JP6440352B2 - 繊維状銅微粒子の集合体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、特定の範囲に制御された平均結晶子径を有する繊維状銅微粒子の集合体、及び該繊維状銅微粒子の集合体の製造方法に関する。
銅微粒子は導電性に優れ、かつ銀などと比較すると安価な材料であることから、導電性コーティング剤などの原料などとして広く用いられている。このような導電性コーティング剤は、プリント配線板などにおいて、各種印刷法を用いて回路を形成するための材料や、各種の電気的接点部材などとして幅広く利用されている。
そして、銅微粒子をはじめとする金属微粒子、及び該金属微粒子の製造方法が種々検討されており、例えば、繊維状銅微粒子の集合体とその製造方法(特許文献1、非特許文献1)が提案されている。
国際公開第2011/071885号パンフレット
Nano Lett.2012,12,第234頁−第239頁(ACS Publications、2011年12月15日)
特許文献1にて得られる繊維状銅微粒子の集合体は導電性に優れるため、導電材としては有望なものである。しかしながら、特許文献1には、繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径については何ら言及されておらず、ましてや、平均結晶子径が比較的大きい範囲、又は比較的小さい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を得ようとすることについては検討されていなかった。
また、非特許文献1においては、連続反応容器を用いて繊維状銅微粒子の集合体を作製することが試みられており、連続反応で得られる該集合体を構成する繊維状銅微粒子の形状は、非連続反応で得られる繊維状銅微粒子の集合体を構成する繊維状銅微粒子の形状とは、繊維長や繊維径という点で若干異なることが示唆されている。
しかしながら、非特許文献1においても、繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径については何ら言及されておらず、ましてや平均繊維径に対する平均結晶子径が従来よりも大きい範囲、又は従来よりも小さい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を得ようとすることについては検討されていなかった。
そこで、本発明の目的は、平均結晶子径が特定の範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を提供することである。より具体的には、平均結晶子径が従来よりも大きい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体、又は平均結晶子径が従来よりも小さい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を提供することである。
さらに、本発明の目的は、平均結晶子径が従来よりも大きい範囲又は小さい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を、煩雑な操作を必要とすることなく簡易に製造し得る繊維状銅微粒子の集合体の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、平均結晶子径が特定の範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を初めて見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記を要旨とするものである。
(1)平均結晶子径が450〜1000Åであり、かつ平均繊維径が500〜1500Åである繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(I)及び工程(II)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
工程(I):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
工程(II):工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持する時間を経て、集合体を継続的に析出させる工程
(2)平均繊維径が500〜1500Åであり、かつ平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上である繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(I)及び工程(II)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
工程(I):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
工程(II):工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持する時間を経て、集合体を継続的に析出させる工程
)工程(II)において、水溶液に対して還元性化合物をさらに添加することを特徴とする(1)又は(2)の繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
)平均結晶子径が150〜300Åであり、かつ平均繊維径が300〜1000Åである繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(III)及び工程(IV)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
工程(III):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を65〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
工程(IV):工程(III)を経た水溶液を、その温度を20℃降下させるのに冷却開始直後から15分以上の時間をかけて冷却して、集合体を継続的に析出させる工程
)工程(IV)において、水溶液に対して還元性化合物をさらに添加することを特徴とする()の繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
繊維状銅微粒子の集合体の平均アスペクト比10以上とする(1)、(2)、()のいずれかの繊維状銅微粒子の集合体の製造方法
本発明によれば、平均結晶子径が特定の範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。特に、第一の本発明によれば、平均結晶子径が450〜1000Åであり、かつ平均繊維径が500〜1500Åであるという、平均繊維径に対する平均結晶子径が従来よりも大きい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。また、第一の本発明の別の態様によれば、平均繊維径が500〜1500Åであり、かつ平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上であるという、平均繊維径に対する平均結晶子径が従来よりも大きい範囲に制御された繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。また、平均結晶子径及び平均繊維径が上記の範囲である、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体は、導電性に優れる。さらに、第二の本発明によれば、150〜300Åという従来よりも小さい範囲に制御された平均結晶子径を有する繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。このような特定範囲の平均結晶子径を有する本発明の第一及び第二の繊維状銅微粒子の集合体は、その用途を従来に比べて格段に広げることが可能である。
