JP6441106B2 - チョコレート及びそれを使用した冷菓 - Google Patents

チョコレート及びそれを使用した冷菓 Download PDF

Info

Publication number
JP6441106B2
JP6441106B2 JP2015021377A JP2015021377A JP6441106B2 JP 6441106 B2 JP6441106 B2 JP 6441106B2 JP 2015021377 A JP2015021377 A JP 2015021377A JP 2015021377 A JP2015021377 A JP 2015021377A JP 6441106 B2 JP6441106 B2 JP 6441106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chocolate
mass
water
temperature
fats
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015021377A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016140342A (ja
Inventor
清美 大西
清美 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oillio Group Ltd filed Critical Nisshin Oillio Group Ltd
Priority to JP2015021377A priority Critical patent/JP6441106B2/ja
Publication of JP2016140342A publication Critical patent/JP2016140342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6441106B2 publication Critical patent/JP6441106B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)

Description

本発明は、チョコレート及びそれを使用した冷菓に関する。
チョコレートが使用されたデザート、例えば、チョコレートで被覆されたエクレアやアイスクリームなどは、冷蔵もしくは冷凍のデザートであり、人気のある食品である。そして、これらのデザートには、低い温度でも素早く融けるように、チョコレートには通常よりも融けやすい油脂が使用されることが多い(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、これらのデザートは、その大部分をチョコレートで被覆されたものが多いので、チョコレートの部分を手で触れると、チョコレートが融けて手に付着することがよくある。そして、この点が非常に煩わしく思われている。
特開平5−49399号公報 特開平8−89172号公報
本発明の課題は、低い温度で融けやすい油脂を使用しても手に付着しにくいチョコレート、及び該チョコレートを使用した食品を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、低い温度で融けやすい油脂を使用したチョコレートに糖骨格を形成させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)糖骨格が形成されたチョコレートであって、前記チョコレートを構成する油脂の、DSC吸熱ピーク面積(昇温速度5℃/分)の分割積分により求めた20℃における吸熱量が、全吸熱量の60%以上であるチョコレート。
(2)前記チョコレートを構成する油脂の、DSC吸熱ピークトップ(昇温速度5℃/分)の温度が、20℃以下である(1)のチョコレート。
(3)20℃でn−ヘキサンに浸漬した状態で2時間以上形状を留める、(1)または(2)のチョコレート。
(4)厚さが2mm以下である、(1)〜(3)の何れか1項のチョコレート。
(5)(1)〜(4)の何れか1項のチョコレートを含む、15℃以下の品温で喫食する食品。
(6)冷凍菓子である、(5)の食品。
(7)チョコレートを構成する油脂のDSC吸熱ピーク面積(昇温速度5℃/分)の分割積分により求めた20℃における吸熱量が、全吸熱量の60%以上である、融液状態にあるチョコレートに、該融液状態にあるチョコレート100質量部に対して0.3〜3.0質量部の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を含む、糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法。
(8)糖骨格が形成されたチョコレートを、品温が30℃以下の状態で展延する、チョコレートフィルムの製造方法。
本発明によれば、品温が低い状態で喫食しても口どけがよく、手で触れても手に付着しにくいチョコレートが提供される。また、本発明によれば、該チョコレートを使用した食品が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<チョコレート>
