JP6444912B2 - 鋼構造物の補強・補修構造および方法 - Google Patents
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Description
(a)鋼橋の橋床構造1は、
繰返し荷重が作用する第1部材21と、
第1部材21に接合部で接合されて第1部材21を支持する第2部材10とを有し、
(b)第2部材10の厚さ方向(図9の左右方向)の両側に設けられる一対の補強部材26と、
押付け装置30と、
固定部材17、17a、19、19aとを準備し、
(b1)各補強部材26は、
第1部材21の第2部材10に臨む面27に配置される当接支持部28と、
当接支持部28に連なり、前記面27から第2部材10に沿って遠ざかる方向(図9の下方向)に、第2部材10の途中(図9の上下方向の途中)まで延び、前記面27から異なる距離に(図9の上下に)形成される第1挿通孔39b、および第2挿通孔39a、39cを有する取付け部29とを有し、
第2挿通孔39a、39cには、固定部材17、17a、19、19aが挿通可能であり、
(b2)押付け装置30は、
一対の細長い第1および第2連結部41、46と、
第2部材10の厚さ方向の一方側(図7〜9の左方)で、第1連結部41の一端部と第2連結部46の一端部とにわたって延び、軸線まわりに回転駆動されて第1連結部41の一端部と第2連結部46の一端部とを相互に離間方向(図7〜9の上下方向)に変位駆動する第1ねじ棒44aと、
第2部材10の厚さ方向の他方側(図7〜9の右方)で、第1連結部41の他端部と第2連結部46の他端部とにわたって延び、軸線まわりに回転駆動されて第1連結部41の他端部と第2連結部46の他端部とを相互に離間方向(図7〜9の上下方向)に変位駆動する第2ねじ棒44bとを有し、
第1連結部41は、第1挿通孔39bに挿通可能であり、
(c)第2部材10に、
第1挿通孔39bに対応する位置で、第1連結部41が挿通可能な第3挿通孔37bを形成し、
第2挿通孔39a、39cに対応する位置で、固定部材17、17a、19、19aが挿通可能な第4挿通孔37a、37cを形成するとともに、
前記面27から第2部材10に沿って取付け部29よりも遠ざかった(すなわち、図9の下方の)位置で、第2連結部46が挿通可能な第5挿通孔35を形成し、
前記面27に補強部材26の当接支持部28が当接している状態では、補強部材26の第1挿通孔39bを規定する内周面の、第1部材21の第2部材10に臨む前記面27に最も近い部分(図9の最上部)39b1は、第2部材10の第3挿通孔37bを規定する内周面の前記面27に最も近い部分(図9の最上部)よりも、第1部材21の第2部材10に臨む前記面27から遠ざかって(すなわち、図9の下方に)突出するように取り付けられ、
(d)押付け装置30の第1連結部41を、第1挿通孔37bおよび第3挿通孔39bに挿通し、
第2連結部46を、第5挿通孔35に挿通し、
第1および第2ねじ棒42a、42bを前記回転駆動して、第1および第2連結部41、46を相互に離間方向(図9の上下方向)に変位駆動することによって、第2連結部46を、第2部材10の第5挿通孔35を規定する内周面の前記面27から最も遠い部分(図9の最下部)に支持して、第1連結部41によって、取付け部29の第1挿通孔39bを規定する内周面の前記面27に最も近い部分(図9の最上部)39b1を、前記面27に向けて押して(図9では、押上げて)、第1部材21の前記面27に補強部材26の当接支持部28を押付けて当接させた状態とし、
(e)前記面27に当接支持部28を押付けて当接させた状態で、第2挿通孔39a、39cと第4挿通孔37a、37cとに、固定部材17、17a、19、19aを挿通して、第2部材10に取付け部29を固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修方法である。
第1部材21は、主桁上フランジ21であり、
第2部材10は、主桁上フランジ21と、主桁ウェブ23と、主桁下フランジ22とに取付けられる垂直補剛材10であることを特徴とする請求項1に記載の鋼構造物の補強・補修方法である。
(a)鋼橋の橋床構造は、
主桁上フランジ21、主桁ウェブ23、および横桁上フランジ31にウェブギャップ板9が溶接によって接合されて構成され、
(b)ウェブギャップ板9の厚さ方向の両側に設けられる一対の補強部材26a、タッピングボルト54、および固定部材17、17a、18、18aを準備し、