さらに、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を製造するための製造方法によれば、上記の範囲に制御された平均結晶子径及び平均繊維径を有する本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を、煩雑な操作を必要とすることなく簡易に製造することが可能である。本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を製造するための製造方法によれば、上記の範囲に制御された平均結晶子径及び平均繊維径を有する本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を、煩雑な操作を必要とすることなく簡易に製造することが可能である。
繊維状銅微粒子の集合体をX線回折に付して得られる平均結晶子径を求めるためのピークにおいて、該ピークのベースラインを示す図である。
以下、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を詳細に説明する。
本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体は、平均結晶子径が450〜1000Åであり、かつ平均繊維径が500〜1500Åである。なかでも、平均結晶子径が450〜700Åである繊維状銅微粒子の集合体であることが好ましい。また、平均繊維径が500〜800Åである繊維状銅微粒子の集合体であることが好ましい。
第一の本発明の別の態様における繊維状銅微粒子の集合体は、平均繊維径が500〜1500Åであり、かつ平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上である。なかでも、平均繊維径が500〜800Åである繊維状銅微粒子の集合体であることが好ましい。また、平均結晶子径が平均繊維径の0.6倍以上であることが好ましく、0.7倍以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において「結晶子」とは、繊維状銅微粒子の集合体中に存在する単結晶とみなせる最大の集まりをいう。
ここで、平均結晶子径が450〜1000Åである繊維状銅微粒子の集合体、つまり該平均結晶子径が比較的大きい繊維状銅微粒子の集合体においては、その平均繊維径は500〜1500Åという特定の範囲にすることが必要である。上記範囲の平均結晶子径及び平均繊維径を有する繊維状銅微粒子の集合体においては、該集合体を構成する繊維状銅微粒子の単位長さ当たりの結晶子数を少なくすることができ、ひいては結晶子と結晶子の間の界面を減らすことができる。該界面は導電性を阻害する要因であるため、該界面を減らすことで良好な導電性を発現するものとなる。また、平均結晶子径が450〜1000Åと大きい繊維状銅微粒子の集合体は、安定性に優れるものであり、酸化などの影響を受けにくいという利点もある。
平均繊維径が500〜1500Åであり、かつ平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上である繊維状銅微粒子の集合体においても、該集合体を構成する繊維状銅微粒子の単位長さ当たりの結晶子数を少なくすることができ、ひいては結晶子と結晶子の間の界面を減らすことができ、良好な導電性を発現するものとなる。
従来において得られている繊維状銅微粒子の集合体については、そもそも、平均結晶子径を特定の範囲に制御するという技術思想自体が無かった。これに対し、第一の本発明においては、繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を上記のような大きめの特定の範囲とすることが初めてなされた。大きな範囲の平均結晶子径を有する繊維状銅微粒子の集合体は、従来に比べてその用途を格段に広げることが可能である。また、上述の範囲の平均結晶子径及び平均繊維径を同時に満足する本発明の繊維状銅微粒子の集合体は、導電性にも優れるという顕著な効果を奏する。
繊維状銅微粒子の集合体の平均繊維径とは、該集合体を構成する繊維状銅微粒子の平均の繊維径をいい、繊維状銅微粒子の繊維径とは、各々の繊維状銅微粒子において、繊維長さ方向に対して垂直な断面における径を示す。繊維状銅微粒子の集合体の平均繊維径の求め方については後述する。
なお、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を構成する各々の繊維状銅微粒子には、その長さ方向の端部や中間部に付着して一体化した状態で、あるいは接触しているが一体化されていない状態での微小な銅粒状体が、形成されていないことが好ましい。微小な銅粒状体が形成されていると、該集合体を構成する繊維状銅微粒子と銅粒状体との間に結晶界面が存在するために、導電性が悪化してしまう。
繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を求める方法について以下に述べる。
本発明においては、X線回折法にて、銅の(111)面に相当するピーク(銅を同定するためのピーク)の半価幅(ピーク強度の2分の1の強度における回折強度曲線の幅)を求め、該半価幅を用いて繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を求めることができる。より具体的には、繊維状銅微粒子の集合体を広角X線回折装置「RINT−TTR III」(リガク社製)を用いたX線回折に付し、出力された銅の(111)面に相当するピークの半価幅βを求め、該半価幅βの値を下記式(1)に代入して、平均結晶子径を求めることができる。
(平均結晶子径)(Å)=(K×λ)/(β×cosθ) (1)
上記式(1)中、KはScherrer定数であり0.9である。λは使用したX線の波長を示し、θは回折角(2θ/θ)(rad)を示す。
本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の平均長さは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。該平均長さが1μm未満であると、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を含む導電材料などにおいては、導電性や透明性などに劣る場合がある。一方、該繊維状銅微粒子の集合体を含む導電性皮膜や導電性フィルムを形成する際のコーティング剤などのハンドリングの観点からは、該繊維状銅微粒子の集合体の平均長さが500μmを超えないことが好ましい場合がある。なお、繊維状銅微粒子の集合体の平均長さとは、集合体を構成する各々の繊維状銅微粒子の長さの平均をいい、各々の繊維状銅微粒子の長さとは、繊維長さ方向の長さを示す。繊維状銅微粒子の集合体の平均長さの求め方については後述する。
上述のような平均繊維径を有し平均長さを好ましく有する本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の平均アスペクト比(平均長さ/平均繊維径)は、10以上であることが好ましく、100以上がより好ましく、300以上がさらに好ましい。
