JP6457966B2 - 光伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送システムに関する。
従来、光加入者伝送システムは、光ファイバおよび局舎内の装置の利用効率を高めるため、双方向の時分割多重により、1つのファイバに複数の加入者を収容するシステムが一般的である。1つのファイバに複数の加入者の信号を合流させるため、または1つのファイバから複数の加入者へ信号を分けるために、光信号を分岐させる光スプリッタが用いられている。光スプリッタとしてはシングルモード導波路回路が用いられる。シングルモード導波路回路である光スプリッタを、信号を合流させるように機能させる(信号を分岐する方向と逆の方向で信号を合流させるように機能させる)場合には、合流させた信号の強度が分岐数分の1に減少してしまうという課題があった。
これに対して、マルチモードの合波回路とマルチモード状態を受光できる受信器とを用いることで、信号を合流させる際の分岐損失を低減することが提案されている。(非特許文献1)
Fujiwara et al. "High-Splitting-Ratio PON Systems Using a PLC-Based Funnel-Shaped Waveguide With Dual-Mode Fiber [Invited]," VOL. 7, NO. 1, IEEE/OSA Journal of Optical Communications and Networking, JANUARY 2015
しかしながら、マルチモード状態は一般のシングルモードファイバやシングルモードの光導波路回路に用いられる光導波路構造の導波路コアの屈折率とクラッドの屈折率とのコントラスト(比屈折率差)では、安定して導波させることが困難であり、モード間の遅延差により信号波形が劣化するため、入射ポートに依存し特性がばらつくという課題があった。
図6は、非特許文献1に開示された技術を適用した場合の光伝送システムの構成例を示す図である。各光加入者側送受信装置(光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit))102から送信された1.3μm帯の信号は、シングルモードファイバの光伝送路を介して、局側送受信装置(光回線終端装置(OLT:Optical Line Terminal))600へ入力され、受信機126で受信される。ONU102とOLT600の間の光伝送路には、N×1スプリッタ104(例えば、N=8,16等)が設けられている。OLT600には複数(M本)のシングルモードファイバの光伝送路が接続される。複数のシングルモードファイバの光伝送路を伝搬した信号は、M×1マルチモード合流回路630により1つのマルチモードファイバの光伝送路に合流されて受信機126により受信される。
一方、OLT600の送信機122から送信された1.5μm帯の信号は、増幅器124により増幅され、M×1マルチモード合流回路630にマルチモードファイバの光伝送路を介して入力され分岐された後、シングルモードファイバの光伝送路を介してONU102へ入力される。M×1マルチモード合流回路630と受信機126および送信機122との間のマルチモード光伝送路には、1.3μm帯と1.5μm帯とを選択的に反射/透過する波長選択ミラー128が備えられている。
図7(a)は、M×1マルチモード合流回路630を示す図である。図7(a)にあるように、M×1マルチモード合流回路630は、スラブ導波路の集光角をマルチモード光ファイバの開口数に対応する入射臨界角度以内とすることによって、シングルモードの入力のマルチモードファイバへの合流、マルチモードでの受信器までの伝搬、およびマルチモードの状態で受光器126への結合を実現して、損失を低減させるものである。しかしながら、一般にはスラブ導波路の入力ポート位置に依存して出射部分に複数モードが不均等に発生させる(図2(b)、図3(b)参照)。その結果、図7(b)に示すように合流回路の出射部分に接続されたマルチモードファイバのマルチモード内に閉じ込めが困難な高次モードを多く発生させる伝送システムとなる。光ファイバや石英系平面光波回路のような低い比屈折率差で光回路を作製した場合、高次モードが導波路で制御できなくなり、光デバイスの集積化が困難となってしまったり、モードに依存した損失により信号強度のばらつきが発生したり、モード成分間での遅延差により光信号波形が歪みにバラつきが発生するという課題があった。
