JP6456714B2 - 持久力向上剤 - Google Patents

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Description

本発明は、黒高麗人参及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする持久力向上剤に関する。更に詳しくは、黒高麗人参及び/又はその抽出物を含有する抗疲労剤、エネルギー産生促進剤、抗酸化酵素活性促進剤、肝臓過酸化脂質生成抑制剤、ケトーシス抑制剤に関する。
持久力はスポーツ分野で必要とされているが、日常生活でも疲労の回復、疲れにくい身体を作るためには、持久力を向上させることが重要である。疲労は肉体的・精神的な過度の活動の結果生じる、活動能力や作業能率などが低下した状態であり、倦怠感、不快感、脱力感などの「疲労感」を伴う場合が多い(非特許文献1)。疲労の度合いによっては作業能率やQOLを低下させるため、経済的な損失を引き起こし、健全な日常生活を脅かす可能性もある。疲労感は、我々が日常的に経験する感覚であり、疲労が6ヶ月以上にわたって続く慢性疲労に悩む人も多い。疲労に関する原因やメカニズムに関して、多くの研究者により解明が試みられているが、全体像の把握には至っておらず、明確な治療方法は確立されていないのが現状である。
疲労の一因として、近年、活性酸素が関与することが明らかになってきた。過度な活動やオーバーワークなどにより生体内に生成した過剰な活性酸素を処理しきれなくなり、細胞や組織にダメージを与え、細胞や組織の機能が低下し、その結果、疲労状態に至ると考えられている(非特許文献1)。また、細胞や組織がダメージを受けると、細胞や組織のエネルギー産生能力が低下し、健全な日常生活や運動のパフォーマンスに必要なエネルギーの供給が充分に行われない危険がある。よって、持久力を向上させ、疲労を予防または改善するためには、活性酸素を除去することと、エネルギー産生能力を高めることの両方が必要となる。
活性酸素は、酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称であり、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素などが挙げられる。生命活動を行う中で、多くの活性酸素が生成するが、生体には活性酸素を除去する機能も備わっている。例えば、グルタチオンやビタミンCなどの抗酸化物質で直接、活性酸素を除去する場合や、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、GPx(グルタチオンペルオキシダーゼ)、CAT(カタラーゼ)、Prdx(ペルオキシレドキシン)、GR(グルタチオンレダクターゼ)などの抗酸化酵素の働きにより活性酸素を除去する場合がある(非特許文献2)。過度の活動やオーバーワークなどで活性酸素が過剰に生成し、生体の活性酸素除去機能で処理しきれなくなると、細胞や組織がダメージを受け、細胞や組織の機能が低下し、疲労状態に至ると考えられている。よって、持久力を向上させ、疲労を予防又は改善するためには、活性酸素を除去する一連の抗酸化酵素を活性化することにより、活性酸素を除去する能力を高めることが有効である。
また、活性酸素は、生体内の脂質の不飽和脂肪酸と反応し過酸化脂質を生じることが知られている。生じた過酸化脂質が様々な臓器に悪影響を及ぼすことが明らかとなってきている。例えば、過酸化脂質やその酸化分解物は、核酸やタンパク質に作用し、動脈硬化、高血圧症、腎障害などを引き起こす(特許文献1)。また、肝臓は栄養素の代謝や解毒に関与する臓器であることから、肝臓に過酸化脂質が蓄積すると、慢性的な肝機能障害、肝炎などを引き起こすと考えられており、特に肝臓での過酸化脂質の蓄積を抑制することが重要と考えられている。