本発明において「チョコレート」とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)又は法規上の規定等により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等)の一部又は全部を経て製造されたものを指す。また、本発明におけるチョコレートは、ミルクチョコレートのほか、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等も含む。
本発明のチョコレートは、油脂を28〜42質量%含有することが好ましい。ここで油脂とは、ココアバター等の油脂のみだけではなく、カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等のチョコレートの原料中に含まれる油脂も全て合計したものである。例えば、一般的に、カカオマスの油脂(ココアバター)含有量は55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーの油脂(ココアバター)含有量は11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳の油脂(乳脂)含有量は25質量%(含油率0.25)であるから、チョコレート中の油脂含有量は、各原料のチョコレート中の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせたものを合計した値となる。本発明のチョコレートは、作業性や風味の点から油脂含有量は30〜39質量%であることがより好ましく、32〜36質量%であることが更に好ましい。
チョコレートは連続相が油脂なので、チョコレートの油脂含有量は、粘度に大きな影響を与える。油脂含有量が高いほど粘度は低く、チョコレートに糖骨格を形成させるために必要な水の添加によって生じる粘度上昇の影響を軽減できる。しかし、糖の比率が低下して糖骨格構造がもろくなる可能性がある。他方、油脂含有量が少ないと、チョコレートの粘度が高くなり、水添加による粘度上昇の影響も大きくなる。従って、チョコレート製造時のハンドリング性が低下する可能性がある。ただし、このようなハンドリング性の低下は、減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR)等)をチョコレートに配合して、粘度を適宜調整することで抑制できる。減粘作用のある乳化剤の含有量は、チョコレート中に0.2〜1質量%であることが好ましく、特に、レシチンとPGPRとを併用することが好ましい。レシチンとPGPRとは、質量比4:6〜8:2で併用することが好ましい。
上記本発明のチョコレートを構成する油脂は、DSC(示差走査型熱量測定)吸熱ピーク面積(昇温速度5℃/分)の分割積分により求めた20℃における吸熱量が、全吸熱量の60%以上である。DSCにより求められる吸熱量は、60℃で融解した油脂を、5℃/分の速度で−50℃まで冷却後、5分間保持し、再び5℃/分の速度で50℃まで昇温を行い、得られた融解曲線(吸熱ピーク曲線)とベースラインとに囲まれた吸熱ピーク面積を分割積分して求めた値である。すなわち、20℃における吸熱量は、油脂が完全に結晶化した状態(−50℃)から、20℃までの吸熱量であり、全吸熱量とは、油脂が完全に結晶化した状態(−50℃)から、油脂結晶が完全に融解した状態(50℃)までの吸熱量である。従って、20℃における熱量が、全吸熱量の60%以上であるとは、(20℃における吸熱量)/(全吸熱量)×100が、60%以上であることを意味する。上記20℃における吸熱量は、全吸熱量の70〜100%であることが好ましく、75〜90%であることがさらに好ましい。20℃における吸熱量が上記範囲内にあると、チョコレートを品温の低い状態で喫食しても口どけがよく、好ましい。
本発明のチョコレートを構成する油脂は、また、上記条件で測定したDSC融解曲線(昇温速度5℃/分)の吸熱ピークトップの温度が、20℃以下であることが好ましい。上記吸熱ピークトップは、0〜19℃であることがより好ましく、5〜18℃であることがさらに好ましい。吸熱ピークトップが上記範囲内にあると、チョコレートを品温の低い状態で喫食しても口どけがよく、好ましい。
本発明のチョコレートは、テンパータイプであっても、非テンパータイプであってもどちらでもよい。チョコレート中にココアバターを3〜20質量%(好ましくは10〜18質量%)配合する場合は、テンパータイプのチョコレートであることが好ましい。テンパータイプの場合、チョコレートに含まれる油脂に、SOS型トリアシルグリセロール(以下、SOSと略すことがある)が含まれることが好ましい。ここで、SOS型トリアシルグリセロールとは、グリセロール骨格の1,3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールである。飽和脂肪酸(S)は、炭素数16以上の飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数16〜22の飽和脂肪酸であることがより好ましく、炭素数16〜18の飽和脂肪酸であることが更に好ましい。テンパータイプのチョコレートである場合、チョコレート中に含まれる油脂のSOS含有量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることが更に好ましい。
