JP4555883B2 - 摩擦接合用部材及び摩擦接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建築構造物を構成する鋼板、形鋼部材、角形鋼管等の各種の鋼材を高力ボルト摩擦接合するために用いられる摩擦接合用部材及びこれを用いた摩擦接合構造に関する。
建築構造物を構成する鋼板、形鋼部材、角形鋼管等の各種の鋼材を接合する際には、例えば、スプライスプレートを用いた高力ボルト摩擦接合が広く用いられている。この高力ボルト摩擦接合では、二つの鋼材の端部を突き合わせて配置した後、これら鋼材の両面側にスプライスプレートを当接させたうえで、これら鋼材やスプライスプレートに挿通される高力ボルトを締め付けることによって、鋼材とスプライスプレートとの間に圧縮力を導入し、鋼材とスプライスプレートとの間に生じる摩擦抵抗力によって二つの鋼材間に作用する力を伝達することとしている。
ここで、図9に示すように、互いの端部を突き合わせられた鋼材101、103の板厚が異なり、いわゆる肌すきと呼ばれる板厚差に応じた厚みの隙間がある場合、二枚のスプライスプレート107のみで高力ボルト摩擦接合をすると、鋼材101、103とスプライスプレート107との間のすべり係数が低下するとともに、スプライスプレート107に座屈が生じる恐れがある。このため、この隙間をなくすために、一般には、この隙間に鋼材101、101間の板厚に応じた厚みのフィラープレート105を介装させたうえで、これら鋼材101、103、スプライスプレート107及びフィラープレート105に挿通される高力ボルト109を締め付けて、これら鋼材101、103等の間に圧縮力を導入する方法がとられている。
また、この他に、このような板厚の異なる鋼材間を高力ボルト摩擦接合するために提案されている技術としては、例えば、特許文献1に開示の技術が知られている。この特許文献1の開示技術では、板厚の厚い鋼材側に位置するスプライスプレートの板厚よりも、板厚の薄い鋼材側に位置するスプライスプレートの板厚の方が、二つの鋼材の板厚差に応じた厚みで厚くなるように切削加工により形成された特殊形状のスプライスプレートを用いて、フィラープレートを用いることなく高力ボルトによる摩擦接合が行なえるように構成している。また、この他にも特許文献1には、二つの鋼材間の突き合わせ部近傍において折り曲げ加工による折曲部が形成された特殊形状のスプライスプレートが開示されている。
特開2001−248241号公報
ところで、上述した従来技術には、下記に説明するような問題点があった。
図9に示すような態様でフィラープレート105を用いた場合は、二つの鋼材101、103の接合作業時において、接合作業に要する部品数が増大して現場施工が煩雑なものとなるため、施工性が低下してしまうという問題点があった。
また、高力ボルト摩擦接合を用いる場合、スプライスプレート107による摩擦抵抗力
を増大させるために、スプライスプレート107の表面にブラスト処理等の高摩擦化処理が施すことがある。この場合に、図9に示すようなフィラープレート105を用いる際には、フィラープレート105の両面にも同等の高コストの高摩擦化処理を施す必要があり、高摩擦化処理を施す必要のある面数が余分に増大してしまい、その分だけコスト高を招くこととなる。
また、特許文献1の開示技術は、特殊形状のスプライスプレートを得るために、切削加工や折り曲げ加工といった余計な加工工程を必要とするため、その分だけコスト高を招くこととなる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、高力ボルト摩擦接合をする際に用いられ、施工性の改善とともにコスト低減を可能とする摩擦接合用部材及びこれを用いた摩擦接合構造を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記の摩擦接合用部材及びこれを用いた摩擦接合構造を発明した。
