以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、センタ側の構成として、ホストコンピュータ11及びセンタ側網制御装置12を含み、端末側の構成として、無線親機21、無線子機22,22,…,22、及び無線子機22のポート223a,223b(図3を参照)に接続されたメータ23A,23Bを含む。
メータ23A,23Bは、事業体から需要家に対して供給される水道、ガス、電気など供給物の使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。以下の説明において、メータ23Aは、8ビット系の電文フォーマットを採用する8ビット系メータとし、メータ23Bは、5ビット系の電文フォーマットを採用する5ビット系メータとする。なお、両者を区別して説明する必要がない場合には、単にメータ23と記載することとする。
本実施の形態に係る無線テレメータシステムでは、メータ23の検針値を示すデータ、各機器の動作状態を示すデータなど端末側から出力される各種データを含む電文を、無線通信を利用してセンタ側へ送信すると共に、無線親機21、無線子機22、及びメータ23の動作を制御するための各種要求等を含んだ電文をセンタ側から端末側へ送信する。
センタ側網制御装置12と端末側の無線親機21とは、例えばPHS網、FOMA網などの広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介して無線通信を行う。なお、図1に示す例では、センタ側の装置と端末側の装置とを広域無線網N1により通信可能に接続する構成としたが、有線の通信網(例えば、IP網や公衆網等)により接続する構成であってもよい。また、図1に示す例では、広域無線網N1に接続されている無線親機21の数を1つとしたが、複数の無線親機21が接続されていてもよいことは勿論のことである。
センタ側網制御装置12は、例えば通信事業者の公衆網に設けられ、広域無線網N1を介した端末側との通信を制御する機能を有する。センタ側網制御装置12は、ホストコンピュータ11から端末側へ送信すべき電文を受信した場合、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式にて端末側へ送信する。また、端末側から送信された電文を広域無線網N1を介して受信した場合、センタ側網制御装置12は、受信した電文をホストコンピュータ11へ送信する。
無線親機21は、広域無線網N1を介してセンタ側に接続されると共に、複数の無線子機22,22,…,22との間で例えばメッシュ型の狭域無線網N2を形成する。無線親機21は、広域無線網N1を介してセンタ側のホストコンピュータ11と無線通信を行うと共に、狭域無線網N2を介して無線子機22,22,…,22と無線通信を行うように構成されている。
無線子機22は、狭域無線網N2を通じてセンタ側からの電文を受信した場合、その電文が自機宛の電文であるか否かを判断する。無線子機22は、受信した電文の宛先アドレスとして自機のIDが指定されている場合、受信した電文が自機宛の電文であると判断し、その電文に含まれるデータの内容に基づいて各種の処理を実行する。また、センタ側と自機に接続されたメータ23との間で通信接続が確立している場合、無線子機22は、外部から受信した電文を自機に接続されたメータ23へ転送する。
無線子機22は、自機内でセンタ側へ通知すべきイベントが発生した場合、または自機に接続されたメータ23から検針値等のデータを含む電文を受信した場合、直接的又は他の1又は複数の無線子機22を経由して無線親機21へ電文を送信する。無線親機21は、無線子機22から送信された電文を受信した場合、広域無線網N1を介した無線通信によりホストコンピュータ11へ電文を送信する。
なお、図1に示す例では、各無線子機22に8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23Bをそれぞれ1台ずつ接続する構成としたが、無線子機22に接続されるメータ23の台数及び種類は図1に示す例に限定されるものではない。例えば、ある無線子機22には8ビット系メータ23Aのみが接続されていてもよく、別の無線子機22には8ビット系メータ23Aが2台接続され、5ビット系メータ23Bが1台接続されていてもよい。また、図1に示す例では、無線子機22のみにメータ23を接続する構成としたが、無線親機21にメータ23が接続される構成であってもよい。
以下、無線テレメータシステムを構成する個々の装置の構成について説明する。
図2は無線親機21の内部構成を示すブロック図である。無線親機21は、制御部210、記憶部211、広域無線通信部212、狭域無線通信部213、表示部214、操作部215などを備える。無線親機21が備えるハードウェア各部は、電池219から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部210は、例えば、CPU、ROMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをCPUが実行することにより、無線親機21が備えるハードウェア各部の制御を行う。