(b1)各補強部材26aは、
主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む下面27に沿って配置され、タッピングボルト54が挿通する遊通孔51が形成される当接支持部28a、および
当接支持部28aに連なり、ウェブギャップ板9に沿って配置され、固定部材17、17a、18、18aが挿通可能な第1挿通孔39a、39bが形成される取付け部29aを備え、
当接支持部28aおよび取付け部29aが屈曲してL字状に形成され、
(b2)タッピングボルト54は、ボルト頭部、およびそのボルト頭部に連なるボルト軸部を有し、
(c)ウェブギャップ板9に、第1挿通孔39a、39bに対応する位置で、固定部材17、17a、19、19aが挿通可能な第2挿通孔37a、37bを形成し、
(d)主桁上フランジ21に、当接支持部28aの遊通孔51に対応する位置で、タッピングボルト54をねじ込むためのめねじ加工が施されていない下穴50を形成し、
(e)タッピングボルト54のボルト軸部を、遊通孔51を挿通して、下穴50にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成し、
タッピングボルト54を締付けることによって、主桁上フランジ21に補強部材26aの当接支持部28aがねじ接合され、これによって、補強部材26aの当接支持部28aを主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む面27に押付けて当接させた状態とし、ボルト軸部の端部は、主桁上フランジ21の上面と面一(図12、図13)であり、
(f)第1挿通孔39a、39b、および第2挿通孔37a、37bに、固定部材17、17a、19、19aを挿通して、ウェブギャップ板9に取付け部29aを固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修方法である。
(a)鋼橋の橋床構造は、
主桁上フランジ21、主桁ウェブ23、および横桁上フランジ31にウェブギャップ板9が溶接によって接合されて構成され、
(b)ウェブギャップ板の厚さ方向の両側に設けられる一対の補強部材26aを有し、
(b1)各補強部材26aは、
主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む下面27に沿って配置され、タッピングボルト54が挿通する遊通孔51が形成される当接支持部28a、および
当接支持部28aに連なり、ウェブギャップ板9に沿って配置され、固定部材17、17a、18、18aが挿通可能な第1挿通孔39a、39bが形成される取付け部29aを備え、
当接支持部28aおよび取付け部29aが屈曲してL字状に形成され、
(b2)タッピングボルト54は、ボルト頭部、およびそのボルト頭部に連なるボルト軸部を有し、
(c)ウェブギャップ板9に、第1挿通孔39a、39bに対応する位置で、固定部材17、17a、19、19aが挿通可能な第2挿通孔37a、37bが形成され、
(d)主桁上フランジ21に、当接支持部28aの遊通孔51に対応する位置で、タッピングボルト54をねじ込むためのめねじ加工が施されていない下穴51が形成され、
タッピングボルト54のボルト軸部を、遊通孔51に挿入して、下穴50にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成し、
タッピングボルト54を締付けることによって、主桁上フランジ21に補強部材26aの当接支持部28aがねじ接合され、これによって、補強部材26aの当接支持部28aを主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む面27に押付けて当接させた状態とし、ボルト軸部の端部は、主桁上フランジ21の上面と面一(図12、図13)であり、
(e)第1挿通孔39a、39b、および第2挿通孔37a、37bに、固定部材17、17a、19、19aを挿通して、ウェブギャップ板9に取付け部29aを固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修構造である。