図8は、上記の課題を明らかにする例として実際にマルチモード導波路における高次モードの損失の様子を示す図である。図8(a)は、光の伝搬の様子を数値計算により求めたものであり、幅80μm長さ1600μmの領域を縦方向に下から上への伝搬する光の様子を表している。領域のアスペクト比は実際のマルチモード導波路よりも幅方向が広くなっている。図8(a)の一番左は屈折率分布を表している。マルチモード導波路は石英系ガラスで比屈折率差が2%の導波路である。導波路幅は15μm、曲率半径2500μmで40μm程度右側に膨らんでもとに戻る単純な光回路となっている。曲率半径2500μmという値は通常の比屈折率差2%の石英系シングルモード導波路の場合の曲率半径1000μmと比較すると十分大きな曲率半径であり、それほど大きくない曲げ損失を期待できるが、この数値計算では高次のモード(モード5やモード4)の場合、光導波路を曲げ始めたところで光が漏れており、大きな損失が発生していることが分かる。図8(b)に示すように、各モードともモード間の変換が発生しているが、導波路内にとどまったパワー(透過率)は、モード0から3の場合に90%以上、モード4の場合に40%、モード5の場合に30%程度となっており高次モードが不安定であることが分かる。一般的には伝搬中の干渉のため必ずしもモードの次数に完全に対応した損失とはならないが、高次モードの方が不安定であり、このようなわずかな曲げに抑えた場合も高次モードでは損失が見られることを示しており光回路中の光信号の取り回しを注意する必要がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、複数のシングルモード入力またはマルチモード入力の光信号をマルチモード導波路に合波する際に低次モードのみを発生させ、安定した光の伝搬を実現し、モード間の遅延差の影響を抑制する光伝送システムの構成を提供することにある。
このような目的を達成するために、一実施形態の光伝送システムは、M本の第1の伝送路と、K本の第2の伝送路と、M本の第1の伝送路およびK本の第2の伝送路に接続された合流回路とを備え、第1の伝送路を伝搬した光信号を第2の伝送路に合流して伝送する光伝送システムである。M本のうちのm番目(0≦m≦M−1)の第1の伝送路のモードの次数がNm(0≦Nm)である。K本のうちのk番目(0≦k≦K−1)の第2の伝送路のモードの次数がLk(1≦Lk)である。
M本うちのm番目の第1伝送路で光信号の伝送に用いるモードの数をNm+1とし、M本の第1伝送路光信号の伝送に用いるモードの数の総和を
Figure 0006457966
とし、K本のうちのk番目の第2の伝送路におけるl次(エル次、0≦l≦Lk−1)のモードを
Figure 0006457966
とし、M本のうちのm番目の第1の伝送路のn次モード(0≦n≦Nm−1)のうちのn+1番目から前記K本のうちのk番目の第2の伝送路のl次モードへ変換したモードのうちのl+1番目のモードの振幅を複素数で表現した係数を
Figure 0006457966
としたとき、上記合流回路は、M本のうちのm番目の第1の伝送路からのn番目のモードをK本のうちのk番目の第2の伝送路にマルチモードで合流させる際に、当該K本のうちのk番目の第2の伝送路に、Jk個のフィールドを重ね合わせたフィールド状態
Figure 0006457966
を出力するよう屈折率分布が構成されている。ここで、上記係数は、すべてのlに対し均等となるように
Figure 0006457966
を満たし、また、ベクトル空間と考えた場合に互いに直交し、
Figure 0006457966
を満たす、ことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、複数のシングルモード入力またはマルチモード入力の光信号をマルチモード導波路に合波する際に、0次モードから伝送チャンネル数に対応する次数のモードまでの低次モードのみを発生させ、安定した光の伝搬を実現し、モード間の遅延差の影響を抑制する光伝送システムの構成を提供することが可能となる。一般に、高次のモードほど伝搬の安定性が悪い。本発明では不要な高次のモードが発生しないので、安定した光の伝搬を実現できる。また、一般に、モード数が多くなるとモード間の遅延差がその分多くなる。本発明では不要な高次のモードが発生しないので、モード間の遅延差の抑制も期待できる。
