JP6454470B2 - 乾燥装置及び乾燥処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば有機EL素子の製造過程で、有機材料膜の乾燥を行うために利用可能な乾燥装置及び乾燥処理方法に関する。
有機EL(Electro Luminescence)素子は、電流を流すことで発生する有機化合物のルミネッセンスを利用する発光素子であり、一対の電極間に複数の有機機能膜の積層体(以下、この積層体を「EL層」と総称する)が挟まれた構造となっている。ここで、EL層は、例えば、陽極側から、[正孔輸送層/発光層/電子輸送層]、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層]、あるいは、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層]などの順に積層された構造を有している。
EL層の形成は、各層毎に、基板上に有機材料を蒸着したり、塗布したりすることにより行われる。高精度の微細パターンを形成する場合は、塗布方法として、インクジェット印刷法を利用することが有利であると考えられている。
インクジェット印刷法によって基板上に印刷された有機材料膜中には、多量の溶媒を含むことから、その溶媒を除去するために減圧乾燥処理が行われる(例えば、特許文献1、特許文献2)。乾燥された有機材料膜は、さらにベーク処理される。このベーク処理によって、有機材料膜は、EL層を構成する有機機能膜へ変化させられる(例えば、特許文献3)。
乾燥処理時には、基板上の有機材料膜から、溶媒、水分などが多量に揮発する。そのため、乾燥装置の処理容器内からこれらの揮発成分を速やかに除去しないと、乾燥効率が低下する。乾燥後の有機材料膜の状態は、EL層の特性に影響を及ぼすことが知られている。例えば、乾燥処理時に、基板の面内で乾燥状態の不均一が生じると、基板の面内での有機EL素子の特性にばらつきが生じ、有機ELディスプレイとして使用したときに、表示ムラなどの不具合を引き起こす原因となる。
ところで、乾燥装置の処理容器内を減圧にしていくと、圧力の低下に伴い排気量が減少していくため、高真空状態では排気量が少なくなる。また、高真空状態においては、有機材料膜中から揮発した溶媒が処理容器内で分子流を形成するため、溶媒が処理容器内に滞留してしまう、という問題が生じる。
インクジェット印刷法を利用して塗布された有機材料膜中の溶媒を除去する乾燥装置として、基板の塗布面と対向する蓋部材に、不活性ガスを噴出する複数の噴出口を備えた乾燥装置が提案されている(例えば、特許文献4)。この特許文献4には、基板面内において噴射される不活性ガスの量を均一化する目的で、基板に対向配置される蓋部材において噴出口の大きさや、噴出口の数を変化させることが記載されている。また、特許文献4には、塗布膜の急激な乾燥を防ぐため、処理容器内に溶媒蒸気を供給することも記載されている。
特許第3951162号公報(段落0023など) 特許第4168968号公報(請求項2など) 特許第4148933号公報(請求項1など) 特開2010−67430号公報(図1など)
本発明は、基板上に塗布された有機材料膜中の溶媒を効率良く、短時間で除去できるとともに、基板の面内で均一な乾燥処理が可能な乾燥装置及び乾燥処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、減圧乾燥処理において、基板に塗布された有機材料膜が乾燥していく挙動について検討した結果、有機材料膜の乾燥は、基板の面内において不均一に進行していくこと、並びに、基板面内での有機材料膜の乾燥度合いは、有機材料膜のパターン形状によっても大きく変化するとの知見を得た。これらの知見に基づき、本発明者らは、圧力を調節しながら、基板へ向けて噴射するガスの流量や種類を基板面内において積極的に変化させることによって、基板面内で均一な速度での乾燥が可能になることを着想し、本発明を完成した。
本発明の乾燥装置は、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥装置である。本発明の乾燥装置は、真空引き可能な処理容器と、前記処理容器内の気体を排気する排気口と、前記処理容器内で前記基板を支持する支持部材と、前記支持部材に支持される前記基板に向けてガスを噴射する複数のノズルを有するガス噴射装置と、前記複数のノズルから噴射される前記ガスの噴射流量及び/又は前記ガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部と、を備えている。
本発明の乾燥装置は、前記複数のノズルが、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスを噴射するものであってもよい。
本発明の乾燥装置は、前記複数のノズルが、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスを噴射するものであってもよい。
本発明の乾燥装置は、前記複数のノズルが、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスを噴射するノズルと、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスを噴射するノズルと、を含んでいてもよい。
本発明の乾燥装置において、前記複数のノズルは、前記支持部材に支持される基板までの距離が、少なくとも、相対的に近いノズルと、相対的に遠いノズルと、を含んでいてもよい。
本発明の乾燥装置は、前記ノズルが、円筒状の長尺な本体部を備えており、該本体部の長手方向に沿ってスリット状の長尺なガス噴射口が形成されているものであってもよい。この場合、前記複数のノズルが、前記支持部材に支持された前記基板の中央部に向けてガスを噴射する第1のノズル群と、前記基板の周縁部に向けてガスを噴射する第2のノズル群と、を含んでいてもよい。
本発明の乾燥処理方法は、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥処理方法である。本発明の乾燥処理方法は、真空引き可能な処理容器と、前記処理容器内の気体を排気する排気口と、前記処理容器内で基板を支持する支持部材と、前記支持部材に支持される前記基板に向けてガスを噴射する複数のノズルを有するガス噴射装置と、前記複数のノズルから噴射される前記ガスの噴射流量及び/又は前記ガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部と、を備えた乾燥装置を用いる。
本発明の乾燥処理方法は、前記処理容器内の圧力を0.1〜100Paの範囲内に保持して乾燥処理を行ってもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスの噴射流量を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射してもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスの噴射流量を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射してもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスと、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスとの混合比率を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射してもよい。
本発明の乾燥処理方法では、前記ガスをパルス状に噴射してもよい。
本発明の乾燥処理方法は、前記有機材料膜が、有機EL素子の製造においてインクジェット印刷法によって前記基板上に塗布されたものであってもよい。
本発明の乾燥装置及び乾燥処理方法によれば、基板上に塗布された有機材料膜中の溶媒を効率良く、短時間で除去できるとともに、基板の面内で均一な乾燥が可能である。従って、本発明によれば、例えば、有機EL素子の製造プロセスの生産性を向上させ得るとともに、信頼性の高い有機EL素子を提供できる。
本発明の第1の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 図1の乾燥装置におけるノズルの配置を示す説明図である。 処理容器内の圧力変化を模式的に示す特性図である。 有機EL素子の製造工程の概略を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 図5の乾燥装置におけるノズルの配置を示す説明図である。 処理容器内を減圧排気していく途中で、Nガスを導入した場合としなかった場合の圧力変化を示す特性図である。 処理容器内に連続してNガスを導入した場合のNガス流量と処理容器内の圧力との関係を示す特性図である。 処理容器内に非連続的にNガスを導入した場合のNガス流量と処理容器内の圧力との関係を示す特性図である。 本発明の効果を確認した実験において、基板表面の乾燥度合いを観察した位置と、ノズルの設置位置とを、基板の平面図に重ねて示した説明図である。 本発明の第3の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 図11の乾燥装置におけるノズルの構成を示す斜視図である。 図11の乾燥装置におけるノズルの長手方向に直交する方向における断面図である。 図11の乾燥装置におけるノズルの配置を示す説明図である。 図11の乾燥装置において基板の乾燥処理を行う場合のガス噴射流量と噴射のタイミングの一例を説明する図面である。 本発明の第4の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る枚葉式の乾燥装置の概略構成を示す断面図である。本実施の形態の乾燥装置100は、被処理体として、例えば有機ELディスプレイ用のガラス基板(以下、単に「基板」と記す)Sに対して、その表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥処理に用いられる。