生きている細胞は、絶え間なくエネルギーを生成する必要があるため、糖や脂肪酸からATP(アデノシン三リン酸)を合成しエネルギー源として利用する。ATPは、摂取した食物が消化吸収され、細胞に移送されると、グルコースなどの糖が解糖系の酵素反応によってグルコース−6リン酸を経てピルビン酸を生成し、これが細胞ミトコンドリア内でアセチルCoAに変換され、更にTCA回路でクエン酸やオキサロ酢酸などに変換される一連の代謝過程で生成される。また、脂肪酸はβ酸化を受け、アセチルCoAを経て、同様にTCA回路で代謝されATPを生成する(特許文献2、非特許文献3)。持久力の向上、疲労を予防又は改善するためには、細胞中のエネルギー産生に関わる酵素を活性化し、エネルギー産生能力を高めることが重要である。エネルギー産生に関わる酵素としては、グリコーゲンをブドウ糖に分解するPYGM(グリコーゲンホスホリラーゼ)、ミトコンドリアの電子伝達系のスーパー複合体形成に関与するCOX7RP(チトクロームCオキシダーゼ サブユニット7a 関連ポリペプチド)(非特許文献4)、ミトコンドリア合成を促進する転写因子であるPGC−1α(PGC1:PPARγ コアクチベーター1α)(非特許文献5)、脂肪酸の酸化に関わるMCAD(中鎖アシルCoA脱水素酵素)、エネルギー産生系を活性化するAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)(非特許文献6)などが挙げられる。
疲労の原因物質についての全容は解明されていないものの、活性酸素の他にも候補物質として挙げられているのがケトン体(アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸)である。ケトン体は、持久運動や絶食時に蓄積することが知られており、糖の利用性が低下した時、脂肪組織から動員された遊離脂肪酸がβ酸化を受けた結果、生成される。ケトン体の生成が増加し、その処理能力を上回った場合、ケトン体の血中濃度が増加し、ケトーシスとなる。アセト酢酸や3−ヒドロキシ酪酸は酸性を呈するため、生体の緩衝能を超えてケトン体が蓄積すると、血液が酸性に傾くアシドーシス状態となり、疲労感が生じる(特許文献3)。そのため、血中ケトン体濃度の上昇を抑制することは、持久力の向上、疲労の改善に有効である。また、アシドーシス状態は、糖尿病でも誘発されることが知られており、血中ケトン体濃度の上昇を抑制することは、糖尿病やケトーシスの改善又は治療にも有効である。
高麗人参は、学名をPanax ginseng C.A.Mey.というウコギ科の植物で、朝鮮人参、オタネ人参とも呼ばれ、中国、韓国、日本で生薬あるいは健康食品素材として多用されている。一般的に高麗人参と称するものは、この植物の根を栽培したそのまま(水参)、あるいは水参を常温で乾燥させたもの(白参とも称される)を指す。
黒高麗人参は、生の高麗人参、白参、又は紅参を用いて生薬の加工の際に行われる修治処理を施したものである。修治処理とは、蒸して乾かすという加工工程をいう。黒高麗人参は、黒人参あるいは黒参とも称される。また、高麗人参や黒高麗人参に類似する紅参は、一般的には修治処理を1回行ったものである(特許文献4)。
高麗人参は、昔から代表的な滋養強壮剤として用いられてきたが、その他にも老化抑制、抗動脈硬化、高脂血症改善、肝機能亢進、放射線障害除去、免疫増強、抗血栓、脳機能亢進、抗ストレス、血糖降下、血圧降下及び抗ガンなどの作用が知られている(特許文献4)。また、根ではなく葉の抽出物を利用した運動能力や疲労回復を改善する組成物が提案されている(特許文献5)。しかし、これまでに、高麗人参に修治処理を行うことで、持久力向上作用や疲労回復作用が、さらに高まることは報告されておらず、エネルギー産生促進、抗酸化酵素活性促進、肝臓過酸化脂質生成抑制、ケトーシス抑制の作用を向上あるいは獲得することは全く知られていない。
特開2008−106029号公報 特許第4437319号公報 特願2007−524033号公報 特開2002−348245号公報 特願2010−547561号公報 渡辺恭良,医学のあゆみ,2009,228,593−604 谷口直之,酸化ストレス・レドックスの生化学,2000,1−10 田川邦夫,からだの生化学(第2版),1993,111−116 Ikeda,K.,et al.,Nat.Commun、2013、4、2147 Wu,Z.,et al.,Cell、1999、98、115−124 Winder,WW.,et al.,J.Appl.Physiol、2001、91、1017−28
