JP6462461B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車両に搭載される内燃機関用の点火装置、特に一回の燃焼行程間に複数回の放電を行う多重放電型の内燃機関用点火装置の改良に関する。
車両搭載の内燃機関として、空燃比を理論空燃比より薄くした希薄燃焼エンジンや排気ガスを高濃度に再投入させる高EGRエンジンが採用されているが、これらのエンジンは着火性が余り良くないため、点火装置には高エネルギー型のものが必要になる。このような希薄燃焼エンジンや高EGRエンジンのための点火装置として、所定の点火期間に少なくとも2回以上の高電圧放電を点火プラグに発生させる、いわゆる多重放電型の点火装置が知られている。
上述した多重放電型の点火装置では、点火コイルからフィードバックされる一次電流や二次電流の値とエンジンの運転条件を基に、内燃機関制御装置(ECU)から一回の点火サイクル中に複数個の点火信号が供給され、点火コイルの一次コイルへの通電・遮断を切り替えるスイッチング素子のオン・オフを燃焼サイクルの放電タイミングで複数回実行し、一回の点火サイクル中に複数回の放電を点火プラグに発生させるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−050147号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような点火装置においては、一次電流の検出値をECUへフィードバックするための配線とECU側の入力端子が別途必要となり、既存のECUとの共用化が困難である。また、特許文献1には、ECUからの制御信号線を追加せず、既存の点火制御信号線を使って一次電流検出情報をECUに認識させるように、点火信号に一次電流検出情報を重畳させてECUに送る方法も記載されているが、一次電流検出情報を点火信号から分離して認識する機能をECUに設ける必要があるため、やはり、既存のECUとの共用化が困難である。そのため、特許文献1に記載された多重放電型の点火装置を実現するためには、多重放電型の点火装置に応じたECUを作らなければならず、結果として大幅なコストUPとなる。
また、点火コイルにスイッチング素子とマイコンを内蔵し、エンジンの運転条件に基づいてECUから供給される点火信号と、点火コイル内でフィードバックされる一次電流や二次電流の値を内蔵マイコンに入力し、この内蔵マイコンが点火信号やフィードバック電流値に基づいてスイッチング素子をオン・オフさせる点火信号を生成し、一回の点火サイクル中にスイッチング素子を複数回オン・オフさせて、一回の点火サイクル中に複数回の放電を点火プラグに発生させる方法も考えられる。
このように、点火コイルに内蔵したマイコンでスイッチング素子をオン・オフさせて多重放電を実現する方法なら、既存のECUとの互換性を保つことができるものの、内蔵マイコンの動作安定性に問題がある。すなわち、点火コイルは点火プラグの高圧端子へ接続されるようにエンジン上部へ直接取り付けられることから、プラグ電極での放電によるノイズがマイコンに影響する危険性があり、また、点火コイル内のマイコン周囲温度も高いために、点火コイルに内蔵されたマイコンは、ノイズによる誤動作や高温による熱暴走を起こす可能性がある。内蔵マイコンの動作安定性を担保するためには、ノイズや熱への対策が別途必要になることから、結果的にコストUPにつながる。
そこで、本発明は、既存の内燃機関制御装置との互換性を保ちつつ、安定した多重放電制御を実現でき、小型で燃焼改善効果とコストのバランスが最適化された内燃機関用点火装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、気筒毎に設けられる1つの点火プラグに二次コイルが接続される点火コイルと、該点火コイルの一次コイルに流れる一次電流の通電・遮断を切り替えるスイッチング素子と、内燃機関の燃焼周期と一次コイルへの通電・遮断タイミングを示す点火信号を内燃機関制御装置より受けることに基づいて、前記スイッチング素子のオン・オフを制御する多重放電制御回路と、を備える内燃機関用点火装置であって、前記多重放電制御回路は、内燃機関の運転状況が予め定めた多重放電実行条件を満たすとき、主放電用一次電流制御に続けて副放電用一次電流制御を複数回行うことで、前記点火コイルの二次側に高電圧を複数回発生させる多重放電制御を行い、内燃機関の運転状況が前記多重放電実行条件から外れているとき、主放電用一次電流制御のみを行って、前記点火コイルの二次側に高