JP6444683B2 - 接線型密閉式ゴム混練機 - Google Patents

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Description

本発明は、混練技術に係る接線型密閉式ゴム混練機に関する。
現在、天然ゴム又は合成ゴムと、カーボンブラック、シリカ、可塑剤、老化防止剤又は加硫系配合薬品といった様々な配合薬品との混練が密閉式混練機にて実施されている。
密閉式ゴム混練機としては一般に、噛み合い型密閉式ゴム混練機であるインターミックス(三菱重工製)や、接線型密閉式ゴム混練機であるバンバリーミキサー(神戸製鋼製)やモリヤマ加圧式ニーダー(日本スピンドル製)などが広く使用されている。
このようなゴムの混練においては、カーボンブラック等の配合薬品の凝集塊を破壊する力が必要とされるが、特に、粒径の小さなシリカやカーボンブラック等の高補強性補強剤を配合したアクリルゴムやブチルゴムなどの低粘度のポリマーを使用した材料の場合、カーボンブラック等の凝集塊の破壊や分散のために大きな破壊力が必要とされる一方で、その破壊力の源となるポリマーの粘度が小さいため、カーボンブラック等の補強剤の混練が難しく、混練時間に長時間を要したり、あるいは、充分なゴムの引張り強さを得ることが出来ない等、生産性やゴム材料の品質の低下を免れ得ない。
上記問題に対し、上記バンバリミキサーやモリヤマ加圧式ニーダーなどの接線型密閉式ゴム混練機においては、これまで、食い込み角度(Leading Angle,Front Angle)や捩じり角度(Twist Angle)といった混練機のブレード形状や、ブレードの数、あるいはチップクリアランス(混練ブレード先端と混練槽内壁の間の隙間)などについて種々の検討が実施されてきた。
しかしながら、これらの検討にて比較評価されている混練ブレードの寸法に定量的な関連が無かったり、評価対象が、混練されたゴムにおけるカーボンブラックの分散状態や混練エネルギーあるいは混練機内のゴム生地の流動や配合剤の混合度合いに偏っていて、混練速度に関する評価は稀である。
このため、生産性やゴム材料品質に関する混練工程ニーズを十分に満足するための混練ブレードの形状が必ずしも明確にされたわけではなく、また、量産の混練工程ではアクリルゴムやブチルゴムの混練に30分以上の時間を費やすことがあるなど、現在の接線型密閉式ゴム混練機には改良の余地が残されている。
特開昭59−31369号公報
ProcessingConditions in The Batch-Operated Internal Mixer H.Palmgren著 RubberChemistry and Technology Vol.48(1975)P462〜494 充てん剤系加硫ゴムの構造と力学的刺激による構造変化 藤本邦彦、西俊夫著 ゴム協会誌 第43巻 P465〜476 混練り過程における構造、物性安定化と三次元応力疲労に関する研究 藤本邦彦、今井啓二著 ゴム協会誌 第65巻 P529〜541 Scale-upof Internal Mixers I.ManasZloczower 著 RubberChemistry and Technology Vol.57(1984)P48〜54 DispersiveMixing in Internal Mixers- ATheoretical Mode Based on Agglomerate Rupture I.ManasZloczower ,A.Nir and Z.Tadmor 著 RubberChemistry and Technology Vol.55(1994)P1250〜1285
