JP6463148B2 - ドアセット - Google Patents
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Description
この特許文献1には、扉の表面間を連通する通気路と、通気路を遮断もしくは開放する遮へい部材と、遮へい部材を操作する操作部と、を備えたドア装置が開示されている。このドア装置の場合、操作部によって遮へい部材を操作して通気路を遮断すれば気密性を維持できる。逆に、操作部によって遮へい部材を操作して通気路を開放すれば、通気路を介した通気を確保できる。
第2発明のドアセットは、扉を閉じた状態において、戸枠の戸当たりと前記扉との間の隙間を遮蔽開放する換気機構を備えており、該換気機構は、前記扉に対して接近離間可能に設けられた遮蔽部材と、前記戸枠に設けられた、該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えおり、前記操作部は、前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、前記移動部材の移動を案内する案内機構と、を備えており、該案内機構は、前記移動部材に連結された案内部と、前記遮蔽部材に連結された可動側部材と、を備えており、前記案内部には、前記戸枠の戸当たりと交差する面に該戸枠の戸当たりに対して傾斜した案内溝が形成されており、前記可動側部材は、前記案内部の案内溝に挿入される案内部材を備えており、前記移動部材を前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動させると、前記案内機構に案内されて、前記遮蔽部材と前記扉との間の距離が変化することを特徴とする。
第3発明のドアセットは、第1または第2発明において、前記遮蔽部材が、前記戸枠の戸当たりに配置されるクッション材であることを特徴とする。
第2発明によれば、換気機構の遮蔽部材を扉に対して接近離間させれば、換気状態と遮蔽状態とを切り換えることができる。しかも、換気機構は戸枠に設けられており、また、遮蔽部材を扉に対して接近離間させるだけであるので、扉自体に特別な加工等をしなくてもよい。したがって、換気機構を設けても、扉の構造が複雑になることを防止することができる。また、移動部材を戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動させるだけで、遮蔽部材を扉に対して接近離間させることができるので、通気遮蔽の切り替えが容易になる。しかも、移動部材を有する操作部を遮蔽部材と戸枠の戸当たりとの間に設けているだけであるから、換気機構の構造を簡単なものとすることができる。そして、案内機構に案内されて可動側部材が移動するので、遮蔽部材の移動を安定させることができる。
第3発明によれば、遮蔽部材がクッション材であるので、戸枠と扉の隙間を遮蔽した際の気密性を高くすることができる。しかも、遮蔽部材を設けるための特別なスペースが不要となるので、戸枠が大型化することも防ぐことができる。
また、本発明のドアセットは、玄関に設置されるドアセットとして使用されることはもちろん、マンションの各住戸の部屋同士の間に設置されるドアセットや、部屋と廊下との間に設置されるドアセットとしても使用することができる。
以下では、本発明のドアセットを、マンションの住戸の玄関ドアに使用した場合を代表として説明する。
図3において、符号Fは共用廊下を示しており、符号EWは玄関側壁を示している。この玄関側壁EWには、本実施形態のドアセット1が取り付けられている。
図3に示すように、戸枠2は、一対の竪枠2a、2bと、この竪枠2a、2bの下端間および上端間をそれぞれ繋ぐように設けられた下枠2cと上枠2dとから構成されている。この戸枠2は、一対の竪枠2a、2bと下枠2c、上枠2dに囲まれた正面視略長方形の開口2hが形成されるように、各枠2a〜2dが配設されている。
図3に示すように、戸枠2には扉10が取り付けられている。この扉10は、戸枠2の開口2hと略相似形であって、扉10を閉じた状態において、戸枠2の開口2hを塞ぐことができる大きさに形成されている。
なお、連結手段は、上記機能を有するものであればよくその構造はとくに限定されない。例えば、公知の蝶番やピボットヒンジ、フロアヒンジ等を本実施形態のドアセット1の連結手段として使用することができる。