電圧を1回のみ発生させる通常放電制御を行う機能を、電子回路で構成し、更に、前記多重放電制御回路は、副放電用一次電流制御を継続的に行う多重放電実行時間を、前記点火信号より判断できる燃焼周期および/または主放電用一次コイル通電時間に基づいて可変設定するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の内燃機関用点火装置において、前記点火コイル、スイッチング素子および多重放電制御回路は、単一のケース内に収納したユニット構造であり、前記多重放電制御回路は、少なくとも、前記多重放電実行条件下の動作により発生するノイズおよび放熱に十分抗し得る耐ノイズ性および耐熱性を満たすディスクリート部品により構成することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火装置において、前記多重放電実行条件は、点火信号より判断できる主放電用一次コイル通電時間が予め定めた下限通電時間以上であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火装置において、前記多重放電実行条件は、点火信号より判断できる燃焼周期の期間長が予め定めた下限周期の期間長以上であることを特徴とする
また、請求項に係る発明は、前記請求項1〜請求項の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置において、前記点火コイルの一次コイルに流れる電流を検出する一次電流検出手段を設け、前記多重放電制御回路は、副放電用一次電流制御において、前記一次電流検出手段によって検出された一次電流検出値が、予め設定された副放電用遮断電流値に達することでスイッチング素子をオフにして副放電を生じさせると共に、次回の副放電に備えてスイッチング素子をオンにするまで副放電が継続するように待機する副放電待機時間は一定に保つことで、一回の副放電による放電エネルギーを一定に保持するようにしたことを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用点火装置によれば、耐熱性および耐ノイズ性が劣るマイコンを使わず、耐熱性および耐ノイズ性を高め易い電子回路によって諸機能を構成した多重放電制御回路が、既存の内燃機関制御装置から供給された点火信号に基づいて、多重放電制御もしくは通常放電制御を行うので、既存の内燃機関制御装置との互換性を保ちつつ、安定した多重放電制御を実現でき、小型で燃焼改善効果とコストのバランスが最適化されたものとなる。
本発明に係る内燃機関用点火装置の実施形態を示す概略構成図である。 実施形態に係る内燃機関用点火装置が多重放電制御を行う場合の要部信号波形と点火コイルの出力波形を示すタイミングチャートである。
次に、本発明に係る内燃機関用点火装置の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すのは、本発明の第1実施形態に係る内燃機関用点火装置1であり、気筒毎に設けられる1つの点火プラグ2の非接地側に二次コイル32が接続される点火コイル3と、点火コイル3の一次コイル31に流れる一次電流の通電・遮断を切り替えるスイッチング素子4と、内燃機関の燃焼周期と一次コイル31への通電・遮断タイミングを示す点火信号Secuを内燃機関制御装置(ECU)5より受けることに基づいて、スイッチング素子4のオン・オフを制御する駆動信号Sdを出力する多重放電制御回路10と、を備えるもので、例えば、点火コイル3とスイッチング素子4と多重放電制御回路10は一体にパッケージングされる。
点火コイル3は、一方端が車両バッテリー等の直流電源(VB+)に、他方端がスイッチング素子4を介して接地点に接続される一次コイル31を、鉄心33を介して二次コイル32と磁気結合させたものである。二次コイル32の一方端は点火プラグ2に、他方端は逆起電力防止用ダイオード34を介して一次コイル31の給電側に接続される。そして、一次コイル31に一次電流I1を流した後に一次電流I1を遮断すると、その磁束変化が二次コイル32に高電圧を誘起して、点火プラグ2の放電ギャップgに絶縁破壊を起こし、放電電流(二次電流I2)が流れる。