本発明のチョコレートは、また、テンパータイプのチョコレートである場合、チョコレート中に含まれる油脂のPOP(1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセロール)含有量が、15〜40質量%であることが好ましく、16〜38質量%であることがより好ましく、17〜36質量%であることが更に好ましい。チョコレート中に含まれる油脂のPOP含有量が上記範囲内であると、チョコレートを品温が低い状態で喫食しても口どけがよく、好ましい。
なお、油脂のSOS、POP等のトリグリセリド含有量の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて行うことができる。
本発明のチョコレートは、本発明の特徴を損なわない限り、上記油脂のほかに、通常チョコレートに使用されるカカオマス、ココアパウダー、糖類、乳製品(乳固形類等)、乳化剤、香料、色素等のほか、澱粉類、ガム類、熱凝固性タンパク、いちご粉末や抹茶粉末等の各種粉末類等の、各種食材や各種改質材が含まれていてもよい。上記のうち、糖類は、チョコレート生地中における、水添加による糖骨格形成に寄与する。糖類としては、砂糖(ショ糖)、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、還元糖ポリデキストロース、ラフィノース、ラクチュロース、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられ、糖アルコールであってもよい。本発明のチョコレートは、糖類を、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは30〜60質量%含有する。
本発明のチョコレートは、糖骨格を形成しているため、耐熱性に優れている。従って、手で触れても手に付着しにくい。また、糖骨格は水溶性のため、喫食されると口の中で速やかに溶解する。本発明のチョコレートは、例えば、20℃でn−ヘキサンに浸漬しても、好ましくは2時間以上その形状を留める。それは、チョコレートが糖骨格を有し、油脂がその骨格中に閉じ込められていることを示唆する。本発明のチョコレートは、糖骨格の指標として、より好ましくは、20℃でn−ヘキサンに浸漬しても12時間以上その形状を留める。更に好ましくは、24時間以上その形状を留める。なお、ここで形状を留めるとは、n−ヘキサン中で崩れずに半分以上の形が残っている状態をいう。
<チョコレートの製造方法>
本発明のチョコレートは、常法に従い、原材料の混合、ロールリファイニング等による微粒化、必要に応じてコンチング処理等を行い製造することができる。コンチング処理を行う場合、コンチング処理における加熱は、チョコレートの風味を損なわないように、40〜60℃で行うことが好ましい。なお、本発明の製造方法において、工程と処理とは、同じ意味として使用している。
本発明のチョコレートの製造方法においては、チョコレートに糖骨格を形成されるため、融液状態にあるチョコレートに、水を添加分散させる工程(水添加工程)を有する。ここで融液状態とは、チョコレート中の油脂が融解された状態を指す。チョコレートが融液状態であるかどうかは、テンパータイプのチョコレートの場合、冷却固化した後の、チョコレートの型抜けを確認することで判断できる。冷却固化されたチョコレートが成形型から型抜けしない場合(具体的には、成形型からのチョコレート生地の離型率が70%未満である場合)、チョコレートが融液状態であると判断する。
[水添加工程]
本発明のチョコレートの製造方法において、水添加工程における融液状態にあるチョコレートの温度は、ノーテンパータイプのチョコレートの場合、30〜70℃であることが好ましく、35〜60℃であることがより好ましく、35〜50℃であることが更に好ましい。また、テンパータイプのチョコレートの場合は、水添加工程後、後述のシーディング処理する場合は、ノーテンパータイプと同様で良いが、後述のテンパリング処理もしくはシーディング処理の後、水添加工程を採る場合は、24〜40℃であることが好ましく、25〜38℃であることがより好ましく、26〜36℃であることが更にこのましい。水添加工程において添加される水の量は、特に限定はされないが、融液状態のチョコレートに対して、0.1〜5.0質量%であってもよい。水の添加量が融液状態のチョコレートに対して0.1質量%以上であると、糖骨格が十分に形成され、耐熱性に優れたチョコレートが得られる。水の添加量が融液状態のチョコレートに対して5.0質量%以下であると、微生物汚染のリスクを抑制できる。水の添加量は、融液状態のチョコレート生地に対して、0.3〜3.0質量%であってもよく、0.5〜2.5質量%であってもよい。