本発明の一実施形態にかかる光伝送システムを示す構成図である。 (a)は本発明の一実施形態を構成するマルチモード合流回路を示す図であり、(b)および(c)は従来のマルチモード合流回路を示す図である。 (a)は図2(a)のマルチモード合流回路の出力における各モードの励振割合(分配状態)を示す図であり、(b)は図2(b)のマルチモード合流回路の出力における各モードの励振割合(分配状態)を示す図であり、(c)は図2(c)のマルチモード合流回路の出力における各モードの励振割合(分配状態)を示す図であり、(d)は図2(a)〜(c)のマルチモード合流回路の透過率を示す図である。 本発明の一実施形態を構成するマルチモード合流回路の機能を説明するための図である。 (a)は本発明の別の実施形態の光加入者伝送システムを説明するための図であり、(b)は実施例を示す図である。 従来技術を適用した場合の光伝送システムの構成例を示す図である。 (a)は従来のM×1マルチモード合流回路を示す図であり、(b)は(a)のM×1マルチモード合流回路の出力における特性のばらつきを示す図である。 (a)はマルチモード導波路における高次モードの損失の様子を示す図であり、(b)は各モードの透過率を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では具体的な値を例示が、本発明はこれに限定されるものではなく、一般性を失うことなく他の値でも実施できる。図面中の同一または類似の符号は同一または類似の要素を示し、繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる光伝送システムを示す構成図である。図6の光伝送システムと同様に、複数のファイバの光伝送路を伝搬した信号は、OLT120のM×1マルチモード合流回路130により1つのマルチモードファイバの光伝送路に合流されて受信機126により受信される。
本発明の実施形態の光伝送システムは、複数のシングルモード入力またはマルチモード入力の光信号をマルチモード導波路に合波する際に、0次モードから伝送チャンネル数に対応する次数のモードまでの低次モードのみが出力導波路に発生する。
図2(a)は、M×1マルチモード合流回路130の一例である4×1マルチモード合流回路を示す図である。出力導波路は次数が6(モード0からモード5)であるマルチモードである。4つの入力導波路はすべてシングルモードで、1つの入力導波路が1つの伝送チャンネルを伝送するので、伝送チャンネル数は4である。各送チャンネルは、図2(a)の4×1マルチモード合流回路へ入力され出力導波路の6つのモード(モード0からモード5)のうちの0次モードから伝送チャンネル数(4)に対応する次数(4次)のモードまでの低次モード(モード0〜3)のみを出力導波路に励振(分配)される。ここでは、入力導波路はすべてシングルモードとしたが、後述するように入力導波路はマルチモードでもよい。なお、図2(a)の4×1マルチモード合流回路の構成(屈折率分布のパターン)は、コアの幅(光の伝搬方向に垂直方向の長さ)が非周期的に連続的に変動する(コアとクラッドの境界が滑らかな直線または曲線でない)ものであり、以下に説明するように特徴づけられる。
図3(a)は、図2(a)の4×1マルチモード合流回路の出力の各モードの励振割合(分布状態)を示す図である。図2(a)の4×1マルチモード合流回路は、図3(a)に示すように0次モードから伝送チャンネル数(4)に対応する次数(4次)のモードまでの低次モード(モード0〜3)のみ出力導波路に発生する。
図4を参照して本発明の一実施形態の光伝送システムを構成するM×Kマルチモード合流回路を説明する。光伝送において光回路の伝搬モードまたはその合成状態を論理上の伝送チャンネルとみなせる。光回路の伝搬モードで構成される光のフィールドに関して、フィールドの重なり積分により内積を規定すると、直交しているかどうかで、伝送チャンネル間が独立したものであるかそうでないかがわかる。そこで、光回路における各伝搬モードをもとに、伝送チャンネルの構成(屈折率分布)を以下の通り特徴づけそのような伝送チャンネルの構成が上記課題を解決する構成であることを示す。
まず、考慮する系としては、M本(2≦M)の入力導波路を有し、M本のうちのm番目(0≦m≦M−1)の入力導波路は、Nm次(0≦Nm)のシングルモード光導波路またはマルチモード光導波路となっており、n次(0≦n≦Nm−1)のモードフィールドを
Figure 0006457966
としてそれぞれを伝送チャンネルとする。さらにK本(1≦K)の出力導波路を有し、K本のうちのk番目(0≦k≦K−1)の出力導波路はLk次(1≦Lk)のマルチモード光導波路となっている。このときNm<Lkが成り立つようにする。
ここで、k番目の出力導波路におけるl次(エル次、0≦l≦Lk−1)のモードフィールド
Figure 0006457966
を、0次モードを含むモード数
Figure 0006457966
までの重ね合わせとし、m番目の入力導波路のn次モード(すなわち、一つの伝送チャンネルの入力)からk番目の出力導波路のl次モードへの変換の係数(m番目の入力導波路のn次モードからk番目の出力導波路のl次モードへ変換したモードの振幅を複素数で表現した係数)
Figure 0006457966