本発明は以上の点に鑑みて、ゴム混練工程において、その生産性を向上することができる接線型密閉式ゴム混練機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による接線型密閉式ゴム混練機は、混練槽内に回転駆動するローターを備えるとともに前記ローターの周面上に混練作動する混練ブレードを備える接線型密閉式ゴム混練機において、前記混練ブレードのブレード回転方向前面近傍におけるゴム材料の旋回運動に伴う伸長変形を促進すべく前記混練ブレードの食い込み角度を55度を超え90度未満の角度としたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2による接線型密閉式ゴム混練機は、上記した請求項1記載の接線型密閉式ゴム混練機において、混練ブレード先端及び混練槽内壁間のチップクリアランスを1mm以上で3mm以下のクリアランスとしたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3による接線型密閉式ゴム混練機は、上記した請求項1又は2記載の接線型密閉式ゴム混練機において、混練ブレードの軸方向長さをローターの軸方向長さ対比65%以上で95%以下の長さとしたことを特徴とする。
更にまた、本発明の請求項4による接線型密閉式ゴム混練機は、上記した請求項1、2又は3記載の接線型密閉式ゴム混練機において、混練ブレードの捩じり角度を45度未満で5度以上の角度としたことを特徴とする。
本発明は、上記従来の接線型密閉式ゴム混練機における生産性、特に混練速度に関する問題点を克服するための手段を鋭意検討した結果、
(a)ポリマーの性状(流入圧損)と、混練状態(混練電力曲線、混練電気量)と、混練速度(BITまでのバウンドラバーの成長速度)の関連付けによる混練メカニズムの推定
(b)混練ブレード近傍におけるゴム生地の流れと変形状態の観察による混練作用の確認
(c)混練メカニズムに基づく、ブレード形状の混練速度に対する影響の検証
といった検討を通して、特に、粒径の小さなシリカやカーボンブラック等の高補強性補強剤を配合したアクリルゴムやブチルゴムなどの低粘度のポリマーを使用した材料など、難混練性材料の混練速度を改善せしめる混練ブレードの食い込み角度(Leading Angle,Front Angle)、チップクリアランス、長さ及び捩り角度(Twist Angle)といった接線型密閉式ゴム混練機の混練ブレード形状を提案するものであって、具体的には混練ブレードのブレード回転方向前面近傍におけるゴム材料の旋回運動(混練ブレード回転方向とは逆方向のゴム生地の回転と、混練ブレードの捩じり角度に沿った混練ブレード軸方向の流動)に伴う伸長変形を促進するため、以下の構成を備えることを提案する。
(1)混練ブレードの食い込み角度が、55度を超え90度未満である混練ブレードを装備すること。
混練ブレードの食い込み角度が55度以下の場合は、混練ブレード前面近傍のゴム材料の流れが剪断流に近くなり、回転運動が損なわれることで混練作用が損なわれる。また混練ブレードの食い込み角度が90度以上の場合は、ブレード先端の摩耗が大きくなり、混練ブレード形状の維持が難しくなる。
(2)混練ブレード先端及び混練槽内壁間のチップクリアランスが、1mm以上で3mm以下であること。
チップクリアランスが1mm未満の場合は、混練ブレード先端と混練槽内壁との接触による混練ブレードや混練槽内壁の摩耗や、ゴム生地中への金属異物混入の原因となり、チップクリアランスが3mmを超えると、ゴム生地のチップクリアランス通過量が増加してしまうため、混練ブレード前面近傍におけるゴム生地の滞在時間が短くなり、ゴム材料の旋回運動や、それに伴う伸長変形量が少なくなって混練作用が損なわれる。
(3)混練ブレードの軸方向の長さが、ローターの軸方向の長さの65%以上で95%以下であること。
混練ブレードの軸方向の長さがローターの軸方向の長さの65%未満の場合は、混練ブレード前面におけるゴム生地の滞在時間が短く、ゴム材料の旋回運動や、それに伴う伸長変形量が少なくなって混練作用が損なわれる。一方で、混練ブレードの軸方向の長さがローターの軸方向の長さの95%を超えると、ブレード末端開口部へのゴム生地の流入圧損が大きくなり、単純混合の効率が低下したり、ブレード軸端面方向のチャンバー内壁の異常摩耗といった不具合を発生させる。
(4)混練ブレードの捩じり角度が、45度未満で5度以上であること。