記憶部211は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、自機の動作に関する設定情報、広域無線網N1を介して通信する際に必要となる情報、狭域無線網N2を介して通信する際に必要となる情報等を記憶する。
広域無線通信部212は、アンテナ212aを通じて電波を発信または受信することによって、広域無線網N1を介した無線通信を行う。無線親機21は、例えば、狭域無線通信部213を通じてメータ23の検針値を含む電文を受信した場合、当該電文をセンタ側のホストコンピュータ11へ送信する。このとき、広域無線通信部212は、アンテナ212aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した電文を送信する処理を行う。
また、広域無線通信部212は、アンテナ212aにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより所定形式の電文を取得する。アンテナ212aにて受信する受信電波には、例えば、ホストコンピュータ11からの起動要求などの各種制御コマンドが含まれる。広域無線通信部212は、デコードして得られる電文を制御部210へ出力する。制御部210は、広域無線通信部212から出力された電文を取得した場合、その電文に応じた処理や、狭域無線通信部213を通じて自機に接続された無線子機22へ転送する処理を行う。
狭域無線通信部213は、アンテナ213aを通じて電波を発信または受信することによって、複数の無線子機22,22,…,22と所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば特定小電力無線方式が採用される。無線親機21の狭域無線通信部213は、送信すべき電文を有する無線子機22を探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。このビーコンには、狭域無線網N2において無線親機21を識別するための識別情報として無線機番号が含まれているものとする。また、狭域無線通信部213は、無線子機22から送信されるビーコンを受信した場合であって、自装置が送信すべきデータを有するとき、ビーコンに含まれる無線機番号より特定される無線子機22へそのデータを含んだ電文を送信する。なお、上述の例では、通信方式の一例として間欠送信方式について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、間欠受信方式を採用してもよく、他の無線通信により電文を送受信する構成であってもよい。
表示部214は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部210から出力される制御信号に基づいて、保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部215は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、例えば保守作業を行う作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部210は、操作部215から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部211に記憶させる。
本実施の形態では、無線親機21がNCUの機能を有するものとして説明を行ったが、NCUの機能を有する網制御装置を個別の装置として用意し、無線親機21を網制御装置に接続する構成であってもよい。この場合、無線親機21は、網制御装置を接続する接続インタフェースを備え、接続インタフェースに接続された網制御装置を介してセンタ側と通信を行う構成とすればよい。
図3は無線子機22の内部構成を示すブロック図である。無線子機22は、制御部220、記憶部221、狭域無線通信部222、接続部223、表示部224、操作部225などを備える。無線子機22が備えるハードウェア各部は、電池229から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部220は、例えば、CPU、ROMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをCPUが実行することにより、機器全体を本発明に係る中継装置として機能させる。
記憶部221は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、自機の動作に関する設定情報、狭域無線網N2を介して通信する際に必要となる情報等を記憶する。