本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の平均繊維径及び平均長さを求める方法について、以下に述べる。
つまり、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)、デジタルマイクロスコープなどを用い、繊維状銅微粒子の集合体を観察する。そして、該集合体から100本の繊維状銅微粒子を選択する。これら100本の繊維状銅微粒子の繊維径及び長さをそれぞれ測定し、これら100本の繊維状銅微粒子の平均値をもって、繊維状銅微粒子集合体の平均繊維径及び平均長さとすることができる。また、上記のようにして求めた平均長さを平均繊維径で除することにより、繊維状銅微粒子の集合体の平均アスペクト比を算出することができる。
繊維状銅微粒子の集合体を観察するに際し、集合体を構成する繊維状銅微粒子同士が重なり合って密集している場合は、繊維状銅微粒子の集合体の平均繊維径や平均長さを正確に評価することができない。そのため、このような場合は、超音波分散装置などを用い、隣り合う繊維状銅微粒子同士が密集しない程度になるまで、繊維状銅微粒子の集合体を解して観察することができる。
上記のような特定範囲の平均結晶子径を有する本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を製造する方法(本発明の第一の製造方法)は、以下の工程(I)及び工程(II)をこの順に含み、連続的に集合体を析出させることを特徴とする。
工程(I):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱する工程。
工程(II):工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持する工程。
本発明者らは、平均結晶子径が上記の特定範囲に制御された本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を得るために、様々に鋭意検討した。その結果、工程(I)において、銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱した後、工程(II)において工程(I)を経た後の水溶液の温度を維持するための30分間以上という十分な時間(温度維持時間)を経て、連続的に、水溶液から繊維状銅微粒子の集合体を析出させることにより、平均結晶子径が上記の特定範囲に制御された本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を容易に製造することができることを初めて見出し、本発明の第一の製造方法を完成させた。また、本発明者らは、工程(II)において、水溶液に還元性化合物をさらに添加することにより、繊維径の揃った本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができることを見出した。
本発明の第一の製造方法において、工程(II)中の「連続的に繊維状銅微粒子の集合体を析出させる」とは、ガラス製の管やステンレス製の管などの反応容器を用い、水溶液を連続的に流して繊維状銅微粒子の集合体を継続的に析出させることをいう。
上記の水溶液に含有される各々の成分について以下に述べる。
銅イオンは、水溶性の銅塩を水に溶解させることにより生成し得る2価の陽イオンである。水溶性の銅塩としては、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅、酢酸銅などが挙げられる。なかでも、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成しやすさの点では、硫酸銅又は硝酸銅を好ましく用いることができる。
アルカリ性化合物としては、特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを用いることができる。
水溶液中におけるアルカリ性化合物の濃度は、10〜50質量%とすることが好ましく、20〜45質量%とすることがより好ましく、20〜40質量%とすることがさらに好ましい。アルカリ性化合物の濃度が10質量%未満であると、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体が形成されにくくなる場合がある。一方、該濃度が50質量%を超えると、水溶液のハンドリングが困難となる。
水溶液中における銅イオンの濃度は、上記アルカリ性化合物の水酸化物イオンと銅イオンとのモル比によって規定される。すなわち、(アルカリ性化合物の水酸化物イオン)/(銅イオン)が、モル比で、1500/1〜6000/1の範囲となるように設定することが好ましく、1500/1〜5000/1の範囲となるように設定することがより好ましい。該モル比が(1500未満)/1であると、銅微粒子の形状が繊維状とならず球状となってしまう場合がある。一方、モル比が(6000超)/1であると、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成効率が悪くなってしまう場合がある。
含窒素化合物としては、アンモニア、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。なかでも、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成しやすさの点では、エチレンジアミンを好ましく用いることが好ましい。
上記の含窒素化合物は、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成効率の観点から、銅イオン1モルに対して1モル以上の割合で用いられることが好ましい。
工程(I)において、水溶液中に予め含有される還元性化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、水素ガス;ヨウ化水素、硫化水素、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化合物;一酸化炭素、二酸化硫黄、亜硫酸塩などの低級酸化物又はその塩;硫化ナトリウム、ポリ硫化ナトリウム、硫化アンモニウムなどのイオウ化合物;アルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの金属又はそのアマルガム;アルデヒド類、糖類、ギ酸、シュウ酸、ヒドラジン、アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコース、アミン類、チオール類などの有機化合物などが挙げられる。
なかでも、工程(I)において、水溶液中に予め含有される還元性化合物として、アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコースなどを好適に用いることができ、アスコルビン酸、エリソルビン酸を用いることが特に好ましい。
上記のような還元性化合物は、水溶液中の銅イオンに対し0.5〜100倍モルの割合で含有されることが好ましく、1〜10倍モルの割合で含有されることがより好ましい。還元性化合物が銅イオンに対し0.5倍モル未満の割合で含有されると、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成効率が低下する場合がある。一方、銅イオンに対し100倍モルを超えて含有されても、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の形成効果が飽和してしまい、コストなどの観点から好ましくない場合がある。