本実施の形態の乾燥装置100は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、載置台3に支持される基板S上の有機材料膜へ向けてガスを噴射するガス噴射装置5と、複数のノズルから噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部6とを備えている。なお、「ガスの種類」には混合比率を含む(以下同様である)。また、乾燥装置100は、処理容器1内の圧力を調節する圧力制御機構を備えている。
<処理容器>
処理容器1は、真空引き可能な耐圧容器である。処理容器1は、金属材料によって形成されている。処理容器1を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。処理容器1は、底壁11、角筒状の4つの側壁13及び天井部15を備えている。
側壁13には、装置内に基板Sを搬入、搬出するための搬入出口13aが設けられている。搬入出口13aは、処理容器1の外部との間で基板Sの搬入出を行うためものである。搬入出口13aには、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、搬入出口13aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器1を気密にシールすると共に、開状態で処理容器1と外部との間で基板Sの移送を可能にする。
底壁11には、排気口11aが設けられている。排気口11aは、排気管17を介して外部の排気装置19に接続されている。この排気装置19を駆動させることによって、処理容器1内を所定の真空度、例えば0.1Pa程度の圧力まで減圧排気できるように構成されている。
<載置台>
処理容器1の内部には、支持装置としての載置台3が配備されている。載置台3は、複数の支柱21によって支持されている。複数の支柱21は底壁11に固定されている。載置台3は、図示を省略するが、基板Sを昇降変位させるための機構、例えばリフトピンなどを有しており、基板Sを受け渡す受け渡し位置と、載置台3上に載置して乾燥処理を行う処理位置との間で基板Sの高さ位置を調整することができる。
<圧力制御機構>
本実施の形態の乾燥装置100は、さらに排気装置19を備えている。なお、排気装置19は、乾燥装置100の一構成部分でもよいし、乾燥装置100とは別の外部の装置でもよい。排気装置19は、例えば、ターボ分子ポンプやドライポンプ等の真空ポンプを有している。乾燥装置100は、更に、排気口11aと排気装置19とを接続する排気管17と、排気管17の途中に設けられたAPC(Adaptive Pressure Control)バルブ23と、を備えている。排気装置19の真空ポンプを作動させるとともに、APCバルブ23の開度を調節することにより、処理容器1の内部空間を所定の真空度に減圧排気することができる。
また、本実施の形態の乾燥装置100は、さらに処理容器1内の圧力を監視するための圧力計25を備えている。圧力計25は、処理容器1内の計測圧力を電気信号としてAPCバルブ23に送信する。
本実施の形態では、排気装置19、排気管17、APCバルブ23及び圧力計25が、処理容器1内を減圧排気するとともに所定圧力に調節する圧力制御機構を構成している。
<ガス噴射装置>
ガス噴射装置5は、複数のノズル51と、各ノズル51へガスを供給するガス供給源53と、ガス供給源53と各ノズル51とを接続し、各ノズル51へガスを供給する複数の配管55を備えている。図1では、6つのノズル51を代表的に示している。各ノズル51について、説明の便宜上、区別が必要な場合は、図1の紙面に向かって左側からノズル51A,ノズル51B,ノズル51C,ノズル51C,ノズル51B,ノズル51Aと表記する。ここで、ノズル51Cは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル51Aは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されており、ノズル51Bは、基板Sの中央部分と周縁部分との中間部分の上方に対向して配置されている。
ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53Bを備えている。不活性ガス供給源53Aは、例えば有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスとしての不活性ガスを供給する。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを用いることができる。溶媒ガス供給源53Bは、有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスとしての溶媒ガスを供給する。なお、ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53B以外に、他のガスの供給源を備えていてもよい。
また、ガス噴射装置5は、配管55の途中に、ガス流量を制御する複数のマスフローコントローラ(MFC)57と、複数の開閉バルブ59を備えている。ノズル51から噴射されるガスの流量や噴射速度、ガスの種類等は、マスフローコントローラ(MFC)57および開閉バルブ59によって制御される。なお、図1では、配管55、開閉バルブ59及びマスフローコントローラ(MFC)57について、代表的なものを図示しているが、これらの配設位置や数は、図1に例示した内容に限定されるものではない。
複数のノズル51は、基板Sの表面へ向けてガスを噴射できるように、基板Sの上方に設置されている。複数のノズル51は、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、独立して調節できるように構成されている。つまり、配管55とマスフローコントローラ(MFC)57と開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル51毎に独立してガスの噴射流量を制御できるように配備されている。また、配管55とマスフローコントローラ(MFC)57と複数の開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル51毎に独立してガスの種類を切り替えて噴射できるように構成されている。
[ガスの噴射流量]
複数のノズル51は、それぞれ独立した噴射流量で、不活性ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、該中央部分の真上に配置されたノズル51Cから不活性ガスを相対的に大きな流量V1で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、該周縁部分の真上に配置されたノズル51Aから不活性ガスを流量V1よりも相対的に小さな流量V2で噴射することができる。さらに、基板Sの中央部分と周縁部分との間の中間部分には、ノズル51Bから不活性ガスを流量V1と流量V2の中間の流量V3で噴射することができる。なお、基板Sの周縁部分と中間部分には、不活性ガスを噴射しないことも可能である。
また、複数のノズル51は、それぞれ独立した噴射流量で、溶媒ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分にはノズル51Aから溶媒ガスを相対的に大きな流量V4で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル51Cから溶媒ガスを流量V4よりも相対的に小さな流量V5で噴射することができる。さらに、基板Sの中央部分と周縁部分との間の中間部分には、ノズル51Bから溶媒ガスを流量V4と流量V5の中間の流量V6で噴射することができる。なお、基板Sの中央部分と中間部分には、溶媒ガスを噴射しないことも可能である。
なお、ガスの噴射流量は、流量V1〜V3、V4〜V6の各3段階に限らず、1段階もしくは2段階又は4段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分と中間部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に流量を設定してガスを噴射することが可能である。
[ガス種]
複数のノズル51は、それぞれ独立して、不活性ガス、溶媒ガス、又は、不活性ガス及び溶媒ガスの混合ガス(以下、単に「混合ガス」と記すことがある)を噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル51Cから不活性ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル51Aから溶媒ガスを噴射することができる。さらに、基板Sの中央部分と周縁部分との間の中間部分には、ノズル51Bから不活性ガス及び溶媒ガスの混合ガスを噴射することができる。
さらに、複数のノズル51は、それぞれ独立した混合比率で、混合ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル51Cから溶媒ガス濃度の低い第1の混合比率で混合ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル51Aから第1の混合比率より溶媒ガス濃度の高い第2の混合比率で混合ガスを噴射することができる。さらに、基板Sの中央部分と周縁部分との間の中間部分には、ノズル51Bから、溶媒ガスの濃度が、第1の混合比率と第2の混合比率の中間の第3の混合比率で混合ガスを噴射することができる。
なお、混合ガスは、第1〜第3の混合比率の3段階に限らず、1段階もしくは2段階又は4段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分と中間部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に種類や混合比率を設定してガスを噴射することが可能である。
[ノズル高さ位置]