狭域無線通信部222は、アンテナ222aを通じて電波を発信または受信することによって、無線親機21及び他の無線子機22と所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば特定小電力無線方式が採用される。無線子機22の狭域無線通信部222は、送信すべき電文を有する無線親機21又は他の無線子機22を探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。このビーコンには、狭域無線網N2において個々の無線子機22を識別するための識別子として無線機番号が含まれているものとする。また、狭域無線通信部222は、無線親機21又は他の無線子機22から送信されるビーコンを受信した場合であって、自装置が送信すべきデータを有するとき、ビーコンに含まれる無線機番号より特定される無線親機21又は他の無線子機22へそのデータを含む電文を送信する。なお、上述の例では、通信方式の一例として間欠送信方式について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、間欠受信方式を採用してもよく、他の無線通信により電文を送受信する構成であってもよい。
接続部223は、メータ23を接続するためのポート223a,223bを備える。本実施の形態では、8ビット系メータ23Aをポート223aに接続し、5ビット系メータ23Bをポート223bに接続するものとする。無線子機22は、接続部223のポート223a,223bを通じて、8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23Bと電文を送受するように構成されている。
なお、本実施の形態では、無線子機22は、8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23Bを接続するためのポート223a,223bを備える構成としたが、3つ以上のポートを備える構成であってもよい。また、本実施の形態では、各ポート223a,223bに夫々8ビット系メータ23A、5ビット系メータ23Bを接続する構成としたが、メータ以外の機器(例えば、ガス漏れを検知して警報を出力する警報器等)を接続する構成であってもよい。
表示部224は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部220から出力される制御信号に基づいて、保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部225は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、例えば保守作業を行う作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部220は、操作部225から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部221に記憶させる。
図4はメータ23の内部構成を示すブロック図である。メータ23は、制御部230、記憶部231、接続IF232、検針部233などを備える。
制御部230は、例えば、CPU、ROMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをCPUが実行することにより、メータ23を本発明に係る機器として機能させる。
記憶部231は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、システム内で自他を識別するID、事業者コード等を記憶する。
接続IF232は、無線子機22が備えるポート223a(223b)に接続するためのインタフェースを備える。メータ23は、接続IF232を通じて接続された無線子機22と電文の送受信を行う。
検針部233は、事業体から供給される水道、ガス、電気などの供給物の使用量を計測し、計測結果(検針値)を制御部230へ出力する。制御部230は、検針値をデータとして含む電文を生成し、生成した電文を接続IF232を通じて無線子機22へ送信する。
以下、実施の形態1に係る無線テレメータシステムの動作について説明する。一例として、無線子機22に接続された8ビット系メータ23Aとホストコンピュータ11との間の通信が透過通信モードに移行している場合に、ホストコンピュータ11から、同じ無線子機22に接続された他のメータ23(すなわち5ビット系メータ23B)に対して検針要求を行うときの動作について説明を行う。
図5は実施の形態1に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。センタ側装置のホストコンピュータ11は、例えば、通信相手として8ビット系メータ23Aを指定する場合、この8ビット系メータ23Aが接続された無線子機22のポート223aを選択し、起動要求に係る電文を8ビット系メータ23Aへ送信する(ステップS101)。ホストコンピュータ11から送信される起動要求に係る電文は、広域無線網N1及び狭域無線網N2(無線親機21及び1又は複数の無線子機22,22,…)を通じて、宛先の8ビット系メータ23Aに到達する。