押付け装置30は、細長い第1連結部としての連結ボルト41の外ねじが刻設された軸線方向両端部に幅調整用保持体42a,42bが装着され、各一対のナット43a,43bによって固定して位置決めされる。各幅調整用保持体42a,42bには、ねじ棒44a,44bの軸線方向一端部のそれぞれが回転自在に保持される。ねじ棒44a,44bには、可動部材45a,45bが螺着され、各可動部材45a,45bには、連結ボルト41と対を成す細長い第2連結部としてのもう1つの連結ボルト46の軸線方向両端部が螺着され、互いに連結される。各ねじ棒44a,44bの軸線方向他端部には、一直径線方向に貫通した貫通孔47a,47bが形成され、これらの貫通孔47a,47bにレバーなどの操作工具を挿入して回転操作することによって、各可動部材45a,45bはねじ棒44a,44bの軸線方向に移動し、下段の連結ボルト46が垂直補剛材10の下穴35を挿通して該下穴35を規定する内周面の前記面27から最も遠い部分である最下部に支持された状態で、上段の連結ボルト41によって各補強部材26の第1挿通孔としてのボルト挿通孔39bを規定する内周面の前記面27に最も近い部分である最上部39b1を押上げる。ステップs5で、各補強部材26の上端部である当接支持部28を主桁上フランジ21の下面27に向けて押して当接させて押上げ状態にして、垂直補剛材10が主桁上フランジ21から下方へ離反する方向へ反力を与え、これによって垂直補剛材10にプレストレスを付与する。
この補強部材26aは、断面がL字状の山型鋼から成る短尺材であり、固定部材としての第1および第2ボルト17、18、ナット17a、18aによって、当接支持部28aが主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む下面27にタッピングボルト54で押付けられて当接し、この状態で、取付け部29aがウェブギャップ板9に摩擦接合によって固定され、主桁上フランジ21とウェブギャップ板9との接合部に作用する繰返し荷重の少なくとも一部を補強部材26aが負荷するように構成される。これによって、補強部材26aを主桁上フランジ21およびウェブギャップ板9にボルト17、18、ナット17a、18aを用いて容易に取付け、接合部の亀裂の進展を防ぎ、亀裂発生箇所を補強および補修することができる。
タッピングボルト54のボルト軸部を、遊通孔51を挿通して、下穴50にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成し、タッピングボルト54を締付けることによって、主桁上フランジ21に補強部材26aの当接支持部28aがねじ接合され、これによって、補強部材26aの当接支持部28aを主桁上フランジ21のウェブギャップ板9に臨む面27に押付けて当接させた状態とし、図12、図13に明らかに示されるとおり、ボルト軸部の端部は、主桁上フランジ21の上面と面一である。
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)鋼構造物の補強・補修構造は、(a)繰返し荷重が作用する第1部材と、(b)第1部材に接合部で接合されて第1部材を支持する第2部材と(c)補強部材であって、第1部材の第2部材に臨む面に配置される当接支持部と、当接支持部に連なり、第2部材に沿って延びる取付け部とを有する補強部材と、(d)当接支持部を第1部材の前記面に押付けて当接した状態を保ったままで、第2部材に補強部材の取付け部を固定し、これによって、前記接合部に作用する繰返し荷重の少なくとも一部を補強部材で受ける固定部材とを含むことを特徴とする鋼構造物の補強・補修構造である。
(2)本発明補強部材は、当接支持部と取付け部とが屈曲して連なって構成され、ボルト頭部とそのボルト頭部に連なるボルト軸部とを有するタッピングボルトを有し、このタッピングボルトは、ボルト軸部が補強部材の当接支持部に穿設された遊通孔を挿通して第1部材のめねじ加工が施されていない下穴に、直接にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成して、第1部材と当接支持部とを締付けて当接してねじ接合する。
(3)補強部材は、当接支持部と第2部材とが屈曲して連なって構成され、ボルト頭部とそのボルト頭部に連なるボルト軸部とを有するボルトを有し、このボルトは、ボルト軸部が補強部材の当接支持部に穿設された遊通孔を挿通して第1部材のめねじ加工が施されているねじ孔に螺合して、第1部材と当接支持部とを締付けて当接してねじ接合する。
(4)固定部材は、第2部材と取付け部とをボルト接合またはリベット接合によって、固定する。
(5)鋼構造物は、鋼橋であり、第1部材は、主桁上フランジであり、第2部材は、主桁上フランジと、主桁ウェブと、横桁上フランジとに取付けられるウェブギャップ板である。