図1に示すように、本実施形態のドアセット1では、戸尻側の竪枠2bに換気機構20が設けられている。この換気機構20は、クッションPと、このクッションPを移動させる機能を備えた操作部21を有するものである。この換気機構20において、クッションPを移動させる操作部21の作動機構25は、竪枠2bの内面(開口2hを形成する面)に設けられている(図7参照)。そして、この作動機構25の作動レバー25rを操作すると、クッションPの突出量(言い換えれば、扉10を閉めた時におけるクッションPと扉10の面10aとの距離)を調節することができるようになっている。言い換えれば、扉10を閉めた状態において作動機構25の作動レバー25rを操作すると、クッションPが扉10の面10aと接触した状態(遮蔽状態)と、クッションPと扉10の面10aとの間に隙間ができる状態(換気状態)の間でクッションPを移動させることができるようになっている。この換気機構20の詳細は後述する。
つぎに、換気機構20について、詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、戸尻側の竪枠2bには、換気機構20が設けられている。具体的には、戸尻側の竪枠2bには、通常、戸当たりdsにおいてクッションPが配置される位置に、換気機構20を収容する収容溝2gが設けられている。この収容溝2gは、戸尻側の竪枠2bの軸方向(つまり戸枠2の上下方向)に沿って伸びた溝である。この収容溝2g内に換気機構20が設けられている。
なお、ケース20aの開口は、収容溝2gの開口と同様に、扉10側を向いているので、クッションPをケース20aの開口から出没させれば、クッションPは扉10の表面10aに対して接近離間することになる。
図1および図7に示すように、操作部21は、クッションPを支持する支持プレートSPの背面(つまりクッションPの背面という)とケース20aの底壁内面との間に設けられている。この操作部21は、移動プレート21aと、案内機構22と、作動機構25と、を備えている。なお、移動プレート21aが、特許請求の範囲における移動部材に相当する。
図1に示すように、移動プレート21aは、板状の部材であり、ケース20aの底壁近傍に配置されている。この移動プレート21aは、その表面がケース20aの底壁内面(つまり収容溝2gの内底面s)と平行となるように配置されている。そして、移動プレート21aは、ケース20aの底壁内面に沿って(言い換えれば戸当たりdsの表面に沿って)ケース20aの軸方向に移動可能に設けられている。なお、移動プレート21aは、後述する作動機構25によって移動されるが、詳細は後述する。
図4および図5に示すように、案内機構22は、支持プレートSPの背面に連結された複数の可動側部材23と、移動プレート21aに設けられた複数の案内部24と、を有している。
図7に示すように、竪枠2bにおいて収容溝2gを形成する側壁(収容溝2gの側壁)、および、ケース20aの側壁には、収容溝2gと外部との間を連通する取付孔hb、および、ケース20aの側壁と外部との間を連通する取付孔20hが設けられている。そして、収容溝2gの側壁の取付孔hbには、フランス落とし機構を有する作動機構25が取り付けられている。この作動機構25は、その作動レバー25rを操作すると、移動プレート21aがその軸方向、つまり、ケース20aの底壁内面に沿った方向に移動するように設けられている。
移動プレート21aに形成されている貫通孔hは、移動プレート21aがケース20aの底壁内面に沿って移動しても、クッション案内機構PAと移動プレート21aが干渉しない程度の長さに形成されている(図4(A)参照)。つまり、貫通孔hの軸方向の長さは、少なくとも移動プレート21aの移動ストロークよりも長くなるように形成されている。したがって、移動プレート21aが移動する際に、クッション案内機構PAが障害となることはない。
上記例では、ピン25pの先端はプレート21pの下面に接触するように設けられている場合を説明したが、プレート21pとピン25pは固定されていてもよい。しかし、上記のような構造とすれば、操作部21と作動機構25を設置する際に、両者を連結しなくてもよくなるので、換気機構20の設置が容易になる。
上記例では、可動側部材23に案内溝23gを設け、案内部24に案内部材24bを設けた場合を説明した。しかし、案内部24に案内溝を設け、案内溝に挿入される案内部材を可動側部材23に設けてもよい。
クッション案内機構PAは、上記のごとく支持プレートSPとケース20aを上記のごとく連結できるのであれば、上記のごとき構造に限定されない。例えば、ケース20aの側壁内面にケース20aの底壁から開口に向かって延びるレール状の突出部を設け、支持プレートSPの側面にこの突出部と係合する切り欠きを設けてもよい。
支持プレートSPの構造もとくに限定されず、操作部21によってクッションPが移動された際にクッションPが変形しないように保持できるものであればよい。例えば、単なる板状の部材を支持プレートSPとして使用してもよい。しかし、上述したような略U字状の支持プレートSPを用いれば、通常の戸枠の戸当たりにクッションPを取り付ける場合と同様の方法でクッションPを支持プレートSPに固定できるという利点がある。