起動要求に係る電文を受信した8ビット系メータ23Aは、起動状態となり、起動要求に対する応答として、起動応答に係る電文をホストコンピュータ11へ送信する(ステップS102)。8ビット系メータ23Aから送信される起動応答に係る電文は、1又は複数の無線子機22,22,…,22、無線親機21、及び広域無線網N1を通じて、ホストコンピュータ11に到達する。
本実施の形態では、ホストコンピュータ11と8ビット系メータ23Aとの間で起動要求及び起動応答に係る電文を送受信することにより、両者の間で通信接続が確立し、透過通信モードに移行するように構成されているものとする。
従来の透過通信モードでは、センタ側から送信された電文の宛先が他のポート223bに接続されたメータ23(本実施の形態では5ビット系メータ23B)宛であっても、無線子機22は、センタ側から受信した電文を、透過通信モードで通信接続が確立している通信相手(本実施の形態では8ビット系メータ23A)に転送するようにしていた。このため、透過通信モードに移行している場合であって、センタ側が他のメータ23に電文を送信する必要があるとき、通信接続が確立している相手との通信を切断して透過通信モードを終了させ、その後に、他のメータ23との通信接続を確立させる処理を行っていた。
これに対し、本実施の形態では、現在の通信モードが透過通信モードであっても、無線子機22は、外部から受信した電文の内容から他のメータ23(例えば、5ビット系メータ23B)宛の電文であると判断した場合、その電文を他のメータ23へ転送することを特徴の1つとしている。
たとえば、図5に示すように、ホストコンピュータ11と8ビット系メータ23Aとの間の通信が透過通信モードの場合であって、ホストコンピュータ11が無線子機22の他のポート223bに接続された5ビット系メータ23Bと通信する必要があるとき、ホストコンピュータ11は、5ビット系メータ23Bが宛先であることを示すデータを含んだ電文(図5の例では検針要求に係る電文)を無線子機22へ送信する(ステップS103)。
無線子機22は、受信した電文の内容を制御部220にて解析し(ステップS104)、電文の内容から5ビット系メータ23B宛の電文であると判断できた場合、すなわち、透過通信モードで指定されている8ビット系メータ23Aとは異なる他のメータ23(5ビット系メータ23B)宛の電文であると判断できた場合、透過通信モードを終了すると共に、受信した電文を他のポート223bを通じて5ビット系メータ23Bへ転送する(ステップS105)。なお、受信した電文が8ビット系メータ23A宛の電文であると判断した場合、無線子機22は、透過通信モードで指定されているポート223aを通じて、8ビット系メータ23Aへ電文を転送する。
無線子機22から転送される電文を5ビット系メータ23Bが受信した場合、5ビット系メータ23Bは、その電文に応じた処理を実行し、受信した電文に対する応答(図5の例では検針応答)を無線子機22を通じてホストコンピュータ11へ返信する(ステップS106)。例えば、検針要求に係る電文を受信した場合、5ビット系メータ23Bの制御部230は、検針部233を作動させ、事業体から需要家に供給される水道、ガス、電気等の供給物の使用量(検針値)を取得する。次いで、制御部230は、検針値をデータとして含む応答電文を5ビット系の電文フォーマットで生成し、生成した応答電文を自機が接続された無線子機22経由でホストコンピュータ11へ返信する。なお、上述した例では、検針要求に係る電文を受信したときの動作について説明したが、ホストコンピュータ11は、検針要求に係る電文だけでなく、メータ23に対して各種の設定を要求する要求電文、メータ23に設定された設定値を送信するように要求する要求電文等の各種電文を無線子機22経由で5ビット系メータ23Bへ送信することができる。
ホストコンピュータ11は、無線子機22に接続されたメータ23(8ビット系メータ及び5ビット系メータ23B)との通信を終了する場合、無線子機22に対して通信終了に係る電文を送信する(ステップS107)。通信終了に係る電文は、広域無線網N1及び無線親機21を介して宛先の無線子機22に到達する。
無線子機22は、ホストコンピュータ11から送信される通信終了に係る電文を受信した場合、受信した電文に対する応答をホストコンピュータ11へ返信する(ステップS108)。これにより、ホストコンピュータ11と、無線子機22に接続された8ビット系メータ23Aとの間の通信接続が切断される。