(6)鋼構造物は、鋼橋であり、第1部材は、主桁上フランジであり、第2部材は、主桁上フランジと、主桁ウェブと、主桁下フランジとに取付けられる垂直補剛材である。
(7)垂直補剛材には、ガセットを介して対傾構が接合される。
(8)鋼構造物の補強・補修方法は、繰返し荷重が作用する第1部材と、第1部材に接合部で接合されて第1部材を支持する第2部材とを有する鋼構造物の補強・補修方法において、(a)補強部材を準備する準備ステップであって、補強部材は、第1部材の第2部材に臨む面に配置される当接支持部と、当接支持部に連なり、第2部材に沿って延びる取付け部とを有する、補強部材の準備ステップと、(b)当接支持部を、第1部材の前記面に押付けて当接する押付けステップと、(c)押付けステップの押付けて当接した状態を保ったままで、第2部材に補強部材の取付け部を固定し、これによって、前記接合部に作用する繰返し荷重の少なくとも一部を補強部材で受ける固定ステップとを含むことを特徴とする鋼構造物の補強・補修方法である。
(9)補強部材は、当接支持部と取付け部とが屈曲して連なって構成され、ボルト頭部とそのボルト頭部に連なるボルト軸部とを有するタッピングボルトを準備するタッピングボルトの準備ステップを含み、押付けステップでは、タッピングボルトのボルト軸部が補強部材の当接支持部に穿設された遊通孔を挿通して第1部材のめねじ加工が施されていない下穴に、直接にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成して、第1部材と当接支持部とを締付けて当接してねじ接合する。
(10)補強部材は、当接支持部と取付け部とが屈曲して連なって構成され、ボルト頭部とそのボルト頭部に連なるボルト軸部とを有するボルトを準備するボルトの準備ステップを含み、押付けステップでは、ボルト軸部が補強部材の当接支持部に穿設された遊通孔を挿通して第1部材のめねじ加工が施されているねじ孔に螺合して、第1部材と当接支持部とを締付けて当接してねじ接合する。
(11)当接支持部を、第1部材の前記面に押付けて当接し、その反力を第2部材で受ける押付け装置を準備する押付け装置の準備ステップを含み、
押付けステップでは、押付け装置によって、当接支持部を、第1部材の前記面に押付けて当接する。
(12)補強部材は、当接支持部と第2部材とが屈曲して連なった構成であり、当接支持部には遊通孔が穿設され、第1部材にはねじ孔が形成されるので、遊通孔がねじ孔上に配置されるように、補強部材を第1部材に位置決めした状態で、ボルトのボルト軸部を遊通孔に挿入してボルトを締付けることによって、第1部材に補強部材の当接支持部がねじ接合される。これによって、補強部材の当接支持部を第1部材の第2部材に臨む面に押付けて当接させた状態とすることができ、補強部材の第1部材への取付け作業を簡素化および容易化し、取付け作業の効率を向上することができる。
(13)固定部材は、第2部材と補強部材の取付け部とをボルト接合またはリベット接合するように構成されるので、当接支持部が第1部材の第2部材に臨む面に押付けられて当接した補強部材の取付け部を、第2部材に容易にかつ迅速に接合することができ、補強部材の第2部材への取付け作業の効率を向上することができる。
(14)鋼橋の主桁上フランジとウェブギャップ板とに補強部材が接合されるので、主桁上フランジとウェブギャップ板との接合部を、補強および補修することができる。
(15)鋼橋の主桁上フランジと垂直補剛材とに補強部材が接合されるので、主桁上フランジと垂直補剛材との接合部を、補強および補修することができる。
(16)垂直補剛材にガセットを介して対傾構が接合されるので、主桁上フランジから垂直補剛材やウェブギャップ板に作用する荷重の少なくとも一部をも、補強部材によって負荷することができ、これによって確実な荷重分配を行ない、過大な応力の発生を防止することができる。
(17)鋼構造物の補強・補修方法によれば、準備ステップで、第1部材の第2部材に臨む面に配置される当接支持部と、当接支持部に連なり、第2部材に沿って延びる取付け部とを有する補強部材が準備される。準備された補強部材は、押付けステップにおいて、当接支持部が第1部材の第2部材に臨む面に押付けられて当接し、次の固定ステップに移ると、当接支持部が第1部材の前記面に押付けられて当接した状態を保ったままで、取付け部が第2部材に固定され、第1部材と第2部材との接合部に作用する繰返し荷重の少なくとも一部が負荷されるように、第1部材および第2部材に補強部材が取付けられ、接合部の亀裂の進展を防ぎ、亀裂発生箇所を補強および補修することができる。
