JP6457272B2 - 二次電池の充電ムラ低減方法及び二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池の充電ムラ低減方法及び二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の充電ムラ低減方法及び二次電池の製造方法に関する。
二次電池は、携帯機器、電気自動車、住宅若しくは事業施設用の蓄電池等の幅広い用途に展開されている。リチウムイオン二次電池はこれらの用途に適した高い放電電圧を有するため、現在の二次電池の主流になっている。
リチウムイオン二次電池の製造過程においては、初期充電の際に電解質を構成する有機溶媒の一部が分解することによって電池内にガスが発生する問題がある。発生したガスは電極表面を安定化するSEI(Solid Electrolyte Interface)が形成される際の副生成物であり、発生したガスが電池内に滞留したまま充放電を繰り返すと電池性能が低下する問題がある。
上記問題に対して、特許文献1には、有機溶媒の吸湿を防ぐために電池の外装体を一旦封止して初期充電を行い、その後、外装体の一部を開孔して減圧することによってガスを排出させること、及び、ガスの排出を促進させる目的で親水基溶媒を添加した電解液の使用が提案されている。
また、特許文献2には、ガス排出時に電極体の積層方向に圧力を加えて、所定の電池電圧に達するまで充分に放電することにより、充電ムラを低減する方法が提案されている。
特開2003−331916号公報 特開2010−9983号公報
しかしながら、ユーザー側の電池性能に対する要求は年々高まっており、従来提案されている方法によっても依然として残る充電ムラの解消が求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、二次電池の充電ムラ低減方法及びこの方法を利用した二次電池の製造方法の提供を課題とする。
(1)正極及び負極と、有機溶媒を含有する電解質と、を備えた二次電池の充電ムラを低減する方法であって、前記二次電池の組み立て後に行う初回の充電開始後、満充電に至る前に電池内に発生したガスを排出する排気工程を有する、二次電池の充電ムラ低減方法。
(2)前記二次電池を封止した状態で前記初回の充電を開始して、所定容量まで充電することにより発生したガスを前記二次電池内に溜めた後、前記排気工程において前記封止を一時的に解除して前記ガスを排気する、前記(1)に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
(3)定格容量の50〜90%まで充電した後に電池内に発生したガスを排気する、前記(1)又は(2)に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
(4)前記初回の充電開始後の充電曲線(横軸:電池電圧V、縦軸:蓄電量変化量/電池電圧変化量dQ/dV)において、dQ/dVが1000以上になった後も充電を継続し、dQ/dVが最大値を示した後でdQ/dVが2000以下になる前又は2000になった直後に、電池内に発生したガスを排気する、前記(1)〜(3)の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
(5)前記初回の充電開始後に、電池電圧が3.5V以上になった後も充電を継続し、その後電池電圧が4.0Vに達する前又は4.0Vに達した直後に、電池内に発生したガスを排気する、前記(1)〜(4)の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
(6)前記排気工程の後に充電を再開し、満充電に至った後で放電する放電工程を有する、前記(1)〜(5)の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
(7)前記(1)〜(6)の何れか一項に記載の充電ムラ低減方法を行う工程を有する、二次電池の製造方法。
本発明の二次電池の充電ムラ低減方法によれば、初回充電時に発生したガスに起因する充電ムラを充分に低減することができる。また、従来の充電ムラ低減方法を併用することも可能であるため、従来の製造プラットフォームを大幅に変更することなく容易に本発明を適用することができる。
本発明の二次電池の製造方法によれば、二次電池が本来的に有する性能を充分に発揮させることができる。