以上のように、実施の形態1では、透過通信モードに移行した場合であっても、無線子機22に接続された複数のメータ23,23(8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23B)の夫々と通信が可能になる。このため、例えば、無線子機22に接続された複数のメータ23,23に対して連続的に検針要求を行う際に、メータ23毎に通信接続の確立、検針要求、通信接続の切断といった一連の処理を繰り返す必要がなくなり、通信時間及び通信データ量を削減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、ホストコンピュータ11からの電文の内容により、電文の宛先が8ビット系メータ23Aであるのか、5ビット系メータ23Bであるのかを判別する具体的な手法について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、各装置の内部構成等については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略することとする。
図6はホストコンピュータ11から8ビット系メータ23Aに送信する電文の一例を示す図である。ホストコンピュータ11から8ビットメータ23Aに送信する電文には、図6に示すように、メータ事業体コード、メータID、制御コード、設定値、小数点情報、現在日時が含まれる。8ビット系メータ23A宛の電文には、メータ事業体コードが含まれているので、無線子機22は、ホストコンピュータ11から受信した電文に予め設定した事業体コードが含まれるか否かを判断することにより、8ビット系メータ23A宛の電文であるか否か判別することができる。
また、8ビット系メータ23A宛の電文には、メータIDが含まれているので、メータ事業体コードとメータIDとを組み合わせて、8ビット系メータ23A宛の電文であるか否かを判別する構成としてもよい。
図7はホストコンピュータ11から5ビット系メータ23Bに送信する電文の一例を示す図である。ホストコンピュータ11から5ビット系メータ23Bに送信する電文には、図7に示すように、識別子、ID、処理種別、送信データが含まれる。5ビット系メータ23宛の電文には、識別子に特有のコード(K0)が使用されるので、無線子機22は、ホストコンピュータ11から電文を受信した場合、識別子に特有のコード(K0)が割り当てられているか否かを判断することにより、5ビット系メータ23B宛の電文であるか否かを判別することができる。
また、5ビット系メータ23B宛の電文には、該当ポート(ポート223b)のID、処理種別が含まれているので、識別子とこれらの情報とを組み合わせて、5ビット系メータ23B宛の電文であるか否かを判別する構成としてもよい。
無線子機22は、ホストコンピュータ11から送信される電文を受信した際、電文の内容を参照することにより、8ビット系メータ23A宛の電文であるのか、5ビット系メータ23B宛の電文であるのかを判別することができる。
図8は判別手順の一例を説明するフローチャートである。無線子機22の制御部220は、自機のポート223aに接続された8ビット系メータ23Aとホストコンピュータ11との間の通信が透過通信モードである場合に、ホストコンピュータ11から送信される電文を受信したか否かを判断する(ステップS201)。受信していない場合(S201:NO)、制御部220は、ホストコンピュータ11からの電文を受信するまで待機する。
ホストコンピュータ11から送信される電文を受信した場合(S201:YES)、制御部220は、受信した電文にコードK0の識別子が含まれているか否かを判断する(ステップS202)。受信した電文にコードK0の識別子が含まれていると判断した場合(S202:YES)、制御部220は、受信した電文の宛先が5ビット系メータ23Bであると判別し(ステップS203)、透過通信モードを終了すると共に、受信した電文をポート223bに接続された5ビット系メータ23Bへ転送する。
また、受信した電文にコードK0の識別子が含まれていないと判断した場合(S202:NO)、制御部220は、受信した電文の宛先が8ビット系メータ23Aであると判別し(ステップS204)、当該電文をポート223aに接続された8ビット系メータ23Aへ転送する。
以上のように、実施の形態2では、ホストコンピュータ11から受信した電文の内容を基に転送すべき電文の宛先を決定することができる。
なお、図8に示した判別手順の例では、受信した電文にコードK0の識別子が含まれているか否かにより、転送先が8ビット系メータ23Aであるか、5ビット系メータ23Bであるかを判別する構成としたが、8ビット系の電文に含まれるメータ事業体コード及びメータID、並びに、5ビット系の電文に含まれるポートID及び処理種別等の情報を利用して、受信した電文の転送先を判別する構成としてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、無線子機22と透過通信モードで指定された8ビット系メータ23Aとの間でダミーの電文を送受信することにより、ホストコンピュータ11との通信接続を維持する構成について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、各装置の内部構成等については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略することとする。