を用いて、
Figure 0006457966
と表して、このフィールド状態を伝送チャンネルの出力側の状態とする。この際、出力側導波路のフィールドは、最低次のモードより順にl=0,・・・Jk−1までのフィールドで構成されており、それより高い次数を含まないようにする。こうすると各伝送チャンネル間で共通のモードを使うことになるので、係数
Figure 0006457966
について以下のように構成した伝送システムとする。
一つの伝送チャンネルの出力導波路における光のフィールドを出力導波路のどのlに対しても均等に分配されるように、係数が式(2)を満たすよう光回路の屈折率分布のパターンを構成(高屈折率のコアと低屈折率のクラッドを配置)する。さらに各チャンネルを独立したものとするため光のフィールドに関して重なり積分により内積を規定して、各チャンネルの入力フィールドの指標、すなわち、出力導波路において、m番目の入力導波路n次のモードが、m’番目(m≠m’)の入力導波路のn’次(n≠n’)のモードと直交するように(係数をベクトル空間と考えた場合に互いに直交するように)、係数が式(3)を満たすよう光回路の屈折率分布のパターンを構成する。式(3)における*は複素共役を示す。
Figure 0006457966
以上により、光伝送システムにおいてマルチモードで伝送チャンネルを合流させた場合にも各伝送チャンネルに含まれる各モードの強度は均等かつ伝送チャンネル数と同じ次数までのモードの重ね合わせにより伝送路を確保できるため、伝送チャンネル数を超えるような高次モードを抑制し損失バラつきや分散を低減することが可能となる。
上述したM×Kマルチモード合流回路は、波面整合法やトポロジー最適化法等の設計技法により、入力導波路からの入力フィールドを出力導波路におけるマルチモードのフィールドを重ね合わせた状態に変換する光回路を規定することで、構成(屈折率分布)を得ることができ、また、既存の平面光回路作製プロセス(火炎堆積法やエッチングなど)により、得られた屈折率分布を有する光回路を作製することができる。
再び図1を参照する。本発明の一実施形態にかかる光伝送システムにおいて、各光加入者側送受信装置(ONU)102から送信された1.3μm帯の信号は、シングルモードファイバの光伝送路を介して、局側送受信装置(OLT)120へ入力され、受信機126で受信される。ONU102とOLT120の間の光伝送路には、N×1スプリッタ104(例えば、N=8,16等)が設けられている。OLT120には複数(M本)のシングルモードファイバの光伝送路が接続される。複数のシングルモードファイバの光伝送路を伝搬した信号は、M×1マルチモード合流回路130により1つのマルチモードファイバの光伝送路に合流されて受信機126により受信される。
一方、OLT120の送信機122から送信された1.5μm帯の信号は、増幅器124により増幅され、マルチモードファイバの光伝送路1.3μm耐の信号と逆方向に伝播してM×1マルチモード合流回路130へ入力されて分岐された後、複数のシングルモードファイバの光伝送路を介してONU102へ入力される。M×1マルチモード合流回路130と受信機126および送信機122との間のマルチモード光伝送路には、1.3μm帯と1.5μm帯とを選択的に反射/透過する波長選択ミラー128が備えられている。
M×1マルチモード合流回路130の屈折率分布のパターンは、上述した光回路の係数が式(1)、式(2)および(3)を満たすよう構成されている点で、図6を参照して上述したM×1マルチモード合流回路630と異なる。すなわち、M×1マルチモード合流回路130は、複数の入力シングルモードファイバを介して入力される伝送チャンネルの信号を、出力側マルチモードのフィールドを重ね合わせた状態に変換させるよう構成されている。光伝送システムの構成によれば、0次モードから伝送チャンネル数に対応する次数のモードまでの低次モードのみを発生させ、安定した光の伝搬を実現し、モード間の遅延差の影響を抑制することが可能となる。
図2(a)は、本伝送システムを構成する石英系の4×1マルチモード合流器の屈折率分布を示し、図2(b)は従来の石英系の4×1マルチモード合流器の屈折率分布(コアとクラッドの境界が滑らかな直線である屈折率分布)を示し、図2(c)は従来の石英系の4×1マルチモード合流器の屈折率分布(コアとクラッドの境界が滑らかな曲線である屈折率分布)を示す。いずれマルチモード合流器も平面光導波回路で実現されており、領域のサイズは光の伝搬方向(左から右)が1800μm、入力導波路の配置方向(上から下)が36μmである。領域中の白い部分が高屈折率のコアを示し、黒い部分が低屈折率のクラッドを示しており、比屈折率差Δは2%である。コアの暑さは4.5μmである。