本発明は、黒高麗人参及び/又はその抽出物を含有する持久力向上剤、抗疲労剤、より詳しくは、エネルギー産生促進剤、抗酸化酵素活性促進剤、肝臓過酸化脂質生成抑制剤、ケトーシス抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、黒高麗人参及び/又はその抽出物が、エネルギー産生酵素や抗酸化酵素の遺伝子発現を亢進させることにより、優れた持久力向上作用、抗疲労作用、肝臓過酸化脂質生成抑制作用、ケトーシス抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いる黒高麗人参とは、生の高麗人参、白参、又は紅参を用いて修治処理したものである。一般的な市販の黒高麗人参の修治処理方法としては、紅参を調製するのに用いられる方法と同様の工程(90〜100℃で蒸す工程と、40〜110℃で乾燥する工程)を繰り返したものである。
本発明に用いる黒高麗人参は、修治処理を好ましくは3回以上行ったものであり、より好ましくは5回以上であり、特に好ましくは7回から15回行ったものを用いる。
蒸す温度と時間の関係については、例えば、90〜100℃では、蒸す時間の合計が10〜30時間が好ましく、16〜24時間がより好ましい。
本発明に用いる黒高麗人参の抽出物は、黒高麗人参から溶媒で抽出することよって得られるが、市販品を用いることもできる。その抽出方法は特に限定されず、加熱抽出であっても、常温抽出であってもよい。
黒高麗人参の抽出に用いる溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなど)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタンなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなど)が挙げられるが、好ましくは、水、低級アルコールなどの極性溶媒であり、より好ましくは、水、エタノール、及び水とエタノールとの混合溶媒である。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率を上げるために、例えば界面活性剤、酵素製剤(ペクチナーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼなど)などの添加物を本発明の効果を損なわない範囲で抽出溶媒に加えてもよい。
抽出溶媒として水とアルコール類との混合溶媒を使用する場合は、アルコール濃度が10〜90重量%とすることが好ましい。具体的には、エタノール濃度が20〜70重量%の含水エタノール、1,3−ブチレングリコール濃度が20〜70重量%の含水1,3−ブチレングリコールなどの溶媒が好適に使用され、エタノール濃度が25〜50重量%の含水エタノールの使用が特に好ましい。
抽出に使用する溶媒量は、抽出原料1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部である。抽出溶媒量がこの範囲を下回ると、抽出原料全体に抽出溶媒が行き渡らず、抽出効率が低下する可能性があり、抽出溶媒量がこの範囲を超えると、後に抽出溶媒除去を行う際の負担が増加する。
抽出温度は、特に限定されず、例えば加熱抽出であってもよいし、常温抽出であってもよい。
抽出時間は、常温抽出の場合は1〜2週間、加熱抽出の場合は30分間〜24時間、好ましくは1〜10時間であるが、抽出溶媒の種類、抽出温度などの条件によって適宜調節できる。抽出操作の回数は特に限定されるものではなく、1回であってもよいし、1回目の抽出後に再度新鮮な抽出溶媒を添加し、2回目以降の抽出操作を行なってもよい。また、同一の抽出溶媒を用いて複数回抽出操作を行ってもよい。
抽出方法は、当分野で通常用いられる方法であればよく、室温又は加熱下で、任意の装置を使用して行う。具体的には、抽出溶媒を満たした抽出処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して残渣を除去し、抽出物を得る。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよく、必要に応じて、その効果に影響のない範囲で更に、濃縮、希釈、濾過、活性炭などによる脱色、脱臭、エタノール沈殿などの処理をして用いてもよい。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いてもよい。