図9は実施の形態3に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。センタ側装置のホストコンピュータ11は、例えば、通信相手として8ビット系メータ23Aを指定する場合、この8ビット系メータ23が接続された無線子機22のポート223aを選択し、起動要求に係る電文を8ビット系メータ23Aへ送信する(ステップS301)。ホストコンピュータ11から送信される起動要求に係る電文は、広域無線網N1と狭域無線網N2(無線親機21及び1又は複数の無線子機22,22,…)とを通じて、宛先の8ビット系メータ23Aに到達する。
起動要求に係る電文を受信した8ビット系メータ23Aは、起動状態となり、起動要求に対する応答として、起動応答に係る電文をホストコンピュータ11へ送信する(ステップS302)。8ビット系メータ23Aから送信される起動応答に係る電文は、1又は複数の無線子機22,22,…,22、無線親機21、及び広域無線網N1を通じて、ホストコンピュータ11に到達する。
本実施の形態では、ホストコンピュータ11と8ビット系メータ23Aとの間で起動要求及び起動応答に係る電文を送受信することにより、両者の間で通信接続が確立し、透過通信モードに移行する。
透過通信モードに移行した後、無線子機22は、ポート223aを通じてダミーの電文を8ビット系メータ23Aへ定期的に送信する(ステップS303)。
一方、無線子機22のポート223aに接続された8ビット系メータ23Aは、無線子機22からのダミーの電文を受信した場合、当該電文に対する応答を無線子機22へ返信する(ステップS304)。
ホストコンピュータ11が無線子機22の他のポート223bに接続された5ビット系メータ23Bと通信する必要があるとき、ホストコンピュータ11は、5ビット系メータ23Bが宛先であることを示すデータを含んだ電文(図9では検針要求)を無線子機22へ送信する(ステップS305)。
無線子機22は、受信した電文の内容を制御部220にて解析し(ステップS306)、電文の内容から5ビット系メータ23B宛の電文であると判断できた場合、すなわち、透過通信モードで指定されている8ビット系メータ23Aとは異なる他のメータ23(5ビット系メータ23B)宛の電文であると判断できた場合、透過通信モードを終了すると共に、受信した電文を、他のポート223bを通じて5ビット系メータ23Bへ転送する(ステップS307)。なお、受信した電文が8ビット系メータ23A宛の電文であると判断した場合、無線子機22は、透過通信モードで指定されているポート223aを通じて8ビット系メータ23Aへ電文を転送する。なお、ホストコンピュータ11から各メータ23A,23Bに送信される電文には、検針要求に係る電文の他、各種の設定を要求する要求電文、設定値を送信するように要求する要求電文等の各種電文が含まれる。
無線子機22から転送される電文を5ビット系メータ23Bが受信した場合、5ビット系メータ23Bは、その電文に応じた処理を実行し、受信した電文に対する応答(図9では検針応答)を無線子機22を通じてホストコンピュータ11へ返信する(ステップS308)。
ホストコンピュータ11は、無線子機22に接続されたメータ23(8ビット系メータ及び5ビット系メータ23B)との通信を終了する場合、無線子機22に対して通信終了に係る電文を送信する(ステップS309)。通信終了に係る電文は、広域無線網N1及び無線親機21を介して宛先の無線子機22に到達する。
無線子機22は、ホストコンピュータ11から送信される通信終了に係る電文を受信した場合、受信した電文に対する応答をホストコンピュータ11へ返信する(ステップS310)。これにより、ホストコンピュータ11と、無線子機22に接続された8ビット系メータ23Aとの間の通信接続が切断される。
以上のように、実施の形態3では、ホストコンピュータ11とメータ23(8ビット系メータ23A)との通信接続が確立した後に、無線子機22とメータ23との間でダミーの電文を送受信するため、中継段数が多くなり、通信に要する時間がかかる場合であっても、メータ23側でタイムアウトとなることを回避できる。
なお、実施の形態3では、無線子機22からメータ23へダミーの電文の送信を繰り返すことでホストコンピュータ11との通信接続を維持する構成としたが、メータ23側においてダミーの電文の受信回数に制限が設けられている場合、無線子機22が、メータ23に対する送信電文を中継する都度、当該メータ23に対して通信終了要求を送信し、メータ23を強制的に待機状態に移行させることでホストコンピュータ11との通信接続を維持する構成としてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、無線テレメータシステムについて説明した。実施の形態4では、有線の通信により検針値を収集するテレメータシステムに適用した形態について説明する。