図2(a)乃至(c)の4×1マルチモード合流器は、光信号の入力部として、1.3μmの波長の光を入射する4つ(M=4)の導波路入力部を有し、光信号の出力部としては、幅15μmの1本(K=1)のマルチモード導波路を設定した。入力部分はシングルモード導波路(Nm=0)となっており、スポット拡大技術等によりシングルモード光ファイバと良好な結合がえられるようになっている。
図4を参照して上述した説明との対応は、入力導波路の本数M=4、m番目の入力導波路の最大次数Nm=0、出力導波路の本数K=1、出力導波路のマルチモードの次数LK=5となっている。このとき式(1)は定数部分を省略して、すなわち、式(3)の添え字の値が0となる、k番目のファイバの添え字kと入力導波路のn番のモードの添え字番を省略して、各m番目の入力導波路からの入力した光信号のフィールドはマルチモードの出力導波路のl番目(エル番目)のモードの重ね合わせ(重ね合わせ係数)を
Figure 0006457966
と表す。また、0次モードを含むモード数(モードの総和、伝送チャンネルの数の総和)は、
Figure 0006457966
であるから、式(1)の伝送チャンネルの出力側の状態は、
Figure 0006457966
と表される。また、式(3)は、
Figure 0006457966
と表すことができる。ここで、フィールドを複素振幅で表して、係数も複素数の範囲で考えると、たとえば
Figure 0006457966
式(5)が満たされる。ここでf(l)はl(エル)の任意の関数で計算上都合の良い値を取ればよい。以上をもとに、そのような係数を用いて伝送チャンネルの出力側の状態が式(4)となる光回路の構成(屈折率分布)を求めればよい。この光回路の屈折率分布を求めるにあたっては、所望の入出力に対して光回路を数値計算により設計する波面整合法を用いた。図2(a)に示す屈折率分布は、入出力フィールドを上記のように設定して得られた屈折率分布である。
図3(a)は、図2(a)の4×1マルチモード合流回路の出力の各モードの励振割合(分布状態)を、マルチモード合流回路の透過特性として表した図である。各ポートからの入力に対して、4次、5次のモードへの結合は20dB以下に抑えられており、かつ、全体の損失は図2(d)に示すようにすべての入力ポートに対して出力の光強度の透過損失は0.5dB以下と良好な特性が得られており、光回路中の高次モードによる損失バラつきを同等程度に抑制することができている。また、図2(a)からわかることとして0次から3次までのモードにおおむね均等にパワーが割り振られており、仮に、合流後の伝搬において高次モードで損失が発生した場合も、各入力ポートからの信号に対して均等な損失が発生するだけであり、ポート依存性の極めて少ない伝送システムが実現できていることが分かる。
一方、図3(b)および(c)は、本発明によらない伝送システムで一般によく用いられると考えられるマルチモード合流器である、図2(b)および(c)の4×1マルチモード合流回路の出力の各モードの励振割合(分布状態)を、マルチモード合流回路の透過特性として表した図である。出力における各モードを設定しておらず、すなわち、式(1)、式(2)および(3)(式(4)、式(2)、式(5))を満たすように係数を設定しておらず、そのため、各伝送チャンネルに対して、4次、5次のモードも割り当てられており、特性のバラつきを発生させる原因となっていると考えられる。また、図3(d)より入力導波路(すなわち伝送チャンネル)に対して、すべてのモードを足し合わせた出力の光強度の特性が0.5dB以上ばらついているのが分かる。このような高次モードが発生している伝送システム中にたとえばモニタ回路等を組み込むため曲がった光導波路に接続するなどすると、図8を参照して説明したように、高次モードでは大きな損失を発生し本発明を用いない場合は1dB程度の透過損失が発生すると考えられる。それに対して本発明を適用することにより0.3dB程度の損失に抑えられる。
以上説明したように、複数のシングルモード入力またはマルチモード入力の光信号をマルチモード導波路に合波する際に、0次モードから伝送チャンネル数に対応する次数のモードまでの低次モードのみを発生させ、安定した光の伝搬を実現し、モード間の遅延差の影響を抑制する光伝送システムの構成を提供することが可能となる。
次に図5を参照して、別の実施形態の光加入者伝送システムを説明する。図5(a)は、図1を参照して説明したOLT120の代替構成を説明するための図であり、(b)は実施例を示す図である。
このような光加入者側伝送システムでは、局側送受信装置(OLT)から加入者送受信装置(ONU)に向かっては、複数のシングルモード導波路に対して、ONUからOLTへの波長と異なる波長の信号を、強度が均等になるように分配することが求められる。