上述のような成分を含有する水溶液を調製するには、各々の成分を同時に配合し攪拌により混合してもよいし、還元性化合物以外の成分を攪拌混合した後に、還元性化合物を添加して調製してもよい。
次いで、工程(I)において、上述のような水溶液(青色の水溶液)を、ほぼ無色透明に変化するまで、適宜な熱源により、加熱する。この際の加熱温度は、50〜100℃とする。加熱の際には、ガラス製の管やステンレス製の管など、水溶液を連続的に流すことができる反応容器を用いて連続的に加熱する方法や、適宜な容器を用いて不連続バッチ式で水溶液を加熱する方法を用いることができるが、次の工程(II)に付するための簡便性を踏まえると、前者の連続的に加熱する方法が好ましい。なぜなら、連続的に加熱する場合は、反応前の水溶液を連続的に供給したり、あるいは反応後の水溶液を連続的に回収したり、もしくは工程(II)へ連続的に移行したりすることができるからである。
工程(I)における水溶液の加熱温度を50〜100℃とすることにより、反応効率や制御性に優れるものとなる。つまり、該加熱温度が50℃未満であると、反応効率が低下する場合があり、該加熱温度が100℃を超えると、析出される繊維状銅微粒子の集合体を構成する各々の微粒子の形状や析出速度を制御するのが難しくなる場合がある。なかでも、該加熱温度は60〜80℃であることが好ましい。
工程(I)においては、水溶液の加熱に際して、適宜な手法及び条件で該水溶液を攪拌してもよい。
工程(II)について以下に述べる。
本発明の第一の製造方法においては、上述のように、工程(I)の後に、工程(II)に付することが必要である。工程(II)においては、工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持することにより、連続的に、水溶液から繊維状銅微粒子の集合体が析出される。ここで、「水溶液の温度を維持する」とは、水溶液の温度を20℃以上低下させないことを意味する。従来技術においては、工程(I)の後、短時間で繊維状微粒子が析出されるが、このように十分な温度維持時間を経ずに繊維状銅微粒子の集合体を析出させる場合は、平均結晶子径が上記の特定範囲に制御された本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができない。
本発明の第一の製造方法においては、水溶液の温度を維持するという簡易な工程(II)を経るのみで、得られる本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を、上記の範囲とすることができる。工程(II)においては、工程(I)における水溶液の加熱温度の観点から、50〜100℃の範囲の水溶液の温度を維持するものであり、60〜80℃の範囲の水溶液の温度を維持することが好ましい。
工程(II)において、水溶液の温度を維持する時間(つまり、定温維持時間)が30分間未満であると、析出された繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を十分に大きくすることができない、つまり、上記の特定とすることができないという問題がある。また、工程(II)において、水溶液の温度を維持する時間が480分間を超えても、該平均結晶子径をそれ以上大きくすることができず、コストなどの観点から好ましくない場合がある。
本発明の第一の製造方法においては、工程(II)では、水溶液を連続的に流すことができる反応容器を用いて連続的に加熱しつつ、水溶液の温度を維持することができる。工程(II)において、水溶液の温度の維持や加熱時間の制御のためには、反応容器・流路の大きさ及び流量などを適宜に選択すればよい。
工程(II)において、上述のように、水溶液に対してさらに還元性化合物を添加し、水溶液の温度を一定に維持することにより、より繊維径の揃った本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。工程(II)において添加される還元性化合物としては、工程(I)における水溶液に含有される上述のような公知のものを用いることができる。なかでも、アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコースを添加することが好ましく、アスコルビン酸、エリソルビン酸を用いることが特に好ましい。なお、工程(I)において水溶液中に予め含有される還元性化合物と、工程(II)において水溶液にさらに添加される還元性化合物とは、同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
工程(II)においてさらに添加される還元性化合物の添加量は、水溶液中の銅イオンに対して、0.5〜100倍モルであることが好ましく、1〜10倍モルであることがより好ましい。0.5倍モル未満であると繊維状銅微粒子の集合体の形成効率が低下する場合がある。一方、100倍モルを超えると繊維状銅微粒子の集合体の形成効果が飽和してしまい、コストなどの観点から好ましくない場合がある。
上記の工程(II)を経た後、析出した繊維状銅微粒子の集合体は、濾過、遠心分離、加圧浮上法などの方法により固液分離して回収することができる。さらに必要に応じて、回収された繊維状銅微粒子の集合体に対して洗浄や乾燥などをおこなってもよい。なお、繊維状銅微粒子の集合体を取り出す際は、その表面が酸化されやすいため、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス雰囲気)下で回収作業をおこなうことが好ましい。
取り出された本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体の保管に際しては、不活性ガス雰囲気、例えば窒素ガス雰囲気下で保管するか、微量の還元性化合物を溶解させた溶液、あるいは、銅の酸化防止機能を有する有機物を微量で溶解させた溶液などに再分散させて保管することが好ましい。
以下、本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を、詳細に説明する。
本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体は、平均結晶子径が150〜300Åであり、かつ平均繊維径が300〜1000Åである。なかでも、平均結晶子径が150〜250Åである繊維状銅微粒子の集合体であることが好ましい。また、平均繊維径は500〜700Åであることが好ましい。
平均結晶子径が150〜300Åである繊維状銅微粒子の集合体、つまり該平均結晶子径が比較的小さい繊維状銅微粒子の集合体においては、その平均繊維径が小さいものとなる傾向にある。すなわち、平均繊維径が300〜1000Åである繊維状銅微粒子の集合体となる。なかでも、平均繊維径が500〜700Åの平均繊維径を有する繊維状銅微粒子の集合体とすることができる。また、平均結晶子径が150〜300Åと比較的小さい繊維状銅微粒子の集合体は他の物質との反応性に優れ、このため格段に広い用途に供することができる。
繊維状銅微粒子の集合体の平均繊維径が1000Å以下という小さい範囲であることで、該繊維状銅微粒子の集合体を含有する導電材料は、透明性や基材との密着性などに顕著に優れるものとなるため、例えば透明性や基材との密着性などをより必要とする用途に好適に用いられる。