請求項1に係る摩擦接合用部材は、互いの端部が突き合わせられた板厚の異なる二つの鋼材を高力ボルト摩擦接合するために用いられる摩擦接合用部材において、上記二つの鋼材の端部間に亘って配置され、板厚の厚い上記鋼材の表面に当接されるスプライスプレートと、上記スプライスプレートと板厚の薄い上記鋼材との間に介装され、上記スプライスプレートに対して固定されたフィラープレートとを備え、上記スプライスプレート及び上記フィラープレートは、上記高力ボルトを挿通するためのボルト孔が形成され、上記フィラープレートは、上記スプライスプレートに対してねじにより固定されていることを特徴とする。
請求項に係る摩擦接合用部材は、請求項に係る発明において、上記ねじは、その頭部が上記フィラープレートに形成されたざぐり孔内に収納されていることを特徴とする。
請求項に係る摩擦接合用部材は、請求項1又は2に係る発明において、上記フィラープレートは、上記鋼材よりも強度の高い高強度鋼から構成されていることを特徴とする。
請求項に係る摩擦接合用部材は、請求項1〜3の何れか1項に係る発明において、互いに当接される上記スプライスプレート及び上記フィラープレートの当接面に対して高摩擦化処理が施されていることを特徴とする。
請求項に係る摩擦接合用部材は、請求項1〜の何れか1項に係る発明において、上記二つの鋼材のそれぞれに対面される上記スプライスプレート及び上記フィラープレートの摩擦面に対して、アルミ溶射による高摩擦化処理が施されていることを特徴とする。
請求項に係る摩擦接合構造は、互いの端部が突き合わせられた二つの鋼材が、請求項1〜の何れか1項記載の摩擦接合用部材により高力ボルト摩擦接合されたことを特徴とする。
請求項に係る鋼材は、請求項1〜の何れか1項記載の摩擦接合用部材により高力ボルト摩擦接合されたことを特徴とする。

請求項1に係る発明は、スプライスプレートとフィラープレートとが予め固定されているため、接合作業に要する部品数を低減して現場施工を簡単なものとすることができ、施工性の改善を図ることが可能となっている。また、摩擦抵抗力の増大のために行う高摩擦化処理を施す場合に、フィラープレートについてはその外側面のみに施せば十分となるため、高摩擦化処理に要するコスト低減を図ることが可能となっている。また、切削加工や折り曲げ加工といった加工工程が必要とならず、製作時におけるコスト低減を可能としている。
本発明に係る摩擦接合用部材により高力ボルト接合された鋼材の構成を示す側面図である。 本発明に係る摩擦接合用部材により高力ボルト接合された鋼材の構成を示す上面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1の部分拡大図である。 (a)は摩擦接合用部材の組み立て前の構成を示す分解斜視図であり、(b)はその組み立て後の構成を示す斜視図である。 (a)は図5に示す摩擦接合用部材についての部分断面側面図であり、(b)、(c)はそれぞれ(a)の摩擦接合用部材とは異なる実施形態の摩擦接合用部材についての部分断面側面図である。 鋼材の両面に摩擦接合用部材を用いた摩擦接合構造の構成を示す側面図である。 一面摩擦接合構造による摩擦接合構造の構成を示す側面図である。 従来技術について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態として、互いの端部が突き合わせられた板厚の異なる二つの鋼材を高力ボルト摩擦接合するために用いられる摩擦接合用部材及びこれを用いた摩擦接合構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係る摩擦接合用部材5により二つの鋼材1、3が高力ボルト摩擦接合された摩擦接合構造10の構成を示す図であり、図1はその側面図であり、図2はその上面図であり、図3は図1のA−A線断面図であり、図4は図1の部分拡大図である。
本発明に係る摩擦接合用部材5により摩擦接合される二つの鋼材1、3は、建築構造物を構成するH形鋼、山形鋼、溝形鋼、T形鋼等の形鋼部材や、鋼板、角形鋼管等の鋼材から構成されるものである。これらの二つの鋼材1、3は、図1〜図3に示すように、本実施形態において、ウエブ11、31とこれらの上下端に設けられたフランジ13、33とから略H字状に形成されたH形鋼から構成されている。