本発明に関わる持久力向上剤、抗疲労剤には、発明の効果を損なわない範囲において、生薬、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの他に、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ステビア、サッカリン、スクラロースなどの甘味料、マルチトール、エリスリトールなどの糖アルコール、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などの酸味料、乳糖、デンプン、セルロース、デキストリンなどの賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、ゼラチン、プルラン、シェラック、ツェインなどの被膜剤、小麦胚芽油、米胚芽油、サフラワー油などの油脂類、並びにミツロウ、米糠ロウ、カルナウバロウなどのワックス類などを適宜含有することができる。生薬としては、高麗人参、シベリア人参、アメリカ人参、田七人参、霊芝、プロポリス、アガリクス、ブルーベリー、アイブライト、生姜、イチョウ葉及びその抽出物などが挙げられる。ビタミンとしては、ビタミンA、D、E、Kなどの油溶性ビタミン、ビタミンB、B、B、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどの水溶性ビタミンが挙げられる。また、持久力向上や抗疲労作用の増強のため、カフェイン、イノシトールなどを適宜含有しても良い。
本発明に関わる黒高麗人参及び/又はその抽出物の摂取量は、形態、症状、年齢、体重などに応じて適宜決定することができる。例えば、黒高麗人参においては、成人に経口投与する場合には、一日の投与量は0.1〜10g、好ましくは0.2〜5g、特に好ましくは0.5〜3gである。黒高麗人参の抽出物においては、成人に経口投与する場合には、一日の投与量は0.5〜1000mg、好ましくは1〜500mg、特に好ましくは5〜200mgである。
本発明に関わる持久力向上剤及び抗疲労剤は、医薬品、医薬部外品、又は食品のいずれにも用いることができる。投与方法としては、経口投与(内服剤)及び経皮投与(外用剤)などが挙げられるため、製剤形態は種々のものを選択できるが、特に内服剤が好ましい。例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤などの通常の医薬品の形態、飲料、ガム、チョコレート、飴、麺、パン、ケーキ、ビスケット、羊羹、ゼリー、缶詰、レトルト食品、畜肉食品、水産練食品、マーガリン、バター、マヨネーズなどの通常の食品の形態を採用することができる。中でも、摂取量を調節しやすい飲料、カプセル剤、錠剤、顆粒剤などが好ましい。外用剤としては、ローション、クリーム、乳液、浴用剤、注射薬、座薬などの剤型が挙げられる。
本発明の黒高麗人参及び/又はその抽出物は、優れた持久力向上作用、抗疲労作用、エネルギー産生促進作用、抗酸化酵素活性促進作用、肝臓過酸化脂質生成抑制作用、ケトーシス抑制作用を有する。
本発明を詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す含有量の%は重量%を示す。
(製造例1)黒高麗人参
生の高麗人参の根200gを、100℃で2時間蒸した後、60℃にて乾燥する工程を9回繰り返し、粉砕した後、黒高麗人参の乾燥物30g得た。
(製造例2)黒高麗人参30%エタノール抽出物
製造例1の黒高麗人参20gに、精製水70gとエタノール30gとを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒高麗人参30%エタノール抽出物を8.5g得た。
(製造例3)黒高麗人参50%エタノール抽出物
製造例1の黒高麗人参20gに、精製水50gとエタノール50gとを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒高麗人参50%エタノール抽出物を6.4g得た。