多重放電制御回路10は、エンジンの運転状況が予め定めた多重放電実行条件を満たすとき、主放電用一次電流制御に続けて副放電用一次電流制御を複数回行うことで、点火コイル3の二次側に高電圧を複数回発生させる多重放電制御を行い、エンジンの運転状況が多重放電実行条件から外れているとき、主放電用一次電流制御のみを行って、点火コイル3の二次側に高電圧を1回のみ発生させる通常放電制御を行うものである。なお、多重放電制御回路10に設けるこれらの機能は、耐熱性および耐ノイズ性が劣るマイコンを使わず、耐熱性および耐ノイズ性を高め易い電子回路(耐熱性および耐ノイズ性の高いディスクリート部品やリニアIC等)で構成する。
上記多重放電制御回路10に点火信号Secuを供給するECU5は、エンジンの燃焼制御を統括的に行うものであり、気筒の燃焼周期や点火コイル3への一次電流通電タイミングおよび遮断タイミングを点火信号Secuとして出力する。この点火信号Secuは、信号電位がLレベルとHレベルの二値で変化するパルス信号であり、そのパルス周期が燃焼周期Tecuとして判断でき、そのパルス幅(Hレベルへ立ち上がってからLレベルへ戻るまでの期間)が一次コイル31への通電指示時間Tonとして判断できる。
なお、ECU5は1燃焼行程で1回の放電のみを行う通常放電のための点火信号Secuを出力するものであって、多重放電制御には対応していないが、この点火信号Secuの情報に基づいて、多重放電制御回路10が主放電用一次電流制御と副放電用一次電流制御を行うことで、多重放電制御を可能とする。すなわち、本実施形態に係る内燃機関用点火装置1は、多重放電に対応していない既存のECU5を用いることで、多重放電を実現できるので、多重放電実現のためにECU5を設計し直す必要が無く、既存のECU5と互換性を持たせることができ、コスト抑制に効果がある。
スイッチング素子4は、車両バッテリー等の直流電源(VB+)から一次コイル31への通電・遮断を切り替えるもので、耐電圧が高く、高速スイッチング動作に優れたパワートランジスタ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成する。そして、多重放電制御回路10よりゲートに入力される駆動信号Sdがオンの間、スイッチング素子4が閉じて一次コイル31に一次電流I1が流れ、駆動信号Sdがオフになるとスイッチング素子4が開いて一次電流I1が遮断されることとなる。
ここで、多重放電制御回路10の詳細機能を、図2に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。なお、図2に示すのは、多重放電実行条件下で多重放電制御を行う場合の一例である。
ECU5から送信される点火信号Secuは、エンジン回転数に応じた燃焼周期Tecuで、運転条件に対応した通電指示時間Tonによる燃焼制御を指示するものであり、多重放電制御回路10のスイッチング素子駆動回路11と点火信号判定/タイマ時間設定回路12に入力される。
スイッチング素子駆動回路11は、1回の主放電と複数回の副放電を行わせるように駆動信号Sdを送出してスイッチング素子4を駆動させるものである。点火信号Secuの通電指示時間Tonは、主放電のためにスイッチング素子4をオン・オフさせるために用いられ、通電指示時間Tonと一致させた主通電時間Tm−onにわたって一次コイル31に一次電流I1を流した後、一次電流I1を遮断する。これにより、二次コイル32に高電圧が発生し、二次電流I2が流れるのである。
なお、主放電により流れる二次電流I2の値は、一次電流遮断時の電流値によって変わるが、点火プラグ2に絶縁破壊を起こすのに必要十分な放電エネルギーを与えて主放電を生じさせるための指標として主放電基準値I1aを用い、一次電流値がI1aに達したタイミングでスイッチング素子4をオフにするように、スイッチング素子駆動回路11が駆動信号Sdを生成するようにしても良い。
点火信号判定/タイマ時間設定回路12は、ECU5からの点火信号Secuに基づいて多重放電実行条件に該当するか否かを判定する機能と、多重放電実行条件に該当した場合の多重放電実行時間Tdを設定する機能とを備えるものである。なお、多重放電による点火制御を行うための基準となる多重放電実行条件は、高い効果を認められる低回転域に設定しておく。
まず、点火信号判定/タイマ時間設定回路12は、多重放電実行条件に該当するか否かを判定するために、ECU5からの点火信号Secuに基づいて判断するために、例えば、主放電用一次コイル通電時間を示す通電指示時間Tonの時間幅を監視し、この通電指示時間Tonが予め定めた下限通電時間以上であれば、多重放電実行条件に該当すると判定し、多重放電制御を行うために多重放電実行時間Tdの設定を行う。一方、通電指示時間Tonが予め定めた上限通電時間を超えていれば、高い効果が認められにくい高回転域と考えられるので、多重放電実行条件に該当しないと判定し、多重放電実行時間Tdの設定は行わない。