そこで、まず、光加入者送受信装置(ONU)から局側送受信装置(OLT)への方向については、上記実施形態と同様にして、波面整合法により、複数の入力導波路における各伝送チャンネルのフィールドを出力導波路におけるマルチモードのフィールドを重ね合わせた状態に変換するよう光回路を規定し、すなわち、式(1)、式(2)および(3)(式(4)、式(2)、式(5))を満たすように係数を設定し、さらに加えて、OLTからONUに向けた方向については、マルチモード合流器のマルチモード出力の他にもう一つ導波路を設けてそこをOLTからONU側へ伝搬する信号の入力として、波面整合法により、当該入力におけるフィールドがONU側の複数のシングルモード光伝送路の各々のフィールドに均等に変換されるように光回路を規定して、光回路の構成(屈折率分布)を得た。これにより波長選択ミラー128を不要とするシステム構成を実現することが可能である。
また、以上の実施例ではOLTの中にマルチモード合流回路を配置しているが、光加入者伝送システムの構成としては、装置の物理的サイズ等の要件に合わせて伝送路のトポロジーを変えない範囲で任意の位置に配置することが可能である。
102 光加入者側送受信装置(ONU)
104 N×1スプリッタ
120,600 局側送受信装置(OLT)
122 送信機
124 増幅器
126 受信機
128 波長選択ミラー
130,630 M×1マルチモード合流回路

Claims (5)

  1. 第1の伝送路を伝搬した光信号を第2の伝送路に合流して伝送する光伝送システムであって、
    M本(2≦M)の第1の伝送路であり、M本のうちのm番目(0≦m≦M−1)の第1の伝送路のモードの次数がNm(0≦Nm)である、M本の第1の伝送路と、
    K本(1≦K)の第2の伝送路であり、K本のうちのk番目(0≦k≦K−1)の第2の伝送路のモードの次数がLk(1≦Lk)である、K本の第2の伝送路と、
    前記M本の第1の伝送路および前記K本の第2の伝送路に接続された合流回路と
    を備え、
    前記M本うちのm番目の第1伝送路で光信号の伝送に用いるモードの数をNm+1とし、
    前記M本の第1伝送路光信号の伝送に用いるモードの数の総和を
    Figure 0006457966
    とし、
    前記K本のうちのk番目の第2の伝送路におけるl次(エル次、0≦l≦Lk−1)のモードを
    Figure 0006457966
    とし、
    前記M本のうちのm番目の第1の伝送路のn次モード(0≦n≦Nm−1)のうちのn+1番目から前記K本のうちのk番目の第2の伝送路のl次モードへ変換したモードのうちのl+1番目のモードの振幅を複素数で表現した係数を
    Figure 0006457966
    としたとき、
    前記合流回路は、前記M本のうちのm番目の第1の伝送路からのn番目のモードを前記K本のうちのk番目の第2の伝送路にマルチモードで合流させる際に、前記K本のうちのk番目の第2の伝送路に、Jk個のフィールドを重ね合わせたフィールド状態
    Figure 0006457966
    を出力するよう屈折率分布が構成されており、
    前記係数は、すべてのlに対し均等となるように
    Figure 0006457966
    を満たし、
    前記係数は、ベクトル空間と考えた場合に互いに直交し、
    Figure 0006457966
    を満たす、ことを特徴とする光伝送システム。
  2. K=1である、ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
  3. 前記合流回路に接続され、前記光信号の波長帯と異なる波長帯の第2の光信号が、前記光信号の伝搬方向とは逆方向に伝搬する第3の伝送路を備え、
    前記合流回路が前記M本の第1の伝送路に前記第2の光信号を均等に分配するよう、前記屈折率分布がさらに構成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の光伝送システム。
  4. 前記屈折率分布が波面整合法を用いて決定された、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光伝送システム。
  5. 前記屈折率分布がトポロジー最適化を用いて決定された、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光伝送システム。
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