(比較製造例1)高麗人参30%エタノール抽出物
日本薬局方適合の市販のニンジン末20gに、精製水70gとエタノール30gとを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して高麗人参30%エタノール抽出物を6.2g得た。
(比較製造例2)紅参30%エタノール抽出物
日本薬局方適合の市販のコウジンの粉砕物20gに、精製水70gとエタノール30gとを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して紅参30%エタノール抽出物を7.7g得た。
飲料1
<処方> 含有量(%)
1.黒高麗人参30%エタノール抽出物(製造例2) 0.04
2.ショ糖 16.00
3.クエン酸 0.8
4.香料 0.2
5.精製水で全量を100とする
<製造方法>
成分5に成分1〜4を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌して50mLガラス瓶に充填する。
<用法>
本飲料を1日1本摂取する。
飲料2
<処方> 含有量(%)
1.黒高麗人参50%エタノール抽出物(製造例3) 0.1
2.マルチトール 8.0
3.スクラロース 0.01
4.クエン酸 0.5
5.香料 0.2
6.精製水で全量を100とする
<製造方法>
成分6に成分1〜5を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌して50mLガラス瓶に充填する。
<用法>
本飲料を1日1本摂取する。
軟カプセル剤
<処方> 含有量(%)
1.黒高麗人参30%エタノール抽出物(製造例2) 1.0
2.サフラワー油 90.0
3.ミツロウ 6.0
4.ビタミンE 3.0
<製造方法>
成分1〜4を混合し、ゼラチン、グリセリンで構成される被膜に、250mg充填し、乾燥後、軟カプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
錠剤
<処方> 含有量(%)
1.黒高麗人参30%エタノール抽出物(製造例2) 10.0
2.乳糖 60.0
3.還元麦芽糖水飴 20.0
4.セルロース 5.0
5.グリセリン脂肪酸エステル 5.0
<製造方法>
成分1〜5を混合して打錠成型し、0.3gの錠剤を得る。
<用法>
1日当り3粒摂取する。
顆粒剤
<処方> 含有量(%)
1.黒高麗人参(製造例1) 20.0
2.乳糖 75.0
3.セルロース 5.0
<製造方法>
成分1〜3を乾式法により造粒し、顆粒剤を得る。
<用法>
1日当り10g摂取する。
比較例1 従来の飲料
実施例2の飲料において、黒高麗人参30%エタノール抽出物を水に置き換えたものを従来の飲料とした。
(実験例1)エネルギー産生関連遺伝子発現促進作用
エネルギー産生関連遺伝子であるPYGM、COX7RP、PGC1、MCAD、AMPKのmRNA発現量の測定を行った。マウス筋芽細胞C2C12(理研セルバンクより購入)を24ウェルプレートに播種し、10%牛胎児血清を含むDMEM(SIGMA)培地にて、37℃、5%CO条件下で培養した。次いで、2%ウマ血清を含むDMEM培地に交換し、筋管を形成させた。黒高麗人参30%エタノール抽出物(製造例2)、高麗人参30%エタノール抽出物(比較製造例1)及び紅参30%エタノール抽出物(比較製造例2)をそれぞれ1mg/mLとなるように溶解させた培地に置き換えて、24時間培養した後、総RNAの抽出を行った。mRNA発現量の測定は、リアルタイムPCR法により定められた方法で行った。PYGM、COX7RP、PGC1、MCAD、AMPKのmRNAの発現量を、内部標準であるGAPDH(グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素)のmRNAの発現量に対する割合として求めた。PYGM発現量は、未添加のPYGMのmRNAの発現量に対する各々の試料添加群のPYGMのmRNAの発現量の比率として算出した。COX7RP、PGC1、MCAD、AMPK発現量についても、同様に算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