本実施の形態の乾燥装置100では、複数のノズル51の高さ位置を個別に設定することができる。すなわち、複数のノズル51は、載置台3に支持される基板Sまでの距離が、少なくとも、相対的に近いノズル51Cと、相対的に遠いノズル51Aと、それらの中間の高さ位置のノズル51Bを含んでいる。各ノズル51の高さ位置は、例えば処理容器1内に導入される配管55とノズル51との間に、図示しないアダプター(延長配管)を装着することによって可能になる。このように、ノズル51と基板Sとの距離を変えることによって、例えば同じガスを同じ速度で噴射する場合でも、基板Sの表面に到達するガスの強さ、量などをコントロールできる。図1に示す例では、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、基板Sまでの距離が相対的に近い高さ位置H1でノズル51Cを配置している。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、高さ位置H1よりも高く、基板Sまでの距離が相対的に遠い高さ位置H2にノズル51Aを配置している。さらに、基板Sの中央部分と周縁部分との中間部分には、高さ位置H1より高く、高さ位置H2よりも低い高さ位置H3にノズル51Bを配置している。
なお、ノズル51の高さ位置は、高さ位置H1〜H3の3段階に限らず、1段階もしくは2段階又は4段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分と中間部分に限らず、より細分化した領域に対して個別にノズル51の高さ位置を設定してガスを噴射することが可能である。
[ノズルの配置]
図2は、図1の乾燥装置100におけるノズル51の配置を説明するための基板Sの平面図である。図2では、基板Sの上面にノズル51の配置を投影して示した。また、図2では、基板S上にインクジェット印刷法によってパターン塗布された有機材料膜の形成領域をR1〜R4で示している。ここで、領域R1〜R4は、それぞれが有機EL製品、例えば有機ELディスプレイの大きさに対応している。つまり、1枚の基板Sから4つの有機EL製品を製造できるように、基板Sの面内において有機材料膜が区分して形成されている。複数のノズル51は、4つの有機材料膜の形成領域R1〜R4に対して、それぞれ9つずつ、均等に配置されている。このように、基板Sに形成された有機材料膜のレイアウトを考慮して、ノズル51を配置することができる。
なお、基板Sの領域R1〜R4の4つの領域に限らず、より細分化した領域に対して個別にノズル51の配置を設定してガスを噴射することが可能である。また、別の配置例として、図示は省略するが、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分の上方には、相対的にノズル51の数を多くして密に配置し、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分の上方には、相対的にノズル51の数を少なくして疎に配置することもできる。また、基板Sの種類や形状に応じて、ノズル51の位置やガス流量を変更可能な構造が好ましい。
<制御部>
図1に示したように、乾燥装置100の各構成部、例えば、排気装置19、APCバルブ23、マスフローコントローラ(MFC)57、開閉バルブ59などは、制御部6に接続されて制御される構成となっている。制御部6は、CPUを備えたコントローラ61と、ユーザーインターフェース62と記憶部63とを備えている。コントローラ61は、コンピュータ機能を有しており、乾燥装置100において、各構成部を統括して制御する。ユーザーインターフェース62は、工程管理者が乾燥装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、乾燥装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成される。記憶部63には、乾燥装置100で実行される各種処理をコントローラ61の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが保存されている。ユーザーインターフェース62および記憶部63は、コントローラ61に接続されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース62からの指示等にて任意のレシピを記憶部63から呼び出してコントローラ61に実行させることで、コントローラ61の制御下で、乾燥装置100での所望の乾燥処理が行われる。すなわち、制御部6は、排気装置19及びAPCバルブ23に制御信号を送出し、処理容器1内を所定の圧力に保持する。また、制御部6は、複数のマスフローコントローラ(MFC)57と開閉バルブ59に制御信号を送出し、複数のノズル51から噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、ノズル51毎又は二つ以上のノズル51の組み合わせ毎に独立して調節する。前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどに格納された状態のものを利用できる。あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
[乾燥処理方法]
次に、図3を参照しながら、乾燥装置100を用いて行われる基板S表面の有機材料膜の乾燥処理について説明する。本実施の形態の乾燥処理方法は、乾燥装置100の処理容器1内で、基板Sの表面に塗布された有機材料膜に対する乾燥処理を行う。乾燥処理の間は、制御部6によって、複数のノズル51を備えたガス噴射装置5に対し、ノズル51毎に、ガスの噴射流量、ガスの種類などを個別に調節して、基板Sの表面へ向けてガスを噴射する。各ノズル51からの不活性ガス及び/又は溶媒ガスの噴射は、連続的でもよいし、非連続的(間欠的)でもよい。また、乾燥処理は、有機材料膜中に含まれる溶媒の揮発を促し、乾燥効率を高めるため、処理容器1内の圧力を0.1〜100Paの範囲内、好ましくは0.3〜10Paの範囲内に保持して行う。本実施の形態では、ガス噴射装置5によるガスの噴射と処理容器1内の圧力制御とを関連付けて行うことによって、処理容器1内を高真空にしながら、雰囲気中の溶媒濃度を下げることが可能となり、基板S表面の有機材料膜の乾燥効率を向上させ、短時間で乾燥処理を行うことができる。
図3は、処理容器1内を減圧排気していく過程の圧力変化を模式的に示す特性図である。図3の縦軸は処理容器1内の圧力を示し、横軸は時間を示している。乾燥装置100では、排気装置19を作動させることによって処理容器1の内部空間を所定の真空度まで減圧排気することができる。例えば、排気装置19を作動させると、処理容器1内では、例えば図3の曲線Aで示すように圧力降下が生じる。ここで、有機材料膜に対する乾燥処理にとって好ましい圧力範囲が、図3の圧力P1〜P2の範囲内であると仮定する。ここで、圧力P1、P2の値は基板S表面の有機材料膜中の溶媒量などに応じて設定すればよく、圧力P1は例えば10〜100Paの範囲内に設定することが好ましく、圧力P2は例えば0.1〜0.3Paの範囲内に設定することが好ましい。処理容器1内の圧力P1が100Paを上回ると、有機材料膜の乾燥効率が低下してしまう。処理容器1内の圧力P2が0.1Paを下回ると、基板Sの面内で乾燥しやすい領域(例えば周縁部)の乾燥が進み過ぎてしまい、基板Sの面内での乾燥の度合いにばらつきが生じてしまう。また、処理容器1内の圧力がP1〜P2の範囲を超えて大きく変動すると、基板S上の有機材料膜の乾燥度合いを管理することが困難になり、一枚の基板Sの面内での乾燥度合いの把握が困難になるだけでなく、複数枚の基板S間で処理のばらつきを生じる可能性がある。従って、基板Sに対する乾燥処理を例えば時点t1から時点t2まで行う場合、少なくともt1〜t2の間は、圧力をP1〜P2の範囲内とし、図3の曲線Bのような圧力の状態を処理容器1内に作り出すことが好ましい。
処理容器1内の圧力は、マスフローコントローラ(MFC)57による導入ガスの流量制御と、APCバルブ23の開度を調節することにより一定の幅にコントロールすることが可能である。本実施の形態の乾燥処理方法では、処理容器1内にガス噴射装置5によって連続的又は非連続的にガスを導入するため、制御部6によって、以下のような手順で圧力とガス流量の制御を行うことが好ましい。例えば、図3において、処理容器1内の圧力がP1まで降下した時点t1と同時にガスの噴射を開始し、乾燥処理を終える時点t2までの間に、連続してガス噴射を行う。また、別の例では、図3において、処理容器1内の圧力がP1まで降下した時点t1と同時にガスの噴射を開始し、乾燥処理を終える時点t2までの間に、ガスを噴射したり止めたりを繰り返し行ってもよい。ガスの導入を非連続的に行う場合には、例えば10〜100秒の範囲内の間隔でガス導入と停止を切り替えることが好ましい。
以上のように、処理容器1内を圧力P1〜P2の範囲内の高真空状態に維持しつつ、連続的もしくは非連続的にガスを導入する。このように導入したガスの気流を利用して、処理容器1内の雰囲気中の溶媒の排気を促進することによって、短時間で乾燥処理を行うことができる。
[乾燥処理の手順]
次に、以上のように構成された乾燥装置100を用いる乾燥処理の手順について説明する。まず、前段階として、外部のインクジェット印刷装置(図示省略)で基板S上に有機材料膜を所定のパターンで印刷する。次に、ゲートバルブGVを開放し、有機材料膜が印刷された基板Sを外部の搬送装置(図示省略)によって乾燥装置100の載置台3へ受け渡す。
次に、乾燥装置100のゲートバルブGVを閉じ、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気する。そして、圧力計25によって処理容器1内の圧力をモニタしながら、APCバルブ23の開度をコントロールして所定の真空度まで減圧する。このようにして、基板S上に形成された有機材料膜中に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を実施することができる。この乾燥処理の間、処理容器1内の圧力を制御しながら、ガスの噴射流量、ガスの種類などを個別に調節可能な複数のノズル51を備えたガス噴射装置5を用い、基板Sの表面へ向けてガスを噴射することによって、基板Sの面内での有機材料膜の乾燥度合いを均一化しながら、短時間に効率良く乾燥させることができる。また、ガス噴射装置5を用い、処理容器1内にガスを導入することによって、処理容器1内で気流が発生するため、処理容器1内に滞留している溶媒の排気を促すことができる。
