JP6459126B2 - 有機シラン化合物の製造方法及び有機シラン化合物合成用触媒組成物 - Google Patents

有機シラン化合物の製造方法及び有機シラン化合物合成用触媒組成物 Download PDF

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本発明は、有機シラン化合物の製造方法及び有機シラン化合物合成用触媒組成物に関し、より詳しくはハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子存在下で反応させる有機シラン化合物の製造方法に関する。
フェニルシラン等の芳香族有機ケイ素化合物は、シリコーンや電子材料の原料等として利用することができる有用な化合物である。これらの芳香族有機ケイ素化合物は、例えばフェニルグリニャール試薬とハロゲン化シリル類を反応させることにより合成することができるが、近年、パラジウム錯体を触媒として利用したハロゲン化アリール類のシリル化反応(ハロゲン化アリール類とジシラン類との反応)によって合成する方法も提案されている(非特許文献1参照)。
一方、金属塩化物等をジメチルホルムアミド(DMF)中で還元することにより、粒子径が約2nm以下の金、白金、パラジウム等のナノ粒子を簡便かつ大量に合成することが
できることが報告されている。このようなナノ粒子は、分散剤等による表面処理を施すことなく各種媒体に均一に分散することができる優れた特性を有しており、これらのナノ粒子を有機合成反応の触媒として利用する検討が進められている。例えば、白金やパラジウムのナノ粒子を触媒として利用したクロスカップリング反応(特許文献1参照)が報告されている(特許文献1参照)。
特開2012−000593号公報
E.McNeill,T.E.Barder,S.L.Buchwald,Org.Lett.,2007,9,3785
非特許文献1に記載されているようなハロゲン化アリール類のシリル化反応は、特殊な配位子を有するパラジウム錯体が用いられるため、コストの観点から改善の余地があった。優れた活性を示す触媒を簡便かつ安価に調製することができれば、有機ケイ素化合物を利用した材料等の製造コスト低減に繋がる優れた技術となり得る。
即ち、本発明は、有機シラン化合物を効率良く、安価に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させる有機シラン化合物の製造方法において、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を用いることにより、有機シラン化合物を効率良く、安価に製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させる反応工程を含む有機シラン化合物の製造方法であって、
前記反応工程が、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の存在下で行われる工程であり、
前記溶媒が、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、有機シラン化合物の製造方法。
<2> 下記式(A)で表される化合物を製造する方法である、<1>に記載の有機シラン化合物の製造方法。