予備試験で使用した二次電池の初回充電におけるdQ/dVカーブである。 予備試験で使用した二次電池の初回充電におけるOCVカーブである。
本発明者らが上記課題の解決を検討したところ、従来方法においては何れも初回の充電時に満充電していることに気付いた。そこで、初回充電の開始から満充電に至るまでの「蓄電量変化量/電池電圧変化量(dQ/dV)」と電池電圧(V)の関係を示す充電曲線を描いて解析した(図1参照)。その結果、満充電状態を表す4.2Vに至る前の3.6〜3.8Vの充電期間でガスが発生していると考えられるピークが観測された。このことから、3.8〜4.2Vの充電期間においては、大量に発生したガスが滞留した状態で充電を行っていることが分かった。ガスが電極周辺に滞留した状態で満充電になるまで充電を継続することにより、電極表面において充電反応が進む箇所とガスによって充電反応が妨げられる箇所とが生じ、充電ムラが生じる。さらに、この充電ムラの影響を受けてセパレータにリチウム金属が析出する問題も生じることが分かった。
以上の検討から、従来開示されている方法によっても依然として残る充電ムラは、初回充電工程において満充電することに起因することを突き止めた。さらに、本発明者らは、初回充電においてガスが発生した後で、満充電に至る前にガスを排出することにより、初回充電の終盤における充電ムラの発生を防止できることを明らかにした。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、以下に好適な実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されない。
本発明は、リチウムイオン二次電池に限らず公知の種々の二次電池において実施可能である。以下では本発明の実施形態の一例として、リチウムイオン二次電池について説明する。
《充電ムラの低減方法》
本発明の第一実施形態は、正極及び負極と、リチウムイオン及び有機溶媒を含有する電解質と、を備えた二次電池の充電ムラを低減する方法である。
<二次電池の構成>
前記正極、負極及び電解質の種類は特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に使用される部材が使用される。すなわち、公知のリチウムイオン二次電池の製造時に本実施形態の充電ムラ低減方法を適用することができる。
前記正極の構成としては、例えば、正極活物質、バインダー及び導電助剤を含む公知の正極材組成物を任意形状のアルミ製集電体上に塗布してなる構成が挙げられる。
前記負極の構成としては、例えば、負極活物質、バインダー及び導電助剤を含む公知の負極材組成物を任意形状の銅製集電体上に塗布してなる構成が挙げられる。
電極活物質としては、リチウムイオンが可逆的にインターカレートする公知の炭素材料、ケイ素化合物等が好適である。負極活物質の一つとして炭素材料が使用されている場合、初回充電時に負極活物質層の表面にSEIが生成して電極性能が高まるが、SEI生成に伴って有機溶媒の一部が分解することによりガスが発生し易い。本実施形態においては、当該ガスによる充電ムラの発生を充分に低減することができるため、電極活物質として炭素材料を使用することに支障はない。
電極の作製方法は特に限定されず、公知方法が適用される。例えば、電極活物質、導電助剤、バインダー及び希釈溶媒をヘンシェルミキサー等で混合し、得られた組成物をブレードコート法によって集電体上に塗布した後、希釈溶媒を蒸発させることにより所望の電極が得られる。形成された電極活物質層の厚みは特に限定されず、例えば5μm〜500μmの厚みに設定することができる。この厚みを調整する際にプレスや圧延処理を施しても構わない。
正極と負極を電池セル内に収納する際には、短絡を防ぐために両電極の間に絶縁性のセパレータを設置することが好ましい。セパレータの種類は特に限定されず、両極間に挿入可能な多孔性樹脂フィルムや、絶縁性粒子及びバインダーが電極表面に結着してなる絶縁層等が挙げられる。
正極、セパレータ及び負極を有する電極積層体(電極体)を外装体に収納する方法は特に限定されず、例えば、平板状の電極を積層してなる電極積層体をアルミラミネート袋内に封入するラミパック方式や、フィルム状の電極積層体を同心円のロール状に巻いて円筒形の電池ケース内に封入する巻回し方式等が挙げられる。
