JP6441026B2 - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、安価に視認性の高い表示を行うことのできる車両用ヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の実施形態を示す概略斜視図である。
なお、表示装置12としては、これに限定されるものではなく、例えば、蛍光表示管を用いた表示装置12や、光透過型の液晶表示パネルに光を照射するか、または、レーザなどのビーム光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラーあるいは、これらの走査手段を複数組み合わせて用いた走査手段により二次元状に走査させて画像を形成する、いわゆるプロジェクター式の表示装置12を用いるようにしてもよい。
図2はコンバイナ13の詳細を示す概略側面図である。本実施形態においては、コンバイナ13は、コンバイナ13の上方に設けられた第1の透過度を有する第1領域14と、コンバイナ13の下方に設けられた第1領域14における透過度より低い第2の透過度を有する第2領域15とを備えている。具体的には、コンバイナ13の第1領域14は、透過度が高くなるようにほぼ透明に形成されており、コンバイナ13の第2領域15は、透過度が低くなるように、例えば、半透明のグレーに着色して形成されている。
そして、車両用ヘッドアップディスプレイ装置1は、表示装置12から投射された画像光をコンバイナ13に投射することにより、コンバイナ13の前方に虚像Vを表示させ、使用者のアイポイントEから視認することができるように構成されている。
なお、本実施形態においては、第1領域14は、第2領域15より大きく形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1領域14と第2領域15とを同一の大きさに形成するようにしてもよいし、第1領域14を第2領域15より小さく形成するようにしてもよい。
このように、表示装置12による画像光の投射領域を変化させることにより、コンバイナ13の第1領域14または第2領域15に画像光を投射することができるものである。
図4は表示装置12による画像光の投射角度を変化させる機構の例を示す概略図である。図4に示すように、表示装置12は、その基端部20を中心として揺動自在に設置され、表示装置12の先端部分には、揺動アーム21の一端部が回動自在に取り付けられている。また、表示装置12の近傍には、移動レール22が図において左右方向に移動自在に配置されている。揺動アーム21の他端部は、移動レール22の一端部に回動自在に接続されており、移動レール22の上面には、ラックギア(図示せず)が形成されており、このラックギアには、駆動モータ23の出力ギア24に噛合する駆動ギア25が噛合されている。
このように、駆動モータ23の駆動により、表示装置12を、図4中実線で示すように、第1領域14に表示する位置と、図4中破線で示すように、第2領域15に表示する位置とに切り換えるものである。
なお、表示装置12による画像光の投射角度を変化させる機構としては、これに限定されるものではなく、公知の揺動機構を用いてもよい。
本実施形態における以下の説明では、表示装置12は、第1領域用表示部16と第2領域用表示部17とを備えた表示装置12を用いた態様で説明する。
また、コンバイナ13を高さ調整可能に構成してもよい。すなわち、コンバイナ13の高さを調整可能とすることにより、使用者のアイポイントEが変わった場合に、コンバイナ13の第2領域15が、車両のボンネット26やダッシュボード27に重なるように設置することが可能となる。
車両用ヘッドアップディスプレイ装置1は、各機器を総括的に制御する制御部30を備えている。メモリ31には、制御部30のプログラムおよび画像データが記憶されている。画像データとしては、表示させる画像のパーツや画像の表示位置を設定した表示位置データなどがある。
画像パーツとしては、例えば、案内方向矢印画像、速度表示画像、目的地までの距離表示画像、目的地までの所要時間画像などがある。
ここで、画像のパーツは、例えば、コンバイナ13の第1領域14に表示するための画像パーツと、コンバイナ13の第2領域15に表示するための画像パーツとを、それぞれ別個の画像パーツとしてメモリ31に記憶させるようにしてもよい。また、第1領域14または第2領域15のいずれか一方に表示するための画像パーツをメモリ31に記憶させておき、この画像パーツを表示する領域に応じて拡大または縮小することにより、画像を表示させるようにしてもよい。このように、第1領域14または第2領域15のいずれか一方に表示するための画像パーツをメモリ31に記憶させるようにすれば、メモリ31の使用領域を低減させることができる。
表示位置データは、各画像パーツを第1領域14または第2領域15のどの位置に表示させるかを設定するものであり、画像表示位置データおよび画像パーツに基づいて、第1領域14または第2領域15に画像光を投射するように制御するものである。
また、制御部30には、外部のナビゲーション装置33の情報およびスマートフォン34の情報が送られるようになっている。なお、スマートフォン34の代わりに通信可能な携帯電話を用いるようにしてもよい。