これらの鋼材1、3は、図1に示すように、互いの長手方向の端部1a、3aが突き合わせられて配置されており、板厚が異なるものとして構成されている。本実施形態において、具体的には、図中右側の鋼材1のフランジ13よりも、これらに突き合わせられた図
中左側の鋼材3のフランジ33の方が板厚が薄いものとして構成されており、それぞれの鋼材1、3のウエブ11、31については同一の板厚から構成されている。
これらの鋼材1、3は、それぞれのフランジ13、33の外側面13a、33aが略同一平面上に位置するように配置されており、それぞれのフランジ13、33の内側面13b、33bの間に、いわゆる肌すきと呼ばれる板厚差が生じていることになる。
これらの鋼材1、3は、本実施形態において、それぞれのウエブ11、31やフランジ13、33がスプライスプレート7及び摩擦接合用部材5を用いて高力ボルト9によって二面摩擦接合されている。ウエブ11、31については、図3に示すように、両面ともに鋼板からなるスプライスプレート7を用いて摩擦接合されており、フランジ13、33については、図1に示すように、その外側面13a、33aにスプライスプレート7を用い、その内側面13b、33bに摩擦接合用部材5を用いて二面摩擦接合されている。
図5(a)は、摩擦接合用部材5の組み立て前の構成を示す分解斜視図であり、図5(b)は、摩擦接合用部材5の組み立て後の構成を示す斜視図である。また、図6(a)は、図5に示す摩擦接合用部材5の部分断面側面図である。
摩擦接合用部材5は、図5、図6(a)に示すように、スプライスプレート51と、スプライスプレート51に対してねじ59により固定されたフィラープレート53とを備えている。スプライスプレート51及びフィラープレート53は、何れも平板状の鋼板から構成されており、フィラープレート53の長手方向長さの方が短く構成されているとともに、それぞれの幅方向長さが略同一のものとして構成されている。フィラープレート53は、スプライスプレート51の長手方向の一端側に配置されて固定されている。
フィラープレート53は、高力ボルト摩擦接合時の接合対象となる鋼材1、3間の板厚差に応じた厚みに形成されており、本実施形態においては、鋼材1、3間の板厚差と同じ厚みに形成されている。フィラープレート53の厚みは、鋼材1、3間の板厚差をなくすために設けられるものであるため、鋼材1、3間の板厚差に近いほど好ましいが、鋼材1、3間の板厚差に対して1mm以内の厚みの差が生じていても許容される(日本建築学会
編、建築工事標準仕様書 JASS6 鉄骨工事、P34参照。)。
スプライスプレート51及びフィラープレート53は、それぞれに高力ボルト9を挿通するためのボルト孔55が形成されており、更に、それぞれにねじ59を螺合可能とするための雌ねじ孔57が形成されている。摩擦接合用部材5は、スプライスプレート51及びフィラープレート53のそれぞれに形成されたボルト孔55、雌ねじ孔57の位置を合致させるようにこれらを配置した後、ねじ59をそれぞれの雌ねじ孔57内に螺合させることによって製作されている。なお、ねじ59として、タッピングねじやドリルねじを用いることによってねじ切り加工や下穴加工を省略してもよいのは勿論である。このように、本発明に係る摩擦接合用部材5は、切削加工や折り曲げ加工といった加工工程が必要とならず、製作時におけるコスト低減を可能としている。
ねじ59は、図6(a)に示すように、スプライスプレート51の外側面51cからその頭部が突出しており、更に、摩擦接合時に邪魔とならないように、フィラープレート53の外側面53aからその軸端部が突出しないよう軸方向長さが調整されている。ねじ59は、スプライスプレート51及びフィラープレート53を支圧接合するために用いられるものであり、支圧接合可能となる程度に締め付けられていればよい。
このような摩擦接合用部材5により構成される本発明に係る摩擦接合構造10では、図1、図4に示すように、摩擦接合用部材5のスプライスプレート51が、二つの鋼材1、