なお、多重放電実行条件の判定には、点火信号Secuの燃焼周期Tecuを用いても構わない。例えば、燃焼周期Tecuの期間長が予め定めた下限周期の期間長以上であれば、エンジン回転数が低い低出力の運転状況と考えられるので、多重放電実行条件に該当すると判定でき、燃焼周期Tecuの期間長が下限周期の期間長よりも短ければ、エンジン回転数が高い高出力の運転状況と考えられるので、多重放電実行条件に該当しないと判定できる。但し、燃焼周期Tecuが多重放電実行条件に該当するか否かの判定結果は一旦記憶しておき、次回の燃焼行程にて利用する。
上記のようにして、点火信号判定/タイマ時間設定回路12が多重放電実行条件を判定した結果、多重放電実行条件に該当しないと判定された場合は、多重放電実行時間Tdの設定が行われないため、後述する副放電用のパルスが駆動信号Sdとして出力されることはなく、スイッチング素子駆動回路11からは主放電のための1回のパルスのみが駆動信号Sdとして出力されるため、点火コイル3の二次側に高電圧を1回のみ発生させる通常放電制御が行われる。
一方、点火信号判定/タイマ時間設定回路12において、多重放電実行条件に該当すると判定された場合は、多重放電実行時間Tdを設定し、タイマ指令信号Scをタイマ回路13へ出力し、これを受けたタイマ回路13が多重放電実行時間Tdの計時を開始する。そして、タイマ回路13が多重放電実行時間Tdの計時している間、多重放電実行信号Stが多重放電信号用発振回路14に入力され、この多重放電実行信号Stが入力されている期間に限って多重放電信号用発振回路14から副放電用パルス信号Spがスイッチング素子駆動回路11に出力され、スイッチング素子駆動回路11は副放電用パルス信号Spのパルスと一致するタイミングで複数の副放電用パルスを駆動信号Sdとしてスイッチング素子4に出力し、主放電に続けて複数の副放電を行う多重放電制御を実現するのである。
上記点火信号判定/タイマ時間設定回路12が設定する多重放電実行時間Tdは、多重放電実行条件に当てはまる運転状況で、標準的な回数の副放電を実行できるだけの時間を固定的に設定しても良いが、点火信号Secuの点火周期Tecuや通電指示時間Tonに応じて、多段階に多重放電実行時間Tdを設定しておけば、運転状況に適した多重放電制御を行うことが可能となり、過剰な放電エネルギーを使ってしまったり、副放電によるエネルギー不足で燃焼状態が悪化したりすることを効果的に防げる。
上記タイマ回路13が多重放電実行時間Tdを計時することで多重放電実行信号Stが入力される多重放電信号用発振回路14は、主放電に必要十分な時間として設定した発振待機時間tdの経過を待って、オン時間th、オフ時間tlの周期パルスを継続発振させ、これが副放電用パルス信号Spとしてスイッチング素子駆動回路11に入力される。
これにより、スイッチング素子駆動回路11から出力される副放電用パルス信号Spは、主通電時間Tm−onの経過により信号レベルをLに戻してから、発振待機時間tdに等しい主放電待機時間Tm−offの間、Lレベルを保持するので、一次電流I1は、ほぼ主放電基準値I1aに達したタイミングで遮断され、瞬時的に二次側に主放電二次電流値I2aが流れ、主放電待機時間Tm−offに等しい主放電時間td1が経過するまで主放電が保持される。
続いて、スイッチング素子駆動回路11から出力される副放電用パルス信号Spは、副放電用パルス信号Spのオン時間thに一致する第1副通電時間Ts1−onだけ信号レベルをHにして、第1副通電時間Ts1−onの経過後に信号レベルをLに戻し、副放電用パルス信号Spのオフ時間tlに一致する第1副放電待機時間Ts1−offの間、Lレベルを保持するので、一次電流I1は、ほぼ副放電用遮断電流値I1bに達したタイミングで遮断され、瞬時的に二次側に副放電二次電流値I2bが流れ、第1副放電待機時間Ts1−offに等しい第1副放電時間td2aが経過するまで1回目の副放電(第1副放電)が保持される。なお、本実施形態では、主放電二次電流値I2aに比べて副放電二次電流値I2bは低くしてあるので、主放電基準値I1aよりも副放電用遮断電流値I1bが低く、主放電のための待機時間となる発振待機時間tdよりも副放電のための待機時間となるオフ時間tlが短くなるように設定しておく。
以降、多重放電実行時間Tdが経過するまで、同様に、副放電用パルス信号Spで指示される副放電用パルスのタイミングで一次コイル31への通電・遮断を繰り返せば、1回の燃焼期間の中で、1回の主放電と複数回の副放電を行うことができる。