混練ブレードの捩じり角度が45度以上の場合は、混練ブレード前面近傍のゴム材料の混練ブレード軸方向の流れが促進されるため、混練ブレード前面近傍におけるゴム生地の滞在時間が短くなり、ゴム材料の旋回運動や、それに伴う伸長変形量が少なくなって混練作用が損なわれる。一方で、混練ブレードの捩じり角度が5度未満の場合は、混練ブレード前面近傍のゴム材料の、混練ブレード軸方向の流れが損なわれ、単純混合の効率が低下する。
(5)その他、混練ブレードの数を増やすことによっても、目的とする混練ブレード回転方向前面近傍のゴム材料の旋回運動に伴う伸長変形の絶対量を増加させることが可能となる。
本発明では、上記構成のブレード形状を備えることによって、ゴム材料の混練作用、換言すると、ゴムに配合された補強剤の周辺に形成される準ガラス状態相の形成が大きく促進され、混練時間の短縮が可能となる。したがって本発明所期の目的どおり、ゴム混練工程において、その生産性を向上することができる。
本発明の実施例に係る接線型密閉式ゴム混練機の構成説明図 同接線型密閉式ゴム混練機に備えられるローター及び撹拌ブレードの斜視図 ゴム材料の混練作用の説明図 カーボンブラック充填ゴムの不均一構造の説明図 C相:準ガラス状態相容積比とゴム硬度の関係を示すグラフ図 混練速度への影響及びBITまでの平均瞬間電力への影響を示すグラフ図 生地ブロックの混練状態を示す写真図 ブレード混練部における生地の流れ和示す説明図 生地ブロックの混練状態を示す写真図 混練ブレードの準ガラス状態相成長速度の示すグラフ図
本発明は上記したように、また図1及び図2に示すように、
(1)混練槽11内に回転駆動するローター12を備えるとともにローター12の周面上に混練作動する混練ブレード13を備える接線型密閉式ゴム混練機10において、混練ブレード13のブレード回転方向前面近傍における混練材料の旋回運動に伴う伸長変形を促進すべく混練ブレード13の食い込み角度θを55度を超え90度未満の角度としたこと、
(2)混練ブレード13の先端及び混練槽11の内壁間のチップクリアランスcを1mm以上で3mm以下のクリアランスとしたこと、
(3)混練ブレード13の軸方向長さLをローター12の軸方向長さL対比65%以上で95%以下の長さとしたこと、
(4)混練ブレード13の捩じり角度θを45度未満で5度以上の角度としたこと
を特徴とする。そこで、本発明をなすに至った経緯及び考察について以下、説明する。
(1)混練作用と混練速度の定義
ゴム材料の混練作用は、H.Palmgren(特許文献2)によって、「細片化(Subdivision)」「混入(Incorporating)」「分散(Dispersion)」「単純混合(Simple Mixing)といった工程(図3)を経るとされているが、これらの複数のプロセスを対象として混練速度を議論することは、非常に困難である。
一方で、藤本(特許文献3,4)が「カーボンブラック充填ゴムの不均一構造モデル」(図4)として提唱しているように、ゴム材料の母体が、カーボンブラックとA相:ゴム状態相、B相:集団架橋分子相、C相:準ガラス状態相によって構成されるとするならば、混練過程のいくつかのプロセスを、便魏的に「C相:準ガラス状態相の形成」といった、一つの混練作用として扱うことが可能と考えられる。
このC相:準ガラス状態相の形成を混練速度として評価するためには、その容積を推定する必要がある。
このため、以下の仮定の基に、HAF、FEF、SRF、サーマル級など、種々のカーボンブラックを配合した種々のゴム材料のゴム硬度の実測値から、それぞれのゴム材料についてC相:準ガラス状態相の容積比を推定した。
a.ゴム母体全体のゴム硬度と、ゴム母体を構成する各要素の硬度と容積比の間に加成性が成り立つ。
b.カーボンブラックとC相:準ガラス状態相の硬さは、ゴム硬度とした場合100ポイントとみなし、A相:ゴム状態相とB相:集団架橋分子相の硬さは、カーボンブラックを含まない準ゴムの硬度とみなす。