電極積層体を外装体に収納した後、リチウムイオン及び有機溶媒(非水系溶媒)を含有する電解質が電極積層体若しくはセパレータを浸漬するように、外装体内に電解質を注入する。電解質は液状の電解液であってもよいし、ゲル状のゲル電解質であってもよい。
電解質はリチウムイオンを含む電解質塩であることが好ましい。電解質塩の種類は特に限定されず、公知のリチウム塩が適用可能であり、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFCFO、LiSOCF、LiCFCFSO、LiClO、LiN(COCFCF、LiN(SOCF等のリチウム塩が挙げられる。これらリチウム塩の1種が単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。電解質塩の濃度は特に限定されず、例えば、0.3モル/L〜3.0モル/L程度が挙げられる。
電解質を構成する有機溶媒の種類は特に限定されず、正極−負極間におけるリチウムイオンの伝導を可能にする有機溶媒であれば公知の有機溶媒(非水系溶媒)が適用可能である。
<ガスの排出>
本実施形態の充電ムラ低減方法においては、まず、上記のように電極積層体を外装体に収納し、更に電解質を注入した後、各電極に接続された端子用タブを外部に出した状態で外装体を封止してリチウムイオン二次電池の組み立てを行う。次に、初回の充電を開始した後、満充電状態に至る前に電池内に発生したガスを排気する。
ここで「満充電」とは、当該二次電池の定格容量に相当する電気量(単位:Ah)が充電された充電率(SOC:State Of Charge)100%である状態をいう。定格容量は公知方法により決定される。初回充電においては、充電率が約0%の状態から約100%へ向けて充電が開始される。なお、負極活物質に予めリチウムプレドープ処理が施されている場合は、初回充電の開始以前に充電率が0%を超えている場合もある。充電開始から満充電に至るまでの電気量(充電量)と電池電圧の関係は、電池の開回路電圧を縦軸にとり、充電量を横軸にとったOCVカーブで表される(図2参照)。
本実施形態においては、組み立てた二次電池を封止した状態で初回の充電を開始して、所定容量まで充電することにより発生したガスを二次電池内に溜めた後、前記封止を一時的に解除して電池内に溜めたガスを排気することが好ましい。
組み立てた電池を封止せずに初回充電を行うと、充電期間中に電解質が外気から湿気(水分)を吸収する問題が発生する。電解質の吸湿を防ぐためには乾燥雰囲気下で充電する必要があるが、充電工程は短くても数時間を要するため、充電工程を乾燥雰囲気下で行うことは二次電池の製造効率を著しく低下させる場合がある。したがって、二次電池を一旦封止して、外気からの吸湿を防いだ状態で充電工程を行うことが好ましい。
組み立てた二次電池を封止した状態で初回充電を行うと、主に充電期間の後期に電池内にガスが発生する。本実施形態においては、ガスの発生を許容し、所定容量まで充電することにより二次電池内にガスが溜まることを容認する。ガスの発生初期においては、ガスは電極およびセパレータに付着した微細な多数の気泡として存在し易い。このような微細なガスを効率的に排出することは難しい場合がある。しかし、本実施形態においては、ガスを充分に発生させて、気泡同士が結合してなる比較的大きなガス溜まりを電池内に形成させるため、後で行うガス排出工程の効率を高めることができる。
所定容量まで充電した電池内にガスが溜まった後、適切な時期に充電を停止して排気工程に移る。排気工程においては、公知方法によって二次電池の封止を一時的に解除して、電池内のガスを排出する。電池内に発生したガスによって内圧が高まっているため、封止を解除しても外気の湿気が電池内に侵入する恐れは少ないが、乾燥雰囲気下で排気工程を行うことが好ましい。例えば外装体を外部から加圧したり、減圧雰囲気下に置いたりする等のガス排出を促進する公知方法を併用することによって、数分〜数十分で排気を完了することができる。
初回充電を停止して排気工程に移る好適な時期としては、初回充電の開始後、当該二次電池の定格容量の所定の充電率まで充電した時点で排気工程に移ることが好ましい。ここで所定の充電率は、ガスの発生程度にもよるが、例えば、定格容量の50〜90%が好ましく、60〜85%がより好ましく、70〜80%がさらに好ましい。