図10は実施の形態4に係るテレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係るテレメータシステムは、センタ側の構成として、ホストコンピュータ11及びセンタ側網制御装置12を含み、端末側の構成として、端末側網制御装置30、及び端末側網制御装置30が備えるポート303a,303b(図11を参照)に接続されたメータ23A,23Bを含む。
メータ23A,23Bは、事業体から需要家に対して供給される水道、ガス、電気など供給物の使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。以下の説明では、メータ23A,23Bは、それぞれ、8ビット系の電文フォーマットを採用する8ビット系メータ、5ビット系の電文フォーマットを採用する5ビット系メータとし、両者を区別して説明する必要がない場合には、単にメータ23と記載することとする。
実施の形態3に係るテレメータシステムは、センタ側にて発生する各種要求を含んだ電文を有線の通信網N3(例えば電話回線網)を通じて端末側へ送信すると共に、メータ23の検針値を示すデータ、端末側網制御装置30の動作状態を示すデータなど端末側から出力される各種データを含んだ電文を通信網N3を介してセンタ側へ送信する。
図11は端末側網制御装置30の内部構成を示すブロック図である。端末側網制御装置30は、制御部300、記憶部301、通信部302、接続部303、表示部304、操作部305などを備える。端末側網制御装置30が備えるハードウェア各部は、電池309から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部300は、例えば、CPU、ROMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをCPUが実行することにより、機器全体を本発明に係る中継装置として機能させる。
記憶部301は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、自機の動作に関する設定情報、通信網N3を介して通信する際に必要となる情報等を記憶する。
通信部302は、通信網N3を介してセンタ側のホストコンピュータ11と通信する機能を有する。すなわち、ホストコンピュータ11から送信される電文を通信網N3を介して受信し、ホストコンピュータ11へ送信すべき電文、及びポート303a,303bに接続されたメータ23(8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23B)から送信される電文を通信網N3を介してホストコンピュータ11へ送信する。
接続部303は、メータ23を接続するためのポート303a,303bを備える。例えば、ポート303aには8ビット系メータ23Aが接続され、ポート303bには5ビット系メータ23Bが接続される。端末側網制御装置30は、接続部303のポート303a,303bを通じて、夫々に接続された8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23Bと電文を送受信するように構成されている。
なお、本実施の形態では、端末側網制御装置30は、8ビット系メータ23A及び5ビット系メータ23Bを接続するためのポート303a,303bを備える構成としたが、3つ以上のポートを備える構成であってもよい。また、本実施の形態では、各ポート303a,303bに夫々8ビット系メータ23A、5ビット系メータ23Bを接続する構成としたが、メータ以外の機器(例えば、ガス漏れを検知して警報を出力する警報器等)を接続するためのポートを備える構成であってもよい。
表示部304は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部300から出力される制御信号に基づいて、保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部305は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、例えば保守作業を行う作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部300は、操作部305から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部301に記憶させる。
端末側網制御装置30は、実施の形態1〜3で説明した無線子機22と同様の機能を有する。例えば、ホストコンピュータ11と8ビット系メータ23Aとの間で透過通信モードによる通信を行っている場合であっても、端末側網制御装置30は、外部から受信した電文の内容から他のメータ23(例えば、5ビット系メータ23B)宛の電文であると判断した場合、透過通信モードを終了した上で、受信した電文を他のメータ23へ転送する。
