JP6446265B2 - 固形状組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、カルニチン及び脂肪球皮膜成分を含有する固形状組成物に関する。
L−カルニチンは、長鎖脂肪酸のミトコンドリア膜内への透過に必須な栄養素で、筋肉細胞に高濃度に存在している。L−カルニチンは、高脂肪食の長期摂取による内臓脂肪の蓄積や脂質代謝異常の抑制・改善作用、骨格筋の筋持久力の亢進作用、筋肉疲労の軽減作用等の多くの生理機能を有することが報告されている(非特許文献1及び2)。
近年、肥満人口は増加の一途を辿り、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームの患者数が著しく増加して社会的に大きな問題となっていることから、前述したような生理機能を有するカルニチンの幅広い利用が期待されている。
カルニチンの生理機能を効果的に得るには、手軽に無理なく長期間継続して摂取可能な固形状組成物形態とするのが望ましい。しかし、カルニチンは強烈な酸味を有しているため、ことに高い濃度で配合することは困難である。
これまでにカルニチンに由来する酸味を抑える技術としては、カルニチン塩の水溶液のpHが5以上になるようにpH調整剤を組み合わせた飲料組成物が報告されているが(特許文献1)、固形状組成物形態における検討はされていない。
特開2012−135322号公報
「日本栄養・食糧学会誌」、2006年、第59巻、第2号、p.107−113 「第26回健康医科学研究助成論文集」平成21年度、2011年、p.102−109
カルニチンを多く固形状組成物中に配合すると、摂取時だけでなく摂取後にもカルニチンに由来する酸味が残る場合があり、風味が好ましいものではなかった。
したがって、本発明は、カルニチンを含みながらも酸味が少ない、風味の良好な固形状組成物を提供することに関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、脂肪球皮膜成分にカルニチンの酸味を抑制する効果があることを見出した。更に、カルニチンに脂肪球皮膜成分を一定範囲で組み合わせることにより、カルニチンに由来する強烈な酸味が少なくなり、また、摂取後もこの酸味が残らない、風味の良好な固形状組成物とすることができることを見出した。
脂肪球皮膜成分は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分である。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)カルニチン又はその塩 6〜35質量%、
(B)脂肪球皮膜成分 10〜50質量%、
を含有する固形状組成物を提供するものである。
本発明によれば、カルニチンに由来する酸味が少ない、風味の良好な固形状組成物を提供することができる。
本発明で用いられる(A)カルニチンは、D体であってもL体であってもよく、両異性体が混在するDL−カルニチンでもよい。なかでも、生理効果の点からL−カルニチンが好ましい。
カルニチンの塩としては、例えば、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
また、カルニチン又はその塩として、アセチル−L−カルニチン等のアルカノイルカルニチン又はその塩を用いてもよい。
(A)カルニチン又はその塩は、公知の方法により製造してもよいし、市販のものを用いることもできる。
本発明の固形状組成物中、(A)カルニチン又はその塩の含有量は6〜35質量%(以下、単に「%」とする)であるが、生理効果を有効に発現する点、摂取形態として一度に少量の摂取で可能であるという点から、10%以上が好ましく、また、風味の点から、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。また、固形状組成物中の(A)カルニチン又はその塩の含有量は、10〜30%が好ましく、10〜20%がより好ましい。なお、成分(A)の含有量は、カルニチン換算値である。
本発明で用いられる(B)脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(B)脂肪球皮膜成分は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、脂質の含有量が、10%以上、更に20%以上、更に30%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。また、脂肪球皮膜成分中の脂質の含有量は、10〜100%、更に20〜90%、更に30〜60%が好ましい。
また、(B)脂肪球皮膜成分は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、リン脂質の含有量が、5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。また、脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量は、5〜100%、更に8〜90%、更に10〜70%、更に15〜60%が好ましい。
また、(B)脂肪球皮膜成分は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましく、脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量が、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下であるのが好ましい。また、脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量は、1〜50%、更に2〜30%、更に3〜25%、更に3〜20%が好ましい。
また、同様の点から、脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量が、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、更に50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。また、脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3〜50%、更に5〜40%、更に10〜35%、更に15〜30%が好ましい。
なお、本明細書において、脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
上記の(B)脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
なお、(B)脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