すなわち、コンバイナ13の第1の領域は、透明に形成されていることから、外光の影響を受けやすく、周囲の明るさが所定のしきい値より高い場合には、第1領域14に画像光を投射しても視認しづらくなるので、このような場合には、第2領域15に画像光を投射するようにしている。第2領域15は、透過度が低く形成されているので、外光の影響を受けにくく、周囲が明るい場合でも、視認が容易となる。
このような場合に、第1領域14に表示する第1の表示モードであるか、第2領域15に表示する第2の表示モードであるかを逐次判断すると、表示領域の頻繁な切換により視認性が悪化するおそれがある。そのため、本実施形態においては、明るさ検出値が、一定時間、しきい値より高いかまたは低くなった場合にのみ、所定の表示モードであると判断するようにしている。
描画処理部37は、外部のナビゲーション装置33から送られる目的地までの経路情報、スマートフォン34などのインターネットを利用したメール情報や、携帯電話あるいはスマートフォン34による携帯メール情報、車両からの車両速度情報などの各種情報を取得する。描画処理部37は、これら取得した情報に基づいて、メモリ31の画像パーツを選択して読み込む。描画処理部37は、明るさ分析部36により判断された第1の表示モードまたは第2の表示モードに応じて、メモリ31から表示位置データを読み込み、表示装置12により表示させる画像データを作成する。この画像データを表示装置12に送ることで、表示装置12は、画像データに基づいて、コンバイナ13の第1領域14および第2領域15に画像光を投射するものである。
なお、本実施形態においては、外部のナビゲーション装置33から経路情報などを取得するようにしたが、例えば、ナビゲーション用アプリケーションが搭載されたスマートフォン34を用いて、このスマートフォン34からのナビゲーション情報を取得するようにしてもよい。
そして、メモリ31から第1の表示モードにおける表示位置データを読み込み、表示装置12により表示させる画像データを作成して表示装置12に送り、表示装置12の第1領域用表示部16から、画像データに基づいてコンバイナ13の第1領域14に画像光を投射する。同様に、明るさ分析部36により第2の表示モードと判断した場合は、描画処理部37は、目的地までの経路情報、メール情報、車両からの車両速度情報などの各種情報を取得し、これら取得した情報に基づいて、メモリ31の第2の表示モード用の画像パーツを選択して読み込む。そして、メモリ31から第2の表示モードにおける表示位置データを読み込み、表示装置12により表示させる画像データを作成して表示装置12に送り、表示装置12の第2領域用表示部17から、画像データに基づいてコンバイナ13の第2領域15に画像光を投射する。
なお、描画処理部37は、表示する画像データについて、例えば、表示画像の拡大・縮小補正、投射画像の歪み補正などの各種補正を行うようにしてもよい。
そこで、本実施形態においては、コンバイナ13の第1領域14に表示することができる画像に、あらかじめ優先順位を付けておき、第2領域15での表示を行う際に、優先順位の高い方からあらかじめ設定された数の画像のみを表示させるようにしている。
このように構成することで、第1領域14に比べて表示領域が狭い第2領域15においても、必要な画像を表示させることが可能となる。
本実施形態においては、電源をONにすると、明るさ検出装置35により周囲の明るさを検出し(ST1)、この明るさ検出値に基づいて、明るさ分析部36により、明るさ検出値と所定のしきい値と比較する(ST2)。
制御部30は、明るさ検出値がしきい値より低い場合は(ST2:YES)、さらに、一定時間、このしきい値が低い状態が続いたか否か判断し(ST3)、一定時間、しきい値が低い状態が続いた場合は(ST3:YES)、第1の表示モードであると判断する(ST4)。一方、制御部30は、一定時間、しきい値が低い状態が続かない場合には(ST3:NO)、再び、明るさ検出装置35により明るさ検出を継続して行う(ST1)。
そして、制御部30は、第1の表示モードであると判断した場合には、描画処理部37により、第1の表示モードで、表示装置12を動作させ、コンバイナ13の第1領域14に画像を表示させる(ST5)。
そして、制御部30は、第2の表示モードであると判断した場合には、描画処理部37により、第2の表示モードで、表示装置12を動作させ、コンバイナ13の第2領域15に画像を表示させる(ST8)。
この実施形態によれば、表示装置12を第1の表示モードと第2の表示モードとに切り換えることで、輝度の低い表示装置12を用いた場合でも、周囲の明るさに応じて視認性の高い表示を行うことができる。
この実施形態によれば、制御部30により、明るさ検出装置35により検出された明るさ検出値に基づいて、第1の表示モードと第2の表示モードとを切り換えるので、輝度の低い表示装置12を用いた場合でも、周囲の明るさに応じて視認性の高い表示を行うことができる。
この実施形態によれば、明るさ検出装置35による明るさ検出値がしきい値より高いか、低いかによって、第1の表示モードと第2の表示モードとを切り換えるようにしているので、輝度の低い表示装置12を用いた場合でも、周囲の明るさに応じて視認性の高い表示を行うことができる。
この実施形態によれば、制御部30により、明るさ検出装置35により検出された明るさ検出値がしきい値より一定時間高い状態が続いたか、または一定時間低い状態が続いたかによって、第1の表示モードと第2の表示モードとを切り換えるようにしているので、表示モードの頻繁な切り換えを防止して、視認性の高い表示を行うことができる。