3の端部1a、3a間に亘って配置されるとともに、板厚の厚い鋼材1の表面であるフランジ13の内側面13bに当接され、更に、フィラープレート53が、スプライスプレート51と板厚の薄い鋼材3との間に介装されて配置されるとともに、その外側面53aが板厚の薄い鋼材3の表面であるフランジ33の内側面33bに当接されている。摩擦接合用部材5のスプライスプレート51及びフィラープレート53に形成されたボルト孔55には、鋼材1、3のフランジ13、33の外側面13aに当接されたスプライスプレート7及びこれらの鋼材1、3に予め形成されたボルト孔41とともに高力ボルト9が挿通されたうえでナット9aが螺合される。高力ボルト9及びナット9aが締め付けられることによって、鋼材1、3、スプライスプレート7及び摩擦接合用部材5の間に圧縮力が導入されることになる。
次に、本発明に係る摩擦接合用部材5の作用効果について説明する。
本発明に係る摩擦接合用部材5によれば、接合対象となる鋼材1、3間に肌すきとよばれる板厚差がある場合でも、摩擦接合用部材5のフィラープレート53によってその板厚差をなくすようにできるため、すべり係数の低下やスプライスプレート107の座屈の恐れをなくしつつ高力ボルト摩擦接合ができる。
特に、本発明に係る摩擦接合用部材5は、スプライスプレート51とフィラープレート53とが予め固定されているため、接合作業に要する部品数を低減して現場施工を簡単なものとすることができ、施工性の改善を図ることが可能となっている。
また、本発明に係る摩擦接合用部材5は、図4に示すように、他の部材と接触しているフィラープレート53の両面の外側面53a、内側面53bのうち、高力ボルト摩擦接合に寄与している摩擦面が鋼材3に当接されている外側面53aのみとなっており、内側面53b側での応力伝達は摩擦接合ではなくねじ59による支圧接合で行っている。このため、摩擦抵抗力の増大のために行う高摩擦化処理を施す場合に、フィラープレート53についてはその外側面53aのみに施せば十分となるため、高摩擦化処理に要するコスト低減を図ることが可能となっている。
なお、摩擦接合用部材5のフィラープレート53aの外側面53aや、図4に示す鋼材1に当接されているスプライスプレート51の長手方向一端側の内側面51aのような、二つの鋼材1、3のそれぞれに対面され、摩擦接合に寄与している摩擦面には必要に応じて高摩擦化処理が施されていてもよい。この高摩擦化処理の例としては、これら鋼板表面に赤さび面処理やブラスト処理を行う、プレス加工又は圧延により鋼板表面に微細な波形凹凸を形成する、若しくはこれら鋼板表面にプラズマ溶射、ガスフレーム溶射、アーク溶射によりアルミ等の金属やセラミックスを溶射する方法等が挙げられる。
このうち、アルミの溶射による高摩擦化処理は、他の高摩擦化処理と比較して、すべり時に摩擦抵抗力が急激に低下せず、すべりに対する変形追従性の高いことが知られている。本発明に係る摩擦接合構造10は、スプライスプレート51とフィラープレート53との間の応力伝達が支圧接合によるものであるため、摩擦接合用部材5と鋼材1、3との間で相対的なずれ動きが生じえる構造とされている。このため、摩擦接合に寄与している摩擦面には、アルミ溶射による高摩擦化処理を施すことが好ましく、これによって、すべり時にも安定して鋼材1、3間での応力伝達を行うことができる。なお、本実施例では、すべりに対する変形追従性の高い溶射金属としてアルミニウムを示したが、銅を含むアルミニウム合金などアルミニウム以外の金属であってもよい。
次に、本発明に係る摩擦接合用部材5の他の実施形態について説明する。
図6(b)及び図6(c)は、それぞれ図6(a)に示す摩擦接合用部材5とは異なる実施形態の摩擦接合用部材5の構成を示す部分断面側面図及び側面図である。
図6(b)に示す摩擦接合用部材5は、図6(a)における摩擦接合用部材5のフィラープレート53に形成されていた雌ねじ孔57の代わりに、フィラープレート53にざぐり孔61が形成されている。このざぐり孔61は、ねじ59をスプライスプレート51の雌ねじ孔57内に螺合させた後に、ねじ59の頭部63がフィラープレート53の外側面53aよりも内側に収まって収納可能となるように形成されるものである。