(B)脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(B)脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明の固形状組成物中、(B)脂肪球皮膜成分の含有量は10〜50%である。(B)脂肪球皮膜成分を10%以上含有することで、カルニチンに由来する酸味を少なくすることができる。他方、(B)脂肪球皮膜成分が多いと摂食時に口内でのねとつき・付着が生じ易いところ、カルニチンに脂肪球皮膜成分の口内でのねとつき・付着を抑制する効果があることを見出した。したがって、所定量の(A)カルニチン又はその塩を含むことにより、(B)脂肪球皮膜成分を50%以下と高濃度で含有する場合でも摂食時の口内でのねとつき・付着を少なくすることができる。
固形状組成物中、(B)脂肪球皮膜成分の含有量は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、20%以上が好ましく、また、摂食時の口内でのねとつき・付着が少ないという点、後味が良好である点で、40%以下が好ましい。また、固形状組成物中の(B)脂肪球皮膜成分の含有量は、20〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましい。
また、本発明の固形状組成物中、リン脂質の含有量は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、1%以上であるのが好ましく、また、摂食時の口内でのねとつき・付着が少ないという点、後味が良好である点で30%以下が好ましい。また、固形状組成物中のリン脂質の含有量は1〜30%が好ましい。
また、本発明の固形状組成物中、スフィンゴミエリンの含有量は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、0.3%以上、更に0.5%以上であるのが好ましく、また、摂食時の口内でのねとつき・付着が少ないという点、後味が良好である点で、5%以下、更に4%以下が好ましい。また、固形状組成物中のスフィンゴミエリンの含有量は、0.3〜5%、更に0.5〜4%が好ましい。
脂肪球皮膜成分中又は固形状組成物中の脂質、リン脂質、及びスフィンゴミエリンの含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
本発明の固形状組成物において、固形状組成物中の成分(A)と成分(B)の含有質量比[(B)/(A)]は、カルニチンに由来する酸味を少なくするという点から、0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上が更に好ましい。また、べたつきの点から、8以下が好ましく、7以下がより好ましく、4以下が更に好ましい。かかる質量比の範囲としては0.3〜8が好ましく、0.5〜7がより好ましく、1〜4が更に好ましい。
また、本発明の固形状組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、グルタミン等のアミノ酸、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、クロム、セレン、マンガン、モリブデン、銅、ヨウ素、リン、カリウム、ナトリウム)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸及びそれらの塩、又はそれらのエステル)、甘味料(例えば、単糖、少糖、糖アルコール、合成甘味料)、酸味料(例えば、コハク酸、アジピン酸、グルコノデルタラクトン、酢酸、フマル酸)、香料、着色料、保存料等が適宜配合されていてもよい。
本発明の固形状組成物の形態としては、室温(15〜25℃)で固形状のものであれば特に限定されないが、例えば、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、トローチ剤等が挙げられる。なかでも、1回あたり少量で摂取可能な点、摂取が簡便な点から、錠剤が好ましく、チュアブル錠であることが更に好ましい。なお、固形状とは、粉末、固形、顆粒等の固体状態のものを意味する。
このような剤型の組成物を調製するには、必要に応じて、許容される担体を配合することができる。例えば、賦形剤(例えば、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、蔗糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等)、崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素等)、嬌味剤(例えば、ステビア等)、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、希釈剤等の担体が挙げられる。
錠剤の形状としては、円形錠もしくは楕円形、長円形、四角形等の面形を有する各種異形錠であってもよい。また、打錠時の圧縮成型圧は、成形物の硬度維持、崩壊性等の点から、10〜30Mpa程度が好ましい。
また、本発明の固形状組成物の1個当りの重量は0.1〜1.5g、好ましくは0.2〜1.25g、更に0.3〜1gとするのが服用感及び有効性の点で好ましい。
本発明の固形状組成物は、特に制限はなく常法に従い製造される。例えば、(A)カルニチン又はその塩、(B)脂肪球皮膜成分、及び必要に応じて添加される添加剤の混合物を調製後、圧縮成形することによって製造することができる。例えば、錠剤を製造する場合、原料粉末を直接圧縮して成形(直接粉末圧縮法)しても、乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから圧縮して成形(顆粒圧縮法)しても良い。なかでも、工程の簡便性の点から、直接粉末圧縮法を用いて錠剤とするのが好ましい。
直接圧縮して成形して錠剤を製造する場合、打錠成形機としてはロータリー式打錠機や単発式打錠機等通常使用されるものを用いることができる。
また、造粒法より造粒してから錠剤とする場合、円筒造粒機、球形整粒機、ペレッター等を使用する押し出し造粒法;スピードミル、パワーミル等を使用する破砕造粒法;転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法等により造粒物を製造し、乾燥・整粒した後、得られた造粒物を前記打錠成形機で圧縮して錠剤を形成できる。
[分析方法]
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた。
(3)炭水化物の分析
炭水化物量は試料の質量から試料中のタンパク質量、脂質質量、灰分量、及び水分量を除くことにより求めた。なお、灰分量は直接灰化法(550℃で試料を灰化させ重量測定)、水分量は常圧加熱乾燥法(105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
(6)カルニチンの分析
カルニチンは「LC Technical Note 20 サプリメント・栄養ドリンク中のL−カルニチンの分析(GL Sciences Inc)」に記載されている分析方法に従って分析できる。
具体的にはHPLCを用い、以下の条件で測定できる。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil ODS−3(5μm,150x4.6mm I.D.)