(式(A)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、mは0〜6−nの整数を、nは1〜6の整数を表す。但し、Rとして2以上の炭化水素基を含む場合、2以上の炭化水素基が連結して環状構造を形成していてもよい。)
<3> 前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、<1>又は<2>に記載の有機シラン化合物の製造方法。
<4> 前記反応工程が、塩基の存在下で行われる工程である、<1>〜<3>の何れかに記載の有機シラン化合物の製造方法。
<5> 前記塩基が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び酢酸セシウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むものである、<4>に記載の有機シラン化合物の製造方法。
<6> 前記パラジウム元素含有ナノ粒子の累積中位径(Median径)が、0.5〜100nmである、<1>〜<5>の何れかに記載の有機シラン化合物の製造方法。
<7> 表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を含む触媒組成物であって、
前記溶媒が、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
<8> 前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、<7>に記載の有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
<9> ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させて有機シラン化合物を合成するためのものである、<7>又は<8>に記載の有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
本発明によれば、有機シラン化合物を効率良く、安価に製造することができる。
実施例1で得られた分散液1の動的光散乱法(DLS)による粒度分布の測定結果である。 実施例1で得られた固形物の高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)の観察結果である(図面代用写真)。
本発明の有機シラン化合物の製造方法及び有機シラン化合物合成用触媒組成物の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<有機シラン化合物の製造方法>
本発明の一態様である有機シラン化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、「ハロゲン化アリール類」と「ジシラン類」又は「ヒドロシラン類」とを反応させる反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む方法であるが、反応工程が表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の存在下で行われることを特徴とする。
前述のようにハロゲン化アリール類のシリル化反応は、特殊な配位子を有するパラジウム錯体が用いられるため、コストの観点から改善の余地があった。本発明者らは、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子がハロゲン化アリール類のシリル化反応の触媒として好適であり、これを用いることによって有機シラン化合物を効率良く、安価に製
造することができることを見出したのである。
表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子(以下、「PdNCs」と略す場合がある。)は、有機シラン化合物の製造に使用した後、回収して触媒として再利用することができる利点がある。例えば、パラジウム錯体を触媒として用いた場合、高い触媒活性が得られるものの、一般的に錯体触媒は反応終了後に失活してしまったり、分解してしまうため、再利用が困難となる。特にパラジウム元素含有ナノ粒子は、表面が溶媒に保護されているため、劣化しにくく、触媒活性を維持し易いと考えられる。
なお、「パラジウム元素含有ナノ粒子」とは、粒子径(累積中位径(Median径))が0.5〜100nmの範囲にあり、パラジウム元素を構成元素として含む粒子を意味するものとする。従って、パラジウム元素を含むものであれば具体的な組成は特に限定されず、金属パラジウム粒子のほか、パラジウムとその他の金属との合金粒子、金属パラジウム粒子に酸素原子や炭素原子等のその他の原子がドープされている粒子、或いは酸化パラジウム等のパラジウム元素を含む無機化合物粒子等も含まれることを意味する。
また、「表面に溶媒が配位した」とは、パラジウム元素含有ナノ粒子の表面に溶媒分子が配位していることを意味する。なお、パラジウム元素含有ナノ粒子に配位する「溶媒」は、目的の反応に合わせて適宜選択することができる。また、「溶媒」がパラジウム元素含有ナノ粒子に配位しているか否かについては、分散剤等による表面処理を施すことなく、「溶媒」に安定的に分散するか否かで判断することができる。即ち、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を配位させたパラジウム元素含有ナノ粒子は、DMFと親和性のある「溶媒」に安定的に分散させることができる。
また、「ハロゲン化アリール類」とは芳香環の水素原子(少なくとも1つ)がハロゲン原子に置き換えられている化合物を、「ジシラン類」とはケイ素−ケイ素結合(Si−Si)を少なくとも1つ有する化合物を、「ヒドロシラン類」とはケイ素−水素結合(Si−H)を少なくとも1つ有する化合物を、「有機シラン化合物」とは炭素−ケイ素結合(C−Si)を少なくとも1つ有する化合物を意味するものとする。なお、ハロゲン化アリール類の芳香環は、ベンゼン環のような炭素原子と水素原子からなる芳香環のみならず、芳香族性を有する複素環も含まれるものとする。
従って、「ハロゲン化アリール類」と「ジシラン類」の反応としては、例えば下記式で示されるような反応が挙げられる(「ハロゲン化アリール類」が「ヨードベンゼン」であり、「ジシラン類」が「ヘキサメチルジシラン」である。)。

また、「ハロゲン化アリール類」と「ヒドロシラン類」の反応としては、例えば下記式で示されるような反応が挙げられる(「ハロゲン化アリール類」が「ヨードベンゼン」であり、「ヒドロシラン類」が「トリエチルシラン」である。)。
(有機シラン化合物)
本発明の製造方法によって製造される有機シラン化合物は、前述のように炭素−ケイ素
結合(C−Si)を少なくとも1つ有する有機化合物であれば、具体的な構造は特に限定されず、幅広い有機シラン化合物に適用することができる。
具体的には、下記式(A)で表される化合物が挙げられる。