これにより、フィラープレート53の支圧耐力を向上させることが可能となる。即ち、一般には、フィラープレート53はスプライスプレート51よりも板厚が薄くなり、更に、フィラープレート53の外側面53aからねじ59の端部を突出させないため、設計上はフィラープレート53の雌ねじ孔57の板厚方向長さよりこれに螺合されるねじ57の軸方向長さが短くなる傾向がある。このため、図6(a)に示すようにしてねじ59により接合すると、フィラープレート53の支圧耐力が不足し易くなってしまう。これに対して、図6(b)のように、ざぐり孔61内にねじ59の頭部63が収納されるようにすれば、ねじ59の軸部よりも軸径の大きい頭部63により支圧接合に寄与する支圧面積が増大することになり、これをもってフィラープレート53の支圧耐力が向上することとなる。
この場合に、ねじ59の頭部63及びざぐり孔61の形状は、略載頭円錐形状に形成された皿ねじ及び皿穴とすることが好ましく、これによって、ねじ59の締め付け後の締め付け状態が安定することになる。なお、ねじ59の頭部63やざぐり孔61の形状はこれに限定されず、例えば、円柱状に形成されていてもよい。
また、フィラープレート53は、そのざぐり孔61内にねじ59の頭部63を収納させるために、その板厚がねじ59の頭部63の高さよりも大きい必要がある。本発明においては、ねじ59の頭部63の高さとして6mm以上のものを使用することが望ましいことから、フィラープレート53は、その板厚を6mm以上とすることが望ましい。なお、頭部63の高さが6mm以上のねじは、ねじ径でいうとM10以上のねじとなる。
図6(c)に示す摩擦接合用部材5は、図6(a)における摩擦接合用部材5の雌ねじ孔57やねじ59を省略して、フィラープレート53がスプライスプレート51に対して接着により固定されるようにしたものである。この場合、接着による接合面となる、フィラープレート53の内側面53bとスプライスプレート51の長手方向他端側の内側面51bとに、固体状、液体状若しくはテープ状の接着剤が塗布、貼り付け等されて、これらが互いに接着されることになる。この場合に用いられる接着剤は、鋼材同士を接合可能な公知の構造用接着剤であれば特に限定しない。
これにより、図6(a)に示すような雌ねじ孔57のためのねじ切り加工、下穴加工が不要となり、更なるコスト低減を図りつつ、本発明所期の効果を発揮させることが可能となる。なお、この場合、フィラープレート53とスプライスプレート51との間の力の伝達は、ねじ59を介して行われるのではなく接着剤を介して行われることになる。
また、本発明に係る摩擦接合用部材5のフィラープレート53は、ねじ59と接着との両方によってスプライスプレート51に固定されていてもよいのは勿論である。この場合、摩擦接合用部材5の製作時において、スプライスプレート51とフィラープレート53とを予め仮止めのために接着しておき、その後にねじ59のためのねじ切り加工、下穴加工を行うことが可能となり、これによって、摩擦接合用部材5の製作作業を容易にして製作性を向上させることができる。
因みに、フィラープレート53は、一般に、接合対象となる鋼材1、3と同程度の強度をもつ材質の鋼材から構成されていることから、フィラープレート53の支圧耐力を向上させるために、鋼材1、3よりも強度の高い高強度鋼から構成されるようにしていてもよい。
また、本発明においては、スプライスプレート51とフィラープレート53との間に生じる力が、ねじ59の支圧接合により伝達可能とされているが、高力ボルト9及びナット9aが締め付けられることによって、鋼材1、3、スプライスプレート7及び摩擦接合用部材5の間に導入される圧縮力を期待すれば、スプライスプレート51とフィラープレート53との間での応力伝達を摩擦接合によって行うこともできる。この場合、これらの互いに当接される当接面である、図6(a)に示すフィラープレート53の内側面53bとスプライスプレート51の長手方向他端側の内側面51bとに対して、上述した各種の高摩擦化処理が施されていてもよい。これにより、ねじ59の本数を減らすことができる。