戸当りに取り付けられるクッションPはとくに限定されないが、通常、内部が中空となったものが好ましい。その理由は、クッションPの柔軟性を高めて、衝撃吸収性や扉10との密着性を高めるためである。
上記例では、戸尻側の竪枠2bに換気機構20を設ける場合を説明した。しかし、換気機構20を設ける位置は、戸尻側の竪枠2bに限られない。戸尻側の竪枠2b以外の枠2a,2c,2dに換気機構20を設けてもよい。
換気機構20の操作部21は、上述したような構成に限定されない。クッションPを遮断状態と換気状態の間で移動させることができ、しかも、各位置でクッションPが移動しないようにその移動を固定しておくことができるのであれば、種々の構成を採用することができる。
換気機構20を戸枠2に設けられた収容溝2gに設置する場合には、上述したケース20aは必ずしも設けなくてもよい。つまり、操作部21等を、直接、収容溝2gに設置してもよい。この場合、収容溝2gの内底面sが上述したケース20aの底壁内面として機能し、収容溝2gの開口が上述したケース20aの開口として機能するように、操作部21等を収容溝2g内に設置すればよい。しかし、ケース20aを設けておけば、操作部21を収容溝2gに設置する作業等が容易になるという利点が得られる。
また、ユニット状の換気装置は、戸枠と扉の間に形成される隙間を連通遮蔽する以外の用途にも使用することができる。例えば、可動間仕切り壁同士の間に形成される隙間を連通遮蔽する装置としても使用することができる。もちろん、窓枠と桟との隙間を連通遮断する場合にも使用できる。この場合、ユニット状の換気装置を窓枠と桟のいずれに設けてもよいが、窓の使用しやすさを考慮すれば、ユニット状の換気装置は窓枠に設ける方が望ましい。
2 戸枠
10 扉
20 換気機構
20a ケース
21 操作部
21a 移動プレート
22 案内機構
23 可動側部材
23g 案内溝
24 案内部
24b 案内部材
25 作動機構
P クッション
ds 戸当たり
Claims (3)
- 扉を閉じた状態において、戸枠の戸当たりと前記扉との間の隙間を遮蔽開放する換気機構を備えており、
該換気機構は、
前記扉に対して接近離間可能に設けられた遮蔽部材と、
前記戸枠に設けられた、該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えており、
該操作部は、
前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、
該移動部材の移動を案内する案内機構と、を備えており、
該案内機構は、
前記移動部材に連結された案内部と、
前記遮蔽部材に連結された可動側部材と、を備えており、
前記可動側部材には、前記戸枠の戸当たりと交差する面に該戸枠の戸当たりに対して傾斜した案内溝が形成されており、
前記案内部は、
前記可動側部材の案内溝に挿入された案内部材を備えており、
前記移動部材を前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動させると、前記案内機構に案内されて、前記遮蔽部材と前記扉との間の距離が変化する
ことを特徴とするドアセット。 - 扉を閉じた状態において、戸枠の戸当たりと前記扉との間の隙間を遮蔽開放する換気機構を備えており、
該換気機構は、
前記扉に対して接近離間可能に設けられた遮蔽部材と、
前記戸枠に設けられた、該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えおり、
前記操作部は、
前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、
前記移動部材の移動を案内する案内機構と、を備えており、
該案内機構は、
前記移動部材に連結された案内部と、
前記遮蔽部材に連結された可動側部材と、を備えており、
前記案内部には、前記戸枠の戸当たりと交差する面に該戸枠の戸当たりに対して傾斜した案内溝が形成されており、
前記可動側部材は、
前記案内部の案内溝に挿入される案内部材を備えており、
前記移動部材を前記戸枠の戸当たりの表面方向に沿って移動させると、前記案内機構に案内されて、前記遮蔽部材と前記扉との間の距離が変化する
ことを特徴とするドアセット。 - 前記遮蔽部材が、
前記戸枠の戸当たりに配置されるクッション材である
ことを特徴とする請求項1または2記載のドアセット。
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