次に、ガス噴射装置5によるガスの噴射と排気装置19による排気を停止し、処理容器1内を所定圧力まで昇圧した後、乾燥装置100のゲートバルブGVを開放し、外部の搬送装置(図示省略)によって基板Sを処理容器1から搬出する。以上の手順によって、1枚の基板Sに対する乾燥処理が終了する。
[有機EL素子の製造プロセスへの適用例]
有機EL素子の製造は、陽極と陰極との間に、EL層として、複数の有機機能膜を形成する。本実施の形態の乾燥装置100は、どのような積層構造の有機EL素子の製造にも適用できる。ここでは、EL層として、陽極側から陰極側へ向けて、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層を有する有機EL素子を製造する場合を例に挙げて、乾燥装置100による具体的な処理を説明する。
図4に、有機EL素子の製造工程の概略を示した。本例において、有機EL素子は、STEP1〜STEP8の工程によって製造される。STEP1では、基板S上に、例えば蒸着法などによって所定のパターンで陽極(画素電極)を形成する。次にSTEP2では、陽極の間に、絶縁物による隔壁(バンク)を形成する。隔壁を形成するための絶縁材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂などの高分子材料を用いることができる。
次に、STEP3では、STEP1で形成された陽極の上に、正孔注入層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、各隔壁によって区画された陽極の上に、正孔注入層の材料となる有機材料を印刷する。次に、このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100を用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、ベーク処理を行うことにより、正孔注入層を形成する。
次に、STEP4では、STEP3で形成された正孔注入層の上に、正孔輸送層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、正孔注入層の上に、正孔輸送層の材料となる有機材料を印刷する。このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100を用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、ベーク処理を行うことにより、正孔輸送層を形成する。
次に、STEP5では、STEP4で形成された正孔輸送層の上に、発光層を形成する。まず、インクジェット印刷法によって、正孔輸送層の上に、発光層の材料となる有機材料を印刷する。このように印刷された有機材料膜に対し、乾燥装置100を用い、溶媒除去のための減圧乾燥処理を行う。次に、乾燥処理後の基板Sをベーク装置に移送し、ベーク処理を行うことにより、発光層を形成する。なお、発光層が複数層からなる場合、上記処理が繰り返される。
次に、発光層の上に、例えば蒸着法によって、電子輸送層(STEP6)、電子注入層(STEP7)及び陰極(STEP8)を順次形成することによって、有機EL素子が得られる。
このような有機EL素子の製造プロセスにおいて、乾燥装置100は、STEP3(正孔注入層形成)、STEP4(正孔輸送層形成)及びSTEP5(発光層形成)に好ましく適用できる。すなわち、インクジェット印刷法によって、各層の前段階である有機材料膜を印刷した後、乾燥装置100を使用して有機材料膜に対する減圧乾燥処理を行うことができる。この場合、乾燥装置100は、ガスの噴射流量、ガスの種類などを個別に調節可能な複数のノズル51を備えたガス噴射装置5を備えているため、高真空状態においても短時間で優れた乾燥効率が得られる。
以上のように、乾燥装置100を用いることによって、有機EL素子の製造プロセスにおいて、EL層を形成するために必要な乾燥工程を高スループットで効率良く行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、図5及び図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態の乾燥装置について説明する。図5は、第2の実施の形態に係る乾燥装置101の概略構成を示す断面図である。図6は、図5の乾燥装置101におけるノズル51の配置を説明するための基板Sの平面図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置101では、複数のノズル51の組み合わせ毎にガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節可能に構成されている。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置101において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置101は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、載置台3に支持される基板S上の有機材料膜へ向けてガスを噴射するガス噴射装置5Aと、複数のノズルから噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部6とを備えている。また、乾燥装置101は、処理容器1内の圧力を調節する圧力制御機構を備えている。
本実施の形態の乾燥装置101において、処理容器1、載置台3、圧力制御機構、及び制御部6の構成は第1の実施の形態の乾燥装置100と同様である。
<ガス噴射装置>
ガス噴射装置5Aは、複数のノズル51と、各ノズル51へガスを供給するガス供給源53と、ガス供給源53と各ノズル51とを接続し、各ノズル51へガスを供給する複数の配管55を備えている。図5では、11個のノズル51を代表的に示している。また、ガス噴射装置5Aは、配管55の途中に、ガス流量を制御する複数のマスフローコントローラ(MFC)57と、複数の開閉バルブ59を備えている。ノズル51から噴射されるガスの流量や噴射速度、ガスの種類等は、マスフローコントローラ(MFC)57および開閉バルブ59によって制御される。なお、図5では、配管55、開閉バルブ59及びマスフローコントローラ(MFC)57について、代表的なものを図示しているが、これらの配設位置や数は、図5に例示した内容に限定されるものではない。
本実施の形態では、複数のノズル51が、さらに複数の組み合わせを含んでおり、該組み合わせ毎に独立して、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節できる。図5では、代表的に、複数のノズル51により構成される2つの組み合わせ(ノズル組52)を示している。各ノズル組52について、説明の便宜上、区別が必要な場合は、図5の紙面に向かって左側から、ノズル組52A,ノズル組52B,ノズル組52Aと表記する。ここで、ノズル組52Bは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル組52Aは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている。なお、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、さらに細分化した領域に対して個別にノズル組52を設定することも可能である。
ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53Bを備えている。ガス供給源53の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態において、複数のノズル51は、基板Sの表面へ向けてガスを噴射できるように、基板Sの上方に設置されている。そして、複数のノズル組52は、ガスの噴射流量、ガスの種類を、ノズル組52毎に独立して調節できるように構成されている。つまり、配管55とマスフローコントローラ(MFC)57と開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの噴射流量を制御できるように配備されている。また、配管55と複数の開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの種類を切り替えて噴射できるように構成されている。
[ガスの噴射流量]
複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、不活性ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、該中央部分の真上に配置されたノズル組52Bから不活性ガスを相対的に大きな流量V7で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、該周縁部分の真上に配置されたノズル組52Aから不活性ガスを流量V7よりも相対的に小さな流量V8で噴射することができる。なお、基板Sの周縁部分には、不活性ガスを噴射しないことも可能である。
また、複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、溶媒ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Aから溶媒ガスを相対的に大きな流量V9で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Bから溶媒ガスを流量V9よりも相対的に小さな流量V10で噴射することができる。なお、基板Sの中央部分には、溶媒ガスを噴射しないことも可能である。
ガスの噴射流量は、2段階に限らず、1段階又は3段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に流量を設定してガスを噴射することが可能である。
[ガス種]