この実施形態によれば、表示装置12による画像光の投射領域を変化させることで、表示装置12により第1の表示モードと第2の表示モードとを容易に切り換えることができる。
この実施形態によれば、表示装置12による画像光の投射角度を変化させることで、表示装置12により第1の表示モードと第2の表示モードとを容易に切り換えることができる。
この実施形態によれば、制御部30により、第1の表示モードで用いる画像パーツのうち、あらかじめ設定された画像パーツのみを第2の表示モードで表示させるようにしているので、第1領域14に比べて表示領域が狭い第2領域15においても、必要な画像を表示させることができる。
この実施形態によれば、第1の表示モードまたは第2の表示モードのいずれか一方で表示するための画像パーツを用い、この画像パーツを表示モードに応じて、拡大または縮小して表示させるようにしたので、画像パーツを記憶させるメモリ31の記憶領域を低減させることができる。
この実施形態によれば、周囲の明るさに応じて視認性の高い表示を行うことができる。
また、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
10 装置本体
11 投射部
12 表示装置
13 コンバイナ
14 第1領域
15 第2領域
16 第1領域用表示部
17 第2領域用表示部
21 揺動アーム
30 制御部
31 メモリ
32 電源部
33 ナビゲーション装置33
34 スマートフォン
35 明るさ検出装置
36 明るさ分析部
37 描画処理部
E アイポイント
Claims (9)
- コンバイナに表示装置から画像光を投射して、画像光に基づく虚像を表示する車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、
前記コンバイナは、第1の透過度を有する第1領域と、前記第1領域における透過度より低い第2の透過度を有する第2領域とを備え、前記第1領域は、前記第2領域より大きく形成され、
前記表示装置は、前記第1領域に画像光を投射する第1の表示モードと、前記第2領域に画像光を投射する第2の表示モードとを有し、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとを切り換え可能とし、
前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとを切り換える制御部を備え、
前記制御部は、前記第1の表示モードにおける表示画像に対して、あらかじめ優先順位を付けておき、前記第2領域での表示を行う場合、優先順位上位の画像のみを表示させることを特徴とする車両用ヘッドアップディスプレイ装置。 - 周囲の明るさを検出する明るさ検出装置を備え、
前記制御部は、前記明るさ検出装置により検出された明るさ検出値に基づいて、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとを切り換えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記制御部は、前記明るさ検出装置により検出された明るさ検出値が所定のしきい値より低い場合は、前記第1の表示モードとし、明るさ検出値が所定のしきい値より高い場合は、前記第2の表示モードとすることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記制御部は、前記明るさ検出装置により検出された明るさ検出値が所定のしきい値より低い状態が一定時間続いた場合に、前記第1の表示モードとし、明るさ検出値が所定のしきい値より高い状態が一定時間続いた場合に、前記第2の表示モードとすることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記表示装置による画像光の投射領域を変化させることで、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとを切り換えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記表示装置による画像光の投射角度を変化させることで、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとを切り換えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記制御部は、前記第1の表示モードで用いる画像パーツのうち、あらかじめ設定された画像パーツのみを、前記第2の表示モードで表示させることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記制御部は、前記第1の表示モードまたは前記第2の表示モードのいずれか一方で表示するための画像パーツを用い、この画像パーツを表示モードに応じて、拡大または縮小して表示させることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
- 前記コンバイナの前記第1領域は透明に形成され、前記第2領域はグレーに形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
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