溶離液:A)CH3OH、B)5mMイオンペア剤入り20mM りん酸緩衝液 A/B=30/70,v/v
流量:1.0mL/min、カラム温度:40℃、
検出:UV 210nm、
注入量:10μL
[原料]
L−カルニチン酒石酸塩:ロンザジャパン株式会社
脂肪球皮膜成分1:BSCP、メグレジャパン株式会社(水分5.1%)
脂肪球皮膜成分2:ミルクセラミドMC−5、雪印乳業株式会社(水分4.3%)
アスパルテーム:PAL SWEET DIET、味の素ヘルシーサプライ株式会社、純度100質量%
マルチトール:アマルティMR−100、三菱商事フードテク株式会社
粉末セルロース:KCフロックW−400G、日本製紙ケミカル株式会社
ショ糖脂肪酸エステル:リョートーシュガーエステルB−370F、三菱化学フーズ株式会社
脂肪球皮膜成分1の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:10.7%、脂質:23.8%、たんぱく質:50.9%であった。また、脂肪球皮膜成分1中、リン脂質含有量は16.6%であり、スフィンゴミエリン含有量は3.62%であった。
脂肪球皮膜成分2の組成は、乾燥物換算で、炭水化物:26.1%、脂質:43.3%、たんぱく質:21.2%であった。また、脂肪球皮膜成分2中、リン脂質含有量は33.3%であり、スフィンゴミエリン含有量は8.03%であった。
〔チュアブル錠の調製〕
実施例1〜14及び比較例1〜9
粒径の大きい原料は粉砕し、50メッシュに通したのち、表1又は表2に記載の配合組成で各原料成分を混合した。次に単発式打錠機(RIKEN製)を用いて、穴径9.5mmのリング状杵で、錠剤重量500mgで打錠し、チュアブル錠を得た。
上記で得た本発明品と比較品について官能評価を行なった。評価は、摂食時のカルニチンに由来する酸味、後に残るカルニチンに由来する酸味及び口内付着性について、下記に示す判断基準に従って専門パネル4名で先ず全てのサンプルについて評価を行い、評価が最も高かった例を「5」、評価が最も低かった例を「1」とした。次いで、その他のサンプルについて「1」〜「5」の間の5段階尺度による相対的位置づけを行い、4名の平均値をもって評点(0.5刻みで四捨五入)とした。なお、「酸味」は摂食時に主に口中で初期に感じる風味であり、「後味」は摂食後に口中に残存する風味である。また、「口内付着性」は摂食中にねとつきが生じ、口内に付着し易い感覚である。
結果を表1及び表2に示す。
〔酸味〕
実施例2を「5」、比較例7を「1」とし評価した。具体的には以下のような項目で評価した。
5:カルニチン由来の酸味を感じない
4:カルニチン由来の酸味を殆ど感じない
3:カルニチン由来の酸味を感じる
2:カルニチン由来の酸味を強く感じる
1:カルニチン由来の酸味を非常に強く感じる
〔後味〕
実施例12を「5」、比較例7を「1」とし評価した。具体的には以下のような項目で評価した。
5:酸味を全く感じず、後味が非常に良い
4:酸味を感じず、後味が良い
3:酸味を殆ど感じず、後味がやや良い
2:酸味を感じ、後味が悪い
1:酸味を強く感じ、後味が非常に悪い
〔口内付着性〕
実施例4を「5」、比較例9を「1」とし評価した。具体的には以下のような項目で評価した。
5:歯や舌への付着性が非常に弱い
4:歯や舌への付着性が弱い
3:歯や舌への付着性がわずかに強い
2:歯や舌への付着性が強い
1:歯や舌への付着性が非常に強い
Figure 0006446265
Figure 0006446265
表1及び表2から明らかなように、本発明品は比較品と比べ、摂取時から摂取後まで、カルニチンに由来する酸味が少なく、良好な風味であった。更に、本発明品は、摂食中の口内のねとつき・付着が少なかった。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)カルニチン又はその塩 6〜35質量%、
    (B)スフィンゴミエリンを2〜20質量%含有する脂肪球皮膜成分 10〜50質量%、
    を含有する固形状組成物。
  2. 固形状組成物中のリン脂質の含有量が1質量%以上である請求項1記載の固形状組成物。
  3. 固形状組成物中のスフィンゴミエリン含有量が0.3質量%以上である請求項1又は2記載の固形状組成物。
  4. 成分(A)と成分(B)の含有質量比[(B)/(A)]が0.3〜8である請求項1〜3のいずれか1項記載の固形状組成物。
  5. チュアブル錠である請求項1〜4のいずれか1項記載の固形状組成物。
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