前述のように、従来において得られている繊維状銅微粒子の集合体については、そもそも、平均結晶子径を特定の範囲に制御するという技術思想自体が無かった。これに対し、第二の本発明においては、繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を小さめの特定の範囲(150〜300Å)とすることが初めてなされた。このような範囲の平均結晶子径を有する繊維状銅微粒子の集合体は、平均繊維径が300〜1000Åとなり、このため格段に広い用途に供することが可能であるという顕著な効果を奏する。
なお、本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を構成する各々の繊維状銅微粒子には、本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体を構成する各々の繊維状銅微粒子と同様に、その長さ方向の端部や中間部に付着して一体化した状態で、あるいは接触しているが一体化されていない状態での微小な銅粒状体が、形成されていないことが好ましい。
本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体の平均長さ、アスペクト比、平均繊維径及び平均長さを求める方法は、それぞれ、本発明の第一の繊維状銅微粒子のそれと同じである。
本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を製造する方法(本発明の第二の製造方法)は、以下の工程(III)及び工程(IV)をこの順に含み、連続的に集合体を析出させることを特徴とする。
工程(III):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を65〜100℃に加熱する工程。
工程(IV):工程(III)を経た水溶液を、その温度を20℃降下させるのに冷却開始直後から15分以上の時間をかけて冷却する工程。
本発明者らは、平均結晶子径が特定範囲(150〜300Å)に制御された本発明の第二の発明の繊維状銅微粒子の集合体を得るために、様々に鋭意検討した。その結果、工程(III)において、銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を65〜100℃に加熱した後、工程(IV)において、該水溶液の温度を20℃降下させるのに15分以上の時間をかけて液温を低下させ、連続的に、水溶液から繊維状銅微粒子の集合体を析出させることにより、平均結晶子径が150〜300Åの範囲に制御された本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を容易に製造することができることを初めて見出し、本発明の第二の製造方法を完成させた。また、本発明者らは、工程(IV)において、水溶液に還元性化合物をさらに添加することにより、より効率的に(より高い収率で)本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができることを見出した。
本発明の第二の製造方法において、工程(IV)中の「連続的に繊維状銅微粒子の集合体を析出させる」とは、ガラス製の管やステンレス製の管などの反応容器を用いて、水溶液を連続的に流して繊維状銅微粒子の集合体を継続的に析出させることをいう。
上記の水溶液に含有される各々の成分と、この成分を含有する水溶液の調製方法とは、工程(I)(II)の場合と同様である。
工程(III)においては、上述のような水溶液(青色の水溶液)を、ほぼ無色透明に変化するまで、適宜な熱源により、加熱する。この際の加熱温度は、65〜100℃が適当である。この温度条件以外の加熱方法は、工程(I)(II)の場合と同様である。
工程(III)における水溶液の加熱温度を65〜100℃とすることにより、反応効率や制御性に優れるものとなる。つまり、該加熱温度が65℃未満であると、反応効率が低下する場合があり、該加熱温度が100℃を超えると析出される繊維状銅微粒子の集合体を構成する各々の微粒子の形状や析出速度を制御するのが難しくなる場合がある。なかでも、該加熱温度は70〜80℃であることが好ましい。
工程(IV)について以下に述べる。
本発明の第二の製造方法においては、上述のように、工程(III)の後に、工程(IV)に付することが必要である。工程(IV)においては、工程(III)を経た水溶液を、該水溶液の温度を20℃降下させるのに15分以上の時間をかけて液温を低下させる。これにより、連続的に、該水溶液から繊維状銅微粒子の集合体が析出される。従来技術においては、工程(III)の後、短時間で繊維状微粒子の集合体が析出されるが、このように十分な時間をかけることなく水溶液を冷却し、繊維状銅微粒子の集合体を析出させる場合は、平均結晶子径が特定の範囲(150〜300Å)に制御された本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができない。
つまり、本発明の第二の製造方法においては、工程(IV)にて、工程(III)を経た水溶液の温度を、急冷ではなく徐々に冷却するという簡易な工程(IV)を経るのみで、得られる繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を、150〜300Åとすることができ、好ましくは150〜250Åとすることができる。
工程(IV)において、水溶液の温度を、工程(III)を経た水溶液の温度に比べ20℃降下させる時間が15分未満である場合、つまり、徐冷ではなく急冷させて繊維状銅微粒子の集合体を析出させる場合は、析出された繊維状銅微粒子の集合体の平均結晶子径を十分に小さい範囲に制御することができない、つまり、150〜300Åの範囲とすることができないという問題がある。また、急冷させる場合は、繊維状銅微粒子の集合体が析出しない場合もある。
本発明の第二の製造方法において、工程(IV)では、水溶液を連続的に流すことができる反応容器を用いて連続的に水溶液の温度を降下させることができる。
工程(IV)において、水溶液に対してさらに還元性化合物を添加することにより、より高い収率で本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を得ることができる。工程(IV)において添加される還元性化合物としては、工程(III)における水溶液に含有される上述の公知のものを用いることができる。なかでも、アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコースを添加することが好ましく、アスコルビン酸、エリソルビン酸を用いることが特に好ましい。なお、工程(III)において水溶液中に予め含有される還元性化合物と、工程(IV)において水溶液にさらに添加される還元性化合物とは、同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
工程(IV)において添加される還元性化合物の添加量は、工程(II)において添加される還元性化合物の添加量と同様である。
上記の工程(IV)を経た後、析出した繊維状銅微粒子の集合体の回収処理やその後の保管処理は、工程(II)の場合と同様である。
上述のようにして得られた本発明の繊維状銅微粒子の集合体(本発明の第一、第二の繊維状銅微粒子の集合体)を、バインダ成分及び溶媒などに配合し分散させることによって、導電性コーティング剤を作製することができる。