複数のノズル組52は、それぞれ独立して、不活性ガス、溶媒ガス、又は、不活性ガス及び溶媒ガスの混合ガス(以下、単に「混合ガス」と記すことがある)を噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Bから不活性ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Aから溶媒を噴射することができる。
さらに、複数のノズル組52は、それぞれ独立した混合比率で、混合ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Bから溶媒ガス濃度の低い第1の混合比率で混合ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Aから第1の混合比率より溶媒ガス濃度の高い第2の混合比率で混合ガスを噴射することができる。
なお、混合ガスの混合比率は、2段階に限らず、1段階又は3段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に種類や濃度を設定してガスを噴射することが可能である。
[ノズル高さ位置]
本実施の形態では、ノズル組52の中で、複数のノズル51の高さ位置を個別に設定することができる。図5に示す例では、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分に対向するノズル組52Bに含まれる複数のノズル51の高さ位置を変化させている。すなわち、ノズル組52Bは、載置台3に支持される基板Sまでの距離が、少なくとも、相対的に近い高さ位置H4と、相対的に遠い高さ位置H5と、高さ位置H4より高く、高さ位置H5よりも低い高さ位置H6のノズル51を含んでいる。
また、図5に示す例では、ノズル組52Aに含まれるノズル51の高さ位置は、すべて同じ高さ位置H5に設定されている。
なお、ノズル組52の中でノズル51の高さ位置を変化させる場合は、3段階に限らず、2段階又は4段階以上でもよい。また、基板Sのより細分化した領域に対して個別にノズル51の高さ位置を設定してガスを噴射することも可能である。
[ノズルの配置]
図6では、基板Sの上面にノズル51の配置を投影して示した。図6に示すように、ノズル組52Bは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル組52Aは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている。具体的には、25個のノズル51を有するノズル組52Bの周囲を、8つのノズル組52Aが囲むように配置されている。また、ノズル組52Aは、ノズル組52A1とノズル組52A2とを含んでおり、これらに含まれるノズル51の数は、ノズル組52A1が15個、ノズル組52A2が9個と異なっているが、ノズル組52A1とノズル組52A2は、基板Sへガスを噴射する機能の点で共通している。
また、図6では、基板S上にインクジェット印刷法によってパターン塗布された有機材料膜の形成領域をR1〜R4で示している。ここで、領域R1〜R4は、それぞれが有機EL製品、例えば有機ELディスプレイの大きさに対応している。つまり、1枚の基板Sから4つの有機EL製品を製造できるように、基板Sの面内において有機材料膜が区分して形成されている。複数のノズル51は、4つの有機材料膜の形成領域R1〜R4に対して、それぞれ25個ずつ均等に配置されている。このように、基板Sに形成された有機材料膜のレイアウトを考慮して、ノズル51を配置することができる。
なお、基板Sの領域R1〜R4の4つの領域に限らず、より細分化した領域に対して個別にノズル51の配置を設定してガスを噴射することが可能である。また、別の配置例として、図示は省略するが、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分の上方には、相対的にノズル51の数を多くして密に配置し、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分の上方には、相対的にノズル51の数を少なくして疎に配置することもできる。
本実施の形態の乾燥装置101における乾燥処理は、制御部6によって、ノズル組52A又はノズル組52Bを単位として、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を個別に調節しながら基板Sの表面へ向けてガスを噴射する点以外は、第1の実施の形態と同様である。そして、乾燥処理の間、処理容器1内の圧力を制御しながら、ガス噴射装置5Aを用い、基板Sの表面へ向けてガスを噴射することによって、基板Sの面内での有機材料膜の乾燥度合いを均一化しながら、短時間に効率良く乾燥させることができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置101は、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
次に、図7〜9を参照しながら、本発明の基礎となった実験結果について説明する。なお、図7〜9の縦軸は処理容器1内の圧力(Pa;対数目盛)を示し、横軸は時間(秒)を示している。以下の実験では、図1の乾燥装置100と同様の乾燥装置を用いた。
図7は、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気していく途中で、Nガスを導入した場合としなかった場合の圧力変化を示す特性図である。図7中の曲線Aは、乾燥処理の間、Nを導入しなかった場合の圧力変化を示し、曲線Bは、処理容器1内の圧力が10Paに低下した時点から乾燥処理の終了まで180ml/min(sccm)の流量でNガスを連続的に導入した場合の圧力変化を示している。図7から、マスフローコントローラ(MFC)57によって処理容器1内にNガスを導入しながら、APCバルブ23の開度を調節することによって、圧力を略一定に維持できることが確認された。
図8は、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気しながら、処理容器1内に連続してNガスを導入した場合のNガス流量と処理容器1内の圧力との関係を示す特性図である。図8では、処理容器1内の圧力が10Paに低下した時点から乾燥処理の終了まで100ml/min(sccm)の流量でNガスを連続的に導入した場合の圧力変化を示している。図8から、マスフローコントローラ(MFC)57によって処理容器1内にNガスを導入しながら、APCバルブ23の開度を調節することによって、圧力を略一定に維持できることが確認された。
図9は、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気しながら、処理容器1内に非連続的にNガスを導入した場合のNガス流量と処理容器1内の圧力との関係を示す特性図である。図9では、処理容器1内の圧力が10Paに低下した時点から乾燥処理の終了までの間に、100ml/min(sccm)の流量でNガスを非連続的に導入した場合の圧力変化を示している。図9から、処理容器1内にNガスを導入している間は、略1Pa程度の圧力に維持され、Nガスの導入を停止している間は、略0.3Pa程度の圧力に維持されている。このように、マスフローコントローラ(MFC)57によって処理容器1内にNガスを導入しながら、APCバルブ23の開度を調節することによって、圧力を所定の範囲内、例えば0.3Pa〜1Paの範囲内、に維持できることが確認された。
次に、図10を参照しながら、本発明の効果を確認した実験結果について説明する。この実験では、図1の乾燥装置100と同様の乾燥装置を用いた。図10は、基板Sの平面図である。図10では、実験に用いた乾燥装置の処理容器1内で基板Sの乾燥処理を行った場合の基板S表面の乾燥度合いを観察した位置と、ノズル51の設置位置を、基板Sの平面図に重ねて示している。また、図10では、有機EL製品、例えば有機ELディスプレイの大きさに対応する領域を符号R1、R2で示している。基板Sの大きさは、長辺920mm×短辺730mmとした。
基板S上の4箇所、すなわち、位置S1、位置S2、位置S3、位置S4の真上にノズル51を配置し、基板Sへ向けてガスを噴射できるようにした。各ノズル51間の距離Lは、250mmに設定した。この実験では、処理容器1内の圧力を1.4Paに制御し、各ノズル51からそれぞれNガスを180mL/min(sccm)で導入した場合と、ガスを全く導入をしなかった場合について比較した。また、基板Sの面内で乾燥の進行が遅い領域R1の中央部の位置S1と、基板Sの面内で乾燥の進行が速い領域R1のコーナー部の位置S5について、有機材料膜が所定の乾燥度合いに達し、乾燥が完了するまでの時間を計測した。
その結果、乾燥完了までの時間は、位置S1では、Nガスを導入した場合が53秒であり、Nガスを導入しなかった場合が68秒であった。また、位置S5では、Nガスを導入した場合が55秒であり、Nガスを導入しなかった場合が54秒であった。この結果から、Nガスを導入しなかった場合には、領域R1の中央部の位置S1とコーナー部の位置S5について、乾燥時間の差が大きかった。しかし、Nガスを導入することによって、位置S1と位置S5について、乾燥完了までの時間を同等にすることができた。従って、Nガスを導入することによって、基板Sの面内での乾燥の進行速度を均一化できることが確認された。
[第3の実施の形態]
次に、図11から図14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態の乾燥装置について説明する。図11は、第3の実施の形態に係る乾燥装置102の概略構成を示す断面図である。図12は、図11の乾燥装置102における一つのノズル51の構成を説明するための斜視図であり、図13は、ノズル51の長手方向に直交する方向における断面図である。図14は、下方の載置台3側(基板S側)からみたノズル51の配置を示す説明図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置102では、ノズル51がパイプ状をなしている。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置102において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置102は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、載置台3に支持される基板S上の有機材料膜へ向けてガスを噴射するガス噴射装置5Bと、複数のノズル51から噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、一つのノズル51又は2つ以上のノズル51の組み合わせを単位として、独立して調節する制御部6とを備えている。また、乾燥装置102は、処理容器1内の圧力を調節する圧力制御機構を備えている。