(18)補強部材の取付け作業は、補強部材の当接支持部を第1部材の前記面に押付けて当接させた状態とし、取付け部を固定部材によって第2部材に固定すればよいので、第1部材および第2部材に対して補強部材を取付ける側から行うことができ、前記従来技術のように、第1部材を主桁とし、第2部材を垂直補剛材やウェブギャップ板としたとき、コンクリート床版などの床組や舗装を撤去する必要がなく、床組の下方の空間で補強部材の取付け作業を行うことができる。したがって、亀裂発生箇所の補強・補修作業を、車両や歩行者の通行を制限または停止せずに、実施することができる。
(19)準備ステップにおいて、タッピングボルトが準備され、押付けステップにおいて、遊通孔が下穴上に配置されるように、補強部材を第1部材に位置決めした状態で、タッピングボルトのボルト軸部を遊通孔に挿入して、タッピングボルトを締付けることによって、第1部材に補強部材の当接支持部がねじ接合される。これによって、補強部材の当接支持部を第1部材の第2部材に臨む面に押付けて当接させた状態とすることができ、補強部材の第1部材への取付け作業を簡素化および容易化し、取付け作業の効率を向上することができる。
(20)準備ステップにおいて、ボルトが準備され、押付けステップにおいて、遊通孔がねじ孔上に配置されるように、補強部材を第1部材に位置決めした状態で、ボルトのボルト軸部を遊通孔に挿入してボルトを締付けることによって、第1部材に補強部材の当接支持部がねじ接合される。これによって、補強部材の当接支持部を第1部材の第2部材に臨む面に押付けて当接させた状態とすることができ、補強部材の第1部材への取付け作業を簡素化および容易化し、取付け作業の効率を向上することができる。
(21)準備ステップにおいて、押付け装置が準備され、押付けステップにおいて、当接支持部が第1部材の第2部材に臨む面に押付けられて当接した補強部材の取付け部を、第2部材に容易にかつ迅速に接合することができ、補強部材の第2部材への取付け作業の効率を向上することができる。
2 主桁
3 横桁
4 対傾構
5 コンクリート床版
9 ウェブギャップ板
10 垂直補剛材
17 第1ボルト
17a,17b ナット
18 第2ボルト
19 第3ボルト
20 ガセット
21 主桁上フランジ
22 主桁下フランジ
23 主桁ウェブ
25 対傾構
26,26a 補強部材
27 下面
28,28a 当接支持部
29,29a 取付け部
30 押付け装置
31 横桁上フランジ
35,50,51 下穴
36 フィラープレート
Claims (4)
- (a)鋼橋の橋床構造は、
繰返し荷重が作用する第1部材と、
第1部材に接合部で接合されて第1部材を支持する第2部材とを有し、
(b)第2部材の厚さ方向の両側に設けられる一対の補強部材と、
押付け装置と、
固定部材とを準備し、
(b1)各補強部材は、
第1部材の第2部材に臨む面に配置される当接支持部と、
当接支持部に連なり、前記面から第2部材に沿って遠ざかる方向に、第2部材の途中まで延び、前記面から異なる距離に形成される第1挿通孔、および第2挿通孔を有する取付け部とを有し、
第2挿通孔には、固定部材が挿通可能であり、
(b2)押付け装置は、
一対の細長い第1および第2連結部と、
第2部材の厚さ方向の一方側で、第1連結部の一端部と第2連結部の一端部とにわたって延び、軸線まわりに回転駆動されて第1連結部の一端部と第2連結部の一端部とを相互に離間方向に変位駆動する第1ねじ棒と、
第2部材の厚さ方向の他方側で、第1連結部の他端部と第2連結部の他端部とにわたって延び、軸線まわりに回転駆動されて第1連結部の他端部と第2連結部の他端部とを相互に離間方向に変位駆動する第2ねじ棒とを有し、
第1連結部は、第1挿通孔に挿通可能であり、
(c)第2部材に、
第1挿通孔に対応する位置で、第1連結部が挿通可能な第3挿通孔を形成し、
第2挿通孔に対応する位置で、固定部材が挿通可能な第4挿通孔を形成するとともに、
前記面から第2部材に沿って取付け部よりも遠ざかった位置で、第2連結部が挿通可能な第5挿通孔を形成し、
前記面に補強部材の当接支持部が当接している状態では、補強部材の第1挿通孔を規定する内周面の、第1部材の第2部材に臨む前記面に最も近い部分は、第2部材の第3挿通孔を規定する内周面の前記面に最も近い部分よりも、第1部材の第2部材に臨む前記面から遠ざかって突出するように取り付けられ、