バインダ成分としては、特に限定はないが、例えば、アクリル系樹脂(アクリルシリコン変性樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂など)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂;天然高分子のデンプン、ゼラチン、寒天;半合成高分子のカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;合成高分子のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸系高分子、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子などを用いることができる。
上記溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水が挙げられるほかに、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類などの有機溶媒が挙げられる。これらは、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、水やアルコール類を主成分とする溶媒を用いることが好ましい。
導電性コーティング剤における、繊維状銅微粒子の集合体とバインダ成分との配合比率は、繊維状銅微粒子の集合体の体積(A)とバインダ成分の体積(B)との体積比(A/B)で、1/100〜5/1であることが好ましく、1/20〜1/1であることがより好ましい。繊維状銅微粒子の集合体とバインダ成分との体積比が(1未満)/100であるほどに繊維状銅微粒子の集合体が少ないと、得られる導電性コーティング剤、あるいは該コーティング剤から得られる導電性皮膜などにおいて、導電性が低くなる場合がある。一方、体積比が(5超)/1であるほどにバインダ成分が少ないと、導電性皮膜などとされた場合の表面平滑性や透明性に劣るものとなったりする場合や、導電性コーティング剤を基材に塗布する際の、基材との密着性が低下したりする場合がある。
導電性コーティング剤における固形分(本発明の第一、第二の繊維状銅微粒子の集合体と、バインダ成分と、必要に応じて添加されるその他の添加剤との固形分の合計)濃度は、導電性や取扱性などのバランスに優れる観点から、1〜99質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
導電性コーティング剤の20℃における粘度は、取扱性や基材への塗布容易性などに優れる観点から、0.5〜100mPa・sであることが好ましく、1〜50mPa・sであることがより好ましい。
導電性コーティング剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、バインダ成分を架橋するためのアルデヒド系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系などの架橋剤が用いられてもよい。
このような導電性コーティング剤を製膜することにより、本発明の導電性皮膜を得ることができる。さらに、該導電性皮膜を基材上に形成することにより、導電性フィルムを得ることができる。
導電性皮膜の形成方法としては、導電性コーティング剤を、プラスチックフィルムなどの基材表面上に塗布して、次いで乾燥した後、必要に応じ硬化させることにより膜形成するという、いわゆる液相成膜法が挙げられる。導電性コーティング剤の塗布方法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などの方法を用いることができる。
導電性皮膜の膜厚みは、実用性などの観点から、例えば、0.1〜10μm程度であればよい。
本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体や、本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体を含有する導電性皮膜あるいは導電性フィルムを形成するためには、該集合体のみをプラスチックフィルムなどの基材表面上に散布し、必要に応じ、該塗布された繊維状銅微粒子の集合体を保護するための被覆層を形成する方法を用いることもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の繊維状銅微粒子の集合体に関する測定方法は以下の通りである。
1.半価幅
実施例及び比較例の繊維状銅微粒子の集合体を広角X線回折装置「RINT−TTR III」(リガク社製)を用いて大気下でX線回析に付し、広角X線回折法にて銅の(111)面に相当するピーク(43(deg)付近)の2分の1の強度における回折強度曲線の幅を求め、半価幅βとした。
X線回折には反射粉末法を採用した。その測定条件を下記に示す。
照射条件:Cu−Kα線(電圧:50kV、電流:300mA)、平行ビーム法(CBOユニット)、
25℃走査条件:2deg/分にて、2θ/θ連続走査
ゴニオ半径:285mm
スリット巾条件:発散スリット1mm、発散縦スリット10mm、散乱スリット1mm、受光スリット0.2mm
フィルター:ニッケルフィルター(厚み:0.013〜0.017mm)
シンチレーションカウンタ:型式SC−70C解析ソフト:JADE(バージョン7.5)
各ピークのベースラインは図1に示すように設定し、ピーク強度はベースラインからの高さとした。
2.平均結晶子径
実施例及び比較例にて得られた繊維状銅微粒子の集合体について、上記1.にて求めた半価幅βを用いて、上記式(1)により平均結晶子径を求めた。
3.平均繊維径、平均長さ及び平均アスペクト比
上述のようにして求めた。
[本発明の第一の繊維状銅微粒子の集合体]
(実施例1)
水酸化ナトリウム(ナカライテスク社製)108.0g、硝酸銅三水和物(ナカライテスク社製)0.15g、エチレンジアミン(ナカライテスク社製)0.81gを、純水186g中に、室温において200rpmで撹拌混合し、各化合物が溶解した水溶液を調製した。得られた水溶液は鮮やかな青色を呈していた。ここで該水溶液中における水酸化物イオンと銅イオンとのモル比は4500/1とした。
さらに、還元性化合物としてアスコルビン酸水溶液(ナカライテスク社製)(4.4質量%)1.2g(銅イオンに対して0.5倍モル量)を加え、200rpmで数分間撹拌をおこない均一な水溶液を調製した。
70℃の温水を循環させたジャケットを付けたガラス製のカラム容器(容積30mL)の下部から、上記で調製した水溶液を、カラム通過時間(工程(I)における加熱時間と見なす)が30分となるように流量を調整して注入した。このとき、水溶液は70℃に加熱された。そうしたところ、加熱時間30分で、水溶液はほぼ無色透明に変化し、容器の上部から継続して排出された。ここまでは工程(I)である。
ここからは工程(II)である。
工程(I)を経た後の水溶液に、還元性化合物としてアスコルビン酸水溶液(4.4質量%)4.8g(銅イオンに対して2.0倍モル量)を混合した。そして、工程(I)に続いて、70℃の温水を循環させたジャケットを付けたガラス製のカラム容器の下部から、水溶液の温度が70℃に維持されるように、かつカラム通過時間(工程(II)における温度維持時間と見なす)が30分となるように流量を調整して連続的に注入し、連続的に水溶液を流したところ、繊維状銅微粒子の集合体が継続して析出していることが目視で確認された。
工程(II)により析出した繊維状銅微粒子の集合体を、窒素による加圧濾過[孔径が1μmであるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンフィルター、アドバンテック社製]によって回収し、アスコルビン酸水溶液(10質量%)で1回洗浄し、次いで純水で3回洗浄した。その後、50℃に設定した乾燥機内で液体を乾燥除去し、実施例1の繊維状銅微粒子の集合体を得た。この繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表1に示す。