水添加工程において添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という)であってもよい。水添加工程において添加する水は、添加量が同じであっても、水と共に添加する成分によって、融液状態のチョコレートの粘度上昇速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水分含有量の高い含水材(果汁、牛乳等)を添加すると、チョコレートの粘度は急激に上昇しやすい。他方、糖液やタンパク液等の含水材を添加すると、比較的緩やかに粘度が上昇する傾向にある。急激に粘度が上昇すると、水を、融液状態のチョコレート中に十分に分散できない可能性があるため、水添加工程における水は、含水材、特に糖液やタンパク液であることが好ましい。
糖液としては、果糖、ブドウ糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖等の糖と水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖、ソルビトール液等の溶液が挙げられる。タンパク液としては、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリーム等のタンパク質と、水とを含む溶液が挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水分の含有量は、溶液全体に対して10〜90質量%であってもよく、10〜50質量%であってもよい。水添加工程において、水を含水材の形態で添加する場合は、その添加量は、融液状態のチョコレートに対する水の量が上記の範囲となるように添加すればよい。
水添加工程において使用する水や含水材の温度は、特に限定されないが、水や含水材を添加しようとする融液状態のチョコレートの温度と同程度であることが、融液状態のチョコレートの温度を一定に保ち、水や含水材を均一に分散させやすい点で好ましい。水を融液状態のチョコレートに添加した後は、撹拌等により水をチョコレート中に均一に分散させてもよい。
[冷却固化工程]
水添加工程を経た融液状態のチョコレートは、冷却固化してもよく、この工程により、融液状態から固形のチョコレートを効率的に製造できる。
冷却固化の方法は特に限定されないが、モールド成形や食品への被覆といったチョコレート製品の特性に応じて、例えば、冷却トンネル(クーリングトンネル)等での冷風吹付、冷却プレートとの接触等により冷却固化することができる(例えば、「製菓用油脂ハンドブック」(蜂屋巖訳、2010年発行、株式会社幸書房)を参照)。
冷却固化の条件は、融液状態のチョコレートが固化する限り特に限定されないが、0〜20℃(好ましくは0〜10℃)で5〜90分間(好ましくは10〜60分間)行ってもよい
[エージング工程]
本発明のチョコレートの製造方法においては、上記冷却固化後のチョコレートを、さらに「保温処理」する「エージング工程」を採ることが好ましい。保温処理は、冷却固化後のチョコレートを、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6〜240時間、より好ましくは12〜192時間、保温する処理である。保温処理により、チョコレート中の糖骨格の形成をより強固なものとすることができる。
本発明のチョコレートの製造方法において、本発明のチョコレートがテンパータイプのチョコレートである場合、上記水添加工程の前後のどちらかで、テンパリング処理もしくはシーディング処理を行ってもよい。
上記テンパリング処理は、融液状態にあるチョコレートに安定結晶の結晶核を生じさせる操作である。具体的には、例えば、40〜50℃で融解しているチョコレートを、品温を27〜28℃程度まで下げた後に、再度29〜31℃程度まで加温する操作として知られる。テンパリング処理は、水添加工程の前に行うことが好ましい。
上記シーディング処理は、テンパリング処理の替りに、安定結晶の結晶核として機能するシーディング剤を使用して、融液状態にあるチョコレート中に安定結晶の結晶核を生じさせる処理であり、テンパリング処理と同様に、チョコレート中の油脂をV型の安定結晶として固化させるために行う処理である。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤が添加される。ここで、Xは炭素数が16〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す。XOXは1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロール(BOB)や1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(StOSt)であることが好ましく、StOStであることがより好ましい。なお、XOXの結晶がβ型であるかどうかは、粉末X線回折により確認することができる。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、シーディング処理及び水添加工程を含むが、その順序はいずれが先であってもよい。また、シーディング剤添加及び水添加工程を同時に行ってもよい(つまり、シーディング剤及び水を融液状態のチョコレートに同時に添加してもよい)。