結果は、図5に示される通りで、カーボンブラックの種類や配合量に大きな影響を受けることなく、ゴム材料のポリマー種毎に、C相:準ガラス状態相の容積比とゴム硬度の間に非常に良好な相関関係を得ることができた。
このC相:準ガラス状態相の容積比は、ゴム硬度の相関関係の他、ゴム材料の引張り強さや、ゴム混練時の消費電力量や、BITまでの混練時間との相関があり、藤本が提唱している「カーボンブラック充填ゴムの不均一構造モデル」の、ゴム材料の母体のモデルとしての適切さを示していると考えられるが、これをベースとして、C相:準ガラス状態相の形成を混練作用として取り扱い、共通性や普遍的な混練速度を定義することが可能と考え、混練速度を
混練速度=C相:準ガラス状態相の容積/BIT(Black Incorporation Time)
と定義して、以降の検討における評価尺度とした。
(2)混練速度に対するポリマーの性状(流入圧損)と混練状態(混練電力)との関連
上記にて、混練速度をC相:準ガラス状態相の成長速度と定義した。
一方で、混練作用は、I.Manas(特許文献5,6)らによって、二次凝集塊の破壊作用として紹介されていて、凝集塊の破壊が、ポリマーの粘度に比例するパラメーターZに依存し、流動力学的な外力によって混練作用がもたらされるとされているが、とするならば、上記にて定義した混練速度も、ポリマー粘度やポリマー粘度に起因し、混練時の瞬間電力として観測される外力との相関を持っているものと考えられる。
また、この外力の源は、ポリマーが受ける剪断作用を源とする剪断粘度と、ポリマーの伸長作用を源とする伸長粘度の二種類のものを挙げることが出来、混練作用に対して、このどちらが貢献するのかを確認出来れば、混練されるゴム生地に与えるべき変形を明確にすることが出来、更には、混練にとって適切な混練ブレードの形状を推定することが可能と考えられる。
この確認のため、伸長粘度や剪断粘度の異なる種々のEPDMポリマーを評価対象とした混練実験によって、混練速度と混練時の電力との関連、および、混練時の電力と、EPDMポリマーの剪断粘度や伸長粘度との関連の確認を試みた。
ちなみに、伸長粘度は、キャピラリー粘度計にて測定される流入圧損におきかえ、また剪断粘度は、剪断速度200(1/s)を乗じて剪断応力として評価した。
結果を図6(A)(B)(C)に示す。
図6(A)は、BITまでの平均瞬間電力(BITまでの積算電力量を、BITまでの時間(sec)にて除した値)が大きいほど、混練速度(BITまでのC相:準ガラス状態相の成長速度)が速くなることを示していて、混練過程においてゴム生地に加わる外力が大きいほど、混練速度が速くなることを示している。
この混練過程においてゴム生地に加わる外力の源としては、剪断応力と流入圧損の二つが考えられ、図6(B)と図6(C)は、剪断応力とBITまでの平均瞬間電力、および流入圧損とBITまでの平均瞬間電力の相関関係を示しているが、図6(C)にて示されている流入圧損とBITまでの平均瞬間電力との相関関係が、図6(B)の剪断応力とBITまでの平均瞬間電力の相関関係に比較して非常に良好であることから、流入圧損、言い換えると伸長粘度を源とする外力が、混練速度に対して大きく影響するものと考えられる。
(3)混練ブレード近傍におけるゴム生地の流れと変形状態の観察による混練作用の確認
以上にて、混練作用や混練速度に大きく影響する外力の源が、伸長粘度(流入圧損)であることを確認した。
このため、接線型密閉式混練機の混練槽内におけるゴム生地の変形状態を知ることが出来れば、ゴム生地の伸長作用を増進するための混練ブレード形状設計も可能と考えられるが、これまでの評価は、混練槽内の、ゴム生地の伸長変形を暗示しているものの、ゴム生地の伸長変形の状態や、混練機内のロケーションを明確に示す検討とはなっていない。
このため、伸長変形の確認を目的として、色彩ゴムの混練機内による生地変形状態の確認を試みた。
図9(A)〜(H)は、赤、緑、青、黄色、白、黒の1cm四方の立方体の生地を、図7(A)のように組み合わせた生地ブロックを、混練機内を一回通過することで変形した生地の断面写真図で、混練ブレードに対する相対的な位置関係の概略を図8に示す。