Figure 0006440352
(実施例2〜7)
工程(I)における加熱温度及び加熱時間(カラム通過時間)、工程(II)における温度維持時間(カラム通過時間)、工程(II)における還元性化合物の添加量を表1記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子の集合体を得た。これらの繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表1に示す。
(実施例8、9)
工程(I)における加熱時間(カラム通過時間)、工程(II)における温度維持時間(カラム通過時間)を表1記載のとおり変更し、工程(I)で予め添加する還元性化合物の量を表1記載の通り変更し、かつ工程(II)では還元性化合物を添加しなかった。それ以外は実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子の集合体を得た。これらの繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表1に示す。
(実施例10)
工程(I)及び工程(II)で添加する還元性化合物をエリソルビン酸とした。それ以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子及びその集合体を得た。この繊維状銅微粒子及びその集合体の評価結果を表1に示す。
(実施例11)
工程(I)及び工程(II)で添加する還元性化合物をグルコースとし、工程(II)で添加するグルコースを銅イオンに対して0.5倍モル量とした。それ以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子及びその集合体を得た。この繊維状銅微粒子及びその集合体の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
工程(II)における温度維持時間(カラム通過時間)を20分とした。それ以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子の集合体を得た。この繊維状銅微粒子及びその集合体の評価結果を表1に示す。
(比較例2〜4)
工程(I)における加熱時間(カラム通過時間)、工程(II)における温度維持時間(カラム通過時間)を表1記載の通りに変更し、工程(I)で還元性化合物としてのアスコルビン酸に代えてヒドラジン(ヒドラジン一水和物として添加、和光純薬工業社製)を表1記載の量で添加し、かつ工程(II)では還元性化合物を添加しなかった。それ以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子及びその集合体を得た。工程(II)においては、70℃の温水を循環させたジャケットを付けたガラス製のカラム容器(容積30mL)の下部から、調製した水溶液を、カラム通過時間(加熱時間と見なす)が30分となることを期待して流量を調整して注入した。これらの繊維状銅微粒子及びその集合体の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
工程(I)における加熱時間(カラム通過時間)、及び工程(II)における温度維持時間(カラム通過時間)を表1記載の通りに変更し、工程(I)及び工程(II)で還元性化合物としてのアスコルビン酸に代えてヒドラジン(ヒドラジン一水和物として添加、和光純薬工業社製)を表1記載の量で添加した。それ以外は、実施例1と同様の方法にて繊維状銅微粒子及びその集合体を得た。これらの繊維状銅微粒子及びその集合体の評価結果を表1に示す。
(比較例6)
工程(I)までは実施例1と同様に行った後、水溶液に、還元性化合物であるアスコルビン酸水溶液(4.4質量%)4.8g(銅イオンに対して2.0倍モル量)を混合した。そして、当該混合した水溶液を、冷水(20℃)を循環させたジャケットを付けたガラス製のカラム容器へ通すことにより、該水溶液を10分間で30℃まで急冷させた。なお、表1中、「−」は、冷水にて急冷を行い、工程(II)を行わなかったことを示す。
実施例1〜11においては、工程(I)において、アスコルビン酸を含有させた水溶液を加熱し、温水ジャケットを付けたカラム容器を用いて工程(II)における温度維持時間を30分間以上として、連続的に繊維状銅微粒子を製造した。その結果、表1に示すように、平均繊維径が500〜1500Åであり、平均アスペクト比が10以上である繊維状銅微粒子が得られた。さらには、平均結晶子径が450〜1000Åであり、平均繊維径が500〜1500Åである繊維状銅微粒子の集合体が得られた。また、平均繊維径が500〜1500Åであり、平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上である繊維状銅微粒子の集合体が得られた。すなわち、工程(II)において、工程(I)を経た水溶液の温度を「30分間以上」維持することで、平均結晶子径が比較的大きい繊維状銅微粒子の集合体が得られた。
特に、実施例1〜7(工程(II)において、さらに還元性化合物を添加した実施例)においては、実施例8及び9(工程(II)において、還元性化合物を添加せず、工程(I)で全量の還元性化合物を添加した実施例)に比べて、大きめの繊維径の分布が少なく、平均繊維径が若干小さい(つまり、1000Å以下である)繊維状銅微粒子の集合体が得られた。
比較例1〜5においては、工程(II)において、工程(I)を経た水溶液の温度を「30分間以上」維持できなかったため、平均結晶子径が304〜406Åと本発明に規定する範囲(≧450Å)を外れる繊維状銅微粒子の集合体しか得られなかった。また、平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍未満である繊維状銅微粒子の集合体しか得られなかった。
比較例2〜5においては、工程(I)において短時間で液の色が青から無色透明に変化し、その後10分以内に繊維状銅微粒子及びその集合体が完全に析出した。そのため、温度維持時間を30分以上にして連続的に繊維状銅微粒子及びその集合体を析出させることができなかった。
比較例6は、工程(II)を含まず急冷を行った製造方法であったため、繊維状銅微粒子の集合体を得ることすらできなかった。
[本発明の第二の繊維状銅微粒子の集合体]
(実施例12)
水酸化ナトリウム(ナカライテスク社製)108.0g、硝酸銅三水和物(ナカライテスク社製)0.15g、エチレンジアミン(ナカライテスク社製)0.81gを、純水186g中に、室温において200rpmで撹拌混合し、各化合物が溶解した水溶液を調製した。得られた水溶液は鮮やかな青色を呈していた。ここで該水溶液中における水酸化物イオンと銅イオンとのモル比は4500/1とした。
さらに、還元性化合物としてアスコルビン酸水溶液(ナカライテスク社製)(4.4質量%)1.2g(銅イオンに対して0.5倍モル量)を加え、200rpmで数分間撹拌をおこない均一な水溶液を調製した。
80℃の温水を循環させたジャケットを付けたガラス製のカラム容器(容積30mL)の下部から、上記で調製した水溶液を、カラム通過時間(工程(III)における加熱時間と見なす)が20分となるように流量を調整して注入した。このとき、水溶液は80℃に加熱された。そうしたところ、加熱時間20分で、水溶液はほぼ無色透明に変化して容器の上部から継続して排出された。ここまでは、工程(III)である。
ここからは工程(IV)である。
工程(III)を経た後の水溶液に、還元性化合物としてアスコルビン酸水溶液(4.