本発明における製造方法から得られたチョコレートは、上記の各工程を経て、型抜きされたチョコレートをそのまま食することができる。また、本発明のチョコレートは、製菓製パン製品(例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、シュー菓子等)に、コーティング、フィリング、又は、チップとして生地へ混ぜ込む等して使用することができ、多彩なチョコレート複合食品(チョコレートを原料の一部に含む食品)を得ることができる。特に、低温でも口どけが良好なので、冷凍または冷蔵の菓子と組み合わせた複合菓子(冷菓)に好適に使用できる。
本発明のチョコレートは、また、品温が30℃以下の低い状態で圧延することにより、薄板もしくはフィルム状に加工してもよい。薄板もしくはフィルム状のチョコレートは、その厚さが2mm以下であることが好ましく、0.01〜1mmであることがより好ましく。0.05〜0.7mmであることが更にこのましい。本発明のチョコレートは糖骨格を有するので、圧延などしても、亀裂を生じさせずに展延させやすい。本発明のチョコレートを圧延するとき品温は、15〜30℃であることがより好ましく、18〜28℃であることが更に好ましい。
本発明のチョコレートは、上記のように薄板もしくはフィルム状に加工することにより、アイスクリームなどの品温が15℃以下の状態で喫食する食品を、チョコレートでサンド、包み込み、被覆などすることができる。本発明のチョコレートと組み合わせる食品は、15℃以下の品温で喫食する食品であることが好ましく、−35℃〜10℃の品温で喫食する食品であることがより好ましく、−25℃〜−5℃の品温で喫食する食品であることが更に好ましい。本発明のチョコレートを、品温が15℃以下の状態で喫食する食品に使用することで、該食品を喫食する際にチョコレート部分を直接手で触れても、チョコレートが手に付着し難くなる。上記薄板もしくはフィルム状に加工したチョコレートは、また、アイスクリームなどの冷凍菓子と最中などの焼菓子の間に挟むことにより、焼菓子が湿気るのを防止するのにも有効である。
以下に、実施例を提示することにより、本発明をさらに具体的に説明する。
[チョコレートの原材料]
チョコレートの主原材料として、以下のものを使用した。
・ココアバター(大東カカオ株式会社製、商品名:TCココアバター)
・ココアバター代用脂肪(POP含有量47.4質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
・カカオマス(大東カカオ株式会社製、商品名:カカオマスQM−P)
・砂糖(株式会社徳倉製、商品名:POWDER SUGAR)
・乳糖(LIPRINO FOODS製、商品名:Lactose)
・全脂粉乳(よつ葉乳業株式会社、商品名:全脂粉乳)
・脱脂粉乳(森永乳業株式会社、商品名:脱脂粉乳)
・レシチン(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:レシチンDX)
・PGPR(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、太陽化学株式会社製)
[含水材]
含水材として、以下のものを使用した。
・液糖(水分25質量%、昭和産業株式会社製果糖ブドウ糖液糖)
[シーディング剤]
シーディング剤として、以下のものを使用した。
・シーディング剤A(β型StOSt結晶含有量33質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
[示差走査熱量測定]
チョコレートから抽出した油脂を60℃で融解し、約5mgをサンプルパンに秤量して、示差走査熱量測定(DSC)装置(METTLER TOLEDO社製DSC1)により、50℃から5℃/分の速度で−50℃まで冷却後、5分間保持し、再び5℃/分の速度で50℃まで昇温を行い、昇温時に融解曲線(吸熱ピークの曲線)を得た。得られた融解曲線とベースラインとに囲まれた面積を分割積分することにより、油脂が完全に融解するに要した全吸熱量と、20℃における吸熱量(−50℃から20℃までの吸熱量)とを求めた。全吸熱量に対する20℃における吸熱量の百分率(20℃における吸熱量/全吸熱量×100)を求めた。
また、融解曲線における吸熱ピークトップの温度を測定した。
[ヘキサン浸漬テスト]
チョコレートのヘキサン浸漬テストは以下のように行った。
長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、20℃でn−ヘキサン中に浸漬し、2時間と48時間後のチョコレートの形状を観察した。形状に応じて以下のように評価した。チョコレートの形状が保持されているほど、糖によるネットワーク(骨格)形成がより強固になされている。