また、それぞれの生地断面には、混練ブレード接触面と混練ブレード接触面近傍の生地の流動方向を矢印にて示した。
これらの写真は、
a.混練ブレード前面にて、混練ブレードの回転方向とは、逆の方向へ回転している。
b.混練ブレード前面近傍にて大きく伸長されている。
c.接触している混練ブレードが変わると、生地回転方向が変わるため、位置jの図9(E)の破線で示される様な生地捻じれによる断層や、位置k,m,oの図9(F)(G)(H)に観られるような、方向が全く逆の二つの流れの共存が見られる。
これ等の写真図で示された生地は、混練ブレードの軸方向にも移動していると考えられるため、全体としては螺旋状に旋回していると考えられるが、この旋回流の中に、大きな伸長作用のあることが確認された。
この伸長作用が、混練作用を促進する外力の源と考えられる。
以上の
(1)混練過程のいくつかのプロセスを、便魏的に「C相:準ガラス状態相の形成」といった、一つの混練作用として扱うことが可能と考えられる、
(2)混練速度=C相:準ガラス状態相の容積/BIT(Black Incorporation Time)として定義できる、
(3)BITまでの平均瞬間電力(言い換えると混練のための外力)が大きいほど、C相:準ガラス状態相成長速度(混練速度)が速く、ポリマー流入圧損が大きいほどBITまでの平均瞬間電力が大きいことから、ポリマーの伸長作用が混練作用の源であると判定できる、
(4)混練機内では、ブレード前方における旋回流と、ブレード間の生地回転方向の逆転の中に、大きな伸長作用のあることが確認できる、
ことより、接線型密閉式混練機における混練速度向上が期待できる混練ブレード形状は、ブレード前面におけるゴム生地の旋回運動によって引き起こされるゴム生地の伸長作用を増進出来る形状と考えられ、ゴム生地のブレード前面の滞在時間を増加させることのできる形状と考えられる。
具体的には、
a.混練ブレード末端の開口率が小さい(混練槽のローターの軸方向の長さに対する、ブレードの長さの比が大きな)混練ブレード、
b.食い込み角度(Leading Angle, Front Angle)が大きな混練ブレード、
c.捩じり角度(Twist Angle)が小さな混練ブレード、
d.チップクリアランスの小さな混練ブレードといった混練ブレード、
となる。
(4)混練メカニズムに基づく、ブレード形状の混練速度に対する影響の検証
以上を基に、以下の混練ブレードにて、種々のゴム材料の混練速度を確認し、前記の仮説の信憑性を確認した。
a.供試験ブレード形状
b.供試ゴム材料
(a)ACM材料:ノックスタイト PA404K(ML1+4 at100℃ 30ポイント)100部
ADKサイザー RS700 5部、レオドール SPS10 1部、
ステアリン酸ナトリウム(NS Soap) 3.5部、
ステアリン酸カリウム(ノンサールSK−1) 1.2部、ステアリン酸 1部、
老化防止剤 CD 2部、硫黄 0.3部
(b)補強剤:
イ.カーボンブラック−ショウブラックN330L 80部
ロ.カーボンブラック−シーストG−S0 80部
ハ.湿式シリカ−二プシールE74P 60部
二.湿式シリカ−二プシールLP 40部
c.混練機
5Lワンダー二−ダー:モリヤマ製 WDS5-75MWA-S型
モーター出力75馬力、カモメタイプ加圧蓋、
実容積:ワンダーニーダー形状ブレード搭載時、5.2L
d.混練条件
(a)加圧蓋圧力:カーボンブラック材−エアー圧 0.6MPa
湿式シリカ材−0.3MPa
(b)充填率:65%
(c)ブレード回転速度:24rpm
(d)混練方法
イ.配合薬品、可塑剤、カーボンを一括投入後30秒間攪拌し、その後ポリマーを投入して加圧開始。
注1:ACMカーボンブラック材の場合は、混練温度上昇が速いので、少量薬品は、第二ステップ直前(第一ステップおよび清掃後)に投入した。