PYGM用のプライマーセット
GCATCAAAAGGGAGCCCAAT(配列番号1)
GCCTTGCCTCCAATCATGA(配列番号2)
COX7RP用のプライマーセット
GCTGTGCTTCTGCTCCTGATT(配列番号3)
TGAGCTGGAGAGCAACTTTCC(配列番号4)
PGC1用のプライマーセット
GATGGCACGCAGCCCTATT(配列番号5)
CGACACGGAGAGTTAAAGGAAGA(配列番号6)
MCAD用のプライマーセット
AACACTTACTATGCCTCGATTGCA(配列番号7)
CCATAGCCTCCGAAAATCTGAA(配列番号8)
AMPK用のプライマーセット
GTCTGGAGGTGAATTGTTCGACTA(配列番号9)
GCGCGCTTCCACCTCTT(配列番号10)
GAPDH用のプライマーセット
TGGAGAAACCTGCCAAGTATG(配列番号11)
CCCTCAGATGCCTGCTTCA(配列番号12)
エネルギー産生関連遺伝子の発現量比の結果を表1に示す。黒高麗人参抽出物を添加すると、エネルギー産生関連遺伝子であるPYGM、COX7RP、PGC1、MCAD、AMPKの遺伝子発現が亢進した。その作用は、高麗人参抽出物や紅参抽出物と比べ、著しく高い作用であった。すなわち、黒高麗人参抽出物には、高麗人参抽出物や紅参抽出物と比較して、著しく高いエネルギー産生促進作用が明らかとなった。
(実験例2)抗酸化関連遺伝子発現促進作用
抗酸化関連遺伝子であるSOD1、GPx4、CAT、Prdx、GRのmRNA発現量の測定を行った。マウス筋芽細胞C2C12を用い、実験例1と同じ条件で細胞の培養、mRNAの発現量の測定を行った。SOD1、GPx4、CAT、Prdx、GRのmRNAの発現量を、内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量に対する割合として求めた。SOD1発現量は、未添加のSOD1のmRNAの発現量に対する各々の試料添加群のSOD1のmRNAの発現量の比率として算出した。GPx4、CAT、Prdx、GR発現量についても、同様に算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
SOD1用のプライマーセット
CATTCCATCATTGGCCGTACA(配列番号13)
CCACCTTTGCCCAAGTCATCT(配列番号14)
GPx4用のプライマーセット
GCTGGGAAATGCCATCAAA(配列番号15)
CACCACGCAGCCGTTCTTA(配列番号16)
CAT用のプライマーセット
TGTTCAGTGACCGAGGGATTC(配列番号17)
AACTTGAAGGTGTGTGATCCATAGC(配列番号18)
Prdx用のプライマーセット
ACACCCAAGAAACAAGGAGGATT(配列番号19)
GGTGCGCTTGGGATCTGATA(配列番号20)
GR用のプライマーセット
GTGGCACTTGCGTGAATGTT(配列番号21)
ATTCCGAGTGCACTGCTGTGT(配列番号22)
抗酸化関連遺伝子の発現量比の結果を表2に示す。黒高麗人参抽出物を添加すると、抗酸化関連遺伝子であるSOD1、GPx4、CAT、Prdx、GRの遺伝子発現が亢進した。その作用は、高麗人参抽出物や紅参抽出物と比べ、著しく高い作用であった。すなわち、黒高麗人参抽出物には、高麗人参抽出物や紅参抽出物と比較して、著しく高い活性酸素除去作用を有することが明らかとなった。
(実験例3)抗疲労作用
雌性BALB/cマウス(日本エスエルシー)を予備飼育した後、未添加群と黒高麗人参群、対照群の3群に分けた。未添加群と対照群には水10mL/kgを、黒高麗人参群には黒高麗人参30%エタノール抽出物(製造例2)1g/10mL/kgを1日1回、10日間胃ゾンデを用いて経口投与した。次いで、未添加群と黒高麗人参群について、48時間、水浸飼育を行った。水浸飼育は、床敷きの代わりに水温23度の水を水深7mmとなるように入れたケージにてマウスを飼育した。対照群は、通常の床敷きを入れたケージで飼育した。水浸飼育では、マウスは十分な休息をとる事が出来ず、精神的にも肉体的にも疲労すると報告されている。水浸飼育終了後、体重の8%相当の重りを尾に着けて、内径18センチ、深さ30センチの円筒状の水槽にて、水泳時間の測定を行い、マウスの頭部が完全に水面下に沈んでから10秒経過するまでの時間を測定した。