本実施の形態の乾燥装置102において、処理容器1、載置台3、圧力制御機構、及び制御部6の構成は第1の実施の形態の乾燥装置100と同様である。
<ガス噴射装置>
ガス噴射装置5Bは、複数のノズル51と、各ノズル51へガスを供給するガス供給源53と、ガス供給源53と各ノズル51とを接続し、各ノズル51へガスを供給する複数の配管55を備えている。図11では、11個のノズル51を代表的に示している。また、ガス噴射装置5Bは、配管55の途中に、ガス流量を制御する複数のマスフローコントローラ(MFC)57と、複数の開閉バルブ59を備えている。ノズル51から噴射されるガスの流量や噴射速度、ガスの種類等は、マスフローコントローラ(MFC)57および開閉バルブ59によって制御される。なお、図11では、配管55、開閉バルブ59及びマスフローコントローラ(MFC)57について、代表的なものを図示しているが、これらの配設位置や数は、図11に例示した内容に限定されるものではない。
図12に示したように、ノズル51は、円筒状の長尺な本体部51aを備えている。また、ノズル51の本体部51aには、その長手方向に沿ってスリット状の長尺なガス噴射口51bが形成されている。図13に示したように、本実施の形態においては、本体部51aの下部に一つ、側部に二つの合計3つのガス噴射口51bが設けられている。3つのガス噴射口51bは、本体部51aの周方向にそれぞれ90°ずつ角度をずらして形成されている。円筒状の本体部51aの内部空間は、ガスを拡散させるガス拡散空間として作用する。そして、スリット状の長尺なガス噴射口51bによって、不活性ガス、溶媒ガス、又はこれらの混合ガスをライン状に噴射できるため、噴射むらが生じにくくなり、基板S表面の所定の領域に向けて均等にガスを噴射できる。なお、ガス噴射口51bは、本体部51aの周方向に1つでもよいし、任意の角度で2つないし4つ以上設けられていてもよい。また、ガス噴射口51bは、本体部51aの長手方向において、複数に分割されていてもよい。
本実施の形態では、複数のノズル51が、さらに複数の組み合わせを含んでおり、該組み合わせ毎に独立して、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節できる。図11では、代表的に、複数のノズル51により構成される2つの組み合わせ(ノズル組52)を示している。各ノズル組52について、説明の便宜上、区別が必要な場合は、図11の紙面に向かって左側から、ノズル組52C,ノズル組52D,ノズル組52Cと表記する。ここで、図14に示したように、ノズル組52Dは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル組52Cは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている。なお、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、さらに細分化した領域に対して個別にノズル組52を設定することも可能である。
[ノズルの配置]
図14では、ノズル51の配置に基板Sの位置を投影して示した。図14に示すように、ノズル組52Dは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル組52Cは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている。具体的には、5本のノズル51を有するノズル組52Dの周囲を、16本のノズル51を有するノズル組52Cが囲むように配置されている。ノズル組52Cは、本体部51a及びガス噴射口51bの長さが異なる複数のノズル51を含んでいるが、これらに実質的な相違はない。
また、基板Sに形成された有機材料膜のレイアウトを考慮して、ノズル51を配置することもできる。なお、基板Sの中央部と周縁部分の2つの領域に限らず、より細分化した領域に対して個別にノズル51の配置を設定してガスを噴射することが可能である。また、別の配置例として、図示は省略するが、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分の上方には、相対的にノズル51の数を多くして密に配置し、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分の上方には、相対的にノズル51の数を少なくして疎に配置することもできる。
ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53Bを備えている。ガス供給源53の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態において、複数のノズル51は、基板Sの表面へ向けてガスを噴射できるように、基板Sの上方に設置されている。そして、複数のノズル組52は、ガスの噴射流量、ガスの種類を、ノズル組52毎に独立して調節できるように構成されている。つまり、配管55とマスフローコントローラ(MFC)57と開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの噴射流量を制御できるように配備されている。また、配管55と複数の開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの種類を切り替えて噴射できるように構成されている。
[ガスの噴射流量]
複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、不活性ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、該中央部分の真上に配置されたノズル組52Dから不活性ガスを相対的に大きな流量V11で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、該周縁部分の真上に配置されたノズル組52Cから、不活性ガスを流量V11よりも相対的に小さな流量V12で噴射することができる。なお、基板Sの周縁部分には、不活性ガスを噴射しないことも可能である。
また、複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、溶媒ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Cから溶媒ガスを相対的に大きな流量V13で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Dから溶媒ガスを流量V13よりも相対的に小さな流量V14で噴射することができる。なお、基板Sの中央部分には、溶媒ガスを噴射しないことも可能である。
ガスの噴射流量は、2段階に限らず、1段階又は3段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に流量を設定してガスを噴射することが可能である。
[ガス種]
複数のノズル組52は、それぞれ独立して、不活性ガス、溶媒ガス、又は、不活性ガス及び溶媒ガスの混合ガス(以下、単に「混合ガス」と記すことがある)を噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Dから不活性ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Cから溶媒を噴射することができる。
さらに、複数のノズル組52は、それぞれ独立した混合比率で、混合ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Dから溶媒ガス濃度の低い第1の混合比率で混合ガスを噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Cから第1の混合比率より溶媒ガス濃度の高い第2の混合比率で混合ガスを噴射することができる。
なお、混合ガスの混合比率は、2段階に限らず、1段階又は3段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に種類や濃度を設定してガスを噴射することが可能である。
本実施の形態の乾燥装置102における乾燥処理は、制御部6によって、ノズル組52C又はノズル組52Dを単位として、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を個別に調節しながら基板Sの表面へ向けてガスを噴射する点以外は、第1の実施の形態と同様である。そして、乾燥処理の間、処理容器1内の圧力を制御しながら、ガス噴射装置5Bを用い、基板Sの表面へ向けてガスを噴射することによって、基板Sの面内での有機材料膜の乾燥度合いを均一化しながら、短時間に効率良く乾燥させることができる。
[乾燥処理の手順]
次に、乾燥装置102を用いる乾燥処理の手順について説明する。まず、前段階として、外部のインクジェット印刷装置(図示省略)で基板S上に有機材料膜を所定のパターンで印刷する。次に、ゲートバルブGVを開放し、有機材料膜が印刷された基板Sを外部の搬送装置(図示省略)によって乾燥装置102の載置台3へ受け渡す。
次に、乾燥装置102のゲートバルブGVを閉じ、排気装置19を作動させて処理容器1内を減圧排気する。そして、圧力計25によって処理容器1内の圧力をモニタしながら、APCバルブ23の開度をコントロールして所定の真空度まで減圧する。このようにして、基板S上に形成された有機材料膜中に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を実施することができる。この乾燥処理の間、処理容器1内の圧力を制御しながら、ガスの噴射流量、ガスの種類と比率などを個別に調節可能な複数のノズル51を備えたガス噴射装置5Bを用い、基板Sの表面へ向けてガスを噴射することによって、基板Sの面内での有機材料膜の乾燥度合いを均一化しながら、短時間に効率良く乾燥させることができる。また、ガス噴射装置5Bを用い、処理容器1内にガスを導入することによって、処理容器1内で気流が発生するため、処理容器1内に滞留している溶媒の排気を促すことができる。