しかしながら、本実施形態に係る内燃機関用点火装置1においては、多重放電制御回路10によって、一回の副放電による放電エネルギーを一定に保持できるように、副放電用パルス信号Spの生成には、一次電流の検出値によるフィードバックを反映させるものとした。斯くするために、多重放電制御回路10には、一次電流検出回路15と、電流比較/発信リセット回路16を設けてある。
一次電流検出回路15は、一次コイル31に流れる電流を検出するものである。電流比較/発信リセット回路16は、プリセットされている副放電用遮断電流値I1bと前記一次電流検出回路15の検出電流値とを比較する機能と、比較結果が一致したタイミングで発振リセット信号Srを多重放電信号用発振回路14へ出力する機能とを備える。すなわち、多重放電信号用発振回路14が出力する副放電用パルス信号Spのオン時間thが経過するまでに、一次電流I1が副放電用遮断電流値I1bに達すると、電流比較/発信リセット回路16から出力された発信リセット信号Srが多重放電信号用発振回路14に入力され、オン時間thの経過を待つことなく、パルスをオフにする(信号電位のレベルをHからLに落とす)。発信パルスがリセットされた後は、再び、通常のオフ時間tlとオン時間thでパルス発信を継続する。
例えば、第1副放電のときよりも第2放電での一次電流の立ち上がりが速かった場合、副放電用パルス信号Spのオン時間thが経過するよりも早く副放電用遮断電流値I1bに達することとなり、発信リセット信号Srによって本来のオン時間thが経過する前に副放電用パルス信号Spがオフになるため、駆動信号Sdにおいても、第1副通電時間Ts1−onよりも短い第2副通電時間Ts2−onが経過したタイミングでオフとなり、第2副放電待機時間Ts2−offが経過するまでLレベルを保持する。
これにより、一次電流I1は、副放電用遮断電流値I1bに達したタイミングで遮断され、瞬時的に二次側に副放電二次電流値I2bが流れ、第2副放電待機時間Ts2−offに等しい第2副放電時間td2bが経過するまで2回目の副放電(第2副放電)が保持される。すなわち、第2副放電においても、第1副放電と同じ放電エネルギーを二次側に与えることができ、多重放電制御における副放電各回の放電エネルギーを一定に保ちながら、エンジン回転数や運転状況に応じた多重放電を行う事で燃焼改善効果の変動を抑制できるのである。
また、多重放電制御回路10で比較に用いる副放電用遮断電流値I1bは固定値とせず、複数の値を記憶させておき、運転状況に応じた副放電制御となるように一つの数値を選定して、副放電用遮断電流値I1bとして用いるようにしても良い。
上記のようにして、複数回の副放電制御を継続して実行するが、多重放電実行時間Tdが経過すると、多重放電実行信号Stがオフになるため、多重放電信号用発振回路14が動作を停止することで、スイッチング素子駆動回路11からスイッチング素子4への駆動信号Sdもオフとなる。なお、多重放電実行時間Tdの経過時に、副放電用パルス信号Spがオフ時間tlの途中であれば、駆動信号SdもそのままLレベルを保持すれば良いのであるが、多重放電実行時間Tdの経過時に、副放電用パルス信号Spがオン時間thの途中であれば、オン時間thの経過を待つことなく、駆動信号SdはHレベルからLレベルになるため、一次電流I1が副放電用遮断電流値I1bに達する前にスイッチング素子4がオフとなる可能性がある。
例えば、副放電用パルス信号Spにおいて、第3副放電のためのオン時間thが経過する前に多重放電実行時間Tdが経過した場合、本来のオン時間thが経過する前に副放電用パルス信号Spがオフになるため、駆動信号Sdにおいても、第1副通電時間Ts1−onよりも短い第3副通電時間Ts3−onが経過したタイミングでオフとなり、一次電流I1が副放電用遮断電流値I1bに達する前に一次電流が遮断され、二次側には副放電二次電流値I2bに満たない二次電流I2が流れるため、副放電として十分な放電エネルギーを二次側に与えられない可能性がある。
しかしながら、点火信号判定/タイマ時間設定回路12によって設定された多重放電実行時間Tdが経過したときは、既に必要十分な回数の副放電が実行されたものと考えられるので、特に問題は無い。無論、このようなケースを回避するために、多重放電実行時間Tdが経過したときに多重放電信号用発振回路14がONパルスを出力中であった場合には、オン時間thの経過を待って副放電用パルス信号Spを停止するようにしても良い。