また、端末側網制御装置30は、ホストコンピュータ11と8ビット系メータ23Aとの間で通信接続が確立した後に、当該8ビット系メータ23に対してダミー電文を繰り返し送信することにより、両者の通信接続を維持することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
たとえば、実施の形態1〜4では、透過通信モードを終了させるタイミングの一例として、他のメータ23宛の電文を受信したタイミングで透過通信モードを終了させる構成について説明したが、ホストコンピュータ11から送信される通信終了電文を受信したタイミングで透過通信モードを終了させる構成としてもよい。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
本願の中継装置は、機器(23A,23B)を接続するための複数の接続手段(223a,223b)、及び該接続手段(223a,223b)に接続された機器(23A,23B)と外部の通信装置(11)との間の通信を中継する中継手段(220)を備え、前記通信装置(11)と一の接続手段(223a)に接続された機器(23A)との間の通信接続が確立してから、該通信接続が切断されるまでの期間、前記通信装置(11)から受信したデータを前記一の接続手段(223a)に接続された機器へ透過的に送信する中継装置(22)において、前記期間中に受信したデータが、他の接続手段(223b)に接続された機器(23B)宛のデータであるか否かを判断する手段(220)と、前記他の接続手段(223b)に接続された機器(23B)宛のデータであると判断した場合、受信したデータを前記他の接続手段(223b)に接続された機器(23B)へ転送する手段(220)とを備えることを特徴とする。
本願では、中継装置に接続された複数の機器のうち、通信装置との通信接続が確立された機器に対して透過的にデータを送信するモードが選択されている場合であっても、受信したデータの内容から他の機器宛のデータであると判断できる場合には、当該他の機器に対してデータを転送することができる。
本願の中継装置は、前記通信装置(11)との間で通信接続が確立した機器(23A)に対し、ダミーのデータを定期的に送信することを特徴とする。
本願では、中継段数が多い場合であっても、タイムアップにより通信接続が解消されることを防止することができ、通信装置と機器との間の通信接続を維持することができる。
本願の中継装置は、前記通信装置(11)との間で通信接続が確立した機器(23A)に対して前記通信装置(11)から受信したデータを転送する都度、前記機器(23)へ通信終了要求を送信することを特徴とする。
本願では、機器に対して通信終了要求を送信することにより、当該機器を待機状態に移行させることができ、タイムアップ等により、通信装置と機器との間の通信接続が解消されることを防止することができる。
本願の中継装置は、前記期間中に受信したデータに特定の機器(23B)を示す識別子が含まれているか否かを判断することにより、前記他の接続手段(223b)に接続された機器(23B)宛のデータであるか否かを判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、受信したデータに含まれる特定の機器を示す識別子により、他の接続手段に接続された機器へデータを転送するか否かを判断することができる。
本願のテレメータシステムにおいて、需要家に供給される供給物の使用量を計測する複数のメータ(23A,23B)、該複数のメータ(23A,23B)を各別に接続する複数の接続手段(223a,223b)を備える中継装置(23)、及び、該中継装置(23)に接続された複数のメータ(23A,23B)と通信可能に構成してある通信装置(11)を含み、該通信装置(11)と前記中継装置(22)の一の接続手段(223a)に接続されたメータ(23A)との間の通信接続が確立してから、該通信接続が切断されるまでの期間、前記中継装置(22)は、前記通信装置(11)から受信したデータを前記一の接続手段(223a)に接続されたメータ(23A)へ透過的に送信するテレメータシステムにおいて、前記中継装置(22)は、前記期間中に受信したデータが、他の接続手段(223b)に接続されたメータ(23B)宛のデータであるか否かを判断する手段と、前記他の接続手段(223b)に接続されたメータ(23B)宛のデータであると判断した場合、受信したデータを前記他の接続手段(223b)に接続されたメータ(23B)へ転送する手段(220)とを備えることを特徴とする。
本願では、中継装置に接続された複数のメータのうち、通信装置との通信接続が確立されたメータに対して透過的にデータを送信するモードが選択されている場合であっても、受信したデータの内容から他のメータ宛のデータであると判断できる場合には、当該他のメータに対してデータを転送することができる。このため、例えば、中継装置に接続された複数のメータに対して連続的に検針要求を行う際に、メータ毎に通信接続の確立、検針要求、通信接続の切断といった一連の処理を繰り返す必要がなくなり、通信時間及び通信データ量を削減することができる。