ここで、乾燥装置102を使用してパルス状にガスを噴射しながら基板Sの乾燥処理を行う場合のガス噴射制御方法について図15を例示して説明する。図15は、乾燥装置102でパルス状にガスを噴射しながら基板Sの乾燥処理を行う場合のガス噴射流量と噴射のタイミングの一例を示している。この例では、ガスとして、窒素ガスなどの不活性ガスのみを使用している。また、図14に示すように、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されたノズル組52Dと、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されたノズル組52Cとからそれぞれ間欠的に異なるタイミングで基板Sへ向けて不活性ガスを噴射する。1枚の基板Sに対する乾燥処理の初期段階では、ノズル組52Dとノズル組52Cから、噴射流量V21で交互にパルス状に不活性ガスを噴射する。このときのパルス周期はT1、パルス幅はD1とする。1枚の基板Sに対する乾燥処理の次の段階では、ノズル組52Dとノズル組52Cから、噴射流量V22で交互にパルス状に不活性ガスを噴射する。このときのパルス周期はT2、パルス幅はD2とする。1枚の基板Sに対する乾燥処理のさらに次の段階では、ノズル組52Dとノズル組52Cから、噴射流量V23で交互にパルス状に不活性ガスを噴射する。このときのパルス周期はT3、パルス幅はD3とする。このように、乾燥装置102では、1枚の基板Sに対する乾燥処理の段階に応じて、噴射流量V21〜V23を変化させ、かつデューティ比を変化させてガスの噴射を行うことができる。噴射流量V21〜V23、パルス周期T1〜T3、パルス幅D1〜D3は、ノズル組52Dとノズル組52Cで異なっていてもよく、処理容器1内の圧力、溶媒濃度、温度、溶媒の種類、基板S上の有機材料膜の種類などに応じて個別に設定することができる。なお、噴射流量、パルス周期及びパルス幅は、変化させずに一定としてもよい。
一枚の基板Sに対する乾燥処理が終了したら、次に、ガス噴射装置5Bによるガスの噴射と排気装置19による排気を停止する。そして、処理容器1内を所定圧力まで昇圧した後、乾燥装置102のゲートバルブGVを開放し、外部の搬送装置(図示省略)によって基板Sを処理容器1から搬出する。以上の手順によって、1枚の基板Sに対する乾燥処理が終了する。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置102は、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
[第4の実施の形態]
次に、図16を参照しながら、本発明の第4の実施の形態の乾燥装置について説明する。図16は、第4の実施の形態に係る乾燥装置103の概略構成を示す断面図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置103では、複数のノズル51の組み合わせ毎にガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節可能に構成されている。また、複数のノズル51の中に、平板状の基板Sの上面に対して垂直ではなく、斜めにガスを噴射するノズル51を有している。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置103において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置103は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、載置台3に支持される基板S上の有機材料膜へ向けてガスを噴射するガス噴射装置5Cと、複数のノズル51から噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、一つのノズル51又は2つ以上のノズル51の組み合わせを単位として、独立して調節する制御部6とを備えている。また、乾燥装置103は、処理容器1内の圧力を調節する圧力制御機構を備えている。
本実施の形態の乾燥装置103において、処理容器1、載置台3、圧力制御機構、及び制御部6の構成は第1の実施の形態の乾燥装置100と同様である。
<ガス噴射装置>
ガス噴射装置5Cは、複数のノズル51と、各ノズル51へガスを供給するガス供給源53と、ガス供給源53と各ノズル51とを接続し、各ノズル51へガスを供給する複数の配管55を備えている。図16では、11個のノズル51を代表的に示している。また、ガス噴射装置5Cは、配管55の途中に、ガス流量を制御する複数のマスフローコントローラ(MFC)57と、複数の開閉バルブ59を備えている。ノズル51から噴射されるガスの流量や噴射速度、ガスの種類等は、マスフローコントローラ(MFC)57および開閉バルブ59によって制御される。なお、図16では、配管55、開閉バルブ59及びマスフローコントローラ(MFC)57について、代表的なものを図示しているが、これらの配設位置や数は、図16に例示した内容に限定されるものではない。
本実施の形態では、図16に示したように、複数のノズル51は、平板状の基板Sの上面に対して垂直にガスを噴射するノズル51と、斜めにガスを噴射するノズル51とを有している。具体的には、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されている複数のノズル51は、基板Sの上面に対して略垂直にガスを噴射できるように構成されている。一方、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている複数のノズル51は、平板状の基板Sの上面に対して例えば30°〜45°の角度を以てガスを噴射できるように構成されている。従って、ガスの噴射流量が同じでも、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、直接的に不活性ガスを強く噴射できる一方で、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、不活性ガスの噴射力を弱めることができる。
また、本実施の形態では、複数のノズル51が、さらに複数の組み合わせを含んでおり、該組み合わせ毎に独立して、ガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節できる。図16では、代表的に、複数のノズル51により構成される2つの組み合わせ(ノズル組52)を示している。各ノズル組52について、説明の便宜上、区別が必要な場合は、図16の紙面に向かって左側から、ノズル組52E,ノズル組52F,ノズル組52Eと表記する。ここで、図16に示したように、ノズル組52Fは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、ノズル組52Eは、基板Sの周縁部分の上方に対向して配置されている。なお、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、さらに細分化した領域に対して個別にノズル組52を設定することも可能である。
ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53Bを備えている。ガス供給源53の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態において、複数のノズル51は、基板Sの表面へ向けてガスを噴射できるように、基板Sの上方に設置されている。そして、複数のノズル組52は、ガスの噴射流量、ガスの種類を、ノズル組52毎に独立して調節できるように構成されている。つまり、配管55とマスフローコントローラ(MFC)57と開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの噴射流量を制御できるように配備されている。また、配管55と複数の開閉バルブ59との組み合わせによって、ノズル組52毎に独立してガスの種類を切り替えて噴射できるように構成されている。
[ガスの噴射流量]
複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、不活性ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、該中央部分の真上に配置されたノズル組52Fから不活性ガスを相対的に大きな流量V31で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、該周縁部分の真上に配置されたノズル組52Eから、不活性ガスを流量V31よりも相対的に小さな流量V32で噴射することができる。なお、基板Sの周縁部分には、不活性ガスを噴射しないことも可能である。
また、複数のノズル組52は、それぞれ独立した噴射流量で、溶媒ガスを噴射可能に構成されている。例えば、有機材料膜の乾燥が比較的進行しやすい基板Sの周縁部分には、ノズル組52Eから溶媒ガスを相対的に大きな流量V33で噴射することができる。また、有機材料膜の乾燥が比較的進行しにくい基板Sの中央部分には、ノズル組52Fから溶媒ガスを流量V33よりも相対的に小さな流量V34で噴射することができる。なお、基板Sの中央部分には、溶媒ガスを噴射しないことも可能である。
ガスの噴射流量は、2段階に限らず、1段階又は3段階以上でもよい。また、基板Sの中央部分と周縁部分に限らず、より細分化した領域に対して個別に流量を設定してガスを噴射することが可能である。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置103は、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
[第5の実施の形態]