(式(A)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、mは0〜6−nの整数を、nは1〜6の整数を表す。但し、Rとして2以上の炭化水素基を含む場合、2以上の炭化水素基が連結して環状構造を形成していてもよい。)
なお、式(A)中の−SiR と−Rは、それぞれ芳香環に導入されている置換基を表しており、導入される−SiR の数は1〜6の何れであってもよく、さらにそれぞれの位置関係も特に限定されないことを意味する。また、−Rは−SiR が導入されていない位置であれば、残りのどの位置に導入されても、またその数も特に限定されないことを意味する。
はそれぞれ独立にハロゲン原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」とは、クロロ基(−Cl)、フルオロ基(−F)、アミノ基(−NH)、ニトロ基(−NO)、エポキシ基、ヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(−C(=O)−)、tert−ブチルジメチルシリル基(−SiBuMe)、アジ基(−N)等の窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む官能基を含んでいてもよいことを意味するほか、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)等の窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、又はハロゲン原子を含む連結基を炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよいことを意味する。従って、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」としては、例えば−CH−CH−OHのようなヒドロキシル基を含む炭素数2の炭化水素基、−CH−O−CHのようなエーテル基を炭素骨格の内部に含む炭素数2の炭化水素基、及び−O−CH−CHのようなエーテル基を炭素骨格の末端に含む炭素数2の炭化水素基等が含まれる。
が炭化水素基である場合の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、好ましくは19以下、より好ましくは17以下、さらに好ましくは15以下である。なお、Rとして2以上の炭化水素基を含む場合、2以上の炭化水素基が連結して環状構造を形成していてもよいが、その場合の炭素数は、連結しているRの合計炭素数が20以下であると考えるものとする。
が炭化水素基である場合の炭化水素基に含まれる官能基は、クロロ基(−Cl)、フルオロ基(−F)、アミノ基(−NH)、ニトロ基(−NO)、エポキシ基、ヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(−C(=O)−)、tert−ブチルジメチルシリル基(−SiBuMe)、アジ基(−N)等が挙げられる。
また、Rが炭化水素基である場合、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、
環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有していてもよい。)。さらに、2つのRが連結して芳香環を形成していてもよいため、例えば下記式で表されるようにナフタレン構造を有する化合物も式(A)で表される化合物に含まれることになる。また、Rは窒素原子等を含んでいてもよいため、例えば下記式で表されるようにベンゾイミダゾール構造を有する化合物も式(A)で表される化合物に含まれることになる。

具体的なRとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、メチルプロピル基、メチルブチル基、メチルペンチル基、メチルへキシル基、メチルヘプチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、ジメチルペンチル基、ジメチルへキシル基、ジメチルヘプチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルへキシル基、フェニルヘプチル基等が挙げられる。
はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表しているが、「窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」については、Rと同義である。
が炭化水素基である場合の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、好ましくは19以下、より好ましくは17以下、さらに好ましくは15以下である。
がポリシロキシ基である場合のケイ素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、好ましくは48以下、より好ましくは46以下、さらに好ましくは45以下である。
また、Rが炭化水素基である場合、直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有していてもよい。)。
具体的なRとしては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、ポリメチルシロキシ基等が挙げられる。この中でも、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
mは0〜6−nの整数を、nは1〜6の整数を表しているが、mは好ましくは3以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下である。また、nは好ましくは3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1である。
式(A)で表される化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
(ハロゲン化アリール類)
ハロゲン化アリール類の種類は、特に限定されず、製造目的である有機シラン化合物に基づいて適宜選択されるべきである。
基本的に製造目的である有機シラン化合物と共通する構造を有するハロゲン化アリール類を選択すべきであり、例えば下記式(a)で表される化合物が挙げられる。

(式(a)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子を、mは0〜6−nの整数を、nは1〜6の整数を表す。但し、Rとして2以上の炭化水素基を含む場合、2以上の炭化水素基が連結して環状構造を形成していてもよい。)
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子を表しているが、ヨウ素、臭素、塩素が特好ましく、ヨウ素、臭素がより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。
具体的なハロゲン化アリール類としては、ヨードベンゼン、クロロベンゼン、4−ヨードトルエン、2−ヨードトルエン、4−フルオロヨードベンゼン、2−フルオロヨードベンゼン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン等が挙げられる。
(ジシラン類)
ジシラン類の種類は、特に限定されず、製造目的である有機シラン化合物に基づいて適宜選択されるべきである。
基本的に製造目的である有機シラン化合物と共通する構造を有するジシラン類を選択すべきであり、例えば下記式(x)で表される化合物が挙げられる。

