販されているカーボンブラックとしては、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)、「シーストV 」、「シーストSO 」(商品名;東海カーボン株式会社製)などを挙げることができる。このような補強材の比表面積は、5〜120m2/gであることが好ましい。本発明においては、剛性向上の効果から、カーボンブラックまたはシリカを好ましく用いることができる。
本発明のゴム組成物は、前記合成ゴム[I]100重量部に対して、前記無水マレイン酸変性エチレン系重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂[II]を3〜40重量部、好ましくは3〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部、前記補強材[III]を5〜200重量部、好ましくは10〜190重量部、さらに好ましくは20〜190重量部の範囲で含んでなる。
本発明のゴム組成物には、上記合成ゴム[I]、熱可塑性樹脂[II]および補強材[III]に加え、架橋剤を添加してよい。架橋の際に使用される架橋剤としては、イオウ、イオウ化合物などの加硫剤や、有機過酸化物が挙げられる。
架橋剤の一つとして、加硫の際に使用される加硫剤としては、イオウ、イオウ化合物が挙げられる。イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
加硫促進剤としては、具体的には、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2',4'-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(4'- モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華(酸化亜鉛)等の化合物を挙げることができる。
架橋剤の一つである有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用されるものであればよい。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t- ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- モノ(t-ブチルパーオキシ)- ヘキサン、α,α'- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に係るゴム組成物には、意図する加硫物の用途、性能に応じて、合成ゴム[I]、熱可塑性樹脂[II]および補強剤[III]の他に、一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知の配合剤、たとえば、軟化剤、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、アルコキシシラン化合物、架橋剤、架橋助剤、活性剤、反応抑制剤、着色剤、分散剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防カビ剤、素練促進剤、粘着付与剤、分散染料や酸性染料を代表例とする各種染料、無機・有機顔料、界面活性剤、および塗料などの配合剤、また必要に応じて、発泡剤、発泡助剤などの発泡のための化合物、脱泡剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選定し、適切な配合量を配合することができる。
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などを挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
老化防止剤を使用すれば、さらに材料寿命を長くすることが可能である。このことは、通常のゴムの場合と同様である。
加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類などが挙げられる。
後述する本発明に係るゴム成形体は、必要に応じて、通常ゴムに使用される発泡剤および発泡助剤を本発明に係るゴム組成物に配合し、成形、発泡、加硫を行うことで得ることもできる。
配合ゴムを加硫する場合、内包する水分により気泡ができたり、発泡度が異なったりすることがある。これらを防止するために、脱泡剤として酸化カルシウムを添加してもよい。
本発明に係るゴム組成物は、合成ゴム[I]、熱可塑性樹脂[II]および補強材[III]と、たとえば、軟化剤、架橋剤などの一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知の配合剤から一般的なゴム配合物の製造方法によって調製することができる。
(ゴム成形体)
本発明のゴム成形体は、本発明のゴム組成物を加硫してなり、イオン凝集塊が形成されることから、高剛性で、優れた機械特性(伸び性)とゴム弾性を併せ持つ。そのため、ゴム製品を薄肉化して、所望の物性を有することが可能となり、自動車部品、家電関連部品、土木・建材関連部品、雑貨ならびに日用品をはじめ種々の用途に用いることができる。このようば用途としては、具体的には、自動車用ウェザーストリップ、例えばドアウェザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレータウェザーストリップ、スライディングループパネルウェザーストリップ、フロントウインドウェザーストリップ、リヤウインドウェザーストリップ、クォーターウインドウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウナーウェザーストリップ、ドアガラスインナーウェザーストリップ、ダムウインドシールド、グラスランチャネル、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップ; 自動車用ホース、例えばブレーキホース、ラジエターホース、ヒーターホース、エアークリーナーホース; 送水用ホース; ガス用ホース; 建材シール部品、例えばガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部; 家電シール部品; 自動車用カップ・シール材、例えばマスタシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ等が挙げられる。
発泡成形体として、具体的には、ドアシール用スポンジ、オープニングトリム用スポンジ、フードシール用スポンジ、トランクシール用スポンジ等のウェザーストリップ用スポンジ材;断熱スポンジ、ダムラバー等高発泡スポンジ材などが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物からゴム成形体を製造するには、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、未加硫の配合ゴムを上述したような方法で一度調製し、次に、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に加硫を行えばよい。
なお、実施例および比較例においては、下記を使用した。
(b):プロピレン単独重合体〔商品名 プライムポリプロJ105G(商標)株式会社プライムポリマー社製、密度900Kg/m3〕
(c):エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂〔商品名:エバフレックスEV250(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、密度950Kg/m3、融点71℃、酢酸ビニル含有量28質量%〕。
(d):エチレン・メタクリル酸共重合体〔商品名:ニュクレルN1108C(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、密度940Kg/m3、融点98℃、酸含有量11質量%〕。
(f):エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー〔商品名:ハイミラン1554(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、密度950Kg/m3、融点97℃、イオン架橋品 金属塩:亜鉛系〕
(g):エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー〔商品名:ハイミラン1555(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、密度940Kg/m3、融点95℃、イオン架橋品 金属塩:ナトリウム系〕
(h):エチレン系改質樹脂〔商品名:フサボンドMB−528D(商標)デュポン(株)社製、密度920Kg/m3、融点114℃〕
以下、実施例、比較例で得られたゴム組成物および加硫物の各物性の測定方法を示す。
示差走査熱量測定(DSC)または等価な技術によって決定される。
〔最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(t5)〕
ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、125℃において、ムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度Vmを求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(min.)とした。
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、表1に記載の配合にて、それぞれのゴム組成物(加硫剤無し)を調製した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は140〜160℃であった。得られた混練物を50φmm単軸押出機(株式会社三葉製作所製)により平板形状(3cm幅×2mm厚み)に押出し、以下の基準により押出し意匠面状態を3段階で評価した。
○:平滑性に優れ、良好な表面外観を示す。
△:若干の凹凸や平板成形体のうねりが見られ、表面光沢が乏しい。
×:細かな凹凸や平板成形体のうねりが多数見られ、平滑性に乏しい。
加硫成形体をJIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、50%伸張時のモジュラス(M50)、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
加硫成形体の平らな部分を重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
JIS K6250の6.5の要領で加硫成形体からサンプルを抜き取り、JIS K6262(1997)に従って、100℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
ゴム組成物における加硫する前のゴム組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT3090E、三井化学(株)製、油展量:10重量部]110重量部(EPT含量:100重量部)[I]に対して、加硫促進助剤として酸化亜鉛2種(商品名;酸化亜鉛2種、ハクスイテック株式会社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸を1重量部、補強剤[III]として「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を167重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を97重量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。
得られた加硫物について、未加硫物性、引張り試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験を上記方法にて行った。結果を表1に示す。
参考例1において、熱可塑性樹脂[II]成分として(d)ニュクレルN1108Cを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、熱可塑性樹脂[II]成分として(e)ニュクレルAN4213Cを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、熱可塑性樹脂[II]成分として(f)ハイミラン1554を20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、熱可塑性樹脂[II]成分として(g)ハイミラン1555を20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、熱可塑性樹脂[II]成分として(h)フサボンドMB−528Dを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、補強材[III](カーボンブラック、旭#60G)を20重量部多く添加した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、樹脂成分として(a)ウルトゼックス2022Lを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、樹脂成分として(b)グランドポリプロJ105Gを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、樹脂成分として(c)エバフレックスEV250を20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
参考例1において、用いる合成ゴム[I]をエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT3062E、三井化学(株)製、油展量:20重量部]120重量部(EPT含量:100重量部)とし、補強材[III]の量を140重量部、軟化剤「PW−380」を60重量部とした以外は、参考例1と同様に行った。結果を表2に示す。
参考例2において、熱可塑性樹脂[II]成分として(d)ニュクレルN1108Cを5重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例2と同様に行った。結果を表2に示す。
参考例2において、熱可塑性樹脂[II]成分として(d)ニュクレルN1108Cを10重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例2と同様に行った。結果を表2に示す。
参考例2において、熱可塑性樹脂[II]成分として(d)ニュクレルN1108Cを20重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例2と同様に行った。結果を表2に示す。
参考例2において、熱可塑性樹脂[II]成分として(d)ニュクレルN1108Cを30重量部、合成ゴム[I]および補強剤[III]と共に、追加で添加(配合)した以外は、参考例2と同様に行った。結果を表2に示す。
Claims (6)
- [I]合成ゴムを100重量部、
[II]熱可塑性樹脂を、該合成ゴム100重量部に対して、3〜40重量部、
[III]補強材を、該合成ゴム100重量部に対して、5〜200重量部、および
[IV]架橋剤として、イオウおよび/またはイオウ化合物を、該合成ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部、および/または、
架橋剤として、有機過酸化物を、該合成ゴム100gに対して、0.0003〜0.05モル含有し、
該合成ゴム[I]としては、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体ゴムのみを含み、
該熱可塑性樹脂[II]としては、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびエチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、かつ、融点が60〜120℃である熱可塑性樹脂のみを含むことを特徴とする未加硫のゴム組成物。 - 前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が、エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との二元共重合体であり、
前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが、エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との二元共重合体のアイオノマーである
ことを特徴とする請求項1に記載の未加硫のゴム組成物。 - 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体ゴムが、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体および/またはエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の未加硫のゴム組成物。
- 前記補強材[III]が、カーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、タルク、クレー、およびこれらの無機物の表面をシランカップリング剤で処理したものからなる群より選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の未加硫のゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を架橋してなることを特徴とするゴム成形体。
- 前記未加硫のゴム組成物を加硫して得られた、厚さ2mmのゴムシートを用いて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行って測定した、破断時強度(TB)が、9.2〜14.9MPaであることを特徴とする請求項5に記載のゴム成形体。
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