水泳時間の測定結果を表3に示す。マウスに黒高麗人参抽出物を投与することにより、水浸飼育で低下する水泳時間が回復した。すなわち、黒高麗人参抽出物には抗疲労作用があることが示された。
(実験例4)肝臓過酸化脂質生成抑制作用
実験例3と同様の方法にて飼育したマウスにおいて、水浸飼育終了後に採取した肝臓組織を用いて、過酸化脂質の定量を行った。肝臓組織重量の15倍量の1.15%KCl溶液を加えホモジナイズし、遠心して得られた上清を試料として、LPO Assay Kit(Cayman)を用いて測定した。上清のタンパク質濃度をBCA Protein Assay Reagent(Pierce)を用いて定量し、タンパク質量当たりの過酸化脂質を算出した。
肝臓過酸化脂質の測定結果を表4に示す。マウスに黒高麗人参抽出物を投与することにより、水浸飼育で増加する肝臓の過酸化脂質が減少した。すなわち、黒高麗人参抽出物には肝臓過酸化脂質の生成を抑制する作用があることが示された。
(実験例5)ケトーシス抑制作用
実験例3と同様の方法にて飼育したマウスにおいて、水浸飼育終了後に採取した血液から遠心分離により血漿を分離した。得られた血漿を試料として、アセト酢酸キット(ケトンテストA「三和」)及び3−ヒドロキシ酪酸キット(ケトンテストB「三和」、共に(株)三和化学研究所)を用いて測定し、アセト酢酸と3−ヒドロキシ酪酸濃度の合計を血中ケトン体濃度とした。
血中ケトン体濃度の結果を表5に示す。マウスに黒高麗人参抽出物を投与することにより、水浸飼育で増加する血中ケトン体濃度が低下した。すなわち、黒高麗人参抽出物にはケトーシスを抑制する作用があることが示された。
(実験例6)持久力向上作用
日常的に疲れを感じている40歳〜60歳の男女計22名を11名ずつ試験群1、試験群2に分け、試験群1には黒高麗人参抽出物を含有する飲料(実施例2)を、試験群2には従来の飲料(比較例1)を、1日1本3ヶ月間摂取させた。試験前後に持久力の指標として、最大酸素摂取量の測定を実施した。最大酸素摂取量は、エアロバイク75XLII(コンビウェルネス)の「体力テスト」モードにて測定した。
最大酸素摂取量の結果を表6に示す。比較例1の飲用前後に比べて、実施例2の飲用前後では最大酸素摂取量が増加した。すなわち、黒高麗人参抽出物には持久力を向上させる作用があることが示された。
ここで、今回測定した最大酸素摂取量の試験前後の数値変化について考察する。試験前後で実施例2の飲料では2.4(mL/min/kg)上昇し、比較例1の飲料では0.2(mL/min/kg)上昇した。最大酸素摂取量は年齢とともに低下することが知られている。エアロバイク75XLIIの取扱説明書によると、40歳から60歳の20年間で男性では、おおよそ2.2(mL/min/kg)、女性では、おおよそ2.4(mL/min/kg)低下するとされている。最大酸素摂取量は、20年間の加齢で2.2〜2.4(mL/min/kg)低下することを考慮すると、本試験の2.4(mL/min/kg)の上昇は、非常に著しい作用であるといえる。
尚、試験期間中、体調を崩した被験者は一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。また、実施例2の飲料の代わりに、実施例3の飲料、実施例4の軟カプセル剤、実施例5の錠剤、実施例6の顆粒剤も同様の効果が認められた。
本発明は、黒高麗人参及び/又はその抽出物を含有することを特徴とする持久力向上剤、抗疲労剤に関する。持久力向上、疲労の改善及び予防を目的とする医薬品、医薬部外品、食品などに有用である。

Claims (1)

  1. 黒高麗人参及び/又はその抽出物を含有することを特徴とするケトーシス抑制剤(抗疲労剤、持久力向上剤および糖尿病改善剤を除く)。
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