(式(x)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
具体的なジシラン類としては、ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシランジフェニルシラン、ヘキサヒドロジシラン等が挙げられる。
(ヒドロシラン類)
ヒドロシラン類の種類は、特に限定されず、製造目的である有機シラン化合物に基づいて適宜選択されるべきである。
基本的に製造目的である有機シラン化合物と共通する構造を有するヒドロシラン類を選択すべきであり、例えば下記式(y)で表される化合物が挙げられる。

(式(y)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
具体的なヒドロシラン類としては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリフェニルシラン、テトラヒドロシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、メチルシラン等が挙げられる。
本発明の製造方法におけるハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類の使用量は、目的に応じて適宜選択することができるが、ハロゲン化アリール類の使用量に対して、物質量([mol])で通常0.1倍以上、好ましくは1倍以上、より好ましくは2倍以上であり、通常20倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である。上記範囲内であると、有機シラン化合物をより収率良く製造することができる。
(表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子)
表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子は、前述したパラジウム元素含有ナノ粒子に該当するものであれば、溶媒の具体的な種類、パラジウム元素含有ナノ粒子の組成、物性等は特に限定されない
ラジウム元素含有ナノ粒子は、前述のようにパラジウム元素を構成元素として含むものであれば具体的な組成は特に限定されないが、パラジウム元素のほかに酸素元素を含むことが好ましく、酸素原子がドープされている金属パラジウム粒子若しくはパラジウム合金粒子、又は酸化パラジウム粒子がより好ましい。
パラジウム元素含有ナノ粒子の粒子径(累積中位径(Median径))は、前述のように0.5〜100nmの範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.8nm以上、さらに好ましくは1nm以上であり、好ましくは50nm以下、より好ましくは10n
m以下、さらに好ましくは5nm以下である。なお、累積中位径(Median径)は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。
表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の調製方法は、特に限定されないが、パラジウム元素を含んだ前駆体を極性溶媒中で加熱還流する方法が挙げられる。
以下、パラジウム元素を含んだ前駆体を極性溶媒中で加熱還流する方法における条件等の詳細を説明する。
パラジウム元素を含んだ前駆体の種類は、特に限定されないが、塩化パラジウム(II)(PdCl)、臭化パラジウム(II)(PdBr)、酢酸パラジウム(II)(Pd(CHCO)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)(Pd(CFCO)等が挙げられる。この中でも、塩化パラジウム(II)が特に好ましい。塩化パラジウム(II)を使用することによって、触媒活性に優れるパラジウム元素含有ナノ粒子を調製し易くなる。
極性溶媒の種類は、特に限定されないが、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。この中でも、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。N,N−ジメチルホルムアミドを使用することによって、触媒活性に優れるパラジウム元素含有ナノ粒子を調製し易くなる。
設定する温度条件は、使用する極性溶媒によって選択されるべきであり、特に限定されない。
還流は、撹拌子等を使用して撹拌しながら行うことが好ましい。撹拌子の回転数は、通常500rpm以上、好ましくは800rpm以上、より好ましくは1000rpm以上であり、通常2000rpm以下、好ましくは1800rpm以下、より好ましくは1700rpm以下である。上記範囲内であると触媒活性に優れるパラジウム元素含有ナノ粒子を調製し易くなる。
還流時間は、通常1時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましくは6時間以上であり、通常24時間以下、好ましくは12時間以下、より好ましくは10時間以下である。上記範囲内であると触媒活性に優れるパラジウム元素含有ナノ粒子を調製し易くなる。
還流は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行っても、或いは空気雰囲気下で行ってもよい。酸素原子がドープされている金属パラジウム粒子又はパラジウム合金粒子、酸化パラジウム粒子等を調製する観点から、空気雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法における表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の使用量は、目的に応じて適宜選択することができるが、ハロゲン化アリール類の使用量に対して、物質量([mol])で通常0.5倍以下、好ましくは0.1倍以下、より好ましくは0.05倍以下であり、通常0.0001倍以上、好ましくは0.0005倍以上、より好ましくは0.001倍以上である。上記範囲内であると、有機シラン化合物をより収率良く製造することができる。
なお、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子は固形物として反応容器に投入してもよいが、溶媒に分散させた分散液として反応容器に投入してもよい。分散液として保存、使用することによって、パラジウム元素含有ナノ粒子の劣化を抑制したり、操作を簡略化したりすることができる。
本発明の製造方法における溶媒の種類は特に限定されず、目的に応じて適宜することができるが、具体的にはヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のプロトン性極性溶媒、アセトン、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。また、溶媒は、1種
類に限られず、2種類以上を混合した混合溶媒であってもよい。具体的な組み合わせとしては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とN−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とトルエン等が挙げられるが、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と1,4−ジオキサンの混合溶媒であることが特に好ましい。
(塩基)
本発明の製造方法における反応工程は、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の存在下で行われる工程であるが、さらに塩基の存在下で行われることが好ましい。塩基の存在下であると、ジシラン類やヒドロシラン類が活性化されて、有機シラン化合物をより収率良く製造することができる。
塩基は、塩基性を有する公知の物質であれば特に限定されないが、具体的にはフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、リン酸三カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸化物、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸化物等が挙げられる。