4質量%)4.8g(銅イオンに対して2.0倍モル量)を混合した。そして、工程(III)に続いて、加熱ジャケットの無いガラス製のカラム容器の下部から連続的に水溶液を注入して流し、水溶液の液温を10分後に70℃まで降下させ、30分後に60℃まで降下させた。つまり、工程(IV)における、水溶液の温度を20℃降下させるのに要した時間は30分間であった。その徐冷過程において、繊維状銅微粒子の集合体が継続して析出していることが目視で確認された。
工程(IV)により析出した繊維状銅微粒子の集合体を、窒素による加圧濾過[孔径が1μmであるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンフィルター、アドバンテック社製]によって回収し、アスコルビン酸水溶液(10質量%)で1回洗浄し、次いで純水で3回洗浄した。その後、50℃に設定した乾燥機内で液体を乾燥除去し、繊維状銅微粒子の集合体を得た。この繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表2に示す。
Figure 0006440352
(実施例13〜16)
実施例12に比べ、工程(III)における加熱温度と加熱時間(カラム通過時間)、工程(IV)における工程(III)後の水溶液の温度を20℃降下させるのに要した時間、工程(III)及び工程(IV)における還元性化合物の添加量及び種類(実施例16における還元性化合物としてはグルコース(ナカライテスク社製)を使用)を表2記載の通り変更した。それ以外は実施例12と同様の方法にて繊維状銅微粒子の集合体を得た。これらの繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例12に比べ、工程(III)における加熱温度及び加熱時間(カラム通過時間)、工程(IV)における水溶液の温度を20℃降下させるのに要した時間を表2記載のとおり変更した。それ以外は、実施例12と同様とした。しかし、繊維状銅微粒子の集合体の析出物は得られなかった。
(比較例8)
工程(III)における加熱温度及び加熱時間(カラム通過時間)、工程(IV)における工程(III)後の水溶液の温度を20℃降下させるのに要した時間、工程(III)及び工程(IV)における還元性化合物の添加量及び種類(ヒドラジン(ヒドラジン一水和物として添加、和光純薬工業社製))を表2記載のとおり変更した。それ以外は実施例12と同様として、繊維状銅微粒子の集合体を得た。この繊維状銅微粒子の集合体の評価結果を表2に示す。なお、表2中、「−」は水溶液を徐冷に付する前に繊維状銅微粒子及びその集合体の析出が始まってしまったことを示す。
実施例12〜16においては、「工程(III)において水溶液を加熱したこと」、及び「工程(IV)において、工程(III)を経た水溶液の温度を20℃降下させるのに冷却開始直後から「15分以上」の時間をかけて冷却したこと」より、表2に示すように、平均結晶子径が150〜300Åであり、平均繊維径が300〜1000Åであり、平均アスペクト比が10以上である繊維状銅微粒子の集合体を得ることができた。
比較例7においては、工程(III)における加熱温度が、第二の本発明にて規定する温度未満であったため、繊維状銅微粒子の集合体が析出しなかった。
比較例8においては、工程(III)の直後の工程(IV)での徐冷に付する前に、繊維状銅微粒子の集合体が析出してしまった。そして、比較例8の繊維状銅微粒子の集合体は、平均結晶子径が420Å、平均繊維径が2000Åと本発明に規定する範囲(平均結晶子径が150〜300Å、平均繊維径が300〜1000Å)を外れていた。

Claims (6)

  1. 平均結晶子径が450〜1000Åであり、かつ平均繊維径が500〜1500Åである繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(I)及び工程(II)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
    工程(I):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
    工程(II):工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持する時間を経て、集合体を継続的に析出させる工程
  2. 平均繊維径が500〜1500Åであり、かつ平均結晶子径が平均繊維径の0.45倍以上である繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(I)及び工程(II)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
    工程(I):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を50〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
    工程(II):工程(I)を経た後の水溶液の温度を30分間以上維持する時間を経て、集合体を継続的に析出させる工程
  3. 工程(II)において、水溶液に対して還元性化合物をさらに添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
  4. 平均結晶子径が150〜300Åであり、かつ平均繊維径が300〜1000Åである繊維状銅微粒子の集合体を製造するための方法であって、以下の工程(III)及び工程(IV)をこの順に含むことを特徴とする繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
    工程(III):銅イオンと、アルカリ性化合物と、銅イオンと安定な錯体を形成しうる含窒素化合物と、還元性化合物とを含有する水溶液を65〜100℃に加熱して、水溶液を無色透明に変化させる工程。
    工程(IV):工程(III)を経た水溶液を、その温度を20℃降下させるのに冷却開始直後から15分以上の時間をかけて冷却して、集合体を継続的に析出させる工程
  5. 工程(IV)において、水溶液に対して還元性化合物をさらに添加することを特徴とする請求項に記載の繊維状銅微粒子の集合体の製造方法。
  6. 繊維状銅微粒子の集合体の平均アスペクト比10以上とする請求項1、2、のいずれか1項に記載の繊維状銅微粒子の集合体の製造方法
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