◎:元の形状が完全に残っている
○:崩れてはいるが半分以上形状が残っている
△:残渣が残っている
×:完全に落下している
[展延テスト]
チョコレートの展延テストは以下のように行った。
型抜きされた厚さ7mmのチョコレートを27℃で調温し、のし棒を使用して、手作業により厚さ0.5mmまで展延した。展延の状態を、チョコレートの、のし棒への付着や亀裂を基に、以下のように評価した。

◎:のし棒への付着や亀裂がなく、非常にきれいに展延できる
○:のし棒への付着や亀裂がほぼなく、きれいに展延できる
△:のし棒への付着や亀裂が生じ、きれいに展延できない。
×:のし棒への付着や大きな亀裂が生じ、展延できない。
[チョコレートの製造及び評価−1]
(比較例1:チョコレートA)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が30℃の融液状態にあるチョコレートA(油脂含有量35.0質量%)を調製した。該チョコレートA中の油脂に対してシーディング剤Aを1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートA中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートAを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと展延テストに供した。結果を表2に示した。
(比較例2:チョコレートB)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が28℃の融液状態にあるチョコレートB(油脂含有量35.0質量%)を調製した。該チョコレートB中の油脂に対してシーディング剤Aを1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートB中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートBを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと展延テストに供した。結果を表2に示した。
(実施例1:チョコレートA)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が30℃の融液状態にあるチョコレートA(油脂含有量35.0質量%)を調製した。該チョコレートAに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水としてチョコレートAに対して1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き30℃において、シーディング剤AをチョコレートA中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートA中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートAを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと展延テストに供した。結果を表2に示した。
(実施例2:チョコレートB)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が28℃の融液状態にあるチョコレートB(油脂含有量35.0質量%)を調製した。該チョコレートBに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水としてチョコレートBに対して1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き28℃において、シーディング剤AをチョコレートB中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートB中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートBを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと展延テストに供した。結果を表2に示した。
(参考例1:チョコレートC)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が32℃の融液状態にあるチョコレートC(油脂含有量35.0質量%)を調製した。該チョコレートCに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水としてチョコレートCに対して1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き32℃において、シーディング剤AをチョコレートC中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートC中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートCを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと展延テストに供した。結果を表2に示した。
Figure 0006441106
*;単位は、20℃吸熱量の百分率及びピークトップ温度を除き、質量%
Figure 0006441106
[冷菓への応用]
(実施例3)
実施例1で調製した厚さ0.5mmのチョコレートフィルムを使用して、20mm×20mm×7mmに成形したアイスクリームの20mm×20mmの2つの面をサンドし、−18℃で1週間保存した。保存後のチョコレートでサンドしたアイスクリームを、以下の基準に従って、手への付着と口どけを評価した。評価結果を表3に示した。
(比較例3)
比較例1において、温度が30℃の融液状態にあるチョコレートAに、20mm×20mm×7mmに成形したアイスクリームを浸漬し、余分のチョコレートを落として、チョコレートコーティングアイスクリームを調製し、−18℃で1週間保存した。保存後のチョコレートコーティングアイスクリームを、以下の基準に従って、手の指への付着と口どけを評価した。評価結果を表3に示した。
(参考例2)
参考例1において、温度が32℃の融液状態にあるチョコレートCに、20mm×20mm×7mmに成形したアイスクリームを浸漬し、余分のチョコレートを落として、チョコレートコーティングアイスクリームを調製し、−18℃で1週間保存した。保存後のチョコレートコーティングアイスクリームを、以下の基準に従って、手の指への付着と口どけを評価した。評価結果を表3に示した。
[手の指への付着]
チョコレート部分を手の指で1分間触れたときの付着具合を、以下の基準で評価した。