また、本発明に係る摩擦接合構造10は、図1に示すように、鋼材1、3の内側面であるフランジ13、33の内側面13b、33bのみに摩擦接合用部材5を用いて構成される場合の他に、図7に示すように、鋼材1、3の両面について、即ち、フランジ13、33の外側面13a、33aと内側面13b、33bとの両面で二つの摩擦接合用部材5を用いて構成されていてもよい。この場合、各フィラープレート53の厚みは、二枚のフィラープレート53の厚みを足したものが、鋼材1、3間の板厚差に近くなるように調整されていればよい。また、摩擦接合構造10は、鋼材1、3の外側面のみに摩擦接合用部材5を用いて構成されていてもよいのは勿論である。
また、本発明に係る摩擦接合構造10は、図1に示すように、スプライスプレート7と摩擦接合用部材5とを用いた二面摩擦接合により構成される場合の他に、図8に示すように、フランジ13、33の外側面13a、33aのスプライスプレート7を省略して摩擦接合用部材5のみを用いた一面摩擦接合構造により構成されていてもよい。この場合、鋼材1、3の外側面であるフランジ13、33の外側面13a、33aへの出っ張りを抑えることができるというメリットがある。
また、本発明に係る摩擦接合用部材5及びこれを用いた摩擦接合構造10は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更等されていてもよいのは勿論である。
また、一般に、スプライスプレートを用いた高力ボルト摩擦接合を柱継手、梁継手として用いる場合、材軸方向のボルト列数とスプライスプレート幅方向のボルト数との積の範囲は、2×2〜12×2とされ、ボルト径の範囲はM16〜M22とされ、スプライスプレートの板厚は9〜16mmとされたものを使用することが一般的であることから、本発明においても各構成要素はこれらに準じた寸法のものを使用することとしてもよい。
1、3 鋼材
1a、3a 端部
5 摩擦接合用部材
7 スプライスプレート
9 高力ボルト
9a ナット
10 摩擦接合構造
11、31 ウエブ
13、33 フランジ
41 ボルト孔
51 スプライスプレート
53 フィラープレート
55 ボルト孔
57 雌ねじ孔
59 ねじ
61 ざぐり孔

Claims (7)

  1. 互いの端部が突き合わせられた板厚の異なる二つの鋼材を高力ボルト摩擦接合するために用いられる摩擦接合用部材において、
    上記二つの鋼材の端部間に亘って配置され、板厚の厚い上記鋼材の表面に当接されるスプライスプレートと、
    上記スプライスプレートと板厚の薄い上記鋼材との間に介装され、上記スプライスプレートに対して固定されたフィラープレートとを備え、
    上記スプライスプレート及び上記フィラープレートは、上記高力ボルトを挿通するためのボルト孔が形成され
    上記フィラープレートは、上記スプライスプレートに対してねじにより固定されていること
    を特徴とする摩擦接合用部材。
  2. 上記ねじは、その頭部が上記フィラープレートに形成されたざぐり孔内に収納されていること
    を特徴とする請求項記載の摩擦接合用部材。
  3. 上記フィラープレートは、上記鋼材よりも強度の高い高強度鋼から構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の摩擦接合用部材。
  4. 互いに当接される上記スプライスプレート及び上記フィラープレートの当接面に対して高摩擦化処理が施されていること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の摩擦接合用部材。
  5. 上記二つの鋼材のそれぞれに対面される上記スプライスプレート及び上記フィラープレートの摩擦面に対して、アルミ溶射による高摩擦化処理が施されていること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の摩擦接合用部材。
  6. 互いの端部が突き合わせられた二つの鋼材が、請求項1〜の何れか1項記載の摩擦接合用部材により高力ボルト摩擦接合されたこと
    を特徴とする摩擦接合構造。
  7. 互いの端部が突き合わせられた複数の鋼材であって、請求項1〜の何れか1項記載の摩擦接合用部材により高力ボルト摩擦接合されたこと
    を特徴とする鋼材。
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