初回充電において充電率50%以上に充電した後で排気工程に移ることにより、電池内には充分なガスが発生しているため、効率的に排気することができる。一方、充電率が50%未満の状態で排気工程に移ると、再封止後の充電期間において新たなガスが大量に発生して充電ムラを引き起こす恐れがある。
初回充電において充電率90%以下に充電した後で排気工程に移ることにより、電池内におけるガスの発生は概ね終息しており、充電ムラを充分に低減することができる。一方、充電率が90%超の状態においても初回充電を継続すると、充電ムラを引き起こす場合がある。
初回充電を停止して排気工程に移る好適な時期としては、予め調べた充電曲線を参照して決定することもできる。例えば、横軸に開回路の電池電圧(V)をとり、縦軸に蓄電量変化量/電池電圧変化量(dQ/dV)をとったdQ/dVカーブを参照して、dQ/dV値が1000以上になった後も充電を継続して電池内に充分なガスを発生させて、dQ/dV値が最大値を示した後で下降したdQ/dV値が2000以下若しくは1500以下になる前又はなった直後に、充電を停止して排気工程に移る方法が挙げられる。
初回充電においてdQ/dV値が1000以上になった後でガスの発生が盛んになり、その後、dQ/dV値が最大値を示した後で、ガスの発生が終息に向かい、dQ/dV値が2000以下又は1500以下になる頃までにガスの発生が概ね終息していると考えられる。ガスの発生が終息した直後に排気工程に移ることにより、充電ムラを充分に低減して、二次電池が本来的に有する電池性能を最大限に発揮させることができる。
初回充電を停止して排気工程に移る好適な時期は、充電時の電池電圧をモニターしながら決定することもできる。例えば、開回路の電池電圧(V)を計測しながら初回充電を開始して、電池電圧が3.5V以上になった後も充電を継続し、その後電池電圧が4.0Vに達する前又は達した直後に、充電を停止して排気工程に移る方法が挙げられる。
初回充電において電池電圧が3.5V以上になった後でガスの発生が盛んになり、その後、電池電圧が4.0Vに達する頃までにガスの発生が概ね終息していると考えられる。ガスの発生が終息した直後に排気工程に移ることにより、充電ムラを充分に低減して、二次電池が本来的に有する電池性能を最大限に発揮させることができる。
本実施形態においては、排気工程において二次電池を再封止した後に充電を再開し、満充電に至った後で放電する放電工程を有することが好ましい。
初回充電後に放電して充放電サイクルを完了することにより、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。放電後、更に数回の充放電サイクルを繰り返してもよい。この繰り返しにより電極表面が安定化して、電池のサイクル特性が更に向上する場合がある。2回目以降の充放電サイクルにおいて、もしもガスが発生する場合には、本実施形態の充電ムラ低減方法を再び行うことができる。
《二次電池の製造方法》
本発明の第二実施形態は、前述した第一実施形態の充電ムラ低減方法を行う工程を有する二次電池の製造方法である。第二実施形態は、その他の工程、例えば、正極及び負極の作製工程、電解質の調製工程、二次電池の組み立て工程等を有していてもよい。その他の工程における具体的な作製方法等は公知方法が適用可能である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
《二次電池の材料の準備》
<電解液>
シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体(LOX−BF)溶液 (リチウム塩濃度1mol/kg、ジメチルカーボネート:エチレンカーボネート(2:1、体積比)混合溶媒)を混合及び攪拌することにより電解液を得た。
<セパレータ>
不織布(PP製、空孔率76%、厚み30μm 廣瀬製紙(株)製HOP6) を225×285mmにカットして用いた。
<正極>
LiCoO(コバルト酸リチウム)93質量部と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、導電助剤であるカーボンブラック4質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチルピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーを作製した。この正極合剤スラリーを15μmのアルミニウム箔の両面に、活物質層のない部分を15mm幅残して塗工し、更に減圧乾燥(100℃、−0.1MPa、10時間)してロールプレスすることによって、正極を得た。