◎:チョコレートが指に付着しない
○:チョコレートが指にほとんど付着しない
△:チョコレートが指に付着する
×:チョコレートが指にべったりと付着する
[口どけ]
アイスクリームと複合したチョコレートの口どけを、以下の基準で評価した。

◎:アイスクリームと一体となって融け、口どけが非常によい
○:アイスクリームと違和感なく融け、口どけがよい。
△:アイスクリームより口どけが遅く、やや違和感がある。
×:アイスクリームより口どけがかなり遅く、違和感がある。
Figure 0006441106

Claims (8)

  1. 糖骨格が形成されたチョコレートであって、
    前記チョコレートを構成する油脂の、SOS含有量が50〜90質量%であり、POP含有量が16〜38質量%あり、かつ、DSC吸熱ピーク面積(昇温速度5℃/分)の分割積分により求めた20℃における吸熱量が、全吸熱量の60%以上である
    0.01〜1mmの厚さを有する、薄板もしくはフィルム状である、
    チョコレート
    (ただし、SOSは、グリセロール骨格の1,3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールであり、POPは、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセロールである)
  2. 前記チョコレートを構成する油脂の、DSC吸熱ピークトップ(昇温速度5℃/分)の温度が、20℃以下である請求項1に記載のチョコレート。
  3. 20℃でn−ヘキサンに浸漬した状態で2時間以上形状を留める、請求項1または2に記載のチョコレート。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレートを含む、15℃以下の品温で喫食する食品。
  5. 冷凍菓子である、請求項に記載の食品。
  6. チョコレートを構成する油脂の、SOS含有量が50〜90質量%であり、POP含有量が16〜38質量%あり、かつ、DSC吸熱ピーク面積(昇温速度5℃/分)の分割積分により求めた20℃における吸熱量が、全吸熱量の60%以上である、融液状態にあるチョコレートに、
    該融液状態にあるチョコレート100質量部に対して0.3〜3.0質量部の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を経て得られた糖骨格が形成されたチョコレートを、
    0.01〜1mmの厚さに展延する、
    薄板もしくはフィルム状であるチョコレートの製造方法
    (ただし、SOSは、グリセロール骨格の1,3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールであり、POPは、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセロールである)
  7. 糖骨格が形成されたチョコレートを、品温が30℃以下の状態で展延する、請求項6に記載の薄板もしくはフィルム状であるチョコレートの製造方法。
  8. 請求項1〜3の何れか1項に記載のチョコレートまたは請求項6または7に記載の製造方法により得られたチョコレート、を用いて、冷菓をサンドする或いは覆う、複合冷菓の製造方法。
JP2015021377A 2015-02-05 2015-02-05 チョコレート及びそれを使用した冷菓 Active JP6441106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021377A JP6441106B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 チョコレート及びそれを使用した冷菓

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015021377A JP6441106B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 チョコレート及びそれを使用した冷菓

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016140342A JP2016140342A (ja) 2016-08-08
JP6441106B2 true JP6441106B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=56567941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015021377A Active JP6441106B2 (ja) 2015-02-05 2015-02-05 チョコレート及びそれを使用した冷菓

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6441106B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016204141A1 (ja) * 2015-06-16 2016-12-22 日清オイリオグループ株式会社 油性食品
JP7002602B2 (ja) * 2020-06-15 2022-02-10 日清オイリオグループ株式会社 冷凍菓子

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5359072A (en) * 1976-11-10 1978-05-27 Meiji Seika Co Prodvction of heat resistan chocolate
JP3397110B2 (ja) * 1997-12-12 2003-04-14 不二製油株式会社 練込み用油脂及び冷菓並びに冷菓の製造法
JP5311561B2 (ja) * 2009-02-05 2013-10-09 長岡香料株式会社 耐熱性チョコレート
ES2390637T3 (es) * 2009-07-09 2012-11-14 Kraft Foods R & D, Inc. Proceso para producir un producto de confitería
JP2016047009A (ja) * 2013-03-29 2016-04-07 不二製油グループ本社株式会社 耐熱性に優れたチョコレート類利用食品の製造方法
JP6055116B2 (ja) * 2013-12-27 2016-12-27 日清オイリオグループ株式会社 含水型耐熱性チョコレートの製造方法、含水型耐熱性チョコレート、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法、及び含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016140342A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6448592B2 (ja) 含水型耐熱性チョコレートの製造方法、含水型耐熱性チョコレート、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法、及び含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法
US10716316B2 (en) Chocolate, method for producing chocolate-covered food product coated by the same, and method for preventing increase in viscosity of chocolate for coating
JP5952988B1 (ja) 耐熱性チョコレート及びその製造方法
KR100274585B1 (ko) 초콜렛
JP5756074B2 (ja) 耐熱性チョコレート及び耐熱性チョコレートの製造方法
JP6130981B1 (ja) チョコレート
JP5757716B2 (ja) チョコレートの製造方法
JP6788238B1 (ja) 冷菓用油脂組成物及び冷菓用チョコレート類
JP2018174943A (ja) チョコレート
WO2012121327A1 (ja) 焼成菓子
WO2015029454A1 (ja) チョコレート
JP4600122B2 (ja) 冷菓用油性食品素材および冷菓
JP5928083B2 (ja) 製菓製パン用上掛け材及びその製造方法
JP6441106B2 (ja) チョコレート及びそれを使用した冷菓
JP5908061B2 (ja) 焼成菓子およびその製造方法
JP6171115B2 (ja) 油性食品
JP2010187596A (ja) 冷凍下でも軟らかいガナッシュ
JP2008113570A (ja) 油脂組成物で被覆された菓子の製造法。
JP2021036837A (ja) チョコレートおよびチョコレート被覆食品
JP2020065545A (ja) 低温ブルーム耐性に優れた複合菓子およびその製造方法
JP2016189703A (ja) 製菓用チョコレート素材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6441106

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250