注2:カーボンブラック材は、ポリマー投入直後に最下段まで降下させたが、シリカ材の場合は、シリカの飛散防止のため、ポリマー投入後、加圧蓋を最下位の中間停止位置にて60秒間待機させた後、最下段まで降下させた。
ロ.BIT確認後、約45秒混練し、清掃後に更に約60秒混練。
ハ.まとめは12‘OR、ロール間隔3mmにて5回Pass後、5mmにて分出した。
e.混練速度評価結果
上記の検討によって得られた、各混練ブレードの準ガラス状態相の成長速度(=準ガラス状態相容積(cc)/BITまでの混練時間(sec))の評価結果を、図10に示す。
実施例1(ブレードC)は、前項にて、混練速度を改善しうるブレード形状と推定した要素のうち、チップクリアランスを狭くした(チップクリアランス:1mm)ブレードで、比較例1のブレードA(チップクリアランス:3mm)に比較して、いずれの材料においても(カーボンブラックの種類や配合量に関係無く)、準ガラス状態相の成長速度が速くなっており、混練速度が改善されていると判定できる。
また、実施例2(ブレードD)は、前項にて、混練速度を改善しうるブレード形状と推定した要素のうち、食い込み角度を大きくした(食い込み角度:65°)もので、比較例1のブレードA(食い込み角度:55°)や比較例2のブレードB(食い込み角度:30°)に比較して、いずれの材料においても(カーボンブラックの種類や配合量に関係無く)、準ガラス状態相の成長速度が速くなっており、混練速度が改善されていると判定できる。
また、比較例1のブレードA(食い込み角度:55°)と比較例2のブレードB(食い込み角度:30°)の準ガラス状態相の成長速度を比較すると、食い込み角度の大きいブレードAの準ガラス状態相の成長速度が、若干ながらもブレードBよりも早くなっており、この結果も、食い込み角度が大きいほど、混練速度が速くなるといった、前記の結論を補足している。
以上より、「接線型密閉式混練機における混練速度向上が期待できる混練ブレード形状は、ブレード前面におけるゴム生地の旋回運動によって引き起こされるゴム生地の伸長作用を増進出来る形状と考えられ、ゴム生地のブレード前面の滞在時間を増加させることのできる形状と考えられる。」といった仮説が検証されたと判定でき、
a.混練ブレード末端の開口率が低い(混練槽の軸方向の長さに対する、ブレードの軸方向の長さの比が大きな)混練ブレード、
b.食い込み角度(Leading Angle,Front Angle)が大きな混練ブレード、
c.捩じり角度(Twist Angle)が小さな混練ブレード、
d.チップクリアランスの小さな混練ブレード、
といった混練ブレード形状が、接線型密閉式混練機の混練速度を改善せしめると結論付けることができる。
10 接線型密閉式ゴム混練機
11 混練槽
12 ローター
13 混練ブレード
θ 食い込み角度
θ 捩じり角度
c チップクリアランス
混練ブレードの軸方向長さ
ローターの軸方向長さ

Claims (4)

  1. 混練槽内に回転駆動するローターを備えるとともに前記ローターの周面上に混練作動する混練ブレードを備える接線型密閉式ゴム混練機において、
    前記混練ブレードのブレード回転方向前面近傍におけるゴム材料の旋回運動に伴う伸長変形を促進すべく前記混練ブレードの食い込み角度を55度を超え90度未満の角度としたことを特徴とする接線型密閉式ゴム混練機。
  2. 請求項1記載の接線型密閉式ゴム混練機において、
    混練ブレード先端及び混練槽内壁間のチップクリアランスを1mm以上で3mm以下のクリアランスとしたことを特徴とする接線型密閉式ゴム混練機。
  3. 請求項1又は2記載の接線型密閉式ゴム混練機において、
    混練ブレードの軸方向長さをローターの軸方向長さ対比65%以上で95%以下の長さとしたことを特徴とする接線型密閉式ゴム混練機。
  4. 請求項1、2又は3記載の接線型密閉式ゴム混練機において、
    混練ブレードの捩じり角度を45度未満で5度以上の角度としたことを特徴とする接線型密閉式ゴム混練機。
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