<負極>
グラファイト95質量部と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)5質量部とを混合し負極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチルピロリドン(NMP)に分散させて負極合剤スラリーを作製した。15μmの銅箔の両面に、活物質層のない部分を15mm幅残して塗工し、減圧乾燥(100℃、−0.1MPa、10時間)してロールプレスすることによって、負極を得た。
上記の正極及び負極を次のようにカットした。活物質層のない部分(15mm幅)を含んで、負極は235×280mm(活物質層のある部分は220×280mm)、正極は235×280mm(活物質層のある部分は220×280mm)の大きさに成形した。
《二次電池の組み立て》
負極2枚と正極1枚、セパレータ2枚を交互に積層した。具体的には、負極の上に負極活物質層を覆うようにセパレータを被せた。セパレータを間に挟んで、負極の活物質層のない部分と反対側に正極の活物質層のない部分とが対向するようにして、正極と負極が直接触れないように、正極を被せた。さらに、正極の上に正極活物質層を覆うようにセパレータを被せた。さらに、セパレータを間に挟んで、正極の活物質層のない部分と反対側に負極の活物質層のない部分とが対向するようにして、正極と負極が直接触れないように、負極を被せた。
上記積層体の正極、負極それぞれの活物質層のない部分に端子用タブを超音波溶接などによって電気的に接続した。
端子用タブが外部に突出するように、アルミラミネートフィルム(300×350mm)で上記積層体を挟み、三辺をラミネート加工によって封止した。電極端から2mm程度の部分で封止した。
封止せずに残した一辺から電解液を注入し、真空封止することによって、初期充電を行う前のリチウムイオン二次電池を得た。この際、電極端から2cmの余白を残して封止した。
<予備試験(比較例)>
上記のように組み立てたリチウムイオン二次電池について、従来方法の通り、満充電に至るまで一定電流(200mA)で初回充電を行った。この際のOCVカーブを図2に示す。図2のOCVカーブにおいては、充電開始直後の電池電圧は約2.5Vであり、充電初期(〜180mAh、SOC約14%)において約3.6Vまで電池電圧が急速に上昇し、その後、満充電状態(約1300mAh、充電率約100%)の約4.2Vまで電池電圧が緩やかに上昇した。
上記予備試験の初回充電について、図1に示すように、電池電圧Vを横軸にとり、蓄電量変化量/電池電圧変化量を縦軸にとった充電曲線(dQ/dVカーブ)を描いて、その充電特性を解析した。その結果、前述したように、満充電状態を表す4.2Vに至る前の3.6〜3.8Vの充電期間でガスが発生し、その後の3.8〜4.2Vの充電期間においてはガスの発生が殆ど終息していると考えられた。
上記予備試験によって満充電に至った二次電池を分解して各部材の状態を確認した。セパレータの表面には、リチウム金属の析出が観察された。このような析出はリチウムデンドライドの発生を促す恐れがあるため好ましくない。次に負極の表面を観察したところ、充電反応によりリチウムイオンが吸蔵された箇所と充電反応が滞った箇所との色の違いがあることから、充電ムラが発生したことが確認された。この充電ムラは、その後の放電工程によっても解消されない場合があり、電池性能を低下させる原因になる。この充電ムラが発生した理由として、ガスの発生が終息した3.8〜4.2Vの充電期間においては、大量に発生したガスが電池内に滞留した状態で充電を行っていることが要因であると考えられた。
<実施例1>
前述した方法で新たなリチウムイオン二次電池を組み立て、同様に初回充電を開始し、予備試験で得られた図1に示すdQ/dVカーブの最大ピークが観測された電池電圧約3.8V、充電率約54%に達した直後に充電を停止し、次のガス排出工程に移った。
具体的には、組み立て時に封止したラミネートフィルムからなる外装体の余白部分に針を刺して開孔を形成し、減圧雰囲気下において外装体を加圧して、電池内に発生したガスを排出した。その後、開口部を熱融着することにより再封止して、電池電圧が4.2Vになる満充電に至るまで充電した。再封止した後に行った充電期間における新たなガスの発生量は少なかった。