本発明の製造方法における塩基の使用量は、目的に応じて適宜選択することができるが、ハロゲン化アリール類の使用量に対して、物質量([mol])で通常0.1倍以上、好ましくは0.5倍以上、より好ましくは1倍以上であり、通常20倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは3倍以下である。上記範囲内であると、有機シラン化合物をより収率良く製造することができる。
(反応条件)
反応工程における反応温度、反応時間等の反応条件は特に限定されない。
反応温度は、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。上記範囲内であれば、有機シラン化合物をより収率良く製造することができる。
反応時間は、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上であり、通常72時間以下、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下である。
反応は、通常窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行う。
<有機シラン化合物の合成用触媒組成物>
表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を利用して、ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類と反応させることにより、有機シラン化合物を製造することができることを前述したが、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を含み、有機シラン化合物を合成するための触媒組成物も本発明の一態様である(以下、「本発明の触媒組成物」と略す場合がある。)。なお、本発明の触媒組成物は、有機シラン化合物を合成するためのものであれば、原料や反応条件等は特に限定されないが、パラジウム元素含有ナノ粒子とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させた有機シラン化合物を合成するためのものであることが好ましい。
本発明の触媒組成物は、前述の表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を含むものであればその他には特に限定されないが、溶媒を含むものであることが好ましく、溶媒に分散した分散液の状態にあるものが好ましい。具体的な溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム
等のハロゲン系溶媒、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のプロトン性極性溶媒、アセトン、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の調製]
(実施例1:DMF配位パラジウム元素含有ナノ粒子分散液1の調製)
ジムロート冷却器を連結した100mLの三口フラスコに、空気雰囲気下で15mLの脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を入れ、140℃に加熱したオイルバスに浸漬して、空気雰囲気下、撹拌子を1300rpmで回転させながら還流条件で10分程度予備加熱を行った。その後、空気雰囲気下で0.1モル濃度(0.1M)の塩化パラジウム(II)(PdCl)水溶液150μlを、マイクロシリンジを使って加え、撹拌しながら140℃で8時間加熱還流を行った。8時間経過後、室温まで冷却して、分散液1を得た。得られた分散液1について、動的光散乱法(DLS)により粒度分布を測定した結果を図1に示す。
さらに、分散液からロータリーエバポレーターを用いてDMFを留去し(条件:10hPa、40℃)、十分に乾燥させた後、固形物を高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)によって観察した。結果を図2に示す。
これらの結果から、粒子径が数nmでDMFが配位したパラジウム元素含有ナノ粒子が形成していることが確認できる。
[有機シラン化合物の製造1(ハロゲン化アリール類とジシラン類の反応)]
(実施例5)
反応容器にフッ化カリウム(58.1mg,1.0mmol)、ヨードベンゼン(102.0mg、0.5mmol)、ヘキサメチルジシラン(292.8mg、2.0mmol)、実施例1で調製した分散液1(DMF配位パラジウム元素含有ナノ粒子が分散したDMF溶液(パラジウム元素含有ナノ粒子濃度:0.2mol%、DMFの量:1.0mL))、及び撹拌子を投入し、アルゴン雰囲気下、120℃で18時間反応させた。結果、下記式で示されるようにトリメチルフェニルシランが収率69%(ヨードベンゼンを基準としたガスクロマトグラフィーの測定結果)で生成していることを確認した。
(比較例1)
実施例1で調製した分散液1を投入しなかった以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。結果、トリメチルフェニルシランの生成を確認することができなかった。
(実施例6)
フッ化カリウムを投入しなかった以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例7)
フッ化カリウムに代えて水酸化ナトリウム(40.0mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例8)
フッ化カリウムに代えて炭酸カリウム(138.2mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例9)
フッ化カリウムに代えてフッ化リチウム(25.9mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例10)
フッ化カリウムに代えてフッ化ナトリウム(42.0mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例11)
フッ化カリウムに代えてフッ化セシウム(151.9mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例12)
フッ化カリウムに代えて酢酸リチウム(66.0mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例13)
フッ化カリウムに代えて酢酸ナトリウム(82.0mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
(実施例14)
フッ化カリウムに代えて酢酸カリウム(98.2mg,1.0mmol)を投入した以外、実施例5と同様の方法により反応を行った。トリメチルフェニルシランの収率を表1に示す。
[有機シラン化合物の製造2(ハロゲン化アリール類とヒドロシラン類の反応)]
(実施例15)
反応容器にリン酸三カリウム(318.4mg,1.5mmol)、ヨードベンゼン(102.0mg、0.5mmol)、トリエチルシラン(108.2mg、1.0mmol)、実施例1で調製した分散液1(DMF配位パラジウム元素含有ナノ粒子が分散したDMF溶液(パラジウム元素含有ナノ粒子濃度:0.2mol%、DMFの量:1.0mL))、及び撹拌子を投入し、アルゴン雰囲気下、140℃で24時間反応させた。結果、下記式で示されるようにトリエチルフェニルシランが収率21%で生成していることを確認した。
(実施例19)
リン酸三カリウムに代えて炭酸セシウム(488.7mg,1.5mmol)を投入した以外、実施例15と同様の方法により反応を行った。トリエチルフェニルシランの収率を表2に示す。
(実施例20)
リン酸三カリウムに代えて炭酸ナトリウム(159.0mg,1.5mmol)を投入した以外、実施例15と同様の方法により反応を行った。トリエチルフェニルシランの収率を表2に示す。
(実施例21)
リン酸三カリウムに代えて炭酸カリウム(207.3mg,1.5mmol)を投入した以外、実施例15と同様の方法により反応を行った。トリエチルフェニルシランの収率を表2に示す。
本発明の製造方法によって製造される有機シラン化合物は、例えば有機ケイ素化学工業における様々な原料として使用することができる。