また、多重放電制御回路10に含ませる諸機能は、少なくとも、前述した多重放電実行条件下で点火コイル3およびスイッチング素子4が作動することにより発生するノイズおよび放熱に十分抗し得る耐ノイズ性および耐熱性を満たすディスクリート部品により構成する。但し、スイッチング素子駆動回路11は、多重放電実行条件から外れたときに通常放電制御を行う必要があるため、エンジンが高出力となる環境下においても誤作動や熱暴走しないように、回路を構成しておく必要がある。なお、点火信号Secuと多重放電駆動計時信号Stがスイッチング素子4を駆動制御するために必要十分な印加電圧となるよう設定されていれば、スイッチング素子駆動回路11は、両信号を駆動信号線路へ通過させる機能で実現できる。
以上、本発明に係る内燃機関用点火装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1 内燃機関用点火装置
2 点火プラグ
3 点火コイル
31 一次コイル
32 二次コイル
4 スイッチング素子
5 ECU
10 多重放電制御回路
11 スイッチング素子駆動回路
12 点火信号判定/タイマ時間設定回路
13 タイマ回路
14 多重放電信号用発振回路
15 一次電流検出回路
16 電流比較/発信リセット回路

Claims (5)

  1. 気筒毎に設けられる1つの点火プラグに二次コイルが接続される点火コイルと、該点火コイルの一次コイルに流れる一次電流の通電・遮断を切り替えるスイッチング素子と、内燃機関の燃焼周期と一次コイルへの通電・遮断タイミングを示す点火信号を内燃機関制御装置より受けることに基づいて、前記スイッチング素子のオン・オフを制御する多重放電制御回路と、を備える内燃機関用点火装置であって、
    前記多重放電制御回路は、内燃機関の運転状況が予め定めた多重放電実行条件を満たすとき、主放電用一次電流制御に続けて副放電用一次電流制御を複数回行うことで、前記点火コイルの二次側に高電圧を複数回発生させる多重放電制御を行い、内燃機関の運転状況が前記多重放電実行条件から外れているとき、主放電用一次電流制御のみを行って、前記点火コイルの二次側に高電圧を1回のみ発生させる通常放電制御を行う機能を、電子回路で構成し、
    更に、前記多重放電制御回路は、副放電用一次電流制御を継続的に行う多重放電実行時間を、前記点火信号より判断できる燃焼周期および/または主放電用一次コイル通電時間に基づいて可変設定するようにしたことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記点火コイル、スイッチング素子および多重放電制御回路は、単一のケース内に収納したユニット構造であり、
    前記多重放電制御回路は、少なくとも、前記多重放電実行条件下の動作により発生するノイズおよび放熱に十分抗し得る耐ノイズ性および耐熱性を満たすディスクリート部品により構成することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記多重放電実行条件は、点火信号より判断できる主放電用一次コイル通電時間が予め定めた下限通電時間以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 前記多重放電実行条件は、点火信号より判断できる燃焼周期の期間長が予め定めた下限周期の期間長以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  5. 前記点火コイルの一次コイルに流れる電流を検出する一次電流検出手段を設け、
    前記多重放電制御回路は、副放電用一次電流制御において、前記一次電流検出手段によって検出された一次電流検出値が、予め設定された副放電用遮断電流値に達することでスイッチング素子をオフにして副放電を生じさせると共に、次回の副放電に備えてスイッチング素子をオンにするまで副放電が継続するように待機する副放電待機時間は一定に保つことで、一回の副放電による放電エネルギーを一定に保持するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の内燃機関用点火装置
JP2015074851A 2015-04-01 2015-04-01 内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP6462461B2 (ja)

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