(d)押付け装置の第1連結部を、第1挿通孔および第3挿通孔に挿通し、
第2連結部を、第5挿通孔に挿通し、
第1および第2ねじ棒を前記回転駆動して、第1および第2連結部を相互に離間方向に変位駆動することによって、第2連結部を、第2部材の第5挿通孔を規定する内周面の前記面から最も遠い部分に支持して、第1連結部によって、取付け部の第1挿通孔を規定する内周面の前記面に最も近い部分を、前記面に向けて押して、第1部材の前記面に補強部材の当接支持部を押付けて当接させた状態とし、
(e)前記面に当接支持部を押付けて当接させた状態で、第2挿通孔と第4挿通孔とに、固定部材を挿通して、第2部材に取付け部を固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修方法。 - 第1部材は、主桁上フランジであり、
第2部材は、主桁上フランジと、主桁ウェブと、主桁下フランジとに取付けられる垂直補剛材であることを特徴とする請求項1に記載の鋼構造物の補強・補修方法。 - (a)鋼橋の橋床構造は、
主桁上フランジ、主桁ウェブ、および横桁上フランジにウェブギャップ板が溶接によって接合されて構成され、
(b)ウェブギャップ板の厚さ方向の両側に設けられる一対の補強部材、タッピングボルト、および固定部材を準備し、
(b1)各補強部材は、
主桁上フランジのウェブギャップ板に臨む下面に沿って配置され、タッピングボルトが挿通する遊通孔が形成される当接支持部、および
当接支持部に連なり、ウェブギャップ板に沿って配置され、固定部材が挿通可能な第1挿通孔が形成される取付け部を備え、
当接支持部および取付け部が屈曲してL字状に形成され、
(b2)タッピングボルトは、ボルト頭部、およびそのボルト頭部に連なるボルト軸部を有し、
(c)ウェブギャップ板に、第1挿通孔に対応する位置で、固定部材が挿通可能な第2挿通孔を形成し、
(d)主桁上フランジに、当接支持部の遊通孔に対応する位置で、タッピングボルトをねじ込むためのめねじ加工が施されていない下穴を形成し、
(e)タッピングボルトのボルト軸部を、遊通孔を挿通して、下穴にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成し、
タッピングボルトを締付けることによって、主桁上フランジに補強部材の当接支持部がねじ接合され、これによって、補強部材の当接支持部を主桁上フランジのウェブギャップ板に臨む面に押付けて当接させた状態とし、ボルト軸部の端部は、主桁上フランジの上面と面一であり、
(f)第1挿通孔、および第2挿通孔に、固定部材を挿通して、ウェブギャップ板に取付け部を固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修方法。 - (a)鋼橋の橋床構造は、
主桁上フランジ、主桁ウェブ、および横桁上フランジにウェブギャップ板9が溶接によって接合されて構成され、
(b)ウェブギャップ板の厚さ方向の両側に設けられる一対の補強部材を有し、
(b1)各補強部材は、
主桁上フランジのウェブギャップ板に臨む下面に沿って配置され、タッピングボルトが挿通する遊通孔が形成される当接支持部、および
当接支持部に連なり、ウェブギャップ板に沿って配置され、固定部材が挿通可能な第1挿通孔が形成される取付け部を備え、
当接支持部および取付け部が屈曲してL字状に形成され、
(b2)タッピングボルトは、ボルト頭部、およびそのボルト頭部に連なるボルト軸部を有し、
(c)ウェブギャップ板に、第1挿通孔に対応する位置で、固定部材が挿通可能な第2挿通孔が形成され、
(d)主桁上フランジに、当接支持部の遊通孔に対応する位置で、タッピングボルトをねじ込むためのめねじ加工が施されていない下穴が形成され、
タッピングボルトのボルト軸部を、遊通孔を挿通して、下穴にねじ込むことによって、自らねじ切りをしつつ進み、めねじを塑性変形によって形成し、
タッピングボルトを締付けることによって、主桁上フランジに補強部材の当接支持部がねじ接合され、これによって、補強部材の当接支持部を主桁上フランジのウェブギャップ板に臨む面に押付けて当接させた状態とし、ボルト軸部の端部は、主桁上フランジの上面と面一であり、
(e)第1挿通孔、および第2挿通孔に、固定部材を挿通して、ウェブギャップ板に取付け部を固定することを特徴とする鋼橋の補強・補修構造。
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