次に、図17を参照しながら、本発明の第5の実施の形態の乾燥装置について説明する。図17は、第5の実施の形態に係る乾燥装置104の概略構成を示す断面図である。第1の実施の形態の乾燥装置100との主な相違点として、本実施の形態の乾燥装置104では、複数のノズル51の組み合わせを単位としてガスの噴射流量及び/又はガスの種類を調節可能に構成されている。また、複数のノズル51は、平板状の基板Sの上面に対して垂直ではなく、平行もしくは傾斜方向にガスを噴射できるように構成されている。以下、第1の実施の形態の乾燥装置100との相違点を中心に説明し、本実施の形態の乾燥装置104において、第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の乾燥装置104は、真空引き可能な処理容器1と、処理容器1内で基板Sを支持する支持部材としての載置台3と、載置台3に支持される基板S上の有機材料膜へ向けてガスを噴射するガス噴射装置5Dと、複数のノズル51から噴射されるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を、2つ以上のノズル51の組み合わせを単位として調節する制御部6とを備えている。また、乾燥装置104は、処理容器1内の圧力を調節する圧力制御機構を備えている。
本実施の形態の乾燥装置104において、処理容器1、載置台3、圧力制御機構、及び制御部6の構成は第1の実施の形態の乾燥装置100と同様である。
<ガス噴射装置>
ガス噴射装置5Dは、複数のノズル51と、各ノズル51へガスを供給するガス供給源53と、ガス供給源53と各ノズル51とを接続し、各ノズル51へガスを供給する複数の配管55を備えている。また、ガス噴射装置5Dは、配管55の途中に、ガス流量を制御する複数のマスフローコントローラ(MFC)57と、複数の開閉バルブ59を備えている。ノズル51から噴射されるガスの流量や噴射速度、ガスの種類等は、マスフローコントローラ(MFC)57および開閉バルブ59によって制御される。なお、図17では、配管55、開閉バルブ59及びマスフローコントローラ(MFC)57について、代表的なものを図示しているが、これらの配設位置や数は、図17に例示した内容に限定されるものではない。
本実施の形態では、図17に示したように、複数のノズル51は、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されており、かつ、平板状の基板Sの上面に対して平行もしくは所定の角度で傾斜した方向にガスを噴射するように構成されている。つまり、基板Sの中央部分に対向する位置から、放射状に、水平方向、又は水平方向から下方へ例えば30°〜45°の角度を以て斜めに不活性ガスを噴射できるように構成されている。従って、基板Sの面内において、不活性ガスや溶媒ガスの噴射量を均一化できる。
また、本実施の形態では、複数のノズル51が、一つの組み合わせ単位となっている。図17では、複数のノズル51により構成される1つの組み合わせ(ノズル組52G)を示している。ノズル組52Gは、矩形の基板Sの中央部分の上方に対向して配置されている。なお、基板Sの中央部分だけに限らず、複数のノズル組52を設けることも可能である。
ガス供給源53は、不活性ガス供給源53A及び溶媒ガス供給源53Bを備えている。ガス供給源53の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。また、乾燥装置104は、第1の実施の形態と同様に、有機EL素子の製造プロセスへの適用が可能である。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、有機EL素子の製造工程は、図4に例示したものに限らず、例えばEL層が、陽極側から陰極側へ向けて、[正孔輸送層/発光層/電子輸送層]、[正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層]などの順に積層された構造を有している場合であっても、同様に本発明の乾燥装置100〜104を適用できる。
また、第1の実施の形態の乾燥装置100では、ノズル51を単位としてガスの噴射流量及び/又はガスの種類を独立して調節可能とし、第2ないし第5の実施の形態の乾燥装置101〜104では、ノズル組52を単位としてガスの噴射流量及び/又はガスの種類を独立して調節可能とした。しかし、別の実施の形態では、ノズル51とノズル組52とを混在させた状態で、それらにおけるガスの噴射流量及び/又はガスの種類を独立して調節可能としてもよい。
1…処理容器、3…載置台、5,5A…ガス噴射装置、6…制御部、11…底壁、13…側壁、15…天井部、15a…排気口、17…排気管、19…排気装置、21…支柱、23…APCバルブ、25…圧力計、51…ノズル、53…ガス供給源、53A…不活性ガス供給源、53B…溶媒ガス供給源、55…配管、57…マスフローコントローラ、59…開閉バルブ、61…コントローラ、62…ユーザーインターフェース、63…記憶部、100,101…乾燥装置、S…基板、GV…ゲートバルブ

Claims (10)

  1. 基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥装置であって、
    真空引き可能な処理容器と、
    前記処理容器内の気体を排気する排気口と、
    前記処理容器内で前記基板を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持される前記基板に向けてガスを噴射する複数のノズルを有するガス噴射装置と、
    前記処理容器内の圧力を調節するとともに、前記複数のノズルから噴射される前記ガスの噴射流量及び/又は前記ガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部と、
    を有し、
    前記複数のノズルは、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスを噴射するノズルと、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスを噴射するノズルと、を含んでいるとともに、前記支持部材に支持される前記基板までの距離が、少なくとも、相対的に近いノズルと、相対的に遠いノズルと、を含んでおり、
    前記制御部は、前記処理容器内の圧力の上限を10〜100Paの範囲内の高真空状態に維持しながら、前記ガス噴射装置によって前記乾燥用ガス及び/又は前記乾燥抑制用ガスを噴射させるように制御することを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記ノズルが、円筒状の長尺な本体部を備えており、該本体部の長手方向に沿ってスリット状の長尺なガス噴射口が形成されている請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記複数のノズルが、前記支持部材に支持された前記基板の中央部に向けてガスを噴射する第1のノズル群と、前記基板の周縁部に向けてガスを噴射する第2のノズル群と、を含んでいる請求項に記載の乾燥装置。
  4. 真空引き可能な処理容器と、
    前記処理容器内の気体を排気する排気口と、
    前記処理容器内で基板を支持する支持部材と、
    前記支持部材に支持される前記基板に向けてガスを噴射する複数のノズルを有するガス噴射装置と、
    前記処理容器内の圧力を調節するとともに、前記複数のノズルから噴射される前記ガスの噴射流量及び/又は前記ガスの種類を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として、独立して調節する制御部と、
    を備え、前記複数のノズルが、前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスを噴射するノズルと、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスを噴射するノズルと、を含んでいるとともに、前記支持部材に支持される前記基板までの距離が、少なくとも、相対的に近いノズルと、相対的に遠いノズルと、を含んでいる乾燥装置を用い、
    前記制御部によって、前記処理容器内の圧力の上限を10〜100Paの範囲内の高真空状態に維持しながら、前記ガス噴射装置から前記乾燥用ガス及び/又は前記乾燥抑制用ガスを噴射させることにより、基板の表面に塗布された有機材料膜中の溶媒を除去して乾燥させる乾燥処理方法。
  5. 前記処理容器内の圧力を0.1〜100Paの範囲内に保持して乾燥処理を行う請求項に記載の乾燥処理方法。
  6. 前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスの噴射流量を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射する請求項4又は5に記載の乾燥処理方法。
  7. 前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスの噴射流量を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射する請求項4から6のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
  8. 前記有機材料膜の乾燥を促す乾燥用ガスと、前記有機材料膜の乾燥を抑制する乾燥抑制用ガスとの混合比率を、一つのノズル又は二つ以上のノズルの組み合わせを単位として独立して調節しながら前記基板へ向けて噴射する請求項4から6のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
  9. 前記ガスをパルス状に噴射する請求項4から8のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
  10. 前記有機材料膜が、有機EL素子の製造においてインクジェット印刷法によって前記基板上に塗布されたものである請求項4から9のいずれか1項に記載の乾燥処理方法。
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