Claims (9)

  1. ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させる反応工程を含む有機シラン化合物の製造方法であって、
    前記反応工程が、表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子の存在下で行われる工程であり、
    前記溶媒が、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、有機シラン化合物の製造方法。
  2. 下記式(A)で表される化合物を製造する方法である、請求項1に記載の有機シラン化合物の製造方法。

    (式(A)中、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シロキシ基、ケイ素数1〜50のポリシロキシ基、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を、mは0〜6−nの整数を、nは1〜6の整数を表す。但し、Rとして2以上の炭化水素基を含む場合、2以上の炭化水素基が連結して環状構造を形成していてもよい。)
  3. 前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項1又は2に記載の有機シラン化合物の製造方法。
  4. 前記反応工程が、塩基の存在下で行われる工程である、請求項1〜3の何れか1項に記載の有機シラン化合物の製造方法。
  5. 前記塩基が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び酢酸セシウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むものである、請求項4に記載の有機シラン化合物の製造方法。
  6. 前記パラジウム元素含有ナノ粒子の累積中位径(Median径)が、0.5〜100nmである、請求項1〜5の何れか1項に記載の有機シラン化合物の製造方法。
  7. 表面に溶媒が配位したパラジウム元素含有ナノ粒子を含む触媒組成物であって、
    前記溶媒が、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
  8. 前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である、請求項7に記載の有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
  9. ハロゲン化アリール類とジシラン類又はヒドロシラン類とを反応させて有機シラン化合物を合成するためのものである、請求項7又は8に記載の有機シラン化合物の合成用触媒組成物。
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