実施例1で満充電に至った二次電池を分解して各部材の状態を確認した。セパレータの表面には、リチウム金属は析出していなかった。負極の表面の色合いを観察したところ、充電反応によりリチウムイオンが吸蔵された箇所が電極表面全体に亘って均一に拡がっていることが確認された。すなわち、充電ムラは発生せず、二次電池が本来的に有する電池性能を最大限に発揮できる状態にあることが分かった。このような好結果が得られた理由としては、初回充電によって電池内に発生したガス抜きのタイミングが最適であったことが考えられる。また、ガスを排出して再封止した後に行った充電期間における新たなガスの発生は少なかったので、電池性能に与える影響は小さいといえる。
<参考例>
前述した方法で新たなリチウムイオン二次電池を組み立て、同様に初回充電を開始し、予備試験で得られた図1に示すdQ/dVカーブの大きなピークが観測される前の電池電圧約3.5V、充電率約15%に達したときに充電を停止し、次のガス排出工程に移った。ガス排出の方法は実施例1と同様に行った。その後、開口部を熱融着することにより再封止して、電池電圧が4.2Vになる満充電に至るまで充電した。再封止した後に行った充電期間における新たなガスの発生量は多かった。
参考例で満充電に至った二次電池を分解して各部材の状態を確認したところ、予備試験と同様の結果であった。すなわち、セパレータの表面には、リチウム金属の析出が観察された。また、負極の表面には充電ムラが発生したことを示す色の違いがあった。この充電ムラが発生した理由として、ガスの発生が活発になる前にガス排出工程を行ったため、再封止後の充電期間において、大量に発生したガスが滞留した状態で満充電に至るまで充電を行ったことが要因であると考えられた。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の電気化学分野で広く利用可能である。

Claims (8)

  1. 正極及び負極と、有機溶媒を含有する電解質と、を備えた二次電池の充電ムラを低減する方法であって、
    前記二次電池の組み立て後に行う初回の充電開始後、満充電に至る前に電池内に発生したガスを排出する排気工程を有し、
    前記排気工程は、前記初回の充電開始後の充電曲線(横軸:電池電圧V、縦軸:蓄電量変化量/電池電圧変化量dQ/dV)において、dQ/dVが1000以上になった後も充電を継続し、dQ/dVが最大値を示した後でdQ/dVが2000以下になる前又は2000になった直後に、電池内に発生したガスを排気する、二次電池の充電ムラ低減方法。
  2. 前記二次電池を封止した状態で前記初回の充電を開始して、所定容量まで充電することにより発生したガスを前記二次電池内に溜めた後、前記排気工程において前記封止を一時的に解除して前記ガスを排気する、請求項1に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  3. 定格容量の50〜90%まで充電した後に電池内に発生したガスを排気する、請求項1又は2に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  4. 前記初回の充電開始後に、電池電圧が3.5V以上になった後も充電を継続し、その後電池電圧が4.0Vに達する前又は4.0Vに達した直後に、電池内に発生したガスを排気する、請求項1〜の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  5. 前記排気工程の後に充電を再開し、満充電に至った後で放電する放電工程を有する、請求項1〜の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  6. 前記正極にコバルト酸リチウムが含まれる、請求項1〜5の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  7. 前記正極の活物質がコバルト酸リチウムのみからなる、請求項1〜6の何れか一項に記載の二次電池の充電ムラ低減方法。
  8. 請求項1〜の何れか一項に記載の充電ムラ低減方法を行う工程を有する、二次電池の製造方法。
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